JP4681680B2 - 合成樹脂シート - Google Patents

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Description

本発明は、回収又は廃棄時に容易に減容でき、食品用トレーなどの包装容器を形成するのに有用な合成樹脂シート、この樹脂シートで成形された成形体(容器など)、前記樹脂シート又は成形体の減容性を改善する方法、及び樹脂シート又は成形体を回収する方法に関する。
ポリプロピレンシートや無延伸スチレン系シートは、成形性や耐衝撃性などに優れているため、食品用トレーなど各種プラスチック包装容器として多用されている。一般に、包装容器類などは、使用後に一般廃棄物として回収されて廃棄処理される。一般廃棄物中における包装容器類の割合は、容積で6割程度、重量で4割程度であるが、これら包装容器類の中でも、前記プラスチック包装容器の占める割合は、年々、増加傾向にある。このようなプラスチック包装容器は、重量のわりに容積が大きいため、回収又は廃棄時に押し潰したり、丸めたりして容積を減少(減容)させる必要がある。しかし、プラスチック製品は、通常、減容性に劣るため、無理に押し潰そうとすると割れたり、潰してもまた元の形状に復元する。このような特性は、プラスチック本来の特性でもあるため、樹脂の特性を低下させることなく、プラスチック製品に減容性を付与するのは困難である。
そこで、減容性を改善する方法として、特開平7−90160号公報(特許文献1)には、ゴム強化スチレン系樹脂と、タルクと、スチレン−ブタジエンブロック共重合体とで構成された樹脂組成物が提案されており、この組成物からなる包装容器はいずれの方向にも容易に引き裂くことができ、減容性が良好であることが開示されている。この文献には、ゴム強化スチレン系樹脂単独、ゴム強化スチレン系樹脂95重量%とスチレン−ブタジエンブロック共重合体5重量%とを含む樹脂組成物が開示されている。しかし、上記方法では、樹脂組成物にタルクを添加することによって耐衝撃性や透明性が低下するとともに、比重が増加し、軽量であるというプラスチックの長所が損なわれる。さらに、剛性も増加するため、握りつぶし易さが低下する。
特開平9−216271号公報(特許文献2)には、透明スチレン系樹脂と、2種類のスチレン−ブタジエン共重合体と、ゴム変性スチレン系樹脂とを特定の割合で含み、減容性に優れたスチレン系樹脂シートが開示されている。この文献には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体と、スチレン系樹脂とを含む二軸延伸シートも開示されている。この文献のスチレン系樹脂シートは、特定の引き落とし比で押出すことによって得られる。
特開平7−90160号公報 特開平9−216271号公報
従って、本発明の目的は、樹脂の特性を低下させることなく、減容性を改善できる合成樹脂シート、およびこの樹脂シートで成形された成形体を提供することにある。
本発明の他の目的は、減容時に割れやクラックなどを生じず、容易に潰すことのできる合成樹脂シートおよびこの樹脂シートで成形された成形体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、耐衝撃性及び/又は透明性が高く、減容性が改善された合成樹脂シートおよびこの樹脂シートで成形された成形体を提供することにある。
本発明の別の目的は、樹脂シート又は包装容器など種々の成形体の減容性を改善する方法及びそれらを回収する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の引張り弾性率と戻り角度とを有する合成樹脂シートや特定の樹脂組成物を使用すれば、樹脂の特性を低下させることなく、減容性を大きく改善できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の合成樹脂シートは、(1)JIS K 7113に準拠して測定した引張弾性率が35000kgf/cm以下であり、(2)平均厚み0.21mm及び大きさ1.5(引き取り方向:MD)cm×11(幅方向:TD)cmのシートに70g/cmの荷重を1分間かけて内側に180°折り曲げた後、荷重を取り除いて60分間放置した後のシートの戻り角度が95°以下(例えば、0〜60°程度)である。合成樹脂シートとしては、ゴム含有スチレン系樹脂、非結晶性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂、環状オレフィン系樹脂などが挙げられる。また、二軸延伸されたスチレン系グラフト共重合体を使用してもよく、スチレン系グラフト共重合体とスチレン系樹脂とを前者/後者=5/95〜100/0(重量比)の割合で含み、ゴム成分の含有量が樹脂全体に対して0.5〜20重量%であり、ゴム粒子の体積平均粒子径が0.5〜7μmであるゴム含有スチレン系樹脂の二軸延伸シートを使用してもよい。さらに、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体)と、スチレン系グラフト共重合体及びスチレン系樹脂とを含むゴム含有スチレン系樹脂、又はスチレン−ブタジエン共重合体と、スチレン系グラフト共重合体及びスチレン系樹脂から選択された少なくとも1種の樹脂とを含むゴム含有スチレン系樹脂を使用してもよい。
