次に、この発明の各実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
(実施の形態1)
この実施の形態による情報提供表示システムを図1に示す。この情報提供表示システムは、情報提供システム1と、通信網NWを経て情報提供システム1に接続されている情報表示システム2とを備えている。さらに、情報提供表示システムは、放送局等の既存システム100に接続されている。
既存システム100は、例えばケーブルテレビの放送局のような画像配信サービスを行う所に設置されている。既存システム100は、外部機器101を介在して、例えば各家庭に対して、放送用のデジタル伝送信号を送信する。このデジタル伝送信号には画像信号や音声信号が含まれている。なお、以下では、一般の家庭に情報提供表示システムが適用されている場合を例として説明する。既存システム100の外部機器101は、家庭側に設置されている。そして、外部機器101は、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface:高精細度マルチメディアインターフェース)のデジタル伝送信号(以下、「HDMI(登録商標)信号」と記す)を家庭側の情報表示システム2に送ることにより、放送局が提供するテレビ番組等を家庭のデジタルテレビで視聴可能にする。
情報提供システム1は、情報を管理して提供するための情報提供側に設置されている。つまり、情報提供システム1は、利用者に対して情報提供のサービスを行う側に設置されている。情報提供システム1は、情報提供装置11と管理端末12とを備えている。
情報提供システム1の管理端末12は、情報提供側の担当者によって操作されるコンピュータである。担当者によって入力される指示等には、例えば情報提供システム1が収集する情報の発信元を指定するものや、収集した情報の送信先を指定するものがある。管理端末12は、担当者により入力された発信元や情報の種類を、例えば図2に示すような発信元リストに登録する。発信元リストには、情報の発信元や、情報の種類、対象となる市町村の市町村コードが記録されている。
また、管理端末12は、担当者により入力された、情報の送信先を、例えば図3に示すような送信先リストに登録する。この送信先リストには、情報提供のサービスの利用者である送信先を識別するための識別情報、利用者の氏名、利用者の住所、利用者のアドレスなどが記録されている。管理端末12は、更新した発信元リストや送信先リストを情報提供装置11に送る。
情報提供装置11は、情報の発信元を記録した発信元リストや送信先を記録した送信先リストを、管理端末12から受け取って記憶している。
情報提供装置11は、通信網NWなどを経て、発信元リストに登録されている発信元から各種の情報を収集する。情報提供装置11が収集する情報には、例えばLアラート(災害情報共有システム)が提供する豪雨などの自然災害を表す情報や、Jアラート(全国瞬時警報システム)が提供する人工衛星の落下を知らせる情報のような広い地区に関する情報がある。また、情報提供装置11が収集する情報には、各自治体が提供する防犯情報や、火災情報などのような狭い地区に関する情報がある。情報提供装置11は、こうして収集した各種の情報を提供情報とする。この後、即座に、情報提供装置11は、発信元リストを参照し、提供情報に対して発信元、情報の種類、市町村コードなどの特性を付加情報とし、この付加情報を提供情報に付加する。市町村コードは各自治体を識別するための識別情報である。この後、情報提供装置11は、送信先リストを参照し、提供情報を通信網NWを経て送信する。
情報表示システム2は、情報提供システム1から情報を受け取る利用者側、この実施の形態では公共・商用施設等に設置されている。なお、この実施の形態では、利用者は公共・商用施設等に設置されている情報表示システム2の管理者である。情報表示システム2は、画像混合装置21と、受信機22、23と、センサ24とで構成されている。さらに、情報表示システム2が設けられている公共・商用施設等の設置場所(以下、「機器設置場所」という)には既存システム100の外部機器101が設置されている。外部機器101は、先に述べたように、既存システム100からデジタル伝送信号を受信すると、HDMI(登録商標)ケーブルによりHDMI(登録商標)信号を機器設置場所の受信機23と画像混合装置21とに送る。
受信機23は、外部機器101を経て既存システム100から提供されるテレビ番組を視聴するためのデジタルテレビである。つまり、受信機23は、外部機器101からのHDMI(登録商標)信号を入力として、通常のテレビ番組の画像や音を出力する。このために、受信機23は、HDMI(登録商標)ケーブルで外部機器101と接続されている。
受信機22は、受信機23と同じデジタルテレビである。さらに、この実施の形態では、受信機22は情報提供システム1からの情報を表示するための表示装置でもある。このために、受信機22は、HDMI(登録商標)ケーブルで画像混合装置21と接続されている。また、受信機22にはセンサ24が取り付けられている。
センサ24は、受信機22を視聴している公共・商用施設等の訪問者、つまり視聴者からの音声を検出して音声検出信号を画像混合装置21に出力する。つまり、センサ24は、受信機22の周辺の音声を電気信号に変換する装置である。
画像混合装置21は、外部機器101とHDMI(登録商標)ケーブルで接続されている。また、画像混合装置21は、通信網NWとデータの受け渡しが可能である。さらに、画像混合装置21は、受信機22とHDMI(登録商標)ケーブルで接続されている。つまり、画像混合装置21は受信機22と一対で用いられる。こうした画像混合装置21の一例を図4に示す。この画像混合装置21は、受信部21a、送信部21b、通信部21c、GPS受信部21d、入力部21e、画像合成部21f、処理部21gおよび記憶部21hを備えている。
受信部21aは、外部機器101からHDMI(登録商標)信号を受信する。受信部21aは、受信したHDMI(登録商標)信号を、処理部21gの制御によって送信部21bまたは画像合成部21fに出力する。送信部21bは、受信部21aまたは画像合成部21fから、HDMI(登録商標)信号を受け取ると、この信号を受信機22に送信する。
