JP3768467B2 - 車両用シート構造 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シート構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
車両用シート構造に関する技術として、例えば、シートクッションの中央側の一部を取り外すことで、残りの部分で四方が囲まれた上方開口の収納凹部を形成したり、この収納凹部の開口を開閉可能な蓋体を設けたりするものがある（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開平２−２２０９３６号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにシートクッションの中央側の一部を取り外すことで上方開口の収納凹部を形成するのでは、荷物を置くため収納凹部を形成する際に、シートクッションの一部を一々取り外さなければならず、非常に手間がかかってしまう。また、シートクッションの中央側の一部を取り外した残りの部分で収納凹部を形成するため、収納凹部の大きさが十分でないという問題もあった。
【０００５】
したがって、本発明は、収納凹部を容易に形成することができ、その上、収納凹部の大きさを大きくできる車両用シート構造の提供を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１に係る発明は、左右両側に配置される一対の側部シート（例えば実施の形態における側部シート１１）と、これら側部シートの間に配置される中央シート（例えば実施の形態における中央シート１６）とを有する三人掛けの車両用シート構造において、前記中央シートのシートクッション（例えば実施の形態におけるシートクッション１７）が前側分割体（例えば実施の形態における前側分割体３４）と後側分割体（例えば実施の形態における後側分割体３５）とを有しており、前記前側分割体が、前記後側分割体から前方に前側ほど上側に位置するように延出するシートフレーム（例えば実施の形態におけるシートフレーム３１）の前端部の回動支持部材（例えば実施の形態における回動支持部材４３）によって前端側を中心に前方へ回動することで前方に移動することにより、該前側分割体の移動後の後面（例えば実施の形態における後面５５）と前記後側分割体の前面（例えば実施の形態における前面３８）と前記一対の側部シートのシートクッション（例えば実施の形態におけるシートクッション１２）の前記中央シート側の側面（例えば実施の形態における側面６３）とで上方開口の収納凹部（例えば実施の形態における収納凹部６４）を画成するとともに、前記前側分割体は、前記回動時に上下反転し、反転後の上面（例えば実施の形態における上面５６）にトレイ部（例えば実施の形態におけるトレイ部５７）が設けられていることを特徴としている。
【０００７】
これにより、中央シートのシートクッションの前側分割体を前方に移動させると、この前側分割体の移動後の後面と後側分割体の前面と一対の側部シートのシートクッションの中央シート側の側面とで上方開口の収納凹部が画成されることになる。よって、収納凹部を形成するにあたっては、前側分割体を移動させれば良く、シートクッションを一々取り外す必要が無い。また、収納凹部の左右の壁面は、左右の側部シートの側面で形成されるため、中央シートの一部で左右の壁面が形成される場合に比して幅を大きくできる。
収納凹部を形成するために前側分割体を回動させると、前側分割体は上下反転して上面にトレイ部が配置された状態となり、左右の側部シートの乗員が中央シートの前側分割体をトレイとして使用できる。
【００１０】
請求項２に係る発明は、請求項１に係る発明において、前記中央シートは、前記前側分割体の前記上下反転後の前記トレイ部の前端部を前記一対の側部シートの前端部に対し、一致させる位置を含む後方に位置させるまで後方スライド可能とされていることを特徴としている。
【００１１】
これにより、前側分割体の反転後のトレイ部の前端部が一対の側部シートの前端部に対し、一致する位置を含む後方に位置するまで中央シートを後方にスライドさせると、左右の側部シートの乗員のトレイ部の使い勝手がさらに良くなる。また、左右の側部シート間で乗員が行き来するときに中央シートの前方に回動した前側分割体が邪魔にならず、円滑に移動できる。
【００１２】
請求項３に係る発明は、請求項１または２に係る発明において、前記収納凹部の底部を構成する底部構成部材（例えば実施の形態における底部構成部材４６）の下側に該底部構成部材で開閉される上方開口の第２収納凹部（例えば実施の形態における第２収納凹部６７）が設けられていることを特徴としている。
【００１３】
このように、収納凹部の底部を構成する底部構成部材を開けると下側に上方開口の第２収納凹部が設けられているため、収納スペースを増やすことができる。
【００１４】
請求項４に係る発明は、請求項１乃至３のいずれか一項に係る発明において、前記中央シートのシートバック（例えば実施の形態におけるシートバック１８）が前倒可能とされており、該シートバックは、前倒状態で前記収納凹部の開口を覆うとともに、前倒後の上面（例えば実施の形態における上面７５）にトレイ部（例えば実施の形態におけるトレイ部７６）が設けられていることを特徴としている。
【００１５】
これにより、収納凹部を形成するために前側分割体を回動させた状態で、中央シートのシートバックを前倒させると収納凹部の開口を覆う蓋となる。しかも、シートバックは、前倒後の上面にトレイ部が配置された状態となるため、左右の側部シートの乗員が中央シートのシートバックをトレイとして使用できる。
【００１６】
請求項５に係る発明は、請求項１乃至４のいずれか一項に係る発明において、前記中央シートのシートバックが前倒可能とされており、該シートバックは、前倒状態で前記収納凹部の開口を覆うとともに、前倒後の上面にアームレスト部（例えば実施の形態におけるアームレスト部８０）が設けられていることを特徴としている。
【００１７】
これにより、収納凹部を形成するために前側分割体を回動させた状態で、中央シートのシートバックを前倒させると収納凹部の開口を覆う蓋となる。しかも、シートバックは、前倒後の上面にアームレスト部が配置された状態となるため、左右の側部シートの乗員が中央シートのシートバックをアームレストとして使用できる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の車両用シート構造を図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において用いる前後左右は車体における前後左右である。
【００１９】
本実施形態の車両用シート構造は、左右両側に配置される一対の側部シートと、これら側部シートの間に配置される中央シートとを有する三人掛けの構造であり、前後方向の二列のうちの前列に適用されている。なお、後列のみに適用したり、前後両方の列に適用しても良いことは勿論、三列以上の場合にもすべての列に適用可能である。
【００２０】
図１に示すように、前から一列目の左右一対の側部シート１１は、それぞれ、シートクッション１２とシートクッション１２の後端側に連結されたシートバック１３とを有しており、それぞれ単独で、シートクッション１２の下側に設けられたスライド機構１４によって前後スライド可能となっている。なお、これら側部シート１１はスライド機構１４による前後スライドの範囲が互いに一致している。
【００２１】
一列目の両側部シート１１の間に設けられる中央シート１６は、両側部シート１１の左右方向幅よりも幅狭とされている。中央シート１６は、シートクッション１７とシートクッション１７の後端側に連結されたシートバック１８とを有しており、シートクッション１７の下側に設けられたスライド機構１９によって単独で前後スライド可能となっている。なお、中央シート１６はスライド機構１９による前後スライドの範囲が側部シート１１のスライド機構１４によるスライド範囲に対し一部重なり合いながら後側に所定量ずれている。また、中央シート１６のスライド機構１９によるスライド範囲は、側部シート１１のスライド機構１４によるスライド範囲よりも大きく設定されている。
【００２２】