本発明には、前記合成樹脂シートで成形された成形体、前記合成樹脂シート又は成形体の減容性を改善する方法、及び前記合成樹脂シート又は成形体を回収する方法も含まれる。
なお、本明細書において、「減容性」とは、シートや包装容器などを丸めたり、曲げたりした後、容易に元の形状に回復又は復元しないことをいう。また、「減容時に割れを生じない」とは、15cm(MD)×15cm(TD)で厚さ0.21mmのシートを片手で直径約5cmの球状に潰し、その状態から直径3〜4cmになるように握り、1秒後に力を抜き、再び直径5cmに戻す操作を10回繰り返した後、長さ5mm以上の割れの平均個数が0〜3個であることをいう。
本発明では、特定の合成樹脂シートを使用するので、樹脂の特性(例えば、成形性、耐衝撃性、透明性など)を低下させることなく、減容性を改善できる。また、回収又は廃棄時に潰したり、丸めたりしても割れやクラックなどを生じず安全で、容易に減容できる。
本発明の合成樹脂シートは、特定の引張弾性率および戻り角度を有し、減容性に優れている。このような合成樹脂シートを形成する樹脂としては、例えば、ゴム含有スチレン系樹脂、非結晶性ポリアルキレンテレフタレート(特に、非結晶性ポリエチレンテレフタレート)、環状オレフィン(特に、ノルボルネン骨格を有するオレフィン系樹脂)などが使用できる。
ゴム含有スチレン系樹脂としては、少なくともゴム成分を含んでいればよく、例えば、(A)ゴム成分にスチレン系単量体がグラフト重合したスチレン系グラフト共重合体を少なくとも含む樹脂組成物、(B)スチレン系単量体をベースとするゴム(ゴム質共重合体)と、少なくともスチレン系樹脂とを含む樹脂組成物などが使用できる。なお、ゴム含有スチレン系樹脂において、スチレン系樹脂の割合は、樹脂組成物全体の80重量%、好ましくは70重量%、さらに好ましくは60重量%を越えない。
(A)スチレン系グラフト共重合体のゴム成分としては、種々のゴム質重合体、例えば、共役ジエン系ゴム[ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)、ポリ(1−クロロ−1,3−ブタジエン)、ポリピペリレンなどの1,3−共役ジエン又はその誘導体から構成されるゴム、ブタジエン−スチレン共重合体(ブタジエン−スチレンゴム)、スチレン−イソプレンゴムなどのスチレン−共役ジエン系共重合体(スチレンと共役ジエン類とのランダム又はブロック共重合体、テーパードブロック共重合体)など]、エチレン−プロピレンゴム(EPDMゴム)、アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレンが挙げられる。これらのゴム成分は、必要により水添されていてもよい。好ましいゴム成分はジエン系ゴム成分であり、ブタジエンゴム、ブタジエン−スチレンブロック共重合体が特に好ましい。これらのゴム成分は、単独でまたは二種以上組合わせて使用できる。
スチレン系グラフト共重合体において、前記ゴム成分に対するグラフト成分として、少なくともスチレン系単量体が使用され、スチレン系単量体と共重合性単量体とをグラフト成分として併用してもよい。スチレン系単量体としては、芳香族ビニル化合物[例えば、スチレン、アルキルスチレン(例えば、o−、m−およびp−メチルスチレンなどのビニルトルエン類、2,4−ジメチルスチレンなどのビニルキシレン類、エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのアルキル置換スチレン類)、α−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなど)、ヒドロキシスチレン、ハロスチレン(o−、m−およびp−クロロスチレン、ブロモスチレン、フルオロスチレン、ジクロロスチレン、トリブロモスチレン、ジフルオロスチレンなど)、α−ハロ置換スチレン及び/又はβ−ハロ置換スチレン(例えば、α−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、β−クロロスチレン、β−ブロモスチレンなど)など]などが挙げられる。これらのスチレン系単量体は、単独でまたは二種以上組合わせて使用できる。
