JP4751251B2 - 植生基体およびそれを用いた緑化工法 - Google Patents

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Description

本発明は、法面などの浸食を防止する植生基体およびそれを用いた法面などの緑化工法に関するものである。
法面などの浸食防止に用いる植生基体としては、ネットとその裏面(施工時の下面)に積層したシート状の薄綿とで構成されたものが、特許文献1等によって知られており、数多くの施工実績がある。この植生基体は、ネットとシート状の薄綿の両方で浸食防止効果を発揮させるように意図されたものである。即ち、ネットの下面に積層されたシート状の薄綿は、夜露程度の僅かな水分でネットから剥がれ落ちて、地表の凹凸面に密着し、薄綿が分解するまでの期間、表面土壌を包み込むことにより、雨滴による表面土壌の流亡(微小土粒子の飛散、移動)を防止する役目を果たし、ネットは、植生基体としての形状を保持することにより施工性を確保し且つ風によるシート状の薄綿の散逸を防止すると共に、地表を全体にわたり押さえ付けて、保護する役目を果たすものである。
従って、この植生基体の場合、ネット自体には、微小土粒子の飛散、移動を防止する機能は少なく、シート状の薄綿が分解した後は、表面土壌の流亡防止効果が半減するという問題点がある。
そのため、シート状の薄綿として、分解速度の異なる複数種類の繊維(例えば、レーヨンとポリ乳酸繊維)を混合し、その配合比により分解速度を調整して、少なくとも半年の間(薄綿に接着した植物種子、周辺から飛来して来る植物種子などが発芽・発根して、植生による表面土壌の流亡効果が発揮されるまでの期間)は、浸食防止効果を維持できるようにした植生基体が、特許文献2によって提案されている。
しかし、これによる場合は、シート状の薄綿をネットに積層して一体化しないと、保形性に欠けるので、法面などの施工対象地に敷設する作業や現場への運搬等に不便であり、シート状の薄綿だけでは施工性が悪いという問題点がある。
特許第3073726号公報 特願2005−98502号
本発明は、上記の問題点をふまえて成されたものであって、ネット自体に、微小土粒子の飛散、移動を防止する機能をより多く持たせた施工性の良い植生基体を提供することを第一の目的とする。本発明の第二の目的は、この植生基体を用いた法面などの緑化工法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明が講じた技術的手段は、次の通りである。即ち、請求項1に記載の発明による植生基体は、縦糸と横糸とでラッセル編織されるネットの裏面に、ネット裏面に対する連結点間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸を、横糸を1目以上縦方向に飛ばして斜めに編み込むことで形成し、これを全面にわたって略均一な分布状態に設けてあることを特徴としている。
請求項2に記載の発明による植生基体は、縦糸と横糸とでラッセル編織されるネットの裏面に、ネット裏面に対する連結点間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸を、横糸を1目以上縦方向に飛ばして斜めに編み込むことで形成し、これを全面にわたって略均一な分布状態に設けると共に、シート状物を積層してあることを特徴としている。
請求項3に記載の発明のように、シート状物には少なくとも植物種子を接着するのが普通であるが、周辺植生地から飛来する植物種子の発芽・生育による緑化(植生誘導工)を行う場合は、シート状物に植物種子は接着しない。尚、シート状物とは、シート状に形成した薄綿、水解紙などからなる紙や不織布等、ネットに貼着可能で浸食防止効果を有する腐食性のシート全てを包含する意味である。
請求項4に記載の発明による緑化工法は、請求項1に記載の植生基体を施工対象地にループ状のたるみ糸が下になるように敷設し、飛来した植物種子を植生基体により定着させて施工対象地を緑化することを特徴としている。
請求項5に記載の発明による緑化工法は、請求項1に記載の植生基体を施工対象地にループ状のたるみ糸が下になるように敷設し、その表面に植物種子を含む植生材料を吹き付けて、施工対象地を緑化することを特徴としている。
請求項6に記載の発明による緑化工法は、請求項3に記載の植生基体を施工対象地にループ状のたるみ糸が下になるように敷設し、シート状物に接着されていた植物種子を発芽・生育させて施工対象地を緑化することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ネット裏面にループ状のたるみ糸が全面にわたって略均一な分布状態に設けられているので、本発明の植生基体を法面などの施工対象地にループ状のたるみ糸が下になるように敷設することにより、これらのループ状のたるみ糸が地表の凹凸面に密着し、降雨や凍上によって地表を移動する微小土粒子がループ状のたるみ糸に絡んで捕獲され、微小土粒子の飛散、移動が防止されることになる。
