JP4669734B2 - 電動機の回転子及び電動機並びに洗濯機 - Google Patents

電動機の回転子及び電動機並びに洗濯機 Download PDF

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Description

本発明は、洗濯機等に使用される電動機の回転子、及びこの回転子を備えた電動機、並びにこの電動機を備えた洗濯機に関する。
一般に洗濯機等に使用される電動機として、ブラシレス電動機がある。このブラシレス電動機としては、例えば下記の特許文献1に開示されるようなものがある。また、このブラシレス電動機の磁石に希土類磁石を用いることも知られている。
特開2000−78787号公報
この種の電動機の回転子は、回転子鉄心と、この鉄心の外周に設けた複数の永久磁石片と、回転子鉄心と永久磁石片を埋め込むように一体にモールド成形された合成樹脂部と、を有して構成される。ここで回転子鉄心は電磁鋼板を積層して構成され、その回転方向に沿って形成された複数の埋め込み溝孔に希土類で作られた永久磁石片が埋め込まれて配置される。
そしてモールド成形の際には、この永久磁石片を埋め込んだ回転子鉄心を成形金型内に配置し、その状態で金型内に合成樹脂材を注入して成形を行う。この場合、回転子鉄心及び永久磁石片が所定の位置で保持されるように、金型内に支持ピンを設け、この支持ピンで回転子鉄心及び永久磁石片を押さえた状態で金型内に合成樹脂材を注入するようにしている。
この支持ピンは、モールド成形後には抜き外すので、合成樹脂部にはこの支持ピンの抜き跡である抜き穴が形成されることになり、この抜き穴から合成樹脂部内の永久磁石片が部分的に露出する状態となる。このため、抜き穴から露出している永久磁石片が錆びてしまい、電動機の性能を損ねる原因となっている。この問題を回避するため表面に防錆処理を施した永久磁石片を使用する方法もあるが、この場合は大幅なコストアップとなる問題がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、抜き穴からの永久磁石片の露出をなくし、電動機の性能を損ねない回転子を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため本発明は、
電磁鋼板を積層してなる回転子鉄心と、この回転子鉄心にその回転方向に沿って形成された複数の埋め込み溝孔に埋め込まれる希土類で作られた永久磁石片と、前記回転子鉄心と前記永久磁石片を埋め込むように一体にモールド成形された合成樹脂部と、を有し、前記合成樹脂部には、前記モールド成形時に前記回転子鉄心を保持するための支持ピンの抜き跡である抜き穴が形成されてなる電動機の回転子において、
前記回転子鉄心の一方の面に、前記埋め込み溝孔を塞いで前記永久磁石片を押さえる押さえ部材を設け、前記モールド成形時にはこの押さえ部材が前記支持ピンに当接して前記回転子鉄心が保持されるようにし、成形後、前記抜き穴からは前記押さえ部材が露出される構造としたものである。
このように構成される本発明の電動機の回転子は、回転子鉄心に永久磁石片を押さえる押さえ部材を設け、抜き穴からはこの押さえ部材が露出される構造としたことにより、永久磁石片が露出することはないので、永久磁石片の発錆を効果的に抑えることができる。その結果、電動機の性能を損ねることはなく、長寿命の電動機を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
先ず、本発明が適用される電動機の構成を図20で簡単に説明する。この電動機30は、回転軸34に結合される回転子1と、この回転子1の外周面に対向して固定配置される固定子32と、を有して構成される。回転子1には、その回転方向に沿って複数の永久磁石片3を埋め込んだ回転子鉄心2が内蔵され、一方固定子32には電磁コイル32aが巻装されており、この電磁コイル32aと回転子1の永久磁石片3との間の電磁作用によって固定子32に対し回転子1が回転し、これと一体に回転軸34が回転駆動される。