通信部21cは、通信網NWとのデータの送受信を可能にする。この実施の形態では、通信部21cは、情報提供システム1の情報提供装置11から提供情報を受信すると、提供情報に付加されている付加情報と共に情報受信通知を処理部21gに送る。この後、通信部21cは、処理部21gの制御によって、受け取った提供情報を画像合成部21fに送る。
また、図示を省略しているが、通信部21cは、機器設置場所で利用者が操作するパーソナルコンピュータとデータの送受信を可能にする。
GPS受信部21dは、GPS(Global Positioning System)衛星200からの位置情報を受信する。この位置情報は経度と緯度とによって表される。GPS受信部21dは、受信した位置情報を処理部21gに送る。
入力部21eは、各種の信号を受け取るためのインターフェースである。入力部21eは、センサ24から音声検出信号を受け取る。入力部21eは、受け取った音声検出信号をデータ化してデジタルの音声検出信号に変換する。この後、入力部21eは、変換した音声検出信号を処理部21gに送る。
画像合成部21fは、受信部21aを経て外部機器101からHDMI(登録商標)信号を受け取る。同時に、画像合成部21fは、通信部21cを経て情報提供システム1の情報提供装置11から提供情報を受け取り、さらに処理部21gから合成画像表示の指示を受け取ると、HDMI(登録商標)信号に含まれる画像信号と提供情報とを混合するための画像合成処理を行う。また、画像合成部21fは、受け取った提供情報を一時的に記憶しておく。
具体的には、画像合成部21fは、受信部21aからHDMI(登録商標)信号を受け取ると、このHDMI(登録商標)信号を復号化して音声信号と画像信号とを生成する。この後、画像合成部21fは、生成した画像信号と、通信部21cから受け取った提供情報とを混合する。例えば、図5に示すように、受信機22の画面22Aに通常画像A1を表示している場合、画像合成部21fは、図6に示すように通常画像A1を所定の比率で縮小した縮小画像A11を生成する。これにより、画像合成部21fは、画面22Aに対して、L字型の余白部分B11を生成する。この後、画像合成部21fは、このL字型の余白部分B11に対して、図7に示すように、提供情報C1を混合して両方を表示する合成画像を生成する。つまり、画像合成部21fは、画像合成処理により、テレビ番組の縮小画像を表示し、かつ、L字型画像による提供情報を表示するための画像信号を生成する。
次に、画像合成部21fは、画像合成処理で生成した画像信号と先に生成した音声信号とを符号化してHDMI(登録商標)信号を生成し、このHDMI(登録商標)信号を送信部21bに送る。画像合成部21fは、画像合成処理を基にした画像信号の生成とHDMI(登録商標)信号の生成とを、提供情報が終わるまで行う。この後、画像合成部21fは、合成画像用のHDMI(登録商標)信号の送出終了を処理部21gに通知する。
この後、画像合成部21fは、処理部21gから再表示指示を受け取ると、一時的に記憶している提供情報を利用して、再度、L字型画像による合成画像を表示するための画像合成処理を行う。これにより、画像合成部21fは、提供情報を、再度、L字型画像で表示するためのHDMI(登録商標)信号を生成し、このHDMI(登録商標)信号を送信部21bに送る。
画像混合装置21の記憶部21hは、各種のデータを記憶する記憶装置である。
処理部21gは、画像混合装置21に関する各種の処理を行う。処理部21gは、GPS受信部21dから位置情報を受け取ると、この位置情報が示す経度と緯度から、GPS受信部21dの位置、つまり機器設置場所の所在地を求める。この場合、処理部21gは、例えば通信部21cと通信網NWとを経由して、インターネットから経度と緯度とに対応する機器設置場所の所在地、この実施の形態では市町村コードを調べる。処理部21gは、GPS受信部21dにより調べた市町村コードを記憶部21hに記憶する。この後、処理部21gは定期的にGPS受信部21dを用いて市町村コードを調べ、このコードが変更されていると、記憶部21hに記憶している市町村コードを更新する。
処理部21gは、通信部21cを経て、利用者のパーソナルコンピュータから情報の種類を指定する指示を受けると、あらかじめ記憶部21hに記憶してある、例えば図8に示す受信リストを読み出す。そして、処理部21gは、パーソナルコンピュータから入力された情報の種類により、受信リストを更新する。また、処理部21gは、通信部21cを経て、利用者のパーソナルコンピュータから受け取った閾値であり、情報を選別するための閾値を受け取ると、記憶部21hに記憶してある受信リストを読み出す。そして、処理部21gは、パーソナルコンピュータから受け取った閾値で受信リストを更新する。つまり、受信リストはパーソナルコンピュータにより変更が可能な状態にある。
処理部21gは、受信部21aが外部機器101からHDMI(登録商標)信号を受信した場合に、通信部21cが通信網NWを経て情報提供装置11から提供情報を受信していないとき、受信部21aを制御して、受信部21aが受信したHDMI(登録商標)信号を送信部21bにそのまま送る。
この状態で、処理部21gは、通信部21cから情報受信通知を受け取ると、通信網NWから通信部21cが受信した提供情報の特性について、この情報に付加されている付加情報により調べる。この後、処理部21gは、記憶部21hに記憶してある市町村コードと、付加情報の市町村コードとを照合する。処理部21gは、照合により2つのコードが一致すると、記憶部21hに記憶してある受信リストの情報の種類と、付加情報の中の情報の種類とを照合する。処理部21gは、照合により2つの種類が一致すると、受信リストの閾値と、提供情報に含まれる数値、例えば地震の震度や、津波の高さなどを比較する。提供情報に含まれる数値が閾値より大きいときに、処理部21gは、受信部21aに対して、HDMI(登録商標)信号を画像合成部21fに送るように制御する。同時に、処理部21gは、通信部21cに対して、受信した提供情報を画像合成部21fに送るように制御すると共に、画像合成部21fに対して合成画像表示の指示を送る。
