JP4604339B2 - エステル化合物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエステル化合物の製造法、より詳しくはシクロプロパンカルボン酸2,3,5,6−テトラフルオロベンジルエステル化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
一般式(4)
【化4】
(式中、R1はメチル基またはC3−C4アルケニル基を表し、R2は水素原子
またはメチル基を表し、R4は水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC2−C3アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルキルチオ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい(C1−C3アルコキシ)メチル基を表す。)
で示されるシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロベンジルエステル化合物が有害生物防除剤の有効成分として有用であることが知られ(例えば、特開平11−222463号公報、特開2000−63329公報、ヨーロッパ特許公開EP1004569)ており、工業的に高収率・高品質でこれらの化合物を製造する方法の開発が望まれている。
【0003】
一方、特開昭52−128336号公報において、カルボン酸のメチルまたはエチルエステルとある種のベンジルアルコール類とをナトリウムメトキシドまたはエトキシドの存在下でエステル交換させるカルボン酸エステル類の製造法が提案されている。
【0004】
しかし、一般式(4)で示されるエステル化合物を相当するシクロプロパンカルボン酸のメチルエステルとベンジルアルコール誘導体とをナトリウムメトキシドを触媒とするエステル交換反応により製造することを試みたところ、目的とする一般式(4)で示されるエステル化合物は低収率でしか生成しなかった。
本発明は、シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロベンジルエステル化合物の工業的に有利な製造法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、一般式(1)で示されるエステル化合物と一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物と一般式(3)で示されるリチウム化合物とを反応させることにより、一般式(4)で示される化合物が簡便かつ高収率・高純度で得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
一般式(1)
【化5】
(式中、R1はメチル基またはC3−C4アルケニル基を表し、R2は水素原子
またはメチル基を表し、R3はメチル基またはエチル基を表す。)
で示されるエステル化合物とを、一般式(2)
【化6】
(式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC2−C3アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルキルチオ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルコキシC1−C2アルキル基を表す。)で示されるベンジルアルコール化合物と、一般式(3)
R5OLi (3)
(式中、R5はC1−C4アルキル基を表す。)
で示されるリチウム化合物の存在下で反応させることを特徴とする一般式(4)
【化7】
(式中、R1、R2およびR4は前記と同じ意味を表す。)
で示されるエステル化合物の製造法(以下、本発明製造法と記す。)を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明製造法は、一般式(1)で示されるエステル化合物と一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物と一般式(3)で示されるリチウム化合物とを反応させることにより一般式(4)で示されるエステル化合物を製造する方法である。
【0007】
本発明において、R1で示されるC3−C4アルケニル基としては、例えば、2−メチル−1−プロペニル基、1−プロペニル基及び1−ブテニル基があげられ、
R4で示される
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子があげられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基があげられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC2−C3アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基、2,2−ジクロロビニル基があげられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、トリフルオロメトキシ基があげられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基があげられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C3アルコキシC1−C2アルキル基としては、例えばメトキシメチル基があげられる。
R5で示されるC1−C4アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基があげられる。
【0008】
本発明製造法により製造される一般式(4)で示される化合物としては、例えば、R1がC3−C4アルケニル基であり、かつ、R2が水素原子である化合物
、R1、R2が共にメチル基である化合物があげられる。
【0009】
次に本発明製造法に用いられる一般式(1)で示されるエステル化合物、一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物及び一般式(3)で示されるリチウム化合物の具体例を示す。
【0010】
一般式(1)で示されるエステル化合物;2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル、2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル、2,2−ジメチル−3−(1−ブテニル)シクロプロパンカルボン酸メチル、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エチル、2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エチル、及び2,2−ジメチル−3−(1−ブテニル)シクロプロパンカルボン酸エチル、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボン酸エチル。
【0011】
一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物;2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−クロロベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ブロモベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ジフルオロメチルベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ビニルベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アリルベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(2,2−ジクロロビニル)ベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ジフルオロメトキシベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメトキシベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルチオベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジルアルコール。
