JP4681371B2 - 緊急警報放送システム及びデジタル放送受信機 - Google Patents

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Description

本発明は、放送事業者による緊急警報放送システム(Emergency Warning System:EWS)の提供を受けることができるデジタル放送受信機、特に緊急警報が発動された地域の総消費電力が瞬時的に急増するのが防止されたデジタル放送受信機に関するものである。
台風、地震、津波等の緊急災害が発生した場合、緊急災害が発生した地域の居住者に緊急災害の発生を早期に知らせ適切な対応策をとる必要がある。このような緊急災害の発生を特定地域の居住者に一斉に知らせるには、放送電波を用いて緊急警報放送(EWS)を送信する必要がある。
従来の緊急警報放送システムでは、緊急災害が発生した際、放送事業者は、緊急災害の発生を知らせる映像、音声及びデータのEWSコンテンツと共にEWS制御信号を放送電波にのせて送信する。当該放送事業者のチャンネルを選局しているデジタル放送受信機は、受信した各EWSコンテンツを復調して映像、音声及びデータの各出力装置からEWSコンテンツを出力する。同時に、当該放送受信機に設定されている地域符号がEWS制御信号に含まれている緊急警報を受信すべき地域を指定した地域に含まれるか否かを判定し、受信機に設定されている地域符号がEWS制御信号により指定した地域に含まれている場合、起動フラグを発生して当該受信機の映像出力装置、音声出力装置及びデータ出力装置を一斉にオン状態に切り換えている(例えば、「非特許文献1」参照)。この結果、放送受信機からEWSコンテンツが一斉に放映され、視聴者は緊急警報の内容を早期に知ることができる。
地上デジタルテレビジョン放送運用規定 ARIB TR-B142.2 (第一分冊) (1/2)、2〜30頁
上述した地上デジタルテレビジョン放送の運用規定によれば、緊急警報放送を受信した際直ちに映像、音声及びデータのEWSコンテンツが一斉に放映されるため、視聴者は早期に緊急災害の発生を知ることができる。しかしながら、EWS制御信号で指定した地域の多数のデジタル放送受信機が一斉にオン状態に切り換わると、総消費電力が瞬時的に急増してしまい、当該地域の電力が不足する事態が発生してしまう。この結果、当該地域の視聴者が緊急災害の発生を知らせる緊急警報を受信できなくなる危険性がある。このような理由から、緊急警報に対して自動的に起動する機能を有するデジタル放送受信機が利用されず、放送事業者による有益なEWSサービスが活用されない事態となってしまう。
本発明の目的は、放送事業者によるEWSサービスの提供を受けることができるデジタル放送受信機を提供することにある。
本発明の別の目的は、地域内の多数のデジタル放送受信機が一斉に起動しても、当該地域の総消費電力の瞬時的な急増が抑制されるデジタル放送受信機を提供することにある。
さらに、本発明の別の目的は、地域内の多数のデジタル放送受信機が一斉に起動しても総消費電力の瞬時的な急増が抑制された緊急警報放送システムを提供する。
参考例として記載するデジタル放送受信機は、放送電波を受信する受信手段と、
受信した放送電波から所望のチャンネルを選択するチューナーと、
選択されたチャンネルのデジタル信号を復調し、映像信号、音声信号、データ信号、及び緊急警報制御信号をそれぞれ出力する復調複合手段と、
復調された映像信号から映像コンテンツを出力する映像出力手段と、
復調された音声信号から音声コンテンツを出力する音声出力手段と、
復調されたデータ信号からデータコンテンツを出力するデータ出力手段と、
前記緊急警報制御信号を受け取り、緊急警報起動信号を発生する起動制御手段とを具え
前記起動制御手段は、緊急警報制御信号を受け取った際、前記音声出力手段だけを起動させる緊急警報起動信号を発生することを特徴とする。
デジタル放送受信機の音声出力手段やアラーム等の警報音出力手段の消費電力は、画像表示装置等の映像出力手段の消費電力に比較して大幅に少ない。従って、特定地域の多数のデジタル放送受信機が一斉に起動しても、総消費電力はさほど大きくならず、消費電力の瞬時的な急増を防止することができる。尚、緊急警報制御手段は、緊急警報コンテンツを受け取った際、当該緊急警報コンテンツに含まれている受信対象地域を指定する地域符号を当該デジタル放送受信機に設定されている地域符号とを比較し、これらの地域符号が一致した場合、緊急警報起動信号を出力することができる。
