JP4684491B2 - 床パネルの束 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物の玄関などで用いる、床パネルの束に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイル貼り用の床パネルは、従来から特開平10−18557号などとして既に提案されている。この床パネルは、上表面にタイル載置用の複数個の浅い窪みを有し、これを基礎床面に並べて配すると共に、そのパネルの下面を、高さ調節自在な束とモルタル固めとで固定支持する形式である。また、束にはネジ式の単純な機構のものが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の床パネルは、その下面の支持にモルタル固めが必要である為、施工に手間がかかる上に、一旦、設置すると、取外しができない。更に、パネルに対しての束の配置位置が決まっている為、パネルを切断して使用する場合などには、束による支持が出来なくなることがある。また、束は、高さ調節可能であるものの、所定の高さで位置固定ができないので、使用中にパネルの高さが変わって、床面に不陸ができるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑み、床パネルの支持に適し、所定の高さで固定保持できる束を提供するにある。更に、パネル支持箇所の位置を自由に選べる束を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の床パネルの束の技術的手段は、上端にレンチ結合穴を有する支持ボルトと、中央がパイプ状のパネル受けと、上端に押えフランジが螺着された固定体とからなり、パネル受けの上端の天板には、床パネルの結合穴に嵌入する凸起が形成され、前記押えフランジと天板とによって床パネルを上下面から挟み付けて固定するようになっており、パネル受けのパイプの下端内面はネジ部になっていて、支持ボルトと螺合し、かつ、パイプの内面には、上下方向に溝が形成されており、固定体は、上部はパイプ状であるが、下部は足になっていて、この足はパイプの溝に摺動自在に嵌り込み、かつ、足の下端内面はネジ部になっていて、支持ボルトと螺合していることにある。
【0008】
また、支持ボルトの下端に、基礎床面に対する釘止め固定用のフランジを設けてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の床パネルと束の実施の形態を、図面の実施例に基づいて説明する。図1は玄関の床面に用いた実施例であり、1は床パネルで、平面形状は、通常、300〜600mm角程度の正方形である。材質は、硬質の合成樹脂製で、厚さは、通常、30〜60mm程度である。この床パネル1は、床面の広さに応じて適当数、並べて用いられる。2は束で、床パネルの連結部などの適所を支持する。3は基礎床面で、通常、コンクリート製である。4はタイルで、床パネル1の上面に載置される。
【0010】
床パネル1の上表面には、浅い窪み11が複数個(図示例では9個)形成されていて、タイル4はここに嵌め込まれる。このタイル4は接着剤を用いて固着するようにしてもよい。また、隣接タイル4の間には、目地材を取付けてもよい。床パネル1の下面には、軽量化の為に、多数の凹欠部12が形成されている。また図2に示されるように、パネルの周辺部には、束2の凸起と嵌合する為の結合穴13が多数形成されている。この結合穴13の形状は丸穴や長穴など自由であって、凸起の大きさや位置に合わせて、適宜、設定する。
【0011】
図3には、束2の一実施例が示されている。21は支持ボルトで、上端にはレンチ結合用の6角穴22が形成され、下端には、基礎床面3に対する釘止め固定用のフランジ23が設けられている。24はパネル受けで、上端に位置する円形の天板25で床パネル1の下面を支える。また、天板25の上面には凸起26が複数個(図示例では4個)突出していて、この凸起26は床パネル1の結合穴13に嵌入結合する。パネル受け24の中央はパイプ27になっていて、このパイプ27は、下端のネジ部28で支持ボルト21と螺合する。30は固定体であり、パイプ状で、パネル受けのパイプ27の内側に嵌り込み、下端のネジ部31で支持ボルト21と螺合する。固定体30の上端には、押えフランジ32が設けられていて、床パネル1の上面に当接する。更に押えフランジ32には、回転操作用の工具を結合する為の穴33が複数個設けられている。
【0012】
前記の束2の使用方法は、先ず、床パネル1を床面上に並べ、その隅角や縁辺などの所定の箇所に束2を配し、更に、束の凸起26を結合穴13に嵌め込み、かつ、束2の下端のフランジ23を基礎床面3に釘止めして固定する。次に、支持ボルト21の頭の6角穴22にレンチを入れて、回転させ、束の高さを変え、レベル調節する。続いて、固定体30の頭の穴33に工具を入れて、締め込み、床パネル1を、パネル受け24と押えフランジ32とで緊結する。この結果、支持ボルト21のネジ部には、上下両方向への力が同時に作用するようになるので、ネジ部の弛みを防止できる。このようにして、床パネル1の設置が完了した後、最後にタイルを貼る。
【0013】