このように、本発明の植生基体は、施工性の良いネット自体に微小土粒子の飛散、移動を防止する機能を持たせたものであるから、シート状の薄綿を使用せずに法面などの浸食防止を行うことが可能であり、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できる。尚、前記たるみ糸は、それらの土粒子を完全に固定するわけではなく、ある程度(浸食被害が発生しない程度)の移動を可能にするため、植物種子と土粒子が混ざり合い易く、植物の生育に適した土壌環境を創出できるのである。
請求項2,3に記載の発明によれば、全面にわたって略均一な分布状態にループ状のたるみ糸が設けられたネットと、シート状物とで植生基体を構成したので、シート状物が分解するまでの間は、従来通り、ネットとシート状物の両方で浸食防止効果を発揮させることができ、シート状物が分解した後は、ネット裏面に設けられたループ状のたるみ糸が地表の凹凸面に密着することで、微小土粒子の飛散、移動を防止する機能が発揮され、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できる。
請求項4に記載の発明によれば、ネット全面にわたって略均一な分布状態に設けられたループ状のたるみ糸が地表の凹凸面に密着して、降雨や凍上によって地表を移動する微小土粒子と周辺の植生地から飛来した植物種子とを捕獲し、移動を阻止すると共に土粒子と植物種子が混ざり合うことになるので、飛来した植物種子が定着しやすくなる。
従って、周辺の植生地からの植生誘導による緑化工法であるにもかかわらず飛来した植物種子の発芽・生育が確実で、生態系を配慮した多様な植生相を早期に成立させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、植物種子を含む植生材料を吹き付けることにより、ネット裏面に全面にわたって略均一な分布状態に設けられたループ状のたるみ糸がネットの網目を通過した植生材料に埋め込まれることで、植生材料の流亡を防止することができ、植物種子の発芽・生育による緑化を確実に達成できる。
請求項6に記載の発明によれば、シート状物が分解するまでの間は、従来通り、ネットとシート状物の両方で浸食防止効果を発揮させることができ、シート状物が分解した後は、ネット裏面に設けられたループ状のたるみ糸が地表の凹凸面に密着することで、ネット自体による微小土粒子の飛散、移動を防止する機能が発揮され、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できるので、シート状物に接着された植物種子の発芽・生育による緑化を確実に達成できる。
図1〜図3は、本発明に係る植生基体Aの一例を示す。この植生基体Aは、ネット自体に微小土粒子の飛散、移動を防止する機能を持たせたものであって、縦糸1と横糸2とで編織されるネット3の裏面に、ネット裏面に対する連結点P,Q間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸aを、全面にわたって略均一な分布状態に設けてある。
具体的には、図2に示すように、ダブルラッセルのバック側において、横糸2を1〜複数目縦方向に飛ばして斜めに編み込んだものであり、斜めに編み込まれる横糸2の長さをネット裏面に対する連結点P,Q間の直線距離の1.1〜2倍程度長くすることによって、ネット裏面とでループを形成するループ状のたるみ糸aを形成してある。ループ状のたるみ糸aの長さは、ネット裏面に対する連結点P,Q間の直線距離の1.1〜2倍程度を標準とするが、その長さを調整することで、たるみの程度に変化を持たせることができる。また、連結点P,Qの場所を縦方向又は横方向の目合い毎でずらす(互い違いにする、ランダムにするなど)ことにより、たるみの位置を分散させることができ、より安定した浸食防止効果を発揮させることが可能となる。
図2において、横糸2の縦方向における挿入間隔の狭い領域は、ダブルラッセルのフロント側の縦糸1とバック側の縦糸1との連結を数目合い分だけ止め、フロント側とバック側とを分離することによって形成した袋収納部4であり、図3に示すように、肥料袋(これには、植物種子を混入させることもある。)5を横方向から挿入することができる。袋収納部4における横糸2の挿入間隔を狭くしたのは、肥料袋5の挿入をスムーズに行えるように配慮したものである。袋収納部4は植生基体Aにとって必ずしも必要ではなく、袋収納部4を設けずに実施してもよい。また、ネットの一部にスリットを設け、該スリット部から肥料袋や植生袋(例えば埋土種子を含む表土を詰め込んだ袋体など)を挿入できるようにすることも可能であり、本構成によれば施工の後であっても袋体をネットに装着することができ好適である。
