JPH0684325B2 - アルデヒドの製造法 - Google Patents

アルデヒドの製造法

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JPH0684325B2
JPH0684325B2 JP60166744A JP16674485A JPH0684325B2 JP H0684325 B2 JPH0684325 B2 JP H0684325B2 JP 60166744 A JP60166744 A JP 60166744A JP 16674485 A JP16674485 A JP 16674485A JP H0684325 B2 JPH0684325 B2 JP H0684325B2
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瑛一郎 西川
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術的分野 本発明はモリブテン又はタングステン化合物と周期律表
第Va族の元素から選ばれた化合物からなる触媒の存在
下、オレフイン性炭素・炭素二重結合を有する化合物と
過酸化水素を反応させてアルデヒドを製造する方法に関
するものである。
従来の技術 アルデヒド類は各種化学製品の重要な中間原料でありあ
る種のアルデヒド、例えばグルタルアルデヒドは、殺菌
剤、皮なめし剤、マイクロカプセル硬化剤などの用途に
も使用され、安価で効率の良い製造方法の開発が望まれ
ている。
従来公知のアルデヒドの製法としては、オレフインから
1,2−ジオールを合成し、これを酸化剤で酸化する方
法、あるいは、オレフインからオキシラン化合物(例え
ばシクロペンテンオキシド)を得、これを酸化する方法
などがあるが、反応径路の簡素化、あるいは、アルデヒ
ド収率の改善、安全性等を考慮してオレフインから直接
製造するプロセスの研究も行われてきた。
即ち、オレフイン性炭素・炭素結合を有する化合物を原
料としたアルデヒドの製造方法として、硼素化合物とモ
リブデン塩を必須成分とした過酸化水素による方法(特
公昭51-28606号公報)、硼素化合物とタングステン化合
物を必須成分とした過酸化水素による方法(特開昭57-9
5921号公報)、周期律表第4、第5および第6周期のIV
b、Vb、VIb、VIIb、およびVIII族の元素の化合物の1種
以上を用いた、アルキリデンパーオキサイドによる方法
(特開昭57-145826号公報)などがある。
発明が解決しようとする問題点 オレフイン性炭素・炭素結合を有する化合物を原料とし
た上記アルデヒドの製造方法は、共触媒として硼素化合
物を使用する場合、多量の硼素化合物を必要とし、酸化
剤として用いる過酸化水素中の水分あるいは、反応によ
り生成する水分により触媒活性が著しく低下したり副生
成物である1,2−ジオール、カルボン酸等が多いという
問題がある。これに対し酸化剤としてアルキリデンパー
オキサイドを用いる方法は上記水分等の問題はある程度
解消されるが酸化剤が過酸化水素に比し、高価であり、
工業的生産に於いては、必ずしも有利とは云えない。
問題を解決する為の手段 発明の要旨 本発明者らは反応中間体としてオゾナイドの如き爆発の
危険性のあるものを生成せず、合成ステツプが最も短く
工業的に有望と思われるオレフイン性炭素・炭素二重結
合を有する化合物の過酸化水素酸化によるアルデヒドの
1段合成法を検討する中でモリブデン又はタングステン
化合物にホウ素のかわりにリン、ヒ素等の周期律表第Va
族元素の化合物を添加すると反応速度、選択性が更に向
上することを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明はモリブデン又はタングステン化合物(但
し、ヘテロポリ酸もしくはそれらの塩を除く。)の少く
とも1種類とリン、ヒ素及びアンチモンの化合物、好ま