本発明は、このような電動機30に用いられる回転子1の構造に係るものである。
図1及び図2に示すように、本例の回転子1は、回転子鉄心2、永久磁石片3、回転軸支持板4、押さえ部材5、位置検知センサーマグネット6、センサーマグネット支持部材7、合成樹脂部8を有して構成される。ここで回転子鉄心2、永久磁石片3、回転軸支持板4、押さえ部材5、位置検知センサーマグネット6、センサーマグネット支持部材7は、合成樹脂部8に埋め込まれるように合成樹脂部8と一体にモールド成形されて回転子1を構成する。またこの回転子1は、合成樹脂部8の端面から回転軸心線方向に突き出る複数の冷却ファン用の突起部9を有する。さらにこの回転子1の合成樹脂部8には、回転子1を電動機に組み付ける際に治具を挿入するための作業用の孔22を有すると共に、合成樹脂部8の内周面には、電動機から回転子1を取り外す際に治具で挟んで引き出すためのリブ23が形成されている。
回転子鉄心2は、図5〜図7に示すように多数枚の電磁鋼板を積層して形成される。ここで回転子鉄心2を構成する電磁鋼板としては、図8、図9、図10に示すような3種類の電磁鋼板が用いられる。すなわち、回転子鉄心2の一側面に設けられる押さえ部材5としての電磁鋼板(図8)と、この押さえ部材5と隣り合って位置し、回転軸支持板4と対応する電磁鋼板10(図9)と、回転子鉄心の大部分を占める主部としての電磁鋼板11(図10)と、を積層して回転子鉄心2が構成される。
押さえ部材5としての電磁鋼板は、一枚で足りるが複数枚にすることも可能である。回転軸支持板4と対応する電磁鋼板10は、回転軸支持板4との連結で大きな力がかかるので、複数枚を必要とする。回転軸鉄心2におけるその他の部分は、多数枚の電磁鋼板11で占められる。
回転軸支持板4と対応する電磁鋼板10と、主部としての電磁鋼板11とは、外周側が同じ形状に形成されている。電磁鋼板11の内周側は、径大な円形を有し、電磁鋼板10の内周側は、電磁鋼板11の内径より径小で、かつ凹凸を有して形成される。押さえ部材5としての電磁鋼板は、内周側に電磁鋼板10の内周側と同じ凹凸を有し、外周は電磁鋼板10の外周より径小に形成される。
電磁鋼板10と電磁鋼板11は、回転子の回転方向に沿って複数の永久磁石片3を埋め込むための埋め込み溝孔20を有する。この埋め込み溝孔20は回転子1の外周に凸状に形成される回転子磁極部の内周寄りの位置に設けられ、回転子鉄心2の回転軸心を通る放射方向線に対しほぼ直角に交差するような細長の矩形形状に形成されている。この埋め込み溝孔20を有する電磁鋼板10と電磁鋼板11が積み重なって回転子鉄心2が出来るので、回転子鉄心全体としての埋め込み溝孔20は、回転子鉄心2の回転軸心線に沿って回転子鉄心2を貫通するように形成される。
電磁鋼板10と電磁鋼板11、及び押さえ部材5としての電磁鋼板が積み重なって形成される回転子鉄心2は、図12に示す如く、各電磁鋼板に形成した結合ポンチ24が互いに結合し合って一体の回転子鉄心になる。このように回転子鉄心2が一体となることで、電磁鋼板がバラバラになることは無く、取り扱い易い。また、この回転子鉄心は、合成樹脂部に埋め込まれるようにモールド成形されるが、予め一体になっているので丈夫である。
埋め込み溝孔20は、回転子鉄心2を回転軸心線に沿って貫通し、両側面に開放するように形成されており、その片側が押さえ部材5により部分的に塞がれる。ここで押さえ部材5は、埋め込み溝孔20の内径側半分を塞ぐように設けられている。