参考例として記載するデジタル放送受信機は、放送電波を受信する受信手段と、
受信した放送電波から所望のチャンネルを選択するチューナーと、
選択されたチャンネルのデジタル信号を復調し、映像信号、音声信号、データ信号、及び緊急警報制御信号をそれぞれ出力する復調複合手段と、
復調された映像信号から映像コンテンツを出力する映像出力手段と、
復調された音声信号から音声コンテンツを出力する音声出力手段と、
復調されたデータ信号からデータコンテンツを出力するデータ出力手段と、
前記緊急警報制御信号を受け取り、緊急警報起動信号を発生する起動制御手段とを具え
前記起動制御手段は、当該放送受信機に対して設定されている地域符号情報と、緊急警報制御信号を受け取った後前記緊急警報起動信号を発生するまでの待機時間を規定したCASIDパターンとを有し、受信した緊急警報制御信号に含まれる地域符号情報と当該放送受信機に設定されている地域符号情報とを比較し、これらが一致した場合、前記CASIDパターンにより規定された待機時間が経過した後前記映像出力手段及び音声出力手段に緊急警報起動信号を供給し、これら出力手段を起動させることを特徴とする。このように、各区域毎に待機時間の異なるCASIDパターンを設定することにより、各放送受信機の起動タイミングをずらすことができ、この結果総消費電力の瞬時的な急増を防止することができる。
本発明によるデジタル放送受信機は、請求項1に記載の緊急警報放送システムに用いられるデジタル放送受信機であって
放送電波を受信する受信手段と、
受信した放送電波から所望のチャンネルを選択するチューナーと、
選択されたチャンネルのデジタル信号を復調し、映像信号、音声信号、データ信号及び緊急警報制御信号をそれぞれ出力する復調複合手段と、
映像コンテンツを出力する映像出力手段と、
音声コンテンツを出力する音声出力手段と、
データコンテンツを出力するデータ出力手段と、
放送局側から順次送信されてくる緊急警報制御信号を受け取り、少なくとも映像出力手段及び音声出力手段を起動させる緊急警報起動信号を発生する起動制御手段とを具え、
前記起動制御手段は、当該デジタル放送受信機が設置されている地域を表す地域符号情報及び当該デジタル放送受信機に設定されているCASIDパターンと、受信した緊急警報制御信号に含まれる地域符号情報及びCASIDパターンとを比較し、これらが一致した場合前記緊急警報起動信号を発生することを特徴とする。このように、放送局側から緊急警報制御信号を順次送信することにより、特定の区域の放送受信機を所定の時間間隔で順次起動させることができ、総消費電力の瞬時的な急増を防止することができる。
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参考例として記載する緊急警報放送システムは、放送局から各所に設置されているデジタル放送受信機に緊急警報放送を送信する緊急警報放送システムであって、
緊急事態が発生した際、放送局は、緊急警報放送コンテンツと、受信対象地域を指定する地域符号情報を含む緊急警報制御情報を放送電波にのせて送信し、
デジタル放送受信機は、放送電波を受信し、チューナーにより選択されたチャンネルのデジタル信号を復調し、当該放送受信機に設定されている地域符号が受信した緊急警報制御信号に含まれるか否か判定し、含まれる場合、当該放送受信機について設定され、待機時間を規定するCASIDのパターンに基づき所定の待機時間が経過した後緊急警報コンテンツを出力することを特徴とする。
本発明による緊急警報放送システムは、放送局からデジタル放送受信機に、受信対象地域を指定する地域符号情報とデジタル放送受信機に設定されているCASIDパターンとを含む緊急警報制御情報を緊急警報コンテンツと共に順次送信し、デジタル放送受信機を自動的に起動させて緊急警報コンテンツを出力させる緊急警報放送システムであって、
放送局は、異なるCASIDパターンをそれぞれ含む緊急警報制御情報を所定の時間間隔で順次送信し、
デジタル放送受信機は、当該デジタル放送受信機が設置されている地域を表す地域符号情報及び当該放送受信機に設定されているCASIDパターンが、受信した緊急警報制御信号に含まれているか否かを判定し、含まれる場合、少なくとも映像出力手段及び音声出力手段を自動的に起動させ、