しくはリンもしくはヒ素の化合物の少くとも1種類とか
らなる触媒の存在下、オレフイン性炭素・炭素二重結合
を有する化合物と過酸化水素を反応させることを特徴と
するアルデヒドの製造法に関するものである。
触媒 本発明に使用される触媒の第1の成分はモリブデン又は
タングステン化合物(ヘテロポリ酸もしくはそれらの塩
を除く)の少くとも1種類より成る。モリブデン化合物
はその酸化物、有機酸塩、無機酸塩、錯化合物、あるい
はモリブデン酸およびその塩である。これらの化合物と
しては、例えば、MoO2,MoO3,Mo2(OCOCH3)4,Mo(OCOC6
H5)2,Mo(OCOC6H5)3,モリブデンナフテネート,MoC
l5,Mo(CO)6,H2MoO4,Na2MoO4,MgMoO4,CaMoO4,アセ
チルアセトネート(Mo(C5H7O2)2,MoO2(C5H7O2)2など)
があげられる。
タングステン化合物は、その酸化物、有機酸塩、無機酸
塩、錯化物、あるいはタングステン酸およびその塩であ
る。これらの化合物としては、例えばWO2,WO3,WCl6
W(CO)6,H2WO4,Na2WO4,MgWO4,CaWO4などがあげられ
る。
該成分は原料オレフイン性炭素・炭素二重結合を有する
化合物に対し、1.0×10-5〜1.0モル、好ましくは1.0×1
0-4〜0.1モルで使用される。
次に第2成分であるリン、ヒ素及びアンチモンから選ば
れた元素の化合物は次の様なものである。
リン化合物は酸化リン、リンの酸素酸、リンの酸素酸塩
およびエステル、ハロゲン化リン、リン化物およびリン
錯化合物等であり五酸化リン、三酸化リン、正リン酸、
ピロリン酸、メタリン酸、正亜リン酸、ピロ亜リン酸、
ポリメタリン酸、ポリメタ亜リン酸、モノ過リン酸、ジ
過リン酸、正リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、メタリン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、正リ
ン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、メタリン
酸マグネシウム、亜リン酸マグネシウム、正リン酸カル
シウム、ピロリン酸カルシウム、メタリン酸カルシウ
ム、亜リン酸カルシウム、正リン酸ビスマス、正リン酸
亜鉛、正リン酸アルミニウム、トリメチル正リン酸、ト
リエチル正リン酸、トリメチルホスフイン、トリエチル
ホスフイン、トリフエニルホスフイン、五塩化リンなど
が例示でき、五酸化リン、三酸化リン、正リン酸、ピロ
リン酸が特に好ましい。
ヒ素化合物は酸化ヒ素、ヒ酸、ヒ酸塩およびエステル、
ハロゲン化ヒ素、ヒ化物およびヒ素錯化合物等であり、
これらの化合物としては、三酸化ヒ素、五酸化ヒ素、亜
ヒ酸、ヒ酸、亜ヒ酸ナトリウム、ヒ酸ナトリウム、亜ヒ
酸マグネシウム、ヒ酸マグネシウム、亜ヒ酸カルシウ
ム、ヒ酸カルシウム、トリメチルヒ酸、トリエチルヒ
酸、トリメチルアルシン、トリエチルアルシン、トリフ
エニルアルシン、三塩化ヒ素などであり、三酸化ヒ素、
五酸化ヒ素、亜ヒ酸、ヒ酸が特に好ましい。
アンチモン化合物は、酸化アンチモン、アンチモン酸、
アンチモン酸塩およびエステル、ハロゲン化アンチモ
ン、アンチモン化物、アンチモン塩およびアンチモン錯
化合物等であり、これらの化合物としては、三酸化アン
チモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、亜アン
チモン酸、アンチモン酸、亜アンチモン酸ナトリウム、
アンチモン酸ナトリウム、亜アンチモン酸マグネシウ
ム、アンチモン酸マグネシウム、亜アンチモン酸カルシ
ウム、アンチモン酸カルシウム、三フツ化アンチモン、
五フツ化アンチモン、三塩化アンチモン、五塩化アンチ
モン、亜ヒ酸アンチモン、ヒ酸アンチモン、リン酸アン