具体的には、図１に二点鎖線で示すように、一対の側部シート１１をスライド機構１４により前端位置に位置させるとともに中央シート１６をスライド機構１９により前端位置に位置させると、一対の側部シート１１よりも中央シート１６が所定量後側にずれることになり、Ｖ字レイアウトとなる。
【００２３】
また、図１に実線で示すように両側の側部シート１１をスライド機構１４により後端位置に位置させるとともに、図１に二点鎖線で示すように中央シート１６をスライド機構１９により前端位置に位置させると、図２にも示すように、両側の側部シート１１と中央シート１６とが前後に位置を合わせる直線状のレイアウトになる。
【００２４】
さらに、図１に二点鎖線で示すように両側の側部シート１１をスライド機構１４により前端位置に位置させるとともに、図１に実線で示すように中央シート１６をスライド機構１９により後端位置に位置させると、一対の側部シート１１よりも中央シート１６が所定量後側にずれることになり、Ｖ字レイアウトとなる。このとき、シートバック１３，１８の角度を合わせた状態では、中央シート１６の乗員の肩が側部シート１１の乗員の肩から完全に離間するように中央シート１６のスライド機構１９によるスライド量が設定されている。
【００２５】
加えて、図１に実線で示すように、両側の側部シート１１をスライド機構１４により後端位置に位置させるとともに中央シート１６をスライド機構１９により後端位置に位置させると、図３にも示すように、一対の側部シート１１よりも中央シート１６が所定量後側にずれることになり、Ｖ字レイアウトとなる。このときも、シートバック１３，１８の角度を合わせた状態では、中央シート１６の乗員の肩が側部シート１１の乗員の肩から完全に離間するように中央シート１６のスライド機構１９によるスライド量が設定されている。
つまり、中央シート１６が後端位置に位置する状態では、側部シート１１の位置に拘わらず常に中央シート１６の乗員の肩が側部シート１１の乗員の肩から完全に離間する設定となる。
【００２６】
前から二列目の左右一対の側部シート２１は、それぞれ、シートクッション２２とシートクッション２２の後端側に連結されたシートバック２３とを有しており、前後スライド不可となっている。なお、二列目の側部シート２１の左右方向幅は、一列目の側部シート１１の左右方向幅よりも幅狭となっている。
【００２７】
二列目の両側部シート２１の間に設けられる中央シート２６は、両側部シート２１の左右方向幅よりも幅狭とされており、一列目の中央シート１６の左右方向幅よりも幅広となっている。また、中央シート２６の左右方向の中央位置は中央シート１６の左右方向の中央位置と左右方向で一致している。中央シート２６は、シートクッション２７とシートクッション２７の後端側に連結されたシートバック２８とを有しており、シートクッション２７の下側に設けられたスライド機構２９によって単独で前後スライド可能となっている。なお、中央シート２６はスライド機構２９による前後スライドの範囲が位置固定の側部シート２１から後側に延びている。
【００２８】
具体的には、図１に二点鎖線で示すように、中央シート２６をスライド機構２９により前端位置に位置させると、図２にも示すように、両側の側部シート２１と中央シート２６とが前後に位置を合わせる直線状のレイアウトになる。
【００２９】
また、図１に実線で示すように、中央シート２６をスライド機構２９により後端位置に位置させると、一対の側部シート２１よりも中央シート２６が所定量後側にずれることになり、図３にも示すように、Ｖ字レイアウトとなる。このとき、シートバック２３，２８の角度を合わせた状態では、中央シート２６の乗員の肩が側部シート２１の乗員の肩から完全に離間するように中央シート２６のスライド機構２９によるスライド量が設定されている。
【００３０】
次に、一列目の中央シート１６についてさらに説明する。
一列目の中央シート１６は、図４に示すように、そのシートフレーム３１においてスライド機構１９に支持されており、そのシートバック１８は、下部側が左右方向に沿う軸線を中心として回動可能となるようにシートフレーム３１に支持軸３２を介して支持されている。ここで、シートバック１８はほぼ水平に沿う状態まで前倒可能とされている。
【００３１】
また、この中央シート１６のシートクッション１７は、図５にも示すように、前側分割体３４と後側分割体３５とに分割されている。後側分割体３５は、略直方体形状をなしており、シートフレーム３１に固定されている。後側分割体３５は、シートフレーム３１に固定された状態で、座面３７を上側にし、かつ前面３８を左右方向に沿わせかつ鉛直方向に沿わせる状態とされている。
【００３２】
前側分割体３４は、図６および図７に示すように、シートフレーム３１の前端部を構成する固定側フレーム４０に回動可能に支持されている。この固定側フレーム４０は、前側ほど上側に位置するように延出する第１延出部４１と、この第１延出部４１の先端から前側ほど下側に位置するように延出する第２延出部４２とを有しており、第２延出部４２の前端部に設けられた回動支持部材４３によって前側分割体３４を左右方向に沿う軸線を中心として回動可能に支持している。
【００３３】
前側分割体３４は、略直方体形状をなしており、座面４５を上側にした状態で、後端下部が下側の底部構成部材４６に支持されることになる。ここで、座面４５を上側にした状態の前側分割体３４において底部構成部材４６に支持される端縁部は、左右方向に延在するとともに若干下方に突出する突出縁部４７とされている。そして、この状態で、前側分割体３４は、後側分割体３５に接触するとともに、後側分割体３５の座面３７と自らの座面４５とをほぼ連続させる状態となる。つまり、前側分割体３４と後側分割体３５とは、この状態がシートクッション１７を構成し乗員の着席を許容する着席許容状態となる。
【００３４】
なお、前側分割体３４には、補強フレーム４８が内部の座面４５に対し反対側に埋設されている。また、前側分割体３４の上記着席許容状態における前端側には、補強フレーム４８に固定された状態で回転側フレーム４９が設けられており、この回転側フレーム４９にはストッパバー５０が固定されている。
【００３５】
前側分割体３４は、上記着席許容状態における前端側が回動支持部材４３によって回動可能に支持されており、この着席許容状態から後端部を引き上げることで、回動支持部材４３すなわち左右方向に沿う軸線を中心に前方へ回動することになる。そして、前側分割体３４は、回動により座面４５を下方に向けるように上下反転した状態で、ストッパバー５０が固定側フレーム４０の第１延出部４１と第２延出部４２との境界の凹部５３に入り込むようにして固定側フレーム４０に当接する。これにより前側分割体３４は停止して前方回動状態となる。なお、前側分割体３４の上記着席許容状態における後面５４は、後側分割体３５の前面３８に対し上記回動が可能となるように下側が若干湾曲する形状をなしている。
【００３６】
そして、前側分割体３４のこのような回動後の前方回動状態における後面５５（すなわち着席許容状態における前面）は、左右方向に沿いかつ鉛直方向に沿っている。
【００３７】
前方回動状態にある上下反転後の前側分割体３４の上面５６には、図７〜図８に示すように、トレイ部５７が設けられている。すなわち、前方回動状態にある前側分割体３４の上面５６側には、周縁部が若干上側に突出する周縁突出部５８とされるとともに、その内側が一段凹んだ平坦な載置面５９とされ、載置面５９の中間位置に若干上側に突出する仕切部６０が形成された形状をなすトレイ部材６１が埋設されており、このトレイ部材６１の上面側すなわち周縁突出部５８、載置面５９および仕切部６０がトレイ部５７を構成している。
【００３８】
また、前方回動状態では、前側分割体３４の後面５５と後側分割体３５の前面３８と一対の側部シート１１のシートクッション１２の中央シート１６側の側面６３とで水平方向における四方が囲まれて、図８〜図１０に示すように、上方開口の収納凹部６４が画成されることになる。すなわち、前方回動状態にある前側分割体３４の後面５５は左右方向に沿いかつ鉛直方向に沿うことになり、後側分割体３５の前面３８は、前方回動状態にある前側分割体３４の後面５５とほぼ平行をなして対向することになり、これらの左右両側に設けられる一対の側部シート１１の側面６３は前後方向に沿いかつ鉛直方向に沿うことになって、これらが四角枠状をなし、その結果、これらの内側に上方開口の収納凹部６４が画成される。