スチレン系単量体に対して共重合性の単量体として、例えば、(メタ)アクリル系単量体[(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸t−ブチル,(メタ)アクリル酸ヘキシル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸C1−12アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル,(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど;グリシジル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート,ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアルキルアミノ−アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミドなど]、ビニルエステル系単量体[酢酸ビニルなど]、カルボキシル基含有単量体[マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸又は無水物、若しくはこれらの低級アルキルエステルなど]、イミド系単量体[マレイミド、N−アルキルマレイミド(N−メチルマレイミドなど)、N−アリールマレイミド(N−フェニルマレイミドなど)など]などが挙げられる。好ましい共重合性単量体には、(メタ)アクリロニトリル、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系単量体などが含まれる。これらの共重合性単量体は、単独でまたは二種以上組合わせて使用できる。
スチレン系単量体の使用量は、単量体全体の30重量%以上(例えば、40〜100重量%)、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは60〜100重量%程度である。
スチレン系グラフト共重合体の具体例としては、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が挙げられ、スチレン系単量体単独に限らず、アクリロニトリル、メタクリル酸メチルなどの共重合性単量体がグラフトしていてもよい。
ゴム含有スチレン系樹脂として、前記スチレン系グラフト共重合体と、スチレン系樹脂とを組合わせて使用してもよい。スチレン系樹脂は、前記例示のスチレン系単量体の単独重合体又は共重合体、もしくはスチレン系単量体と前記例示の共重合性の単量体との共重合体であってもよい。好ましいスチレン系樹脂としては、汎用ポリスチレン(GPPS)などのポリスチレンが挙げられる。スチレン系グラフト共重合体とスチレン系樹脂とを組合わせて使用すると、減容性だけでなく、スチレン系グラフト共重合体に比べて透明性が向上し、スチレン系樹脂に比べて耐衝撃性(特に、低温での耐衝撃性)も大きく改善できる。
前記スチレン系グラフト共重合体と、スチレン系樹脂との割合は、前者/後者=5/95〜100/0(重量比)、好ましくは10/90〜100/0(重量比)(例えば、20/80〜100/0(重量比))、さらに好ましくは25/75〜100/0(重量比)(例えば、30/70〜100/0(重量比))程度である。スチレン系樹脂の使用量が上記範囲を超えると、耐衝撃性の向上が不十分となる。
スチレン系グラフト共重合体をベースとして含む樹脂組成物中のゴム成分の含有量は、通常、0.5〜20重量%、好ましくは1〜18重量%、さらに好ましくは1〜16重量%(例えば、3〜16重量%)程度である。ゴム成分の含有量が、少なすぎると、シート及び成形容器の衝撃強度が不十分となり、多すぎると、光沢や弾性率が低下する。
スチレン系グラフト共重合体をベースとして含む樹脂組成物中のゴム成分の平均粒子径及び形状は特に制限されず、ゴム成分の形態についても、例えば、サラミ構造、小粒径サラミ構造、コアシェル構造、大粒径サラミ構造と小粒径サラミ構造とが混在した構造などが挙げられるが、特に制限されない。ゴム粒子の体積平均粒子径は、特に制限されないが、0.5〜7μm(例えば、0.5〜5μm)、好ましくは0.8〜4μm、さらに好ましくは0.9〜3μm程度の範囲から適当に選択できる。
前記(B)の樹脂組成物としては、(B1)ゴム質共重合体と、前記スチレン系グラフト共重合体及び前記スチレン系樹脂とを含む樹脂組成物、(B2)特定のゴム質共重合体と、スチレン系グラフト共重合体及びスチレン系樹脂から選択された少なくとも1種とを含む樹脂組成物が挙げられる。このようなゴム含有スチレン系樹脂を使用すると、優れた減容性が得られるとともに、透明性も大きく改善できる。
スチレン系単量体をベースとするゴム(ゴム質共重合体)としては、スチレン系単量体とジエン系単量体(ブタジエン、イソプレンなど)とのゴム質共重合体、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体などが挙げられる。上記ゴム質共重合体中のスチレン系単量体の含有量は、20〜90重量%、好ましくは40〜90重量%、さらに好ましくは50〜85重量%程度である。
上記の組成において、好ましいゴム質共重合体は、スチレン−ブタジエン共重合体(特に、スチレン−ブタジエンブロック共重合体)である。また、好ましいスチレン系グラフト共重合体は、HIPSなどのスチレン−ブタジエングラフト共重合体であり、好ましいスチレン系樹脂は、汎用ポリスチレン(GPPS)などのポリスチレンである。