前記地域符号情報により指定された特定の地域内のデジタル放送受信機を時間差を以て順次起動させることを特徴とする。
本発明によるデジタル放送受信機は、放送局から送信されてくる緊急警報制御信号を受信した際、スピーカやアラーム等の音響出力手段だけを自動的に起動させているので、地域の放送受信機が一斉に起動しても総消費電力の瞬時的な急増を防止することができる。さらに、本発明では、緊急事態が発生した際、特定地域内の放送受信機を時間差を設けて順次起動させるので、総消費電力の瞬時的な急増を防止することができる。
図1〜図3は、放送事業者による緊急警報放送システム及び当該放送システムに適合したデジタル放送受信機の第1実施例を示している。図1は本願発明に係る放送受信機の構成図であり、図2は放送受信機の起動信号を発生させるフローチャートを示し、図3は放送受信機の動作を説明するためのタイミング線図である。緊急災害が発生した際、放送事業者は災害の状況や対策等を含む緊急警報(EWS)情報を放送電波に乗せて配信する。このEWS情報は、映像コンテンツ、音声コンテンツ及びデータコンテンツを含むと共に、配信の対象となる地域を指定した地域情報とEWS起動フラグを含むEWS制御信号を含んでいる。各家庭に設置されていくデジタル放送受信機は、アンテナ10により放送電波を受信し、チューナー部11に送出する。チューナー部11は受信した放送電波から所望のチャンネルを選択し、選択したチャンネルのデジタル信号は復調複合部12に送出する。復調複合部12は、選択されたデジタルストリームから映像信号、音声信号、データ信号及びEWS制御信号をそれぞれ復調し、映像出力部13、音声出力部14、データ出力部15及び起動制御部16にそれぞれ出力する。尚、チューナー部及び復調複合部の制御は、コントローラ(図示せず)の制御のもとで行われる。
映像出力部13は、映像処理回路、映像出力回路及びディスプレイを含み、映像コンテンツをディスプレイ上に表示する。音声出力部14は、音声処理回路、音声出力回路及びスピーカを含み、音声コンテンツを音響信号として出力する。データ出力部15は、データ処理回路及びデータ出力回路を含み、データコンテンツをディスプレイ上に表示する。
緊急警報起動制御部16は、フィルタ部17及び起動信号発生部18を有する。フィルタ部17は、当該デジタル放送受信機に設定されている地域符号が入力したEWS制御信号中の受信対象地域符号情報に含まれるか否か判定し、含まれる場合判定結果としてフラグ1を起動信号発生部18に出力する。また、地域符号情報に含まれない場合フラグ0を出力する。起動信号発生部18は、フラグ1が入力した場合音声出力部14にだけ起動信号を供給し、音声出力部14だけを自動的に起動させる。従って、音声の緊急警報コンテンツが出力され、視聴者は緊急警報が発生したことを知ることができる。尚、EWS制御信号のEWS用の起動フラグとして、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報の緊急警報放送用フラグを用いることができ、EWS制御信号の受信対象地域符号情報としてPMT(Program Map Table)のarea-code aを利用することができる。
当該デジタル放送受信機は、主電源スイッチ20及びリモコン信号受信部21を有する。主電源スイッチがオンされると、第1の起動制御部22は全ての回路を動作状態に切り換え、当該受信機をオン状態に設定する。また、主電源スイッチをオフに設定すると、全ての回路をオン状態からオフ状態へ切り換え受信機をオフ状態に切り換える。また、リモコン信号受信部21にリモートコントローラからリモコン信号が入力した場合、第2の起動制御部23は、当該受信機がオン状態にある場合、映像出力部、音声出力部及びデータ出力部だけをオフ状態に切り換え他の回路はオン状態に維持するスタンバイ状態に切り換える。一方、受信機がスタンバイ状態にある場合、リモコン信号が入力すると、映像出力部、音声出力部及びデータ出力部をオフ状態からオン状態へ切り換え、受信機自体をオン状態に切り換える。