図4、図5には、束2の他の実施例が示されている。この実施例では、固定体30は、上部はパイプ状であるが、下部は2本の足34になっていて、この足34はパネル受けの中央のパイプ27の内面に形成された溝29に、上下方向に摺動自在に嵌り込む。また足34の下端はネジ部31になっていて、支持ボルト21と螺合する。従って、図5に示されるように支持ボルト21には、足のネジ部31と、パネル受けのネジ部28とが分割状に螺合する。また、押えフランジ32は固定体30とは別体で、固定体30の頭に螺着される。35は押えフランジ32に設けられたレンチ用の6角穴である。
【0014】
この実施例の束では、押えフランジ32は外し、固定体30は取付けた状態で、束を、床パネル1の下面所定位置に配し、下端フランジ23を釘止め固定した上で、支持ボルト21の6角穴26にレンチを差し込んで回転させ、高さのレベル調節をする。次に、押えフランジ32を取付けて、6角穴35にレンチを差し込んで締め込む。これにより、床パネル1は、上下から挟まれて、強固に固定されるようになり、また、支持ボルト21のネジ部には、上下両方向への力が同時に作用するので、ネジ部での弛みが防止される。
【0015】
図6、図7、図8には、床パネル1に対する束2の配置例が示されている。図6は、床パネル1の連結箇所に配した例であり、隅角のパネル4枚の連結部、及び、縁辺のパネル2枚の連結部に束2が配置されている。図7は、床の最外縁に位置する床パネル1に対する、束2の配置例である。図8は、床パネル1を切断して用いた場合の、束の配置例である。これらいずれの配置例に於いても、パネル受けの凸起26が床パネルの結合穴13に嵌り込むので、束による支持が安定する。なお、床パネルの隅角に束を配する場合以外は、固定体30の為の穴を、床パネル1に適宜穿設するものとする。また、別個にボルトを用いて、床パネル1の上面からボルトを挿通し、パネル受けの天板24にネジ込み固定するようにしてもよい。
【0016】
本発明は、前記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲内で自由に変形実施可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明の床パネルの束は、支持ボルトを回転させるだけで、束の高さ調節が簡単にでき、また、床パネルを、パネル受けの天板と、固定体に螺着した押えフランジとによって、上下から挟み付けて支持する形式であり、かつ、凸起が床パネルの結合穴に嵌入しているから、床パネルを常時安定よく、しっかりと固定支持できる。また、パネル受けのパイプの内面には、上下方向に溝が形成されていて、この溝に、固定体の足が摺動自在に嵌り込んでおり、かつ、そのパイプと足との下端内面はネジ部になっていて、共に支持ボルトと螺合している。即ち、支持ボルトの同高位置で両者が分割状に螺合している。このため、2段に螺合させるものに比べて、束の高さを低くでき、基礎床面との間隙を小さくできるので、床パネルを設置する場合に有益である。更に、支持ボルトのネジ部には、パネル受けと、固定体とが螺合していて、両方の力が逆方向に作用するので、ネジの弛みを防止でき、長期間に亘って、床パネルのレベルを一定に保持できる。
【0020】
請求項2の束は、支持ボルトの下端を、基礎床面に簡単に固定できるので、使用中のズレなどがなく、床パネルを安定よく支持可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床パネルの実施例の使用状態の断面図。
【図2】床パネルの平面図。
【図3】束の実施例の断面図。
【図4】束の他の実施例の断面図。
【図5】A−A断面図。
【図6】束の配置例を示す平面図。
【図7】束の他の配置例を示す平面図。
【図8】束の更に他の配置例を示す平面図。
【符号の説明】
1 床パネル
2 束
3 基礎床面
4 タイル
11 タイル載置用の窪み
12 凹欠部
13 結合穴
21 支持ボルト
22 6角穴
23 フランジ
24 パネル受け
25 天板
26 凸起
27 パイプ
28、31 ネジ部
29 溝
30 固定体
32 押えフランジ
33 工具用の穴
34 足
Claims (2)
- 上端にレンチ結合穴を有する支持ボルトと、中央がパイプ状のパネル受けと、上端に押えフランジが螺着された固定体とからなり、
パネル受けの上端の天板には、床パネルの結合穴に嵌入する凸起が形成され、前記押えフランジと天板とによって床パネルを上下面から挟み付けて固定するようになっており、
パネル受けのパイプの下端内面はネジ部になっていて、支持ボルトと螺合し、かつ、パイプの内面には、上下方向に溝が形成されており、
固定体は、上部はパイプ状であるが、下部は足になっていて、この足はパイプの溝に摺動自在に嵌り込み、かつ、足の下端内面はネジ部になっていて、支持ボルトと螺合している、床パネルの束。 - 支持ボルトの下端に、基礎床面に対する釘止め固定用のフランジが設けられている請求項1記載の床パネルの束。
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- 2001-08-22 JP JP2001250975A patent/JP4684491B2/ja not_active Expired - Fee Related
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