JP4674957B2 - 自動車のパッケージトレイ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の車体後部の荷室を上下に区分するパッケージトレイの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハッチバック車は、後部座席後方の大きな空間を荷室として利用できる。この空間はそのまま大きな1つの荷室として利用されたり、あるいは、平板状のパッケージトレイで上下に区分して利用される。
【0003】
このようなパッケージトレイとして、実開昭64−50145号公報に開示されているように、トレイ本体の車幅方向両端縁部に一対のサイドトレイを設け、上記サイドトレイには軸受け部とストッパとを設ける一方、上記トレイ本体には2本の軸を設けたパッケージトレイが知られている。このパッケージトレイは、サイドトレイを車体側に固定するようになっており、パッケージトレイの下に収納した荷物を取り出すとき、トレイ本体の後部を持ち上げると、2本の軸がそれぞれ軸受け部とストッパとに係合してトレイ本体の後部が上方に持ち上げられた状態で保持されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の公報例のパッケージトレイでは、トレイ本体は車体前方へ回動するようになっているが、サイドトレイは固定式であるため、パッケージトレイで区分される上下の荷室空間は一定で変わらず、利用状況に応じた臨機応変な対応が十分でない。つまり、パッケージトレイを荷室上方に配置して荷室下方の空間を広くして利用したり、逆にパッケージトレイを荷室の下の方に配置して上方の空間を広くして利用するといった配置変更ができない。
【0005】
一方、トレイ受け部を荷室の車幅方向両側壁に上下に間隔をあけて設けることで、パッケージトレイの位置を上下に変更可能なようにすることが考えられるが、車体後部の荷室は後輪のホイールハウスがあったり、あるいは車種によっては下部の車幅方向の幅が上部より狭くなっている自動車があるため、上述のようにパッケージトレイの位置を上下に変更しようとすると、幅の異なる複数のパッケージトレイを用意しなければならない。
【0006】
そこで、本出願人は、トレイ本体に対してサイドトレイを折り畳み式にすることにより、上下で車幅方向の幅が異なる荷室を1つのパッケージトレイで上下に区分するようにしたパッケージトレイを特願2000−269680として先に出願しているが、この出願内容では、パッケージトレイを車体側のトレイ受け部で支持する具体的な支持構造については言及しておらず、今後の開発が待たれていた。
【0007】
特に、折り畳み式のパッケージトレイでは、パッケージトレイの支持状態を安定させるために、車体側のトレイ受け部に係合する支持部材をサイドトレイのみならず、トレイ本体にも設けなければならず、サイドトレイを折り畳んだ状態で使用する際、折り畳んだサイドトレイがトレイ本体の支持を邪魔しないようにすることが必要である。
【0008】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トレイ本体をサイドトレイに邪魔されずに車体側のトレイ受け部に安定して支持させることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、車体側のトレイ受け部に係合するトレイ本体支持部材と、サイドトレイをトレイ本体に回動自在に連結するヒンジ軸との位置関係を適正に設定したことを特徴とする。
【0010】