【0012】
一般式(3)で示されるリチウム化合物;リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウム−t−ブトキシド。
【0013】
本発明製造法の反応は、通常は溶媒中、一般式(1)で示されるエステル化合物と一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物と一般式(3)で示されるリチウム化合物とを反応させることにより行うことができる。
反応に用いられる一般式(1)で示されるエステル化合物の量は、一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物1モルに対して、通常1モル以上であり、反応後の分離、回収の負担の点から好ましくは1〜3モルであり、さらに好ましくは1〜2モルである。
反応に用いられる一般式(3)で示されるリチウム化合物の量は、一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物1モルに対して0.0001〜0.5モルであり、好ましくは0.001〜0.1モルの範囲である。
【0014】
反応に用いられる溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素類(1,2−ジクロロエタン等)、脂肪族炭化水素(ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等)、エーテル類(ジエチレングリコールジメチルエーテル等)があげられる。
反応に用いられる溶媒の量は、目的を達する範囲で任意に選択するこができるが、通常は一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物1重量部に対して、1〜100重量部であり、好ましくは1〜10重量部である。反応温度の範囲は、反応を行う際の圧力、反応に用いる溶媒の沸点等の諸条件によって選択できるが通常、70〜200℃の範囲である。
【0015】
反応終点は、反応液中の原料化合物の存在量を液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等により追跡して確認することができる。反応時間の範囲は、通常2〜48時間の範囲である。
【0016】
また、本発明製造法の反応は一般式(1)で示されるエステル化合物と一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物と一般式(3)で示されるリチウム化合物とを混合することにより達成することができるが、一般式(1)で示されるエステル化合物と、一般式(3)で示されるリチウム化合物とを含有する溶液に、一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物を加えることによっても行うことができる。この場合、一般式(1)で示されるエステル化合物と、一般式(3)で示されるリチウム化合物とを含有する溶液に、一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物を加える以外の反応条件は前記の反応条件と同様の条件により反応を行うことができる。
【0017】
一般式(1)で示されるエステル化合物と、一般式(3)で示されるリチウム化合物とを含有する溶液に、一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物を加える方法としては、例えば一般式(1)で示されるエステル化合物と、一般式(3)で示されるリチウム化合物とを含有する溶液に、必要に応じて反応溶媒に溶解した一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物を滴下する方法があげられる。
【0018】
さらに、本発明製造法の反応を実施するにあたっては、反応の進行にしたがって生成するメタノールまたはエタノール等の低沸点化合物を反応系外に除去しながら反応を行うことが好ましい。
すなわち、本発明製造法の実施の形態として、例えば一般式(1)で示されるエステル化合物と、一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物とを、一般式(3)で示されるリチウム化合物の存在下、生成する低沸点化合物を反応系外に除去しながら反応させ、一般式(4)で示されるエステル化合物を製造する方法、および一般式(1)で示されるエステル化合物と、一般式(3)で示されるリチウム化合物とを含有する溶液に、一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物を加え、生成する低沸点化合物を反応系外に除去しながら反応させ、一般式(4)で示されるエステル化合物を製造する方法をあげることができる。
【0019】
生成する低沸点化合物を反応系外に除去する方法としては、例えば、生成する低沸点化合物の沸点以上の温度で反応を行い反応系外に留去する方法、反応に使用する溶媒の沸点以上の温度で反応を行い反応溶媒と共に低沸点化合物を反応系外に留去する方法、還流中の溶媒をモレキュラーシーブス等で処理することにより低沸点化合物を除去する方法があげられる。
【0020】
反応には、本発明製造法の目的を達する範囲内において、2−メチル−5−エチルピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、テトラブチルアンモニウムブロミド、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール等を加えることもできる。
【0021】
反応終了後は、反応液を水または酸性水で洗浄し、さらに必要に応じてアルカリ水洗浄をした後、濃縮する等の後処理を行うことにより、一般式(4)で示されるエステル化合物を得ることができ、該化合物は必要に応じてクロマトグラフィー、蒸留等によりさらに精製することもできる。
また、反応終了後は、反応液を水で洗浄し、必要に応じてアルカリ水洗浄して得られた有機層に水を加えて加熱することにより水および溶媒を留去することにより、一般式(4)で示されるエステル化合物を得ることができる。
【0022】
【実施例】
以下、製造例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
製造例1
1000mlのセパラブルフラスコに1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル78.1g(0.464モル、二重結合に由来する幾何異性体の比率:E/Z=1/9)、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.79g(0.004モル)、ノルマルヘプタン320g、リチウムメトキシド0.34g(0.009モル)を仕込み、溶融させた2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジルアルコール80.0g(0.357モル)とノルマルヘプタン160gとを並行して、104〜105℃において、該温度で留去される成分を蒸留除去しながら4時間かけて滴下した。この間に留去された成分の量は、161.5gであった。この反応混合物をさらに、同温でノルマルヘプタンを加えながら、該温度で留去される成分を留去しながら7時間加熱攪拌した。この間に留去された低沸点成分の量は、566.9gであった。その後反応液を冷却してから、水160gで3回、5%水酸化ナトリウム水溶液240gで2回、水160gで1回、1%塩酸80gで2回、水80gで2回順次洗浄した。得られた有機層(376.7g)(以下、溶液Aと記す。)の一部(49.9g)を濃縮して得られた残渣(18.7g)をガスクロマトグラフィーを用いた内部標準法により分析したところ、1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル(二重結合に由来する幾何異性体の比率:E/Z=1/9)の含量は85.9%であった。したがって、溶液Aの1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジルの濃度が32.2%であることから、目的物の収率は2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジルアルコールに対し94.2%であると求められた。
