JP5097492B2 - 駆動用モータの回転子 - Google Patents

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本発明は、洗濯機の外槽に回転ドラムを直接駆動する希土類永久磁石を有する駆動用モータの回転子において、主軸を固定するロータボスが回転子フランジと機械的に強固で、且つ固定子と電気的に絶縁した駆動用モータの回転子に関するものである。
駆動用モータに希土類永久磁石を使用し、回転子フランジに相当する電磁鋼板とロータボスに相当する回転軸支持板が樹脂モールドにより機械的に結合し、固定子と電気的に絶縁したものは特開2006−352973号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2006−352973号公報
洗濯機の回転ドラムを駆動する駆動用モータは回転ドラムを直接駆動するので、大きな駆動トルクが必要である。このため、駆動用モータの体積を大きくしないで駆動トルクを出す手段としては磁気エネルギー密度が高い希土類永久磁石を使用する。希土類永久磁石はフェライト系磁石に比較して、電気抵抗が小さいので固定子と電気的に絶縁を行う必要がある。このため、回転子は回転子フランジとロータボス間で樹脂モールドにより機械強度の確保と電気絶縁の両方を行う必要がある。また、回転子の外形及び重量が重くなるので運転時の起動停止や輸送時の衝撃による機械強度を上げる必要があった。
本発明は上記した問題点に鑑み、樹脂モールドにより回転子フランジとロータボスとの機械強度の確保と電気絶縁の両方を行った駆動用モータの回転子を提供することを目的とする。
本発明は、固定子と回転子の間の電気絶縁はこの間の空隙と、回転子フランジとロータボス間に間隙を設けて樹脂モールドすることにより行われる。また、回転子フランジとロータボスの機械強度を上げるため、回転子フランジのロータボス側を軸方向に円筒部を形成し、その外周に凹部と凸部を設けて、ロータボスの外周に設けられた凸部と凹部に組合せることにより回転子フランジとロータボス間の合成樹脂との接触面積を増加させると共に合成樹脂に加わる荷重が圧縮荷重となるようにして、衝撃荷重は金属で構成されている回転子フランジとロータボスで受けるようにして、直接合成樹脂部に衝撃に弱い曲げや引っ張り荷重にならないようにした駆動用モータの回転子を有することを特徴とする。
本発明によれば、回転子フランジに設けられた円筒部とロータボスとの間を間隙を設けて、各々の凹部と凸部を組合せてその間を合成樹脂で樹脂モールドしているので、接触面積が増加し、合成樹脂に加わる荷重が圧縮荷重となるので、主軸と電気絶縁すると共に運転時及び輸送時の衝撃に対する機械強度を上げることができる。
以下、本発明の実施形態に係わる実施例について、図を引用して説明する。
図1は本発明の実施例に係るもので、ドラム式洗濯乾燥機の縦断面図を示す。
外枠筐体は、外枠1と、前記外枠1を載置するように支持するベース部2を有する。
また、ベース部2がなく、外枠1だけで外枠筐体を構成するものもある。
外枠1は、正面の中央に設けられた開閉自在なる蓋体3を有する。
外枠1の内部には樹脂で成形された外槽4が配置され、前記外槽4の中には、回転自在の回転ドラム5が配置されている。回転ドラム5は主軸6を介して、駆動用モータ7と直結されている。駆動用モータ7は金属製フランジ8に固定され、金属製フランジ8は外槽4に固定されている。組み付け時は金属製フランジ8に主軸6及び駆動用モータ7が組込まれた駆動部組を外槽4に組み付けてから回転ドラム5を組み付けている。本実施例の場合、回転ドラム駆動用モータ7は磁石埋め込み形のインナーロータで固定子は集中巻の巻線を有するDCブラシレスモータを使用している。回転ドラム5の内側には脱水時に高速回転で洗濯物9に含まれている水分を脱水するための脱水穴10が全周に複数個設けられている。
回転ドラム5には脱水時の洗濯物9によるアンバランス振動を低減するための流体バランサー11が設けられている。
蓋体3と外槽4の間で洗浄水を密封するために、ゴム製の弾性体で構成されるベローズ12が設けられている。
外槽4は洗濯物9によるアンバランス振動を低減するため底部に2個のサスペンション13により支持されている。サスペンション13は外槽4及びそれに付属する全重量を支持するものであり、強固な構成にできている。また、脱水運転時に生じる外槽4の共振による異常振動を防止するための減衰機構などが設けられている。
また、外槽4の上部は、前後に配置された二個の引きバネ14,15により支持している。これらの引きバネ14,15は外槽22の前後方向の倒れ防止を兼ねた支持や脱水時の前後,上下及び左右方向の振動を低減するために設けられている。
