JP5682157B2 - 真空ポンプ用モータ駆動装置およびポンプシステム - Google Patents

真空ポンプ用モータ駆動装置およびポンプシステム Download PDF

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Description

本発明は、ターボ分子ポンプ等の真空ポンプに用いられる真空ポンプ用モータ駆動装置、およびその真空ポンプ用モータ駆動装置を備えたポンプシステムに関する。
ターボ分子ポンプでは回転翼が形成されたロータをモータで回転駆動し、この回転翼を固定翼に対して高速回転させることにより気体分子を排気している。そのようなターボ分子において、モータをPWM(Pulse Width Modulation)制御により回転駆動するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−82370号公報
ところで、従来のターボ分子ポンプでは、インバータ入力電圧がモータ最大負荷に対応した最大電圧値に固定されており、PWM制御によりモータ電流を制御するようにしている。そのため、モータ負荷が軽負荷となった時にPWM信号のデューティ比が極めて小さくなり、モータ電流の高調波成分の割合が大きくなる。その結果、高調波成分による渦電流損の割合が増加し、電力ロスの増大や、ロータ温度の上昇を招くという問題があった。
請求項1の発明は、排気機能部が形成されたロータをモータで回転駆動して排気を行う真空ポンプに用いられる真空ポンプ用モータ駆動装置であって、モータを駆動するインバータと、インバータのインバータ入力電圧として異なる複数の設定電圧を有する直流電圧源と、モータの回転数が所定の目標回転数に維持されるようにPWM信号のデューティ比を設定し、インバータをPWM制御するモータ制御回路と、デューティ比の大きさに応じて直流電圧源の設定電圧を切り換える電圧切換手段と、を備え、電圧切換手段は、第1の設定電圧においてデューティ比が第1の閾値以下の場合には、該第1の設定電圧からより低電圧の第2の設定電圧へ切り換え、第2の設定電圧においてデューティ比が第2の閾値以上の場合には、該第2の設定電圧から第1の設定電圧へ切り換え、第1および第2の閾値は、第2の閾値におけるモータ負荷が第1の閾値におけるモータ負荷よりも大きくなるように設定され、直流電圧源は設定電圧を3以上有し、最も低い設定電圧を除く他の設定電圧における第1の閾値は、互いに等しい値に設定されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の真空ポンプ用モータ駆動装置において、第1の閾値は、モータ電流中の高調波成分が所定比率以下となるように設定されていることを特徴とする
求項の発明によるポンプシステムは、排気機能部が形成されたロータをモータで回転駆動して排気を行う真空ポンプと、請求項1または2に記載の真空ポンプ用モータ駆動装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、モータ電流の高調波成分を低減することができる。
ターボ分子ポンプのポンプユニット1を示す断面図である。 モータ駆動制御部のブロック図である。 インバータ43を示す図である。 励磁シーケンスを説明する図である。 PWM制御時のPWM電圧波形とモータ電流波形とを示す図である。 デューティ比の設定方法を説明する図である。 インバータ入力電圧およびデューティ比の制御を説明するフローチャートである。 モータ駆動開始後のデューティ比、インバータ入力電圧および回転数の時間的変化の一例を示す図である。 モータ負荷とデューティ比との関係を示す図である。 インバータ入力電圧を3段階で切り換える場合の一例を示す図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。ターボ分子ポンプは、ポンプシステムとして、真空排気を行うポンプユニットと、ポンプユニットを駆動制御するコントロールユニット(不図示)とを備えている。図1は、ポンプユニット1の概略構成を示す断面図である。図1に示したターボ分子ポンプは磁気軸受式のポンプであり、ロータ30は、5軸磁気軸受を構成する電磁石37,38によって非接触支持される。磁気軸受によって回転自在に磁気浮上されたロータ30は、モータ36により高速回転駆動される。モータ36には、例えば、DCブラシレスモータが用いられる。ロータ30の回転数は回転数センサ23によって検出される。回転数センサ23には、例えばインダクタンス式のセンサが用いられる。