【0023】
1000mlセパラブルフラスコに溶液A 326.7gを仕込み、常圧下、105〜123℃で溶媒を留去した。この残渣に、水555.0gを一度に加え、85〜107℃で7時間攪拌し、水と共沸する成分を留去した。その後、減圧脱水して、1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル107.0gを得た。これをガスクロマトグラフィーを用いた内部標準法により分析したところ、1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル(二重結合に由来する幾何異性体の比率:E/Z=1/9)の含量は97.2%(溶液Aからの回収率98.9%)であった。
【0024】
ガスクロマトグラフィーによる分析条件
カラム:DB−1 0.53φ×30m、膜厚1.5μm
カラム温度:70℃(5分)→昇温5℃/分→300℃(10分)
インジェクション温度:270℃
検出器(FID)温度:310℃
キャリアガス:ヘリウム、流量:5ml/分
サンプル注入量:1μl
内部標準:p−ターフェニル
【0025】
製造例2
100mlの丸底フラスコに1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル10.0g(0.059モル)、トルエン20g、リチウムメトキシド0.098g(0.0026モル)を仕込み、122〜127℃においてトルエン10gに溶解した2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルアルコール10.0g(0.052モル)を該温度で留出する成分を留去しながら2時間かけて滴下した。さらに6時間、同温でこの反応液にトルエンを徐々に滴下しながら、該温度で留出する成分を留去した。その後、反応液を放冷し、1%硫酸水13.7gで1回、水10gで2回順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮し、粗1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル17.9gを得た。この粗生成物をガスクロマトグラフィーを用いた内部標準法により分析したところ、粗1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルの含量は90.0%であり、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルアルコールに対する収率は94.7%であった。
【0026】
ガスクロマトグラフィーによる分析条件
カラム:DB−WAX 0.53φ×30m、膜厚1.5μm
カラム温度:50℃(5分)→昇温5℃/分→220℃(15分)
インジェクション温度:220℃
検出器(FID)温度:240℃
キャリアガス:ヘリウム 流量:20ml/分
サンプル注入量:1μl
内部標準:ビフェニル
【0027】
製造例3
100mlの丸底フラスコに1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エチル6.57g(0.034モル)、ノルマルヘプタン20g、リチウムメトキシド0.049g(0.0013モル)を仕込み、105〜106℃においてノルマルヘプタン10gに加熱溶解した2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルアルコール5.0g(0.026モル)を、該温度で留出する成分を留去しながら2時間かけて滴下した。さらに、同温で8時間、ノルマルヘプタンを滴下しながら、該温度で留出する成分を留去した。
その後反応液を濃縮し、粗1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル10.1gを得た。この粗生成物をガスクロマトグラフィーを用いた面積百分率法により分析したところ、1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルの含量は77.4%であり、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルアルコールに対する収率は88.7%であった。
【0028】
ガスクロマトグラフィーによる分析条件
カラム:DB−WAX 0.53φ×30m、膜厚1.5μm
カラム温度:50℃(5分)→昇温5℃/分→220℃(15分)
インジェクション温度:220℃
検出器(FID)温度:240℃
キャリアガス:ヘリウム 流量:20ml/分
サンプル注入量:1μl
【0029】
次に、比較例を示す。
比較例
製造例2のリチウムメトキシド0.098g(0.026モル)に代えてナトリウムメトキシド0.139g(0.026モル)を用いた他は、製造例2と同様に実施して、油状物17.2gを得た。この粗1R−トランス−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルをガスクロマトグラフィーを用いた内部標準法により分析したところ、目的物の含量は55.6%であり、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジルアルコールに対する収率は55.5%であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、一般式(4)で示される、シクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロベンジルエステル化合物を簡便に、収率良く製造することができる。
Claims (6)
- 一般式(1)
またはメチル基を表し、R3はメチル基またはエチル基を表す。)
で示されるエステル化合物と、一般式(2)
で示されるベンジルアルコール化合物とを、一般式(3)
R5OLi (3)
(式中、R5はC1−C4アルキル基を表す。)
で示されるリチウム化合物の存在下で反応させることを特徴とする一般式(4)
で示されるエステル化合物の製造法。 - 一般式(1)で示されるエステル化合物と、一般式(3)で示されるリチウム化合物とを含有する溶液に、一般式(2)で示されるベンジルアルコール化合物を加えることを特徴とする一般式(4)で示されるエステル化合物の製造法。
- 溶媒として炭化水素を用いることを特徴とする請求項2に記載の一般式(4)で示されるエステル化合物の製造法。
- R1がC3−C4アルケニル基であり、R2が水素原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の一般式(4)で示されるエステル化合物の製造法。
- R1が2−メチル−1−プロペニル基または1−プロペニル基であることを特徴とする、一般式(4)で示される請求項4に記載のエステル化合物の製造法。
- 一般式(3)で示されるリチウム化合物がリチウムメトキシドまたはリチウムエトキシドであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の一般式(4)で示されるエステル化合物の製造法。
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