ベース部2には、洗濯水を排水するための排水ホース16が取付けられている。また、ベース部2の四隅には取付け脚17が設けられている。この取付け脚17はゴムで形成され、ドラム式洗濯乾燥機の運転時の振動を減衰させている。
なお、上記の外枠筐体は外枠1とベース部2を有するが、ベース部2を設けず、外枠1に取付け脚17を設けるようにすることも可能である。この場合は、外枠1が外枠筐体になる。
洗濯やすすぎ時には、水道の蛇口に接続された給水ホース18、給水電磁弁19に接続された注水ホース20,洗剤トレー21を経由して、洗濯やすすぎに必要な水が供給される。
供給された水は外槽4の底部に洗濯水として、またすすぎ時にはすすぎ水として溜められている。洗剤トレー21には洗濯時に必要な洗剤を投入し、すすぎ時には仕上がりをよくするために柔軟仕上げ剤を投入する。
洗濯時には、注水ホース20から供給された水が洗剤トレー21の洗剤を溶かしながら外槽4の上部からフレキシブルホース22を介して投入される。
外槽4の内側にある回転軸心線を横にした回転ドラム5には蓋体3を開けて投入されて洗濯物9が内置される。回転ドラム5の内側には、洗濯時に洗濯物9を掻き揚げられるようにするために複数個のリフター23が設けられている。
洗濯やすすぎが終了して不要になった水や脱水時に洗濯物9から脱水された水は排水弁24を開放して排水ホース16から排水される。
乾燥時は送風ファン25により送風された送風は洗濯物9が入った回転ドラム5の中、及び外周を通ってくるためリントが含まれるので、必ず乾燥フィルタ26を通す必要がある。
このため、乾燥フィルタ26を経由してヒータ27に送風し、加熱された温風は外槽上部に設けられた噴出口部28より回転ドラム5の中に送風される。
温風は洗濯物9を通って、回転ドラム5の後部から外槽4の底部に設けられた除湿装置29の通風口30を通って除湿され送風ファン25により循環を繰り返して洗濯物9を乾燥させる。
図2は本発明の実施例に係るもので、外槽4に駆動部組が取付けられている部分縦断面図を示す。駆動部組31は外槽4の奥側に取付けられている。駆動部組31を構成する金属製フランジ8の回転ドラム側ボス部32は内側にウォータシール33が圧入され、外側はゴムを被せている。この部分に外槽ボス部34が圧入され外槽4と駆動部組31とのシールが行われ洗浄水が外に漏れないように構成される。回転ドラム側ボス部32の反対側には駆動用モータ側ボス部37が設けられており、主軸6を回転支持する軸受38,39が収納されている。主軸6には回転子36が挿入されナット40により固定されている。回転子36の外周には固定子41が取付けネジ42により金属製フランジ8に固定されている。固定子41の上面にはモータカバー43が固定子41に取付けられている。また、主軸6には回転ドラム5を取付けるためのフランジ44が嵌合固定されている。固定子41の内径と回転子36の外径との空隙は、本実施例では0.6〜1mm程度なので、結露水等で容易に固定子41と回転子36の空隙は電気的に接続される。
図3は本発明の実施例に係るもので、回転子36の縦断面図を示す。回転子36は鍛造成形したロータボス45と回転子フランジ46を、間隙を設けて配置し、回転子フランジ46の外周には回転子鉄心47を嵌合し、その上に各々独立して希土類永久磁石48と磁極鉄心片49を配置して合成樹脂50で一体成形により構成している。また、駆動用モータ7を冷却するためのファンブレード51を合せて成形している。
図4は本発明の実施例に係るもので、ロータボス45の正面図を示す。外周側は、凹部52と凸部53により構成されており、この部分に回転子フランジ46が配置され合成樹脂50により樹脂モールドされ機械的に結合されると共に電気的に絶縁される。凹部52と凸部53の外周の長さを比較すると、凹部52のほうが長くなっている。内側中央部はセレーション(歯車)となっており主軸6と結合して回転止めを形成している。ロータボス45は鍛造で成形されているので、素材に対する材料の使用効率がプレスによる打ち抜き作業よりよくする事ができる。
図5は本発明の実施例に係るもので、回転子フランジ46の正面図を示す。回転子フランジ46の内側は軸方向に円筒部54を形成している。円筒部54の先端部には、凹部55と凸部56が各々複数個設けられている。凹部55の幅と凸部56の幅は等間隔となっている。
図6は本発明の実施例に係るもので、回転子フランジ46の縦断面図を示す。内径側は円筒部54が軸方向に形成されている。円筒部54の外周部には凹部55と凸部56が交互に均等の幅で形成されている。
回転子36は内周側からロータボス45、回転子フランジ46,回転子鉄心47,希土類永久磁石48及び磁極鉄心片49の順番で成形型にセットされ樹脂モールドされる。電気絶縁はロータボス45と回転子フランジ46の円筒部54の間に空間を持たせて、樹脂モールドにより合成樹脂50を充填することにより、合成樹脂50で電気絶縁している。
