JP4675293B2 - 割り込み制御回路 - Google Patents

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Description

本発明は、割り込み制御回路に関するものであり、特に、割り込みを発生する回路の異常状態を検出する回路に関するものである。
CPU(central processing unit)を備えた情報処理装置は、実行中の処理を一時停止させて優先度の高い処理プログラム(割り込みハンドラ)を割り込んで実行させる、割り込み制御回路を有している(例えば、非特許文献1を参照)。
また、割り込みを発生する回路(割り込み発生回路)が定期的に割り込み要求を発生し、CPUがその割り込みに対する処理を行うことにより、正常なシステム動作を継続することができるシステムプログラムが存在する。もし、割り込み発生回路からの定期的な割り込み要求が発生しなくなった場合は、正常なシステム動作を継続できなくなるため、CPUは速やかにその状態を検出し、エラー処理を行う必要がある。
従来の割り込み制御回路では、割り込み発生回路からの割り込み要求が発生しなくなることを検出する手段として、タイマ割り込みを用いていた。すなわち、本来割り込みが発生するべき間隔で、別のタイマ割り込みを発生させ、タイマ割り込みのハンドラの中で、割り込み発生回路からの割り込み要求が発生しているかが確認され、もし発生していない場合は、システムが異常状態であることが検出され、エラー処理が行われていた。
社団法人日本システムハウス協会エンベデット技術者育成委員会編・著、「組み込みシステム開発のためのエンベデッド技術」電波新聞社、2003年11月15日、p.94―97
しかしながら、従来のタイマ割り込みを用いてエラーを検出する方法では、エラー検出のために別途タイマ割り込みを使う必要があり、リソースを効率的に使用できないという問題があった。また、システムの状態が正常であっても、タイマ割り込みの処理を行う必要があるため、システムプログラムの処理能力が下がるという問題があった。
本発明は、周期的に割り込み要求が発生していないことを、タイマ割り込みを用いずに速やかに検出する割り込み制御回路を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1の発明が講じた手段は、割り込み制御回路であって、基準とする時間を記憶して出力する条件記憶回路と、所定の時刻から前記基準とする時間が経過するまでの期間内に割り込み要求が発生しなければ、エラー検出を示す信号を出力するエラー検出回路と、割り込み要求が発生する毎にその発生する間隔を測定して出力する割り込み発生間隔測定回路とを備え、前記条件記憶回路は、前記割り込み発生間隔測定回路で測定された複数の間隔のうち1つを前記基準とする時間として選択するものであり、前記エラー検出回路は、前記割り込み発生間隔測定回路で新たに測定された間隔が、前記基準とする時間よりも大きい場合は、前記エラー検出を示す信号を出力するものである。
請求項の発明によると、割り込み要求が発生する間隔を測定し、その間隔が示す時間内に割り込み要求が発生しなければ、エラーとして検出する。このため、割り込み要求が発生する間隔があらかじめ分かっていない場合でも、割り込み要求の発生の間隔を認識し、記憶することにより、その後、割り込み要求が一定間隔で発生しなくなった場合に、それを検出することができる。
請求項の発明は、請求項記載の割り込み制御回路において、前記条件記憶回路は、前記割り込み発生間隔測定回路で測定された複数の間隔のうち最大の間隔を前記基準とする時間として選択するものである。
請求項の発明によると、割り込み要求が発生する間隔を複数回測定し、それらの間隔のうち最大の値が示す時間内に割り込み要求が発生しなければ、エラーとして検出する。このため、割り込み要求が発生する間隔が一定でなく、ばらつきがあったとしても、割り込み要求が正常に発生しないことを検出することができる。
請求項の発明は、請求項記載の割り込み制御回路において、前記エラー検出回路は、前記割り込み発生間隔測定回路で測定された間隔が、前記基準とする時間を所定の割合だけ増やした値よりも大きい場合にのみ、前記エラー検出を示す信号を出力するものである。
請求項の発明によると、割り込み要求が発生する間隔が、測定した間隔と誤差がある場合であっても、誤差の範囲内であれば、エラー状態として検出しないようにすることができる。
