WO2014024346A1

WO2014024346A1 - 洗濯乾燥機

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Publication number: WO2014024346A1
Application number: PCT/JP2013/002029
Authority: WO
Inventors: 明宏細川; 中西　邦行; 光徳谷口; 友弘藤井
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2012-08-07
Filing date: 2013-03-26
Publication date: 2014-02-13
Also published as: DE112013003949T5; JP2013150774A

Abstract

　本発明の洗濯乾燥機は、筐体（１）内に支持され、乾燥用空気の給気口および排気口（１５）を有する水槽（２）と、ドラムと、ドラムを駆動するモータ（１０）と、水槽（２）に連通接続した風路（１６）と、蒸発器（２１）および凝縮器を風路（１６）内に配設したヒートポンプ装置と、乾燥用空気を送風する送風ファンを有する送風機とを備える。そして、モータ（１０）とヒートポンプ装置とはドラムの回転軸を通る鉛直線の左右に隔てて配置され、モータ（１０）は筐体（１）内の後側下方に配設され、ヒートポンプ装置は筐体（１）内の前側下方に配設される構成を有する。これにより、筐体（１）の高さを低くして小型化し、振動を少なくする。

Description

洗濯乾燥機

　本発明は、衣類などの洗濯と乾燥を行う洗濯乾燥機に関する。

　従来、乾燥装置をヒートポンプ装置で構成した洗濯乾燥機が提案されている（例えば、特許文献１参照）。

　以下に、特許文献１に記載の従来の洗濯乾燥機について、図１２を用いて説明する。

　図１２は、従来の洗濯乾燥機の構成を示す断面図である。

　図１２に示すように、従来の洗濯乾燥機は、水槽５１内にドラム５２を回転可能に設け、水槽５１の外周下部に取り付けたモータ５３の回転をベルト５４を介してドラム５２に伝達して、ドラム５２を回転させる構成を有している。そして、乾燥装置を構成するヒートポンプ装置の圧縮機５５、蒸発器５６、凝縮器５７は、冷媒が循環するように管路で連結され、水槽５１の外周下部５２ａより下方に配設されている。このとき、ヒートポンプ装置の蒸発器５６と凝縮器５７は、風路５８内に配設されている。

　以下に、従来の洗濯乾燥機における衣類の乾燥運転について、簡単に説明する。

　まず、ドラム５２内で衣類と接触して湿った乾燥用空気（以下、「空気」と略記する）は、送風ファン５９により排気風路６０を通って、ヒートポンプ装置の蒸発器５６に通流する。通流した空気は、ヒートポンプ装置の蒸発器５６で冷却されて除湿され、低温で乾いた空気になる。低温で乾いた空気は、ヒートポンプ装置の凝縮器５７で加熱されて乾いた高温の空気となる。

　そして、乾いた高温の空気は、給気風路６１を通ってドラム５２内へ導入される。これにより、空気は、ドラム５２とヒートポンプ装置を循環して、ドラム５２内の衣類などを乾燥させる。

　しかしながら、上記従来の洗濯乾燥機の構成では、モータ５３とヒートポンプ装置が水槽５１の外周下部５２ａより下方に設けられている。そのため、ドラム５２を内包した水槽５１の重心位置が高くなり、ドラム５２の回転時に振動が発生しやすいという課題がある。特に、ドラム５２内で、衣類などの洗濯物に偏りがある場合、洗濯後に実行される脱水ステップにおいて、ドラム５２の高速回転により、振動が大きくなるという問題があった。

　そこで、従来の洗濯乾燥機の構成には、ヒートポンプ装置を水槽５１の上方に設けて水槽５１の重心位置を低くした構成も記載されている。しかし、重量の重い、ヒートポンプ装置の圧縮機５５を水槽５１の上方に設置すると、水槽５１自体の重心位置は低くなるが、洗濯乾燥機全体の重心位置が高くなる。その結果、ドラム５２の回転に起因する振動が、さらに増幅されるという問題がある。

　また、ドラム５２をベルト５４で回転させる構成のモータ５３は、水槽５１の外周下部５２ａに取り付けられる。そのため、モータ５３とヒートポンプ装置を水槽５１の下方にコンパクトに構成して、水槽５１の重心位置を低くすることが難しいという問題があった。

特開２００４－１３５７１５号公報

　上記課題を解決するために、本発明の洗濯乾燥機は、筐体内に支持され、乾燥用空気の給気口および排気口を有する水槽と、水槽内で回転軸を中心に回転自在に設けられたドラムと、ドラムを駆動するモータと、水槽の給気口および排気口に連通接続した風路と、圧縮機と管路で連結した蒸発器および凝縮器を風路内に配設したヒートポンプ装置と、風路を通して水槽内に乾燥用空気を送風する送風ファンを有する送風機と、を備える。そして、モータとヒートポンプ装置とはドラムの回転軸を通る鉛直線の左右に隔てて配置され、モータは筐体内の後側下方に配設され、ヒートポンプ装置は筐体内の前側下方に配設される構成を有する。

　この構成によれば、モータおよびヒートポンプ装置を水槽の下方にコンパクトに構成できる。これにより、筐体の高さを低くできるとともに、水槽の重心位置を低くして、ドラムの高速回転時の振動を低減できる。

図１は、本発明の実施の形態１における洗濯乾燥機の側方から見た要部断面図である。図２は、同実施の形態における洗濯乾燥機の前方から見た要部断面図である。図３は、同実施の形態における洗濯乾燥機の後方から見た要部断面図である。図４は、同実施の形態における洗濯乾燥機の上方から見た要部断面図である。図５は、同実施の形態における洗濯乾燥機のヒートポンプ装置のシステム概略図である。図６Ａは、同実施の形態における洗濯乾燥機のヒートポンプ装置の取り外し動作を説明する要部断面図である。図６Ｂは、同実施の形態における洗濯乾燥機のヒートポンプ装置の取り外し動作を説明する要部断面図である。図６Ｃは、同実施の形態における洗濯乾燥機のヒートポンプ装置の取り外し動作を説明する要部断面図である。図７は、本発明の実施の形態２の洗濯乾燥機の概略構成を説明するブロック図である。図８は、同実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図である。図９は、同実施の形態における洗濯乾燥機の一部を示す背面図である。図１０は、同実施の形態における洗濯乾燥機の一部を示す斜視図である。図１１は、同実施の形態における洗濯乾燥機の一部を示す平面図である。図１２は、従来の洗濯乾燥機の構成を説明する要部断面図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　（実施の形態１）
　以下に、本発明の実施の形態の洗濯乾燥機について、図１から図５を用いて説明する。