具体的には、この発明は、係合溝を有し車幅方向の支間距離が異なる上段及び下段トレイ受け部が車体後部の荷室の車幅方向両側壁に上下に複数対設けられ、かつ上記下段トレイ受け部の車幅方向の支間距離が上記上段トレイ受け部の車幅方向の支間距離よりも短く設定された自動車において、上記各トレイ受け部に着脱自在に係合して上記荷室を上下に区分する樹脂製のパッケージトレイを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の発明は、板状のトレイ本体と、このトレイ本体の少なくとも車体前後方向中程より前方側でかつ車幅方向端縁部に車体前後方向に延びるヒンジ軸を有するヒンジを介して回動自在に連結された板状のサイドトレイとを備え、上記トレイ本体裏面車体前方端縁部でかつ車幅方向端縁部近傍には、切欠部が形成されるとともに、上記下段トレイ受け部の上記係合溝に着脱自在に係合する棒状のトレイ本体支持部材が車幅方向に延びその先端側部分を上記切欠部内に突出させてトレイ本体裏面から露出するようにかつ当該トレイ本体の車幅方向端縁部から突出しないように当該トレイ本体の板厚方向中間部にインサートされ、上記ヒンジ軸は、上記サイドトレイを回動させてトレイ本体裏面側に折り畳んだ使用状態において、サイドトレイが上記下段トレイ受け部に対するトレイ本体支持部材の係合を阻害しないように当該係合箇所よりもトレイ本体の車幅方向内側寄りに設けられ、上記サイドトレイの車体前方端縁部でかつ車幅方向端縁部近傍には、切欠部が形成されるとともに、上記上段トレイ受け部の上記係合溝に着脱自在にかつ回動可能に係合する棒状のサイドトレイ支持部材が車幅方向に延びその先端側部分を上記切欠部内に突出させてサイドトレイ裏面から露出するようにかつ当該サイドトレイの車幅方向端縁部から突出しないように当該サイドトレイの板厚方向中間部にインサートされていることを特徴とする。
【0012】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、サイドトレイを折り畳んだ使用状態で、車幅方向の支間距離が短い下段トレイ受け部にトレイ本体支持部材が係合することで、トレイ本体が下段トレイ受け部に支持される。この際、上記サイドトレイは、ヒンジ軸を境に上記トレイ本体の裏面側に折り畳まれていることから、サイドトレイがトレイ本体支持部材を覆わず、下段トレイ受け部に対するトレイ本体支持部材の係合が阻害されない。したがって、トレイ本体がサイドトレイに邪魔されずに下段トレイ受け部に安定して支持される。さらに、トレイ本体を下段トレイ受け部に支持して使用する場合、サイドトレイをトレイ本体から取り外さないため、サイドトレイの収納場所を別途設けることが不要であり、また、サイドトレイを紛失したりすることがない。
【0013】
また、請求項1に記載の発明では、サイドトレイを水平に広げてトレイ本体と略面一にした使用状態で、車幅方向の支間距離が長い上段トレイ受け部にサイドトレイ支持部材が係合することで、サイドトレイが上段トレイ受け部に安定して水平に支持される。この状態で、トレイ本体をバックドアに吊り紐で連結すれば、バックドアの開動作に連動してサイドトレイ支持部材を支点としてパッケージトレイ全体を車体前方へ上向きに回動させることができる。
【0014】
さらに、請求項1に記載の発明では、トレイ本体の車体前後方向中程より前方側でかつ車幅方向端縁部にサイドトレイを設ければ、トレイ本体の車幅方向後端側方が切り欠かれた状態となることから、荷室後端の車幅方向の幅が極端に狭い場合であっても、車体に干渉することなくパッケージトレイの設置が可能になる。
【0015】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、トレイ本体は、車幅方向に延びる薄肉ヒンジを境に前方トレイ部と後方トレイ部とに区分され、上記薄肉ヒンジは、その延長がサイドトレイの車幅方向内側後方コーナー部近傍を通る位置に形成され、上記後方トレイ部が薄肉ヒンジを支点として車体前方へ回動するようになっていることを特徴とする。
【0016】
上記の構成により、請求項に記載の発明では、後方トレイ部をバックドアに吊り紐で連結すれば、バックドアの開動作に連動して後方トレイ部が車体前方へ上向きに回動するので、使い勝手が良くなる。また、人が直接に手で後方トレイ部を持ち上げることもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図9は自動車がハッチバック車1であってバックドア3を上方に開けて車体5後部の荷室7を開放した状態を示す。この荷室7の車幅方向両側壁の上下方向中程には、車体前後方向に延びる細長いトレイ受けプレート9が車体内方に対向して突設され、その下方のホイールハウス11には、車体前後方向に延びるトレイ受け面13が対向して形成されている。