請求項の発明は、請求項記載の割り込み制御回路において、前記割り込み発生間隔測定回路で測定された複数の間隔の履歴を記憶し、前記履歴における最小値、最大値又は平均値を求めて、要求に応じて出力する割り込み発生間隔履歴記憶回路をさらに備えるものである。
請求項の発明によると、割り込み要求が発生する間隔の推移を把握することができ、システムプログラムや割り込み処理プログラム等の仕様を検討するための情報として利用することができる。
本発明によれば、タイマ割り込みを用いることなく、割り込み要求が周期的に発生していないことを検出することができ、これに対処するためのエラー処理をCPU等が行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る割り込み制御回路100の構成を示すブロック図である。図1の割り込み制御回路100は、割り込み制御メイン回路101と、条件記憶回路としてのエラー検出条件記憶回路102と、エラー検出回路103とを備えている。
割り込み発生回路110は、CPU120への割り込み処理の要求を示す割り込み要求信号S101を、割り込み制御メイン回路101及びエラー検出回路103に出力する。
割り込み制御メイン回路101は、割り込み発生回路110から割り込み要求信号S101を受け、特定の条件を満たしたときに、割り込みの発生を通知する割り込み発生通知信号S102をCPU120に出力する。
CPU120は、割り込み発生の間隔についてエラーであると判定するための閾値を示すエラー検出閾値時間S103と、割り込み制御回路100にエラー検出の開始を指示するエラー検出開始信号S104とを出力する。
エラー検出条件記憶回路102は、CPU120から受けたエラー検出閾値時間S103が示す時間を記憶し、エラー検出閾値時間情報S106としてエラー検出回路103に出力する。
エラー検出回路103は、CPU120からエラー検出開始信号S104を受けた後、エラー検出閾値時間情報S106が示す時間が経過するまでの期間内に、割り込み発生回路110から割り込み要求信号S101を受け取らなかった場合は、エラーを検出したことを通知するエラー検出割り込み信号S105をCPU120に出力する。CPU120は、エラー検出割り込み信号S105を受け取ると、エラー処理を行う。
なお、エラー検出の条件として、エラー検出開始信号S104を受けてからエラー検出閾値時間S103が示す時間が経過するまでの期間内に、所定の数の割り込み要求信号S101が発生している場合を正常な状態とし、割り込み要求信号S101が所定の数だけ発生しなかった場合に、エラー検出割り込み信号S105をCPU120に出力するように、エラー検出条件記憶回路102及びエラー検出回路103を構成してもよい。
また、割り込み発生回路110は、複数のCPUにより構成される回路において、CPU120とは別のCPUとしてもよい。
上記のように、本実施形態の割り込み制御回路100を用いることにより、CPU120は、割り込み発生回路110から一定間隔で発生すべき割り込み要求が発生しないことを速やかに検出して、適切なエラー処理を行うことができる。
特に、エラー検出閾値時間S103をCPU120が設定できることにより、割り込み発生回路110からの割り込みが発生する間隔がプログラムの実行途中に変化する場合であっても、割り込み発生回路110からの割り込み要求信号S101が一定間隔で発生しなくなる時点で割り込み制御回路100がエラーと判断し、CPU120は、適切にエラー処理を行うことができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る割り込み制御回路200の構成を示すブロック図である。図2の割り込み制御回路200は、図1の割り込み制御回路100において、エラー検出条件記憶回路102及びエラー検出回路103に代えて、条件記憶回路としての割り込み周期認識記憶回路204及びエラー検出回路205をそれぞれ備え、クロック生成回路202と、割り込み発生間隔測定回路203と、割り込み発生間隔履歴記憶回路304とをさらに備えている。
クロック生成回路202は、割り込み要求信号S101より十分に周波数の高いクロックを生成して、クロックS205として割り込み発生間隔測定回路203に出力する。
割り込み発生間隔測定回路203は、割り込み発生回路110から割り込み要求信号S101を受け取る。割り込み発生間隔測定回路203は、割り込み要求信号S101が発生する毎に、その発生する間隔が、クロックS205の何周期分に相当するかを測定し、得られた間隔を割り込み発生間隔情報S207として出力する。
