JP2889499B2 - ポンプ装置 - Google Patents

ポンプ装置

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JP2889499B2
JP2889499B2 JP24863694A JP24863694A JP2889499B2 JP 2889499 B2 JP2889499 B2 JP 2889499B2 JP 24863694 A JP24863694 A JP 24863694A JP 24863694 A JP24863694 A JP 24863694A JP 2889499 B2 JP2889499 B2 JP 2889499B2
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  • Control Of Non-Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポンプ装置に係り、特
に、比較的大流量、低揚程に使用される軸流あるいは斜
流ポンプのようなターボ形高比速度ポンプ、或いは比較
的小流量、高揚程に使用される汎用の低比速度ポンプ装
置において、その駆動に誘導電動機又は同期電動機を用
いて運転する場合、周波数・電圧変換装置(静止形イン
バーター)を用いて回転数を調整するポンプ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機により駆動されるポンプの揚
水特性等を変化させるため、静止形インバータを用いて
電動機電源の周波数を変化させ、回転数を調整する方法
が従来から実用されている。ポンプの回転数を設定する
には、インバータの一次側周波数に対しインバータの制
御範囲(通常0〜120%)に応じ、手動あるいは自動
の設定信号を周波数信号発生器から与えて行っている。
【0003】例えば、特開昭57−52396号公報に
よれば、負荷トルク曲線と電動機トルク曲線との交点
を、そのトルク曲線に対応した電動機入力周波数での電
動機最大効率点と一致させるように構成したことを特徴
とする誘導電動機の運転制御装置が開示されている。係
る運転制御装置によれば、誘導電動機がいかなる入力周
波数で運転された場合でも、電動機はそれぞれ最大の効
率を呈するようになり、ファンをどのような回転速度で
運転する場合でもその時の入力周波数に対応した誘導電
動機の最大効率点での運転が可能となる。
【0004】又、特開昭59−44997号公報によれ
ば誘導電動機の負荷電流に応じて、該誘導電動機の効率
が最大となる電圧になるように、インバータの出力電圧
を補正する回路を有する運転制御装置が開示されてい
る。係る運転制御装置によれば、単に負荷トルクに応じ
て一次電圧を調整するだけで、実際のポンプの揚程に無
関係に高効率運転を可能にする。
【0005】又、特開昭59−25099号公報によれ
ば、ポンプを駆動する誘導電動機の出力を一定に制御す
る静止形インバータを用いた運転制御装置が開示されて
いる。係る運転制御装置によれば、揚程(H・Q)曲線
において、流量(Q)の如何にかかわらずポンプ軸動力
(電動機出力)が一定になることから、高流量領域及び
低流量領域においてそれぞれ揚程(H・Q)曲線を持ち
上げ、ポンプの運転特性を改善することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図2は、比較的大流
量、低揚程に使用される軸流あるいは斜流ポンプのよう
なターボ形高比速度ポンプの運転特性を示す説明図であ
り、(A)は揚程(H・Q)曲線及び所要動力Lp特性
を示す。図中点線は電動機の電源周波数を一定として運
転した場合の特性を示す。周知のごとく、電源周波数一
定の高比速度ポンプの運転では、高流量(Q)領域にお
いて運転揚程(H)は急激に減少し、低流量(Q)領域
において運転揚程(H)は増大する。従って、揚程(H
・Q)曲線は急激な右下がりとなり、またその所要動力
Lpも右下がりに減少する。特に定格流量以上の高流量
