JP2004274808A - 電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転子鉄心を磁石止めとして使用することで、小型であっても電動機の性能を損なわず、容易に製造可能な回転子を有した電動機、およびこれを搭載した機器を提供することを目的とする。
【解決手段】回転子鉄心の軸方向端部に磁石止め用鉄心を設け、回転子の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石17の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、磁石止め用鉄心の永久磁石挿入用穴12を変形させることによって、前記永久磁石17が前記回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを形成する構成とした。
【選択図】 図3
【解決手段】回転子鉄心の軸方向端部に磁石止め用鉄心を設け、回転子の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石17の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、磁石止め用鉄心の永久磁石挿入用穴12を変形させることによって、前記永久磁石17が前記回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを形成する構成とした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型の電動機、およびこれを搭載した機器、例えば、密閉型圧縮機、冷凍機器(冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、ショーケース、自販機)、空気調和機(エアーコンディショナー、除湿機)もしくは電子回路冷却システムまたはカーアクチュエータおよびこれを搭載した自動車等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般にエアーコンディショナーや冷蔵庫の圧縮機等に使用される電動機の回転子は、図8に示すように、少なくとも回転子鉄心21と、永久磁石37と、端板41と、リベット42で構成されている。また、図8は、永久磁石37が回転子鉄心21の内部に埋設されている埋め込み磁石型回転子を示し、リベット42については、例えばボルトなどの固定手段を用いる場合もある。
【0003】
回転子鉄心21の両端には端板41が取り付き、回転子鉄心21と端板41に設けられた間通孔にリベット42を通してかしめることによって、回転子鉄心21と端板41とを固定するとともに、端板41によって永久磁石37が回転子から軸方向に飛び出すことを防止している。また、軸孔23には軸が入る(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−218411号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、従来の電動機においては、端板を取り付けることによって、回転子鉄心に埋設された永久磁石の軸方向への飛び出しを防止している。通常、端板と回転子鉄心は、リベットを貫通させてかしめることによって固定され、これによって、永久磁石の軸方向への飛び出しが防がれる。前述の用途などに従来使用される電動機においては、その大きさからも、リベットによって端板をかしめて磁石止めとすることは容易である。
【0006】
一方、電動機の小型化に対する要望は高まってきており、電動機の外径寸法も小さくなりつつある。このような中、回転子の外径が小さくなればなる程、端板固定用のリベットなどを通すための回転子鉄心の穴を形成することが困難となる。特に、非常に小型の電動機においては、リベット用の穴を回転子鉄心に形成することによって、電動機の特性を大きく損なうことが予想される。そのため、前述の端板を使用して永久磁石の軸方向への飛び出しを防止することが困難となる。
【0007】
本発明は、前記の問題点に鑑み、小型であっても永久磁石の止めを構成可能で、かつ電動機の性能を損なわず、容易に製造可能な回転子を有した電動機、およびこれを搭載した機器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の電動機は、回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記回転子鉄心の軸方向端部の永久磁石挿入用穴を変形させることによって、前記永久磁石が前記回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを形成する構成とした。
【0009】
特に、前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と、回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を、容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を使用することにより、前記一方の磁石止め用鉄心には永久磁石挿入用穴が設けられているために、永久磁石の磁束が漏洩することを最小限に抑制でき、かつ回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めを形成可能となる。
【0010】
一方、永久磁石の回転子鉄心への挿入は、回転子の軸方向片側からで良いため、前記回転子の軸方向端部のうち一方のみに、前記一方の磁石止め用鉄心を用いることが可能である。この場合は、前記一方の磁石止め用鉄心を使用しない側の回転子鉄心の軸方向端部に、あらかじめ磁石止めを設けた他方の磁石止め用鉄心を使用すれば電動機の性能劣化や製造上の問題は生じない。
【0011】