　図１は、本発明の実施の形態１における洗濯乾燥機の側方から見た要部断面図である。図２は、同実施の形態における洗濯乾燥機の前方から見た要部断面図である。図３は、同実施の形態における洗濯乾燥機の後方から見た要部断面図である。図４は、同実施の形態における洗濯乾燥機の上方から見た要部断面図である。図５は、同実施の形態における洗濯乾燥機のヒートポンプ装置のシステム概略図である。なお、上記洗濯乾燥機の側方、上方、前方および後方とは、図１から図５の図中に矢印で示す方向を意味している。

　図１から図５に示すように、本実施の形態の洗濯乾燥機は、筐体１内に、少なくとも水槽２と、ドラム４と、風路１６と、ヒートポンプ装置１７と、送風機２４などを収納して構成されている。

　筐体１は、少なくとも後面１ａ、前面１ｂ、側壁を構成する右壁１ｃと左壁１ｄおよび上面１ｅなどから構成され、洗濯乾燥機の外郭を形成する。そして、筐体１の内部には、筐体１の正面側に開口部７を備え、洗濯水を貯める略円筒形状（円筒形状を含む）の水槽２が設けられている。

　水槽２は、左右一対のダンパー５（図２または図３参照）により下方から弾性支持され、左右一対のばね６（図１または図３参照）によって上方から吊下げられて、筐体１内で支持されている。このとき、水槽２は、水槽２の前面に設けた開口部７側が上位となるように、前上がりに傾斜して配置されている。

　また、ドラム４は有底円筒状を有し、前後方向に延びる回転軸３を中心に回転自在に水槽２内に設けられる。ドラム４の周側面には水槽２内と連通する多数の透孔１２が設けられ、ドラム４の周側面には内方へ突出するバッフル１３が複数設けられている。

　また、水槽２の水槽後部２ｃの外面には、ドラム４の回転軸３を回転支持する軸受８とプーリ９が設けられている。そして、水槽２の外周下部に固着したモータ１０の駆動力をベルト１１からプーリ９を介して回転軸３と連結されたドラム４に伝達して、ドラム４を回転させる。このとき、モータ１０は、モータ１０の回転軸１０ａがドラム４の回転軸３と平行で、水槽２の水槽後部２ｃ寄りに取り付けられている。具体的には、図２や図４に示すように、モータ１０は、洗濯乾燥機の前方から見てドラム４の回転軸３を通る鉛直線Ｌの左側の水槽２の外周の斜め下方で、筐体１の後面１ａ側の内部の下方に配設されている。

　また、図３に示すように、水槽２の水槽後部２ｃには乾燥用空気（以下、「空気」と略記する）を導入する給気口１４が設けられ、水槽２の上方前部には、図１に示すように、空気を排出する排気口１５が設けられている。そして、給気口１４および排気口１５には、空気が流れる風路１６が連通して接続されている。

　また、図５に示すように、ヒートポンプ装置１７は、冷媒が循環するように管路２２で連結された、圧縮機１８と、凝縮器１９と、膨張装置２０と、蒸発器２１とから構成されている。圧縮機１８は、冷媒を圧縮する。凝縮器１９は、圧縮機１８で圧縮された冷媒の熱を放熱して、風路１６内を循環する空気を加熱する。膨張装置２０は、例えばキャピラリーチューブや弁などから構成され、高圧の冷媒の圧力を減圧する。蒸発器２１は、膨張装置２０で減圧されて低圧となった冷媒で周囲から熱を奪い、風路１６内を循環する空気を冷却する。ヒートポンプ装置１７の蒸発器２１および凝縮器１９は、風路１６内に配設される。そして、ヒートポンプ装置１７の管路２２内を流れる冷媒が、図５の矢印Ａの方向に循環して流れることにより、ヒートポンプサイクルを実現している。

　また、図１や図４に示すように、ヒートポンプ装置１７は、風路１６の一部を構成するケース２３内に格納されている。ケース２３は、上方から空気が流入する流入口２３ａと、蒸発器２１および凝縮器１９を通過した空気が後方へ流出する流出口２３ｂを備える。そして、ケース２３の流入口２３ａは、風路１６を構成する排気ダクト１６ａと連通して接続され、水槽２の上方前部に設けられた排気口１５に接続される。一方、ケース２３の流出口２３ｂは、風路１６を構成するダクト１６ｂを介して送風機２４と着脱自在に連通して接続される。

　また、ヒートポンプ装置１７は、図２および図４に示すように、例えば筐体１の左壁１ｄよりも右壁１ｃに近い位置に配置されている。より好ましくは、ヒートポンプ装置１７は、筐体１の前面１ｂ側である前方から見てドラム４の回転軸３を通る鉛直線Ｌの右側の位置に配置されている。つまり、ドラム４の回転軸３を通る鉛直線Ｌの左側に位置するモータ１０と右側に位置するヒートポンプ装置１７とを、筐体１の側壁である左壁１ｄ側と右壁１ｃ側とに互いに隔てて配設している。

　また、送風機２４は、図３や図４に示すように、少なくとも外形が略円筒形状（円筒形状を含む）のファン収容部２４ｅと、排気部２４ｆと、送風ファン２４ａなどから構成される。排気部２４ｆは、ファン収容部２４ｅと一体的に形成される。送風ファン２４ａは、ファン収容部２４ｅ内に収容されている。