(Q)領域においては、揚程(H)の減少とともに、所
要動力Lpが顕著に減少する。
【0007】すなわち、この高流量(Q)領域では電動
機容量に対し余裕が増大し、その能力が十分に発揮され
ていない。このように、係るポンプを排水ポンプとして
使用した場合には、特に低揚程(H)時には所要動力
(Lp)が減少してしまい、排水量(Q)を一定値以上
に増加することが困難となる。このため、低揚程時には
排水ポンプの排水時間が長時間必要となるという問題が
ある。また定格流量の約50%以下の低流量(Q)領域
では所要動力が急激に増大するため、この領域での運転
が予想される場合には、電動機の過負荷を避けるため、
その定格出力に十分な余裕を与える必要がある。
【0008】前記公報には各種の静止形インバータを用
いた運転制御装置が開示されているが、いずれもポンプ
を駆動する電動機の電流容量をフルに使いきった運転制
御装置は開示されていない。例えば、前記特開昭59−
25099号公報によれば、電動機の出力を一定にする
ように制御しているため、低揚程(H)大流量(Q)時
には電圧(V)が上昇し、電流(I)が減少しトルクが
低下する。このため、低揚程(H)時には流量(Q)を
増加するのには限界があった。即ち、その電動機の有す
る電流容量一杯には、その能力をフルに発揮することが
できなかった。
【0009】本発明は係る従来技術の問題点に鑑み為さ
れたもので、運転揚程にかかわらず電動機の有する電流
容量を一杯に発揮してポンプの能力をフルに利用するこ
とのできるポンプ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のポンプ装置は、
ターボ型ポンプと、該ポンプを駆動する電動機と、該電
動機に給電する周波数・電圧変換装置(静止形インバー
ター)とで構成されるポンプユニットにおいて、前記ポ
ンプは吸込口と吐出口とを有し、主軸が軸受により支持
され、吸込口から吸込まれた液体が羽根車によって加圧
され、吸込口から吸込まれた液体の一部を、電動機の固
定子と回転子の間の空隙に導き電動機を冷却すると共
に、前記軸受を潤滑すると共に冷却し、前記周波数・電
圧変換装置の発生する周波数Fと電圧Vの関係V/Fを
あらかじめ一意的に決定しておき、前記電動機の電流が
前記ポンプの運転揚程にかかわらず一定値となるよう
に、前記ポンプの回転数を変化させるように制御したこ
とを特徴とする。
【0011】
【作用】前述のように静止形インバータの電圧(V)/
周波数(F)を一意的に定めておき、電動機電流の一定
値制御を行うことにより、その電流容量を揚程に関わら
ずフルに利用することができ、小型ポンプでは、揚程
(H・Q)曲線が”立勝手”の曲線となり、広範囲の揚
程Hに対して安定した揚水が可能となる。
【0012】そして、自液循環型のポンプであることか
ら、軸受摺動熱及び回転子で発生した熱が自液で冷却さ
れるため、電動機の固定子巻線の温度に影響を与えな
い。従って、固定子巻線の温度は、電動機の電流値によ
ってのみ決定され、その巻線温度の許容する範囲内の電
流容量をフルに利用することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら説明する。
【0014】図1は、本発明の第1実施例の運転制御装
置を、水中モータポンプ(排水ポンプ)に適用した場合
の基本的構成を示す説明図である。排水ポンプ1は、比
較的大流量、低揚程に使用される軸流あるいは斜流ポン
プのようなターボ形の高比速度ポンプである。ポンプ1
は、誘導電動機2に直結され、該電動機2に給電する周
波数・電圧変換装置(静止形インバータ)3により駆動
される。ここで静止形インバータ3は、一次側の交流商
用電源から二次側に周波数F及び電圧Vを変換するもの
で、二次側の周波数Fと電圧Vの関係V/Fを一定とす
るように設定されている。従って、周波数信号発生器1
0からある周波数Fの信号が与えられると、インバータ
3は電動機2に周波数F及びこれに比例した電圧Vを供