ロータ30には、排気機能部として、複数段の回転翼32と円筒状のネジロータ31とが形成されている。一方、固定側には、排気機能部として、軸方向に対して回転翼32と交互に配置された複数段の固定翼33と、ネジロータ31の外周側に設けられたネジステータ39が設けられている。各固定翼33は、それぞれ一対のスペーサリング35によって軸方向上下から挟持されるように積層され、ベース20上に載置されている。吸気口フランジ21が形成されたポンプケーシング34をベース20に固定すると、積層されたスペーサリング35がベース20とポンプケーシング34との間に挟持され、各固定翼33が位置決めされる。
ベース20には排気ポート22が設けられ、この排気ポート22にバックポンプが接続される。ロータ30を磁気浮上させつつモータ36により高速回転駆動することにより、吸気口21側の気体分子は排気ポート22側へと排気される。
ポンプユニットに接続されるコントロールユニットには、磁気軸受制御部、モータ36を回転駆動するためのモータ駆動制御部等が備えられている。図2はモータ駆動制御部ブロック図である。外部からのAC200V電源は整流器を含む力率改善回路40に入力される。力率改善回路40から出力された直流電圧はDC/DCコンバータ41により所望の直流電圧に変換される。
DC/DCコンバータ41からインバータ43に入力される直流電圧(以下、インバータ入力電圧と称する)の電圧値は、電圧センサ42により検出される。検出された電圧値はモータ制御回路44に入力される。後述するように、本実施の形態では、DC/DCコンバータ41はインバータ入力電圧に関して複数の設定電圧を備えており、モータ制御回路44からの電圧指令によって、それらの設定電圧を切り換えることができる。
インバータ43には、DC/DCコンバータ41からの直流電圧を3相交流電圧に変換するためのスイッチング素子が複数備えられている。インバータ43に設けられた複数のスイッチング素子のオンオフは、モータ制御回路44からのPWM(Pulse Width Modulation)指令により制御される。電流指令として出力しているPWM信号のデューティ比を変えてモータ電流を変化させることにより、モータ電力の制御を行っている。モータ電流の値は電流センサ45によって検出される。電流センサ45によって検出された電流値、および、回転数センサ23によって検出された回転数は、モータ制御回路44に入力される。
図3は、インバータ43を示す図である。インバータ43には、複数のスイッチング素子Tr1〜Tr6が設けられている。スイッチング素子Tr1〜Tr6には、MOSFETやIGBTなどのパワー半導体素子が用いられる。361はモータ36のモータステータである。回転数センサ23の回転情報に基づいてスイッチング素子Tr1〜Tr6を所定のタイミングでオンオフすることにより、モータステータ361のU,V,W相コイルに電流を供給してモータ36を回転駆動する。
図4は、120度通電でモータ36を駆動する場合の励磁シーケンスを示したものであり、各スイッチング素子Tr1〜Tr6のオンオフタイミング、および、U相電流,V相電流,W相電流を示したものである。丸で囲った1〜12の数字はステップ順を示している。スイッチング素子Tr1〜Tr6は、High信号でオンされ、Low信号でオフされる。例えば、ステップ1では、図3のスイッチング素子Tr1およびTr5がオンされ、U相コイルに正方向の電流が流れ、V相コイルに負方向の電流が流れる。続くステップ2では、スイッチング素子Tr1およびTr6がオンされ、U相コイルに正方向の電流が流れ、W相コイルには負方向の電流が流れる。