　そして、送風機２４は、ヒートポンプ装置１７が配置される筐体１の側壁の一方を構成する右壁１ｃ側の位置に配設されている。具体的には、送風機２４は、ヒートポンプ装置１７の背面（筐体１の後面１ａ側）で、送風ファン２４ａの回転軸２４ｂの軸芯方向がヒートポンプ装置１７に向けて設置される。このとき、図３に示すように、ファン収容部２４ｅの直径方向の上部２４ｃが水槽２の水槽後部２ｃの最下部２ａより、高さＨ程度上方に位置するように配置されている。

　また、送風機２４の排気部２４ｆは、風路１６を構成する給気ダクト１６ｃの一端と連通接続し、給気ダクト１６ｃの他端は水槽２の水槽後部２ｃに設けられた給気口１４と接続される。給気ダクト１６ｃは、例えば水槽２の水槽後部２ｃの後面でプーリ９の外周縁に沿って円弧状に形成されている。そして、送風機２４から送風された空気は、給気ダクト１６ｃを通して、図３中の矢印で示す方向で給気口１４から水槽２内に供給される。

　また、図４に示すように、ヒートポンプ装置１７は、送風機２４から正面側へ延びるダクト１６ｂを介して、送風機２４の吸気側２４ｄと着脱自在に連通接続される。これにより、筐体１内に設置したヒートポンプ装置１７が、筐体１の前面１ｂから取り出し可能となる。

　また、図１や図５に示すように、風路１６の排気ダクト１６ａの水槽２の排気口１５近傍には、乾燥フィルタ２５が設けられている。これにより、排気口１５から排気ダクト１６ａに流れる空気に含まれる糸屑などのリントを捕集する。具体的に、乾燥フィルタ２５は、筐体１内の上部に着脱自在に配設され、筐体１の上面１ｅ側から取り出し可能に設けられる。

　また、図２や図４に示すように、筐体１内の前方下部に、水槽２の洗濯水などを排水する排水機構が設けられている。排水機構は、例えば排水弁（図示せず）、排水路２７、排水フィルタ２８などから構成される。

　具体的には、排水フィルタ２８は、排水路２７の途中に設けられ、洗濯水から異物を回収する。このとき、排水フィルタ２８はモータ１０の前方で筐体１内の前部に着脱自在に設けられ、さらに筐体１の前面１ｂ側から排水フィルタ２８が取り出し可能に設けられている。排水ポンプ３３は、図１や図２に示すように、ヒートポンプ装置１７のケース２３の底部に設けられ、蒸発器２１で結露した除湿水を排出する。このとき、排水ポンプ３３は、排水路２７と接続された排水管３４と連通接続され、排水管３４を通して排水路２７から、蒸発器２１で結露した除湿水を機外へ排出する。

　これにより、水槽２内の洗濯水および除湿水は、水槽２の底部近傍に設けた排水口２６に連通接続した排水路２７を経て機外へ排出される。

　また、図１や図３に示すように、筐体１の底部１ｇには、台枠３５が設けられ、筐体１の下部を支持している。また、台枠３５には、水槽２を下方から弾性支持するダンパー５の下端が固着されている。さらに、また、ヒートポンプ装置１７のケース２３と、ケース２３とダクト１６ｂを介して接続した送風機２４も台枠３５上に設置されている。

　また、図１に示すように、筐体１の前面１ｂには水槽２の開口部７を開閉する扉体２９を設け、筐体１の前面１ｂ側で扉体２９の下方にはヒートポンプ装置１７を覆うカバー３０がねじ３１により着脱自在に取り付けられている。そして、カバー３０を筐体１の前面１ｂに装着することにより、ヒートポンプ装置１７に対向して突出させた押圧部３２（図６Ａ参照）でヒートポンプ装置１７のケース２３の前面を後方へ押圧する。これにより、ダクト１６ｂの前端部１６ｂｂに、ヒートポンプ装置１７のケース２３の流出口２３ｂが挿入される。その結果、ダクト１６ｂとヒートポンプ装置１７とを接続した状態で、着脱自在に保持できる。

　以下に、本実施の形態におけるヒートポンプ装置の取り外し方法について、図１と図４を参照しながら、図６Ａから図６Ｃを用いて具体的に説明する。

　図６Ａから図６Ｃは、同実施の形態における洗濯乾燥機のヒートポンプ装置の取り外し動作を説明する要部断面図である。

　まず、図６Ａに示すように、通常、筐体１の前面１ｂ側から、ねじ３１で台枠３５に取り付けられたカバー３０の押圧部３２により、ヒートポンプ装置１７の蒸発器２１と凝縮器１９を収納するケース２３が押圧されている。これにより、筐体１の下部で、台枠３５の上部に、ケース２３の流出口２３ｂが風路１６のダクト１６ｂの前端部１６ｂｂに挿入されて接続した状態で、ケース２３が収納される。

　つぎに、ヒートポンプ装置１７を筐体１内から取り外す場合、図６Ｂに示すように、ねじ３１を台枠３５から外し、カバー３０を筐体１の前面１ｂから外す。これにより、カバー３０の押圧部３２によるヒートポンプ装置１７のケース２３の押圧が解除される。

　そして、まず、排気ダクト１６ａを、図４に示すケース２３の流入口２３ａから取り外す。

　その後、図６Ｃに示すように、台枠３５上に設置されているケース２３（ヒートポンプ装置１７）の正面側２３ｃを上方へ持ち上げた状態で、ケース２３を前方へ引き出す。このとき、ダクト１６ｂの前端部１６ｂｂに挿入されていたケース２３の流出口２３ｂが、ダクト１６ｂから離脱する。一方、ダクト１６ｂは、送風機２４に保持された状態で筐体１内に留まる。これにより、ヒートポンプ装置１７のケース２３を取出口１ｆから前方へ取り出すことができる。