永久磁石片3は、図3及び図4に示すように平板の形状を有し、その板厚を半分に分けるようにN極とS極の着磁が施されており、このN極とS極が回転子鉄心2の回転軸心を通る放射方向線に沿って内外方向に並ぶように永久磁石片3が埋め込み溝孔20に埋め込まれる。図3では、内周側にS極、外周側にN極が位置するように永久磁石片3が埋め込まれている。ここで複数の永久磁石片3は、隣接間では磁極の並びが逆になるように配置される。
埋め込み溝孔20に挿入された永久磁石片3は、押さえ部材5に当接し、この押さえ部材5によって押さえられるように埋め込み溝孔20内で位置決め保持される。ここで押さえ部材5は、N極またはS極の一方(内周側となる方)にのみ当接して永久磁石片3を押さえるようにしており、すなわちN極とS極に跨って押さえ部材5が当接されることはない。このため、永久磁石片3の端面では、磁気の流れ易い電磁鋼板の押さえ部材5を介して磁束が短絡してしまうことはなく、電動機としての性能が損なわれない。
押さえ部材5は、埋め込み溝孔20に収まる永久磁石片3の保持と、回転子鉄心2を構成する電磁鋼板としての機能も担う。本例ではこの押さえ部材5の外周は、永久磁石片3のN極とS極の境界にほぼ一致させているが、永久磁石片3を押さえる機能が維持できる範囲でこれより径小にすることが可能である。また、押さえ部材5は、N極とS極の境界より内周側を押さえる形状に限ることなく、外周側を押さえるような形状に変えることも可能である。
永久磁石片3は、希土類の素材を用いて作られるもので、ここでは表面が防錆処理されていない防錆未処理の永久磁石を用いる。埋め込み溝孔20に収まった永久磁石片3は、両端面が合成樹脂部8にて被覆されるので、防錆未処理でも発錆が起き難く、防錆未処理のものを好適に使用できる。防錆未処理の永久磁石片3を使用することにより、コスト低減になる。また防錆未処理の永久磁石片3は防錆被膜がないので、成形されたままの寸法サイズで埋め込み溝孔20との寸法バラツキが少ない。このため、埋め込み溝孔20への永久磁石片3の挿入が容易に行われる。
位置検知センサーマグネット6は、図2に示すようにセンサーマグネット支持部材7に支持される。リング状の位置検知センサーマグネット6は、接着材を用いてセンサーマグネット支持部材7に固定されるので、回転子1の高速回転により位置ずれが生じることはなく、電動機の位置センサーによって回転子1の回転位置を正確に検知できる。
センサーマグネット支持部材7は、磁束が通りやすい磁性材(鋼板)で形成され、回転子鉄心2の反対側となる部分に位置検知センサーマグネット6を支持する。このため、希土類を用いた永久磁石片3の強い界磁磁束は磁束が通り易いセンサーマグネット支持部材7を通過するので、位置検知センサーマグネット6への磁束の影響が少ない。
図11に示すように、センサーマグネット支持部材7は、径小円筒部7aと、この径小円筒部7aの一端より外周に向って立ち上がる環状鍔部7bと、この環状鍔部7bの外周から径小円筒部7aの反対側に突き出る径大円筒部7cと、を有して構成される。そして図2に示すようにこのセンサーマグネット支持部材7は、径小円筒部7aを回転子鉄心2の内周側に嵌合して支持され、径大円筒部7cの内周側に位置検知センサーマグネット6を固定支持する。ここで径小円筒部7aには、環状鍔部7bとの間に径大なる段部7dを有するので、環状鍔部7bを回転子鉄心2の端面から離間させることができる。このため、径大円筒部7cの内周側に固定された位置検知センサーマグネット6への磁束の回り込みをさらに低減することができる。
位置検知センサーマグネット6は、その外周が永久磁石片3のN極とS極の境界よりも内側となるような外径に形成されている。位置検知センサーマグネット6は、各永久磁石片3と回転方向に位置が対応して設けられ、かつ内外周方向に並ぶ磁極も同じ組み合わせとなっている。このため、位置検知センサーマグネット6を各永久磁石片3の位置に合わせた径にすると各永久磁石片3と位置検知センサーマグネット6が反発し位置検知センサーマグネット6が回転方向に位置ずれを起こす恐れがある。そこで本例では位置検知センサーマグネット6の外周が永久磁石片3のN極とS極の境界より内側となるような構成とすることにより、先の反発が生じず、位置検知センサーマグネット6の回転方向の位置ずれを防ぐことができるものである。