図4に示すような手順でスイッチング素子Tr1〜Tr6をオンオフすることにより、モータステータ361に回転磁界が形成され、その回転磁界によってモータロータが回転駆動される。モータロータの回転速度(すなわち回転数)は、スイッチングの周期を変えることにより可変とされる。また、図4に示すHigh信号の区間におけるPWM信号のデューティ比を変えることによって、モータ電流の制御、すなわちモータ電力の制御が行われる。デューティ比を大きくするとモータ電流は大きくなり、逆に、デューティ比を小さくするとモータ電流が小さくなる。
上述のように、モータ回転速度(すなわち回転数)は図4に示すスイッチングの周期によって決まり、スイッチング周期を短くすれば回転速度は速くなり、逆に、スイッチング周期を長くすれば回転速度は遅くなる。しかし、ガス負荷等が加わってモータ負荷が増大した場合、そのときのモータ電力が小さいとスイッチング周期で決まる回転数を維持できなくなって、モータの回転数が減少する。
一般に、ターボ分子ポンプを使用する場合には、モータ回転が一定の目標回転数(通常は定格回転数)とされ、その目標回転数に維持できる程度の電力で回転駆動されている。そのため、ガス流入量ゼロの状態からガス流入が開始されてモータ負荷が増加した場合には、モータ電流を増加させてモータ回転数を定格回転数に維持するようにしている。すなわち、デューティ比を制御して定格回転数が維持されるようにしている。ガス流入が停止されて再び無負荷状態となると、モータ電力が大きいままだと回転数が上昇傾向となるので、回転数が一定に維持されるようにデューティ比を変化させる制御が働き、再びデューティ比は低下する。
従来のターボ分子ポンプではインバータ入力電圧が一定値に固定されているため、上述したモータ電力の調整はPWM信号のデューティ比を変化させることで行っている。図5はPWM制御を行った場合のモータ電圧波形(PWM電圧波形)とモータ電流波形とを示したものである。図5(a),(b)はガス流量がゼロの無負荷定格回転(低負荷)の場合を示し、図5(c),(d)はモータ負荷が高負荷の場合を示す。高負荷の場合、モータ電流を大きくするようにデューティ比Dが大きな値に設定され、そのときのPWM電圧波形は図5(c)に示すようになる。図5(c)に示す例では、デューティ比DはD2=Δt2/Δtとなっている。図5(d)は、図5(c)に示すPWM電圧波形の場合のモータ電流波形を示す。
一方、無負荷定格回転時には、回転を維持するために必要なモータ電力は非常に小さくて済む。従来のターボ分子ポンプにおいては、インバータ入力電圧はモータの最大負荷に合わせた電圧に設定されている。そのため、無負荷定格回転時のデューティ比Dは、図5(a)に示すように小さな値D1(=Δt1/Δt)となる。その結果、高調波でない成分に対する高調波成分の比率が大きくなって鉄損(渦電流損)が割合的に多くなり、ロータ温度上昇などに起因する無駄な電流が流れることが問題である。
そこで、本実施の形態では、DC/DCコンバータ41の出力電圧、すなわちインバータ入力電圧を高電圧VHだけでなく、より低い低電圧VLにも調整できるように構成した。すなわち、電圧を高電圧VHと低電圧VLとの間で任意に設定できるようにした。そして、モータ制御回路44からの電圧指令により、高負荷時にはインバータ入力電圧を高電圧VHとし、低負荷時にはインバータ入力電圧を低電圧VLに変更するようにした。なお、高電圧VHと低電圧VLとの間で電圧を変更する場合には、過電流が流れないように徐々に電圧を変更するようにした。
図6は、本実施の形態におけるデューティ比の設定方法を説明する図である。図6(a),(b)は高負荷時、例えばガス負荷が大きい場合におけるPWM電圧波形とモータ電流波形とを示したものである。一方、図6(c),(d)は低負荷時、例えばガス負荷が比較的小さい場合や無負荷時におけるPWM電圧波形とモータ電流波形とを示したものである。ここでは、無負荷定格回転時における状況を示した。
高電圧VHは、従来のターボ分子ポンプにおけるインバータ入力電圧と同程度に設定される。そのため、図6(a)に示すように、高負荷時におけるデューティ比Dは図5(c)に示す場合のデューティ比D2の場合と同様に大きくなる。
