JP4676291B2 - 衣類乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、衣類を収容した乾燥室内に加熱した空気を送給して衣類から水分を奪って乾燥させる衣類乾燥機や、洗濯機に衣類乾燥の機能を設けた洗濯乾燥機に適用するヒートポンプ方式の衣類乾燥装置に関するものである。
衣類乾燥機や洗濯乾燥機の乾燥機能に適用される加熱空気の生成手段としてヒータにより空気を加熱するヒータ加熱方式のものが多く採用されている。ヒータ加熱方式は構造が簡単で小型化が可能であるものの除湿手段を設ける必要があることや消費電力が大きくなることなどの課題があった。この課題を解決すべくヒートポンプ方式の乾燥機能を衣類乾燥機や洗濯乾燥機に適用したものが知られている。
ヒートポンプ方式の衣類乾燥装置は、ヒートポンプの放熱器によって加熱された加熱空気を衣類を収容した乾燥室に送給し、衣類から水分を奪った吸湿空気をヒートポンプの吸熱器に戻し、除湿した空気を再び放熱器によって加熱して乾燥室に送風する空気循環路を構成している。
しかし、空気循環路内の空気をそのまま循環させると、空気全体が持つ熱量が増加するのに伴ってヒートポンプサイクル内の冷媒が持つ熱量も増加し、冷媒の温度及び圧力が高くなると、やがて冷媒を圧縮する圧縮機に過負荷がかかり、ヒートポンプを安全な状態に安定させることができなくなる。そこで、放熱器から回転ドラムに至る空気循環路に排気口を設け、この排気口から放熱器で加熱された加熱空気の一部を排出し、空気循環路の外へ放熱するように構成された衣類乾燥機が知られている(特許文献1参照)。
上記従来技術では、放熱器で加熱した加熱空気の一部を衣類の乾燥に用いる以前に排気口から排出させているため、エネルギーロスが大きい問題がある。これを解決すべくヒートポンプの安定を図った衣類乾燥装置を洗濯乾燥機に適用した構成が提案されている(特許文献2参照)。この洗濯乾燥機においては、空気循環路内の空気を回転ドラムを収容した水槽内の水を排水する排水管路から外部に排出する構造が設けられ、洗濯乾燥機の乾燥工程において、冷媒の温度が所定温度以上に上昇したとき、排水弁を開いて水槽内から加熱空気の一部を排水管路から外部に排出する。この排水弁を開くことにより吸気口から外気が空気循環路に導入され、この排気と吸気とにより冷媒の温度を低下させることができるので、排水弁の開閉を冷媒温度の上昇に応じて制御することにより、ヒートポンプが最適状態で運転される。
特開平07−178289号公報 特開2005−358029号公報
しかしながら、上記従来技術では排水管路をヒートポンプの温度過昇分の熱を放出する排気口に流用しているため、本来水槽内に貯水された水の排水口から空気を排気する経路を別途設け、洗濯工程時に排気経路から貯留した水が流出しないようにする構造を設ける必要がある。
また、回転ドラムを収容した水槽は衣類乾燥機の乾燥室に相当し、その水槽の下部に設けられた排水口から排気しているので、衣類の乾燥に用いる加熱空気の一部を排出することになり、エネルギーロスが生じることになる。
また、衣類の乾燥が進行するのに伴って発生量が増加するリントを捕捉するためのリントフィルタが空気循環路に設けられるが、それに目詰まりが生じたとき、空気循環路に流れる空気の風量が低下し、冷媒の温度及び圧力の過昇に伴う圧縮機の過負荷状態からヒートポンプの安定した運転が損なわれる恐れがある。
本発明が目的とするところは、ヒートポンプを安定した状態に運転することにより、乾燥時間の短縮及び省エネルギーを図った衣類乾燥装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒の熱を空気中に放熱する放熱器と、高圧の冷媒の圧力を減圧する絞り手段と、減圧された冷媒により空気中の熱を奪う吸熱器とを備え、圧縮機から放熱器、絞り手段、吸熱器を経て圧縮機に戻る冷媒循環管路を形成してヒートポンプが構成され、前記放熱器によって加熱された加熱空気を衣類を収容した乾燥室内に送風し、衣類から水分を奪った吸湿空気を乾燥室外に引き出して吸熱器に導き、吸熱器によって除湿された空気を再び放熱器に導入する空気循環路が構成されてなる衣類乾燥装置において、前記空気循環路の乾燥室から吸熱器に至る空気流路に、循環空気中に含まれたリントを捕捉するリントフィルタと、前記リントフィルタの送風方向下流側に空気循環路内に外気を導入する空気導入口と、前記乾燥室より下流側で且つ前記リントフィルタより上流側に設けられ循環空気の一部を排気する空気排出口とが設けられてなることを特徴とする。