この後、処理部21gは、画像合成部21fから合成画像用のHDMI(登録商標)信号の送出終了の通知を受け取ると、受信部21aに対して、受信したHDMI(登録商標)信号を送信部21bに出力するように制御する。
処理部21gは、合成画像表示の指示を画像合成部21fに送った後、センサ24から音声検出信号を受け取ると、この音声検出信号が表す音声のレベルと、音声の継続時間を調べる。そして、音声のレベルが所定レベルより大きく、かつ、音声の継続時間が設定時間より短いと、つまり、視聴者が驚きなどの声、例えば「エー」、「どうした」、「なに」、「あら」といったような声を出すと、処理部21gは、提供情報を再度表示するための再表示指示を画像合成部21fに送る。
以上が情報提供表示システムの構成である。次に、情報提供表示システムの作用について説明する。情報を管理して提供するための情報提供システム1側では、情報提供装置11が発信元リストにより各種の情報を収集する。この後、情報提供装置11は、情報提供のサービスを利用する利用者、つまり発信先リストに登録されている利用者に対して、収集した情報を提供情報として送信する。このとき、情報提供装置11は、提供情報の特性として、発信元、情報の種類、市町村コードを提供情報に付加して送信する。
情報提供のサービスを利用する利用者側に設置されている情報表示システム2は、既存システム100からテレビ番組等のデジタル伝送信号を、外部機器101によりHDMI(登録商標)信号にして、画像混合装置21と受信機23とに送る。画像混合装置21は、通信網NWを経て情報提供システム1から提供情報を受信していなければ、HDMI(登録商標)信号をそのまま受信機22に送る。これにより、受信機22は、HDMI(登録商標)信号によるテレビ番組などを表示する。また、受信機23は、外部機器101から、直接、HDMI(登録商標)信号を受信するので、テレビ番組等の通常の画面を表示する。
受信機22や受信機23がテレビ番組等を表示しているときに、画像混合装置21が情報提供システム1から提供情報を受信すると、画像混合装置21は、HDMI(登録商標)信号を復号化して、画像信号と音声信号とを生成する。この後、画像混合装置21は、画像合成処理を行い、L字型画像による提供情報の表示と、縮小画面によるテレビ番組の表示とを行うための画像信号を生成する。そして、画像混合装置21は、画像合成処理で生成した画像信号と音声信号とを符号化し、HDMI(登録商標)信号に変換する。画像混合装置21は、こうして生成したHDMI(登録商標)信号を受信機22に送る。
受信機22は、画像混合装置21からHDMI(登録商標)信号を受信すると、このHDMI(登録商標)信号により、L字型画像による提供情報の表示と、縮小画面によるテレビ番組の表示とを行う。そして、提供情報の表示を終了すると、受信機22は通常の画面を表示する。
ところで、受信機22に表示された提供情報を見ていた視聴者が驚きの声等を出すと、画像混合装置21は、センサ24からの音声検出信号により、この驚きの声を検出する。この後、画像混合装置21は、再度、L字型画像による提供情報の表示と、縮小画面によるテレビ番組の表示とを行うための、HDMI(登録商標)のデジタル伝送信号を生成する。そして、画像混合装置21は、このデジタル伝送信号を受信機22に送る。これにより、受信機22は、L字型画像による提供情報の表示と、縮小画面によるテレビ番組の表示とを再度行う。
以上のように、この実施の形態では、家庭のテレビ番組等を表示する受信機22を利用して、提供情報を表示する場合について説明した。しかし、この発明は、これに限定されることはない。例えば、パーソナルコンピュータに接続されているプロジェクターがスクリーンに画像を表示するような場合でも、パーソナルコンピュータとプロジェクターとの間に、この実施の形態による画像混合装置21を接続すれば、例えば緊急時の情報がL字型画像によりスクリーンに表示される。この他にも、この発明は、デジタルサイネージや映画館など各種の分野に適用可能である。
以上のように、この実施の形態によれば、次の効果を達成することができる。つまり、自治体が発信する避難指示等の災害関連情報等を多様なメディアに一括かつ迅速に発信する「Lアラート」の全国普及に総務省が現在、取り組んでいる。この実施の形態により、既存の「全てのディスプレイ」にJアラート、Lアラート、MICS、緊急災害情報などを表示可能にする。また、この実施の形態によれば、受信機ごとに画像混合装置21を接続し、データ収集、情報を選択した表示が可能となり、既存システムのサーバを経由しないで情報を表示することが出来る。
また、この実施の形態によれば、秘密の管理のための電子計算機の安全性及び信頼性の確保を踏まえて、基幹システムのサーバとの接続を必要としないシステムとすることが出来る。そして、従来の画像情報を生成するシステムに他のシステムを接続して画像情報を混合する方式と比較すると、この実施の形態では情報セキュリティを担保することができることが優位点となる。
また、この実施の形態によれば、表示データを圧縮し、表示内容の画角を調整し、データ放送として収集した情報を表示できる点、また、受信機の用途や設置場所に則したデータ収集と選択との追加、削除がリアルタイムで、かつ容易に可能となる点も既存システムと大きく異なる点です。
さらに、この実施の形態によれば、受信機22の視聴者が提供情報を見て、例えば驚きの声を出すと、再度、受信機22に通常画像と提供情報の混合画像を表示することが出来るので、災害情報等の提供情報を確実に視聴者に伝えることができる。
(実施の形態2)
この実施の形態では、情報提供システム1が提供情報を次のようにして生成している。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。実施の形態1では、情報提供システム1の情報提供装置11は、発信元リストを基にして収集した各種の情報を、送信先リストに登録されている利用者にそのまま送信していた。これに対して、この実施の形態では、各利用者に送信する情報を、情報提供システム1側であらかじめ選別している。このために、情報提供システム1は次のようにしている。