図2に示すように、回転軸支持板4は、合成樹脂部8により回転子鉄心2と一体にモールド成形されて結合される。この回転軸支持板4は鋼板で形成され、図13に示す如く中心部には電動機の回転軸と結合する結合孔4dを有し、外周には凹部4aと凸部4b,4cが形成されている。ここで凸部4b,4cはそれぞれ対称的に突出形成されており、凸部4bが凸部4cよりも大きく突出して形成されている。
一方、回転子鉄心2において回転軸支持板4と対応する押さえ部材5と電磁鋼板10は、内周側に凹凸を有する。すなわち、図8に示すように押さえ部材5の内周には、凹部5aと凸部5bが交互に設けられ、また図9に示すように電磁鋼板10の内周にも同様の凹部10aと凸部10bが設けられている。ここで押さえ部材5の凹部5aと電磁鋼板10の凹部10a,押さえ部材5の凸部5bと電磁鋼板10の凸部10bは、同一サイズ、同一形状に形成されており、このため押さえ部材5と電磁鋼板10の積層によって図6に示すように凹部5aと10a,凸部5bと10bが重なる状態となる。
合成樹脂部8内において回転軸支持板4と回転子鉄心2とは、図14に示すように組み合わされる。すなわち、押さえ部材5と電磁鋼板10の凹部5a,10aに、回転軸支持板4の凸部4bが入り込む状態で回転軸支持板4と回転子鉄心2とが組み合わされる。なお、回転軸支持板4の凸部4cは、突出量が小さいので、凹部5a,10aに対向するだけで入り込む状態とはならない(この凸部4cと凹部5a,10aとの間のスペースに図1に示す作業用の孔22が形成される)。
合成樹脂部8により一体にモールド成形された回転子1は、回転子鉄心2の凹部5a,10aと回転軸支持板4の凸部4b、4cとの間に合成樹脂が充填されて、強い結合構造になる。特に回転子鉄心2の凹部5a,10aと回転軸支持板4の凸部4bとの間に充填された合成樹脂層の部分には、圧縮力の作用しか働かないので、丈夫な結合構造を提供できる。また回転軸支持板4と回転子鉄心2とは合成樹脂部8を介して電気的に絶縁されているので、回転軸から回転子鉄心2を電気的に分離させることができる。
合成樹脂による回転子のモールド成形は、図示しない成形用金型内で行なわれる。このモールド成形では、永久磁石片3を埋め込んだ回転子鉄心2を金型内にセットし、その状態で金型内に合成樹脂材を注入して成形を行う。この場合、回転子鉄心2が所定の位置で保持されるように、金型内に複数の支持ピンを設け、この支持ピンで回転子鉄心2を押さえた状態で金型内に合成樹脂材を注入するようにしている。この支持ピンは、モールド成形後には抜き外すので、図1及び図2に示すように回転子1の合成樹脂部8にはこの支持ピンの抜き跡である複数の抜き穴21が形成される。
成形用金型にセットされた回転子鉄心2は、支持ピンが押さえ部材5に突き当てられた状態に置かれ、押さえ部材5の反対側(センサーマグネット支持部材7側)に設けられた合成樹脂注入ゲートより樹脂の注入が行われる。ここで回転子鉄心2は樹脂の強い注入圧により押さえ部材5側に押されるが、その注入圧に抗して押さえ部材5が支持ピンで押さえられることで回転子鉄心2は所定位置で確実に保持され、これによって合成樹脂で一体にモールド成形される回転子1は所定寸法・所定形状に形成される。
こうして成形される回転子1において押さえ部材5は、支持ピンの跡である抜き穴21の部分に樹脂の被覆がないので、外部に露出する。しかし、永久磁石片3の端面は、押さえ部材5により外部とは閉ざされているので、防錆未処理の永久磁石片3でも錆が発生することはない。