【００３９】
そして、上記収納凹部６４の底部は、前側分割体３４が着座許容状態にあるときこの前側分割体３４で覆われるとともに前方回動状態にあるとき露出する部分に設けられた板状の底部構成部材４６で構成されている。
【００４０】
この底部構成部材４６の下側には、この底部構成部材４６で開閉される上方開口の第２収納凹部６７を画成する箱部材６８がシートフレーム３１に固定されて設けられている。底部構成部材４６はその前端縁部が箱部材６８の上部かつ前部側に、左右方向に沿う軸線を中心として回動可能となるように支持されており、図８〜図１０に示すように、略水平に沿う状態で係止されて第２収納凹部６７の上部開口を覆う一方、図１１〜図１２に示すように、前端部を中心に回動し略鉛直方向に沿う状態で第２収納凹部６７の上部開口を開放させる。ここで、底部構成部材４６には図示は略すが開閉用の取っ手が設けられている。なお、第２収納凹部６７の底には、左右方向の中央にさらに凹んだ凹部６９が形成されている。
【００４１】
この底部構成部材４６の上面は、収納凹部６４に収納される収納物を載置させる載置面７２とされている。
【００４２】
中央シート１６のシートバック１８は、図１３および図１４に示すように、支持軸３２を中心に前倒可能とされており、前側分割体３４が前方回動状態にあって収納凹部６４を露出させている状態において、限度位置まで前倒することで、収納凹部６４の開口を上側から覆う。なお、シートバック１８の高さは、図１３に示すように、前倒状態において前方回動状態にある前側分割体３４のトレイ部５７を覆い隠してしまうことがない大きさとされている。
【００４３】
そして、シートバック１８の背面すなわち限度位置まで前倒した前倒状態での上面７５には、トレイ部７６が設けられている。すなわち、シートバック１８の前倒状態での上面７５側には、周縁部が若干上側に突出する周縁突出部７７とされるとともに、その内側が一段凹んだ平坦な載置面７８とされた形状をなすトレイ部材７９が埋設されており、その周縁突出部７７および載置面７８がトレイ部７６を構成している。また、シートバック１８のトレイ部７６の左右両側は、前後方向に延びるアームレスト部８０とされている。なお、勿論、図１５に示すように、前側分割体３４を着席許容状態としていても、シートバック１８を前倒状態とすればトレイ部７６およびアームレスト部８０を良好に使用できる。
【００４４】
以上に述べた本実施形態の車両用シート構造によれば、中央シート１６に乗員を着席させる場合には、図４および図５に示すように、シートクッション１７の前側分割体３４を着席許容状態とする。すなわち、前側分割体３４を、底部構成部材４６に載置させ後側分割体３５に接触させるとともに、後側分割体３５の座面３７と自らの座面４５とをほぼ連続させる状態とする。
【００４５】
一方、中央シート１６に乗員を着席させずに、荷物等の収納物を置くときには、図７に示すように、前側分割体３４をその後端部を引き上げて前端側を中心に前方へ回動させることにより、前側分割体３４のストッパバー５０を固定側フレーム４０に当接させて前方回動状態とする。すると、図８〜図１０に示すように、前側分割体３４の後面５５と後側分割体３５の前面３８と一対の側部シート１１の中央シート１６側の側面６３とで水平方向における四方が囲まれた上方開口の収納凹部６４が露出することになる。このとき、収納凹部６４の底部を構成する底部構成部材４６が箱部材６８に係止されて載置面７２を上方に向けており、図１６に示すように、収納物１００をこの載置面７２に載置させることで、収納物は四方が上記後面５５、前面３８、両側面６３で囲まれることになり、安定状態で載置される。よって、例えば可撓性の袋に形状の一定しない複数の物品を入れた安定性の悪い収納物１００を載置面７２に載置させて、この収納物１００に走行により前後左右に荷重がかかっても、袋が倒れて物品が転がり出たりすることを防止できる。
【００４６】
そして、上記のように、収納物を載置させる収納凹部６４を形成するに当たっては、前側分割体３４を回動させれば良く、シートクッション１７を一々取り外す必要が無い。したがって、収納凹部６４を容易に形成することができる。また、収納凹部６４の左右の壁面は、左右の側部シート１１の側面６３で形成されるため、中央シート１６のシートクッション１７の一部で左右の壁面が形成される場合に比して幅を大きくできる。したがって、収納凹部６４の大きさを大きくできる。
【００４７】
また、このように前側分割体３４を前方回動状態とした状態では、前側分割体３４は上下反転して上面５６にトレイ部５７が配置された状態となり、左右の側部シート１１の乗員が中央シート１６の前側分割体３４をトレイとして使用できる。したがって、中央シート１６の前側分割体３４をトレイとして有効利用できる。
【００４８】
ここで、例えば、図１７に示すように、限界位置まで左右の側部シート１１を前進させた状態では、前側分割体３４が前方回動状態とされた中央シート１６を適宜の位置まで後退させれば、前側分割体３４の前端部が一対の側部シート１１の前端部よりも後側に位置することになり、その結果、トレイ部５７の前端部も一対の側部シート１１の前端部よりも後側に位置することになる。
【００４９】
そして、図１８に示すように、限界位置まで側部シート１１を後退させた状態であっても、前側分割体３４が前方回動状態とされた中央シート１６を後方にスライドさせると、限界位置（図１８に示す位置）より手前で、前側分割体３４の前端部が一対の側部シート１１の前端部に一致することになり、その結果、それよりも手前でトレイ部５７の前端部が一対の側部シート１１の前端部に一致することになる。
【００５０】
つまり、中央シート１６のスライド機構１９によるスライド範囲は、前側分割体３４を前方回動状態とした状態で前側分割体３４のトレイ部５７の前端部を、いずれの位置にある側部シート１１の前端部に対しても一致する位置よりも後側に位置させるまで後方スライド可能に設定されている。よって、中央シート１６を後方にスライドさせると、左右の側部シート１１に着席した乗員と前側分割体３４のトレイ部５７との距離を近づけることができ、その結果、左右の側部シート１１に着席した乗員はトレイ部５７の使い勝手がさらに良くなる。なお、中央シート１６は、前方回動状態にある前側分割体３４の少なくともトレイ部５７の前端部を、側部シート１１の前端部に対して一致させる位置まで後方スライド可能に設定されていれば、左右の側部シート１１に着席した乗員によるトレイ部５７の使い勝手は良好となる。
【００５１】
また、中央シート１６のスライド機構１９によるスライド範囲が上記設定とされているため、左右の側部シート１１がいずれの位置にあっても前方回動状態にある前側分割体３４の前端部がこれら側部シート１１よりも出っ張らない状態にできる。したがって、車両の停車時に左右の側部シート１１間で乗員が行き来するときに中央シート１６の前方回動状態にある前側分割体３４が邪魔にならずに円滑に移動できる。
【００５２】
また、必要により、例えば車両に常時携帯しておくもの等の収納物を収納する場合には、前側分割体３４を前方回動状態とした状態で収納凹部６４の底部を構成する底部構成部材４６を開けて、その下側に設けられた上方開口の第２収納凹部６７を露出させる。そして、この第２収納凹部６７に収納物を収納して、底部構成部材４６を閉じる。このように第２収納凹部６７が設けられているため、収納スペースを増やすことができる。
【００５３】
さらに、必要により、前側分割体３４を前方回動状態とし、収納物が収納凹部６４にないあるいは収納凹部６４から出ない範囲で設けられている場合に、中央シート１６のシートバック１８を前倒状態にすると、図１３および図１４に示すように、このシートバック１８は収納凹部６４の上方開口を覆う蓋となる。しかも、シートバック１８は前倒後の上面７５にトレイ部７６が配置された状態となるため、左右の側部シート１１の乗員が中央シート１６のシートバック１８をトレイとして使用できる。したがって、中央シート１６のシートバック１８をトレイとして有効利用できる。このとき、前側分割体３４のトレイ部５７も露出しているため、二つのトレイ部５７，７６を使用することができる。加えて、このシートバック１８の上面７５にはトレイ部７６の左右に、腕を置くのに十分な幅のアームレスト部８０が配置された状態となるため、左右の側部シート１１の乗員が中央シート１６のシートバック１８をアームレストとして使用できる。したがって、中央シート１６のシートバック１８をアームレストとしても有効利用できる。