また、前記一方の磁石止め用鉄心を回転子鉄心の軸方向端部のうち両側に使用することも可能である。この場合、永久磁石を挿入しない側の前記一方の磁石止め用鉄心を変形させた後に永久磁石を挿入することで、容易に製造でき、部品点数も少ない構成とすることが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために請求項1の電動機は、環状のヨークと前記ヨークの内周部に略等間隔に略半径方向に配置された複数のティースを有し、隣接する前記ティースの間に巻線用溝(スロット)が設けられた固定子鉄心の前記ティースに巻線を施してなる固定子と、前記固定子の内周に僅かな空隙を介して対向し、回転自在に保持された回転子により構成される電動機において、前記回転子は薄い鉄板を複数枚積層した回転子鉄心を有し、前記回転子鉄心に永久磁石挿入用穴を形成し、前記永久磁石挿入用穴に永久磁石が複数個埋設され、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い前記永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ前記回転子鉄心の軸方向端部の前記永久磁石挿入用穴を変形させることによって、前記永久磁石が前記回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを形成したことを特徴とした電動機であって、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となる。
【0013】
また、請求項2に記載の電動機は、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部に配置してなる回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成したことを特徴とした請求項1に記載の電動機であって、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、前記一方の磁石止め用鉄心における前記回転子内周側における壁と永久磁石挿入用穴の外周側における壁とが接触しない範囲で、前記回転子内周側における壁を変形させることで、この部分を介して永久磁石の磁束の漏洩が無くなるために、電動機の性能を損なうことが無い。
【0014】
さらに、請求項3に記載の電動機は、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部のうち片側のみに配置し、もう一方の前記回転子鉄心の軸方向端部には、あらかじめ前記永久磁石が回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを有した他方の磁石止め用鉄心を配置して構成される回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成したことを特徴とした請求項1に記載の電動機であって、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を変形させる作業が最小限となり、工数が削減され電動機のコスト低減を図ることができる。
【0015】
請求項4に記載の電動機は、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部の両側に配置し、一方の前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させた後に前記回転子鉄心に永久磁石を挿入し、その後にもう一方の変形させていない前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成したことを特徴とした請求項1に記載の電動機であって、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、同一形状の前記一方の磁石止め用鉄心を回転子鉄心両端部に設けることでコアパターンの種類が最小限となり、生産設備費用の低減を図ることができる。
【0016】
請求項5に記載の電動機は、半抜き部分を有した薄い鉄板を複数枚積層し、前記半抜き部分をからませることによって、回転子鉄心を一体固定することを特徴とした請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動機であって、リベットなどの別部品を用いた回転子鉄心固定手段を必要としないため、部品点数を削減できる。
【0017】
請求項6に記載の電動機は、薄い鉄板を複数枚積層し、前記複数枚の薄い鉄板を溶接によって一体固定することで回転子鉄心としたことを特徴とした請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電動機であって、リベットなどの別部品を用いた回転子鉄心固定手段を必要としないため、部品点数を削減できる。
【0018】
請求項7に記載の電動機は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動機を搭載したことを特徴とした機器であって、機器の性能を損なうことなく、小型化、低コスト化を図ることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0020】
(実施例1)
図1は、エアコンや冷蔵庫の圧縮機等に使用される電動機の回転子鉄心の断面図である。
【0021】
図1に示したとおり、回転子鉄心11aは、永久磁石挿入用穴12と軸穴13とで構成されている。軸穴13には軸が入る。
【0022】
図2は、回転子鉄心11bの永久磁石挿入用穴12における回転子内周側に位置する壁14と回転子鉄心11bの内周とで挟まれる部分に、容易に変形させられる薄肉部16を設けた一方の磁石止め用鉄心である。
【0023】
電動機の回転子は、図1と図2のそれぞれの回転子鉄心を図3に示したように軸方向に重ね、永久磁石挿入用穴12に永久磁石17を挿入することで構成される。しかし、図3の状態のままでは、永久磁石17が回転子から軸方向に飛び出すため、例えば図4に示したように、薄肉部16を変形させて、磁石止めを形成する。
【0024】
図4のように構成することで、端板などの別部品による磁石止めが不要となる。
【0025】
(実施例2)