【0019】
上記両トレイ受けプレート9上面の車体前方端部には、車体後方に開放する係合溝15aを有する上段トレイ受け部15が対になって1つずつ突設されている。一方、上記両トレイ受け面13上面の車体前方端部と車体後方端部の各々には、上方に開放する係合溝17aを有する下段トレイ受け部17が対になって1つずつ突設されている。この下段トレイ受け部17の車幅方向の支間距離は、ホイールハウス11が車体内方に突出しているため、上記上段トレイ受け部15の車幅方向の支間距離よりも短くなっている。これにより、車幅方向の支間距離が異なる上段及び下段トレイ受け部15,17が車体5後部の荷室7の車幅方向両側壁に上下に3対設けられている。
【0020】
これら対になっている上段トレイ受け部15と下段トレイ受け部17には、パッケージトレイが着脱自在に係合して上記荷室7を上下に区分するようになっている。
【0021】
図7及び図8はこの発明の実施の形態1に係るパッケージトレイ19の全体構成を示す。このパッケージトレイ19は、車幅方向に長い略長方形の板状の樹脂製トレイ本体21を備え、このトレイ本体21の車幅方向両端縁部には、同じく板状の樹脂製の前側サイドトレイ23と後側サイドトレイ25とがそれぞれヒンジ軸27bを有するヒンジ27のヒンジプレート27aで連結され(図1、図3、図5及び図6に現れる)、これにより、前側及び後側サイドトレイ23,25が上記ヒンジ27の車体前後方向に延びるヒンジ軸27bを介して上下方向へ回動自在に連結されている。これらトレイ本体21と前側及び後側サイドトレイ23,25は共に、ブロー成形により成形され、内部に中空部26を有している(図1、図4、図5及び図6に現れる)。
【0022】
上記トレイ本体21は、車体前後方向中程で車幅方向に延びる薄肉ヒンジ29を境に前方トレイ部31と後方トレイ部33とに区分されている。この薄肉ヒンジ29は、その延長が上記前側サイドトレイ23の車幅方向内側後方コーナー部近傍を通る位置に形成されており、上記後方トレイ部33及び後側サイドトレイ25が薄肉ヒンジ29を支点として車体前方へ回動するようになっている。上記後方トレイ部33後端の車幅方向両端寄りには、吊り紐35がそれぞれ取り付けられており、この吊り紐35は上記バックドア3に引っ掛けられ、バックドア3の開動作に連動してトレイ本体21全体を車体前方へ上向きに回動させるようになっているが、人が直接に手で持ち上げることもできる。37は、上記後方トレイ部33後端の上記吊り紐35間に配置されたゴム等からなる弾性材であり、バックドア3を閉じた状態でバックドア3に接触してトレイ本体21のガタ付きを防止するようになっている。
【0023】
図3〜6に示すように、上記トレイ本体21の前方及び後方トレイ部31,33裏面の車幅方向両端縁部には、U字溝39が形成され、一方、前側及び後側サイドトレイ23,25に対応する前方及び後方トレイ部31,33側の端縁部には、2つの直線溝41が上記U字溝39に連続するように形成されている。上記U字溝39には、平面視で略U字形状の金属パイプからなる補強材43が押さえ板45により取り付けられて車幅方向に進退自在に配置されている。
【0024】
そして、上記前側及び後側サイドトレイ23,25を広げて前方及び後方トレイ部31,33に略面一にした状態で、上記補強材43を前側及び後側サイドトレイ23,25の直線溝41に前進させることにより、前側及び後側サイドトレイ23,25を補強材43で裏側から支持して前方及び後方トレイ部31,33との略面一状態を保持するようになっている(図3及び図5参照)。一方、前側及び後側サイドトレイ23,25を広げて前方及び後方トレイ部31,33に略面一にした状態から、上記前側及び後側サイドトレイ23,25を前方及び後方トレイ部31,33の裏面側に折り畳むに際しては、上記補強材43を車幅方向中央寄りに後退させて前側及び後側サイドトレイ23,25の直線溝41から離脱させ、その後、前側及び後側サイドトレイ23,25をヒンジ軸27bを中心に下方へ回動して前方及び後方トレイ部31,33の裏面側に折り畳むようにすればよい(図6参照)。