【００５４】
なお、以上においては、前側分割体３４を前方回動可能に設けたが、前側分割体３４を前方回動可能かつ前方回動状態で前後スライド可能としても良い。このように構成すれば、収納凹部６４の前後方向の幅を収納物に応じて調整することが可能となる。
また、前側分割体３４を前後方向のスライド（水平移動）のみ可能とし、前方にスライドすることで収納凹部６４を形成するようにしても良い。
【００５５】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項１に係る発明によれば、中央シートのシートクッションの前側分割体を前方に移動させると、この前側分割体の移動後の後面と後側分割体の前面と一対の側部シートのシートクッションの中央シート側の側面とで上方開口の収納凹部が画成されることになる。よって、収納凹部を形成するにあたっては、前側分割体を移動させれば良く、シートクッションを一々取り外す必要が無い。また、収納凹部の左右の壁面は、左右の側部シートの側面で形成されるため、中央シートの一部で左右の壁面が形成される場合に比して幅を大きくできる。したがって、収納凹部を容易に形成することができ、その上、収納凹部の大きさを大きくできる。
収納凹部を形成するために前側分割体を回動させると、前側分割体は上下反転して上面にトレイ部が配置された状態となり、左右の側部シートの乗員が中央シートの前側分割体をトレイとして使用できる。したがって、前側分割体をトレイとして有効利用できる。
【００５７】
請求項２に係る発明によれば、前側分割体の上下反転後のトレイ部の前端部が一対の側部シートの前端部に対し、一致する位置を含む後方に位置するまで中央シートを後方にスライドさせると、左右の側部シートの乗員のトレイ部の使い勝手がさらに良くなる。また、左右の側部シート間で乗員が行き来するときに中央シートの前方に回動した前側分割体が邪魔にならず、円滑に移動できる。
【００５８】
請求項３に係る発明によれば、収納凹部の底部を構成する底部構成部材を開けると下側に上方開口の第２収納凹部が設けられているため、収納スペースを増やすことができる。
【００５９】
請求項４に係る発明によれば、収納凹部を形成するために前側分割体を回動させた状態で、中央シートのシートバックを前倒させると収納凹部の開口を覆う蓋となる。しかも、シートバックは、前倒後の上面にトレイ部が配置された状態となるため、左右の側部シートの乗員が中央シートのシートバックをトレイとして使用できる。したがって、中央シートのシートバックをトレイとして有効利用できる。
【００６０】
請求項５に係る発明によれば、収納凹部を形成するために前側分割体を回動させた状態で、中央シートのシートバックを前倒させると収納凹部の開口を覆う蓋となる。しかも、シートバックは、前倒後の上面にアームレスト部が配置された状態となるため、左右の側部シートの乗員が中央シートのシートバックをアームレストとして使用できる。したがって、中央シートのシートバックをアームレストとして有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施形態の車両用シート構造が適用された車室内を示す平面図である。
【図２】 本発明の一実施形態の車両用シート構造が適用された車室内の一状態を示す斜視図である。
【図３】 本発明の一実施形態の車両用シート構造が適用された車室内の別の状態を示す斜視図である。
【図４】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の着席許容状態を示すものである。
【図５】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体の着席許容状態を示すものである。
【図６】 本発明の一実施形態の車両用シート構造の要部を示す拡大透過側面図であって、前側分割体の着席許容状態を示すものである。
【図７】 本発明の一実施形態の車両用シート構造の要部を示す拡大透過側面図であって、前側分割体の前方回動状態を示すものである。
【図８】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の閉状態を示すものである。
【図９】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の閉状態を示すものである。
【図１０】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す斜視図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の閉状態を示すものである。
【図１１】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の開状態を示すものである。
【図１２】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す斜視図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の開状態を示すものである。
【図１３】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体の前方回動状態およびシートバックの前倒状態を示すものである。
【図１４】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の前方回動状態およびシートバックの前倒状態を示すものである。
【図１５】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の着席許容状態およびシートバックの前倒状態を示すものである。
【図１６】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す斜視図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材を閉じた状態で収納物を載置させた状態を示すものである。
【図１７】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体が前方回動状態で、側部シートが最も前進しかつ中央シートを適宜の位置で停止させた状態を示すものである。
【図１８】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体が前方回動状態で、側部シートが最も後退しかつ中央シートが最も後退した状態を示すものである。
【符号の説明】
１１ 側部シート
１６ 中央シート
１７ シートクッション
１８ シートバック
３４ 前側分割体
３５ 後側分割体
３８ 前面
４６ 底部構成部材
５５ 移動後の後面
５６ 反転後の上面
５７ トレイ部
６３ 側面
６４ 収納凹部
６７ 第２収納凹部
７５ 前倒後の上面
７６ トレイ部
８０ アームレスト部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シート構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
車両用シート構造に関する技術として、例えば、シートクッションの中央側の一部を取り外すことで、残りの部分で四方が囲まれた上方開口の収納凹部を形成したり、この収納凹部の開口を開閉可能な蓋体を設けたりするものがある（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開平２−２２０９３６号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにシートクッションの中央側の一部を取り外すことで上方開口の収納凹部を形成するのでは、荷物を置くため収納凹部を形成する際に、シートクッションの一部を一々取り外さなければならず、非常に手間がかかってしまう。また、シートクッションの中央側の一部を取り外した残りの部分で収納凹部を形成するため、収納凹部の大きさが十分でないという問題もあった。