給するようになっている。
【0015】以上はインバータを用いたポンプユニット
の基本的な構成であるが、本実施例の運転制御装置は、
インバータ3の二次側の電流即ち電動機の電流を検出す
る電流検出器5と、検出された電流値を信号値に変換す
る電流変換器7と、電動機2に供給する一定の電流値を
設定する電流設定器9とを備える。又、電流変換器7の
信号値と電流設定器9の信号値とを比較する比較器8
と、該比較器8の出力信号に応答して周波数信号を変化
させる周波数信号発生器10とを備える。
【0016】このように電動機2は、可変電圧・可変周
波数の静止形インバータ3で駆動され、給電される電圧
/周波数(V/F)の比の値は一定である。そして、三
相誘導電動機のトルクは基本的に電動機に流れる電流
(A)で決まってくる。ここで、V/F=一定として、
電動機電流を一定値に保つように回転数を変化すると、
ポンプの回転数の如何にかかわらず電動機トルクはほぼ
一定となり、電動機の出力は、電流(I)が一定で回転
数に比例して電圧(V)が変化することから、出力は回
転数に比例する。従って、ポンプの運転揚程(H)ある
いは流量(Q)に係わらず、電動機2の電流(I)を一
定に保つようにインバータ3の出力周波数(F)を制御
することにより、電動機2の電流容量を最大限に利用し
たポンプの運転が可能となる。
【0017】このような運転を実施するため、インバー
タ二次側の電流即ち電動機の電流を電流検出器5により
検出する。そして電流変換器7で計装信号に変換し、比
較器8に入力する。一方、予想される周波数範囲での電
動機許容電流を電流設定器8にあらかじめ設定する。比
較器8では、設定された電流値と電動機の電流値の偏差
を増幅し出力する。周波数信号発生器10では、設定値
と検出値の偏差が0に近づくように単純なフィードバッ
ク系として、インバータ二次側の周波数(F)を変化さ
せ電動機2に給電する。
【0018】このようなフィードバック制御系により、
電動機2に給電される周波数(F)は、常に電動機が一
定の許容電流値(I)で運転されるように調整され
る。即ち、大流量(Q)時には、電動機の電流(I)が
低下するので、一定の電流値(I)に近づけるように
周波数(F)が増大し回転数が高くなり、V/F=一定
であることから電圧(V)が上昇し、電流(I)が設定
値(I)迄上昇する。小流量(Q)時には、電流
(I)が増大するので、一定の電流値(I)に近づけ
るように周波数(F)が減少し、回転数が低くなり、V
/F=一定であることから、電圧(V)が減少し、所要
動力Lpが減少する。電動機の電流(I)は常に一定値
(I)に制御されているため、大流量時でも小流量時
でも過負荷の問題が生じない。
【0019】又、周波数検出器6はインバータ二次側の
電流の周波数を検出し、その信号を周波数制限回路11
に入力する。周波数制限回路11は、一定の周波数値以
上の信号に対して回路を遮断し、一定周波数値以下に保
持する。従って、上述の制御方法により、周波数(F)
及び電圧(V)が無制限に上昇することを防止でき、ポ
ンプ1のキャビテーション或いは振動を避け、又、低揚
程時の過大な流量及びそれに伴う配管中の流速が速くな
り過ぎることを避けることができる。
【0020】図2(A)は、揚程(H・Q)曲線及び流
量(Q)と所要動力(Lp)の関係を示し、点線は従来
の周波数一定の場合を示すのに対し、実線は本発明の一
実施例の電動機の電流値(I)を一定として制御した
場合を示す。本実施例では、揚程(H・Q)曲線は大流
量(Q)領域で点線で示す従来例と比較して大幅に持ち
上げられ、小流量(Q)領域で点線で示す従来例と比較
して大幅に低減されている。ポンプの所要動力Lpは、
小流量(Q)領域で大幅に低減され、大流量(Q)領域
で大幅に持ち上げられ、右上がりの曲線に改善されてい
る。尚、回転数及び動力は、流量0で定格値の約70
%、定格点で100%、最大流量時(定格の150%)
で約125%となっている。
【0021】尚、汎用標準型のインバータを使用した場
合などでは、インバータ二次側の電圧最大値は電源電圧