またこの回転子1では、合成樹脂部8によりセンサーマグネット支持部材7及び位置検知センサーマグネット6が回転子鉄心2と一体にモールド成形されて固定されるため、ネジ等の固定部材を必要としないので、製造組み立てが容易である。
図15は、以上の実施例で示した回転子1において、押さえ部材5が永久磁石片3を押さえている部分の拡大図である。ここでは永久磁石片3のS極またはN極の一方側を押さえ部材5で押さえており、この押さえは、永久磁石片3のS極とN極の境界を越えない範囲にして抑え部材5を介して永久磁石片3の磁束が短絡して流れるのを防止している。
この部分における他の実施例を図16と図17に示す。図16に示す実施例では、押さえ部材5の先端中央部に凹状の切欠き5fを設けてある。この切欠き5fにより、永久磁石片3を押さえる範囲が少なくなるので、永久磁石片3の端面での磁束短絡の恐れがさらに少なくなる。また図17に示す実施例では、押さえ部材5の外周を円形に形成してあり、この場合も図16の実施例と同様、永久磁石片3を押さえる範囲が少なくなるので、永久磁石片3の端面での磁束短絡の恐れがさらに少なくなる。
また図18は回転子鉄心2を構成する電磁鋼板の他の実施例を示す。この実施例では、電磁鋼板10,11の外周に複数の切込み溝25を形成してある。このような切込み溝25を形成したことにより、モールド成形においてこの切込み溝25に合成樹脂が入り込む状態となるので、回転子鉄心2と合成樹脂部8の結合がより強固なものとなり、回転子1の機械的強度が増加する。
図19は、回転子の他の実施例を示すものである。すなわちこの実施例の回転子1は、合成樹脂部8の外周面から回転子鉄心2を露出させてあり、ここでは合成樹脂部8の外周面が回転子鉄心2の露出面より外側に突き出た構造となっている。この場合、合成樹脂部8の外周面と回転子鉄心2の露出面との間の段差aは0.5mm程度である。
この回転子1は、合成樹脂部8の外周面から回転子鉄心2を露出させたことにより、固定子側との電磁効率が向上し、より安定した回転力を得ることができる。そして特にこの回転子1は、合成樹脂部8の外周面が回転子鉄心2の露出面より外側に突き出た構造となっていることにより、この回転子1を電動機に組み込む際には、回転子鉄心2が固定子に接触して完全に磁気吸着されてしまうようなことがなく、固定子との間にギャップを持たせながらスムーズに組み込むことができる。
図20は本発明による回転子が組み込まれる電動機の構成例を示す。この電動機30は例えば洗濯機に用いられるもので、減速機構31と一体にユニット化されている。ここで電動機30は、上述した回転子1、固定子32、ハウジング33、回転軸34、エンドブラケット35、軸受部36、位置センサー37を有して構成される。ハウジング33は固定子32を内側に固定し、回転軸34はエンドブラケット35に設けた軸受部36に回転自在に支持され、回転子1の回転軸支持板4に結合される。固定子32は、回転子1の外周面に対向して配置され、この固定子32に巻装される電磁コイル32aと回転子1の永久磁石片3との間の電磁作用によって固定子32に対し回転子1が回転し、これと一体に回転軸34が回転駆動される。
位置センサー37は、位置検知センサーマグネット6の内周側に対向するように配置され、位置検知センサーマグネット6の磁気を感知して回転子1の回転位置を検知するものである。ここで位置センサー37は位置検知センサーマグネット6の内周側に位置するので、位置センサー37への永久磁石片3の磁束の影響が少なく抑えられ、正確な位置検知が可能となる。
電動機の回転軸34は、減速機構31の入力側に噛み合わされる。減速機構31の入力側は遊星歯車を有し、回転軸34に形成したピニオンが噛み合わされる。減速機構31の出力側には、洗濯機駆動軸38が設けられる。この洗濯機駆動軸38は減速機構31の内側軸受部39に回転自在に支持され、回転子1の回転がこの洗濯機駆動軸38から減速して出力される。さらに洗濯機駆動軸38の外側には中空回転軸40が設けられる。この中空回転軸40は減速機構31のケース41に結合され、回転軸34と一体に回転して回転子1の回転を減速せずに出力するものである。