【0025】
また、上記補強材43は側面視で略への字形状をしており、その下方突出端部分を把持部43aとして、この把持部43aを人が把持して補強材43を車幅方向外方へ進退させるようになっている。一方、上記前側及び後側サイドトレイ23,25の車幅方向外側端部には、係止溝46(図5参照)が形成され、前側及び後側サイドトレイ23,25を前方及び後方トレイ部31,33の裏面側に折り畳んだ状態で、補強材43を前進させることにより、上記把持部43a両側の肩部43bを上記係止溝46に係止させ、前側及び後側サイドトレイ23,25の折り畳み状態を保持して垂れ下がらないようにしている(図6参照)。なお、前方トレイ部31側の補強材43は、人が直接に把持部43aを把持して進退操作させるようになっている。一方、後方トレイ部33側の補強材43にはベルト47(図7及び図8に破線で現す)が後方トレイ部33の裏面から露出して取り付けられており、補強材43を進退させる際には、人が直接に把持部43aを把持して進退させればよい。
【0026】
この発明の特徴の1つとして、図1及び図2に示すように、上記トレイ本体21の前方トレイ部31裏面の車体前方端縁部でかつ車幅方向端縁部近傍には、車体前方側及び車幅方向端縁部側が開放した切欠部48が形成されているとともに、上記下段トレイ受け部17の上記係合溝17aに着脱自在に係合する金属棒状のトレイ本体支持部材49が車幅方向に延びその先端側部分を上記切欠部48に突出させてトレイ本体21裏面から露出するようにかつ当該トレイ本体21の車幅方向端縁部から突出しないように当該トレイ本体21の板厚方向中間部にトレイ本体21成形時にインサートされている。また、上記トレイ本体21における後方トレイ部33裏面の車体前方端縁部でかつ車幅方向端縁部近傍には、切欠部50が形成されているとともに、上記トレイ本体支持部材49とは別の金属棒状のトレイ本体支持部材49が車幅方向に延びその先端側部分を上記切欠部50に突出させてトレイ本体21裏面から露出するようにかつ当該トレイ本体21の車幅方向端縁部から突出しないように当該トレイ本体21の板厚方向中間部にトレイ本体21成形時にインサートされている。これらトレイ本体支持部材49は中実の丸棒であるが、中途部の2箇所に偏平部49aが形成されており、これにより前方及び後方トレイ部31,33から抜けないようにかつ車体の振動でガタ付かないようにしている。これらトレイ本体支持部材49の車幅方向の間隔は、上記下段トレイ受け部17の支間距離に対応している。
【0027】
一方、上記ヒンジ27のヒンジ軸27bは、上記前側サイドトレイ23を回動させて前方トレイ部31裏面側に折り畳んだ使用状態において、前側サイドトレイ23が上記下段トレイ受け部17の係合溝17aに対するトレイ本体支持部材49の係合を阻害しないように当該係合箇所よりも前方トレイ部31の車幅方向内側寄りに設けられている。したがって、前側サイドトレイ23を前方トレイ部31裏面側に折り畳んだ使用状態で、トレイ本体支持部材49は前側サイドトレイ23に邪魔されることなく下段トレイ受け部17の係合溝17aに上方から着脱自在に係合して前方トレイ部31を水平に支持することができる。
【0028】
