JPH0622764Y2 - コンクリ−トスラブ用床下地材レベル調整取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、コンクリート建築物におけるコンクリート
スラブ上に床下地材をレベル調整して取付ける構造に関
するものである。

〔従来技術〕

従来、コンクリートスラブに対する床下地材の取付構造
としては、(1)第３図に示すように、コンクリートスラ
ブ５の上面に、床下地材１０の縁部の下面を支承する桟
木１３と床下地材１０の中間部を支承するモルタル１４
とを載置すると共に、桟木１３を固定するモルタル１５
を打設し、各床下地材１０の縁部の下面を桟木１３に載
置して釘により固定した取付構造、(2)第４図に示すよ
うに、一定の面積と厚みを有する床仕上材または床下地
材１０をコンクリートスラブ５の上面に前後左右方向に
並べて載置して釘または接着剤により固定する取付構造
等が知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかるに、前記(1)(2)の取付構造の場合、コンクリート
スラブ５の上面に凹凸（不陸）が存在すると、各床下地
材１０の上面が同一平面上に配置されないで、床下地材
１０の上面に傾きが生じたり、隣り合う床下地材１０の
上面に段差が生じるという問題がある。

また前記(1)の取付構造の場合は、コンクリートスラブ
５に対する床下地材１０の固定強度が弱く、さらに前記
(2)の取付構造の場合は、コンクリートスラブ５の上面
に凹凸が存在すると、対抗する４枚の床仕上板または床
下地材１０における上面の隅角部にレベルの不揃いが生
じるので、レベル調整を行なう必要があるが、このレベ
ル調整作業は困難である。隣り合う床仕上板または床下
地材の突き合わせ部の上面にレベル差が生じたままにし
ておくと、外観が悪くかつ歩行の際に引掛かつたり、床
仕上板または床下地材が剥離し易くなり、しかも木質の
床仕上板または床下地材の場合はきしみ音が発生すると
いう問題がある。

〔考案の目的、構成〕

この考案は前述の問題を有利に解決できるコンクリート
スラブ用床下地材レベル調整取付構造を提供することを
目的とするものであつて、この考案の要旨とするところ
は、コンクリート用釘１の上端部に釘打込用孔２を有す
るレベル調整用螺杆３を一体に連設して構成した打込ア
ンカー４における前記コンクリート用釘１がコンクリー
トスラブ５に打込まれ、レベル調整用雌ねじ部材６とそ
の上部に連設された床下地材受座７と釘挿通孔８とを有
する床下地材支持部材９における前記レベル調整用雌ね
じ部材６が、前記レベル調整用螺杆３に螺合され、前記
床下地材受座７の上に複数の床下地材１０の突き合わせ
部が載置され、その突き合わせ部の上面に押え板１１が
載置され、スクリユウ釘１２はその押え板１１に挿通さ
れて床下地材支持部材９の釘打込用孔８および打込アン
カー４の釘打込用孔２に打込まれていることを特徴とす
るコンクリートスラブ用床下地材レベル調整取付構造に
ある。

〔実施例〕

次にこの考案を図示の例によつて詳細に説明する。

第１図はこの考案の一実施例に係るコンクリートスラブ
用床下地材レベル調整取付構造を示し、第２図はその取
付構造を分解して示すものであつて、コンクリート用釘
１の上端部に釘打込用孔２を有するレベル調整用螺杆３
が一体に連設されて鋼製打込アンカー４が構成され、前
記コンクリート用釘１は焼入処理される。

前記レベル調整用螺杆３に螺合されるレベル調整用雌ね
じ部材６の上部に水平な上面を有する円形の床下地材受
座７が一体に連設され、かつ雌ねじ部材６の側部に回り
止め用押ねじ１６を螺合するためのねじ孔１７が設けら
れ、さらに前記床下地材受座７および雌ねじ部材６の上
部中央に釘打込用孔２と同径の釘打込用孔８が設けられ
ると共に、その釘打込用孔８の周囲に複数のスリツト１
８が放射状に連設されて床下地材支持部材９が構成され
ている。この床下地材支持部材９は、例えば鋼材，アル
ミニウムまたはプラスチツク等により製作される。

前後方向および左右方向に多数並べて配置される床下地
材の４隅の突き合わせ予定位置において、前記打込アン
カー４におけるコンクリート用釘１がコンクリートスラ
ブ５に打込まれ、かつ床下地材支持部材９における雌ね
じ部材６が打込アンカー４における螺杆３に螺合される
と共に、床下地材支持部材９が回動されて各床下地材受
座７の上面のレベルが調整され、この状態でねじ孔１７
に螺合された回り止め用押ねじ１６により雌ねじ部材６
が螺杆３に固定される。