尚、図2では、植生基体Aの構成が分かり易いように、ダブルラッセルのフロント側ネット3Aとバック側ネット3Bとを分離した状態に図示したが、フロント側ネット3Aの縦糸1とバック側ネット3Bの縦糸1とは、前記袋収納部4を形成する部分以外は、1本の鎖状を呈するように鎖編みによって互いに連結されている。
上記の構成によれば、ループ状のたるみ糸aがネット裏面に、全面にわたって略均一な分布状態に設けられているので、この植生基体Aを法面などの施工対象地にループ状のたるみ糸aが下になるように敷設することにより、これらのループ状のたるみ糸aが地表の凹凸面に密着し、降雨や凍上によって地表を移動する微小土粒子がループ状のたるみ糸aに絡んで捕獲され、微小土粒子の飛散、移動が防止されることになる。尚、上記ではバック側にて横糸2を斜めに編みこんでいるが、これに限定されるものではなく、フロント側に編みこむ、若しくは、フロント側からバック側へ(バック側からフロント側へ)編みこむことも可能である。更には、シングルラッセルによる1重ネットにも適用できることは言うまでもない。
このように、上記の植生基体Aは、シート状の薄綿に比較して保形性があるため施工性が良いネット自体に微小土粒子の飛散、移動を防止する機能を持たせたものであるから、シート状の薄綿を併用せずに法面などの浸食防止を行うことが可能であり、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できる。
図4は、本発明の参考例を示し、ネット3を編織する縦糸1及び横糸2とは別の挿入糸2aによって、ループ状のたるみ糸aを形成した点に特徴がある。具体的には、ダブルラッセルのバック側において、横糸2とは別の挿入糸2aを数目縦方向に飛ばして斜めに編み込んだものであり、斜めに編み込まれる挿入糸2aの長さをネット裏面に対する連結点P,Q間の直線距離の1.1〜2倍程度長くすることによって、ネット裏面とでループを形成するループ状のたるみ糸aを形成してある。
挿入糸2aのうち袋収納部4を縦方向に通過する部分は、図5に示すように、袋収納部4におけるバック側の縦糸1(フロント側ネット3Aの縦糸1との連結を止めたバック側ネット3Bの縦糸1)に縦方向に編み込まれる場合と、図6に示すように、袋収納部4におけるバック側の縦糸1に1〜複数目縦方向に飛ばして斜めに編み込んで、袋収納部4のバック側にもループ状のたるみ糸aを形成する場合とがある。その他の構成、作用は図1〜図3の実施形態と同じである。
尚、図4〜図6では、植生基体Aの構成が分かり易いように、ダブルラッセルのフロント側ネット3Aとバック側ネット3Bとを分離した状態に図示したが、前記袋収納部4を形成する部分以外は、フロント側ネット3Aの縦糸1とバック側ネット3Bの縦糸1とが1本の鎖状を呈するように鎖編みによって互いに連結されている。
ループ状のたるみ糸aを形成する横糸2又は挿入糸2aとしては、例えばポリエチレンより成るフラットヤーンが用いられるが、毛糸など捩れのあるもの、水分により膨張するもの、水分によって数本にバラけるもの、水分を吸収することによって粘着力が生じるものなどに代替可能であり、これらを使用することにより、浸食防止効果を高めることができる。また、遠赤外線の発生量の多いポリエステル繊維を用いれば、保温効果、発芽促進効果が期待できる。更には、横糸2又は挿入糸2aを複数本(2〜10本)の糸を引き揃えた糸で構成させる場合、複数種類の糸を持って引き揃えることも可能であり、この場合は各種糸の持つ特性(柔軟性・伸縮性・剛性など)が相乗効果として発揮され、より一層浸食防止効果を高めることとなるため好適である。
図7、図8、図9、図10、図11、図12は、各々、本発明の他の実施形態または他の参考例を示す。図7の実施形態は、1〜複数目縦方向に飛ばして斜めに編み込む横糸2の本数を増やした点に特徴があり、その他の構成は、図1〜図3の実施形態と同じである。図8の実施形態は、1〜複数目縦方向に飛ばして斜めに編み込む挿入糸2aの本数を増やした点に特徴があり、その他の構成は、図4〜図6の実施形態と同じである。
図9の実施形態は、横糸2を縦方向と横方向に1〜複数目ずつ飛ばして斜めに編み込んだ点に特徴があり、その他の構成は、図1〜図3の実施形態と同じである。図10の実施形態は、挿入糸2aを縦方向と横方向に1〜複数目ずつ飛ばして斜めに編み込んだ点に特徴があり、その他の構成は、図4〜図6の実施形態と同じである。