この発明の今1つの特徴として、図7及び図8に示すように、上記前側サイドトレイ23裏面の車体前方端縁部でかつ車幅方向端縁部近傍にも、上記トレイ本体21の前方トレイ部31と同様に、車体前方側及び車幅方向端縁部側が開放した切欠部48が形成されているとともに、上記上段トレイ受け部15の上記係合溝15aに着脱自在にかつ回動可能に係合する金属棒状のサイドトレイ支持部材51が車幅方向に延びその先端側部分を上記切欠部48に突出させて前側サイドトレイ23裏面から露出するようにかつ当該サイドトレイ23の車幅方向端縁部から突出しないように当該サイドトレイ23の板厚方向中間部にイドトレイ23成形時にインサートされている。このサイドトレイ支持部材51の車幅方向の間隔は、前側サイドトレイ23を広げて前方トレイ部31と略面一にした使用状態で、上記上段トレイ受け部15の支間距離に対応している。したがって、前側サイドトレイ23を広げて前方トレイ部31と略面一にした使用状態で、上段トレイ受け部15の係合溝15aに車体後方から水平に着脱自在に係合して前側サイドトレイ23を水平に支持するようになっている。
【0029】
この実施の形態1のパッケージトレイ19は以下のようにして使用される。
【0030】
(1) 前側及び後側サイドトレイ23,25を水平に広げた状態で、4箇所の補強材43を前進させて前側及び後側サイドトレイ23,25を上記補強材43で裏側から支持して前方及び後方トレイ部31,33に対して略面一に保持し、前側サイドトレイ23のサイドトレイ支持部材51を上段トレイ受け部15の係合溝15aに車体後方から水平に係合させる。
【0031】
これにより、パッケージトレイ19が上段トレイ受け部15に水平に支持される。この状態で、吊り紐35をバックドア3に引っ掛けると、バックドア3の開動作に連動して上記サイドトレイ支持部材51を支点としてパッケージトレイ19全体を車体前方へ上向きに回動させることができる。この場合、トレイ本体21は薄肉ヒンジ29を中心として若干くの字状態となる。吊り紐35をバックドア3に引っ掛けていないときには、人が後方トレイ部33を直接に手で持ち上げれば、後方トレイ部33及び後側サイドトレイ25を薄肉ヒンジ29を支点として車体前方へ上向きに回動させることができる。車体後方側の補強材43を後退させて後側サイドトレイ25を後方トレイ部33の裏面に折り畳んだ状態では、後方トレイ部33だけを薄肉ヒンジ29を支点として車体前方へ上向きに回動させることができる。
【0032】
(2) 4箇所の補強材43を後退させて前側及び後側サイドトレイ23,25をトレイ本体21裏面側に折り畳む。この状態で、前側及び後側サイドトレイ23,25がトレイ本体支持部材49を覆っておらず、トレイ本体支持部材49が前方及び後方トレイ部31,33裏側から露出している。そして、前方及び後方トレイ部31,33のトレイ本体支持部材49を下段トレイ受け部17の係合溝17aに上方から係合させる。
【0033】
これにより、トレイ本体21が下段トレイ受け部17に水平に支持される。
【0034】
このように、実施の形態1では、前側及び後側サイドトレイ23,25をトレイ本体21裏面側に折り畳んだ使用状態で、上記前側及び後側サイドトレイ23,25がトレイ本体支持部材49を覆わないようにしていることから、トレイ本体支持部材49を下段トレイ受け部17の係合溝17aに確実に係合させることができ、トレイ本体21を下段トレイ受け部17に安定支持することができる。
【0035】
また、トレイ本体21を下段トレイ受け部17に支持して使用する場合、前側及び後側サイドトレイ23,25をトレイ本体21から取り外さなくてよいので、前側及び後側サイドトレイ23,25の収納場所を別途設けなくて済むとともに、前側及び後側サイドトレイ23,25の紛失をなくすことができる。
【0036】
さらに、前側サイドトレイ23の車体前方端縁部でかつ車幅方向端縁部近傍に、サイドトレイ支持部材51を前側サイドトレイ23裏面から露出するように設けていることから、前側及び後側サイドトレイ23,25を水平に広げてトレイ本体21と略面一にした使用状態で、サイドトレイ支持部材51を上段トレイ受け部15の係合溝15aに確実に係合させることができ、前側及び後側サイドトレイ23,25を上段トレイ受け部15に安定支持することができる。
【0037】
また、トレイ本体21を下段トレイ受け部17に支持する際、トレイ本体支持部材49で4箇所止めするので、トレイ本体21を確実に安定支持することができる。
【0038】