値により制限される場合がある。この場合には、ポンプ
の定格回転数を運転揚程の変化に対応した増速範囲を考
慮して、あらかじめ低い値に設定することにより、運転
揚程の変化全域に於いて支障なく制御を行うことができ
る。例えば、高比速度ポンプにおいて、50Hz商用電
源の場合、最低運転揚程時に電流を一定として回転数を
125%迄増速できる場合は、定格回転数は40Hz相
当に設定し、最低運転揚程時50Hz相当の回転数にす
る必要がある。
【0022】高比速度ポンプは、運転揚程(H)の比較
的低い排水ポンプ等に採用されているが、その運転揚程
は内外水位差により大幅に変化する。前述のように本発
明の一実施例によれば、ポンプの揚程(H・Q)曲線の
傾斜がなだらかになるため、内水位の高い低揚程時に流
量が増大し、排水時間を大幅に短縮することができる。
図中のRaは定格揚程時の抵抗曲線を示し、Rbは低揚
程時の抵抗曲線を示す。即ち、従来の点線で示す一定電
源周波数のポンプを用いた時の運転点BはC点に移行
し、運転頻度の高い低揚程(H)時の排水量の顕著な増
大を実現することができる。同様に、低流量(Q)時に
は所要動力(Lp)が大幅に減少することから、ポンプ
の締切運転も可能となる。
【0023】図2(B)は、ポンプ効率(Ep)と流量
(Q)の関係を示し、図2(C)は必要NPSH(有効
吸い込みヘッド)と流量(Q)の関係を示す。図2
(B)に示すように、実線で示す本発明の実施例の場合
には、ポンプ効率(Ep)曲線の丸みが点線で示す従来
例と比較して大きくなり、特に大流量(Q)時の効率改
善が著しい。即ち大流量(Q)時にポンプの運転効率が
著しく改善され、省エネルギー運転が実現されている。
又、図2(C)に示すように、高比速度ポンプの必要N
PSHの値は、従来は定格流量の前後で増大する。これ
に対して、本発明の一実施例の場合にはNPSH最小値
を与える流量が回転数と共に移動するため、定格流量前
後の必要NPSHの増大の割合が少なく、ポンプの据付
上、あるいは運転上有利となる。
【0024】次に、本発明の第2実施例の比較的小流
量、高揚程に使用される汎用の低比速度ポンプ装置につ
いて、添付図3乃至図6を参照しながら説明する。図3
は、汎用の低比速度キャンドモータポンプの構造を示
し、図4はその運転制御装置の制御系を示し、図5は電
動機の固定子巻線の温度を検出するサーマルプロテクタ
を装着した状態を示す。図6は、汎用の低比速度ポンプ
の揚程(H・Q)曲線等を示す説明図であり、(A)は
従来例の電源周波数一定の運転特性を示し、(B)は本
発明の一実施例のポンプの運転特性を示す。
【0025】図3に、その構造の詳細を示す本実施例の
ポンプは、小流量、高揚程の低比速度小型汎用ポンプで
ある。このポンプは自液潤滑型のポンプであり、ポンプ
が圧送する液体自体でポンプの軸受部分を潤滑し、且つ
電動機の固定子及び回転子を冷却するものであり、特に
本発明の運転制御装置に好適なタイプのポンプである。
【0026】このポンプは、吸込口21と吐出口22と
が主軸17に対して同軸上に対向して配置されるインラ
インポンプである。主軸17には、回転子18及び羽根
車23が固定され、ラジアル軸受27,28及びスラス
ト軸受29により支持されている。電動機の固定子巻線
19は、キャン24内に密閉され、ケーブル30により
給電される。吸込口21から吸い込まれた液体は、羽根
車23によって昇圧され、羽根車23から圧送された液
体は、電動機の周囲に構成された環状流路25を通過
し、電動機固定子の巻線19を冷却した後、吐出口22
から吐き出される。圧送された液体の一部は、電動機の
回転子室26に導かれて、電動機の回転子18を冷却す
るとともに、滑り軸受であるラジアル軸受27,28、
スラスト軸受29を潤滑する。
【0027】このように構成されたポンプでは、軸受摺
動熱が自液で冷却されるため電動機の固定子巻線19の
温度に影響を与えない。同じく、回転子18と固定子1
9の間隙には、液体の流れがあるため、回転子18で発