次に、緊急災害が発生し、放送事業者から緊急警報情報が配信された場合の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。放送受信機はスタンバイ状態に設定されているものとする。放送事業者から配信された緊急警報情報は、アンテナ10により受信されRF信号がチューナー部11に供給される。チューナー部により選択されているチャンネルは当該放送事業者のチャンネルに選局されている。選択されたチャンネルのデジタルストリームが復調複合部12に供給され、緊急警報の映像コンテンツ、音声コンテンツ及びデータコンテンツが再生され、それぞれ出力部に供給される。同時に、複合されたEWS制御信号は、緊急警報起動制御部16のフィルタ部17に供給され、当該受信機に設定されている地域符号が指定されたエリアに含まれるか否か判定され、含まれる場合起動信号発生部18から音声出力部14だけに起動信号が供給され、音声出力部がオフ状態からオン状態に自動的に切り換えられ、緊急警報の音声コンテンツのみが自動的に出力される。この音声コンテンツの発生により、視聴者は災害が発生したことを知ることができる。その後、視聴者はリモコンを操作することにより当該受信機をオン状態に切り換え、これにより緊急警報の映像コンテンツ、音声コンテンツ及びデータコンテンツを視聴し、緊急警報の詳細な内容を知ることができる。このように、本例では、緊急警報情報が受信された際、消費電力の小さい音声出力部だけがオン状態に自動的に切り換えるだけであり、消費電力の大きな映像出力部はオフ状態にあるため、災害と関係する特定の地域の多数のデジタル放送受信機が一斉に緊急警報情報を受信しても、消費電力の瞬時的な急増が防止される。
図4〜図6は本発明による緊急警報放送システム及びデジタル放送受信機の第2の実施例を示している。図4は第2実施例に係るデジタル放送受信機の構成を示し、図5は起動信号を発生させるフローチャートを示し、図6は放送受信機の動作を説明するためのタイミング線図である。尚、図1で用い構成要素と同一の構成要素には同一符号を付してその説明は省略する。本例では、緊急警報起動制御部16の後段に警報音出力部30を設け、起動信号発生部18から出力される起動信号を警報音出力部30だけに供給する。従って、緊急警報情報が受信されると、警報音出力部30だけが自動的にオン状態になり、視聴者は警報音の発生により緊急警報を自動的に知ることができる。本例でも、消費電力の小さい音響出力が発生するだけで視聴者に緊急警報の発動を知らせることができ、消費電力の瞬時的な急増を防止することができる。
図7〜図9は本発明によるデジタル放送受信機の第3実施例を示している。図7は第3の実施例に係る放送受信機の構成を示し、図8は起動制御のフローチャートを示している。図9は放送受信機の動作を説明するためのタイミンクチャートである。本例では、CASID(Conditional Access ID)パターンを利用して各受信機毎に起動タイミングをずらして起動させて消費電力の瞬時的な急増を防止する。尚、図1で用いた構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。放送事業者は、映像、音声及びデータのEWSコンテンツ並びにEWS制御信号を送信する。EWS制御信号は、起動フラグ及び受信対象地域符号情報を含み、起動フラグとしてTMCC情報の緊急警報放送用フラグを用い、受信対象地域符号情報としてPMTのarea-code a利用することができる。緊急警報起動制御部16は、当該放送受信機に設定されているCASID情報を有し、このCASID情報としてB-CAS番号を利用する。本例のCASIDパターンは、EWS制御信号を受信した後映像及び音声出力装置を起動させるまでの待機時間を規定する。すなわち、緊急警報放送が受信される地域を複数の区域に分割し、分割された各区域毎に待機時間を規定するCASIDパターンを割り当てる。起動信号発生部18は、CASIDパターンから待機時間を求め、パターンにより規定された待機時間経過後に各出力装置をオンに切り換えて緊急警報コンテンツを出力する。
EWSコンテンツは復調及び複合化されて各出力装置にそれぞれ供給される。同時に、復調されたEWS制御信号は、緊急警報起動制御部16に供給され、EWS用起動フラグの有無が判定され、含まれる地域符号を用いて当該受信機が指定された地域に含まれるか否か判定する。さらに、当該受信機が指定された地域に含まれる場合、起動フラグを起動信号発生部18に供給し、起動信号発生部は設定されているCASIDパターンに規定される待機時間を経過した後映像出力部、音声出力部及びデータ出力部に起動信号をそれぞれ供給する。これらの出力装置はオンに切り換えられ、各緊急警報コンテンツを出力する。ここで、CASID情報のパターンとして、例えばパターン1は0秒後に起動フラグを送出し、パターン2は1秒後にフラグを送出し、パターン3は2秒後に起動フラグを送出するように時間差を設定することができる。このように、起動フラグの送出タイミングをずらすことにより、消費電力の瞬時的な急増を回避することができる。
