JP4678799B2 - 給水装置及び給水装置制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水装置及び給水装置制御方法に関し、特にポンプの能力の範囲内でポンプの仕様範囲(使用許容範囲)を拡大可能にした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビルや居住用中高層の建物などに給水する給水装置は、ポンプ、ポンプ駆動モータ、圧力タンク、吐出圧検出手段、ポンプの回転数(つまり、モータ回転数)を制御する制御装置を備えている。前記ビルや建物の各々毎に高さが一定であるため、給水装置の必要な吐出圧はほぼ一定で大きくは変動しない。この種の従来の給水装置では、ポンプが定格流量時に定格出力となるポンプ回転数を最高回転数と定義し、その最高回転数以下の領域で必要な流量を発生させるようにポンプ回転数を時々刻々制御している。
【0003】
例えば、図5に示すように、回転数N=Nmax(最高回転数)のライン100と実際に使用可能なポンプの最大能力ライン102との交点において、モータ駆動電流が定格電流Icとなり、ライン100の下の領域(つまり、ポンプ仕様範囲)でポンプを使用している。このように、従来は通常、ある型式の給水装置におけるポンプの最高回転数は、その機種の全部の給水装置に共通に例えば3,600rpmのように設定されることになる。
【0004】
一方、特開平11−287195号公報には、ターボ形ポンプ、ポンプ駆動用の交流モータ、このモータの回転数を調整するインバータとを有するポンプユニットにおいて、ポンプの流量と発生揚程の関係がモータの定格出力内において任意の特性となるように、インバータの出力周波数(f)に対する出力電圧(V)の関係を予め設定し、モータの電流を一定に制御しながら、前記設定した特性を発揮させるポンプの特性制御装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示すライン100の下のポンプ仕様範囲101(使用許容範囲)でのみポンプを運転する場合は、各ポンプ回転数毎にモータ電流が定格電流値Icとなる最大能力ライン102とライン100とで囲まれる領域103は、ポンプを運転可能であるにもかかわらず、全く利用しない領域であるから、ポンプの能力をフル活用してないことになる。その結果、給水装置の汎用性を高めにくく、常にビルや建物の給水要求に対して過剰能力の給水装置を採用することになり、設備経済的に不利で、ランニングコスト面でも不利である。
【0006】
前記公報の制御技術では、モータの電流を一定(例えば、定格電流)に制御しながらポンプを運転するため、ポンプやモータの能力をフルに活用できるけれども、給水装置などのように給水流量(つまり、負荷)が常時変動する装置に適した制御技術とは言い難い。本発明の目的は、ポンプの最高回転数をポンプの使用状態に応じて適宜更新しつつ、ポンプを最高能力の範囲内で使用可能にする給水装置と給水装置制御方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の給水装置は、ポンプと、ポンプ駆動モータと、インバータを介してポンプ駆動モータを駆動するモータ駆動手段と、圧力タンクと、ポンプの吐出圧を検出する圧力検出手段と、給水系の要求に基づき前記ポンプを起動または停止させると共に検出吐出圧が目標圧力値となるようにポンプ回転数を変化させて吐出圧を制御する制御手段とを備えた給水装置において、前記モータ駆動手段は、モータ駆動電流が予め設定された定格電流値を越えたときに作動するリミッターを有し、前記制御手段は、ポンプ最高回転数Nmaxをポンプ目標最高回転数値Nmに更新しそのポンプ最高回転数Nmaxをポンプ回転数Nxが超えないようにポンプ回転数Nxを制御すると共に、給水装置の電源投入後または圧力設定変更後は、吐出流量零で運転電流値が定格電流値となる予め設定されたポンプ運転可能最高回転数Ncをポンプ目標最高回転数値Nmとしてポンプ回転数Nxを制御し、ポンプ運転中に前記リミッターが作動したときのポンプ回転数Nx又はこのポンプ回転数Nxに略等しいポンプ回転数α×Nx(但し、α≒1.0 、α<1.0 )をメモリに記憶しておき、給水系の要求による次回ポンプ起動時にはポンプ目標最高回転数値Nmをα×Nxに更新してポンプ回転数Nxを制御することを特徴とするものである。