チモン、テトラメチルビスチビン、テトラエチルビスチ
ビン、トリフエニルスチビン、テトラフエニルビスチビ
ンなどであり、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、
五酸化アンチモン、亜アンチモン酸が特に好ましい。
上記成分の使用量は、一般に原料オレフイン性炭素・炭
素二重結合を有する化合物1モルに対し1.0×10-5〜5
モル、好ましくは1.0×10-3〜1.0モルである。
本発明の方法において好ましく用いられる溶媒として
は、カルボン酸、リン酸、スルホン酸、フオスホン酸、
フオスフイン酸およびそれらのエステル、酸アミドおよ
びアルコールであり、例えば、エチルアセテート、ブチ
ルアセテート、アミルアセテート、ヘキシルアセテー
ト、オクチルアセテート、エチルプロピオネート、ブチ
ルプロピオネート、トリブチルフオスフエート、トリオ
クチルフオスフエート、メタンホスフオン酸ジメチルエ
ステル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等である。
過酸化水素 本発明の方法は水の存在下でも行えるが、非水系の方が
より好ましい。即ち無水の過酸化水素は好ましいが、水
溶液として入手した場合は、有機溶剤により抽出する等
して水分を減少あるいは除去するのが好ましい。過酸化
水素の使用量は、一般に原料のオレフイン性炭素・炭素
二重結合を有する化合物1モルに対して0.1〜10モル、
好ましくは0.2〜2モルの範囲である。
オレフイン性炭素・炭素二重結合を有する化合物 本発明に用いるに好適なオレフイン性炭素・炭素二重結
合を有する化合物は一般式: (式中、R1およびR2は各々水素、フエニル基、又はハロ
ゲン、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、ニ
トリル基等の置換基を有するフエニル基又はC118の直
鎖もしくは分岐のアルキル基か、あるいはハロゲン、水
酸基、アルコキシ基、カルボアルコキシ基、ニトリル
基、シクロアルキル基、芳香族残基で置換された直鎖も
しくは、分岐のアルキル基である。更にR1,R2は互いに
結合しシクロオレフインのような環状化合物を形成しう
る)で表わされる化合物である。
直鎖もしくは分岐のアルキル基の例としては、メチル、
エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ペンタデシル、ヘ
キサデシル、オクタデシル、およびこれらの異性体であ
る。この中で特にC2〜C6のアルキル基がよく使用され
る。
置換された直鎖もしくは分岐のアルキル基の例としては
クロロメチル、β−クロロエチル、2−(β−エチル)
−ヘキシル、2,4−ジイソプロピル、ヒドロキシメチ
ル、β−ヒドロキシエチル、ω−ヒドロキシヘキシル、
2−ヒドロキシメチルヘキシル、β−メトキシエチル、
3−プロポキシプロピル、n−ヘキソキシメチルヘキシ
ル、2,4,6−トリメトキシヘキシル、2−(メトキシメ
チル)−プロピル、カルボメトキシメチル、3−(カル
ボプロポキシ)−プロピル、3−(カルボメトキシ)−
ヘキシル、β−シアノエチル、2−(β−シアノエチ
ル)−プロピル、ω−シアノヘプチルおよびω−シアノ
オクチル、フエニルメチル、フエニルエチル、フエニル
プロピル、フエニル−tert−ブチル、ω−フエニルヘキ
シルなどである。
置換基を有するフエニル基の例としては、4−クロロフ
エニル、2,4−ジクロロフエニル、4−メトキシフエニ
ル、4−クロロ−2−メトキシフエニル、4−プロポキ
シフエニル、4−tert−ブトキシフエニル、4−n−ヘ
キソキシルフエニル、4−シアノフエニル、4−シアノ
−3,5−ジメチルフエニルなどがあげられる。
オレフインおよび上記置換基を有するオレフイン性化合
物の例を挙げれば次の通りである:エチレン、プロピレ