次に木繊維セメント結合板またはその他の断熱板からな
る４枚の床下地材１０の隅部が、前後方向および左右方
向に並ぶように突き合わされた状態で、床下地材受座７
の上面に載置され、次いで溝掘用ドリルにより、各床下
地材１０の隅部の上面にわたつて、平坦な底面を有する
円形の溝２０が切削形成される。

次に４隅部に爪片２１を備えている角座金からなる押え
板１１における釘孔に軟鉄製スクリユウ釘１２が挿通さ
れ、かつ前記押え板１１が溝２０内に収容されて爪片２
１が床下地材１０に打込まれると共に、軟鉄製スクリユ
ウ釘１２が各床下地材１０の隅部の突き合わせ部を通つ
て床下地材支持部材９の釘打込用孔８および打込アンカ
ー４の釘打込用孔２に打込まれて、釘打込用孔２および
釘打込用孔８に圧接固定され、前記スクリユウ釘１２に
より押え板１１を介して各床下地材１０の隅部が床下地
材受座７の上面に固定され、次に床仕上板等の床下地材
１９が各床下地材１０の上面にわたつて配置されて接着
剤または釘等により固定される。

この考案を実施する場合、床下地材支持部材９の釘打込
用孔８の径を打込アンカー４の釘打込用孔２の径よりも
僅かに大きくして、スクリユウ釘１２が打込アンカー４
にのみ固定されるようにしてもよい。またこの考案は２
枚の床下地材１０の突き合わせ部における長手方向中間
位置のレベル調整取付にも実施することができる。

〔考案の効果〕

この考案によれば、打込アンカー４におけるコンクリー
ト用釘１がコンクリートスラブ５に打込まれると共に、
その打込アンカー４におけるレベル調整用螺杆３に、レ
ベル調整用雌ねじ部材６および床下地材受座７を有する
床下地材支持部材９における前記レベル調整用雌ねじ部
材６が螺合されているので、床下地材支持部材９を回動
することにより、複数の床下地材１０の突き合わせ部を
載置する床下地材受座７のレベルを容易にかつ微細に調
整することができ、そのためコンクリートスラブ５の上
面に凹凸があつても、各床下地材１０をそれらの上面が
同一平面上に位置するように設置することができ、さら
に床下地材受座７に載置された複数の床下地材１０の突
き合わせ部の上面にわたつて押え板１１が載置されると
共に、スクリユウ釘１２が押え板１１に挿通されて床下
地材支持部材９の釘打込用孔８および打込アンカー４の
釘打込用孔２に打込まれているので、レベル調整された
各床下地材１０の突き合わせ部をコンクリートスラブ５
に対し強固に固定することができ、しかも前記釘はスク
リユウ釘１２であるので、長期間にわたつて大きな引抜
抵抗を発揮させることができる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係るコンクリートスラブ
用床下地材レベル調整取付構造を示す縦断側面図、第２
図はその取付構造を分解して示す斜視図である。第３図
は従来の床下地材取付構造を示す縦断側面図、第４図は
従来の床仕上板または床下地材取付構造の他の例を示す
縦断斜視図である。 図において、１はコンクリート用釘、２は釘打込用孔、
３はレベル調整用螺杆、４は打込アンカー、５はコンク
リートスラブ、６はレベル調整用雌ねじ部材、７は床下
地材受座、８は釘打込用孔、９は床下地材支持部材、１
０は床下地材、１１は押え板、１２はスクリユウ釘、１
６は回り止め用押ねじ、１７はねじ孔、１９は床仕上
板、２０は溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンクリート用釘１の上端部に釘打込用孔
   ２を有するレベル調整用螺杆３を一体に連設して構成し
   た打込アンカー４における前記コンクリート用釘１がコ
   ンクリートスラブ５に打込まれ、レベル調整用雌ねじ部
   材６とその上部に連設された床下地材受座７と釘挿通孔
   ８とを有する床下地材支持部材９における前記レベル調
   整用雌ねじ部材６が、前記レベル調整用螺杆３に螺合さ
   れ、前記床下地材受座７の上に複数の床下地材１０の突
   き合わせ部が載置され、その突き合わせ部の上面に押え
   板１１が載置され、スクリュウ釘１２はその押え板１１
   に挿通されて床下地材支持部材９の釘打込用孔８および
   打込アンカー４の釘打込用孔２に打込まれていることを
   特徴とするコンクリートスラブ用床下地材レベル調整取
   付構造。