【０００５】
したがって、本発明は、収納凹部を容易に形成することができ、その上、収納凹部の大きさを大きくできる車両用シート構造の提供を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１に係る発明は、左右両側に配置される一対の側部シート（例えば実施の形態における側部シート１１）と、これら側部シートの間に配置される中央シート（例えば実施の形態における中央シート１６）とを有する三人掛けの車両用シート構造において、前記中央シートのシートクッション（例えば実施の形態におけるシートクッション１７）が前側分割体（例えば実施の形態における前側分割体３４）と後側分割体（例えば実施の形態における後側分割体３５）とを有しており、前記前側分割体が、前記後側分割体から前方に前側ほど上側に位置するように延出するシートフレーム（例えば実施の形態におけるシートフレーム３１）の前端部の回動支持部材（例えば実施の形態における回動支持部材４３）によって前端側を中心に前方へ回動することで前方に移動することにより、該前側分割体の移動後の後面（例えば実施の形態における後面５５）と前記後側分割体の前面（例えば実施の形態における前面３８）と前記一対の側部シートのシートクッション（例えば実施の形態におけるシートクッション１２）の前記中央シート側の側面（例えば実施の形態における側面６３）とで上方開口の収納凹部（例えば実施の形態における収納凹部６４）を画成するとともに、前記前側分割体は、前記回動時に上下反転し、反転後の上面（例えば実施の形態における上面５６）にトレイ部（例えば実施の形態におけるトレイ部５７）が設けられていることを特徴としている。
【０００７】
これにより、中央シートのシートクッションの前側分割体を前方に移動させると、この前側分割体の移動後の後面と後側分割体の前面と一対の側部シートのシートクッションの中央シート側の側面とで上方開口の収納凹部が画成されることになる。よって、収納凹部を形成するにあたっては、前側分割体を移動させれば良く、シートクッションを一々取り外す必要が無い。また、収納凹部の左右の壁面は、左右の側部シートの側面で形成されるため、中央シートの一部で左右の壁面が形成される場合に比して幅を大きくできる。
収納凹部を形成するために前側分割体を回動させると、前側分割体は上下反転して上面にトレイ部が配置された状態となり、左右の側部シートの乗員が中央シートの前側分割体をトレイとして使用できる。
【００１０】
請求項２に係る発明は、請求項１に係る発明において、前記中央シートは、前記前側分割体の前記上下反転後の前記トレイ部の前端部を前記一対の側部シートの前端部に対し、一致させる位置を含む後方に位置させるまで後方スライド可能とされていることを特徴としている。
【００１１】
これにより、前側分割体の反転後のトレイ部の前端部が一対の側部シートの前端部に対し、一致する位置を含む後方に位置するまで中央シートを後方にスライドさせると、左右の側部シートの乗員のトレイ部の使い勝手がさらに良くなる。また、左右の側部シート間で乗員が行き来するときに中央シートの前方に回動した前側分割体が邪魔にならず、円滑に移動できる。
【００１２】
請求項３に係る発明は、請求項１または２に係る発明において、前記収納凹部の底部を構成する底部構成部材（例えば実施の形態における底部構成部材４６）の下側に該底部構成部材で開閉される上方開口の第２収納凹部（例えば実施の形態における第２収納凹部６７）が設けられていることを特徴としている。
【００１３】
このように、収納凹部の底部を構成する底部構成部材を開けると下側に上方開口の第２収納凹部が設けられているため、収納スペースを増やすことができる。
【００１４】
請求項４に係る発明は、請求項１乃至３のいずれか一項に係る発明において、前記中央シートのシートバック（例えば実施の形態におけるシートバック１８）が前倒可能とされており、該シートバックは、前倒状態で前記収納凹部の開口を覆うとともに、前倒後の上面（例えば実施の形態における上面７５）にトレイ部（例えば実施の形態におけるトレイ部７６）が設けられていることを特徴としている。
【００１５】
これにより、収納凹部を形成するために前側分割体を回動させた状態で、中央シートのシートバックを前倒させると収納凹部の開口を覆う蓋となる。しかも、シートバックは、前倒後の上面にトレイ部が配置された状態となるため、左右の側部シートの乗員が中央シートのシートバックをトレイとして使用できる。
【００１６】
請求項５に係る発明は、請求項１乃至４のいずれか一項に係る発明において、前記中央シートのシートバックが前倒可能とされており、該シートバックは、前倒状態で前記収納凹部の開口を覆うとともに、前倒後の上面にアームレスト部（例えば実施の形態におけるアームレスト部８０）が設けられていることを特徴としている。
【００１７】
これにより、収納凹部を形成するために前側分割体を回動させた状態で、中央シートのシートバックを前倒させると収納凹部の開口を覆う蓋となる。しかも、シートバックは、前倒後の上面にアームレスト部が配置された状態となるため、左右の側部シートの乗員が中央シートのシートバックをアームレストとして使用できる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の車両用シート構造を図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において用いる前後左右は車体における前後左右である。
【００１９】
本実施形態の車両用シート構造は、左右両側に配置される一対の側部シートと、これら側部シートの間に配置される中央シートとを有する三人掛けの構造であり、前後方向の二列のうちの前列に適用されている。なお、後列のみに適用したり、前後両方の列に適用しても良いことは勿論、三列以上の場合にもすべての列に適用可能である。
【００２０】
図１に示すように、前から一列目の左右一対の側部シート１１は、それぞれ、シートクッション１２とシートクッション１２の後端側に連結されたシートバック１３とを有しており、それぞれ単独で、シートクッション１２の下側に設けられたスライド機構１４によって前後スライド可能となっている。なお、これら側部シート１１はスライド機構１４による前後スライドの範囲が互いに一致している。
【００２１】
一列目の両側部シート１１の間に設けられる中央シート１６は、両側部シート１１の左右方向幅よりも幅狭とされている。中央シート１６は、シートクッション１７とシートクッション１７の後端側に連結されたシートバック１８とを有しており、シートクッション１７の下側に設けられたスライド機構１９によって単独で前後スライド可能となっている。なお、中央シート１６はスライド機構１９による前後スライドの範囲が側部シート１１のスライド機構１４によるスライド範囲に対し一部重なり合いながら後側に所定量ずれている。また、中央シート１６のスライド機構１９によるスライド範囲は、側部シート１１のスライド機構１４によるスライド範囲よりも大きく設定されている。
【００２２】
具体的には、図１に二点鎖線で示すように、一対の側部シート１１をスライド機構１４により前端位置に位置させるとともに中央シート１６をスライド機構１９により前端位置に位置させると、一対の側部シート１１よりも中央シート１６が所定量後側にずれることになり、Ｖ字レイアウトとなる。
【００２３】
また、図１に実線で示すように両側の側部シート１１をスライド機構１４により後端位置に位置させるとともに、図１に二点鎖線で示すように中央シート１６をスライド機構１９により前端位置に位置させると、図２にも示すように、両側の側部シート１１と中央シート１６とが前後に位置を合わせる直線状のレイアウトになる。
【００２４】
さらに、図１に二点鎖線で示すように両側の側部シート１１をスライド機構１４により前端位置に位置させるとともに、図１に実線で示すように中央シート１６をスライド機構１９により後端位置に位置させると、一対の側部シート１１よりも中央シート１６が所定量後側にずれることになり、Ｖ字レイアウトとなる。このとき、シートバック１３，１８の角度を合わせた状態では、中央シート１６の乗員の肩が側部シート１１の乗員の肩から完全に離間するように中央シート１６のスライド機構１９によるスライド量が設定されている。