【0008】
吐出流量零で運転電流値が定格電流値となる予め設定されたポンプの運転可能最高回転数Ncとは、ポンプの運転可能最高回転数であり、制御手段は、ポンプ最高回転数Nmaxをポンプ目標最高回転数値Nmに更新しそのポンプ最高回転数Nmaxをポンプ回転数Nxが超えないようにポンプ回転数Nxを制御し、給水装置の電源投入後または圧力設定変更後は、前記の運転可能最高回転数Ncをポンプの制御可能領域の上限である最高回転数Nmaxとしてポンプ回転数Nxを制御する。その後、制御手段は、ポンプ運転中に前記リミッターが作動したときのポンプ回転数Nx又はこのポンプ回転数に略等しいポンプ回転数α×Nx(但し、α≒1.0 、α<1.0 )をメモリに記憶しておき、給水系の要求による次回ポンプ起動時にはポンプ目標最高回転数値Nmをα×Nxに更新してポンプ回転数Nxを制御する。
【0009】
給水装置では、その設置場所や使用条件に応じて吐出圧の圧力設定値を設定し、その圧力設定値または圧力設定値をもとに決定される目標圧力値となるようにポンプ回転数を制御する。制御手段は、圧力設定値または目標圧力値に基づいてポンプの回転数を制御していくが、ポンプの吐出流量が増加する程運転電流値が増加し、運転電流値が定格電流値となったときの吐出流量が最大吐出流量である。そして、圧力設定値が高くなる程最大吐出流量が少なくなる。
【0010】
そのため、ポンプの運転中にモータ駆動手段のリミッターが作動したときのポンプ回転数Nxは、運転電流値が定格電流を越えた時のポンプ回転数であり、給水装置に設定された圧力設定値を反映したポンプ最高回転数である。このポンプ回転数Nx又はこのポンプ回転数に略等しいポンプ回転数α×Nx(但し、α≒1.0 、α<1.0 )をメモリに記憶しておき、給水系の要求による次のポンプ起動時にはポンプ最高回転数をα×Nxに更新してポンプを制御するので、ポンプの使用状態(或いは、圧力設定値)に適合するようにポンプ最高回転数を更新しながらポンプを運転することができ、給水装置の使用条件に応じてポンプの能力を最大限発揮させることができる。
【0011】
請求項2の給水装置制御方法は、ポンプと、ポンプ駆動モータと、インバータを介してポンプ駆動モータを駆動すると共にモータ駆動電流が予め設定された定格電流値を越えたときに作動するリミッターを有するモータ駆動手段と、圧力タンクと、給水系の要求に基づき前記ポンプを起動または停止させると共にポンプ回転数を変化させて吐出圧を制御する制御手段とを備えた給水装置を制御する方法において、前記制御手段は、ポンプ最高回転数Nmaxをポンプ目標最高回転数値Nmに更新しそのポンプ最高回転数Nmaxをポンプ回転数Nxが超えないようにポンプ回転数Nxを制御し、給水装置の電源投入後または圧力設定変更後に、吐出流量零で運転電流値が定格電流値となる予め設定されたポンプ運転可能最高回転数Ncをポンプ目標最高回転数値Nmとしてポンプ回転数Nxを制御する第1工程と、その後、ポンプ運転中にモータ駆動手段のリミッターが作動したときのポンプ回転数Nx又はこのポンプ回転数Nxに略等しいポンプ回転数α×Nx(但し、α≒1.0 、α<1.0 )をメモリに記憶する第2工程と、その後、給水系の要求によるポンプ起動時にはポンプ目標最高回転数値Nmをα×Nxに更新してポンプ回転数Nxを制御する第3工程とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
第1工程では、給水装置の電源投入後または圧力設定変更後に、吐出流量零で運転電流値が定格電流値となる予め設定されたポンプの運転可能最高回転数Ncをポンプ目標最高回転数値Nmとしてポンプ回転数Nxを制御する。その後、第2工程では、ポンプ運転中にモータ駆動手段のリミッターが作動したときのポンプ回転数Nx又はこのポンプ回転数に略等しいポンプ回転数α×Nx(但し、α≒1.0 、α<1.0 )をメモリに記憶する。その後、第3工程では、給水系の要求によるポンプ起動時にはポンプ目標最高回転数値Nmをα×Nxに更新してポンプ回転数Nxを制御する。従って、請求項1と同様の作用が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は、ビルや中高層の居住用の建物に装備されて、ビルや建物内の各階に給水する給水装置に本発明を適用した場合の一例である。尚、以下の説明は、給水装置の説明と、給水装置制御方法の説明と含むものである。