CPU220は、割り込み発生間隔の記憶の開始を指示する割り込み周期認識開始信号S203と、割り込み発生間隔を記憶する回数を指示する割り込み周期認識回数信号S204とを、割り込み周期認識記憶回路204に出力する。
割り込み周期認識記憶回路204は、CPU220から割り込み周期認識開始信号S203を受け取った後、割り込み周期認識回数信号S204によって示された回数分の割り込み発生間隔情報S207の値を受け取り、その値のうちの1つ、例えば最大値を選択して、指定割り込み発生間隔情報S208としてエラー検出回路205に出力する。
エラー検出回路205は、割り込み周期認識回路204から指定割り込み発生間隔情報S208を受け取った後、その値より大きい値を示す割り込み発生間隔情報S207を受け取った場合は、エラーを検出したことを通知するエラー検出割り込み信号S209をCPU220に出力する。
なお、エラー検出回路205は、指定割り込み発生間隔情報S208が示す値を、所定の割合だけ増やした値より大きい値を示す割り込み発生間隔情報S207を受け取った場合にのみ、エラー検出割り込み信号S209を出力するようにしてもよい。
また、CPU220は、割り込み要求が発生する間隔の最小値、最大値又は平均値の通知を要求する履歴情報出力要求S304を出力する。
割り込み発生間隔履歴記憶回路304は、割り込み発生間隔測定回路203から受けた割り込み発生間隔情報S207の値の履歴を記憶し、それらの最小値、最大値及び平均値を求めて記憶する。
割り込み発生間隔履歴記憶回路304は、CPU220から受け取った履歴情報出力要求S304に応じて、記憶した割り込み発生間隔情報S207の値の最小値、最大値又は平均値を、履歴情報S305としてCPU220に出力する。
上記のように、本実施形態の割り込み制御回路200を用いることにより、割り込み制御回路200が、割り込み要求が発生する間隔を所定の回数だけ記憶し、その後に割り込み要求が発生する間隔が、記憶した間隔のうち1つ、例えば最大の間隔より大きくなった時点で、CPUは、その間隔の変化を検出することができ、適切なエラー処理を行うことができる。
また、割り込み発生回路110からの割り込み要求の発生間隔に関する情報(最小値、最大値、平均値)をCPU220が取得することができ、取得した情報は、ユーザのプログラム開発等に有用な情報として利用可能である。
(第3の実施形態)
図3は、図1の割り込み制御回路100を有するシステムLSI(large-scale integrated circuit)を備えたセットトップボックス500の構成を示す機能ブロック図である。図3のセットトップボックス500は、チューナユニット501と、フロントエンドLSI502と、トランスポートデコーダ503と、システムLSI510と、IC(integrated circuit)カードコントローラ511とを備える。システムLSI510は、トランスポートデコーダ503と、割り込み制御回路100と、ICカードインタフェース505と、CPU506と、AV(audio-visual)デコーダ507とを備える。
チューナユニット501は、衛星放送アンテナ532から放送波を受信する。フロントエンドLSI502は、放送波の復調を行い、トランスポートストリームをトランスポートデコーダ503に出力する。トランスポートデコーダ503は、トランスポートストリームから必要な情報の抽出を行い、AVパケットをAVデコーダ507に出力する。
割り込み制御回路100は、本発明の第1の実施形態に係る割り込み制御回路であり、トランスポートデコーダ503及びICカードインタフェース505から割り込み要求を受け、CPU506に通知する。ICカードインタフェース505は、ICカードコントローラ511を介し、ICカード534との間でデータの送受信を行う。CPU506は、システムLSI510の各機能ブロックの制御を行う。AVデコーダ507は、AVパケットのデコードを行い、動画及び音声をディスプレイ536に出力する。
衛星放送を受信する場合は、暗号化が施されたトランスポートストリームを、システムLSI510が復号化する必要がある。以下、セットトップボックス500を用いて衛星放送を受信する場合の、システムLSI510の動作について説明する。
トランスポートデコーダ503は、衛星放送受信動作時には、2秒に1回、トランスポートストリームに含まれる暗号ECM(entitlement control message)と呼ばれるセクションデータの抽出を行って、暗号ECM抽出完了割り込み要求を割り込み制御回路100に出力する。割り込み制御回路100は、暗号ECM抽出完了割り込み要求を受けて、CPUに通知する。