情報提供システム1の管理端末12は、担当者により入力された地域であって情報の対象となる地域を、図9に示すように、市町村コードとして送信情報リストに登録する。つまり、この送信情報リストには情報を必要とする地域のコードが記録されている。この地域は、機器設置場所から離れていてもよく、任意の地域を管理端末12で登録することが可能である。管理端末12は、こうして更新した送信情報リストを情報提供装置11に送る。
情報提供装置11は、情報の発信元や送信先を記録した発信元リストや送信先リストを、管理端末12から受け取って記憶している。さらに、この実施の形態では、情報提供装置11は、情報の対象となる地域を記録した送信情報リストを、管理端末12から受け取って記憶している。
情報提供装置11は、通信網NWなどを経て、発信元リストに登録されている発信元から各種の情報を収集する。情報提供装置11は、収集した各種の情報を提供情報とする。次に、情報提供装置11は、発信元リストを参照し、発信元、情報の種類、市町村コードのような提供情報の特性を付加情報とし、この付加情報を提供情報に付加する。この後、情報提供装置11は、送信先リストを参照し、利用者に送信する提供情報の中から、送信情報リストを参照して情報を選別する。そして、情報提供装置11は、選別した提供情報を通信網NWを経て該当する利用者に送信する。
こうして、この実施の形態によれば、提供情報の送り先を情報提供システム1側で送信情報リストを基に選別する。情報表示システム2は提供情報を受信した後で受信リストを基に提供情報を選別する際に、情報提供システム1から送られてくる情報量が少なくなっているので、選別するための情報表示システム2の負担を軽減することができる。
なお、実施の形態1では提供情報を情報表示システム2側で選別し、実施の形態2では提供情報を情報提供システム1側と情報表示システム2側の両方で選別した。しかし、この発明は、これに限定されることはない。例えば、提供情報を情報提供システム1側で全て選別するようにしてもよい。
(実施の形態3)
この実施の形態では、実施の形態1による情報提供表示システムの中で、情報表示システム2を図10に示すような構成にしている。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では、受信機22に表示されたL字型画像を利用者や視聴者により消去可能にしている。このために、情報表示システム2は、画像混合装置21に対して着脱自在なスイッチ25を備えている。スイッチ25は、例えば、画像混合装置21に接続されている受信機22の近くに置かれて使用される。
スイッチ25は、受信機22を視聴している利用者や視聴者に操作される押しボタン式のスイッチである。スイッチ25は、ボタンの押し下げにより操作信号を画像混合装置21に出力する。
画像混合装置21は、基本的に実施の形態1と同様の構成である。この実施の形態による画像混合装置21では、図11に示すように、入力部21eに対してスイッチ25が接続可能である。
入力部21eは、実施の形態1と同様に、センサ24からの音声検出信号を受け取る。また、入力部21eは、利用者によりスイッチ25が接続されると、接続信号を処理部21gに送る。同時に、入力部21eは、センサ24からの音声検出信号の受け取りを止める。この後、入力部21eは、スイッチ25からの操作信号を受け取ると、この操作信号をデータ化してデジタルの操作信号に変換し、変換した操作信号を処理部21gに送る。
画像混合装置21の画像合成部21fは、受信部21aを経て外部機器101からHDMI(登録商標)信号を受け取る。同時に、画像合成部21fは、通信部21cを経て情報提供システム1の情報提供装置11から提供情報を受け取り、さらに処理部21gから合成画像表示の指示を受け取ると、HDMI(登録商標)信号に含まれる画像信号と提供情報とを合成するための画像合成処理を行う。同時に、画像合成部21fは、情報提供装置11から受け取った提供情報を一時的に記憶しておく。
具体的には、画像合成部21fは、受信部21aからHDMI(登録商標)信号を受け取ると、実施の形態1と同様に、所定の比率で縮小したテレビ番組等の縮小画像を表示し、かつ、L字型画像に提供情報を表示するための画像信号を、画像合成処理で生成する。画像合成部21fは、画像合成処理を基にした画像信号の生成を、一時的に記憶してある提供情報を用いて所定時間、例えば10分程度の間だけ行う。つまり、画像合成部21fは、10分間程度、L字型画像で繰り返して提供情報を表示するようにしている。
次に、画像合成部21fは、画像合成処理で生成した画像信号と、先に生成した音声信号とを符号化してHDMI(登録商標)信号を生成し、生成したHDMI(登録商標)信号を送信部21bに送る。そして、所定時間が経過すると、画像合成部21fは、合成画像用のデジタル伝送信号の送出終了を処理部21gに通知する。
また、画像合成部21fは、画像合成処理を基にした画像信号の生成とHDMI(登録商標)信号の生成とを行っている間に、処理部21gから画像合成中止の指示を受け取ると、画像合成処理を基にした画像信号の生成とHDMI(登録商標)信号の生成とを中止する。この後、画像合成部21fは、合成画像用のHDMI(登録商標)信号の送出終了を処理部21gに通知する。
処理部21gは、実施の形態1の処理に加えて次の処理を行う。つまり、入力部21eから接続信号を受け取った後、外部機器101から受信部21aがHDMI(登録商標)信号を受信した場合に、通信部21cが通信網NWを経て情報提供装置11から提供情報を受信していないとき、処理部21gは、受信部21aが受信したHDMI(登録商標)信号を送信部21bにそのまま送る。これは実施の形態1と同様である。
この状態で、処理部21gは、通信部21cから情報受信通知を受け取ると、通信部21cが受信した提供情報について、この情報に付加されている付加情報を調べる。次に、処理部21gは、記憶部21hに記憶してある市町村コードと、付加情報の市町村コードとを照合する。処理部21gは、照合により2つのコードが一致すると、記憶部21hに記憶してある受信リストの情報の種類と、付加情報の中の情報の種類とを照合する。処理部21gは、照合により2つの情報が一致すると、受信リストの閾値と、提供情報に含まれる数値、例えば地震の震度や、津波の高さなどを比較し、提供情報に含まれる数値が閾値より大きいときに、処理部21gは、受信部21aに対して、HDMI(登録商標)信号を画像合成部21fに送るように制御する。同時に、処理部21gは、画像合成部21fに対して、通信部21cが受信した提供情報を送るように制御すると共に、合成画像表示の指示を送る。
