JP4682422B2 - 3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式(1)
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。)
で示される3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸エステル類(以下、菊酸エステル類(1)と略記する。)は、家庭用防疫薬、殺虫剤等の酸部分として極めて重要な3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸(以下、菊酸と略記する。)の合成中間体として重要であり、上記菊酸エステル類(1)および菊酸を鍵化合物として、シクロプロパン環に結合した2−メチル−1−プロペニル基が種々のアルケニル基に置換した菊酸類縁体および該菊酸類縁体を用いた殺虫剤等も数多く開発されている。
【0003】
かかるシクロプロパン環に結合した2−メチル−1−プロペニル基が種々のアルケニル基に置換した菊酸類縁体を製造する方法として、一般式(2)
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類とウイッティヒ試剤を反応させる方法が知られており(US−H49号公報)、上記一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類は、菊酸類縁体の合成において、極めて重要な化合物である。
【0004】
一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法としては、例えば菊酸をオゾン酸化する方法(例えば特公昭46−24695号公報)、過ヨウ素酸を用いる方法(US−H49号公報)等が知られているが、菊酸をオゾン酸化する方法は、毒性が強く、爆発の危険性を有するオゾンを用いるという問題が、過ヨウ素酸を用いる方法は、過ヨウ素酸が高価であるという問題があり、工業的な一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法とは言えなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、工業的な一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法を開発すべく鋭意検討したところ、菊酸のエステル誘導体と過酸化水素を、タングステン酸化物、レニウム酸化物等の特定の化合物の存在下に反応させることにより、容易に目的とする一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類が得られることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、一般式(1)
(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。)
で示される3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸エステル類と過酸化水素を、タングステン酸化物、レニウム酸化物、モリブデン酸化物、ヘテロポリタングステン酸およびヘテロポリモリブデン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下に反応させることを特徴とする一般式(2)
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
一般式(1)
で示される3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸エステル類(以下、菊酸エステル類(1)と略記する。)の式中、Rとしては、アルキル基、シクロアルキル基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。
【0008】
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基等の直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1〜5の低級アルキル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基やメンチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
【0009】
アラルキル基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等のアリール基と上記したアルキル基とから構成されるものが挙げられる。アリール基は、例えば上記したアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜5の低級アルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜5のハロアルキル基、メトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等で置換されていてもよい。
かかるアラルキル基としては、例えばベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル基等が挙げられる。
【0010】
かかる菊酸エステル類(1)としては、例えば3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸メンチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸ベンジル、
【0011】
(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロベンジル)−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル)−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボキシレート、(4−フェノキシベンジル)−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボキシレート等が挙げられる。
【0012】
菊酸エステル類(1)には、2つの不斉炭素があり、(+)−トランス体、(−)−トランス体、(+)−シス体および(−)−シス体の4種類の光学異性体が存在するが、本発明には、それら光学異性体の単独または混合物のいずれも用いることができる。
【0013】
菊酸エステル類(1)と過酸化水素との反応は、タングステン酸化物、レニウム酸化物、モリブデン酸化物、ヘテロポリタングステン酸およびヘテロポリモリブデン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下に行われる。
【0014】
タングステン酸化物としては、例えば三酸化タングステン、タングステン酸、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸マグネシウム等が挙げられる。レニウム酸化物としては、例えばメチルレニウムトリオキサイド、エチルレニウムトリオキサイド等が挙げられる。モリブデン酸化物としては、例えば三酸化モリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、ビス(2,4−アセチルアセトナート)モリブデニウムジオキサイド等が挙げられる。ヘテロポリタングステン酸としては、例えばリンタングステン酸、ケイタングステン酸、ホウタングステン酸およびこれらのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が、ヘテロポリモリブデン酸としては、例えばリンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、ホウモリブデン酸およびこれらのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。かかる化合物は無水物であってもよいし、水和物であってもよい。
【0015】
かかる化合物の使用量は、菊酸エステル類(1)に対して、通常0.001モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎても経済的に不利になりやすいため、実用的には菊酸エステル類(1)に対して、1モル倍以下である。
【0016】
過酸化水素は、安全面から通常水溶液もしくは有機溶媒溶液として用いられる。水溶液もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。
過酸化水素/水溶液は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて、希釈、濃縮等により濃度調整を行なった後用いられる。過酸化水素/有機溶媒溶液は、例えば過酸化水素/水溶液を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に蒸留処理する等の手段により、調製することができる。