ン、1−ブチレン、2−ブチレン、イソブチレン、1−
ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセ
ン、3−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、3−
ヘプテン、1−オクテン、ノネン、1−デセン、2−デ
セン、1−ウンデセン、4−ウンデセン、5−デセン、
2,5−ジメチル−3−ヘキセン、2,2,5,5−テトラメチル
−3−ヘキセンおよび8−ヘキサデセン、1,4−ジフル
オロ−2−ブチレン、1,2−ジトリフルオロメチルエチ
レン、3−クロロ−1−プロピレン、4−クロロ−1−
ブチレン、3−クロロ−2−ブチレン、1,4−ジクロロ
−2−ブテン、1,1,4,4−テトラクロロ−2−ブテン、
6−クロロ−1−ヘキセン、1,6−ジクロロ−3−ヘキ
セン、7−クロロ−1−ヘプテン、7,6−ジクロロ−2
−ヘプテン、1,7−クロロ−3−ヘプテン、3,5,7−トリ
クロロ−1−オクテン、1,8−ジクロロ−4−オクテ
ン、1,2−ジシクロブチルエチレン、1,2−ジシクロヘキ
シルエチレン、1,2−ジシクロペンチルエチレン、1,2−
ジシクロドデシルエチレン、3−ヒドロキシ−1−プロ
ペン、1,6−ジヒドロキシ−3−ヘキセン、3−メトキ
シ−1−プロペン、1,4−ジメトキシ−1−ブテン、1,
−ジメトキシ−3−ヘキセン、1,6−ジプロポキシ−3
−ヘキセン、1,10−ジメトキシ−5−デセン、1,10−ジ
カルボヘキソキシ−5−デセン、1,4−ジカルボメトキ
シ−2−デセン、1,8−ジカルボメトキシ−4−オクテ
ン、1,8−ジカルボエトキシ−4−オクテン、1,8−ジカ
ルボメトキシ−2,7−ジシクロヘキシル−4−オクテ
ン、1,4−ジシアノ−2−ブテン、1,6−ジシアノ−3−
ヘキセン、1−シアノ−3−ペンテン、2−シアノ−3
−ペンテン、フエニルエチレン、1,2−ジフエニルエチ
レン、1,4−ジフエニル−2−ブテン、1,2−ジ−(p−
クロロフエニル)−エチレン、1,2−ジ−(p−メトキ
シフエニル)−エチレン、1,2−ジ−(p−フルオロフ
エニル)−エチレン、1,2−ジ−(2,4−ジメチルフエニ
ル)−エチレン、1,2−ジ−(p−シクロヘキシルフエ
ニル)−エチレン、1,2−ジ−(2−クロロ−4−tert
−ブチルフエニル)−エチレン、1,2−ジ−(1−tert
−ブチルフエニル)−エチレン、1,4−ジビニルベンゼ
ン、2,4−ジビニルベンゼン、p−クロロフエニルエチ
レンおよびp−フルオロフエニルエチレン、1−フエニ
ル−2−ブテン、1−フエニル−3−ブテン、シクロペ
ンテン、3−クロロ−1,2−シクロペンテン、3,5−ジク
ロロ−1,2−シクロペンテン、4−ヒドロキシ−1,2−シ
クロペンテン、3,5−ジメチル−1,2−シクロペンテン、
3,5−ジエチル−1,2−シクロペンテン、4−イソプロピ
ル−1,2−シクロペンテン、4−tert−ブチル−1,2−シ
クロペンテン、3,5−ジフエニル−1,2−シクロペンテ
ン、3,5−ジ−(4−クロロフエニル)−1,2−シクロペ
ンテン、4−フエニル−1,2−シクロペンテン、3−メ
トキシ−1,2−シクロペンテン、4−プロポキシ−1,2−
シクロペンテン、3,5−ジイソプロポキシ−1,2−シクロ
ペンテン、4−tert−ブトキシ−1,2−シクロペンテ
ン、4−n−ヘキソキシ−1,2−シクロペンテン、3−
カルボメトキシ−1,2−シクロペンテン、4−カルボメ
トキシ−1,2−シクロペンテン、3,5−ジ〔(β−カルボ
メトキシ)−エチル〕−1,2−シクロペンテン、3−シ
アノ−1,2−シクロペンテン、4−シアノシクロペンテ
ン、4−(β−シアノエチル)−1,2−シクロペンテ
ン、3−フルオロ−1,2−シクロペンテン、3−トリフ
ルオロメチル−1,2−シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、3−フルオロ−1,2−シクロヘキセン、3−トリフ
