JP2003300935A - アルデヒド類の製造方法 - Google Patents

アルデヒド類の製造方法

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JP2003300935A
JP2003300935A JP2002367822A JP2002367822A JP2003300935A JP 2003300935 A JP2003300935 A JP 2003300935A JP 2002367822 A JP2002367822 A JP 2002367822A JP 2002367822 A JP2002367822 A JP 2002367822A JP 2003300935 A JP2003300935 A JP 2003300935A
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methyl
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hydroperoxy
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Application number
JP2002367822A
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English (en)
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Naoyuki Takano
尚之 高野
Koju Hagitani
弘寿 萩谷
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般式(2) (式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換さ
れていてもよいアリール基または置換されていてもよい
アラルキル基を表わす。)で示されるアルデヒド類を、
工業的により有利に製造する方法を提供すること。 【解決手段】一般式(1) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
ジオール類と酸化剤を反応させることを特徴とする一般
式(2)で示されるアルデヒド類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルデヒド類の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般式(2) (式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換さ
れていてもよいアリール基または置換されていてもよい
アラルキル基を表わす。)で示されるアルデヒド類は、
ピレスロイド系家庭用防疫薬、殺虫剤等の合成中間体と
して、極めて重要な化合物であり(例えば特許文献1参
照。)、例えば一般式(4) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
オレフィン類を、四酸化オスミウム触媒の存在下に酸化
する方法(例えば非特許文献1参照。)、上記一般式
(4)で示されるオレフィン類をオゾン酸化する方法
(例えば特許文献1参照。)等が知られている。しかし
ながら、四酸化オスミウムは毒性が高く、オゾンで酸化
する方法は、防災面を考慮した特殊な装置が必要であ
り、いずれも工業的に十分満足し得る製造方法とは言え
なかった。
【0003】
【特許文献1】特公昭46−24695号公報
【非特許文献1】J.Labelled Compou
nds and Radiopharmaceutic
als,13,561(1977)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、本発明者らは、一般式(2) (式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換さ
れていてもよいアリール基または置換されていてもよい
アラルキル基を表わす。)で示されるアルデヒド類を、
工業的により有利に製造する方法を開発すべく鋭意検討
したところ、一般式(4) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
オレフィン類から、毒性の高い試剤や特殊な装置を用い
ることなく、容易に誘導できる一般式(1) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
ジオール類を、例えば過ヨウ素酸ナトリウム等の酸化剤
と反応させることにより、一般式(2)で示されるアル
デヒド類が得られることを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(1) (式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換さ
れていてもよいアリール基または置換されていてもよい
アラルキル基を表わす。)で示されるジオール類と酸化
剤を反応させることを特徴とする一般式(2) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
アルデヒド類の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】まず、一般式(1) (式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換さ
れていてもよいアリール基または置換されていてもよい
アラルキル基を表わす。)で示されるジオール類(以
下、ジオール類(1)と略記する。)について説明す
る。
【0007】ジオール類(1)の式中、Rは置換されて
いてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール
基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。
【0008】置換されていてもよいアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デ
シル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メン
チル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜2
0のアルキル基およびこれらアルキル基が、例えばメト
キシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、tert−ブ
トキシ基等のアルコキシ基、後述するアリール基と酸素
原子とから構成されるアリールオキシ基、後述するアラ
ルキル基と酸素原子とから構成されるアラルキルオキシ
基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲ
ン原子等で置換されていてもよく、かかる置換基で置換
されたアルキル基としては、例えばクロロメチル基、フ
ルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチ
ル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基等が挙
げられる。
【0009】置換されていてもよいアリール基として
は、例えばフェニル基、ナフチル基等およびこれらフェ
ニル基、ナフチル基等を構成する芳香環が上記したアル
キル基、アリール基、前記アルコキシ基、後述するアラ
ルキル基、前記アリールオキシ基、前記アラルキルオキ
シ基、前記ハロゲン原子等の置換基で置換された、例え
ば2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−
メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−フェ
ノキシフェニル基等が挙げられる。
【0010】置換されていてもよいアラルキル基として
は、前記置換されていてもよいアリール基と前記置換さ
れていてもよいアルキル基とから構成されるものが挙げ
られ、例えばベンジル基、4−クロロベンジル基、4−
メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェ
ノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベ
ンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチ
ルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
メトキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−メトキシメチルベンジル基等が挙げられる。
【0011】かかるジオール類(1)としては、例えば
3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1,2−ジヒド
ロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル、
3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1,2−ジヒド
ロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸エチル、
3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1,2−ジヒド
ロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピ
ル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1,2−ジ
ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸ter
t−ブチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボ
ン酸シクロヘキシル、3,3−ジメチル−2−(2−メ
チル−1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン
カルボン酸メンチル、3,3−ジメチル−2−(2−メ
チル−1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン
カルボン酸ベンジル、
【0012】3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボ
ン酸(4−クロロベンジル)、3,3−ジメチル−2−
(2−メチル−1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロ
プロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ
ベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボ
ン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベ
ンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1,
2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベン
ジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1,2
−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチ
ルベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボ
ン酸(3−フェノキシベンジル)等が挙げられる。
【0013】かかるジオール類(1)には、−CO2
で示される基と2−メチル−1,2−ジヒドロキシプロ
ピル基が、シクロプロパン環平面に対して、同じ側にあ
るシス体と反対側にあるトランス体が存在するが、本発
明にはそのいずれか一方を用いてもよいし、混合物を用
いてもよい。またかかるジオール類(1)は、その分子
内に不斉炭素原子を有しており、光学異性体が存在する
が、本発明には、光学異性体の単独または混合物のいず
れを用いてもよい。
【0014】かかるジオール類(1)は、例えば一般式
(3) (式中、Rは上記と同一の意味を表わし、XおよびY
は、いずれか一方が水酸基を、他方がヒドロペルオキシ
基を表わす。)で示されるヒドロペルオキシ化合物(以
下、ヒドロペルオキシ化合物(3)と略記する。)と還
元剤を反応させることにより得ることができる。
【0015】ヒドロペルオキシ化合物(3)としては、
例えば3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒド
ロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパ
ンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−(2−メ
チル−2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピ
ル)シクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメチ
ル−2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−1−ヒ
ドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸イソプロ
ピル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒド
ロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパ
ンカルボン酸tert−ブチル、3,3−ジメチル−2
−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキ
シプロピル)シクロプロパンカルボン酸シクロヘキシ
ル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロ
ペルオキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパン
カルボン酸メンチル、3,3−ジメチル−2−(2−メ
チル−2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピ
ル)シクロプロパンカルボン酸ベンジル、
【0016】3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2
−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロ
プロパンカルボン酸(4−クロロベンジル)、3,3−
ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−
1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(2,3,5,6−テトラフルオロベンジル)、3,3
−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ
−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジ
ル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒド
ロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパ
ンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
メトキシベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メ
チル−2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピ
ル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テト
ラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)、3,3−
ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−
1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(3−フェノキシベンジル)、3,3−ジメチル−2−
(2−メチル−2−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオキシ
プロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル、3,3−
ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロキシ−1−ヒ
ドロペルオキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸エ
チル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒド
ロキシ−1−ヒドロペルオキシプロピル)シクロプロパ
ンカルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2−
(2−メチル−2−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオキシ
プロピル)シクロプロパンカルボン酸tert−ブチル
等が挙げられる。
【0017】かかるヒドロペルオキシ化合物(3)に
は、−CO2Rで示される基と下記 (式中、XおよびYは上記と同一の意味を表わし、・
は、シクロプロパン環との結合部位を表わす。)で示さ
れるが、シクロプロパン環平面に対して、同じ側にある
シス体と反対側にあるトランス体が存在するが、そのい
ずれか一方を用いてもよいし、混合物を用いてもよい。
また、その分子内に不斉炭素原子を有しており、光学異
性体が存在するが、光学異性体の単独または混合物のい
ずれを用いてもよい。
【0018】還元剤としては、例えばチオ硫酸ナトリウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム、水硫化ナトリウム等の無
機還元剤、例えばジメチルスルフィド、ジエチルスルフ
ィド、チオジグリコール、2−メルカプトエタノール、
2−(エチルチオ)エタノール、トリフェニルホスフィ
ン等の有機還元剤、水素/パラジウム触媒等が挙げら
れ、有機還元剤が好ましい。かかる還元剤の使用量は、
ヒドロペルオキシ化合物(3)に対して、通常1モル倍
以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎても
経済的に不利になるため、実用的には、ヒドロペルオキ
シ化合物(3)に対して、5モル倍以下である。
【0019】ヒドロペルオキシ化合物(3)と還元剤と
の反応における反応温度や反応溶媒等の反応条件は、還
元剤の種類に応じて適宜決めればよい。
【0020】反応終了後、例えば反応液を濃縮処理、カ
ラムクロマトグラフィ処理等することにより、反応液か
らジオール類(1)を取り出し、後述する酸化剤との反
応に用いてもよいし、反応液に、必要に応じて水および
/または前記の水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理
し、得られるジオール類(1)を含む有機層をそのまま
もしくは濃縮処理した後、後述する酸化剤との反応に用
いてもよい。また、得られた反応液をそのまま後述する
酸化剤との反応に用いてもよい。もちろん取り出したジ
オール類(1)を、例えば蒸留、カラムクロマトグラフ
ィ等の通常の精製手段によりさらに精製した後、後述す
る酸化剤との反応に用いてもよい。
【0021】ヒドロペルオキシ化合物(3)として、ト
ランス体を用いた場合には、トランス体のジオール類が
得られ、シス体のヒドロペルオキシ化合物を用いた場合
には、シス体のジオール類が得られる。また、光学活性
なヒドロペルオキシ化合物を用いた場合には、光学活性
なジオール類が得られる。
【0022】続いて、ジオール類(1)を酸化して、一
般式(2) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
アルデヒド類(以下、アルデヒド類(2)と略記す
る。)を製造する方法について説明する。
【0023】例えば前述のヒドロペルオキシ化合物
(3)と還元剤を反応させて得られたジオール類(1)
を用いる場合、前記反応で得られた反応液から、ジオー
ル類(1)を取り出して用いてもよいし、該反応液をそ
のまま用いてもよい。該反応液中に、還元剤が残存して
いる場合は、該還元剤を酸化するに足る量の酸化剤を余
分に用いる必要があるため、該反応液から、ジオール類
(1)を取り出して、本工程に用いるか、該反応液か
ら、残存する還元剤を除去した後用いることが、経済的
な面で好ましい。
【0024】酸化剤としては、例えば過ヨウ素酸類、次
亜ハロゲン酸類、ビスマス化合物、活性二酸化マンガン
等が挙げられる。過ヨウ素酸類としては、例えば過ヨウ
素酸、例えば過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウ
ム等の過ヨウ素酸アルカリ金属塩等が挙げられる。次亜
ハロゲン酸類としては、例えば次亜塩素酸、例えば次亜
塩素酸カルシウム等の次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属
塩、例えば次亜塩素酸ナトリウム等の次亜ハロゲン酸ア
ルカリ金属塩等が挙げられる。ビスマス化合物として
は、例えば炭酸トリフェニルビスマス、トリフェニルジ
クロロビスマス、μ−オキソビス(クロロトリフェニル
ビスマス)、ビスマス酸ナトリウム等の5価のビスマス
化合物が挙げられる。活性二酸化マンガンは、硫酸マン
ガンと過マンガン酸カリウムを反応させる公知の方法に
準じて得ることができる。
【0025】かかる酸化剤の使用量は、ジオール類
(1)に対して、通常1〜5モル倍、好ましくは1〜3
モル倍である。なお、前述したように、ヒドロペルオキ
シ化合物(3)と還元剤を反応させて得られたジオール
類(1)を用いる場合であって、ジオール類(1)を含
む反応液をそのまま用い、該反応液中に、還元剤が残存
しているときは、該還元剤を酸化するに必要な酸化剤を
余分に用いる必要がある。かかる酸化剤は、そのまま用
いてもよいし、例えば水溶液等を用いてもよい。
【0026】ジオール類(1)と酸化剤の反応は、通常
その両者を接触、混合することにより実施される。
【0027】反応温度は、通常−10〜100℃であ
る。本反応は、通常ジオール類(1)が溶解する溶媒中
で実施される。かかる溶媒としては、例えば水、例えば
メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール
等のアルコール系溶媒、例えばアセトニトリル、プロピ
オニトリル等のニトリル系溶媒、例えばジエチルエーテ
ル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステ
ル系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素系溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられ、そ
の使用量は特に制限されない。かかる溶媒は、それぞれ
単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
【0028】反応終了後、例えば反応液をそのままもし
くは必要に応じて、不溶分を濾別した後、濃縮処理、カ
ラムクロマトグラフィ処理等することにより、反応液か
らアルデヒド類(2)を取り出すことができる。また、
反応液に、必要に応じて水および/または前記の水に不
溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得られる有機層を濃
縮処理することにより、アルデヒド類(2)を取り出す
こともできる。取り出したアルデヒド類(2)は、例え
ば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の手段によりさらに
精製してもよい。
【0029】かくして得られるアルデヒド類(2)とし
ては、例えば3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプ
ロパンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−ホル
ミルシクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメチ
ル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸イソプロピ
ル、3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカ
ルボン酸tert−ブチル、3,3−ジメチル−2−ホ
ルミルシクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、3,
3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸
メンチル、3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロ
パンカルボン酸ベンジル、(4−クロロベンジル)−
3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボ
キシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロベンジ
ル)−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパン
カルボキシレート、(2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−メチルベンジル)−3,3−ジメチル−2−ホル
ミルシクロプロパンカルボキシレート、(2,3,5,
6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)−3,3
−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボキシレ
ート、(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキ
シメチルベンジル)−3,3−ジメチル−2−ホルミル
シクロプロパンカルボキシレート、(3−フェノキシベ
ンジル)−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロ
パンカルボキシレート等が挙げられる。
【0030】ジオール類(1)として、トランス体を用
いた場合には、トランス体のアルデヒド類が得られ、シ
ス体のジオール類を用いた場合には、シス体のアルデヒ
ド類が得られる。また、光学活性なジオール類を用いた
場合には、光学活性なアルデヒド類が得られる。
【0031】なお、ヒドロペルオキシ化合物(3)は、
例えば一般式(4) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
オレフィン類(以下、オレフィン類(4)と略記す
る。)と過酸化水素とを、タングステン金属、モリブデ
ン金属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族ま
たは第VIb族元素とからなるタングステン化合物および
モリブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族
元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれ
る少なくとも一種と過酸化水素を反応せしめてなる金属
酸化物触媒の存在下に反応させることにより、得ること
ができる。
【0032】オレフィン類(4)としては、例えば3,
3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−
シクロプロパンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−