上記構成によれば、乾燥室を通過した後の循環空気を空気排出口から外部に排出することができるので、衣類乾燥に必要な熱エネルギーを無駄に放出することなく、効率よく衣類を乾燥させることができる。また、リントフィルタに目詰まりが生じて送風空気の風量が低下した場合でも、外気導入口から吸入する外気の流量を安定して確保することができ、吸入した外気の流量分だけ空気排出口から循環空気の一部を排出し、空気循環路の外に放熱するので、冷媒の温度及び圧力の過昇による圧縮機の過負荷を抑え、ヒートポンプを安全な状態に安定運転することができる。また、空気排出口は、乾燥室より下流側で且つリントフィルタより上流側に設けることにより、リントフィルタに目詰まりが生じて送風風量が低下した場合でも、空気排出口からの排気量を安定して確保することができる。
上記構成において、空気導入口から空気循環路に導入した外気中の塵埃を捕捉する吸気フィルタを空気循環路の吸熱器より上流側に設けることにより、外気導入口から吸入した外気に含まれた塵埃が吸熱器に侵入することが防止でき、ヒートポンプの性能劣化を未然に防ぐことができる
た、空気排出口から排気される空気中からリントを捕捉する排気フィルタを設けることにより、空気排出口から外部にリントが放出されることが防止される。
また、リントフィルタ、吸気フィルタ及び排気フィルタを一体化したフィルタユニットに形成し、このフィルタユニットは空気循環路から着脱可能に配設することにより、各フィルタを個別に取り出して清掃する手間がなく、1つのフィルタユニットを取り出して清掃すればよく、メンテナンス性を向上させることができる。
また、リントフィルタを通過した空気と、空気導入口から流入した外気との流れを分ける仕切り板を設けることにより、空気循環路の空気の流れが空気導入口から流入する空気の流れを妨げることがなく、外気導入に障害を与えない。
また、空気循環路中の空気を送風する送風ファンは、吸気フィルタより下流側で且つ吸熱器の上流側に設けるのが好適で、空気導入口を負圧が大きくなる位置に設けることができ、充分な量の外気導入がなされる。
また、空気導入口に外気を導く吸気ダクトを設けることにより、筐体の外の温度の低い外気を空気導入口から導入することができ、送風空気温度の過昇を抑制するのに効果的である。
また、空気導入口に外気の導入量を調整する吸気弁を設けることにより、装置の周囲温度が低く空気循環路からの自然放熱量が大きいような場合には、空気導入量を減少させて空気排出口からの放熱量を抑えることができ、逆に装置の周囲温度が高く空気循環路からの自然放熱量が小さいような場合には、空気導入量を増加させて空気排出口からの放熱量を大きくする調整を吸気弁によって行うことができ、空気循環路からの放熱量を常に適正に維持することができる。
また、空気排出口に空気の排気量を調整する排気弁を設けることにより、装置の周囲温度が低く空気循環路からの自然放熱量が大きいような場合には、空気排出量を減少させて空気排出口からの放熱量を抑えることができ、逆に装置の周囲温度が高く空気循環路からの自然放熱量が小さいような場合には、空気排出量を増加させて空気排出口からの放熱量を大きくする調整を排気弁によって行うことができ、空気循環路からの放熱量を常に適正に維持することができる。
本発明によれば、ヒートポンプの加熱器により加熱された加熱空気を乾燥室に送給し、乾燥室から排出された吸湿空気をヒートポンプに戻して吸熱器によって除湿して再び加熱器に送る空気循環路を形成するとき、空気循環路に蓄積される熱量が増加して冷媒の温度及び圧力が異常上昇した場合に、空気循環路の空気を排出すると共に外気を導入することができるので、冷媒の温度及び圧力が過昇になることが抑えられ、圧縮機が過負荷状態になることが防止される。従って、ヒートポンプの安定した運転により乾燥能力が高く、省エネルギーを実現する衣類乾燥装置を提供することができる。また、空気排出口は、乾燥室より下流側で且つリントフィルタより上流側に設けることにより、リントフィルタに目詰まりが生じて送風風量が低下した場合でも、空気排出口からの排気量を安定して確保することができる。