【0014】
図1に示すように、この給水装置1は、水道本管に接続された吸入管11に並列接続されたターボ形多段ポンプ12,13、これらポンプ12,13を夫々駆動する3相交流電動機からなるポンプ駆動モータ14,15、ポンプ12,13の吐出管16,17に夫々接続された逆止弁18,19および仕切弁20,21、これら吐出管16,17に接続されビルや建物内部に設置された給水系に接続される給水管22、この給水管22に接続され吐出圧を検出する圧力発信器23および圧力タンク24(給水用アキュムレータ)、モータ14,15を制御する制御ユニット30、この制御ユニット30に接続された操作パネル31などを有し、この給水装置1は図示外のキャビネット内に組み込まれたキャビネット型給水装置に構成される場合もある。
【0015】
前記制御ユニット30は、CPU32とROM33とRAM34を含むマイクロコンピュータ、入出力インターフェース35、インバータを含むモータ駆動回路36,37などを有し、圧力発信器23と操作パネル31は入出力インターフェース35に接続されている。モータ駆動回路36,37には、ポンプ駆動モータ14,15のモータ駆動電流が予め設定された定格電流値を越えたときに作動するリミッターが夫々設けられている。操作パネル31には、電源スイッチ、1号ポンプ12と2号ポンプ13を夫々選択するスイッチ、自動運転スイッチ、手動運転スイッチ、停止スイッチ、ディスプレイ、圧力設定スイッチ、及びその他の種々のスイッチなどが設けられている。
【0016】
前記マイクロコンピュータのROM33には、図3、図4のフローチャートに示すポンプ自動運転制御のフローチャートとこの制御に付随する種々の演算式などが予め入力格納されている。前記マイクロコンピュータのRAM34には、CPU32により前記の制御を実施する際に必要な種々のワークメモリが設けられている。
【0017】
最初に、この給水装置1に採用されているポンプ自動運転制御の概要について図2を参照して説明する。但し、以下の説明は、一方のポンプ12を運転する場合を例として説明する。図2の曲線38は、複数のポンプ回転数Nにおいてモータ14の運転電流値Iが定格電流値Icとなる複数の点を結んだ曲線であり、ポンプ12の最大能力線である。給水装置1の電源投入後には、吐出流量零とした場合に運転電流値Iが定格電流値Icとなるポンプ運転可能最高回転数Nc(点Acのポンプ回転数)を暫定的な最高回転数Nmaxとしてポンプ12を制御し、ポンプ最高回転数Nmaxをポンプ目標最高回転数値Nmに更新しそのポンプ最高回転数Nmaxをポンプ回転数Nxが超えないようにポンプ回転数Nxを制御する。圧力設定値Psを変更設定した場合にも前記と同様である。
【0018】
その後、圧力設定値Psを例えばP1としてポンプ12を運転中に、モータ駆動回路36のリミッターが作動した場合には、そのときのポンプ回転数N1に所定の定数α(但し、α≒1.0 、α<1.0 、例えば、α=0.90)を乗じたポンプ回転数N1×αをRAM34のメモリに記憶するとともに、ポンプ回転数をN1×αに減速する。その後のポンプ起動時には、ポンプ最高回転数NmaxをN1×αに更新してポンプ12を制御する。
【0019】
尚、本実施形態では、前記ポンプ回転数をN1×αに減速した点A1が、ポンプ最高回転数NmaxをN1×αに制限する点A1に一致するように設定しており、この点A1は運転電流値Iが定格電流値Icと等しくなる曲線38の上にほぼ位置している。尚、この場合の吐出流量の最大値は点A1に対応する流量であり、吐出圧を圧力設定値Psに維持するため、吐出流量の増減に応じてポンプ回転数Nxを増減させるような制御が行われる。
【0020】