このような電動機を備えた洗濯機の構成例を図21に示す。この洗濯機は、筐体50の内部にサスペンション51を介して懸架支持される水槽52と、この水槽52の内部に回転可能に配置され、洗濯物が投入される洗濯槽53と、この洗濯槽53内の底部に配置され、洗濯槽53内の洗濯物を攪拌する回転翼54と、を有して構成されており、この洗濯機において水槽52の底部に設けられた固定板55に、図19に示した電動機30が取り付けられている。
そしてこの電動機30の出力軸である洗濯機回転軸38が回転翼54に連結されると共に、中空回転軸40が洗濯槽53に連結されている。従ってこの洗濯機では、洗濯時には電動機30の回転子1の回転が減速機構31を介して減速されて回転翼54に伝達され、これによって回転翼54が回転して洗濯槽53内の洗濯物を攪拌する洗濯動作が行われると共に、脱水時には電動機30の回転子1の回転が減速されずに洗濯槽53に伝達されて洗濯槽53が高速回転して脱水動作が行われる。この動作の切り換えは、電動機に備えられるクラッチ機構によって行われる。
本発明による電動機の回転子の実施例を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図2におけるP部の拡大図である。 実施例の回転子に用いられる永久磁石片の斜視図である。 実施例の回転子における回転子鉄心の断面図である。 図5の回転子鉄心を矢印B方向から見た図である。 図5の回転子鉄心を矢印C方向から見た図である。 実施例の回転子において回転子鉄心を構成する押さえ部材の平面図である。 実施例の回転子において回転子鉄心を構成する電磁鋼板の平面図である。 実施例の回転子において回転子鉄心を構成する他の電磁鋼板の平面図である。 実施例の回転子におけるセンサーマグネット支持部材の断面図である。 実施例の回転子において積層した電磁鋼板を結合する結合ポンチ部の拡大断面図である。 実施例の回転子における回転軸支持板の平面図である。 実施例の回転子における回転軸支持板と回転子鉄心の組み合わせ構造を示す図である。 実施例の回転子における要部(押さえ部材が永久磁石片を押さえている部分)の拡大図である。 要部の他の実施例を示す拡大図である。 要部のさらに他の実施例を示す拡大図である。 電磁鋼板の他の実施例を示す拡大図である。 回転子の他の実施例を示す拡大図である。 本発明による回転子が組み込まれる電動機の構成例を示す断面図である。 本発明による回転子が組み込まれ電動機を備えた洗濯機の例を示す構成図である。
符号の説明
1…回転子、2…回転子鉄心、3…永久磁石片、4…回転軸支持板、5…押さえ部材、6…位置検知センサーマグネット、7…センサーマグネット支持部材、8…合成樹脂部、10…電磁鋼板、11…電磁鋼板、20…埋め込み溝孔、21…抜き穴

Claims (13)

  1. 電磁鋼板を積層してなる回転子鉄心と、この回転子鉄心にその回転方向に沿って形成された複数の埋め込み溝孔に埋め込まれる希土類で作られた永久磁石片と、前記回転子鉄心と前記永久磁石片を埋め込むように一体にモールド成形された合成樹脂部と、を有し、前記合成樹脂部には、前記モールド成形時に前記回転子鉄心を保持するための支持ピンの抜き跡である抜き穴が形成されてなる電動機の回転子において、
    前記回転子鉄心の一方の面に、前記埋め込み溝孔を塞いで前記永久磁石片を押さえる押さえ部材を設け、前記モールド成形時にはこの押さえ部材が前記支持ピンに当接して前記回転子鉄心が保持されるようにし、成形後、前記抜き穴からは前記押さえ部材が露出される構造としたことを特徴とする電動機の回転子。
  2. 請求項1に記載の電動機の回転子において、