図10〜図12は、本発明による放送受信機の第4の実施例を示し、図10は放送受信機の構成を線図、図11は起動制御のフローチャートを示し、図12はタイミンクチャートである。本例では、緊急警報を配信する放送事業者側においてCASIDを利用して各受信機毎に起動タイミングをずらして起動させ、消費電力の瞬時的な急増を防止する。放送事業者は、各地域を複数の区域に区分し、区分された区域の放送受信機毎に起動タイミングをずらして放送受信機の出力装置を起動させ、又は各放送受信機毎に起動タイミンクをずらして起動させる。尚、図1で用いた構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して説明する。放送事業者は、映像、音声及びデータのEWSコンテンツを送信すると共に、EWS制御信号を順次送信する。本例のEWS制御信号は、受信対象地域を指定する地域情報及びEWS起動フラグを含むと共にCASID情報を含む。起動フラグとしてTMCC情報の緊急警報放送用フラグを用い、受信対象地域符号情報としてPMTのarea-code a利用する。また、CASIDとしてB-CAS番号を用いる。本例のCASID情報は、異なるパターンを時間的にずらして送信する。すなわち、例えば図12に示すように、最初にパターン1がCASID情報として送信され、所定時間経過後に別のパターン2を送信する。そして、各地域の放送受信機に対してCASID情報のパターンを各区域毎に規定しておく。
EWSコンテンツは復調及び複合化されて各出力装置にそれぞれ供給される。同時に、復調されたEWS制御信号は、緊急警報起動制御部16のフィルタ部40に供給される。緊急警報起動制御部は、初めにEWS用起動フラグの有無を判定し、次に含まれる地域符号を用いて当該受信機が指定された緊急警報の対象となる地域に含まれるか否か判定する。次に、CASID情報のパターンを再生して当該放送受信機に割り当てられているCASIDと比較する。図12に示すように、地域Aの放送受信機にパターン1及びパターン2が割り当てられ、EWS制御信号のCASID情報が最初パターン1を含み所定時間経過後パターン2を含むものとする。この場合、地域Aのパターン1が割り当てられている放送受信機は、EWS起動信号発生部に起動フラグを1として送出する。EWS起動信号発生部は映像出力部、音声出力部及びデータ出力部に起動信号を送出して各出力装置を起動させる。この際、パターン2が設定されている放送受信機は起動信号を発生しない。次に、所定時間経過後緊急警報制御信号は、パターン2のCASID情報を送信する。パターン2が設定されている放送受信機は、当該受信機に設定されているCASID情報に含まれるパターンと受信した緊急警報制御信号に含まれるCASID情報のパターンとを比較する。この場合、受信したパターンと当該受信機に設定されているパターンとが一致するため、EWS起動信号発生部18に起動フラグ1を送出する。そして、EWS起動制御部から各出力装置に起動信号が供給され、時間的にずれてオン状態に切り換えられ、緊急警報コンテンツが各出力装置から発生する。尚、パターン1が設定されている放送受信機は、対象外のCASID情報を受信しても、そのままEWS起動フラグを1として出力する。ここで、CASID情報のパターンとして、例えばパターン1は0秒後に起動フラグを送出し、パターン2は1秒後にフラグを送出し、パターン3は2秒後に起動フラグを送出するように設定することができる。このように、起動フラグの送出タイミングに区域毎に又は放送受信機毎に時間差を設けることにより、消費電力の瞬時的な急増を回避することができる。
次に、緊急警報放送が送信され後の地域の総消費電力の変化について説明する。図13は、従来の緊急警報放送システムにおける緊急警報放送が送信された直後の地域内の総消費電力の変化を示すグラフである。緊急警報が放送され、放送受信機が一斉に起動するため、起動直後に総消費電力が瞬時的に急増する。これに対して、図14は、第1の実施例の緊急警報放送システムの総消費電力の変化を示す。図14に示すように、緊急警報が放送された直後は音声出力装置だけが起動するため、瞬時的な電力急増が大幅に低下する。また、図15は緊急警報放送システムの第2の実施例における総消費電力の変化を示し、警報音だけを出力する場合、瞬時的な総消費電力は一層低下している。さらに、図16は緊急警報放送システムの第3実施例における総消費電力変化を示し、各放送受信機を時間差を設けて自動的に起動させると、瞬時的な消費電力の急増が解消され、時間と共にゆるやかに消費電力が上昇する。