処理部21gは、合成画像表示の指示を画像合成部21fに送った後、スイッチ25から操作信号を受け取ると、または、画像合成部21fから合成画像用のHDMI(登録商標)信号の送出終了の通知を受け取ると、受信部21aが出力するHDMI(登録商標)信号を送信部21bに出力するように制御する。同時に、処理部21gは、画像合成中止の指示を画像合成部21fに送る。
以上が情報提供表示システムの構成である。次に、情報提供表示システムの作用について説明する。情報表示システム2の受信機22が通常画像を表示するための動作は実施の形態1と同じである。
ところで、利用者が画像混合装置21にスイッチ25を接続すると、画像混合装置21は、センサ24からの音声検出信号の受け取りを止めて、スイッチ25からの操作信号を受け取る状態になる。
こうした状態で受信機22が通常画面を表示しているときに、画像混合装置21が情報提供システム1から提供情報を受信すると、画像混合装置21は、HDMI(登録商標)信号を復号化して、画像信号と音声信号とを生成する。この後、画像混合装置21は、画像合成処理を行い、L字型画像による提供情報の表示と、縮小画面によるテレビ番組の表示とを行うための画像信号を生成する。画像混合装置21は、画像合成処理を基にした画像信号の生成を、一時的に記憶してある提供情報を用いて所定時間だけ繰り返して行う。そして、画像合成部21fは、画像合成処理で生成した画像信号と音声信号とを符号化してHDMI(登録商標)信号に変換する。
画像混合装置21は、こうして生成したHDMI(登録商標)信号を、所定時間の間、受信機22に送る。この間に、利用者や視聴者がスイッチ25を操作すると、画像混合装置21では、処理部21gが画像合成中止の指示を画像合成部21fに送る。画像合成部21fは、画像合成中止の指示を受け取ると、画像合成処理を中止する。この後、画像合成部21fは、合成画像用のHDMI(登録商標)信号の送出終了を処理部21gに通知する。これにより、受信機22には、通常のテレビ番組の画像が映し出される。
こうして、この実施の形態によれば、L字型画像による提供情報が受信機22に表示されている間に、利用者や視聴者がスイッチ25を操作すると、L字型画像による提供情報の表示が終了する。つまり、利用者や視聴者がスイッチ25を操作するまで、L字型画像による提供情報の表示を受信機22が継続するので、利用者や視聴者に対して提供情報を確実に伝えることを可能にする。
(実施の形態4)
この実施の形態による情報提供表示システムを図12に示す。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。また、図12では、図面が複雑になることを避けるために、センサ24とその接続の図示を省略している。この実施の形態による情報提供表示システムは、画像混合装置21〜センサ24に加えて、給電装置26を備えている。また、この情報提供表示システムでは、受信機23は商用電源から電気の供給を受けて動作する。以下では、この実施の形態による情報提供表示システムの構成と作用とを併せて説明する。
給電装置26は、商用電源から電気の供給を受けると、この商用電源を電源として画像混合装置21及び受信機22に供給する。同時に、給電装置26は、内部に蓄電装置(図示を省略)を備えて、商用電源からの交流を直流に変換して蓄電する。さらに、給電装置26は、供給される商用電源を監視する。給電装置26は、商用電源の断を検出すると、商用電源の断を示す電源断検出信号を画像混合装置21に送る。同時に、給電装置26は、商用電源の断のときに、画像混合装置21に電気を供給することはもちろん、蓄電装置に蓄えた直流を交流に変換し、この交流の電源を予備電源として商用電源の代わりに受信機22に供給する。
画像混合装置21は、基本的に実施の形態1と同様の構成である。この実施の形態による画像混合装置21では、図13に示すように、入力部21eに対して給電装置26が接続されている。この実施の形態では、受信部21aと処理部21gと画像合成部21fとが次の処理をする。
入力部21eには、実施の形態1で述べたように、センサ24が接続されている。さらに、この実施の形態では、入力部21eには、給電装置26が接続されている。入力部21eは、給電装置26から電源断検出信号を受け取ると、この電源断検出信号を処理部21gに送る。
受信部21aは、実施の形態1で述べた処理に加えて、次の処理を行う。受信部21aは、外部機器101からのHDMI(登録商標)信号つまりデジタル伝送信号に含まれる画像信号の有無を検出している。そして、この画像信号が断になると、この信号の断を示す画像断検出信号を処理部21gに送る。
処理部21gは、実施の形態1で述べた各種の処理に加えて、電源が断になったときの処理と、画像信号が断になったときの処理とを行う。
処理部21gは、入力部21eから電源断検出信号を受け取った場合に、あらかじめ記憶部21hに記憶してある代替の画像を表示するための画像信号(以下、「第1の代替画像信号」という)を読み出す。第1の代替画像としては、例えば「現在、停電中です」というようなメッセージを表す画像、公共・商用施設等に設置されている情報表示システム2から避難所までの避難経路を表す画像、両方の画像などがある。処理部21gは、読み出した第1の代替画像信号と共に、第1の代替画像の表示を指示する電源断時指示を画像合成部21fに送る。
また、処理部21gは、入力部21eから画像断検出信号を受け取った場合に、あらかじめ記憶部21hに記憶してある代替の画像を表示するための画像信号(以下、「第2の代替画像信号」という)を読み出す。第2の代替画像としては、例えば「現在、TV放送を受信できません」というようなメッセージを表す画像、公共・商用施設等に設置されている情報表示システム2から避難所までの避難経路を表す画像、これら両方の画像などがある。処理部21gは、読み出した第2の代替画像信号と共に、第2の代替画像の表示を指示する放送断時指示を画像合成部21fに送る。