図5は、回転子鉄心11cにあらかじめ永久磁石17が回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止め18をあらかじめ設けた他方の磁石止め用鉄心を示している。図5のように回転子鉄心11cは、他方の磁石止め用鉄心、磁石挿入用穴12と磁石止め18と軸穴13とで構成されている。
【0026】
図5の回転子鉄心を用いた場合、図6に示したように3種類の回転子鉄心を用いて回転子を構成することが可能となる。
【0027】
図6のように構成することによって、一方の磁石止め用鉄心(図中記号11b)を変形させて磁石止めとする部分が1箇所だけとなり、回転子を組み立てる作業を簡素化できて工数が削減される。
【0028】
(実施例3)
図7は、本発明の電動機の使用例として、冷凍サイクル中の搬送手段として使用している場合を示している。
【0029】
図7の冷凍サイクルにおいて使用される冷媒の種類には関わらず、機器の小型化、低コスト化を実現することが可能だが、環境について考慮すれば、HFCや自然冷媒(CO2、アンモニア、HCなど)などが好適である。
【0030】
また、カーアクチュエータに用いた場合も同様に、機器の小型化、低コスト化を実現することが可能であり、このカーアクチュエータを自動車に用いることで、自動車の高性能、低コスト化を実現できる。
【0031】
さらには、冷凍機器(冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、ショーケース、自販機)、空気調和機(エアーコンディショナー、除湿機)もしくは電子回路冷却システム等に搭載することによっても、同様の効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ前記回転子鉄心の軸方向端部の前記永久磁石挿入用穴を変形させることによって、前記永久磁石が回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを形成するため、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となる。
【0033】
また、請求項2に記載の発明によれば、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を使用し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部に配置してなる回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成するため、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、前記一方の磁石止め用鉄心における前記回転子内周側における壁と永久磁石挿入用穴の外周側における壁とが接触しない範囲で、前記回転子内周側における壁を変形させることで、この部分を介して永久磁石の磁束の漏洩が無くなるために、電動機の性能を損なうことが無い。
【0034】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を使用し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部のうち片側のみに配置し、もう一方の前記回転子鉄心の軸方向端部には、あらかじめ前記磁石が回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを有した他方の磁石止め用鉄心を配置して構成される回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成するため、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を変形させる作業が最小限となり、工数が削減され電動機のコスト低減を図ることができる。
【0035】
請求項4に記載の発明によれば、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を使用し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部の両側に配置し、一方の前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させた後に前記回転子鉄心に永久磁石を挿入し、その後にもう一方の変形させていない前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成するため、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、同一形状の前記一方の磁石止め用鉄心を回転子鉄心両端部に設けることでコアパターンの種類が最小限となり、生産設備費用の低減を図ることができる。
【0036】
請求項5に記載の発明によれば、半抜き部分を有した薄い鉄板を複数枚積層し、前記半抜き部分をからませることによって、回転子鉄心を一体固定するため、リベットなどの別部品を用いた回転子鉄心固定手段を必要としないため、部品点数を削減できる。
【0037】
請求項6に記載の発明によれば、薄い鉄板を複数枚積層し、前記複数枚の薄い鉄板を溶接によって回転子鉄心を一体固定するため、リベットなどの別部品を用いた回転子鉄心固定手段を必要としないため、部品点数を削減できる。
【0038】
また、前記特有の効果を有する本発明による電動機を密閉型圧縮機、冷凍機器、空気調和機もしくは電子回路冷却システムまたはカーアクチュエータおよびこれを搭載した自動車等に搭載することで、これら機器の性能を損なうことなく、小型化、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における回転子鉄心の断面図
【図2】本発明の実施例1における一方の磁石止め用鉄心の断面図
【図3】本発明の実施例1における回転子鉄心と一方の磁石止め用鉄心とを使用した回転子の説明図
【図4】本発明の実施例1における一方の磁石止め用鉄心薄肉部を変形させて磁石止めとした場合の断面図