ルオロメチル−1,2−シクロヘキセン、3−クロロ−1,2
−シクロヘキセン、4−クロロ−1,2−シクロヘキセ
ン、5−クロロ−1,2−シクロヘキセン、4,5−ジクロロ
−1,2−シクロヘキセン、3−ヒドロキシ−1,2−シクロ
ヘキセン、3,5−ジヒドロキシ−1,2−シクロヘキセン、
3−メチル−1,2−シクロヘキセン、4−メチル−1,2−
シクロヘキセン、5−エチル−1,2−シクロヘキセン、
3,5−ジイソプロピル−1,2−シクロヘキセン、4,5−ジ
−n−ヘキシル−1,2−シクロヘキセン、4−フエニル
−1,2−シクロヘキセン、4,5−ジフエニル−1,2−シク
ロヘキセン、4−(p−クロロフエニル)−1,2−シク
ロヘキセン、3−メトキシ−シクロヘキセン、4−エト
キシ−1,2−シクロヘキセン、5−イソプロポキシ−シ
クロヘキセン、4−ヘキソキシ−1,2−シクロヘキセ
ン、4−(β−シアノエチル)−1,2−シクロヘキセ
ン、シクロヘプテン、3−メチル−1,2−シクロヘプテ
ン、3,7−ジメチル−1,2−シクロヘプテン、4,5,6−ト
リメチル−1,2−シクロヘプテン、5−イソプロピル−
1,2−シクロヘプテン、5−tert−ブチル−1,2−シクロ
ヘプテン、3−クロロ−シクロヘプテン、4−(β−ク
ロロエチル)−1,2−シクロヘプテン、4,6−ジクロロ−
1,2−シクロヘプテン、5−ヒドロキシ−1,2−シクロヘ
プテン−4,5−ジヒドロキシ−1,2−シクロヘプテン、3
−フエニル−1,2−シクロヘプテン、5−フエニル−1,2
−シクロヘプテン、4,5−ジ〔(p−tert−ブチル)−
フエニル〕−1,2−シクロヘプテン、3−メトキシ−1,2
−シクロヘプテン、5−メトキシ−1,2−シクロヘプテ
ン、3−プロポキシ−1,2−シクロヘプテン、5−tert
−ブトキシ−1,2−シクロヘプテン、3−カルボメトキ
シ−1,2−シクロヘプテン、4−カルボメトキシ−1,2−
シクロヘプテン、3,1−ジカルボメトキシ−1,2−シクロ
ヘプテンおよび5−(β−カルボメトキシ)−エチル−
1,2−シクロヘプテンなどである。
反応条件 本発明の方法は−40℃〜80℃、特に好ましくは0℃〜60
℃の温度範囲で行う。圧力は他の条件(温度、溶媒な
ど)により決定するが反応に重大な影響はない。反応時
間は、原料、反応温度、触媒量などにより異るが一般に
短時間で良く、回分法、連続法いずれでも行うことが出
来る。また反応終了後の反応混合物中のアルデヒドは公
知の方法、例えば蒸留等により分離できる。例えば、水
と非混和性の溶媒中で反応を行い、生成アルデヒドを水
で抽出し、蒸留する方法がある。蒸留は場合により熱分
解を伴い製品の収率を低下するため、減圧にて行うこと
も考慮されるべきである。
発明の効果 モリブデン又はタングステン化合物に共触媒として、従
来知られているホウ素化合物でなく周期律表第Va族元素
から選ばれた元素特にヒ素及びリンの化合物を加えるこ
とにより、更に効率よくオレフイン性炭素・炭素二重結
合を有する化合物と過酸化水素よりアルデヒドを製造す
ることができる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するがこれに
より本発明を限定するものではない。
なお実施例において生成物の分析は全て珪藻土担体に15
%ノニルフエノオキシポリ(エチレンオキシ)エタノー
ルを支持した3mのカラムを用い、ブチルアセテートを内
部標準としたガスクロマトグラフ分析によつた。
実施例−1 攪拌機および還流冷却器を備えた200mlガラス製反応器
に10.5重量%の過酸化水素を含むトリブチルホスフエー
トの溶液45gと過酸化水素に対して1.0モル%の酸化モリ
ブデンアセチルアセトネート(小宗化学製)と1.0モル
%の亜ヒ酸(小宗化学製)をそれぞれ加えた後35℃に昇