前記(B1)の樹脂組成物において、スチレン系単量体をベースとするゴム質重合体と、スチレン系グラフト共重合体及びスチレン系樹脂の総量との割合は、前者/後者(重量比)=5/95〜70/30、好ましくは20/80〜70/30、さらに好ましくは30/70〜60/40(特に、40/60〜60/40)程度である。スチレン系グラフト共重合体とスチレン系樹脂との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=20/80〜95/5、好ましくは30/70〜80/20、さらに好ましくは40/60〜60/40程度の範囲から選択できる。
前記(B2)の樹脂組成物において、ゴム質共重合体としてブタジエン含量が30〜60重量%(好ましくは30〜50重量%、さらに好ましくは30〜40重量%)程度のスチレン−ブタジエン共重合体(特に、ブロック共重合体)を単一のゴム質共重合体として使用してもよい。通常、ブタジエン含量が30〜60重量%のゴム質共重合体と、スチレン系グラフト共重合体(HIPSなど)及びスチレン系樹脂(GPPSなど)から選択された少なくとも1種の樹脂とで構成できる。前記スチレン−ブタジエン共重合体と、スチレン系グラフト共重合体及びスチレン系樹脂から選択された少なくとも1種の樹脂との割合は、前者/後者(重量比)=10/90〜60/40、好ましくは20/80〜50/50、さらに好ましくは30/70〜50/50程度である。スチレン系グラフト共重合体とスチレン系樹脂との割合は、前者/後者(重量比)=0/100〜85/15、好ましくは5/95〜80/20、さらに好ましくは10/90〜70/30程度である。
スチレン系単量体をベースとするゴム(スチレン−ブタジエン共重合体ゴムなど)を含むゴム含有スチレン系樹脂において、樹脂組成物全体のゴム成分の含有量は、0.5〜20重量%、好ましくは1〜18重量%、さらに好ましくは1〜16重量%(特に、5〜15重量%)程度である。
好ましいゴム含有スチレン系樹脂には、(i)耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、(ii)HIPSと汎用ポリスチレン(GPPS)とを含む樹脂組成物、および(iii)スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン−ブタジエンブロック共重合体)とHIPSとGPPSとを含む樹脂組成物などが含まれる。
非結晶性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂とは、テレフタル酸又はその誘導体(例えば、エステル)と、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール)とを縮合(溶融重縮合)させて得られるポリエステルである。
テレフタル酸又はその誘導体と、アルキレングリコールとで構成されたポリエステルの製造方法としては、特に制限されず、慣用の方法により得ることができる。例えば、テレフタル酸とエチレングリコールとから得られるポリエチレンテレフタレートの製造方法について説明すると、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化させるか、あるいはテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとの間でエステル交換させて、ジエチレンテレフタレートを形成させ、次いで減圧下、例えば240℃以上の温度で重縮合させることによって得ることができる。
非結晶性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂には、第3成分として他の共重合性単量体(例えば、フタル酸、イソフタル酸などの非対称性芳香族ジカルボン酸、アジピン酸などのC6−12脂肪族ジカルボン酸、C2−6アルキレングリコール、ポリオキシC2−4アルキレングリコールなど)を併用してもよい。
非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂シートを使用すれば、減容性だけでなく、透明性も改善できる。
このような非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂は、帝人(株)から商品名テイジンFR−PETとして入手できる。
環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセンなどの環状オレフィン系単量体を単独重合、あるいは直鎖状オレフィン単量体(エチレン、プロピレンなどのC2−6オレフィン類)又は他の重合性単量体(例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、(メタ)アクリル系単量体など)を共重合性成分として共重合することにより得られる。環状オレフィン系樹脂は、主鎖に環状オレフィン構造を有する。