本発明による緊急警報放送システム及びデジタル放送受信機の第1実施例を示す線図である。 図1に示す放送受信機における緊急警報放送の受信動作を説明するフローチャートである。 図1に示す放送受信機の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明による緊急警報放送システム及びデジタル放送受信機の第2実施例を示す線図である。 第2実施例受信動作を説明するフローチャートである。 第2実施例の受信動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明による緊急警報放送システム及びデジタル放送受信機の第3実施例を示す線図である。 第3実施例の受信動作を説明するフローチャートである。 第3実施例の受信動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明による緊急警報放送システム及びデジタル放送受信機の第4実施例を示す線図である。 第4実施例の受信動作を説明するフローチャートである。 第4実施例の受信動作を説明するためのタイミングチャートである。 従来の緊急警報放送システムの総消費電力の変化を示すグラフである。 第1実施例の緊急警報放送システムの総消費電力の変化を示すグラフである。 第2実施例の総消費電力の変化を示すグラフである。 第3実施例の総消費電力の変化を示すグラフである。
符号の説明
10 アンテナ
11 チューナー部
12 復調複合部
13 映像出力部
14 音声出力部
15 データ出力部
16 緊急警報起動制御部
17,40 フィルタ部
18 起動信号発生部
20 主電源スイッチ
21 リモコン信号受信部
22 第1の起動制御部
23 第2の起動制御部
30 警報音出力部

Claims (2)

  1. 放送局からデジタル放送受信機に、受信対象地域を指定する地域符号情報とデジタル放送受信機に設定されているCASIDパターンとを含む緊急警報制御情報を緊急警報コンテンツと共に順次送信し、デジタル放送受信機を自動的に起動させて緊急警報コンテンツを出力させる緊急警報放送システムであって、
    放送局は、異なるCASIDパターンをそれぞれ含む緊急警報制御情報を所定の時間間隔で順次送信し、
    デジタル放送受信機は、当該デジタル放送受信機が設置されている地域を表す地域符号情報及び当該放送受信機に設定されているCASIDパターンが、受信した緊急警報制御信号に含まれているか否かを判定し、含まれる場合、少なくとも映像出力手段及び音声出力手段を自動的に起動させ、
    前記地域符号情報により指定された特定の地域内のデジタル放送受信機を時間差を以て順次起動させることを特徴とする緊急警報放送システム。
  2. 請求項1に記載の緊急警報放送システムに用いられるデジタル放送受信機であって、
    放送電波を受信する受信手段と、
    受信した放送電波から所望のチャンネルを選択するチューナーと、
    選択されたチャンネルのデジタル信号を復調し、映像信号、音声信号、データ信号及び緊急警報制御信号をそれぞれ出力する復調複合手段と、
    映像コンテンツを出力する映像出力手段と、
    音声コンテンツを出力する音声出力手段と、
    データコンテンツを出力するデータ出力手段と、
    放送局側から順次送信されてくる緊急警報制御信号を受け取り、少なくとも映像出力手段及び音声出力手段を起動させる緊急警報起動信号を発生する起動制御手段とを具え、
    前記起動制御手段は、当該デジタル放送受信機が設置されている地域を表す地域符号情報及び当該デジタル放送受信機に設定されているCASIDパターンと、受信した緊急警報制御信号に含まれる地域符号情報及びCASIDパターンとを比較し、これらが一致した場合前記緊急警報起動信号を発生することを特徴とするデジタル放送受信機。
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