一方、圧力設定値Psを例えばP2としてポンプ12を運転中に、モータ駆動回路36のリミッターが作動した場合には、そのときのポンプ回転数N2に前記の定数αを乗じたポンプ回転数N2×αをRAM34のメモリに記憶するとともに、ポンプ回転数をN2×αに減速する。その後のポンプ起動時には、ポンプ最高回転数NmaxをN2×αに更新してポンプ12を制御する。尚、前記ポンプ回転数NxをN2×αに減速した点A2が、ポンプ最高回転数をN2×αに制限する点A2に一致するように設定しており、この点A2は運転電流値Iが定格電流値Icと等しくなる曲線38の上にほぼ位置している。こうして、ポンプ12が稼動できる最大能力内の範囲をポンプの仕様範囲(使用許容範囲)として、ポンプ12を運転することができ、ポンプの仕様範囲(使用許容範囲)を大幅に拡大することができる。
【0021】
次に、前記ポンプ12を自動運転するポンプ自動運転制御について図3、図4のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中符号Si(i=1,2,・・)は各ステップを示す。給水装置1の電源投入によりこの制御が開始されると、最初にRAM34のワークメモリをクリアしたりする必要な初期設定が実行され(S1)、次にポンプ12の目標最高回転数値Nmとして吐出流量零で運転電流値Iが定格電流値Icとなるポンプ運転可能最高回転数Ncが予め設定される(S2)。
【0022】
次に、予め設定されてRAM34のメモリに記憶されている圧力設定値Psが読込まれ(S3)、圧力発信器23から検出圧力Pdが読込まれる(S4)。次に検出圧力Pdが所定の起動圧力Pk以下か否か判定され(S5)、Pd≦Pkでない場合はポンプ12を起動する必要がないためS3へ戻る。Pd≦Pkの場合はポンプ12を起動する必要があるため、ポンプ最高回転数Nmaxに前記目標最高回転数値Nmが与えられ(S6)、次に圧力設定値Psを所定の演算式に適用して目標圧力Ptが演算され(S7)、ポンプ12が起動される(S8)。
【0023】
次に、圧力発信器23から検出圧力Pdが読込まれ(S9)、検出圧力Pdと目標圧力Ptとが比較される(S10)。Pd>Ptの場合はS11においてポンプ回転数Nxを僅かに減速する減速処理が実行される。この場合、モータ駆動回路36のインバータの出力周波数を所定減少分小さく調整する制御信号がモータ駆動回路36に出力され、その後S16へ移行する。Pd<Ptの場合はS12においてポンプ回転数Nxを僅かに増速する増速処理が実行される。
【0024】
この場合、モータ駆動回路36のインバータの出力周波数を所定増加分大きく調整する制御信号がモータ駆動回路36に出力される。尚、この増速処理においては、今回増速されたポンプ回転数Nxがポンプ最高回転数Nmax以上か否か判定し、Nx>Nmaxの場合にはNx=Nmaxに設定することで、ポンプ回転数Nxがポンプ最高回転数Nmaxを越えないように制御している。
【0025】
S12の次のS13では、S12における増速処理に応じてモータ駆動回路36内のリミッターが作動したか否か判定し、その判定がNoの場合はS16へ移行する。リミッターが作動した場合には、S14において、ポンプ12の目標最高回転数値Nmとしてα×Nxが与えられてRAM34のメモリに記憶される。但し、αは前記の定数、Nxは現在のポンプ回転数である。その後、S15では、リミッターを停止させる為に、ポンプ回転数NxをNx×β(但し、本実施形態の場合、β=α)に減速処理してから、S16へ移行する。尚、S10の判定の結果、Pd=Ptである場合はS16へ移行する。尚、前記のβはαと異なる値に設定してもよい。
【0026】
S16では、前回のS16の演算処理の時点から今回のS16の演算処理の時点までに、圧力設定値Psが変更されたか否か判定され、変更無しの場合はS19へ移行する。但し、圧力設定値Psが変更された場合には、S2と同様に、目標最高回転数値Nmとして吐出流量零で運転電流値Iが定格電流値Icとなるポンプ運転可能最高回転数Ncが設定される。次に圧力設定値Psが読込まれ(S18)、S19へ移行する。
【0027】
S19においては、圧力設定値Psとインバータの出力周波数(これは、ポンプ吐出流量に比例している)を、所定のマップ又は演算式に適用して、ビルや建物内の給水系の末端圧力を一定にするような目標圧力Ptが演算され、次にS20で所定のポンプ停止条件が成立したか否か判定し、ポンプ停止条件が成立してない場合はS9に戻ってS9以降が繰り返し実行され、また、ポンプ停止条件が成立した場合は、ポンプ12を停止させる停止処理が実行され(S21)、その後S3へ移行し、S3以降が繰り返し実行される。