なお、環状オレフィンの構造において、重合に使用される触媒の種類によって、主鎖の環状オレフィンの構造が異なる。例えば、ノルボルネンを例にとって説明すると、ノルボルネンをまずメタセシス触媒によって開環重合し、両端に二重結合を有するポリシクロペンタンを生成させ、両端の二重結合を水添することにより下記式(a)で表される重合体が得られる。
Figure 0004681680
(式中、R及びRは、水素原子、アルキル基、スルホン酸基又はカルボン酸基などの官能基を示し、nは1以上の整数を示す。)
アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどC1−6アルキル基などが挙げられる。
なお、前記開環重合後に、必要に応じて、他の重合性単量体(例えば、マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体、シクロペンタジエンなどの環状オレフィン類など)を付加して変性し、引き続き水添を行うこともできる。
このような環状オレフィン系樹脂は、商品名ZEONEX(日本ゼオン(株)製)、商品名ARTON(日本合成ゴム製)として市販されている。
また、ノルボルネンをチーグラー触媒(遷移金属化合物/アルキル金属化合物)によって付加重合することにより、水添することなく、ノルボルネン構造を主鎖に有する非晶質環状オレフィン樹脂を得ることができる。得られた重合体の構造を下記式(b1)に示す。このようにして得られた重合体は、通常、エチレン、プロピレンなどの直鎖状オレフィン系単量体との共重合体として使用される。エチレンとの共重合体の構造を下記式(b2)に示す。
Figure 0004681680
(式中、Rは水素原子、アルキル基又はエステル基など、mは1以上の整数を示す。R、R及びnは前記に同じ。)
で表されるアルキル基としては、前記例示のアルキル基が使用できる。
なお、このような環状オレフィン系樹脂は、商品名APEL(三井石油化学(株)製)として市販されている。
本発明で使用される樹脂には、必要に応じて、慣用の添加剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、可塑剤(ミネラルオイルなど)、帯電防止剤、滑剤(ステアリン酸など)、難燃剤、離型剤、充填剤、顔料、染料などを含有していてもよい。
前記合成樹脂シートは、未延伸シートであってもよく、延伸シートであってもよい。特に、スチレン系グラフト共重合体をベース樹脂として含むゴム含有スチレン系樹脂(特に前記(A)の樹脂組成物)を使用する場合は、通常、一軸又は二軸延伸シート(特に、二軸延伸シート)である。スチレン−ブタジエン共重合体をベース樹脂として含有するゴム含有スチレン系樹脂(特に前記(B)の樹脂組成物)の場合には、一軸又は二軸延伸シートであってもよいが、未延伸シートであっても高い減容性を示す。
延伸シートは、慣用の方法、例えば、前記合成樹脂を、押出機により、溶融混練(例えば、180〜240℃程度の温度で混練)し、ダイから押出し、次いで、逐次または同時二軸延伸することによって形成できる。逐次延伸としては、例えば、Tダイまたはカレンダーを用いて調製された原反シートを、加熱(100〜130℃)状態で一軸方向に1.5〜4倍程度の倍率で延伸し、次いで、加熱(100〜130℃)状態で上記延伸方向に直交する方向に1.5〜4倍程度の倍率で延伸する方法などが挙げられる。同時二軸延伸としては、例えば、テンダー延伸において縦・横方向の延伸を同時に行なう方法、及びインフレーション法などが挙げられる。
合成樹脂シートが延伸された後は、著しい緩和が発生しないうちに冷却されることが必要とされるが、工程上、急冷することが困難な場合があり、機械的延伸倍率に見合う収縮が観察されないことがある。従って、本発明の合成樹脂シートでは、下記式(I)で規定される実質延伸倍率の値は、通常、1.3〜4.0、好ましくは1.4〜3.9、さらに好ましくは1.4〜3.8である。
実質延伸倍率=100/L (I)
(式中、Lは、二軸延伸シートから切り出した直径100mmの円盤の中央部に縦横方向に伸びる100mmの刻み目をつけた試験片を、ASTM D−1524に準拠して測定したビカット軟化点温度+30℃の温度で30分間加熱したときの刻み目の長さ(mm)である)
実質延伸倍率が小さすぎると、収縮応力が低くなり、耐衝撃強度の向上が不十分であり、大きすぎると、収縮応力が高くなり、成形性が低下する。
延伸シートは、成形時の緩和を考慮して、シート段階において所定の配向緩和応力(収縮応力)を有することが望ましい。本発明の合成樹脂シートでは、ASTM D−1504で規定される配向緩和応力(125℃での収縮応力)は、通常、縦及び横方向共に3〜15kg/cm、好ましくは4〜13kg/cm、さらに好ましくは5〜12kg/cm程度である。