2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパン
カルボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチ
ル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸イソ
プロピル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−
プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸tert−ブ
チル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロ
ペニル)−シクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、
3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニ
ル)−シクロプロパンカルボン酸メンチル、3,3−ジ
メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロ
プロパンカルボン酸ベンジル、
【0033】3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1
−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸(4−クロ
ロベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸(2,
3,5,6−テトラフルオロベンジル)、3,3−ジメ
チル−2−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプ
ロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−
4−メチルベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−
メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボン酸
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベン
ジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プ
ロペニル)−シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,
6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)、
3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニ
ル)−シクロプロパンカルボン酸(3−フェノキシベン
ジル)等が挙げられる。
【0034】かかるオレフィン類(4)には、−CO2
Rで示される基と2−メチル−1−プロペニル基が、シ
クロプロパン環平面に対して、同じ側にあるシス体と反
対側にあるトランス体が存在するが、そのいずれか一方
を用いてもよいし、混合物を用いてもよい。またかかる
オレフィン類(4)は、その分子内に不斉炭素原子を有
しており、光学異性体が存在するが、光学異性体の単独
または混合物のいずれを用いてもよい。
【0035】オレフィン類(4)と過酸化水素との反応
に用いられる触媒は、タングステン金属、モリブデン金
属、タングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または
第VIb族元素とからなるタングステン化合物およびモリ
ブデンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素
とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれる少
なくとも一種(以下、金属化合物と略記する。)と過酸
化水素を反応せしめてなる金属酸化物であり、タングス
テンと第IIIb族元素とからなるタングステン化合物とし
ては、例えばホウ化タングステン等が、タングステンと
第IVb族元素とからなるタングステン化合物としては、
例えば炭化タングステン、ケイ化タングステン等が、タ
ングステンと第Vb族元素とからなるタングステン化合物
としては、例えばチッ化タングステン、リン化タングス
テン等が、タングステンと第VIb族元素とからなるタン
グステン化合物としては、例えば酸化タングステン、タ
ングステン酸、タングステン酸ナトリウム、硫化タング
ステン等が、それぞれ挙げられる。
【0036】また、モリブデンと第IIIb族元素とからな
るモリブデン化合物としては、例えばホウ化モリブデン
等が、モリブデンと第IVb族元素とからなるモリブデン
化合物としては、例えば炭化モリブデン、ケイ化モリブ
デン等が、モリブデンと第Vb族元素とからなるモリブデ
ン化合物としては、例えばチッ化モリブデン、リン化モ
リブデン等が、モリブデンと第VIb族元素とからなるモ
リブデン化合物としては、例えば酸化モリブデン、モリ
ブデン酸、硫化モリブデン等が、それぞれ挙げられる。
【0037】かかる金属化合物のなかでも、タングステ
ン金属、モリブデン金属、ホウ化タングステン、ホウ化
モリブデン、硫化タングステン、硫化モリブデンが好ま
しい。また、これら金属化合物はそれぞれ単独で用いて
もよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、粒
径の細かい金属化合物を用いることが、触媒である金属
酸化物の調製をより容易にするという点で好ましい。
【0038】かかる金属化合物と反応させる過酸化水素
としては、通常水溶液として用いられるが、有機溶媒溶
液を用いてもよい。取扱いがより容易であるという点
で、過酸化水素水溶液を用いることが好ましい。過酸化
水素水溶液もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は
特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮する
と、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水溶
液は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じ
て、希釈、濃縮等により濃度調整を行なった後用いれば
よく、また過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化
水素水溶液を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶
媒の存在下に蒸留処理する等の手段により、調製するこ
とができる。
【0039】金属化合物と過酸化水素との反応は、通常
水溶液中で実施される。もちろん例えばジエチルエーテ
ル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶
媒、メタノール、エタノール、tert−ブタノール等
のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル等のニトリル系溶媒等の有機溶媒中または該有機溶媒
と水との混合溶媒中で実施してもよい。
【0040】金属酸化物を調製する際の過酸化水素の使
用量は、金属化合物に対して、通常3モル倍以上、好ま
しくは5モル倍以上であり、その上限は特にない。
【0041】金属化合物と過酸化水素との反応は、通常
その両者を混合することにより行われ、金属化合物と過
酸化水素の接触効率を向上させるため、金属酸化物調製
液中で金属化合物が十分分散するよう攪拌しながら反応
を行うことが好ましい。また金属化合物と過酸化水素の
接触効率を高め、金属酸化物調製時の制御をより容易に
するという点で、例えば粉末状の金属化合物等粒径の小
さな金属化合物を用いることが好ましい。金属酸化物の
調製時の調製温度は、通常−10〜100℃である。
【0042】金属化合物と過酸化水素とを水中もしくは
有機溶媒中で反応させることにより、金属化合物の全部
もしくは一部が溶解し、金属酸化物を含む均一溶液もし
くは懸濁液を調製することができるが、該金属酸化物
を、例えば濃縮処理等により調製液から取り出して、触
媒として用いてもよいし、該調製液をそのまま触媒とし
て用いてもよい。
【0043】かくして得られる金属酸化物触媒の存在下
に、オレフィン類(4)と過酸化水素とを反応させるこ
とにより、ヒドロペルオキシ化合物(3)が得られる
が、触媒である金属酸化物の使用量は、オレフィン類
(4)に対して、通常0.001モル倍以上であり、そ
の上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、実用的
には、オレフィン類(4)に対して、1モル倍以下であ
る。
【0044】過酸化水素は、通常水溶液として用いられ
る。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよ
い。過酸化水素水もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素
濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮
すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素
水は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じ
て、希釈、濃縮等により濃度調整を行なった後用いられ
る。過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化水素水
を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下
に蒸留処理する等の手段により、調製することができ
る。
【0045】過酸化水素の使用量は、オレフィン類
(4)に対して、通常1モル倍以上であり、使用量の上
限は特にないが、経済的な面も考慮すると、実用的に
は、オレフィン類(4)に対して、10モル倍以下であ
る。なお、触媒として、金属化合物と過酸化水素を反応
せしめてなる金属酸化物調製液を用いる場合は、該調製
液中の過酸化水素量を含めて、過酸化水素の使用量を設
定してもよい。
【0046】オレフィン類(4)と過酸化水素との反応
は、通常水溶媒または有機溶媒中で実施される。有機溶
媒としては、例えばジエチルエーテル、メチルtert
−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メタノール、エ
タノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶
媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系
溶媒等が挙げられる。水溶媒または有機溶媒の使用量は
特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的
には、オレフィン類(4)に対して、100重量倍以下
である。
【0047】オレフィン類(4)と過酸化水素とを反応
させることにより、ヒドロペルオキシ化合物(3)が得
られるが、ヒドロペルオキシ化合物(3)のほかに、例
えば該ヒドロペルオキシ化合物(3)がさらに酸化され
た生成物も副生するが、反応系内の水分含量が低ければ
低いほど、ヒドロペルオキシ化合物(3)が選択的に得
られやすいため、反応系内の水分含量が低い条件下で反
応を実施することが好ましい。かかる低水分条件下で反
応を実施する方法としては、例えば反応系内に脱水剤を
共存させる方法等が挙げられる。脱水剤としては、例え
ば無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、無水ホ
ウ酸、ポリリン酸、五酸化二リン等が挙げられる。
【0048】また、反応温度が高すぎると、ヒドロペル
オキシ化合物(3)がさらに酸化された生成物の副生が
増加するため、ヒドロペルオキシ化合物(3)を選択的
に得るためには、0〜65℃の範囲で反応を行うことが
好ましい。
【0049】オレフィン類(4)と過酸化水素との反応
は、通常常圧条件下で実施されるが、加圧条件下で実施
してもよい。
【0050】反応終了後、例えば反応液を濃縮処理、カ
ラムクロマトグラフィ処理等することにより、反応液か
ら、ヒドロペルオキ化合物(3)を取り出すことができ
る。また、反応液に、必要に応じて水および/または水
に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得られる有機層
を濃縮処理することにより、ヒドロペルオキシ化合物
(3)を取り出すこともできる。取り出したヒドロペル
オキシ化合物(3)は、例えば蒸留等の通常の精製手段
により、さらに精製してもよい。
【0051】水に不溶の有機溶媒としては、例えばトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジク
ロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素系溶媒、例えばジエチルエーテル、メチル
tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等
が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0052】オレフィン類(4)として、トランス体を
用いた場合には、トランス体のヒドロペルオキシ化合物
が得られ、シス体のオレフィン類を用いた場合には、シ
ス体のヒドロペルオキシ化合物が得られる。また、光学
活性なオレフィン類を用いた場合には、光学活性なヒド
ロペルオキシ化合物が得られる。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。なお、分析は、ガスクロマトグラフィ(以
下、GCと略記する。)および高速液体クロマトグラフ
ィ(以下、LCと略記する。)によりおこなった。
【0054】実施例1 攪拌装置を備えた100mLフラスコに、トランス−
3,3−ジメチル−2−(1,2−ジヒドロキシ−2−
メチルプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル2.