画像合成部21fは、外部機器101からのHDMI(登録商標)信号、または、画像合成処理で生成したHDMI(登録商標)信号を送信部21bを経て受信機22に送っている場合に、電源断時指示または放送断時指示を受け取ると、指示と共に送られてきた第1の代替画像信号または第2の代替画像信号を、受信部21aからの画像信号の代わりとして用いる。つまり、画像合成部21fは、第1の代替画像信号または第2の代替画像信号を、送信部21bを経て受信機22に送る。
これにより、受信機22は、電源が断になったときや、画像信号が断になったときには、例えば「現在、TV放送を受信できません」というようなメッセージを表す画像、公共・商用施設等に設置されている情報表示システム2から避難所までの避難経路を表す画像、これら両方の画像などを、縮小画像A11として表示する。
こうして、この実施の形態によれば、災害時等の通報のためのL字型画像による提供情報を表示している場合に、既存システム100からの放送用のデジタル伝送信号が断になったときや、商用電源が断になったときには、放送の受信不可や商用電源の断を表示し、避難経路等を受信機22に表示することにより、災害時等に必要な情報を提供することができる。つまり、この実施の形態によれば、情報提供表示システムが起動する発災時においては、データ断や停電となることが想定される。情報提供表示システムによれば、データ断や停電を検出して、表示装置の設置場所における避難経路などの固有の情報を自動的に受信機22に掲載できる。
(実施の形態5)
この実施の形態による情報提供表示システムを図14に示す。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。また、図14では、図面が複雑になることを避けるために、センサ24とその接続の図示を省略している。この実施の形態による情報提供表示システムでは、実施の形態1の画像混合装置21〜センサ24に加えて、スマートフォン27を備えている。以下では、この実施の形態による情報提供表示システムの構成と作用とを併せて説明する。
スマートフォン27は、パーソナルコンピュータとしての機能と、インターネット等との通信を行う機能とを併せ持つ携帯用の小型端末である。スマートフォン27には、多言語対応を可能にするアプリケーションソフトウェアが前もって導入されている。
スマートフォン27は、このアプリケーションソフトウェアにより次のような動作を行う。受信機22のL字型画像による提供情報が表示されている場合、視聴者の操作によりスマートフォン27が受信機22の画像をカメラ機能で読み取る。この後、スマートフォン27は、読み取った画像から提供情報に該当する画像を抽出し、画像の中の文字を文字データに変換する。次に、スマートフォン27は、文字データの文字を、多言語の中のあらかじめ設定されている言語つまり所定言語に翻訳して翻訳提供情報を生成する。この後、スマートフォン27は、この翻訳提供情報を表示する。
これにより、スマートフォン27は、受信機22のL字型画像による提供情報を、別の言語に翻訳して表示する。
ところで、スマートフォン27は、先に述べたアプリケーションソフトウェアにより、次のような多言語対応を可能にする。この多言語対応を可能にするために、情報表示システム2の画像混合装置21は、図15に示すように、出力部21iを備えている。
画像合成部21fは、実施の形態1で述べた処理に加えて次の処理をする。画像合成部21fは、通信部21cを経て情報提供システム1から提供情報を受け取ると、この提供情報を出力部21iに送る。
出力部21iは、提供情報を受け取ると、この提供情報をあらかじめ設定されている言語つまり所定言語に翻訳する。さらに、出力部21iは、翻訳で生成した翻訳提供情報を、所定言語に対応する周波数の非可聴音信号に変換する。非可聴音は、スマートフォン27の視聴者等には聞き取ることができない、高い周波数の音である。出力部21iは、生成した非可聴音信号を変換し、非可聴音として外部に出力する。
スマートフォン27は、非可聴音に対応した内蔵のマイクや外付けのマイクにより、画像混合装置21からの非可聴音を電気信号に変換して、非可聴音信号を生成する。この後、スマートフォン27は、生成した非可聴音信号を基に、翻訳提供情報を表示し、また、翻訳提供情報を音声として出力する。
こうして、この実施の形態によれば、アプリケーションソフトウェアをスマートフォン27に導入することにより、提供情報は翻訳されて、スマートフォン27に表示され、また音声出力をされる。これにより、提供情報を別の言語にして出力することができる。つまり、この実施の形態によれば、多種多様な表示システムに接続し、既存システムのサーバを経由しないで災害関連情報を映像および音声による、別の各種の言語で対応することを可能にする。
(実施の形態6)
この実施の形態による情報提供表示システムを図16に示す。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。また、図16では、図面が複雑になることを避けるために、センサ24とその接続の図示を省略している。この実施の形態による情報提供表示システムでは、実施の形態1の画像混合装置21〜センサ24に加えて、カメラ28を備えている。そして、図17に示すように、画像混合装置21の入力部21e1にカメラ28が接続されている。カメラ28については後述する。
入出力部21e1は、実施の形態1の入力部21eと同様に、各種の信号を受け取るためのインターフェースである。同時に、入出力部21e1は、各種の信号を出力するためのインターフェースでもある。
処理部21gは、実施の形態1で述べた各種の処理に加えて、次の処理を行う。処理部21gは、提供情報に付加されている付加情報と共に情報受信通知を通信部21cから受け取ると、例えば付加情報の発信元の情報からURL(Uniform Resource Locator)を調べて識別情報とする。この後、処理部21gは、合成画像表示の指示に発信元のURLを付加し、この合成画像表示の指示を画像合成部21fに送る。
処理部21gは、この後、所定時間内に入出力部21e1を経てカメラ28からコード撮影画像を受け取ると、このコード撮影画像に付加されている時刻情報と、このコード撮影画像とを記憶部21hに記憶しておく。