本発明に係る衣類乾燥装置を適用したドラム式洗濯乾燥機の構成を示す断面図。 同上装置における乾燥機能の構成を示す模式図。 フィルタユニットの構成を示す斜視図。
本実施形態は、本発明に係る衣類乾燥装置を洗濯機に適用したドラム式洗濯乾燥機について示すものである。図1は、実施形態に係るドラム式洗濯乾燥機1の構成を乾燥機能の構成を重点的にして示している。
図1において、回転ドラム5を内包する水槽3の背面にはドラム駆動モータ4が取り付けられ、水槽3に設けられた軸受16によって軸支された回転ドラム5の回転軸17を前記ドラム駆動モータ4により回転駆動するようにして水槽ユニット10が構成されている。この水槽ユニット10は、回転ドラム5の回転軸心が正面側で上向きとなる傾斜角度にして洗濯機筐体2内にサスペンション構造により支持されている。水槽3及び回転ドラム5はそれぞれ正面側で開口し、洗濯機筐体2の正面に設けられた扉体8を開くことにより、回転ドラム5の正面に開口する洗濯物出入口6から洗濯物を出し入れすることができる。扉体8を閉じると、水槽3の開口部に設けられたベローズ43が扉体8の内面に密接するので、水槽3内は水密、気密空間になり、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥の各工程を実行する際に水や空気が外部に漏れない状態となる。
洗濯機筐体2内に水槽ユニット10が傾斜配置されることによって洗濯機筐体2の背面側下部に形成される空間に収まるようにヒートポンプユニット20が配設されている。洗濯機筐体2は、防水パンなど面積が限られた既存の設置場所にドラム式洗濯乾燥機1を設置することができるように、その体積には制限があり、大きな水槽ユニット10やそれを支持するサスペンション構造や給水、排水などのための構成要素を収容すると、余剰空間は少なくなるが、ヒートポンプユニット20をコンパクトに構成することによって洗濯機筐体2を大型化させることなく配設することを可能にしている。
前記ヒートポンプユニット20は、ユニットケース21内に圧縮機27(図2参照)、吸熱器28、放熱器29を収容し、ユニットケース21には吸熱器28に連通させて吸気接続管32が連結され、放熱器29に連通させて排気接続管33が連結されている。ユニットケース21の吸熱器28に対応する底面には、吸熱器28から滴下した結露水を受ける貯水部34が形成され、貯水部34に貯留された水は塵埃濾過フィルタ35を通して貯留水排水口36から図示しない排水ポンプにより排水される。
前記吸熱器28及び放熱器29は、それぞれの一方面が所定間隔を隔てて対面し、それぞれの他方面にユニットケース21の壁面との間に空気流路となる空間が形成され、吸熱器28側の吸気空間から吸熱器28及び放熱器29を通って放熱器29側の排気空間に抜ける空気流路が形成されるように、それぞれの両端部が一対の側壁板37で保持された吸熱・放熱ユニットとしてユニットケース21内に収容されている。尚、吸熱器28は上部が放熱器29に近づくように傾斜配置され、上部を吸熱器28側に傾斜させた放熱器29とで互いに傾斜状態にして対面させることにより、空気の流れる経路を有効に確保できるので、ヒートポンプユニット20を水槽ユニット10の後方に形成された限られた空間に配設することを可能にしている。
上記構成になるヒートポンプユニット20と水槽ユニット10との間は、図1に示す送風管路により接続される。水槽3には、その背面には吸気口11が形成され、側周面には排気口12が形成されており、前記吸気口11とヒートポンプユニット20の排気接続管33との間を加熱空気送風ダクト13で接続し、前記排気口12とヒートポンプユニット20の吸気接続管32との間を送風ファン15が配設された吸湿空気送風ダクト14で接続することにより、衣類乾燥のための空気循環路が形成される。