温し、攪拌しながらシクロペンテン14.2gを10分間で滴
下した。更に35℃で3時間攪拌した後、反応液をガスク
ロマトグラフで分析した。
その結果、該液中に3.4重量%のグルタルアルデヒドと
0.28重量%の1,2−シクロペンタンジオールおよび0.11
重量%のシクロペンテンオキシドが存在した。生成グル
タルアルデヒドは原料シクロペンテンに対し、9.8モル
%に相当する。
実施例−2 亜ヒ酸を過酸化水素に対して10モル%に増加した以外は
実施例−1と同様の方法、条件で反応を行つた。その結
果、該液中に4.9重量%のグルタルアルデヒドと0.09重
量%の1,2−シクロペンタンジオールが存在した。生成
グルタルアルデヒドは原料シクロペンテンに対し、13.7
モル%に相当する。
比較例−1 亜ヒ酸を加えないで実施例−1と同様の方法、条件で反
応を行つた。その結果、該液中に0.70重量%のグルタル
アルデヒドと0.10重量%の1,2−シクロペンタンジオー
ルが存在した。生成グルタルアルデヒドは原料シクロペ
ンテンに対し2.0モル%に相当する。
比較例−2 実施例−1と同様の反応器にシクロペンテン14.2gと過
酸化水素に対して酸化モリブデンアセチルアセトネート
(小宗化学製)1.0モル%および無水ホウ酸1.0モル%を
加えた後、35℃に昇温し、攪拌しながら過酸化水素10.5
重量%を含むトリブチルホスフエートの溶液45gを20分
間で滴下した。更に35℃で3時間攪拌した後、反応液を
ガスクロマトで分析した。その結果、該液中に0.68重量
%のグルタルアルデヒドと0.10重量%の1,2−シクロペ
ンタンジオールが存在した。生成グルタルアルデヒドは
原料シクロペンテンに対し1.9モル%に相当する。
実施例−3 亜ヒ酸の代りにリン酸(小宗化学製)を過酸化水素に対
して30モル%加えた以外は実施例−1と同様の方法、条
件で反応を行つた。その結果、該液中に3.2重量%のグ
ルタルアルデヒドと0.96重量%の1,2−シクロペンタン
ジオールが存在した。生成グルタルアルデヒドは原料シ
クロペンテンに対し9.4モル%に相当する。
実施例−4 亜ヒ酸の代りに五酸化二リン(小宗化学製)を過酸化水
素に対して1.0モル%加えた以外は実施例−1と同様の
方法、条件で反応を行つた。その結果、該液中に1.4重
量%のグルタルアルデヒドと0.13重量%の1,2−シクロ
ペンタンジオールが存在した。生成グルタルアルデヒド
は原料シクロペンテンに対し4.0モル%に相当する。
実施例−5 亜ヒ酸の代りに五酸化二リンを過酸化水素に対して20モ
ル%加えた以外は実施例−1と同様の方法、条件で反応
を行つた。その結果、該液中に3.6重量%のグルタルア
ルデヒドと0.78重量%の1,2−シクロペンタンジオール
が存在した。生成グルタルアルデヒドは原料シクロペン
テンに対し10.3モル%に相当する。
実施例−6 亜ヒ酸の代りに三酸化二アンチモン(Sb2O3,小宗化学
製)を過酸化水素に対して10モル%加えた以外は実施例
−1と同様の方法、条件で反応を行つた。その結果、該
液中に1.3重量%のグルタルアルデヒドと0.08重量%の
1,2−シクロペンタンジオールが存在した。生成グルタ
ルアルデヒドは原料シクロペンテンに対し3.8モル%に
相当する。
実施例−7 実施例−1と同様の反応器にシクロペンテン14.2gと過
酸化水素に対して2.0モル%の酸化モリブデンアセチル
アセトネートと5.0モル%の五酸化二リンをそれぞれ加
えた後35℃に昇温し、攪拌しながら過酸化水素10.5重量
%を含むトリブチルホスフエート溶液45gを20分間で滴
下した。更に35℃で3時間攪拌した後、反応液をガスク
ロマトグラフで分析した。その結果、該液中に3.8重量
%のグルタルアルデヒドと0.23重量%の1,2−シクロペ
ンタンジオールが存在した。生成グルタルアルデヒドは
原料シクロペンテンに対し11.2モル%に相当する。