【図5】本発明の実施例2における他方の磁石止め用鉄心の断面図
【図6】本発明の実施例2における回転子鉄心と一方の磁石止め用鉄心と他方の磁石止め用鉄心とを使用した回転子の説明図
【図7】本発明の電動機を搬送手段として使用している冷凍サイクルを示す図
【図8】従来の回転子の説明図
【符号の説明】
11a、11b、11c 回転子鉄心
12 永久磁石挿入用穴
13 軸穴
14 回転子内周側に位置する壁
15 一方の磁石止め用鉄心の内周穴
16 薄肉部
17 永久磁石
18 他方の磁石止め用鉄心の磁石止め
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型の電動機、およびこれを搭載した機器、例えば、密閉型圧縮機、冷凍機器(冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、ショーケース、自販機)、空気調和機(エアーコンディショナー、除湿機)もしくは電子回路冷却システムまたはカーアクチュエータおよびこれを搭載した自動車等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般にエアーコンディショナーや冷蔵庫の圧縮機等に使用される電動機の回転子は、図8に示すように、少なくとも回転子鉄心21と、永久磁石37と、端板41と、リベット42で構成されている。また、図8は、永久磁石37が回転子鉄心21の内部に埋設されている埋め込み磁石型回転子を示し、リベット42については、例えばボルトなどの固定手段を用いる場合もある。
【0003】
回転子鉄心21の両端には端板41が取り付き、回転子鉄心21と端板41に設けられた間通孔にリベット42を通してかしめることによって、回転子鉄心21と端板41とを固定するとともに、端板41によって永久磁石37が回転子から軸方向に飛び出すことを防止している。また、軸孔23には軸が入る(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−218411号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、従来の電動機においては、端板を取り付けることによって、回転子鉄心に埋設された永久磁石の軸方向への飛び出しを防止している。通常、端板と回転子鉄心は、リベットを貫通させてかしめることによって固定され、これによって、永久磁石の軸方向への飛び出しが防がれる。前述の用途などに従来使用される電動機においては、その大きさからも、リベットによって端板をかしめて磁石止めとすることは容易である。
【0006】
一方、電動機の小型化に対する要望は高まってきており、電動機の外径寸法も小さくなりつつある。このような中、回転子の外径が小さくなればなる程、端板固定用のリベットなどを通すための回転子鉄心の穴を形成することが困難となる。特に、非常に小型の電動機においては、リベット用の穴を回転子鉄心に形成することによって、電動機の特性を大きく損なうことが予想される。そのため、前述の端板を使用して永久磁石の軸方向への飛び出しを防止することが困難となる。
【0007】
本発明は、前記の問題点に鑑み、小型であっても永久磁石の止めを構成可能で、かつ電動機の性能を損なわず、容易に製造可能な回転子を有した電動機、およびこれを搭載した機器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の電動機は、回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記回転子鉄心の軸方向端部の永久磁石挿入用穴を変形させることによって、前記永久磁石が前記回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを形成する構成とした。
【0009】
特に、前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と、回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を、容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を使用することにより、前記一方の磁石止め用鉄心には永久磁石挿入用穴が設けられているために、永久磁石の磁束が漏洩することを最小限に抑制でき、かつ回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めを形成可能となる。
【0010】
一方、永久磁石の回転子鉄心への挿入は、回転子の軸方向片側からで良いため、前記回転子の軸方向端部のうち一方のみに、前記一方の磁石止め用鉄心を用いることが可能である。この場合は、前記一方の磁石止め用鉄心を使用しない側の回転子鉄心の軸方向端部に、あらかじめ磁石止めを設けた他方の磁石止め用鉄心を使用すれば電動機の性能劣化や製造上の問題は生じない。
【0011】
また、前記一方の磁石止め用鉄心を回転子鉄心の軸方向端部のうち両側に使用することも可能である。この場合、永久磁石を挿入しない側の前記一方の磁石止め用鉄心を変形させた後に永久磁石を挿入することで、容易に製造でき、部品点数も少ない構成とすることが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために請求項1の電動機は、環状のヨークと前記ヨークの内周部に略等間隔に略半径方向に配置された複数のティースを有し、隣接する前記ティースの間に巻線用溝(スロット)が設けられた固定子鉄心の前記ティースに巻線を施してなる固定子と、前記固定子の内周に僅かな空隙を介して対向し、回転自在に保持された回転子により構成される電動機において、前記回転子は薄い鉄板を複数枚積層した回転子鉄心を有し、前記回転子鉄心に永久磁石挿入用穴を形成し、前記永久磁石挿入用穴に永久磁石が複数個埋設され、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い前記永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ前記回転子鉄心の軸方向端部の前記永久磁石挿入用穴を変形させることによって、前記永久磁石が前記回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを形成したことを特徴とした電動機であって、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となる。