図11の実施形態は、ループ状のたるみ糸aが互いに交差するように、1〜複数目縦方向に飛ばして斜めに編み込む横糸2を逆方向にも挿入した点に特徴があり、その他の構成は、図1〜図3の実施形態と同じである。図12の実施形態は、ループ状のたるみ糸aが互いに交差するように、1〜複数目縦方向に飛ばして斜めに編み込む挿入糸2aを逆方向にも挿入した点に特徴があり、その他の構成は、図4〜図6の実施形態と同じである。
図7〜図12の実施形態の構成によれば、浸食防止効果を高めることができる。即ち、図7、図8の実施形態の構成によれば、ループ状のたるみ糸aの数が増大し、図9、図10の実施形態の構成によれば、ループ状のたるみ糸aの縦糸1と交差する角度が増大し、図11、図12の実施形態の構成によれば、ループ状のたるみ糸aの数が増大し且つ縦糸1と交差する角度が増大することになる。これらは、何れも、浸食防止効果を高める要因となる。
尚、図1〜図12の実施形態では、何れも、ネット編織時に横糸2又は挿入糸2aを斜めに編み込むことによって、ループ状のたるみ糸aを形成しているが、ネットを編織した後、別の糸をループ状にたるませつつネット裏面に融着等の手段により連結して、ループ状のたるみ糸aを形成することも可能である。また、何れも横糸2や挿入糸2aが同一方向の傾斜となっているが、これに限定されるものではなく、右傾斜・左傾斜を交互に構成することも可能であり、本構成によれば、たるみ糸aにより略V字状を形成させて集中的に浸食防止を図ることができ好適である。更には、横糸2や挿入糸2aの傾斜方向・傾斜角度をランダムに構成させることも効果的である。
図13は、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、図1〜図12の何れかに示した植生基体Aにおけるネット3の裏面に、シート状物の一例であるシート状の薄綿6を積層して植生基体Aを構成した点に特徴がある。シート状の薄綿6には、植物種子7や肥料、保水材などが接着されているが、周辺植生地から飛来する植物種子の発芽・生育による緑化(植生誘導工)を行う場合は、シート状の薄綿6に植物種子7は接着しない。
尚、シート状の薄綿6の材料、配合等は従来と同じでよい。また、シート状の薄綿6をネット裏面に積層して一体化する手段としては、ローラによる加圧、水溶性接着剤による接着、ネット裏面に重ねたシート状の薄綿6の上から高圧空気を吹き付けるか、ネット表面側から空気を吸引して、薄綿6をネット3に絡み付かせる方法、或いは、それらの組合せなど、任意の公知手段を採用できる。また、薄綿6の代替として、水解紙などの紙や不織布等からなるシート状物を採用することも可能である。
上記の構成によれば、ネット裏面にループ状のたるみ糸aが全面にわたって略均一な分布状態に設けられているネット3と、シート状の薄綿6とで植生基体Aを構成したので、シート状の薄綿6が分解するまでの間は、従来通り、ネット3とシート状の薄綿6の両方で浸食防止効果を発揮させることができ、シート状の薄綿6が分解した後は、ネット裏面に設けられたループ状のたるみ糸2aが地表の凹凸面に密着することで、微小土粒子の飛散、移動を防止する機能が発揮され、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できる。
図14、図15の(A),(B),(C)は、本発明に係る緑化工法の一例を示す。この緑化工法は、図1〜図12の何れかに示した植生基体Aを施工対象地である法面Bにアンカーや止め釘(図示せず)で固定された状態に敷設し、飛来した植物種子7を植生基体Aにより定着させて法面Bを緑化することを特徴としている。
この緑化工法によれば、図15の(A)に示すように、植生基体Aを敷設した時点で、植生基体Aのネット3と法面Bの間に、地表の凹凸による隙間があっても、図15の(B)に示すように、ネット裏面にループ状のたるみ糸aが略均一な分布状態に設けられているので、降雨や凍上によって地表を移動する微小土粒子8や周辺植生地から飛来した植物種子7がループ状のたるみ糸aで捕獲され、移動を阻止されることになる。ただし、前記たるみ糸aはそれらの微小土粒子8を完全に固定するわけではなく、ある程度(浸食被害が発生しない程度)の移動を可能にするため、植物種子7と微小土粒子8が法面B表層で混ざり合い易くなるのである。従って、植物種子7が定着しやすく、図15の(C)に示すように、周辺の植生地からの植生誘導による緑化工法であるにもかかわらず飛来した植物種子の発芽・生育が確実で、生態系を配慮した多様な植生相を早期に成立させることができる。
図16は、本発明に係る緑化工法の他の例を示す。この緑化工法は、図1〜図12の何れかに示した植生基体Aを施工対象地である法面Bにアンカーや止め釘(図示せず)で固定された状態に敷設し、植生基体Aの上に、肥料、土壌改良材、保水材等の一種以上と植物種子7とを含む植生材料9を吹き付けて、法面Bを緑化することを特徴としている。