本発明の合成樹脂シートは、特定の(1)引張弾性率及び(2)戻り角度を有する。すなわち、(1)JIS K 7113に準拠して測定した引張り弾性率は35000kgf/cm以下(例えば、10000〜35000kgf/cm)、好ましくは13000〜34500kgf/cm、さらに好ましくは15000〜34000kgf/cm程度である。引張弾性率が35000kgf/cmを越えると、減容時の潰し易さが低下する。なお、HIPSをベースとする樹脂組成物で得られた二軸延伸シートの引張弾性率は、25000〜35000kgf/cm程度であり、スチレン−ブタジエン共重合体(特に、スチレン−ブタジエンブロック共重合体)をベースとして含む樹脂組成物で得られたシートの引張弾性率は、10000〜27500kgf/cm、好ましくは15000〜25000kgf/cm程度である場合が多い。
(2)戻り角度とは、平均厚みが0.21mmで1.5(MD)cm×11(TD)cmのシートに70g/cmの荷重を1分間かけて内側に180°折り曲げた後、荷重を取り除いて60分間放置した後のシートの角度のことを意味する。本発明の合成樹脂シートの戻り角度は、95°以下(例えば、0〜95°)、好ましくは10〜90°、さらに好ましくは10〜80°、特に10〜60°程度である。特に、好ましい樹脂組成物で得られた二軸延伸シートの戻り角度は、60°以下(例えば、0〜60°程度)、好ましくは55°以下(例えば、10〜55°程度)、さらに好ましくは50°以下(例えば、10〜50°程度)である。なお、スチレン−ブタジエン共重合体(例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体)をベースとする樹脂組成物で得られたシートの戻り角度は、95°以下(例えば、20〜95°)、好ましくは40〜90°程度であってもよい。戻り角度が95°を越えると、回収又は廃棄時に減容するのが困難になる。
本発明の合成樹脂シートの厚みは、特に限定されるものではないが、通常、0.5mm以下(例えば、0.05〜0.5mm)、好ましくは0.05〜0.3mm(例えば、0.1〜0.3mm)、さらに好ましくは0.05〜0.25mm、特に0.05〜0.2mm程度であってもよい。
本発明の合成樹脂シートは、共押出やラミネーションによって、同種または異種の熱可塑性樹脂と積層することができる。
本発明の合成樹脂シートは、特定の引張弾性率と戻り角度とを有しているため、押し潰したり、丸めたりするのが容易で減容性に優れている。さらに、回収又は廃棄時などの減容時に割れやクラックなどを生じない。そのため、減容時に割れなどで手を傷つけたり、回収袋などを破る虞もない。なお、シートの割れ易さは、例えば、特定の大きさのシートを手で強く潰して丸め、再び展開したときの割れの数や大きさなどによって評価してもよい。例えば、15cm(MD)×15cm(TD)で厚さ0.21mmのシートを片手で直径約5cmの球状に潰し、その状態から直径3〜4cmになるように握り、1秒後に力を抜き、再び直径5cmに戻す操作を10回繰り返した後、長さ5mm以上の割れ(クラック)の平均個数により評価してもよい。この評価方法において、割れの平均個数は0〜3個、好ましくは0〜1個(特に0個)程度である。
本発明の合成樹脂シートは、減容性及び成形性に優れているので、成形して種々の包装容器(例えば、食品用容器又はトレー)として使用できる。さらに、前記(B)の樹脂で構成された合成樹脂シートは、減容性とともに透明性にも優れているので、透明容器やトレーなどとしても有用である。本発明の合成樹脂シートから成形体(容器、トレーなど)を成形する方法としては、例えば、真空成形、真空圧空成形、熱板成形などの通常の熱成形法が挙げられる。なお、本明細書において、「容器又はトレー」とは、被包装体を収容するための凹部を有する容器本体だけでなく、蓋体を含んでいてもよい意味に用いる。
成形体の減容率は、次のようにして測定できる。長さ160mm×幅125mm×深さ10mmの成形体(例えば、容器又はトレー)を、20g/cmの荷重を1分間かけて潰し、この成形体を直径11.5cmの筒に入れ、上部から0.2kg/cmの荷重を2分間かけ、成形体の体積Vを測定する。次いで、荷重を取り除いて15分後の成形体の体積Vを測定する。体積V及びVを用いて、下記式により成形体の減容率を計算できる。
減容率=(V−V)/V
成形体の減容率は、3.0以下(0〜3.0)、好ましくは0〜2.5、さらに好ましくは0〜2程度である。
本発明では、合成樹脂シート及び成形体の減容性を大きく改善でき、前記シート又は成形体を効率よく回収又は運搬できる。本発明のシート又は成形体(容器など)は、回収又は破棄時に減容手段(例えば、機械や手など)によって容易に減容でき、手で潰す場合であっても割れなどを生じないため、手を傷つけたりすることもなく、安全かつ容易に体積を減少させることができる。さらに、本発明によれば、前記樹脂シート又は成形体の回収又は破棄時に、それらの体積を容易に低減できるので、コストを大幅に削減でき、工業的にも有利である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