一方、低電圧VLは、無負荷定格回転時におけるデューティ比Dが、図5(a)に示す従来の無負荷定格回転時におけるデューティ比D1よりも大きくなるように設定されている。図5(a),(b)に示す状態から図6(c),(d)に示す状態に切り換える場合、低電圧VLとなった場合のデューティ比D3(=Δt3/Δt)は、モータに供給される電力がインバータ入力電圧の設定切換前後でほぼ等しくなるように、すなわち図5(a),(b)の場合の電力と図6(c),(d)に示す場合の電力とがほぼ等しくなるように設定される。言い換えると、無負荷時には、インバータ入力電圧が低電圧VLの場合にはデューティ比D1で定格回転数N0に維持され、インバータ入力電圧が高電圧VHの場合にはデューティ比D3で定格回転数N0に維持される。
電圧切り換え後はインバータ入力電圧が低くなるので、デューティ比D3(=Δt3/ΔT)はデューティ比D1よりも大きな値となる。そのため、図6(d)に示すようにモータ電流波形の立ち上がりが緩やかになり、モータ電流に含まれる高調波成分が小さくなる。電圧切換前後の電力がほぼ同一となるように切り換えているので、切り換え後のデューティ比D3の大きさは低電圧VLの値によって決まってくる。そのため、低電圧VLは、デューティ比D3が高調波成分の影響が問題とならないような値となるように設定されている。
図7は、本実施の形態におけるインバータ入力電圧およびデューティ比の制御を説明するフローチャートである。図7に示す制御は、ロータ30が磁気浮上され、モータ回転指令がモータ制御回路44に入力されるとスタートする。ステップS110では、インバータ入力電圧Vを高電圧VHに設定し、モータ駆動を開始する。
ステップS110の処理によりモータ駆動を開始したならばステップS120に進み、モータ回転数を定格回転数N0まで上昇させる加速制御が開始される。すなわち、回転数センサ23により検出された回転数に基づいて、モータ回転数が目標回転数である定格回転数N0となるように、検出された回転数をフィードバックしてPWM信号のデューティ比Dを設定する。
例えば、定格回転数N0と検出回転数Nとの差分(=N0−N)が所定値ΔN以上の場合にはデューティ比を増加させ、差分が−ΔN以下であった場合にはデューティ比を減少させる。そして、|差分|<ΔNの場合、すなわち定格回転数範囲内となった場合にはデューティ比を変化させず維持させるようにする。また、ステップS110の初期値D0を1とし、デューティ比D=1で加速を開始し、回転数Nが予め定めた回転数N1(<N0)よりも大きくなったならば、上述のように差分に応じてデューティ比制御を行うようにしても良い。
図8は、モータ駆動開始後のデューティ比D、インバータ入力電圧および回転数の時間的変化の一例を示したものである。時刻t1にモータの回転駆動を開始すると、デューティ比Dは初期値D0から徐々に増加する。図8に示す例では時刻t2の時点でD=1となる。その後、回転数Nが定格回転数N0に近付くとデューティ比Dは減少しはじめ、最終的には無負荷定格回転を維持できる値(ここではD1)まで減少する。デューティ比D1においてはモータ負荷とモータ供給電力とが釣り合って回転数(=定格回転数N0)が一定となる。図8に示す例では、デューティ比DがD1となった後に回転数Nが定格回転数N0に達しているが、デューティ比Dの制御の仕方によっては、いったん定格回転数N0を越えた後に減少してN=N0となる場合もある。
図7のステップS130では、回転数センサ23により検出された回転数Nが定格回転数N0となったか否かを判定し、定格回転数N0と判定されるとステップS140へ進んで加速制御を停止する。続くステップS150では、回転数Nが定格回転数N0に維持されるようなデューティ比制御(速度フィードバック制御)を開始する。すなわち、検出される回転数Nが定格回転数N0よりも低下したならばデューティ比Dを増加させ、逆に、回転数Nが定格回転数N0よりも大きくなった場合にはデューティ比Dを減少させる。
ステップS160では、デューティ比Dが所定の値D4以下であるか否かを判定する。ここで、デューティ比D4はインバータ入力電圧を高電圧VHから低電圧VLへと切り替える閾値であって、モータ電流の高調波成分が問題となり始めるデューティ比D1よりもやや大きめに設定される。ステップS160においてデューティ比DがD4以下と判定されるとステップS170へ進み、インバータ入力電圧を高電圧VHから低電圧VLに切り替える動作を開始する。