　これにより、洗濯乾燥機を構成する筐体１を設置場所から移動させることなく、ヒートポンプ装置１７を取り出すことができる。その結果、狭い場所で、ヒートポンプ装置１７のメンテナンス作業を容易に行うことができる。

　また、図１に示す制御部３６は、ヒートポンプ装置１７の圧縮機１８、ドラム４を回転駆動するモータ１０、空気を送風する送風機２４などを制御する。これにより、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各ステップを逐次制御する。

　以上により、本実施の形態の洗濯乾燥機が構成される。

　以下に、本実施の形態の洗濯乾燥機の各ステップにおける動作および作用について、図１から図６Ｃを参照しながら説明する。

　はじめに、洗いステップにおける動作および作用を説明する。

　まず、扉体２９を開放し、開口部７からドラム４内に衣類などの洗濯物を投入する。その後、扉体２９を閉じ、操作ボタン（図示せず）を押して所望の運転プログラムを選択し、洗いステップ運転を開始する。

　このとき、制御部３６は、扉体２９が閉じられていることを判断した後、モータ１０を駆動する。そして、制御部３６は、ドラム４の回転にともなう負荷情報から、投入された衣類の量を判定する。

　そして、制御部３６は、給水弁（図示せず）を開放して水槽２に水を貯め始める。このとき、判定された衣類の量に応じて、あらかじめ設定された水量が給水されると給水を停止する。そして、制御部３６は、モータ１０の回転を、例えば正転、反転を繰り返すなどの制御をして、所望のプログラムにしたがって所定の時間、ドラム４を回転させる。

　これにより、ドラム４内の衣類Ｃは、バッフル１３によってドラム４の回転方向へ持ち上げられて、ドラム４内の上方から落下する、いわゆる叩き洗いの作用により汚れが落とされる。

　その後、所定の時間が経過すると洗いステップを終了し、すすぎステップを実行する。

　すすぎステップでは、排水、給水、モータ１０駆動などによりすすぎ作業を行う。

　具体的には、まず、水槽２に水を貯めた状態で、所定の時間、モータ１０を駆動して、衣類Ｃに付着している洗剤成分や汚れ成分を、汚れていない水の中へと移動させて汚れを落とす、すすぎを実行する。その後、所定の時間が経過すると、１回目のすすぎ作業を終了する。

　そして、上記すすぎ作業を２回繰り返した後、水槽２内の水を排出してすすぎステップを終了し、脱水ステップを実行する。

　脱水ステップでは、制御部３６はモータ１０を駆動して、所定の時間、ドラム４を高速回転（例えば１４００ｒｐｍ）させる。このとき、ドラム４の回転数の増加にともなって、衣類Ｃに付加される遠心力が強くなる。そして、衣類Ｃは、ドラム４の内周面に張り付く。これにより、衣類Ｃに含まれる水分は、遠心力によって衣類Ｃから脱水され、ドラム４の透孔１２から水槽２内へ移動する。水槽２内へ移動した水分は、排水口２６から排水路２７を介して機外へ排出される。

　その後、所定の時間が経過すると脱水ステップを終了し、乾燥ステップを実行する。

　乾燥ステップでは、乾燥運転を開始すると、制御部３６はモータ１０を回転させてドラム４を回転するとともに、送風機２４を回転する。これにより、図２の矢印Ｂで示す方向に循環する空気の流れが生じる。

　空気は、まず、風路１６の給気ダクト１６ｃから水槽２の水槽後部２ｃに設けられた給気口１４を介してドラム４内に供給される。このとき、ドラム４は、モータ１０によりベルト１１を介して回転駆動され、衣類Ｃはドラム４内で撹拌された状態で供給された空気と接触する。

　そして、ドラム４内で衣類Ｃと接触した空気は、衣類Ｃから水分を奪って湿った空気となる。その後、湿った空気は、水槽２の前方上部に設けられた排気口１５から排気され、風路１６の排気ダクト１６ａに設けられた乾燥フィルタ２５を通過する。さらに、空気は、乾燥フィルタ２５でリントなどの異物が除去された後、排気ダクト１６ａを通ってヒートポンプ装置１７の蒸発器２１へ導かれる。

　そして、ヒートポンプ装置１７の圧縮機１８を作動させると、圧縮機１８により管路２２内の冷媒が圧縮され、高い圧力の冷媒が管路２２を介して凝縮器１９、膨張装置２０、蒸発器２１を循環する。このとき、凝縮器１９では高圧状態の冷媒から熱が放熱され、膨張装置２０では高圧状態の冷媒が減圧されて低圧状態となる。そして、蒸発器２１では、膨張装置２０で減圧されて低圧状態の冷媒に熱が吸収される。これにより、送風機２４によって風路１６内を循環する空気が凝縮器１９の放熱によって加熱され温風の空気となる。

　つぎに、温風の空気は、送風機２４により、再び給気ダクト１６ｃを通り、給気口１４からドラム４内に送風される。そして、温風の空気は、衣類Ｃの間を通るときに水分を奪って湿った空気となる。その後、排気口１５から乾燥フィルタ２５を通過してリントなどの異物が除去され、排気ダクト１６ａを通ってヒートポンプ装置１７の蒸発器２１へ導かれる。そして、湿った空気は、ヒートポンプ装置１７の蒸発器２１を通過する際に、顕熱と潜熱が奪われて除湿され、乾いた空気と除湿水に分離される。乾いた空気は、凝縮器１９で加熱され、温風の空気となって、送風機２４により再びドラム４内へ送風される。一方、ヒートポンプ装置１７の蒸発器２１で結露した除湿水は、ヒートポンプ装置１７の下部に設けた排水ポンプ３３により排水管３４から排水路２７を通して機外へ排出される。