回転ドラム5には、その側周面に水槽3内との間で水及び空気の流通が自由になされるように多数の透孔9が形成され、底面には前記吸気口11に連通する多数の空気導入孔26が設けられているので、ヒートポンプユニット20から加熱空気送風ダクト13を経て送給されてきた加熱空気は、図1に矢印で示すように吸気口11から回転ドラム5内にその底面から導入することができる。また、回転ドラム5内に収容された衣類から水分を奪った加熱空気は吸湿空気となり、図1に矢印で示すように前記透孔9及び洗濯物出入口6から水槽3内に抜け、前記排気口12からフィルタユニット60を通過して吸湿空気送風ダクト14に向けて排気され、ヒートポンプユニット20の吸気接続管32に向けて排出される。
上記構成になるドラム式洗濯乾燥機1は、洗濯機筐体2の正面に設けられた操作・表示部から運転コースの選択や各工程の時間設定などを入力することにより、選択指示は図示しない制御手段に入力され、制御手段による各部の制御動作によって洗濯から乾燥までを一連の動作として実施させることも、乾燥工程のみを実施させることも自由に選択することができる。
洗濯を行うときには、扉体8を開いて回転ドラム5内に洗濯物を投入し、操作・表示部から指示入力を行って運転開始することにより、図示しない給水管路から水槽3内に水及び洗剤が供給され、ドラム駆動モータ4により回転ドラム5が回転駆動されて洗濯工程が開始される。回転ドラム5はその内周面の複数箇所に設けられた攪拌翼7が洗濯物を上方に持ち上げ、上方から落下させる叩き洗いの作用が繰り返されることにより洗濯が行われる。この洗濯工程の後、すすぎ工程、脱水工程が実行されることにより洗濯は完了する。洗濯工程から乾燥工程までを一貫して実施する運転コースを選択入力した場合には、洗濯が完了すれば制御手段は洗濯終了後に乾燥工程に移行させる。また、濡れた衣類を乾燥させる場合などでは、乾燥工程のみを実施することができる。
乾燥工程においては、回転ドラム5内に脱水を終えた洗濯物あるいは濡れた衣類(以下、衣類と総称する)を収容して乾燥工程を実施すると、回転ドラム5が乾燥工程に対応する回転速度で回転して衣類を攪拌すると同時に、ヒートポンプユニット20及び送風ファン15が駆動されて乾燥用空気の循環が開始される。この乾燥工程においては、水槽3は衣類乾燥機における乾燥室と同様の役割をなす。
図2に示すように、ヒートポンプユニット20は、圧縮機27の作動により冷媒が圧縮され、この圧力により冷媒は圧縮機27から冷媒管路41を流れて放熱器29、絞り手段42、吸熱器28、圧縮機27を循環する。圧縮された冷媒の熱は放熱器29に流入することにより、放熱器29内に配設された冷媒管路41に設けられたフィンに接する空気に放熱されるので、送風空気が加熱されて加熱空気が生成される。加熱空気は排気空間から排気接続管33、加熱空気送風ダクト13を経て吸気口11から回転ドラム5内に送給されるので、加熱空気は攪拌される衣類から水分を奪った吸湿空気となって排気口12から排出される。
衣類の乾燥が進行するのに伴って衣類から糸屑などのリントが発生し、それが送風ファン15や送風管路に堆積して送風能力が低下することを防止するために、後述するリントフィルタ61を含む複数のフィルタを一体化したフィルタユニット60が設けられている。排気口12から排出された吸湿空気はフィルタユニット60に入り、リントフィルタ61によって吸湿空気中に含まれたリントが捕捉され、吸湿空気送風ダクト14に送出される。吸湿空気送風ダクト14に送風された吸湿空気は吸気接続管32、吸湿空気吸気口30を経てヒートポンプユニット20の吸気空間に入り、絞り手段42により減圧されて低圧となった冷媒が流れる吸熱器28を通過する際に顕熱と潜熱とが奪われて除湿され、除湿されることにより生じた結露水は貯水部34に滴下し、除湿されて乾いた空気は放熱器29に入って再び加熱される空気循環が形成される。貯水部34に貯留された水は、図示しない排水ポンプが一定時間毎に運転されることにより、水槽3内に排出され、排水弁19が開かれることにより排水口から排水管路25を通って外部に排水される。