【0028】
以上説明したように、この給水装置1によれば、電源投入後または圧力設定変更後は、吐出流量零で運転電流値Iが定格電流値Icとなる予め設定された運転回転数Nc(運転可能最高回転数)を最高回転数としてポンプ12を制御するため、ポンプ12の最高回転数を設定する必要がないから操作が簡単になる。
【0029】
ポンプ12の運転中にモータ駆動回路36のリミッターが作動した時には、現在のポンプ回転数Nxにαを乗じた回転数α×NxをNm(ポンプ最高回転数値)として記憶しておき、給水系の要求による次回ポンプ起動時にはポンプ最高回転数NmaxをNmに更新してポンプ12を制御するので、ポンプ12の使用条件や圧力設定値Psに適合するようにポンプ最高回転数Nmaxを更新しながらポンプ12を運転することができ、ポンプ12の能力を最大限発揮させることができる。その結果、ポンプ12の仕様範囲(使用許容範囲)を大幅に拡大することができ、給水装置の汎用性を高めることができ、設備経済性やランニングコストの低減を図ることができる。
【0030】
しかも、リミッター作動後のポンプ起動時にはポンプ最高回転数Nmaxをα×Nxに更新しそのポンプ最高回転数Nmaxを越えないようにポンプ回転数Nxを制御するので、圧力設定値が高く変更されたり、ポンプへ流入する水の流入圧力が低下したりするようなことがない限り、モータ駆動電流が定格電流を越えて再度がリミッターが作動することもなく、安定した運転を行うことができる。また、モータ駆動回路36のリミッターを有効活用し、モータ駆動電流を検出する回路を設ける必要がないので、モータ駆動回路36の構成が簡単化し、演算処理も簡単になる。
【0031】
尚、前記実施形態を部分的に変更して実施可能であり、例えば、S14において、最高回転数値Nmとしてα×Nxを設定し、この最高回転数値Nmをメモリに記憶するようにしたが、α×Nxの代わりにNxをメモリに記憶しておき、その後のS6においてα×Nxを演算し、ポンプ最高回転数Nmaxをα×Nxに更新してもよい。また、前記リミッターとしては、それが作動した時に、作動中のポンプ12を強制停止させる形式のリミッターも適用可能であり、そのリミッターが作動して作動中のポンプ12を強制停止した際には、待機中のポンプ13を例えばα×Nxの回転数で起動させるように構成する。
【0032】
また、前記フローチャート中のS16〜S18のステップは、別途割り込み処理で実行してもよい。前記のフローチャートには省略した圧力設定値Psを設定する処理も別途割り込み処理で実行してもよい。
【0033】
また、請求項1,2に記載の「吐出流量零で運転電流値が定格電流値となる予め設定されたポンプ回転数Nc」は、理論上あり得る最高回転数ではあるが、このポンプ回転数Ncの代わりに、「吐出流量が零に近い所定少量で運転電流値が定格電流値となる予め設定されたポンプ回転数Nc’」を採用してもよい。尚、前記給水装置1はキャビネット型の給水装置以外の給水装置でもよい。その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、種々の変更を付加した形態で実施可能である。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の給水装置によれば、給水装置の電源投入後または圧力設定変更後は、吐出流量零で運転電流値が定格電流値となる予め設定された運転回転数Nc(運転可能最高回転数)を最高回転数としてポンプを制御するため、ポンプの最高回転数を設定する必要がないから操作が簡単になる。
【0035】
ポンプ運転中にモータ駆動手段のリミッターが作動したときのポンプ回転数Nx又はこのポンプ回転数に略等しいポンプ回転数α×Nx(但し、α≒1.0 、α<1.0 )をメモリに記憶しておき、次回ポンプ起動時にはポンプ最高回転数をα×Nxに更新してポンプを制御するので、ポンプの使用条件(或いは、圧力設定値又は目標圧力)に適合するようにポンプ最高回転数を更新しながらポンプを運転することができ、ポンプの能力を最大限発揮させることができる。そして、ポンプの仕様範囲(使用許容範囲)を大幅に拡大することができ、給水装置の汎用性を高めることができ、設備経済性やランニングコストの低減を図ることができる。