過酸化水素の使用量は、菊酸エステル類(1)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特にないが、経済的な面も考慮すると、実用的には50モル倍以下である。
【0017】
タングステン酸化物またはヘテロポリタングステン酸の存在下に反応を実施する場合には、通常水溶媒または有機溶媒が用いられる。有機溶媒としては、例えば四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。
水溶媒または有機溶媒の使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的には菊酸エステル類(1)に対して、100重量倍以下である。
【0018】
タングステン酸化物またはヘテロポリタングステン酸の存在下に反応を実施する場合において、例えば水溶媒中で反応を実施する、過酸化水素/水溶液を用いる等の反応系内に水が存在するときは、第四級アンモニウム塩の共存下に反応を実施することが好ましく、第四級アンモニウム塩としては、例えば硫酸水素n−テトラブチルアンモニウム、硫酸水素n−テトラヘキシルアンモニウム、硫酸水素メチルトリセチルアンモニウム等の硫酸水素第四級アンモニウム塩等が挙げられる。第四級アンモニウム塩を用いる場合のその使用量は、菊酸エステル類(1)に対して、通常0.001モル倍以上であり、その上限は特にないが、多すぎると経済的に不利になるため、実用的には菊酸エステル類(1)に対して、1モル倍以下である。
【0019】
また反応系が有機溶媒と水の二層系となるときは、脱水剤を共存させてもよく、脱水剤としては、例えば硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、その使用量は特に制限されないが、通常反応系内の水分が除去できる量の脱水剤が用いられる。
【0020】
また、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸マグネシウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングストリン酸ナトリウム、モリブドリン酸カリウム、タングストケイ酸マグネシウム、モリブドリン酸カルシウム等のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を用いる場合には、活性を高めるため、例えば塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸を反応系に加え、反応系を酸性に調整することが好ましい。かかる鉱酸の使用量は反応系を酸性にする量であれば十分である。
【0021】
レニウム酸化物、モリブデン酸化物またはヘテロポリモリブデン酸の存在下に反応を実施する場合には、通常有機溶媒が用いられる。有機溶媒としては、上記したものと同様のものが挙げられ、その使用量も同様である。
【0022】
レニウム酸化物、モリブデン酸化物またはヘテロポリモリブデン酸の存在下に反応を実施する場合において、過酸化水素/水溶液を用いるときは、脱水剤を共存させることが好ましく、脱水剤としては、上記と同様のものが挙げられ、その使用量は特に制限されないが、通常過酸化水素/水溶液中の水分を除去できる量が用いられる。
【0023】
本反応は、菊酸エステル類(1)、過酸化水素、上記化合物および必要に応じて溶媒を混合すればよく、その混合順序は特に制限されないが、予め上記化合物と過酸化水素を混合しておき、該混合物に菊酸エステル類(1)を加えることが目的物の収率の面で好ましい。予め上記化合物と過酸化水素を混合する温度は、通常20〜100℃である。また、本反応の反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは0〜80℃である。
【0024】
また、本反応は、ホウ素化合物の共存下に実施してもよい。ホウ素化合物としては、例えば無水ホウ酸、メタホウ酸、正ホウ酸、メタホウ酸アルカリ金属塩、メタホウ酸アルカリ土類金属塩、正ホウ酸アルカリ金属塩、正ホウ酸アルカリ土類金属塩等が挙げられ、その使用量は特に制限されないが、あまり多すぎても経済的に不利になるため、実用的には菊酸エステル類(1)に対して、1モル倍以下である。
【0025】
反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
【0026】
反応終了後、必要に応じて不溶物を濾別した後、例えば反応混合物を濃縮処理することにより、目的とする一般式(2)
(式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)
で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類を取り出すことができる。また、反応混合物に、必要に応じて水および/または水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類を取り出すこともできる。取り出した一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類は、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の手段によりさらに精製してもよい。
【0027】
水に不溶の有機溶媒としては、例えばヘキサン、へプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0028】
なお、菊酸エステル類(1)として、光学活性体を用いた場合には、対応する光学活性な一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類が得られ、ラセミ体の菊酸エステル類(1)を用いた場合には、ラセミ体の一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類が得られる。
【0029】
かかる一般式(2)で示される3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類としては、例えば3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メンチル、3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸ベンジル、
【0030】
(4−クロロベンジル)−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロベンジル)−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル)−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボキシレート、(4−フェノキシベンジル)−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボキシレート等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、分析はガスクロマトグラフィによりおこなった。
【0032】
実施例1
100mLフラスコに、タングステン酸・一水和物543mgおよび水3gを仕込み、60重量%過酸化水素水3gを5分かけて滴下した後、内温60℃に昇温、同温度で1時間攪拌、保持した。内温30℃に冷却した後、tert−ブタノール15g、硫酸マグネシウム5.3gを仕込み、内温25℃で12時間攪拌した。内温15℃に調整し、トランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸メチル4gとtert−ブタノール10gとからなる混合液を20分かけて滴下した。内温15℃で24時間攪拌、保持し、トランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルを含む反応液を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析(内部標準法)したところ、収率55.5%であった。
【0033】
参考例2
50mLフラスコに、メチルレニウムトリオキシド27mgおよび30重量%過酸化水素水600mgを仕込み、内温60℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。内温25℃に冷却後、tert−ブタノール1.5gおよび硫酸マグネシウム530mgを仕込み、さらにトランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸メチル400mgとtert−ブタノール1.5gとからなる混合液を、20分かけて滴下した。内温25℃で24時間攪拌、保持し、トランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルを含む反応液を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析(内部標準法)したところ、収率21.6%であった。