なお、インバータ入力電圧が変化すると電流値が変化して回転数が変化するが、上述したように、回転数Nが定格回転数N0に維持されるような速度フィードバック制御が行われているので、回転数を元に戻すようにデューティ比Dが変更される。そのため、ステップS170における高電圧VHから低電圧VLへの切り替えは、回転数の変化にデューティ比Dの変化が追従できる程度に徐々に変化させる。
図8に示す例では、ステップS130で回転数が定格回転数N0であると判定された時点では、既にデューティ比DはD1であってD4よりも小さくなっているので、ステップS160でD≦D4と判定されてインバータ入力電圧が低電圧VLに切り替えられる。切り替え前のPWM電圧波形およびモータ電流波形は図5(a),(b)に示す状態であるが、インバータ入力電圧が最終的に低電圧VLになると、図6(c),(d)に示すような状態となる。その結果、モータ電流波形の立ち上がりは緩やかになり、モータ電流中の高調波成分の比率が減少する。なお、図8においては、時刻t3においてデューティ比DがD1からD3へ変化するように記載されているが、実際には上述したように徐々に変化する。後述する、時刻t6,t8における切替の場合も同様である。
図7のステップS180では、デューティ比Dが値D5(D3<D5≦1)以上となったか否かを判定し、D≧D5と判定されるとステップS190へ進む。ステップS190では、インバータ入力電圧を低電圧VLから高電圧VHへと切り替える。この場合も、ステップS170の場合と同様に、インバータ入力電圧を徐々に変化させる。ステップS190の処理が終了したら、ステップS160へ戻る。
図8では、時刻t3から時刻t4まではガス負荷=0であって無負荷定格回転状態なので、定格回転数N0に保つためにデューティ比DはD3のまま一定に保持される。そして、時刻t4においてガス流入量の比較的小さい低ガス負荷状態となると、その直後は回転数Nが低下するが、ステップS150の処理によって、回転数Nを定格回転数N0に維持するようにデューティ比Dが変更される。すなわち、図8に示すように、時刻t4直後にデューティ比Dが増加し、回転数Nが定格回転数N0になるとデューティ比Dは一定となる。
さらに、時刻t5においてガス流入量が増えて高ガス負荷状態となると、再び回転数Nが定格回転数N0に維持されるようにデューティ比Dを増加させる。その後、時刻t6にデューティ比DがD≧D5となると、図7のステップS190の処理によってインバータ入力電圧が低電圧VLから高電圧VHに切り替えられる。インバータ入力電圧切り替え後も、回転数Nが定格回転数N0となるようにデューティ比Dを増加させ、回転数Nが定格回転数N0となったところでデューティ比は一定とされる。
その後、図8の時刻t7においてガス流入が停止されて無負荷状態となると、回転数Nが定格回転数N0に維持されるようにデューティ比Dを減少させる。デューティ比Dが減少して時刻t8にD≦D4となると、図7のステップS170の処理によりインバータ入力電圧が高電圧VHから低電圧VLに切り換えられる。切り替え後のデューティ比Dは上述したD3よりも大きくなるが、その後も回転数Nが定格回転数N0となるようにデューティ比Dの減少が継続され、無負荷定格回転N0におけるデューティ比D3となったところで、デューティ比Dは一定となる。
図9(a)は、図7,8で説明した電圧切り替えの場合の、モータ負荷とデューティ比Dとの関係を示す図である。横軸はモータ負荷であり、無負荷と記した位置はガス負荷がゼロとなる所である。ラインL1はインバータ入力電圧が高電圧VHの場合を示し、ラインL2はインバータ入力電圧が低電圧VLの場合を示す。無負荷状態(無負荷定格回転状態)では、ラインL1の場合にはデューティ比D1となり、ラインL2の場合にはデューティ比D3となる。