実施例−8 実施例−1と同様の反応器にシクロペンテン12.8gと過
酸化水素に対して1.0モル%の酸化モリブデンアセチル
アセテネートと2.0モル%のトリフエニルアルシン((C6
H5)3As小宗化学製)をそれぞれ加えた後35℃に昇温し、
攪拌しながら過酸化水素9.5重量%を含むトリブチルホ
スフエート溶液45gを20分間で滴下した。更に35℃で3
時間攪拌した後、反応液をガスクロマトグラフで分析し
た。その結果、該液中に1.8重量%のグルタルアルデヒ
ドが含まれていた。1,2−シクロペンタンジオールは存
在しなかつた。生成グルタルアルデヒドは原料シクロペ
ンテンに対し5.7モル%に相当する。
比較例−3 実施例−1と同様の反応器にシクロペンテン12.8gと過
酸化水素に対して1.0モル%の酸化モリブデンアセチル
アセトネートと10.0モル%の無水ホウ酸をそれぞれ加え
た後35℃に昇温し、過酸化水素9.5重量%を含むトリブ
チルホスフエート溶液45gを20分間で滴下した。更に35
℃で3時間攪拌をした後、反応液をガスクロマトグラフ
で分析した。その結果、該液中に1.0重量%のグルタル
アルデヒドと0.05重量%の1,2−シクロペンタンジオー
ルおよび0.40重量%のシクロペンテンオキシドが存在し
た。生成グルタルアルデヒドは原料シクロペンテンに対
し3.2モル%に相当する。
実施例−9 実施例−1と同様の反応器にシクロペンテン12.8gと過
酸化水素に対して1.0モル%のタングステンヘキサカル
ボニル(W(CO)6小宗化学製)と2.0モル%の亜ヒ酸をそ
れぞれ加えた後35℃に昇温し、過酸化水素9.5重量%を
含むトリブチルホスフエート溶液45gを20分間で滴下し
た。更に35℃で3時間攪拌をした後、反応液をガスクロ
マトグラフで分析した。その結果、該液中に2.5重量%
のグルタルアルデヒドと0.67重量%のシクロペンテンオ
キシドが存在した。生成グルタルアルデヒドは原料シク
ロペンテンに対し7.8モル%に相当する。
比較例−4 実施例−1と同様の反応器にシクロペンテン14.2gと過
酸化水素に対して1.0モル%のタングステンヘキサカル
ボニルと5.0モル%の無水ホウ酸をそれぞれ加えた後35
℃に昇温し、過酸化水素10.5重量%を含むトリブチルホ
スフエート溶液45gを20分間で滴下した。更に35℃で3
時間攪拌した後、反応液をガスクロマトグラフで分析し
た。その結果、該液中に0.15重量%のグルタルアルデヒ
ドが存在した。生成グルタルアルデヒドは原料シクロペ
ンテンに対し0.46モル%に相当する。
実施例−10 実施例−1と同様の反応器に過酸化水素9.5重量%を含
むトリブチルホスフエート溶液45gと過酸化水素に対し
て1.0モル%の酸化モリブデンアセチルアセトネートお
よび10モル%の亜ヒ酸をそれぞれ加えた後35℃に昇温
し、攪拌しながら蒸留精製したスチレン19.6gを10分間
で滴下した。更に35℃で3時間攪拌を続けた後、反応液
をガスクロマトグラフで分析した。その結果、該液中に
3.0重量%のベンズアルデヒドと1.1重量%のホルムアル
デヒドが存在した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 31/22 X 8017−4G 31/26 X 8017−4G C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モリブデン又はタングステン化合物(但
    し、ヘテロポリ酸もしくはそれらの塩は除く)の少なく
    も1種類とリン、ヒ素及びアンチモンの化合物の少なく
    とも1種類よりなる触媒の存在下、オレフイン性炭素・
    炭素二重結合を有する化合物と過酸化水素を反応させる
    ことを特徴とするアルデヒドの製造法。
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