【0036】
しかも、リミッター作動後のポンプ起動時にはポンプ最高回転数をα×Nxに更新しそのポンプ最高回転数を越えないようにポンプ回転数を制御するので、圧力設定値が高く変更されたり、ポンプへ流入する水の流入圧力が低下したりするようなことがない限り、モータ駆動電流が定格電流を越えて再度がリミッターが作動することもなく、安定した運転を行うことができる。そして、モータ駆動手段のリミッター(これは、必ず装備される)を有効活用し、モータ駆動電流を検出する回路を設ける必要がないので、モータ駆動手段の構成が簡単化し、演算処理も簡単になる。
【0037】
請求項2の給水装置制御方法によれば、前記第1工程と、第2工程と、第3工程を備えているため、基本的に請求項1と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る給水装置の全体構成図である。
【図2】ポンプ自動運転制御の概要を説明する説明図である。
【図3】ポンプ自動運転制御のフローチャートの一部である。
【図4】ポンプ自動運転制御のフローチャートの残部である。
【図5】従来の給水装置のポンプ仕様範囲と最大能力ライン等の説明図である。
【符号の説明】
1 給水装置
12,13 ポンプ
14,15 ポンプ駆動モータ
23 圧力発信器
24 圧力タンク
30 制御ユニット
31 操作パネル
36,37 モータ駆動回路
Claims (2)
- ポンプと、ポンプ駆動モータと、インバータを介してポンプ駆動モータを駆動するモータ駆動手段と、圧力タンクと、ポンプの吐出圧を検出する圧力検出手段と、給水系の要求に基づき前記ポンプを起動または停止させると共に検出吐出圧が目標圧力値となるようにポンプ回転数を変化させて吐出圧を制御する制御手段とを備えた給水装置において、
前記モータ駆動手段は、モータ駆動電流が予め設定された定格電流値を越えたときに作動するリミッターを有し、前記制御手段は、ポンプ最高回転数Nmaxをポンプ目標最高回転数値Nmに更新しそのポンプ最高回転数Nmaxをポンプ回転数Nxが超えないようにポンプ回転数Nxを制御すると共に、給水装置の電源投入後または圧力設定変更後は、吐出流量零で運転電流値が定格電流値となる予め設定されたポンプ運転可能最高回転数Ncをポンプ目標最高回転数値Nmとしてポンプ回転数Nxを制御し、ポンプ運転中に前記リミッターが作動したときのポンプ回転数Nx又はこのポンプ回転数Nxに略等しいポンプ回転数α×Nx(但し、α≒1.0 、α<1.0 )をメモリに記憶しておき、給水系の要求による次回ポンプ起動時にはポンプ目標最高回転数値Nmをα×Nxに更新してポンプ回転数Nxを制御することを特徴とする給水装置。 - ポンプと、ポンプ駆動モータと、インバータを介してポンプ駆動モータを駆動すると共にモータ駆動電流が予め設定された定格電流値を越えたときに作動するリミッターを有するモータ駆動手段と、圧力タンクと、給水系の要求に基づき前記ポンプを起動または停止させると共にポンプ回転数を変化させて吐出圧を制御する制御手段とを備えた給水装置を制御する方法において、
前記制御手段は、ポンプ最高回転数Nmaxをポンプ目標最高回転数値Nmに更新しそのポンプ最高回転数Nmaxをポンプ回転数Nxが超えないようにポンプ回転数Nxを制御し、
給水装置の電源投入後または圧力設定変更後に、吐出流量零で運転電流値が定格電流値となる予め設定されたポンプ運転可能最高回転数Ncをポンプ目標最高回転数値Nmとしてポンプ回転数Nxを制御する第1工程と、
その後、ポンプ運転中にモータ駆動手段のリミッターが作動したときのポンプ回転数Nx又はこのポンプ回転数Nxに略等しいポンプ回転数α×Nx(但し、α≒1.0 、α<1.0 )をメモリに記憶する第2工程と、
その後、給水系の要求によるポンプ起動時にはポンプ目標最高回転数値Nmをα×Nxに更新してポンプ回転数Nxを制御する第3工程と、を備えたことを特徴とする給水装置制御方法。
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