上記放熱器29で空気が加熱される熱量は、圧縮機27の消費電力相当分と吸熱器28で吸湿空気から吸熱される熱量の和にほぼ等しいため、放熱器29は圧縮機27に入力された電力以上の出力を得て空気を加熱することができる。しかし、空気循環路内の空気は循環が繰り返されると、空気全体が持つ熱量は圧縮機27の消費電力相当分から自然放熱された熱量を差し引いた分だけ蓄積し続けることになる。これと共にヒートポンプサイクル内の冷媒が持つ熱量も増え続け、冷媒の温度及び圧力が過昇し、やがて圧縮機27に過負荷が加わる可能性が生じる。これを回避するために、図2に示すように、フィルタユニット60に空気循環路から循環空気の一部を排出する空気排出口46に連通する排気フィルタ62と、外気を空気循環路内に導入する空気導入口47に連通する吸気フィルタ63とが設けられている。
ヒートポンプユニット20において、冷媒管路41を流れる冷媒の温度を監視して、冷媒の温度が所定温度以上になると、前記空気導入口47に設けられた吸気弁74を開いて空気導入口47から空気循環路内に外気を導入する。空気導入口47の下流側には送風ファン15が設けられているので、その負圧によって空気導入口47から外気が空気循環路に流入する。この外気導入に伴って空気排出口46から空気循環路内の吸湿空気が外部に排気される。この空気循環路からの外気導入及び空気排出によって、空気循環路に外気が流入する冷却と温度の高い空気の排出とによって循環空気の温度が低下するので冷媒の温度も低下し、冷媒温度が過昇することによる圧縮機27が過負荷状態に陥ることが防止される。冷媒温度が所定温度にまで低下すると、吸気弁74は閉じられて空気導入口47からの外気導入は停止されるので、空気排出口46からの排気もなくなり、空気循環路内に送風される空気に熱量が蓄積されて乾燥効果の高い空気循環が実施される。尚、空気排出口46にも排気弁48を設けて排気量を調節できるようにすることがより好適である。
上記制御によりヒートポンプユニット20は最適状態で運転されるので、冷媒温度の過昇を回避するために圧縮機27を断続運転して加熱能力を低下させて乾燥時間が徒に長くなることがない。また、空気排出口46は水槽3を出て乾燥に寄与した後の吸湿空気を外部排出しているのでエネルギーロスが少なく、外部から導入された外気も水槽3を出た後の送風空気に混入するので、空気排出及び外気導入によって乾燥効果に与える影響は少なく、乾燥時間が増加することにはならない。
上記空気排出口46に連通するフィルタユニット60には排気フィルタ62が設けられ、外部に空気循環路中の空気に含まれるリントが放出されないようにしている。また、空気導入口47に連通するフィルタユニット60には吸気フィルタ63を設け、外気に含まれる塵埃が空気循環路に侵入しないようにしている。この排気フィルタ62、吸気フィルタ63及びリントフィルタ61を一体化したフィルタユニット60の具体的構成を図3に示す。
図3(a)において、フィルタユニット60は、洗濯機筐体2にその正面部から出し入れ可能に装着され、正面部から差し込み装着されることにより要部がそれぞれ送風管路に連通するように図示しない管路の開口部に連接する。側面に排気フィルタ62が設けられたフィルタ筐体66の下面開口部には水槽3の排気口12を出た空気の送風管路が連接され、水槽3を出た吸湿空気が流入する。その吸湿空気は空気流入口65を通ってリントフィルタ61に流入する。排気フィルタ62に連通する空気排出口46は、水槽3に開口する排気口12の下流側であり、リントフィルタ61の上流側に位置しているので、リントフィルタ61の目詰まりが生じて空気循環路を流れる空気の風量が低下した場合でも、空気排出口46からの排気を安定して確保することができる。
リントフィルタ61は、下部フィルタ61aの上に上部フィルタ61bが蝶番構造部67によって開閉可能に嵌合し、送風管路の送風方向下流側に向けて膨出する袋状に形成されている。即ち、空気流入口65から入った空気は上下に分かれ、下部フィルタ61aに形成された開口部に被着されたフィルタシート64を透過し、上部フィルタ61bに形成された開口部に被着されたフィルタシート64を透過した後、上下に分かれた空気は合流して下流側に流れ、フィルタシート64を透過する際に空気中の含まれたリントが捕捉される。