　より具体的に説明すると、衣類Ｃから水分を奪って排気口１５から排気される湿った空気は、水槽２の前方に位置し、筐体１の右壁１ｃに沿って水槽２の上方から下方に向かって延びる排気ダクト１６ａを通流する。そして、排気ダクト１６ａを通流した空気は、筐体１内の前面１ｂ近傍に位置する流入口２３ａからケース２３内に流入する。ケース２３内に流入した空気は、筐体１内の前面１ｂ側から後面１ａ側に向かって流れ、ヒートポンプ装置１７の蒸発器２１および凝縮器１９を通過する。その後、筐体１内の後面１ａ近傍に設けた送風機２４に到達した空気は、水槽２の後方を上方へ延びる給気ダクト１６ｃを通り、給気口１４から水槽２内に導入される。

　つまり、排気口１５から排気された空気は、ドラム４内と、水槽２の下方に設けたヒートポンプ装置１７を、筐体１内の右壁１ｃ側で循環する。

　一方、本実施の形態では、ドラム４を回転駆動するモータ１０は、筐体１内の左壁１ｄ側の後面１ａ側で水槽２の下部に配置し、ヒートポンプ装置１７を筐体１内の右壁１ｃ側の前面１ｂ側に配置している。つまり、モータ１０とヒートポンプ装置１７とを、図２に示す鉛直線Ｌの左右に隔てて、円筒形状の水槽２と筐体１の右壁１ｃおよび左壁１ｄの間に形成される広い空間に配設している。これにより、水槽２の位置を筐体１内で下方へ下げて、水槽２を配置できる。その結果、水槽２の重心位置を低くして、ドラム４内で洗濯物に偏りが生じた場合に発生する大きな振動による振れ回り現象を低減できる。また、水槽２の位置を下方へ下げることにより、筐体１の高さを低くできる。その結果。筐体１を小型化して、コンパクトな洗濯乾燥機を実現できる。

　また、本実施の形態では、図４に示すように、重量の重いモータ１０と、高さの高いヒートポンプ装置１７の圧縮機１８の位置を、筐体１内の下部で対角の位置に配置している。これにより、洗濯乾燥機の重量バランスの均一性を高めて、設置時の作業性や、洗濯乾燥運転時の振動をより抑制して安定性を向上できる。

　また、本実施の形態では、送風機２４をヒートポンプ装置１７の後方に配設し、送風ファン２４ａの回転軸２４ｂの軸芯方向をヒートポンプ装置１７に向けて設置している。これにより、前上がりに傾斜した水槽２の水槽後部２ｃと、筐体１の後面１ａとの間の下方に空間が形成される。そのため、ファン収容部２４ｅの直径方向の上部２４ｃを、水槽２の水槽後部２ｃの最下部２ａより上方に設けることができる。その結果、筐体１内の限られた空間に、大径の送風機２４をコンパクトに設置して、送風能力を高め、乾燥性能を向上できる。

　なお、本実施の形態では、筐体１の前方から見て右壁１ｃ側にヒートポンプ装置１７と送風機２４を配置し、左壁１ｄ側にモータ１０を配置した例で説明したが、これに限られない。例えば、筐体１の前方から見て右壁１ｃ側にモータ１０を配置し、左壁１ｄ側にヒートポンプ装置１７と送風機２４を配置してもよい。これにより、同様の効果が得られる。このとき、排水路や排水フィルタなどの他の構成も上記配置に合わせて最適な位置に配置することが好ましい。

　以上のように、本実施の形態によれば、筐体１内に空気の給気口１４および排気口１５を有する水槽２と、水槽２内に回転自在に設けられたドラム４と、ドラム４を駆動するモータ１０と、水槽２に連通接続した風路１６と、圧縮機１８と管路２２で連結した蒸発器２１および凝縮器１９を風路１６内に配設したヒートポンプ装置１７と、風路１６を通して水槽２内に空気を送風する送風ファン２４ａを有する送風機２４と、を備える。そして、モータ１０とヒートポンプ装置１７とはドラム４の回転軸３を通る鉛直線Ｌの右側と左側に隔てて配置され、モータ１０は筐体１内の後側下方に配設され、ヒートポンプ装置１７は筐体１内の前側下方に配設される構成を有する。これにより、筐体１の高さを低くして小型にできるとともに、ドラム４の高速回転時の振動を低減できる。

　（実施の形態２）
　以下、本発明の実施の形態２の洗濯乾燥機について、図を用いて説明する。

　本実施の形態の洗濯乾燥機は、略水平（水平を含む）な回転軸を有するドラムと、送風機を洗濯乾燥機の筐体内の後方下部に傾斜させるとともに、ヒートポンプ装置の配置などの点で、実施の形態１の洗濯乾燥機と異なる。他の基本的な構成は、実施の形態１の洗濯乾燥機と同様である。

　まず、本発明の実施の形態の洗濯乾燥機の概略構成について、図７を用いて説明する。

　図７は、本発明の実施の形態２における洗濯乾燥機の動作を説明する概略的なブロック図である。なお、図７中の実線の矢印は、制御信号の経路または力の伝達経路を示している。図７中に示す点線の矢印は、洗濯乾燥機１００内における水の流れを示している。また、図７中に示す一点鎖線の矢印は、洗濯乾燥機１００内における空気の流れを示している。

　本実施の形態の洗濯乾燥機１００は、図７に示すように、少なくとも筐体７００内に収容された制御部２００と、給水機構３００と、排水機構４００と、衣類処理機構５００と、乾燥機構６００と、筐体７００とを備える。

　制御部２００は、洗濯乾燥機１００が実行する洗いステップ、濯ぎステップ、脱水ステップおよび乾燥ステップに応じて、給水機構３００、排水機構４００、衣類処理機構５００および乾燥機構６００を制御する。

　衣類処理機構５００は、モータ５１０と、使用者が投入する衣類を収容する洗濯槽５２０などから構成される。そして、洗いステップ、濯ぎステップ、脱水ステップおよび乾燥ステップにおいて、衣類処理機構５００のモータ５１０は、制御部２００により制御され、洗濯槽５２０を回転させる。これにより、洗濯槽５２０に収容された衣類が、攪拌および脱水される。