CPU506は、暗号ECM抽出完了割り込み要求を受けると、ICカードインタフェース505及びICカードコントローラ511を介して、暗号ECMをICカード534に送信する。
その後、ICカードインタフェース505は、ICカードコントローラ511を介して、送信した暗号ECMに対応した復号ECMデータを、ICカード534から受信する。
次に、ICカードインタフェース505は、割り込み制御回路100に復号ECMデータ受信完了割り込み要求を出力する。
CPU506は、復号ECMデータ受信完了割り込み要求を受けると、復号ECMをトランスポートデコーダ503内部のレジスタにセットする。
トランスポートデコーダ503は、CPU506から受けた復号ECMを用いて、暗号化されたトランスポートストリームを復号化し、AVパケットをAVデコーダ507に出力する。
2秒に1回発生するべき暗号ECM抽出完了割り込み要求が、その間隔で発生しない場合は、第1の実施形態で説明した通り、割り込み制御回路100は、エラー検出割り込み信号をCPU506に通知する。
よって、CPU506は、暗号ECM抽出完了割り込み要求が2秒に1回の間隔で発生しなくなったことを速やかに検出し、適切なエラー処理を、システムLSI510及びその他の回路に対して行う。
なお、システムLSI510は、トランスポートデコーダ503、割り込み制御回路100、ICカードインタフェース505、CPU506及びAVデコーダ507以外に、他の機能ブロックを備えてもよい。また、一部を別チップ構成としてもよい。さらには、新たな集積化の技術が登場すればこれを用いてもよい。
以上説明したように、本発明は、タイマ割り込みを用いることなく、割り込み要求が周期的に発生していないことを検出して、エラー処理を行うことができるので、携帯電話、デジタルテレビ及び自動車の車載端末等、CPUを備えた情報処理装置について有用である。
本発明の第1の実施形態に係る割り込み制御回路100の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る割り込み制御回路200の構成を示すブロック図である。 図1の割り込み制御回路100を有するシステムLSIを備えたセットトップボックス500の構成を示す機能ブロック図である。
100,200 割り込み制御回路
102 エラー検出条件記憶回路(条件記憶回路)
103,205 エラー検出回路
120,220 CPU
203 割り込み発生間隔測定回路
204 割り込み周期認識記憶回路(条件記憶回路)
304 割り込み発生間隔履歴記憶回路

Claims (4)

  1. 基準とする時間を記憶して出力する条件記憶回路と、
    所定の時刻から前記基準とする時間が経過するまでの期間内に割り込み要求が発生しなければ、エラー検出を示す信号を出力するエラー検出回路と、
    割り込み要求が発生する毎にその発生する間隔を測定して出力する割り込み発生間隔測定回路とを備え、
    前記条件記憶回路は、
    前記割り込み発生間隔測定回路で測定された複数の間隔のうち1つを前記基準とする時間として選択するものであり、
    前記エラー検出回路は、
    前記割り込み発生間隔測定回路で新たに測定された間隔が、前記基準とする時間よりも大きい場合は、前記エラー検出を示す信号を出力するものである
    ことを特徴とする割り込み制御回路。
  2. 請求項記載の割り込み制御回路において、
    前記条件記憶回路は、
    前記割り込み発生間隔測定回路で測定された複数の間隔のうち最大の間隔を前記基準とする時間として選択するものである
    ことを特徴とする割り込み制御回路。
  3. 請求項記載の割り込み制御回路において、
    前記エラー検出回路は、
    前記割り込み発生間隔測定回路で測定された間隔が、前記基準とする時間を所定の割合だけ増やした値よりも大きい場合にのみ、前記エラー検出を示す信号を出力するものである
    ことを特徴とする割り込み制御回路。
  4. 請求項記載の割り込み制御回路において、
    前記割り込み発生間隔測定回路で測定された複数の間隔の履歴を記憶し、前記履歴における最小値、最大値又は平均値を求めて、要求に応じて出力する割り込み発生間隔履歴記憶回路をさらに備える
    ことを特徴とする割り込み制御回路。
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