インバータ入力電圧を高電圧VHから低電圧VLへと切り換える場合には、デューティ比DがD4以下となった時点で切り替わり、インバータ入力電圧を低電圧VLから高電圧VHへと切り換える場合には、デューティ比DがD5以上となった時点で切り替わる。すなわち、モータ負荷が減少する場合と上昇する場合とでは切換時のモータ負荷が異なっている。そのため、切り替わり点の近辺でモータ負荷が変動するようなことがあっても、高電圧VHと低電圧VLとの間で頻繁に切り替わるという不都合を避けることができる。
図9(a)に示す例では、上述したようにモータ電流の高調波成分が問題となるデューティ比D1よりもやや大きなデューティ比D4において、インバータ入力電圧を高電圧VHから低電圧VLへと切り換えてデューティ比Dを大きくするようにした。一方、図9(b)に示す例では、モータ負荷を高負荷と低負荷とに区分し、モータ負荷がその境界を越えたときにインバータ入力電圧を切り換えるようにした。その境界におけるデューティ比Dは、ラインL1の場合にはD6となり、ラインL2の場合にはD7となる。D6はD3よりも大きいので、高負荷、低負荷にかかわらず、デューティ比DはD3以上となり、モータ電流の高調波成分の発生をより低減することができる。図9(b)の場合も、図9(a)に示すように切り換えの方向によってモータ負荷が異なる、いわゆるヒステリシスを設けるようにしても良い。
上述した例では、インバータ入力電圧を高電圧VHと低電圧VLとの間で切り換える場合について説明したが、3種類の以上の設定電圧を設けて3段階以上で切り換える場合にも同様に適用することができる。図10に、インバータ入力電圧をV1,V2,V3の三種類に区分して、3段階で切り換える場合の一例を示した。ラインL11は高電圧V1の場合を、ラインL12は中電圧V2の場合を、ラインL13は低電圧V3の場合をそれぞれ示す。
ここでは、低負荷、中負荷および高負荷の区分は、電圧V1,V2,V3におけるデューティ比Dが等しい値D8となるように設定した。高電圧V1から中電圧V2へ切り換えるとデューティ比DはD8からD9へと大きくなり、中電圧V2から低電圧V3へ切り換えるとデューティ比DはD8からD10へと大きくなる。この例の場合には、デューティ比Dは、モータ電流の高調波成分が問題となるデューティ比D1よりも十分に大きなD8以上に設定されることになる。
上述したように、排気機能部としての回転翼32およびネジロータ31が形成されたロータ30をモータ36で回転駆動して排気を行う真空ポンプ(ターボ分子ポンプ)に用いられる真空ポンプ用モータ駆動装置において、モータ36を駆動するインバータ43と、インバータ43のインバータ入力電圧として異なる複数の設定電圧を有するDC/DCコンバータ41と、モータ負荷情報に応じてDC/DCコンバータ41の設定電圧を切り換える電圧切換手段としてのモータ制御回路44とを備え、モータ制御回路44は、モータ36の回転数が所定の目標回転数に維持されるようにPWM信号のデューティ比を設定し、インバータ43をPWM制御するようにした。モータ負荷情報としては、インバータ入力電圧とデューティ比Dとの組み合わせ、または、インバータ入力電圧と電流センサ42とにより検出されるモータ電量との組み合わせがある。これらの情報から、モータ負荷を推定することができる。また、ターボ分子ポンプが装着された真空装置側のコントローラからガス負荷情報がターボ分子ポンプのコントローラに入力されるような構成であった場合、入力されたガス負荷情報をモータ負荷情報として用いるようにしても良い。
その結果、モータ負荷に合わせてインバータ入力電圧を低くすることができる。そのため、モータ電流の高調波成分が低減し、渦電流損を低減することができ、省電力化やロータ発熱の低減が可能となる。また、モータの電磁力起因の振動発生およびノイズ発生を低減することができる。なお、設定電圧を切り換えた際に、切換前後でモータ電力がほぼ等しくなるようにデューティ比を設定するようにしたので、切換後の回転数の変化をほぼ防止することができる。
なお、設定電圧(すなわちインバータ入力電圧)を切り換えた際に、切換前後でモータ電力がほぼ等しくなるようにデューティ比を設定することにより、切り換え後に回転数が変化するのを防止することができる。