　また、給水機構３００は、給水弁３１０、切替弁３２０および、使用者が投入する洗剤を収容する洗剤収容部３３０などから構成される。そして、洗いステップおよび濯ぎステップにおいて、給水機構３００の給水弁３１０および切替弁３２０は、制御部２００の制御に基づいて、開閉動作を行う。

　具体的には、まず、制御部２００は、洗いステップおよび濯ぎステップにおいて、洗濯槽５２０へ水を供給するために、給水機構３００の給水弁３１０を開く。そして、給水弁３１０を通じて流入した水は、切替弁３２０に到達する。このとき、洗いステップの場合、制御部２００は、切替弁３２０を操作し、洗剤収容部３３０から洗濯槽５２０へ向かう給水経路を切り替えて設定する。これにより、洗剤を含有する水が洗濯槽５２０へ供給される。一方、濯ぎステップの場合、制御部２００は、切替弁３２０を操作し、切替弁３２０から洗濯槽５２０へ直接的に向かう給水経路を切り替えて設定する。これにより、水道水が洗濯槽５２０へ供給される。

　また、排水機構４００は、循環ポンプ４１０、排水弁４２０および排水フィルタ４３０などから構成され、右壁７６０および前面７３０の近傍に配置される（図１１参照）。排水フィルタは、洗濯槽５２０から循環ポンプ４１０へ向かう水の経路に配置され、洗濯槽５２０から排出された水から塵埃を除去する。そして、洗いステップおよび濯ぎステップにおいて、排水機構４００の循環ポンプ４１０および排水弁４２０は、制御部２００の制御に基づいて、開閉動作する。これにより、少ない水量で、洗いステップおよび濯ぎステップを実行できる。

　具体的には、制御部２００は、循環ポンプ４１０を作動させている間、排水弁４２０を閉じる。一方、制御部２００は、循環ポンプ４１０が動作している間、給水機構３００により洗濯槽５２０に供給された水を、循環ポンプ４１０と洗濯槽５２０との間で循環する。

　そして、洗いステップおよび濯ぎステップにおいて、制御部２００が排水弁４２０を開くと、洗濯槽５２０内の不要な水は筐体７００の外に排出される。

　なお、排水機構４００の排水弁４２０は、脱水ステップにおいても、開いてもよい。これにより、衣類から分離された水は、排水弁４２０を通じて、筐体７００の外に排出される。

　また、乾燥機構６００は、少なくともエアフィルタ装置６１０、送風機６２０およびヒートポンプ装置６３０から構成される。そして、乾燥ステップにおいて、制御部２００は、送風機６２０およびヒートポンプ装置６３０を作動させる。具体的には、送風機６２０が作動している間、洗濯槽５２０内の空気は、洗濯槽５２０と送風機６２０との間で循環される。これにより、洗濯槽５２０内の衣類を乾燥する。

　以下に、本実施の形態の洗濯乾燥機の具体的な構成について、図８から図１１を用いて説明する。

　図８は、同実施の形態における洗濯乾燥機の縦断面図である。図９は、同実施の形態における洗濯乾燥機の一部を示す背面図である。図１０は、同実施の形態における洗濯乾燥機の一部を示す斜視図である。図１１は、同実施の形態における洗濯乾燥機の一部を示す平面図である。なお、図９は、洗濯乾燥機１００から後面７４０を取り除いた状態で示している。

　図８から図１１に示すように、本実施の形態の洗濯乾燥機１００の筐体７００は、洗濯槽５２０の下方で略水平に横たわる底部７１０と、洗濯槽５２０の上方で略水平に横たわる上面７２０と、底部７１０と上面７２０との間で立設された前面７３０と、前面７３０とは反対側の後面７４０とを備えている。さらに筐体７００は、さらに前面７３０と後面７４０との間で立設される左壁７５０と、左壁７５０とは反対の右壁７６０とを備えている。

　筐体７００の前面７３０には、回動可能な扉体１１０が取り付けられ、洗濯槽５２０に連通する投入口７３１が形成されている。扉体１１０は、投入口７３１を閉塞する閉位置と投入口７３１が開放される開位置との間で回動する。なお、図８に示す扉体１１０は、閉位置の状態で図示されている。

　また、洗濯槽５２０は、前面７３０と後面７４０との間で略水平（水平を含む）に延びる回転軸５５４周りに回転するドラム５３０と、ドラム５３０を収容する水槽５４０とから構成されている。そして、洗濯槽５２０は、前面７３０に向けて開口し、扉体１１０を開位置に回動させることにより、使用者は投入口７３１を通じて、衣類を洗濯槽５２０へ投入できる。その後、扉体１１０を閉じることにより、衣類を洗濯槽５２０内に閉じ込めることができる。

　また、モータ５１０は、図９や図１１に示すように、筐体７００の右壁７６０、底部７１０および後面７４０によって規定される角隅部に配置される。

　また、衣類処理機構５００は、図９に示すように、少なくとも水槽５４０と、モータ５１０と、回転シャフト５５１と、プーリ５５２と、無端のベルト５５３とから構成される。回転シャフト５５１は、水槽５４０の外底壁５４２を貫いて、ドラム５３０と接続される。プーリ５５２は、回転シャフト５５１に取り付けられ、モータ５１０の駆動力を、無端のベルト５５３を介して回転シャフト５５１に伝達する。これにより、モータ５１０は、ベルト５５３、プーリ５５２、回転シャフト５５１を介して、ドラム５３０を水槽５４０内で適切に回転させる。このとき、モータ５１０は、図９や図１１に示すように、筐体７００の右壁７６０、底部７１０および後面７４０によって規定される角隅部に配置される。

　また、乾燥機構６００は、少なくともエアフィルタ装置６１０、送風機６２０およびヒートポンプ装置６３０などから構成される。エアフィルタ装置６１０およびヒートポンプ装置６３０は、洗濯槽５２０から送風機６２０へ向かう空気の経路に配置される。このとき、エアフィルタ装置６１０は、洗濯槽５２０とヒートポンプ装置６３０との間に配置される。これにより、エアフィルタ装置６１０は、洗濯槽５２０から排出された空気から塵埃を除去する。