2g(含量:97重量%)およびトルエン30mLを仕
込んだ。これに、15重量%過ヨウ素酸ナトリウム水溶
液16gを、内温5〜10℃で20分かけて滴下した。
同温度で1時間攪拌、反応させた後、反応液中の不溶分
を濾別した。不溶分をトルエンで洗浄し、洗浄液を先に
得た濾液と混合した。混合後の濾液を、静置後、分液処
理し、水層をトルエンで抽出処理した。得られたトルエ
ン層を先の分液処理で得られた有機層と混合し、トラン
ス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカ
ルボン酸メチルを含む有機層64.6gを得た。含量:
2.3重量%。収率:97%
【0055】実施例2 攪拌装置および還流冷却管を備えた50mL四つ口フラ
スコに、トランス−3,3−ジメチル−2−(1,2−
ジヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロプロパンカ
ルボン酸メチル0.4gおよびジクロロメタン10mL
を仕込み、得られた溶液に、室温で、炭酸トリフェニル
ビスマス1gを加え、同温度で2時間攪拌、反応させ
た。さらに内温40℃に昇温後、1時間攪拌、反応させ
た。その後、反応液中の不溶分を濾別し得られた濾液を
LC分析したところ、トランス−3,3−ジメチル−2
−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルが生成して
いた(原料の残存は見られた)。LC補正面積百分率:
53%
【0056】実施例3 攪拌装置を備えた20mLフラスコに、トランス−3,
3−ジメチル−2−(1,2−ジヒドロキシ−2−メチ
ルプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル0.4g
およびアセトニトリル2.6gを仕込み、得られた溶液
に、室温で、次亜塩素酸カルシウム2.4g、水25m
Lおよび氷酢酸2.5mLからなる混合液4.9gを滴
下した。室温で15時間攪拌、反応させた後、LC分析
したところ、トランス−3,3−ジメチル−2−ホルミ
ルシクロプロパンカルボン酸メチルが生成していた(原
料の残存はほとんど見られなかった)。LC補正面積百
分率:51%
【0057】実施例4 攪拌装置を備えた100mL四つ口フラスコに、トラン
ス−3,3−ジメチル−2−(1,2−ジヒドロキシ−
2−メチルプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル
1gおよびジクロロメタン50mLを仕込み、室温で、
活性二酸化マンガン2gを仕込み、2日間攪拌、反応さ
せた。分析の結果、トランス−3,3−ジメチル−2−
ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルが生成してい
た(原料の転化率は60%)。収率:55%
【0058】実施例5 トランス−3,3−ジメチル−2−(1−ヒドロキシ−
2−ヒドロペルオキシ−2−メチルプロピル)シクロプ
ロパンカルボン酸メチルおよびトランス−3,3−ジメ
チル−2−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオキシ−
2−メチルプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル
を含有するトルエン溶液167g(トランス−3,3−
ジメチル−2−(1−ヒドロキシ−2−ヒドロペルオキ
シ−2−メチルプロピル)シクロプロパンカルボン酸メ
チルおよびトランス−3,3−ジメチル−2−(2−ヒ
ドロキシ−1−ヒドロペルオキシ−2−メチルプロピ
ル)シクロプロパンカルボン酸メチルの含有量:74%
(LC補正面積百分率値))に、ジメチルスルフィド8
gを加え、室温で二日間攪拌し、反応させ、トランス−
3,3−ジメチル−2−(1,2−ジヒドロキシ−2−
メチルプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチルを含
む反応液を得た。
【0059】該反応液を、減圧条件下で、濃縮処理し、
濃縮残渣約90gを得、該濃縮残渣に、トルエン40g
を仕込み、15重量%過ヨウ素酸ナトリウム水溶液70
gを、内温0℃で10分かけて滴下した。同温度で、1
時間攪拌、保持し、反応させた後、不溶分を濾別した。
得られた濾液を分液処理し、トランス−3,3−ジメチ
ル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルを含
む有機層140gを得た。トランス−3,3−ジメチル
−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチルの含
量:5重量%。
【0060】実施例6 攪拌装置および還流冷却管を備えた300mLフラスコ
に、水15gおよびタングステン金属粉末2gを仕込
み、攪拌しながら内温40℃で、60重量%過酸化水素
水7.4gを20分かけて滴下し、同温度で1時間攪拌
し反応させて均一溶液を得た。該溶液にホウ酸1.4g
を仕込み、内温40℃で1時間攪拌、保持した後、室温
まで冷却し、tert−ブチルアルコール76gおよび
60重量%過酸化水素水2gを仕込んだ。次いで無水硫
酸マグネシウム26.6gを20分かけて仕込み、室温
でさらに2時間攪拌した。得られたスラリー溶液に、ト
ランス−3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プ
ロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル20gとt
ert−ブチルアルコール24gとからなる混合液およ
び60重量%過酸化水素水10gを同時に4時間かけて
滴下し、内温5℃で39時間攪拌し、反応させた。その
後、水120gを加え、トルエン100gで2回抽出処
理し、トランス−3,3−ジメチル−2−(1−ヒドロ
キシ−2−ヒドロペルオキシ−2−メチルプロピル)シ
クロプロパンカルボン酸メチルおよびトランス−3,3
−ジメチル−2−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオ
キシ−2−メチルプロピル)シクロプロパンカルボン酸
メチルを含むトルエン溶液332gを得た。トランス−
3,3−ジメチル−2−(1−ヒドロキシ−2−ヒドロ
ペルオキシ−2−メチルプロピル)シクロプロパンカル
ボン酸メチルおよびトランス−3,3−ジメチル−2−
(2−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオキシ−2−メチル
プロピル)シクロプロパンカルボン酸メチルの合計のL
C補正面積百分率値は、78%であった。なお、該トル
エン溶液中には、トランス−3,3−ジメチル−2−
(1,2−ジヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロ
プロパンカルボン酸メチルが、17%(LC補正面積百
分率値)含まれていた。
【0061】上記で得たトルエン溶液166gに、ジメ
チルスルフィド8.3gを加え、室温で二日間攪拌、保
持し、トランス−3,3−ジメチル−2−(1,2−ジ
ヒドロキシ−2−メチルプロピル)シクロプロパンカル
ボン酸メチルを含む反応液を得た。該反応液を、減圧条
件下で、濃縮処理し、濃縮残渣約90gを得た。該濃縮
残渣に、トルエン39gを仕込み、15重量%過ヨウ素
酸ナトリウム水溶液78gを、内温0℃で10分かけて
滴下した。同温度で、1時間攪拌、反応させた後、反応
液から不溶分を濾別し、得られた濾液を、分液処理し、
トランス−3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロ
パンカルボン酸メチルを含む有機層147gを得た。該
有機層を、GC分析したところ、トランス−3,3−ジ
メチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸メチル
の含量は、5.2重量%であり、トランス−3,3−ジ
メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプ
ロパンカルボン酸メチルを基準とした、トランス−3,
3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸
メチルの収率は、89%であった。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、毒性の高い試剤や特殊
な装置を用いることなく、ピレスロイド系家庭用防疫
薬、殺虫剤等の合成中間体として重要なアルデヒド類を
製造することができるため、工業的により有利である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC40 AC41 AC45 BA09 BA11 BA13 BA14 BA15 BA30 BD70 BE32 BJ20 BQ20 KA31 4H039 CA60 CA64 CC30 CF10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換さ
    れていてもよいアリール基または置換されていてもよい
    アラルキル基を表わす。)で示されるジオール類と酸化
    剤を反応させることを特徴とする一般式(2) (式中、Rは上記と同一の意味を表わす。)で示される
    アルデヒド類の製造方法。
  2. 【請求項2】酸化剤が、過ヨウ素酸類、次亜ハロゲン酸
    類、ビスマス化合物または活性二酸化マンガンである請
    求項1に記載のアルデヒド類の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(1)で示されるジオール類が、一
    般式(3) (式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換さ
    れていてもよいアリール基または置換されていてもよい
    アラルキル基を表わす。XおよびYは、いずれか一方が
    水酸基を、他方がヒドロペルオキシ基を表わす。)で示
    されるヒドロペルオキシ化合物と還元剤を反応させて得
    られるジオール類である請求項1に記載のアルデヒド類
    の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(3)で示されるヒドロペルオキシ
    化合物が、一般式(4) (式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換さ
    れていてもよいアリール基または置換されていてもよい
    アラルキル基を表わす。)で示されるオレフィン類と過
    酸化水素とを、タングステン金属、モリブデン金属、タ
    ングステンと第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族
    元素とからなるタングステン化合物およびモリブデンと
    第IIIb族、第IVb族、第Vb族または第VIb族元素とからな
    るモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも
    一種と過酸化水素を反応せしめてなる金属酸化物触媒の
    存在下に反応させて得られるヒドロペルオキシ化合物で
    ある請求項3に記載のアルデヒド類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006089427A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006089427A (ja) * 2004-09-27 2006-04-06 Sumitomo Chemical Co Ltd 3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法
JP4548069B2 (ja) * 2004-09-27 2010-09-22 住友化学株式会社 3,3−ジメチル−2−ホルミルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法

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