処理部21gは、この後、例えばGPS受信部21dから位置情報を受け取ると、この位置情報が示す経度と緯度から、GPS受信部21dの位置、つまり機器設置場所の所在地を求める。そして、処理部21gは、位置情報を受け取った場合には、コード撮影画像が撮影されたことを示す通知、また、所定時間内にコード撮影画像を受け取らない場合には、コード撮影画像が撮影されなかったことを示す通知を生成し、この通知に機器設置場所の所在地を付加する。この後、処理部21gは、生成した通知を情報提供システム1の情報提供装置11に送信する。
画像合成部21fは、実施の形態1で述べた各種の処理に加えて、次の処理を行う。つまり、画像合成部21fは、処理部21gから合成画像表示の指示を受け取り、受信部21aからHDMI(登録商標)信号を受け取り、さらに、通信部21cから提供情報を受け取る。この後、画像合成部21fは、受信部21aからのHDMI(登録商標)信号と通信部21cからの提供情報とを基に、画像合成処理により、テレビ番組の縮小画像を表示し、かつ、L字型画像による提供情報を表示するための画像信号を生成する。このとき、画像合成部21fは、処理部21gから受け取った合成画像表示の指示に付加されているURLを抽出する。次に、画像合成部21fは、URLを表すQRコード(登録商標)を生成する。そして、画像合成部21fは、生成したQRコード(登録商標)を、画像信号のL字型の余白部分に埋め込む。これにより、受信機22の画面22AのL字型の余白部分の所定場所に、QRコード(登録商標)が表示されるようにする。この実施の形態では、画面22AのL字型の余白部分B11の所定場所として、L字型の余白部分B11の角にQRコード(登録商標)が映し出されるように、QRコード(登録商標)が画像信号に埋め込まれる。この後、画像合成部21fは、QRコード(登録商標)が埋め込まれた画像信号を、送信部21bを経て受信機22に送る。なお、QRコード(登録商標)の代わりとして、UNI−Voice(登録商標)が使用可能である。UNI−Voice(登録商標)は、漢字を含む文字データを約800文字記録できる2次元バーコードである。
カメラ28は、画像混合装置21の入出力部21e1に接続されている小型カメラである。図18に示すように、QRコード(登録商標)が埋め込まれた画像信号により、受信機22のL字型の余白部分B11にQRコード(登録商標)が表示されている場合、カメラ28は、QRコード(登録商標)C11を認識して撮影する。カメラ28は、受信機22の画面22Aに映し出されたQRコード(登録商標)C11を撮影するために、図19に示すように、カメラ本体28Aと偏角プリズム28Bとで構成されている。
偏角プリズム28Bは光を屈曲する。これにより、偏角プリズム28Bは、受信機22の画面22AのL字型の余白部分B11の所定場所に映し出されたQRコード(登録商標)C11を、受信機22の側面に取り付けられているカメラ本体28Aのレンズ28A1に導く。
カメラ本体28Aは、この実施の形態では、受信機22の側部に取り付けられている。カメラ本体28Aは、偏角プリズム28Bを介在してQRコード(登録商標)C11を認識すると、QRコード(登録商標)C11を撮影する。そして、カメラ本体28Aは、撮影した画像をコード撮影画像とし、撮影した時刻を示す時刻情報をコード撮影画像に付加する。このとき、コード撮影画像が台形状に歪んでいると、カメラ本体28Aは、歪んだ画像を補正(あおり補正)する。この後、カメラ本体28Aはコード撮影画像を、入出力部21e1を経て処理部21gに送る。
以上がこの実施の形態による情報提供表示システムの構成である。次に、情報提供表示システムの作用について説明する。処理部21gは、情報提供システム1からの提供情報に付加されている付加情報と共に情報受信通知を通信部21cから受け取ると、合成画像表示の指示に発信元のURLを付加し、この合成画像表示の指示を画像合成部21fに送る。
画像合成部21fは、処理部21gから合成画像表示の指示を受け取り、受信部21aからHDMI(登録商標)信号を受け取り、さらに、通信部21cから提供情報を受け取る。この後、画像合成部21fは、画像合成処理により、テレビ番組の縮小画像を表示し、かつ、L字型画像による提供情報を表示するための画像信号を生成する。このとき、画像合成部21fは、処理部21gから受け取った合成画像表示の指示に付加されているURLを抽出する。次に、画像合成部21fは、URLを表すQRコード(登録商標)を生成する。そして、画像合成部21fは、生成したQRコード(登録商標)を画像信号に埋め込む。この後、画像合成部21fは、QRコード(登録商標)が埋め込まれた画像信号を、送信部21bを経て受信機22に送る。
受信機22は、画面22AのL字型の余白部分B11の所定場所に、QRコード(登録商標)C11を映し出す。カメラ28の偏角プリズム28Bは、受信機22の画面22AのL字型の余白部分B11に映し出されたQRコード(登録商標)C11をカメラ本体28Aのレンズ28A1に導く。カメラ本体28Aは、QRコード(登録商標)C11を認識すると、撮影したコード撮影画像に対して、撮影した時刻を示す時刻情報を付加する。この後、カメラ本体28Aは、コード撮影画像を、入出力部21e1を経て処理部21gに送る。
処理部21gは、所定時間内に入出力部21e1を経てカメラ28からコード撮影画像を受け取ると、このコード撮影画像に付加されている時刻情報と、コード撮影画像とを記憶部21hに記憶しておく。記憶部21hに記憶されたコード撮影画像などは、例えば入出力部21e1に接続されたパーソナルコンピュータなどを用いて、画像混合装置21側で確認することをが可能になる。
この後、処理部21gは、GPS受信部21dから位置情報を受け取ると、この位置情報が示す経度と緯度から、機器設置場所の所在地を求める。そして、処理部21gは、所定時間内にコード撮影画像を受け取った場合には、コード撮影画像が撮影されたことを示す通知、また、所定時間内にコード撮影画像を受け取らない場合には、コード撮影画像が撮影されなかったことを示す通知を生成し、この通知に機器設置場所の所在地を付加する。この後、処理部21gは、生成した通知を情報提供システム1の情報提供装置11に送信する。