円筒部54の外周に設けられた凹部55にロータボス45の凸部53,円筒部54の外周に設けられた凸部56にロータボス45の凹部52が空間をもって嵌合されている。
回転子フランジ46は板厚が1.6〜3.2mmの鋼板をプレスで製作し、外周側にも外周側円筒部57が形成されており、内径側にも円筒部54が形成されているので剛性を大きくすることができる。主軸6に取付けられた回転子36には洗濯物9のアンバランス時に半径方向に大きな荷重が印加される。これによる荷重は駆動用モータ7による回転方向の荷重より大きい。このため、機械強度はこの荷重で考えると円筒部54の内径側とロータボス45の外周側との間の合成樹脂部58の部分に圧縮荷重として印加される。本発明ではこの部分の合成樹脂部58の応力を低減するため、ロータボス45の外周の板厚を増加して円筒部54との接触面積を増加することにより合成樹脂部58の応力の低減を図り、機械強度を増加した。合成樹脂50は衝撃が加わると曲げ及び引張りの機械強度が極端に低下する。このため、衝撃に対して影響が少ない圧縮にすることにより、運転時の急停止や輸送時の衝撃に対する機械強度を向上させた。なお、圧縮荷重による機械強度を維持するにはそれを挟持している部材の剛性が大きいことが必要である。
上記したように、機械強度の増加を測るにはロータボスの板厚を厚くすることが必要である。板厚を厚くしてプレス加工したのでは素材が有効に利用できないので、鍛造により素材の利用率をあげている。
また、ロータボス45の上面部と同一の高さで、駆動用モータ7を冷却するファンブレード51を成形しているのでファンブレード51の高さが同一となり、この上面に被せるモータカバー43の形状が単純となり型製作費用の低減ができる。なお、モータカバー43の内側に設けられた風穴59よりロータボス45の外形を小さくしてファンブレード51の内側から外気を吸込むように構成しているので固定子41の冷却をよくすることができる。
本発明の実施例に係るもので、ドラム式洗濯乾燥機の縦断面図である。 本発明の実施例に係るもので、外槽4に駆動部組が取付けられている部分縦断面図を示す。 本発明の実施例に係るもので、回転子36の縦断面図を示す。 本発明の実施例に係るもので、ロータボス45の正面図を示す。 本発明の実施例に係るもので、回転子フランジ46の正面図を示す。 本発明の実施例に係るもので、回転子フランジ46の縦断面図を示す。
符号の説明
1 外枠
2 ベース部
3 蓋体
4 外槽
5 回転ドラム
6 主軸
7 駆動用モータ
8 金属製フランジ
9 洗濯物
10 脱水穴
11 流体バランサー
12 ベローズ
13 サスペンション
14,15 引きバネ
16 排水ホース
17 取付け脚
18 給水ホース
19 給水電磁弁
20 注水ホース
21 洗剤トレー
22 フレキシブルホース
23 リフター
24 排水弁
25 送風ファン
26 乾燥フィルタ
27 ヒータ
28 噴出口
29 除湿装置
30 通風路
31 駆動部組
32 回転ドラム側ボス部
33 ウォータシール
34 外槽ボス部
35,42 取付けネジ
36 回転子
37 駆動用モータ側ボス部
38,39 軸受
40 ナット
41 固定子
43 モータカバー
44 フランジ
45 ロータボス
46 回転子フランジ
47 回転子鉄心
48 希土類永久磁石
49 磁極鉄心片
50 合成樹脂
51 ファンブレード
52,55 凹部
53,56 凸部
54 円筒部
57,58 外側円筒部
59 通風穴

Claims (3)

  1. 回転子の外径側から磁極鉄心片,希土類永久磁石,回転子鉄心,回転子フランジ及びロータボスを配置し、ロータボス外周と回転子フランジ内径は間隙をもって配置された駆動用モータの回転子において、前記ロータボスの外周の板厚を前記回転子フランジの板厚よりも厚くし、前記回転子フランジの内径は軸方向に円筒形に形成され内径側円筒部を有し、この内径側円筒部の軸方向に延びる内周面によって、前記ロータボスの外周面からの半径方向の荷重を受け、前記内径側円筒部の先端部には凹部と凸部を形成し、前記ロータボスの外周に形成された凹部、凸部と間隙をもって各々の凸部と凹部を組合せ、樹脂モールドしたことを特徴とする駆動用モータの回転子。
  2. 請求項1記載の駆動用モータの回転子において、ロータボスは鍛造成形により凹凸部を軸方向に厚く成形したことを特徴とする駆動用モータの回転子。
  3. 請求項1又は請求項2記載の駆動用モータの回転子において、ロータボスの端面と同一平面上にファンブレードを樹脂モールドしたことを特徴とする駆動用モータの回転子。
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