この緑化工法によれば、ネット裏面に全面にわたって略均一な分布状態に設けられているループ状のたるみ糸aがネット3の網目を通過した植生材料9に埋め込まれることで、植生材料9の流亡を防止することができ、植物種子7の発芽・生育による緑化を確実に達成できる。この際、植物種子7として施工地周辺から採取した表土シードバンクに含まれる埋土種子を使用することで、周辺植生をより早期に復元することができ好適である。
図17の(A),(B),(C)は、本発明に係る緑化工法の他の例を示す。この緑化工法は、図13で示した植生基体Aを施工対象地である法面Bにアンカーや止め釘(図示せず)で固定された状態に敷設し、シート状の薄綿6に接着されていた植物種子7を発芽・生育させて法面Bを緑化することを特徴としている。
この緑化工法によれば、シート状の薄綿6が分解するまでの間は、従来通り、ネット3とシート状の薄綿6の両方で浸食防止効果を発揮させることができる。即ち、図17の(A)に示すように、植生基体Aを敷設した時点で、植生基体Aと法面Bの間に、地表の凹凸による隙間があっても、図17の(B)に示すように、降雨や夜露により、シート状の薄綿6がネット3から剥がれ落ちて、地表の凹凸面に密着し、薄綿が分解するまでの期間、表面土壌を包み込むことにより、雨滴による表面土壌の流亡(微小土粒子の飛散、移動)や植物種子7の流亡を防止する役目を果たし、ネット3は、植生基体Aとしての形状を保持することにより施工性を確保し且つ風によるシート状の薄綿6の散逸を防止すると共に、地表を全体にわたり押さえ付けて、保護する役目を果たす。
シート状の薄綿6が分解した後は、図17の(C)に示すように、ネット裏面に設けられている無数のループ状のたるみ糸aが地表の凹凸面に密着することで、ネット自体による微小土粒子の飛散、移動を防止する機能が発揮され、長期間にわたって表面土壌の流亡防止効果を維持できるので、薄綿6に接着された植物種子7の発芽・生育による緑化を確実に達成できる。
本発明の実施形態を示し、植生基体を説明する斜視図である。 上記の植生基体を説明する図である。 上記の植生基体の概略斜視図である。 本発明の参考例を示す植生基体の説明図である。 挿入糸と袋収納部との関係を説明する斜視図である。 挿入糸と袋収納部との関係を説明する斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す植生基体の説明図である。 本発明の他の参考例を示す植生基体の説明図である。 本発明の他の実施形態を示す植生基体の説明図である。 本発明の他の参考例を示す植生基体の説明図である。 本発明の他の実施形態を示す植生基体の説明図である。 本発明の他の参考例を示す植生基体の説明図である。 本発明の他の実施形態を示す植生基体の概略斜視図である。 本発明の実施形態を示し、緑化工法を説明する斜視図である。 上記の緑化工法を説明する縦断面図である。 本発明の他の実施形態を示し、緑化工法を説明する縦断面図である。 本発明の他の実施形態を示し、緑化工法を説明する縦断面図である。
A 植生基体
a ループ状のたるみ糸
1 縦糸
2 横糸
2a 挿入糸
3 ネット
6 シート状の薄綿(シート状物)

Claims (6)

  1. 縦糸と横糸とでラッセル編織されるネットの裏面に、ネット裏面に対する連結点間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸を、横糸を1目以上縦方向に飛ばして斜めに編み込むことで形成し、これを全面にわたって略均一な分布状態に設けてあることを特徴とする植生基体。
  2. 縦糸と横糸とでラッセル編織されるネットの裏面に、ネット裏面に対する連結点間の直線距離よりも長いループ状のたるみ糸を、横糸を1目以上縦方向に飛ばして斜めに編み込むことで形成し、これを全面にわたって略均一な分布状態に設けると共に、シート状物を積層してあることを特徴とする植生基体。
  3. シート状物に植物種子が接着されていることを特徴とする請求項2に記載の植生基体。
  4. 請求項1に記載の植生基体を施工対象地にループ状のたるみ糸が下になるように敷設し、飛来した植物種子を植生基体により定着させて施工対象地を緑化することを特徴とする緑化工法。
  5. 請求項1に記載の植生基体を施工対象地にループ状のたるみ糸が下になるように敷設し、植生基体の上に植物種子を含む植生材料を吹き付けて、施工対象地を緑化することを特徴とする緑化工法。
  6. 請求項3に記載の植生基体を施工対象地にループ状のたるみ糸が下になるように敷設し、シート状物に接着されていた植物種子を発芽・生育させて施工対象地を緑化することを特徴とする緑化工法。
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