　そして、乾燥ステップにおいて、制御部２００は、送風機６２０およびヒートポンプ装置６３０を作動させる。具体的には、送風機６２０が作動している間、洗濯槽５２０内の空気は、洗濯槽５２０と送風機６２０との間で循環される。このとき、ヒートポンプ装置６３０は、洗濯槽５２０からエアフィルタ装置６１０を通流した空気と熱交換し、乾燥空気を作り出す。乾燥空気は、送風機６２０によって、再度、洗濯槽５２０へ送り込まれて循環する。

　このとき、洗濯槽５２０内の衣類は、洗濯槽５２０の回転によって攪拌される。そして、洗濯槽５２０に流入した乾燥空気は、撹拌している衣類と衝突し、衣類から水分を奪い、衣類を乾燥する。これにより、衣類と衝突した空気の湿度が、高くなる。そして、衣類と衝突し、湿った空気は、洗濯槽５２０から乾燥機構６００に排出される。

　ここで、本実施の形態では、図８、図９や図１１に示すように、上述の送風機６２０は、筐体７００左壁７５０、底部７１０および後面７４０によって規定される角隅部に配置され、底部７１０に据え付けられる。

　また、乾燥機構６００は、図８や図９に示すように、筐体７００の後面７４０と水槽５４０の外底壁５４２との間に配設された給気ダクト６４０を、さらに有している。給気ダクト６４０は、送風機６２０と水槽５４０の外底壁５４２とに接続される。そして、給気ダクト６４０は、筐体７００の後面７４０に沿って、送風機６２０から洗濯槽５２０へ乾燥空気を案内する。このとき、給気ダクト６４０は、図９に示すように、水槽５４０の外底壁５４２と、筐体７００の後面７４０との間で回転するプーリ５５２を取り巻くように湾曲して設けられる。そして、水槽５４０の外底壁５４２には、洗濯槽５２０内への空気の流入を許容する流入口（図示せず）が形成される。なお、送風機６２０から洗濯槽５２０への乾燥空気の導入する方法などは、上記の方法や構成に限られず、既知の乾燥装置に用いられる技術と同様であってもよい。

　また、ヒートポンプ装置６３０は、図１１に示すように、凝縮器６３４に向かって流れる冷媒を圧縮する圧縮機６３５と、蒸発器６３３に向かって流れる冷媒を減圧する膨張装置（図示せず）と、冷媒の循環経路を規定する管路６３７などから構成される。このとき、圧縮機６３５は、筐体７００の左壁７５０、底部７１０および前面７３０によって規定される角隅部に配置される。管路６３７は、圧縮機６３５、凝縮器６３４、膨張装置および蒸発器６３３を通過する閉ループを形成する。

　圧縮機６３５、主熱交換器６３１および副熱交換器６３２は、左壁７５０の近くで、密集して配置されるので、管路６３７は、左壁７５０と主熱交換器６３１との間の空間内で、主に配管される。

　本実施の形態によれば、ヒートポンプ装置６３０の圧縮機６３５は、筐体７００の右壁７６０よりも左壁７５０の近傍で、かつ筐体７００の後面７４０よりも前面７３０の近傍に配設される。また、送風機６２０は、筐体７００の右壁７６０よりも左壁７５０の近傍で、かつ筐体７００の前面７３０よりも後面７４０の近傍に配設される。さらに、モータ５１０は、筐体７００の左壁７５０よりも右壁７６０の近傍で、かつ筐体７００前面７３０よりも後面７４０の近傍に配設される。また、排水機構４００は、筐体７００の左壁７５０よりも右壁７６０の近傍で、かつ筐体７００の後面７４０よりも前面７３０の近傍に配設される。

　つまり、従来の洗濯乾燥機のように、ドラム５３０をベルト駆動方式で回転させる構成の場合、特に水槽５４０の下方には空いたスペースがない。そのため、水槽５４０の重心位置を高くしてスペースを設けると、洗濯乾燥機が大きくなる。

　そこで、上述したような配置で、ヒートポンプ装置６３０の圧縮機６３５、送風機６２０、送風機６２０および排水機構４００などを配設することにより、水槽５４０の下方の限られたスペースを有効に活用することができる。その結果、衣類乾燥機も本体の大きさを小さくして、小型にできる。また、衣類乾燥機の重心位置を、より下げることができる。その結果、ドラム５３０の高速回転時における振動を低減して、信頼性や安全性を向上できる。

　また、特に、高さのある送風機６２０を傾斜させて配設することにより、水槽５４０の設置位置を、さらに低くできる。

　また、高さのあるヒートポンプ装置６３０の圧縮機６３５を、例えば左壁７５０や前面７３０などの、壁と壁の隅部に配置することにより、水槽５４０との接触などの干渉を避けることができる。その結果、衣類乾燥機の本体の高さ方向の大きさを、よりコンパクトにできる。

　さらに、洗濯乾燥機の小型化により、洗濯乾燥機の収納場所が定められ、大きさが規格化されている場合でも、洗濯乾燥機の設計の自由度を高めることができる。さらに、ドラム５３０の高速回転時の振動を低減することができる。

　以上で説明したように、本発明の洗濯乾燥機は、筐体内に支持され、乾燥用空気の給気口および排気口を有する水槽と、水槽内で回転軸を中心に回転自在に設けられたドラムと、ドラムを駆動するモータと、水槽の給気口および排気口に連通接続した風路と、圧縮機と管路で連結した蒸発器および凝縮器を風路内に配設したヒートポンプ装置と、風路を通して水槽内に乾燥用空気を送風する送風ファンを有する送風機と、を備える。そして、モータとヒートポンプ装置とはドラムの回転軸を通る鉛直線の左右に隔てて配置され、モータは筐体内の後側下方に配設され、ヒートポンプ装置は筐体内の前側下方に配設される構成を有する。