また、図10の高負荷、中負荷および低負荷で示す領域のように、複数の設定電圧V1,V2,V3はそれぞれ異なるモータ負荷領域に対応付けられて設けられ、かつ、高負荷側のモータ負荷領域ほどより大きな設定電圧が対応付けられている。そして、高負荷の領域と低負荷側に隣接する中負荷の領域との境界負荷値に関して、モータ負荷が境界負荷値よりも大きい場合には高負荷の領域に対応付けられたインバータ入力電圧V1に切り換え、モータ負荷が境界負荷値よりも小さい場合には中負荷の領域に対応付けられたインバータ入力電圧V2に切り換えるようにした。
その結果、負荷が低下してデューティ比Dが低下して閾値であるD8を下回るような負荷状況においても、インバータ入力電圧をV1からV2に切り換えることによりデューティ比DをD8よりも大きく維持することができ、モータ電流の高調波成分の増加という問題を防止することができる。
また、図9に示すように、モータ負荷情報としてのデューティ比Dが所定値D4以下と判定された場合に、設定電圧を電圧値VHからより低い電圧値VLに切り換えるようにしても良い。
なお、上述した図7の説明では、デューティ比Dが閾値D4以下となったときにインバータ入力電圧を切り換えるようにしたが、指令値であるデューティ比Dに代えて、PWM制御の結果としてのモータ電流値を用いて制御する用にしても良い。すなわち、検出されるモータ電流値が電流閾値以下となった場合には、インバータ入力電圧をVHからVLへ切り換える。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
例えば、磁気浮上式のターボ分子ポンプを例に説明したが、もちろん磁気浮上式でないターボ分子ポンプにも適用可能である。また、上述のターボ分子ポンプでは回転数センサ23によりモータ回転数を検出するようにしているが、本発明はセンサレスのターボ分子ポンプにも適用できる。さらには、ロータを高速回転するモータをPWM制御する真空ポンプであれば、ターボ分子ポンプ以外の真空ポンプにも適用することができる。
1:ポンプユニット、23:回転数センサ、30:ロータ、31:ネジロータ、32:回転翼、33:固定翼、36:モータ、39:ネジステータ、41:DC/DCコンバータ、42:電圧センサ、43:インバータ、44:モータ制御回路、Tr1〜Tr6:スイッチング素子

Claims (3)

  1. 排気機能部が形成されたロータをモータで回転駆動して排気を行う真空ポンプに用いられる真空ポンプ用モータ駆動装置であって、
    前記モータを駆動するインバータと、
    前記インバータのインバータ入力電圧として異なる複数の設定電圧を有する直流電圧源と、
    前記モータの回転数が所定の目標回転数に維持されるようにPWM信号のデューティ比を設定し、前記インバータをPWM制御するモータ制御回路と、
    前記デューティ比の大きさに応じて前記直流電圧源の設定電圧を切り換える電圧切換手段と、を備え、
    前記電圧切換手段は、
    第1の設定電圧において前記デューティ比が第1の閾値以下の場合には、該第1の設定電圧からより低電圧の第2の設定電圧へ切り換え、
    前記第2の設定電圧において前記デューティ比が第2の閾値以上の場合には、該第2の設定電圧から前記第1の設定電圧へ切り換え、
    前記第1および第2の閾値は、前記第2の閾値におけるモータ負荷が前記第1の閾値におけるモータ負荷よりも大きくなるように設定され
    前記直流電圧源は前記設定電圧を3以上有し、
    最も低い設定電圧を除く他の設定電圧における前記第1の閾値は、互いに等しい値に設定されていることを特徴とする真空ポンプ用モータ駆動装置。
  2. 請求項1に記載の真空ポンプ用モータ駆動装置において、
    前記第1の閾値は、モータ電流中の高調波成分が所定比率以下となるように設定されていることを特徴とする真空ポンプ用モータ駆動装置。
  3. 排気機能部が形成されたロータをモータで回転駆動して排気を行う真空ポンプと、
    請求項1または2に記載の真空ポンプ用モータ駆動装置と、を備えるポンプシステム。
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