【００２５】
加えて、図１に実線で示すように、両側の側部シート１１をスライド機構１４により後端位置に位置させるとともに中央シート１６をスライド機構１９により後端位置に位置させると、図３にも示すように、一対の側部シート１１よりも中央シート１６が所定量後側にずれることになり、Ｖ字レイアウトとなる。このときも、シートバック１３，１８の角度を合わせた状態では、中央シート１６の乗員の肩が側部シート１１の乗員の肩から完全に離間するように中央シート１６のスライド機構１９によるスライド量が設定されている。
つまり、中央シート１６が後端位置に位置する状態では、側部シート１１の位置に拘わらず常に中央シート１６の乗員の肩が側部シート１１の乗員の肩から完全に離間する設定となる。
【００２６】
前から二列目の左右一対の側部シート２１は、それぞれ、シートクッション２２とシートクッション２２の後端側に連結されたシートバック２３とを有しており、前後スライド不可となっている。なお、二列目の側部シート２１の左右方向幅は、一列目の側部シート１１の左右方向幅よりも幅狭となっている。
【００２７】
二列目の両側部シート２１の間に設けられる中央シート２６は、両側部シート２１の左右方向幅よりも幅狭とされており、一列目の中央シート１６の左右方向幅よりも幅広となっている。また、中央シート２６の左右方向の中央位置は中央シート１６の左右方向の中央位置と左右方向で一致している。中央シート２６は、シートクッション２７とシートクッション２７の後端側に連結されたシートバック２８とを有しており、シートクッション２７の下側に設けられたスライド機構２９によって単独で前後スライド可能となっている。なお、中央シート２６はスライド機構２９による前後スライドの範囲が位置固定の側部シート２１から後側に延びている。
【００２８】
具体的には、図１に二点鎖線で示すように、中央シート２６をスライド機構２９により前端位置に位置させると、図２にも示すように、両側の側部シート２１と中央シート２６とが前後に位置を合わせる直線状のレイアウトになる。
【００２９】
また、図１に実線で示すように、中央シート２６をスライド機構２９により後端位置に位置させると、一対の側部シート２１よりも中央シート２６が所定量後側にずれることになり、図３にも示すように、Ｖ字レイアウトとなる。このとき、シートバック２３，２８の角度を合わせた状態では、中央シート２６の乗員の肩が側部シート２１の乗員の肩から完全に離間するように中央シート２６のスライド機構２９によるスライド量が設定されている。
【００３０】
次に、一列目の中央シート１６についてさらに説明する。
一列目の中央シート１６は、図４に示すように、そのシートフレーム３１においてスライド機構１９に支持されており、そのシートバック１８は、下部側が左右方向に沿う軸線を中心として回動可能となるようにシートフレーム３１に支持軸３２を介して支持されている。ここで、シートバック１８はほぼ水平に沿う状態まで前倒可能とされている。
【００３１】
また、この中央シート１６のシートクッション１７は、図５にも示すように、前側分割体３４と後側分割体３５とに分割されている。後側分割体３５は、略直方体形状をなしており、シートフレーム３１に固定されている。後側分割体３５は、シートフレーム３１に固定された状態で、座面３７を上側にし、かつ前面３８を左右方向に沿わせかつ鉛直方向に沿わせる状態とされている。
【００３２】
前側分割体３４は、図６および図７に示すように、シートフレーム３１の前端部を構成する固定側フレーム４０に回動可能に支持されている。この固定側フレーム４０は、前側ほど上側に位置するように延出する第１延出部４１と、この第１延出部４１の先端から前側ほど下側に位置するように延出する第２延出部４２とを有しており、第２延出部４２の前端部に設けられた回動支持部材４３によって前側分割体３４を左右方向に沿う軸線を中心として回動可能に支持している。
【００３３】
前側分割体３４は、略直方体形状をなしており、座面４５を上側にした状態で、後端下部が下側の底部構成部材４６に支持されることになる。ここで、座面４５を上側にした状態の前側分割体３４において底部構成部材４６に支持される端縁部は、左右方向に延在するとともに若干下方に突出する突出縁部４７とされている。そして、この状態で、前側分割体３４は、後側分割体３５に接触するとともに、後側分割体３５の座面３７と自らの座面４５とをほぼ連続させる状態となる。つまり、前側分割体３４と後側分割体３５とは、この状態がシートクッション１７を構成し乗員の着席を許容する着席許容状態となる。
【００３４】
なお、前側分割体３４には、補強フレーム４８が内部の座面４５に対し反対側に埋設されている。また、前側分割体３４の上記着席許容状態における前端側には、補強フレーム４８に固定された状態で回転側フレーム４９が設けられており、この回転側フレーム４９にはストッパバー５０が固定されている。
【００３５】
前側分割体３４は、上記着席許容状態における前端側が回動支持部材４３によって回動可能に支持されており、この着席許容状態から後端部を引き上げることで、回動支持部材４３すなわち左右方向に沿う軸線を中心に前方へ回動することになる。そして、前側分割体３４は、回動により座面４５を下方に向けるように上下反転した状態で、ストッパバー５０が固定側フレーム４０の第１延出部４１と第２延出部４２との境界の凹部５３に入り込むようにして固定側フレーム４０に当接する。これにより前側分割体３４は停止して前方回動状態となる。なお、前側分割体３４の上記着席許容状態における後面５４は、後側分割体３５の前面３８に対し上記回動が可能となるように下側が若干湾曲する形状をなしている。
【００３６】
そして、前側分割体３４のこのような回動後の前方回動状態における後面５５（すなわち着席許容状態における前面）は、左右方向に沿いかつ鉛直方向に沿っている。
【００３７】
前方回動状態にある上下反転後の前側分割体３４の上面５６には、図７〜図８に示すように、トレイ部５７が設けられている。すなわち、前方回動状態にある前側分割体３４の上面５６側には、周縁部が若干上側に突出する周縁突出部５８とされるとともに、その内側が一段凹んだ平坦な載置面５９とされ、載置面５９の中間位置に若干上側に突出する仕切部６０が形成された形状をなすトレイ部材６１が埋設されており、このトレイ部材６１の上面側すなわち周縁突出部５８、載置面５９および仕切部６０がトレイ部５７を構成している。
【００３８】
また、前方回動状態では、前側分割体３４の後面５５と後側分割体３５の前面３８と一対の側部シート１１のシートクッション１２の中央シート１６側の側面６３とで水平方向における四方が囲まれて、図８〜図１０に示すように、上方開口の収納凹部６４が画成されることになる。すなわち、前方回動状態にある前側分割体３４の後面５５は左右方向に沿いかつ鉛直方向に沿うことになり、後側分割体３５の前面３８は、前方回動状態にある前側分割体３４の後面５５とほぼ平行をなして対向することになり、これらの左右両側に設けられる一対の側部シート１１の側面６３は前後方向に沿いかつ鉛直方向に沿うことになって、これらが四角枠状をなし、その結果、これらの内側に上方開口の収納凹部６４が画成される。
【００３９】
そして、上記収納凹部６４の底部は、前側分割体３４が着座許容状態にあるときこの前側分割体３４で覆われるとともに前方回動状態にあるとき露出する部分に設けられた板状の底部構成部材４６で構成されている。
【００４０】
この底部構成部材４６の下側には、この底部構成部材４６で開閉される上方開口の第２収納凹部６７を画成する箱部材６８がシートフレーム３１に固定されて設けられている。底部構成部材４６はその前端縁部が箱部材６８の上部かつ前部側に、左右方向に沿う軸線を中心として回動可能となるように支持されており、図８〜図１０に示すように、略水平に沿う状態で係止されて第２収納凹部６７の上部開口を覆う一方、図１１〜図１２に示すように、前端部を中心に回動し略鉛直方向に沿う状態で第２収納凹部６７の上部開口を開放させる。ここで、底部構成部材４６には図示は略すが開閉用の取っ手が設けられている。なお、第２収納凹部６７の底には、左右方向の中央にさらに凹んだ凹部６９が形成されている。