    前記永久磁石片は平板形状を有し、その板厚を半分に分けるようにN極とS極に着磁され、電磁鋼板で形成される前記押さえ部材が前記N極またはS極の一方にのみ当接する状態で前記永久磁石片を押さえる構造としたことを特徴とする電動機の回転子。
  3. 請求項1または2に記載の電動機の回転子において、
    前記モールド成形時の合成樹脂の注入側を前記押さえ部材と反対側にしたことを特徴とする電動機の回転子。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の電動機の回転子において、
    前記電磁鋼板は、互いに重なり合って結合する結合ポンチ部を有することを特徴とする電動機の回転子。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の電動機の回転子において、
    前記永久磁石片は、表面が防錆未処理であることを特徴とする電動機の回転子。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の電動機の回転子において、
    前記電磁鋼板は、外周に切込み溝が形成されていることを特徴とする電動機の回転子。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の電動機の回転子において、
    前記永久磁石片の位置検知に用いる位置検知センサーマグネットと、この位置検知センサーマグネットを支持するセンサーマグネット支持部材と、を有し、前記センサーマグネット支持部材は、磁束が通り易い磁性材で形成され、前記回転子鉄心の反対側となる部分に前記センサーマグネットを支持したことを特徴とする電動機の回転子。
  8. 請求項7に記載の電動機の回転子において、
    前記センサーマグネット支持部材は、径小円筒部と、この径小円筒部の一端より外周に向って立ち上がる環状鍔部と、この環状鍔部の外周から前記径小円筒部の反対側に突き出る径大円筒部と、を有し、前記径小円筒部を前記回転子鉄心の内周側に嵌め、前記径大円筒部の内周側に前記位置検知センサーマグネットを支持したことを特徴とする電動機の回転子。
  9. 請求項7または8に記載の電動機の回転子において、
    前記位置検知センサーマグネットは、その外周が前記永久磁石片のN極とS極の境界よりも内側となるように形成されていることを特徴とする電動機の回転子。
  10. 請求項7〜9の何れか1項に記載の電動機の回転子において、
    前記位置検知センサーマグネット及び前記センサーマグネット支持部材を前記回転子鉄心と共に前記合成樹脂部に埋め込むようにモールド成形したことを特徴とする電動機の回転子。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の電動機の回転子において、
    前記合成樹脂部にはさらに、回転軸を結合する回転軸支持板が埋め込まれ、この回転軸支持板は、外周に凹凸を有し、この回転軸支持板に対応する前記回転子鉄心の電磁鋼板には、内周に凹凸が設けられ、前記合成樹脂部内では、前記回転軸支持板の凸が前記電磁鋼板の凹に入るように前記回転軸支持板と前記回転子鉄心を組み合わせたことを特徴とする電動機の回転子。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の回転子と、この回転子の周面に対向して配置される電磁コイルを有する固定子と、を備えて構成される電動機。
  13. 請求項12に記載の電動機と、洗濯物が投入される洗濯槽と、この洗濯槽内の洗濯物を攪拌する回転翼と、を有し、前記回転子の回転を減速して前記回転翼に伝えると共に、前記回転子の回転を減速せずに前記洗濯槽に伝える機構を設けて構成される洗濯機。
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