【0013】
また、請求項2に記載の電動機は、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部に配置してなる回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成したことを特徴とした請求項1に記載の電動機であって、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、前記一方の磁石止め用鉄心における前記回転子内周側における壁と永久磁石挿入用穴の外周側における壁とが接触しない範囲で、前記回転子内周側における壁を変形させることで、この部分を介して永久磁石の磁束の漏洩が無くなるために、電動機の性能を損なうことが無い。
【0014】
さらに、請求項3に記載の電動機は、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部のうち片側のみに配置し、もう一方の前記回転子鉄心の軸方向端部には、あらかじめ前記永久磁石が回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを有した他方の磁石止め用鉄心を配置して構成される回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成したことを特徴とした請求項1に記載の電動機であって、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を変形させる作業が最小限となり、工数が削減され電動機のコスト低減を図ることができる。
【0015】
請求項4に記載の電動機は、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部の両側に配置し、一方の前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させた後に前記回転子鉄心に永久磁石を挿入し、その後にもう一方の変形させていない前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成したことを特徴とした請求項1に記載の電動機であって、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、同一形状の前記一方の磁石止め用鉄心を回転子鉄心両端部に設けることでコアパターンの種類が最小限となり、生産設備費用の低減を図ることができる。
【0016】
請求項5に記載の電動機は、半抜き部分を有した薄い鉄板を複数枚積層し、前記半抜き部分をからませることによって、回転子鉄心を一体固定することを特徴とした請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動機であって、リベットなどの別部品を用いた回転子鉄心固定手段を必要としないため、部品点数を削減できる。
【0017】
請求項6に記載の電動機は、薄い鉄板を複数枚積層し、前記複数枚の薄い鉄板を溶接によって一体固定することで回転子鉄心としたことを特徴とした請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電動機であって、リベットなどの別部品を用いた回転子鉄心固定手段を必要としないため、部品点数を削減できる。
【0018】
請求項7に記載の電動機は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動機を搭載したことを特徴とした機器であって、機器の性能を損なうことなく、小型化、低コスト化を図ることができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0020】
(実施例1)
図1は、エアコンや冷蔵庫の圧縮機等に使用される電動機の回転子鉄心の断面図である。
【0021】
図1に示したとおり、回転子鉄心11aは、永久磁石挿入用穴12と軸穴13とで構成されている。軸穴13には軸が入る。
【0022】
図2は、回転子鉄心11bの永久磁石挿入用穴12における回転子内周側に位置する壁14と回転子鉄心11bの内周とで挟まれる部分に、容易に変形させられる薄肉部16を設けた一方の磁石止め用鉄心である。
【0023】
電動機の回転子は、図1と図2のそれぞれの回転子鉄心を図3に示したように軸方向に重ね、永久磁石挿入用穴12に永久磁石17を挿入することで構成される。しかし、図3の状態のままでは、永久磁石17が回転子から軸方向に飛び出すため、例えば図4に示したように、薄肉部16を変形させて、磁石止めを形成する。
【0024】
図4のように構成することで、端板などの別部品による磁石止めが不要となる。
【0025】
(実施例2)
図5は、回転子鉄心11cにあらかじめ永久磁石17が回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止め18をあらかじめ設けた他方の磁石止め用鉄心を示している。図5のように回転子鉄心11cは、他方の磁石止め用鉄心、磁石挿入用穴12と磁石止め18と軸穴13とで構成されている。
【0026】
図5の回転子鉄心を用いた場合、図6に示したように3種類の回転子鉄心を用いて回転子を構成することが可能となる。
【0027】
図6のように構成することによって、一方の磁石止め用鉄心(図中記号11b)を変形させて磁石止めとする部分が1箇所だけとなり、回転子を組み立てる作業を簡素化できて工数が削減される。
【0028】
(実施例3)
図7は、本発明の電動機の使用例として、冷凍サイクル中の搬送手段として使用している場合を示している。
【0029】