耐衝撃性ポリスチレン[トーヨースチロールS85(東洋スチレン(株)製、ゴム成分含有量6.0重量%)]と、汎用ポリスチレン[ダイセルスチロール#30(ダイセル化学工業(株)製)]とを表1に示す割合で混合し、Tダイで押し出すことによって、無延伸シートを得た。得られた無延伸シートを、任意の温度で縦横方向に延伸し、配向緩和応力(MD)7kg/cm、実質延伸倍率2.5(MD)×2.5(TD)の二軸延伸シート(HI−1)を作製した。得られたシートの配向緩和応力はASTM D−1504に規定される方法で測定した。また、実質延伸倍率は前記式(I)を用いて算出した。
また、各シートについて引張弾性率測定を行った。各シートを引張試験機(オリエンテック(株)製)に装着し、温度23℃、湿度50%下において、初期クランプ間距離8cm、引張り速度50mm/minで引張り、弾性率を測定した。
また、シートの折り曲げ回復角度(戻り角度)を以下の方法を用いて測定した。平均厚み0.21mmのシートを1.5(MD)cm×11(TD)cmに切り抜き、長手方向に輪状に曲げ、両端を接続した。その状態で上部から70g/cmの荷重を1分間かけ押しつぶした。その後、接続(荷重)を取り除き60分間放置し、シートの開き角度(戻り角度)を測定した。
また、シートの割れについて次のように測定した。15cm(MD)×15cm(TD)で厚さ0.21mmのシートを片手で直径約5cmの球状に潰し、その状態から直径3〜4cmになるように握り、1秒後に力を抜き、再び直径5cmに戻した。これを10回繰り返した後、シートを広げて長さ5cm以上の割れの個数を確認した。この作業を10枚について行い、下記の評価により割れを判定した。結果を表1に示す。
長さ5mm以上の割れの平均個数が3個…割れなし
長さ5mm以上の割れの平均個数が4個以上…割れあり
実施例2
耐衝撃性ポリスチレン[トーヨースチロールS85(東洋スチレン(株)製、ゴム成分含有量6.0重量%)]を実施例1と同様の方法を用いて、配向緩和応力(MD)10kg/cm、実質延伸倍率2.5(MD)×2.5(TD)の二軸延伸シート(HI−2)を作成した。得られたシートの配向緩和応力、実質延伸倍率、引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表1に示す。
実施例3
耐衝撃性ポリスチレン[エスチレンXL−4(新日鐵化学(株)製、ゴム成分含有量10重量%)]を実施例1と同様の方法を用いて、配向緩和応力(MD)14kg/cm、実質延伸倍率2.5(MD)×2.5(TD)の二軸延伸シート(HI−3)を作成した。得られたシートの配向緩和応力、実質延伸倍率、引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表1に示す。
実施例4
耐衝撃性ポリスチレン[デンカスチロールHIE−4(電気化学工業(株)製、ゴム成分含有量5.5重量%)]を実施例1と同様の方法を用いて、配向緩和応力(MD)9kg/cm、実質延伸倍率2.5(MD)×2.5(TD)の二軸延伸シート(HI−4)を作成した。得られたシートの配向緩和応力、実質延伸倍率、引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表1に示す。
参考例1
耐衝撃性ポリスチレン[エスチレンXL−4(新日鐵化学(株)製、ゴム成分含有量10重量%)]をTダイで押し出し、延伸することなく無延伸シートを得た。得られたシート(HI−5)の引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表1に示す。
実施例5
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)[セビアン770(ダイセル化学工業(株)製)、ゴム成分含有量15重量%]を実施例1と同様の方法を用いて、配向緩和応力(MD)6.1kg/cm、実質延伸倍率2.6(MD)×2.7(TD)の二軸延伸シートを作成した。得られたシートの配向緩和応力、実質延伸倍率、引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表2に示す。
参考例2〜3
厚み0.25mm(参考例2、A−PET1)および厚み0.18mm(参考例3、A−PET2)の非結晶性ポリエチレンテレフタレートシート[テイジンFR−PET(帝人(株)製)]の引張り弾性率、戻り角度、割れの有無を実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表2に示す。
参考例4〜5
スチレン−ブタジエン共重合体[重量平均分子量160,000〜170,000、数平均分子量104,000、ブタジエン含量30重量%]と耐衝撃性ポリスチレン[トーヨースチロールS85(東洋スチレン(株)製、ゴム成分含有量6.0重量%)]と、汎用ポリスチレン[ダイセルスチロール#30(ダイセル化学工業(株)製)]を表3に示す割合で混合し、Tダイで押し出すことによって、無延伸シート(参考例4:無延伸SB−1、参考例5:無延伸SB−2)を得た。得られたシートの引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表3に示す。