【0034】
実施例3
50mLフラスコに、タングステン酸・一水和物55mg、85%リン酸6mgおよび30重量%過酸化水素水600mgを仕込み、内温60℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。内温25℃に冷却し、tert−ブタノール1.5gおよび硫酸マグネシウム530mgを仕込み、さらにトランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸メチル400mgとtert−ブタノール1.5gとからなる混合液を、20分かけて滴下した。内温25℃で14時間攪拌、保持し、トランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルを含む反応液を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析(内部標準法)したところ、収率44.6%であった。
【0035】
実施例4
50mLフラスコに、タングステン酸ナトリウム・三水和物72mg、濃硫酸22mgおよび30重量%過酸化水素水600mgを仕込み、内温60℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。内温25℃に冷却し、tert−ブタノール1.5gおよび硫酸マグネシウム530mgを仕込み、さらにトランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸メチル400mgとtert−ブタノール1.5gとからなる混合液を、20分かけて滴下した。内温25℃で24時間攪拌保持し、トランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルを含む反応液を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析(内部標準法)したところ、収率40.9%であった。
【0036】
参考例5
50mLフラスコに、三酸化モリブデン21mgおよび30重量%過酸化水素水600mgを仕込み、内温60℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。内温25℃に冷却し、tert−ブタノール1.5gおよび硫酸マグネシウム530mgを仕込んだ後、内温60℃に昇温し、トランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸メチル400mgとtert−ブタノール1.5gとからなる混合液を、20分かけて滴下した。
内温60℃で6時間攪拌保持し、トランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルを含む反応液を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析(内部標準法)したところ、収率18.0%であった。
【0037】
実施例6
50mLフラスコに、タングステン酸・一水和物55mg、無水ホウ酸12mgおよび30重量%過酸化水素水600mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。内温25℃に冷却し、tert−ブタノール1.5gおよび硫酸マグネシウム530mgを仕込み、さらにトランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸メチル400mgとtert−ブタノール1.5gとからなる混合液を、20分かけて滴下した。内温25℃で24時間攪拌保持し、トランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルを含む反応液を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析(内部標準法)したところ、収率49.3%であった。
【0038】
参考例7
50mLフラスコに、12タングストリン酸・n水和物52mgおよび30重量%過酸化水素水600mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で1時間攪拌、保持した。内温25℃に冷却し、tert−ブタノール1.5gおよび硫酸マグネシウム530mgを仕込み、さらにトランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸メチル400mgとtert−ブタノール1.5gとからなる混合液を、20分かけて滴下した。内温25℃で24時間攪拌保持し、トランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルを含む反応液を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析(内部標準法)したところ、収率45.8%であった。
【0039】
実施例8
50mLのフラスコに、tert−ブタノール5g、30重量%過酸化水素水1.0g、硫酸マグネシウム2gおよび三酸化タングステン20mgを仕込み、内温60℃に昇温した後、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸エチル100mg/tert−ブタノール1gの混合液を10分かけて滴下した。その後、内温60℃で2時間攪拌、保持し、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチルを含む反応液を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析したところ、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチルの面積百分率値は、33%であった。
【0040】
参考例9
50mLのフラスコに、メチルtert−ブチルエーテル5g、30重量%過酸化水素水1.0g、硫酸マグネシウム2gおよびメチルレニウムトリオキサイド10mgを仕込み、内温50℃に昇温した後、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸エチル100mg/メチルtert−ブチルエーテル1gの混合液を10分かけて滴下した。その後、内温50℃で2時間攪拌、保持し、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチルを含む反応混合物を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析したところ、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチルの面積百分率値は、23%であった。
【0041】
実施例10
50mLのフラスコに、30重量%過酸化水素水1.0g、酸化タングステン10mg、硫酸水素n−テトラブチルアンモニウム10mgおよびラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸エチル100mgを仕込み、内温60℃で、2時間攪拌、保持し、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチルを含む反応混合物を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析したところ、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチルの面積百分率値は、27%であった。
【0042】
実施例11
50mLのフラスコに、30重量%過酸化水素水1.0g、タングステン酸ナトリウム10mg、硫酸水素メチルトリセチルアンモニウム10mgおよびラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸エチル100mgを仕込み、内温60℃で、2時間攪拌、保持し、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチルを含む反応混合物を得た。該反応液をガスクロマトグラフィ分析したところ、ラセミ体のトランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エチルの面積百分率値は、27%であった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、入手が容易なタングステン酸化物等の触媒の存在下、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸エステル類と安価な過酸化水素を反応させることにより、3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステル類を容易に得ることができるので、工業的に有利である。
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