また、リントフィルタ61は下部フィルタ61aと上部フィルタ61bとを嵌合した袋状に構成されているので、リントの捕捉効果が高く、フィルタ面積を広くして長期にわたってリント捕捉の作用を維持することができる。下部フィルタ61aと上部フィルタ61bとは、上部フィルタ61bを下部フィルタ61a上に閉じたとき、図3(b)に示すように、下部フィルタ61aの上方に開口する開口縁部68が上部フィルタ61bに形成された嵌合溝部69に嵌入するので気密性の高い嵌合状態が得られる。リントフィルタ61にはリントが徐々に堆積していくので定期的に堆積したリントを取り除く清掃を行う必要があり、フィルタユニット60を外部に引き出して上部フィルタ61bを開くと袋状の内部に堆積したリントを容易に除去することができる。上部フィルタ61bは下部フィルタ61a上に閉じ合わせたとき、その先端部に設けられた嵌合突起71が空気流入口65の上方に形成された嵌合凹部72に嵌り合ってロックされるので、フィルタユニット60を外部に引き出す際の振動や衝撃によって上部フィルタ61bが開き、堆積したリントが外部に飛散してしまうことがない。
堆積したリントを除去する清掃時には、フィルタ筐体66に形成された開放凹部73から指を入れて上部フィルタ61bの先端部を引き上げると、嵌合突起71と嵌合凹部72との嵌合が外れ、図3(b)に示すように、下部フィルタ61aから上部フィルタ61bを開いて展開状態にすることができる。
また、フィルタ筐体66の側面に形成された排気フィルタ62は、送風空気の流れの側方に開口しているので、これに連通する空気排出口46が排気弁48によって開かれたときでも空気循環路を送風される空気が一気に排出されることはなく、空気排出口46の開口径や排気弁48の通気断面積を適正に設定することにより、空気循環路の空気の一部を外部に排出することができる。この空気排出時に空気中に含まれるリントは排気フィルタ62に捕捉され、外部にリントが放出されることによる弊害は防止される。
また、吸気フィルタ63は、リントフィルタ61を通過した空気の流れの側方に設けられているので、空気排出口46から空気循環路の空気の一部が排出されたとき、それを補うように空気導入口47から流入した外気が吸気フィルタ63を透過して空気循環路に流入する。このとき、リントフィルタ61を透過した空気循環路の空気流が空気循環路に導入される外気の導入の妨げとなるのを抑えるために、吸気フィルタ63とリントフィルタ61との間に仕切り板70が設けられている。また、空気導入口47の位置は、図2に示すように、送風ファン15の直前の上流側に設定しているので、送風ファン15による負圧が大きい位置になるため、充分な量の外気を空気循環路内に導入することができる。
また、前述したように、空気排出口46にも排気弁48を設けることが好適で、吸気弁74との相互制御により外気温度に対応する制御が可能となる。季節や環境の変化によりドラム式洗濯乾燥機1が設置された場所の温度も変化するので、周囲温度に対応した制御が必要である。周囲温度が低く空気循環路からの自然放熱量が大きいときには、吸気及び排気の量が少なくなるようにするため、空気導入口47からの外気導入量を抑え、空気排出口46からの放熱量が小さくなるように吸気弁74及び排気弁48の開放を抑え、低温の外気の導入を少なくするように制御する。一方、周囲温度が高く空気循環路からの自然放熱量が小さいときには、吸気及び排気の量が多くなるようにするため、吸気弁74及び排気弁48の開放頻度を高めて外気の導入量及び空気循環路からの空気排出量が多くなるように制御する。また、空気導入口47には洗濯機筐体2の外に開口する吸気ダクト75を設けるのが好ましく、より低温の外気を空気循環路に導入して冷媒の過昇を抑制することができる。
上記構成になるフィルタユニット60は、リントフィルタ61、排気フィルタ62、吸気フィルタ63が一体化されているので、洗濯機筐体2の正面部からフィルタユニット60を引き出すと、3つのフィルタを同時に取り出すことができ、3つのフィルタの清掃をまとめて実施することができる。従って、面倒な清掃作業を一気に行い得るメンテナンス性に優れたものとなる。また、リントフィルタ61は袋状にしてリント捕捉性能を向上させていながら袋状を2分割して内部を開放でき、内部に堆積したリントを除去する作業が容易に実施できる。