生した熱が固定子巻線19の温度に影響を与えることが
ない。従って、固定子巻線19の温度は、固定子巻線自
身が発生する熱、即ち電動機の電流値によってのみ決定
される。それ故、電動機の固定子巻線19に一定の電流
が流れるように制御されるならば、いかなる回転数であ
っても、固定子巻線19の温度は一定となる。
【0028】本実施例のポンプにおいては、固定子巻線
19の温度を検出するサーマルプロテクタ31が備えら
れており、サーマルプロテクタ用のケーブルは電源用と
は別に電動機から取り出され、図4の制御系に示すよう
に電流設定器9に直接又は間接的に制御回路を介して接
続される。本実施例においては、図5に示すように巻線
に2種類のサーマルプロテクタT,Tを埋め込む。
サーマルプロテクタ31は、バイメタルからなり、例え
ばB接点を構成する。つまり、ある温度以下ではONで
あり、ある温度以上ではOFFとなる。2種類のサーマ
ルプロテクタT,Tの相違点は動作温度であり、例
えば、サーマルプロテクタTは120℃動作、サーマ
ルプロテクタTは140℃動作とする。
【0029】サーマルプロテクタTがOFFになった
場合、電流設定器9にはあらかじめ設定された電流値I
をIに変更するように回路構成されている。即ち、
サーマルプロテクタTがONの場合には、設定電流値
を選択し、TがOFFの場合は、電流設定値I
を選択するように設定されている。但し、一旦サーマル
プロテクタTがOFFになった場合巻線温度が低下し
て、TがONになっても、電流設定値Iを選択した
まま保持するようにしておく。ここで設定電流値I
は、設定電流値Iよりも小さな値に設定する。
【0030】このように電動機の固定子巻線温度を検出
する手段を備え、巻線温度が所定の値を越えた場合に
は、設定電流値が下げられるので、電動機の固定子巻線
温度は低下する方向に推移する。電動機は、図4に示す
制御系によって、設定電流値Iが一定となるようにポン
プの回転数を変化させる。従って電動機の固定子巻線温
度を検出し、該巻線温度が一定値以下に保たれるように
電動機の電流値を変化させることにより、本実施例のポ
ンプではその巻線の許容される温度一杯に電動機の電流
容量をフルに使いきることができる。即ち、ポンプを通
過する液体の温度に応じて一定の電流値が変化するの
で、液体の温度に対応した許容できる巻線の温度上昇範
囲まで、電動機の電流容量をフルに使いきることが可能
となる。
【0031】尚サーマルプロテクタTが作動し、電流
設定値がIからIに下げられても尚巻線温度は上昇
し、サーマルプロテクタTが作動するような事態が発
生した場合には、即時電源を遮断する。このような場合
には、電流設定値I及びIに問題があるので設定値
を変更し直す必要がある。
【0032】図6(A)は、従来例の電源周波数Fを一
定とした場合のポンプの運転特性である。汎用の低流量
高揚程の低比速度ポンプでは、一般に閉め切り(低流
量)側の出力Lpが低く、大流量側に向かって出力Lp
が増大する。このため、電流値Iは閉め切り側で低下
し、図中の斜線部分Xは電動機の能力が余っている部分
となる。このため、揚程(H・Q)曲線は図示するよう
な流量Qの増大とともに緩やかに低下するいわゆる”寝
た”曲線となる。
【0033】従来例(A)に示すような揚程(H・Q)
曲線が寝ている場合には、揚程(水位)Hが変動すると
吐出流量Qが大きく変化することになる。極端な場合に
は、揚程Hが変動し閉め切り状態の揚程Hを越えた場
合には、揚水が不能となってしまう。小型汎用ポンプの
場合には、使用場所及び使用状態は千差万別であり、揚
程Hが大きく変動する場合がある。このように従来例
(A)の場合には、揚程(H・Q)曲線が寝ているた
め、大変使い勝手の悪いものであった。
【0034】図6(B)に本実施例の運転特性を示す。
即ち、電動機電流Iをポンプの運転揚程に関わらず一定
値となるようにポンプの回転数を変化させた場合であ
り、図示するように流量Qの如何に関わらず、電流値I
MAXが一定となる。この制御系を図4に示す。ポンプ