参考例6
スチレン−ブタジエン共重合体[重量平均分子量160,000〜170,000、数平均分子量104,000、ブタジエン含量30重量%]と、汎用ポリスチレン[ダイセルスチロール#30(ダイセル化学工業(株)製)]を表3に記載される比率で混合し、Tダイで押し出すことによって、無延伸シート(無延伸SB−3)を得た。得られたシートの引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表3に示す。
参考例7
環状ポリオレフィン[ゼオノア1420R(日本ゼオン(株))]をTダイで押し出すことによって、シートを得た。得られたシートの引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表3に示す。
Figure 0004681680
Figure 0004681680
Figure 0004681680
比較例1
厚み0.20mmのポリプロピレンシート(共栄樹脂(株)製)の引張り弾性率、戻り角度、割れの有無を実施例1と同様の方法を用いて求めた。結果を表4に示す。
比較例2
汎用ポリスチレン[ダイセルスチロール#30(ダイセル化学工業(株)製)]を実施例1と同様の方法を用いて、配向緩和応力(MD)6.1kg/cm、実質延伸倍率2.8×2.7(MD×TD)の二軸延伸シート(OPSシート)を作成した。得られたシートの配向緩和応力、実質延伸倍率、引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表4に示す。
比較例3
スチレン−ブタジエン共重合体[重量平均分子量100000〜110000、数平均分子量87000、ブタジエン含量60重量%]と、耐衝撃ポリスチレン[トーヨースチロールS85(東洋スチレン(株)製、ゴム成分含有量6.0重量%)]と、汎用ポリスチレン[ダイセルスチロール#30(ダイセル化学工業(株)製)]を表4に示す割合で混合し、Tダイで押し出すことによって、無延伸シートを得た。得られたシートの引張り弾性率、戻り角度、割れの有無は実施例1と同様の評価方法を用いて求めた。結果を表4に示す。
Figure 0004681680
表1〜4より明らかなように、実施例のシートは、比較例のシートに比べ減容性に優れていた。
実施例6
実施例1で得られたシート(延伸HI−1シート)を、長さ160mm×幅125mm×深さ10mmのトレーに成形し、20g/cmの荷重をかけてトレーを潰し、直径11.5cmφの透明の円筒状の中に10個入れた。筒の中に上部から20kgの円柱状(直径11cmφ)の重りを入れてトレーに荷重を2分間かけ、潰れたトレーの体積を測定した。その後、荷重を開放してから15分後のトレーの体積を測定した。さらに、その後、潰れたトレーを1つずつ開き、割れの有無を、シートと同様の方法で確認した。各トレーの体積からトレーの減容率を計算した。結果を表5に示す。ここで、荷重時の体積をトレーの潰れやすさ、15分後の体積を復元しやすさとして評価し、シートとの相関関係があることが認められた。
参考例8及び9
参考例4(SB−1シート)及び参考例5(SB−2シート)で得られた各シートを用いて、実施例6と同様の試験を行った。結果を表5に示す。
比較例4及び5
比較例1(PPシート)及び比較例2(OPSシート)で得られた各シートを用いて、実施例6と同様の試験を行った。結果を表5に示す。
Figure 0004681680
表5より明らかなように、減容性に優れたシートを成形して得られた成形体は、シートと同様に優れた減容性を示す。
本発明の合成樹脂シートは、減容性及び成形性に優れているので、成形して種々の包装容器(例えば、食品用容器又はトレー)として使用できる。

Claims (5)

  1. (1)JIS K 7113に準拠して測定した引張弾性率が25000〜35000kgf/cm であり、(2)平均厚み0.21mm及び大きさ1.5cm(MD)×11cm(TD)のシートに、70g/cmの荷重を1分間かけて内側に180°折り曲げた後、荷重を取り除いて60分間放置した後のシートの戻り角度が10〜60°である合成樹脂シートであって、
    スチレン系グラフト共重合体とスチレン系樹脂とを前者/後者=3070〜100/0(重量比)の割合で含み、ゴム成分の含有量が16重量%であり、ゴム粒子の体積平均粒子径が0.5〜7μmであるゴム含有スチレン系樹脂で構成され、かつ二軸延伸され、125℃での延伸シートの収縮応力が3〜15kg/cmである合成樹脂シート。
  2. 減容時に割れの生じない請求項1記載の合成樹脂シート。
  3. 請求項1記載の合成樹脂シートで成形された成形体。
  4. 請求項1記載の合成樹脂シートあるいは請求項記載の成形体を使用して減容性を改善する方法。
  5. 請求項1記載のシートあるいは請求項記載の成形体を減容して回収する方法。
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