また、フィルタユニット60は、それを装着するフィルタ収容体に挿入されることにより、空気循環路及び空気排出口46への管路、空気導入口47への管路の連接がなされるので、配管構築が簡単に実施でき、通気、排気、吸気のそれぞれの流路にフィルタを配設することができる。
以上説明した実施形態の構成では、空気導入口47の吸気弁74のみ、あるいは空気導入口の吸気弁74及び空気排出口46の排気弁48の両方を設けるようにしているが、空気排出口46の排気弁48のみを設けるようにしても同様の効果が得られる。
また、実施形態では、ドラム式洗濯乾燥機1に本発明に係る衣類乾燥装置を適用した例を示したが、縦型の洗濯乾燥機や衣類乾燥機にも同様に構成することができる。
以上の説明の通り本発明によれば、衣類乾燥の空気循環路に対して排気及び吸気が実施できる構成により、ヒートポンプによって加熱された空気が空気循環路を循環して熱量が異常に蓄積されて冷媒温度が過昇状態になることが抑えられるので、圧縮機が過負荷状態に陥ることがなく、ヒートポンプは最適状態で運転される。従って、ヒートポンプによる効率的な乾燥用空気の生成を安定して行うことができ、乾燥時間の短縮及び省エネルギーを実現する衣類乾燥装置を提供することができる。
1 ドラム式洗濯乾燥機
2 洗濯機筐体
3 水槽(乾燥室)
5 回転ドラム
11 吸気口
12 排気口
13 加熱空気送風ダクト
14 吸湿空気送風ダクト
15 送風ファン
20 ヒートポンプユニット
27 圧縮機
28 吸熱器
29 放熱器
30 吸湿空気吸気口
31 加熱空気排気口
41 冷媒管路
42 絞り手段
46 空気排出口
47 空気導入口
48 排気弁
60 フィルタユニット
61 リントフィルタ
62 排気フィルタ
63 吸気フィルタ
70 仕切り板
74 吸気弁
75 吸気ダクト

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮された冷媒の熱を空気中に放熱する放熱器と、高圧の冷媒の圧力を減圧する絞り手段と、減圧された冷媒により空気中の熱を奪う吸熱器とを備え、圧縮機から放熱器、絞り手段、吸熱器を経て圧縮機に戻る冷媒循環管路を形成してヒートポンプが構成され、前記放熱器によって加熱された加熱空気を衣類を収容した乾燥室内に送風し、衣類から水分を奪った吸湿空気を乾燥室外に排出して吸熱器に導き、吸熱器によって除湿された空気を再び放熱器に導入する空気循環路が構成されてなる衣類乾燥装置において、
    前記空気循環路の乾燥室から吸熱器に至る空気流路に、循環空気中に含まれたリントを捕捉するリントフィルタと、前記リントフィルタの送風方向下流側に空気循環路内に外気を導入する空気導入口と、前記乾燥室より下流側で且つ前記リントフィルタより上流側に設けられ循環空気の一部を排気する空気排出口とが設けられてなることを特徴とする衣類乾燥装置。
  2. 空気導入口から空気循環路に導入した外気中の塵埃を捕捉する吸気フィルタが、空気循環路の吸熱器より上流側に設けられてなる請求項1に記載の衣類乾燥装置。
  3. 空気排出口から排気される空気中からリントを捕捉する排気フィルタが設けられてなる請求項1又は2に記載の衣類乾燥装置。
  4. リントフィルタ、吸気フィルタ及び排気フィルタを一体化したフィルタユニットが形成され、フィルタユニットは空気循環路から着脱可能に配設されてなる請求項1〜3いずれか一項に記載の衣類乾燥装置。
  5. リントフィルタを通過した空気と、空気導入口から流入した外気との流れを分ける仕切り板が設けられてなる請求項1〜4いずれか一項に記載の衣類乾燥装置。
  6. 空気循環路中の空気を送風する送風ファンは、吸気フィルタより下流側で且つ吸熱器の上流側に設けられてなる請求項1〜5いずれか一項に記載の衣類乾燥装置。
  7. 空気導入口に外気を導く吸気ダクトが設けられてなる請求項1〜6いずれか一項に記載の衣類乾燥装置。
  8. 空気導入口に外気の導入量を調整する吸気弁が設けられてなる請求項1〜7いずれか一項に記載の衣類乾燥装置。
  9. 空気排出口に空気の排気量を調整する排気弁が設けられてなる請求項1〜8いずれか一項に記載の衣類乾燥装置。
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