1は、図3に示す自液潤滑型の小型低比速度水中ポンプ
である。ポンプ1は、電動機2を内蔵して該電動機2に
給電する周波数・電圧変換装置(静止形インバータ)3
により駆動される。ここで静止形インバータ3もポンプ
1に内蔵するようにしてもよい。静止形インバータ3
は、一次側の交流商用電源から二次側に周波数F及び電
圧Vを変換するもので、二次側の周波数Fと電圧Vの関
係V/Fをあらかじめ一意的に決定しておく。尚、周波
数Fと電圧Vの関係V/Fが一意的であるということ
は、必ずしも完全に直線的な比例関係にする必要はな
く、あらかじめ一定な関係に決定しておけばよいという
ことである。例えば、周波数Fと電圧Vの関係を周波数
Fの減少(増大)比率よりもVの減少(増大)比率を大
きくとることにより、2乗低減特性のような2次曲線と
してもよい。又、周波数Fがゼロで電圧Vが一定の小電
圧であり、周波数Fが大きくなるにつれ、V/Fが直線
関係に斬近するようにしてもよい。従って、周波数信号
発生器10からある周波数Fの信号が与えられると、イ
ンバータ3は電動機2に周波数F及びこれと一意的な関
係の電圧Vを供給するようになっている。更に本実施例
の運転制御装置は、インバータ3の二次側の電流即ち電
動機の電流を検出する電流検出器5と、検出された電流
値を信号値に変換する電流変換器7と、電動機2に供給
する一定の電流値を設定する電流設定器9とを備える。
又、電流変換器7の信号値と電流設定器9の信号値とを
比較する比較器8と、該比較器8の出力信号に応答して
周波数信号を変化させる周波数信号発生器10とを備え
る。
【0035】このような制御の結果、閉め切り側で回転
数Nは上昇し、出力Lpも閉め切り側で上昇する。この
ため、揚程(Q・H)曲線は図示するような”立勝手”
の曲線となる。本実施例(B)のように、揚程(H・
Q)曲線が立ってくると、揚程Hが変動しても、流量Q
の変動幅が小さくなる。即ち、ポンプの揚水水位Hが変
動しても、吐出水量Qの変動を小さく抑えることができ
る。小型汎用ポンプの場合には、前述の様に使用水位等
は千差万別であり、広範囲の揚程Hに対応可能で安定に
揚水できることが必要である。このように本実施例のポ
プ装置では、汎用低比速度ポンプを広範囲の使用状態
に対応可能な、使い易いポンプとして運転することがで
きる。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、特に大流量
(Q)・低揚程(H)の排水ポンプに電動機電流一定制
を適用した場合には、 (1)低揚程(H)時の排水量を大幅に増大し、排水時
間の短縮を図ることができる。 (2)ポンプ効率を改善できるため、省エネルギー運転
に寄与することができる。 (3)流量に対する必要NPSHの変化が少なくなり、
据付上、あるいは運転上有利となる。 (4)結果としてポンプ、電動機の小形化を図ることが
できる。 (5)軸流ポンプの吐出弁を全閉して締切起動・停止が
可能となり、起動・停止時の急激な流量変化を避けるこ
とができる。
【0037】高揚程(H)・低流量(Q)の汎用ポンプ
に本発明を適用した場合には、 (1)低流量(Q)時の、揚程(H)を大幅に増大し、
揚程(H・Q)曲線を立勝手の使い易いものとすること
ができる。即ち、揚程(水位)が変動しても吐出水量の
変動を小さく押さえることのできる、汎用ポンプとして
好適な運転特性が得られる。 (2)小型ポンプの電流容量をフルに利用することが可
能であり、特に自液潤滑型のポンプと組み合わせて使用
する場合には巻線温度から最大(一定)電流値を設定す
ることが可能で、自液潤滑型ポンプではその巻線温度の
許容する範囲内の電流容量をフルに利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の運転制御装置の構成を示
す説明図。
【図2】ポンプの諸特性を示すグラフであり、(A)は
揚程(H・Q)曲線、及び動力(Lp)と流量(Q)の
関係を示し、(B)は効率(Ep)と流量(Q)の関係