【００４１】
この底部構成部材４６の上面は、収納凹部６４に収納される収納物を載置させる載置面７２とされている。
【００４２】
中央シート１６のシートバック１８は、図１３および図１４に示すように、支持軸３２を中心に前倒可能とされており、前側分割体３４が前方回動状態にあって収納凹部６４を露出させている状態において、限度位置まで前倒することで、収納凹部６４の開口を上側から覆う。なお、シートバック１８の高さは、図１３に示すように、前倒状態において前方回動状態にある前側分割体３４のトレイ部５７を覆い隠してしまうことがない大きさとされている。
【００４３】
そして、シートバック１８の背面すなわち限度位置まで前倒した前倒状態での上面７５には、トレイ部７６が設けられている。すなわち、シートバック１８の前倒状態での上面７５側には、周縁部が若干上側に突出する周縁突出部７７とされるとともに、その内側が一段凹んだ平坦な載置面７８とされた形状をなすトレイ部材７９が埋設されており、その周縁突出部７７および載置面７８がトレイ部７６を構成している。また、シートバック１８のトレイ部７６の左右両側は、前後方向に延びるアームレスト部８０とされている。なお、勿論、図１５に示すように、前側分割体３４を着席許容状態としていても、シートバック１８を前倒状態とすればトレイ部７６およびアームレスト部８０を良好に使用できる。
【００４４】
以上に述べた本実施形態の車両用シート構造によれば、中央シート１６に乗員を着席させる場合には、図４および図５に示すように、シートクッション１７の前側分割体３４を着席許容状態とする。すなわち、前側分割体３４を、底部構成部材４６に載置させ後側分割体３５に接触させるとともに、後側分割体３５の座面３７と自らの座面４５とをほぼ連続させる状態とする。
【００４５】
一方、中央シート１６に乗員を着席させずに、荷物等の収納物を置くときには、図７に示すように、前側分割体３４をその後端部を引き上げて前端側を中心に前方へ回動させることにより、前側分割体３４のストッパバー５０を固定側フレーム４０に当接させて前方回動状態とする。すると、図８〜図１０に示すように、前側分割体３４の後面５５と後側分割体３５の前面３８と一対の側部シート１１の中央シート１６側の側面６３とで水平方向における四方が囲まれた上方開口の収納凹部６４が露出することになる。このとき、収納凹部６４の底部を構成する底部構成部材４６が箱部材６８に係止されて載置面７２を上方に向けており、図１６に示すように、収納物１００をこの載置面７２に載置させることで、収納物は四方が上記後面５５、前面３８、両側面６３で囲まれることになり、安定状態で載置される。よって、例えば可撓性の袋に形状の一定しない複数の物品を入れた安定性の悪い収納物１００を載置面７２に載置させて、この収納物１００に走行により前後左右に荷重がかかっても、袋が倒れて物品が転がり出たりすることを防止できる。
【００４６】
そして、上記のように、収納物を載置させる収納凹部６４を形成するに当たっては、前側分割体３４を回動させれば良く、シートクッション１７を一々取り外す必要が無い。したがって、収納凹部６４を容易に形成することができる。また、収納凹部６４の左右の壁面は、左右の側部シート１１の側面６３で形成されるため、中央シート１６のシートクッション１７の一部で左右の壁面が形成される場合に比して幅を大きくできる。したがって、収納凹部６４の大きさを大きくできる。
【００４７】
また、このように前側分割体３４を前方回動状態とした状態では、前側分割体３４は上下反転して上面５６にトレイ部５７が配置された状態となり、左右の側部シート１１の乗員が中央シート１６の前側分割体３４をトレイとして使用できる。したがって、中央シート１６の前側分割体３４をトレイとして有効利用できる。
【００４８】
ここで、例えば、図１７に示すように、限界位置まで左右の側部シート１１を前進させた状態では、前側分割体３４が前方回動状態とされた中央シート１６を適宜の位置まで後退させれば、前側分割体３４の前端部が一対の側部シート１１の前端部よりも後側に位置することになり、その結果、トレイ部５７の前端部も一対の側部シート１１の前端部よりも後側に位置することになる。
【００４９】
そして、図１８に示すように、限界位置まで側部シート１１を後退させた状態であっても、前側分割体３４が前方回動状態とされた中央シート１６を後方にスライドさせると、限界位置（図１８に示す位置）より手前で、前側分割体３４の前端部が一対の側部シート１１の前端部に一致することになり、その結果、それよりも手前でトレイ部５７の前端部が一対の側部シート１１の前端部に一致することになる。
【００５０】
つまり、中央シート１６のスライド機構１９によるスライド範囲は、前側分割体３４を前方回動状態とした状態で前側分割体３４のトレイ部５７の前端部を、いずれの位置にある側部シート１１の前端部に対しても一致する位置よりも後側に位置させるまで後方スライド可能に設定されている。よって、中央シート１６を後方にスライドさせると、左右の側部シート１１に着席した乗員と前側分割体３４のトレイ部５７との距離を近づけることができ、その結果、左右の側部シート１１に着席した乗員はトレイ部５７の使い勝手がさらに良くなる。なお、中央シート１６は、前方回動状態にある前側分割体３４の少なくともトレイ部５７の前端部を、側部シート１１の前端部に対して一致させる位置まで後方スライド可能に設定されていれば、左右の側部シート１１に着席した乗員によるトレイ部５７の使い勝手は良好となる。
【００５１】
また、中央シート１６のスライド機構１９によるスライド範囲が上記設定とされているため、左右の側部シート１１がいずれの位置にあっても前方回動状態にある前側分割体３４の前端部がこれら側部シート１１よりも出っ張らない状態にできる。したがって、車両の停車時に左右の側部シート１１間で乗員が行き来するときに中央シート１６の前方回動状態にある前側分割体３４が邪魔にならずに円滑に移動できる。
【００５２】
また、必要により、例えば車両に常時携帯しておくもの等の収納物を収納する場合には、前側分割体３４を前方回動状態とした状態で収納凹部６４の底部を構成する底部構成部材４６を開けて、その下側に設けられた上方開口の第２収納凹部６７を露出させる。そして、この第２収納凹部６７に収納物を収納して、底部構成部材４６を閉じる。このように第２収納凹部６７が設けられているため、収納スペースを増やすことができる。
【００５３】
さらに、必要により、前側分割体３４を前方回動状態とし、収納物が収納凹部６４にないあるいは収納凹部６４から出ない範囲で設けられている場合に、中央シート１６のシートバック１８を前倒状態にすると、図１３および図１４に示すように、このシートバック１８は収納凹部６４の上方開口を覆う蓋となる。しかも、シートバック１８は前倒後の上面７５にトレイ部７６が配置された状態となるため、左右の側部シート１１の乗員が中央シート１６のシートバック１８をトレイとして使用できる。したがって、中央シート１６のシートバック１８をトレイとして有効利用できる。このとき、前側分割体３４のトレイ部５７も露出しているため、二つのトレイ部５７，７６を使用することができる。加えて、このシートバック１８の上面７５にはトレイ部７６の左右に、腕を置くのに十分な幅のアームレスト部８０が配置された状態となるため、左右の側部シート１１の乗員が中央シート１６のシートバック１８をアームレストとして使用できる。したがって、中央シート１６のシートバック１８をアームレストとしても有効利用できる。
【００５４】
なお、以上においては、前側分割体３４を前方回動可能に設けたが、前側分割体３４を前方回動可能かつ前方回動状態で前後スライド可能としても良い。このように構成すれば、収納凹部６４の前後方向の幅を収納物に応じて調整することが可能となる。
また、前側分割体３４を前後方向のスライド（水平移動）のみ可能とし、前方にスライドすることで収納凹部６４を形成するようにしても良い。