加えて、トレイ本体21を薄肉ヒンジ29を境に前方トレイ部31と後方トレイ部33とに区分し、後方トレイ部33を薄肉ヒンジ29を支点として車体前方へ回動させるようにしたので、後方トレイ部33をバックドア3に吊り紐35で連結することで、バックドア3の開動作に連動して後方トレイ部33を、後側サイドトレイ25を広げた状態又は折り畳んだ状態で車体前方へ上向きに回動させることができ、使い勝手を良くすることができる。また、人が直接に手で後方トレイ部33を持ち上げることもできる。
【0039】
(実施の形態2)
図10及び図11はこの発明の実施の形態2に係るパッケージトレイ19を示す。この実施の形態2のパッケージトレイ19は、上記実施の形態1における後側サイドトレイ25及びそれに対応した補強材43がない。つまり、サイドトレイ53は、トレイ本体21の車体前後方向中程より前方側に設けられている。そのほかは実施の形態1と同様に構成されているので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0040】
したがって、この実施の形態2では実施の形態1と同様の作用効果を奏することができるものである。
【0041】
加えて、この実施の形態2では、サイドトレイ53が車体後方側を大きく切り欠いた状態となっていることから、荷室7後端の車幅方向の幅が極端に狭い場合であっても、車体5に干渉することなくパッケージトレイ19を設置することができるという利点を有する。
【0042】
(実施の形態3)
図12及び図13はこの発明の実施の形態3に係るパッケージトレイ19を示す。この実施の形態3のパッケージトレイ19は、実施の形態2と同様に、後ろ側サイドトレイ25及びそれに対応した補強材43がなく、サイドトレイ53は、トレイ本体21の車体前後方向中程より前方側に設けられているが、薄肉ヒンジ29がない点で実施の形態2とは異なる。そのほかは、実施の形態2と同様に構成されているので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0043】
したがって、この実施の形態3においても、薄肉ヒンジ29による回動動作を除くほかは実施の形態2と同様の作用効果を奏することができるものである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、トレイ本体支持部材をトレイ本体裏面から露出するようにトレイ本体の車幅方向端縁部近傍に設け、上記トレイ本体にヒンジ軸で連結されたサイドトレイをトレイ本体裏面側に折り畳んだ使用状態で、サイドトレイが車体の車幅方向の支間距離が短い下段トレイ受け部に対するトレイ本体支持部材の係合を阻害しないようにしたので、トレイ本体をサイドトレイに邪魔されることなく下段トレイ受け部に安定支持することができる。さらに、サイドトレイをトレイ本体から取り外すことなくトレイ本体を下段トレイ受け部に支持することができるので、サイドトレイ収納場所を設けなくて済むとともに、サイドトレイの紛失を防止することができる。また、サイドトレイ裏面から露出して上段トレイ受け部に着脱自在にかつ回動可能に係合してサイドトレイを支持するサイドトレイ支持部材を、サイドトレイの車体前方端縁部でかつ車幅方向端縁部近傍に設けたので、サイドトレイを水平に広げて上段トレイ受け部に水平に支持した状態でトレイ本体をバックドアに吊り紐で連結すれば、バックドアの開動作に連動してサイドトレイ支持部材を支点としてパッケージトレイ全体を車体前方へ上向きに回動させることができる。加えて、トレイ本体の車体前後方向中程より前方側でかつ車幅方向端縁部にサイドトレイを設ければ、トレイ本体の車幅方向後端側方が切り欠かれた状態となって、荷室後端の車幅方向の幅が極端に狭い場合であっても、車体に干渉することなくパッケージトレイを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トレイ本体を仮想線で示す下段トレイ受け部で支持した状態の図2のA−A線における断面図である。
【図2】 図7のD部拡大図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係るパッケージトレイのヒンジ部分を裏側から見た斜視図である。