　この構成によれば、モータおよびヒートポンプ装置を水槽の下方にコンパクトに構成して、筐体の高さを低くできる。これにより、一般的な設置場所に設けられている水栓と干渉することなく、洗濯乾燥機を容易に設置できる。また、水槽の重心位置を低くできる。これにより、脱水ステップにおけるドラムの高速回転時に、衣類などがドラム内で偏ったアンバランス状態の場合でも、振動を低減することができる。

　また、本発明の洗濯乾燥機は、送風機を、ヒートポンプ装置側で、ヒートポンプ装置の後方に配設するとともに、送風ファンの回転軸方向をヒートポンプ装置に向けて設置し、送風ファンの直径方向の上部が水槽の最下部より上方に位置するように構成してもよい。

　これにより、直径の大きい送風ファンをヒートポンプ装置の後方にコンパクトに収容できる。その結果、大風量の送風ファンによる、高効率の乾燥を実現できる。

　また、本発明の洗濯乾燥機は、ヒートポンプ装置が、ダクトを介して送風機と着脱自在に連通接続し、ヒートポンプ装置を筐体内の前面から取り出し可能に構成してもよい。

　これにより、筐体を設置場所から移動させることなく、筐体の前面からヒートポンプ装置を取り外すことができる。その結果、ヒートポンプ装置のメンテナンス作業をより容易にできる。

　また、本発明の洗濯乾燥機は、水槽の下部に接続し、水槽内の水を排水する排水機構を備え、排水機構は、筐体内の前方下部に配設してもよい。

　これにより、水槽の下部の形成される限られた空間を有効に利用して、筐体の大きさ、特に高さ方向の大きさを小さくできる。その結果、収納場所が定められているために、大きさが規格化された洗濯乾燥機の設計自由度を高めることができる。

　本発明によれば、筐体の小型化と、ドラムの振動の低減が要望される、洗濯乾燥機などの技術分野に有用である。

　１，７００　　筐体
　１ａ，７４０　　後面
　１ｂ，７３０　　前面
　１ｃ，７６０　　右壁
　１ｄ，７５０　　左壁
　１ｅ，７２０　　上面
　１ｆ　　取出口
　１ｇ，７１０　　底部
　２，５１，５４０　　水槽
　２ａ　　最下部
　３，１０ａ，２４ｂ，５５４　　回転軸
　４，５２，５３０　　ドラム
　５　　ダンパー
　７　　開口部
　８　　軸受
　９，５５２　　プーリ
　１０，５３，５１０　　モータ
　１１，５４，５５３　　ベルト
　１２　　透孔
　１３　　バッフル
　１４　　給気口
　１５　　排気口
　１６，５８　　風路
　１６ａ　　排気ダクト
　１６ｂ　　ダクト
　１６ｂｂ　　前端部
　１６ｃ，６４０　　給気ダクト
　１７，６３０　　ヒートポンプ装置
　１８，５５，６３５　　圧縮機
　１９，５７，６３４　　凝縮器
　２０　　膨張装置
　２１，５６，６３３　　蒸発器
　２２，６３７　　管路
　２３　　ケース
　２３ａ　　流入口
　２３ｂ　　流出口
　２３ｃ　　正面側
　２４，６２０　　送風機
　２４ａ，５９　　送風ファン
　２４ｃ　　上部
　２４ｄ　　吸気側
　２４ｅ　　ファン収容部
　２４ｆ　　排気部
　２５　　乾燥フィルタ
　２６　　排水口
　２７　　排水路
　２８，４３０　　排水フィルタ
　２９，１１０　　扉体
　３０　　カバー
　３２　　押圧部
　３３　　排水ポンプ
　３４　　排水管
　３５　　台枠
　３６，２００　　制御部
　５２ａ　　外周下部
　６０　　排気風路
　６１　　給気風路
　１００　　洗濯乾燥機
　３００　　給水機構
　３１０　　給水弁
　３２０　　切替弁
　３３０　　洗剤収容部
　４００　　排水機構
　４１０　　循環ポンプ
　４２０　　排水弁
　５００　　衣類処理機構
　５２０　　洗濯槽
　５４２　　外底壁
　５５１　　回転シャフト
　６００　　乾燥機構
　６１０　　エアフィルタ装置
　６３１　　主熱交換器
　６３２　　副熱交換器
　７３１　　投入口

Claims

筐体内に支持され、乾燥用空気の給気口および排気口を有する水槽と、
前記水槽内で回転軸を中心に回転自在に設けられたドラムと、
前記ドラムを駆動するモータと、
前記水槽の前記給気口および前記排気口に連通接続した風路と、
圧縮機と管路で連結した蒸発器および凝縮器を前記風路内に配設したヒートポンプ装置と、
前記風路を通して前記水槽内に乾燥用空気を送風する送風ファンを有する送風機と、を備え、
前記モータと前記ヒートポンプ装置とは、前記ドラムの前記回転軸を通る鉛直線の左右に隔てて配置され、
前記モータは、前記筐体内の後側下方に配設され、
前記ヒートポンプ装置は、前記筐体内の前側下方に配設される洗濯乾燥機。
前記送風機は、前記ヒートポンプ装置側で、前記ヒートポンプ装置の後方に配設するとともに、前記送風ファンの回転軸方向を前記ヒートポンプ装置に向けて設置し、前記送風ファンの直径方向の上部が前記水槽の最下部より上方に位置するように構成した請求項１記載の洗濯乾燥機。
前記ヒートポンプ装置は、ダクトを介して前記送風機と着脱自在に連通接続し、前記ヒートポンプ装置を前記筐体内の前面から取り出し可能に構成した請求項１に記載の洗濯乾燥機。
前記水槽の下部に接続し、前記水槽内の水を排水する排水機構を備え、
前記排水機構は、前記筺体内の前方下部に配設される請求項１に記載の洗濯乾燥機。