を示し、(C)は必要NPSHと流量(Q)の関係を示
す。図において、点線は従来の周波数一定運転を示し、
実線は本発明の第1実施例の電動機の電流を一定値に制
御した場合を示す。
【図3】本発明の第2実施例の自液潤滑型ポンプの断面
図。
【図4】本発明の第2実施例の運転制御装置の構成を示
す説明図。
【図5】電動機巻線にサーマルプロテクタを装着した状
態を示す説明図。
【図6】ポンプの流量Qに対する揚程H、回転数N、電
流値I、出力Lpの特性を示すグラフであり、(A)は
従来例を示し、(B)は本発明の第2実施例を示す。
【符号の説明】
1 ポンプ 2 電動機 3 周波数・電圧変換装置(インバータ) 5 電流検出器 6 周波数検出器 7 電流変換器 8 比較器 9 電流設定器 10 周波数信号発生器 11 周波数制限回路
フロントページの続き (72)発明者 伊勢本 耕司 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株式会社 荏原総合研究所内 (72)発明者 上井 圭太 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株式会社 荏原総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−187593(JP,A) 特開 昭56−112893(JP,A) 特開 平3−32384(JP,A) 特開 平1−136585(JP,A) 米国特許5563490(US,A) 欧州特許出願公開644333(EP,A 2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04D 15/00 F04D 1/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボ型ポンプと、該ポンプを駆動する
    電動機と、該電動機に給電する周波数・電圧変換装置
    (静止形インバーター)とで構成されるポンプユニット
    において、前記ポンプは吸込口と吐出口とを有し、主軸
    が軸受により支持され、吸込口から吸込まれた液体が羽
    根車によって加圧され、吸込口から吸込まれた液体の一
    部を、電動機の固定子と回転子の間の空隙に導き電動機
    を冷却すると共に、前記軸受を潤滑すると共に冷却し、 前記周波数・電圧変換装置の発生する周波数Fと電圧V
    の関係V/Fをあらかじめ一意的に決定しておき、前記
    電動機の電流が前記ポンプの運転揚程にかかわらず一定
    値となるように、前記ポンプの回転数を変化させるよう
    に制御したことを特徴とするポンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記電動機の電流値を検出する手段と、
    前記一定の電流値を設定する電流設定器と、前記電動機
    の電流値と前記電流設定器の電流値とを比較する比較器
    と、前記比較器の出力に応答して前記電動機の電流値を
    一定に保つように前記周波数を変更する周波数信号発生
    器とを具備したことを特徴とする請求項記載のポン
    置。
  3. 【請求項3】 前記周波数信号に上限値を設け、前記電
    動機及び前記ポンプの回転数を所定の値以下に保持する
    機能を更に備えたことを特徴とする請求項記載のポン
    プ装置。
  4. 【請求項4】 前記電動機の固定子巻線温度を検出する
    手段と、該巻線温度が一定値以下に保たれるように、前
    記一定の電流値を変化させる制御手段を更に備えたこと
    を特徴とする請求項乃至記載のポンプ装置。
  5. 【請求項5】 前記電動機は誘導電動機であることを特
    徴とする請求項乃至記載のポンプ装置。
  6. 【請求項6】 前記電動機は同期電動機であることを特
    徴とする請求項乃至記載のポンプ装置。
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