【図4】 図3のB−B線における断面図である。
【図5】 図3のC−C線における断面図である。
【図6】 図5においてサイドトレイを折り畳んだ状態の断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に係るパッケージトレイにおいて図で左側の前側及び後側サイドトレイを折り畳んだ状態の斜視図である。
【図8】 この発明の実施の形態1に係るパッケージトレイにおいて両側の前側及び後側サイドトレイを広げた状態の平面図である。
【図9】 ハッチバック車の車体後部の荷室の斜視図である。
【図10】 この発明の実施の形態2に係るパッケージトレイにおいて図で左側のサイドトレイを折り畳んだ状態の斜視図である。
【図11】 この発明の実施の形態2に係るパッケージトレイにおいて両側のサイドトレイを広げた状態の平面図である。
【図12】 この発明の実施の形態3に係るパッケージトレイにおいて図で左側のサイドトレイを折り畳んだ状態の斜視図である。
【図13】 この発明の実施の形態3に係るパッケージトレイにおいて両側のサイドトレイを広げた状態の平面図である。
【符号の説明】
1 ハッチバック車(自動車)
7 荷室
15 上段トレイ受け部
17 下段トレイ受け部
19 パッケージトレイ
21 トレイ本体
23 前側サイドトレイ
25 後側サイドトレイ
27b ヒンジ軸
29 薄肉ヒンジ
31 前方トレイ部
33 後方トレイ部
49 トレイ本体支持部材
51 サイドトレイ支持部材
53 サイドトレイ

Claims (2)

  1. 係合溝を有し車幅方向の支間距離が異なる上段及び下段トレイ受け部が車体後部の荷室の車幅方向両側壁に上下に複数対設けられ、かつ上記下段トレイ受け部の車幅方向の支間距離が上記上段トレイ受け部の車幅方向の支間距離よりも短く設定された自動車において、上記各トレイ受け部に着脱自在に係合して上記荷室を上下に区分する樹脂製のパッケージトレイであって、
    板状のトレイ本体と、このトレイ本体の少なくとも車体前後方向中程より前方側でかつ車幅方向端縁部に車体前後方向に延びるヒンジ軸を有するヒンジを介して回動自在に連結された板状のサイドトレイとを備え、
    上記トレイ本体裏面車体前方端縁部でかつ車幅方向端縁部近傍には、切欠部が形成されるとともに、上記下段トレイ受け部の上記係合溝に着脱自在に係合する棒状のトレイ本体支持部材が車幅方向に延びその先端側部分を上記切欠部内に突出させてトレイ本体裏面から露出するようにかつ当該トレイ本体の車幅方向端縁部から突出しないように当該トレイ本体の板厚方向中間部にインサートされ、
    上記ヒンジ軸は、上記サイドトレイを回動させてトレイ本体裏面側に折り畳んだ使用状態において、サイドトレイが上記下段トレイ受け部に対するトレイ本体支持部材の係合を阻害しないように当該係合箇所よりもトレイ本体の車幅方向内側寄りに設けられ、
    上記サイドトレイの車体前方端縁部でかつ車幅方向端縁部近傍には、切欠部が形成されるとともに、上記上段トレイ受け部の上記係合溝に着脱自在にかつ回動可能に係合する棒状のサイドトレイ支持部材が車幅方向に延びその先端側部分を上記切欠部内に突出させてサイドトレイ裏面から露出するようにかつ当該サイドトレイの車幅方向端縁部から突出しないように当該サイドトレイの板厚方向中間部にインサートされていることを特徴とする自動車のパッケージトレイ
  2. 請求項に記載の自動車のパッケージトレイにおいて、
    トレイ本体は、車幅方向に延びる薄肉ヒンジを境に前方トレイ部と後方トレイ部とに区分され、
    上記薄肉ヒンジは、その延長がサイドトレイの車幅方向内側後方コーナー部近傍を通る位置に形成され、
    上記後方トレイ部が薄肉ヒンジを支点として車体前方へ回動するようになっていることを特徴とする自動車のパッケージトレイ。
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