情報提供システム1の情報提供装置11は、情報表示システム2から通知を受信すると、例えば次の処理を行う。情報提供装置11は、通知に付加されている機器設置場所の所在地と、送信先リストとを基にして、提供情報を表示していない利用者を探し出し、この利用者の一覧を情報提供システム1の管理端末12に表示する。情報提供システム1側では、管理端末12による表示結果から、提供情報を受信していない利用者に対する対策を担当者が行う。
こうして、この実施の形態によれば、情報提供表示システムが起動する発災時に、提供情報が正しく表示され、提供情報が表示されたかを確認し、記録できることは、災害関連情報を提供するシステムとしては必要不可欠な機能である。また、この実施の形態によれば、既設システムや表示装置の故障などの影響を受けずに情報提供の状態確認をすることができる。
(実施の形態7)
この実施の形態による情報提供表示システムを図20に示す。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。また、図20では、図面が複雑になることを避けるために、センサ24とその接続の図示を省略している。この実施の形態による情報提供表示システムでは、実施の形態1の画像混合装置21〜センサ24に加えて、スピーカ29Aとマイク29Bとを備えている。さらに、画像混合装置21は、図21に示すように、実施の形態1の入力部21eの変わりに、入出力部21e1を備えている。なお、図21では、図20と同様に、センサ24とその接続の図示を省略している。
入出力部21e1は、実施の形態1の入力部21eと同様に、各種の信号を受け取るためのインターフェースである。同時に、入出力部21e1は、各種の信号を出力するためのインターフェースでもある。
スピーカ29Aは入出力部21e1に接続されている。スピーカ29Aは、入出力部21e1を経て処理部21gから非可聴音信号を受け取ると、この非可聴音信号により非可聴音D1(図20)を出す。
マイク29Bは入出力部21e1に接続されている。マイク29Bは、スピーカ29Aが出した非可聴音D1を検出して電気信号に変換し、この電気信号を非可聴音検出信号として出力する。そして、マイク29Bは、変換で生成した非可聴音検出信号を、入出力部21e1を経て処理部21gに送る。
通信部21cは、実施の形態1で述べた各種の処理に加えて、次の処理を行う。通信部21cは、提供情報を受信した際に情報受信通知を処理部21gに送ると共に提供情報も処理部21gに送る。
処理部21gは、実施の形態1で述べた各種の処理に加えて、次の処理を行う。処理部21gは、通信部21cから情報受信通知を受け取った場合に、同じく通信部21cから提供情報を受け取ると、この提供情報に対応する信号であって、人には聞こえない音(非可聴音)を出すための信号である非可聴音信号を生成する。そして、処理部21gは、生成した非可聴音信号を、入出力部21e1を経てスピーカ29Aに送る。
処理部21gは、非可聴音信号をスピーカ29Aに送った後、所定時間内に、入出力部21e1を経てマイク29Bから非可聴音検出信号を受け取ると、この非可聴音検出信号を受け取った時刻を調べる。この後、処理部21gは、受け取った時刻を示す時刻情報を非可聴音検出信号に付加し、この非可聴音検出信号を記憶部21hに記録しておく。
処理部21gは、この後、例えばGPS受信部21dから位置情報を受け取り、この位置情報が示す経度と緯度から、GPS受信部21dの位置、つまり機器設置場所の所在地を求める。そして、処理部21gは、所定時間内に非可聴音検出信号を受け取った場合には、提供情報が表示されたことを示す通知、また、所定時間内に非可聴音検出信号を受け取らない場合には、提供情報が表示されなかったことを示す通知を生成し、この通知に機器設置場所の所在地を付加する。この後、処理部21gは、生成した通知を情報提供システム1の情報提供装置11に送信する。
以上がこの実施の形態による情報提供表示システムの構成である。次に、この情報提供表示システムの作用について説明する。通信部21cは、提供情報を受け取ると、情報受信通知と共に提供情報を処理部21gに送る。処理部21gは、通信部21cから情報受信通知と提供情報を受け取ると、この提供情報を基に非可聴音信号を生成する。そして、処理部21gは、この非可聴音信号を、入出力部21e1を経てスピーカ29Aに送る。スピーカ29Aは、処理部21gから非可聴音信号を受け取ると、この非可聴音信号により非可聴音を出す。
マイク29Bは、スピーカ29Aが出した非可聴音D1を非可聴音検出信号に変換する。そして、マイク29Bは、変換で生成した非可聴音検出信号を、入出力部21e1を経て処理部21gに送る。処理部21gは、非可聴音信号をスピーカ29Aに送った後、所定時間内にマイク29Bから非可聴音検出信号を受け取ると、この非可聴音検出信号を受け取った時刻を示す時刻情報を非可聴音検出信号に付加し、この非可聴音検出信号を記憶部21hに記録しておく。記憶部21hに記憶された非可聴音検出信号などは、例えば入出力部21e1に接続されたパーソナルコンピュータなどを用いて、画像混合装置21側で確認することが可能になる。
この後、処理部21gは、GPS受信部21dから位置情報を受け取り、この位置情報を基に機器設置場所の所在地を求める。そして、処理部21gは、提供情報が表示されたことを示す通知、また、所定時間内に非可聴音検出信号を受け取らない場合には、提供情報が表示されなかったことを示す通知を生成し、この通知に機器設置場所の所在地を付加する。この後、処理部21gは、生成した通知を情報提供システム1の情報提供装置11の情報提供装置11に送信する。
情報提供システム1の情報提供装置11は、情報表示システム2から通知を受信すると、例えば次の処理を行う。情報提供装置11は、通知に付加されている機器設置場所の所在地と、送信先リストとを基にして、提供情報を表示していない利用者の一覧を作成し、この利用者の一覧を管理端末12に表示する。情報提供システム1側では、管理端末12による表示結果から、提供情報を受信していない利用者に対する対策を担当者が行う。
こうして、この実施の形態によれば、情報提供表示システムが起動する発災時に、提供情報が正しく表示され、提供情報が表示されたかを確認し、記録できることは、災害関連情報を提供するシステムとしては必要不可欠な機能であり、既設システム、表示装置の故障などの影響を受けずに情報提供の状態確認をすることができる。