【００５５】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項１に係る発明によれば、中央シートのシートクッションの前側分割体を前方に移動させると、この前側分割体の移動後の後面と後側分割体の前面と一対の側部シートのシートクッションの中央シート側の側面とで上方開口の収納凹部が画成されることになる。よって、収納凹部を形成するにあたっては、前側分割体を移動させれば良く、シートクッションを一々取り外す必要が無い。また、収納凹部の左右の壁面は、左右の側部シートの側面で形成されるため、中央シートの一部で左右の壁面が形成される場合に比して幅を大きくできる。したがって、収納凹部を容易に形成することができ、その上、収納凹部の大きさを大きくできる。
収納凹部を形成するために前側分割体を回動させると、前側分割体は上下反転して上面にトレイ部が配置された状態となり、左右の側部シートの乗員が中央シートの前側分割体をトレイとして使用できる。したがって、前側分割体をトレイとして有効利用できる。
【００５７】
請求項２に係る発明によれば、前側分割体の上下反転後のトレイ部の前端部が一対の側部シートの前端部に対し、一致する位置を含む後方に位置するまで中央シートを後方にスライドさせると、左右の側部シートの乗員のトレイ部の使い勝手がさらに良くなる。また、左右の側部シート間で乗員が行き来するときに中央シートの前方に回動した前側分割体が邪魔にならず、円滑に移動できる。
【００５８】
請求項３に係る発明によれば、収納凹部の底部を構成する底部構成部材を開けると下側に上方開口の第２収納凹部が設けられているため、収納スペースを増やすことができる。
【００５９】
請求項４に係る発明によれば、収納凹部を形成するために前側分割体を回動させた状態で、中央シートのシートバックを前倒させると収納凹部の開口を覆う蓋となる。しかも、シートバックは、前倒後の上面にトレイ部が配置された状態となるため、左右の側部シートの乗員が中央シートのシートバックをトレイとして使用できる。したがって、中央シートのシートバックをトレイとして有効利用できる。
【００６０】
請求項５に係る発明によれば、収納凹部を形成するために前側分割体を回動させた状態で、中央シートのシートバックを前倒させると収納凹部の開口を覆う蓋となる。しかも、シートバックは、前倒後の上面にアームレスト部が配置された状態となるため、左右の側部シートの乗員が中央シートのシートバックをアームレストとして使用できる。したがって、中央シートのシートバックをアームレストとして有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施形態の車両用シート構造が適用された車室内を示す平面図である。
【図２】 本発明の一実施形態の車両用シート構造が適用された車室内の一状態を示す斜視図である。
【図３】 本発明の一実施形態の車両用シート構造が適用された車室内の別の状態を示す斜視図である。
【図４】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の着席許容状態を示すものである。
【図５】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体の着席許容状態を示すものである。
【図６】 本発明の一実施形態の車両用シート構造の要部を示す拡大透過側面図であって、前側分割体の着席許容状態を示すものである。
【図７】 本発明の一実施形態の車両用シート構造の要部を示す拡大透過側面図であって、前側分割体の前方回動状態を示すものである。
【図８】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の閉状態を示すものである。
【図９】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の閉状態を示すものである。
【図１０】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す斜視図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の閉状態を示すものである。
【図１１】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の開状態を示すものである。
【図１２】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す斜視図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材の開状態を示すものである。
【図１３】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体の前方回動状態およびシートバックの前倒状態を示すものである。
【図１４】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の前方回動状態およびシートバックの前倒状態を示すものである。
【図１５】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す側面図であって、前側分割体の着席許容状態およびシートバックの前倒状態を示すものである。
【図１６】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す斜視図であって、前側分割体の前方回動状態および底部構成部材を閉じた状態で収納物を載置させた状態を示すものである。
【図１７】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体が前方回動状態で、側部シートが最も前進しかつ中央シートを適宜の位置で停止させた状態を示すものである。
【図１８】 本発明の一実施形態の車両用シート構造を示す平面図であって、前側分割体が前方回動状態で、側部シートが最も後退しかつ中央シートが最も後退した状態を示すものである。
【符号の説明】
１１ 側部シート
１６ 中央シート
１７ シートクッション
１８ シートバック
３４ 前側分割体
３５ 後側分割体
３８ 前面
４６ 底部構成部材
５５ 移動後の後面
５６ 反転後の上面
５７ トレイ部
６３ 側面
６４ 収納凹部
６７ 第２収納凹部
７５ 前倒後の上面
７６ トレイ部
８０ アームレスト部
Claims (5)
- 左右両側に配置される一対の側部シートと、これら側部シートの間に配置される中央シートとを有する三人掛けの車両用シート構造において、
前記中央シートのシートクッションが前側分割体と後側分割体とを有しており、前記前側分割体が、前記後側分割体から前方に前側ほど上側に位置するように延出するシートフレームの前端部の回動支持部材によって前端側を中心に前方へ回動することで前方へ移動することにより、該前側分割体の移動後の後面と前記後側分割体の前面と前記一対の側部シートのシートクッションの前記中央シート側の側面とで上方開口の収納凹部を画成するとともに、
前記前側分割体は、前記回動時に上下反転し、反転後の上面にトレイ部が設けられていることを特徴とする車両用シート構造。 - 前記中央シートは、前記前側分割体の前記上下反転後の前記トレイ部の前端部を前記一対の側部シートの前端部に対し、一致させる位置を含む後方に位置させるまで後方スライド可能とされていることを特徴とする請求項１記載の車両用シート構造。
- 前記収納凹部の底部を構成する底部構成部材の下側に該底部構成部材で開閉される上方開口の第２収納凹部が設けられていることを特徴とする請求項１または２記載の車両用シート構造。
- 前記中央シートのシートバックが前倒可能とされており、該シートバックは、前倒状態で前記収納凹部の開口を覆うとともに、前倒後の上面にトレイ部が設けられていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項記載の車両用シート構造。
- 前記中央シートのシートバックが前倒可能とされており、該シートバックは、前倒状態で前記収納凹部の開口を覆うとともに、前倒後の上面にアームレスト部が設けられていることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項記載の車両用シート構造。
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