図7の冷凍サイクルにおいて使用される冷媒の種類には関わらず、機器の小型化、低コスト化を実現することが可能だが、環境について考慮すれば、HFCや自然冷媒(CO2、アンモニア、HCなど)などが好適である。
【0030】
また、カーアクチュエータに用いた場合も同様に、機器の小型化、低コスト化を実現することが可能であり、このカーアクチュエータを自動車に用いることで、自動車の高性能、低コスト化を実現できる。
【0031】
さらには、冷凍機器(冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、ショーケース、自販機)、空気調和機(エアーコンディショナー、除湿機)もしくは電子回路冷却システム等に搭載することによっても、同様の効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ前記回転子鉄心の軸方向端部の前記永久磁石挿入用穴を変形させることによって、前記永久磁石が回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを形成するため、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となる。
【0033】
また、請求項2に記載の発明によれば、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を使用し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部に配置してなる回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成するため、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、前記一方の磁石止め用鉄心における前記回転子内周側における壁と永久磁石挿入用穴の外周側における壁とが接触しない範囲で、前記回転子内周側における壁を変形させることで、この部分を介して永久磁石の磁束の漏洩が無くなるために、電動機の性能を損なうことが無い。
【0034】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を使用し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部のうち片側のみに配置し、もう一方の前記回転子鉄心の軸方向端部には、あらかじめ前記磁石が回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを有した他方の磁石止め用鉄心を配置して構成される回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成するため、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を変形させる作業が最小限となり、工数が削減され電動機のコスト低減を図ることができる。
【0035】
請求項4に記載の発明によれば、回転子鉄心の永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を使用し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部の両側に配置し、一方の前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させた後に前記回転子鉄心に永久磁石を挿入し、その後にもう一方の変形させていない前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成するため、回転子鉄心を変形させるだけの容易な方法で磁石止めが形成可能であるため製造が容易となるとともに、同一形状の前記一方の磁石止め用鉄心を回転子鉄心両端部に設けることでコアパターンの種類が最小限となり、生産設備費用の低減を図ることができる。
【0036】
請求項5に記載の発明によれば、半抜き部分を有した薄い鉄板を複数枚積層し、前記半抜き部分をからませることによって、回転子鉄心を一体固定するため、リベットなどの別部品を用いた回転子鉄心固定手段を必要としないため、部品点数を削減できる。
【0037】
請求項6に記載の発明によれば、薄い鉄板を複数枚積層し、前記複数枚の薄い鉄板を溶接によって回転子鉄心を一体固定するため、リベットなどの別部品を用いた回転子鉄心固定手段を必要としないため、部品点数を削減できる。
【0038】
また、前記特有の効果を有する本発明による電動機を密閉型圧縮機、冷凍機器、空気調和機もしくは電子回路冷却システムまたはカーアクチュエータおよびこれを搭載した自動車等に搭載することで、これら機器の性能を損なうことなく、小型化、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における回転子鉄心の断面図
【図2】本発明の実施例1における一方の磁石止め用鉄心の断面図
【図3】本発明の実施例1における回転子鉄心と一方の磁石止め用鉄心とを使用した回転子の説明図
【図4】本発明の実施例1における一方の磁石止め用鉄心薄肉部を変形させて磁石止めとした場合の断面図
【図5】本発明の実施例2における他方の磁石止め用鉄心の断面図
【図6】本発明の実施例2における回転子鉄心と一方の磁石止め用鉄心と他方の磁石止め用鉄心とを使用した回転子の説明図
【図7】本発明の電動機を搬送手段として使用している冷凍サイクルを示す図
【図8】従来の回転子の説明図
【符号の説明】
11a、11b、11c 回転子鉄心
12 永久磁石挿入用穴
13 軸穴
14 回転子内周側に位置する壁
15 一方の磁石止め用鉄心の内周穴
16 薄肉部
17 永久磁石
18 他方の磁石止め用鉄心の磁石止め
Claims (7)
- 環状のヨークと前記ヨークの内周部に略等間隔に略半径方向に配置された複数のティースを有し、隣接する前記ティースの間に巻線用溝(スロット)が設けられた固定子鉄心の前記ティースに巻線を施してなる固定子と、前記固定子の内周に僅かな空隙を介して対向し、回転自在に保持された回転子により構成される電動機において、前記回転子は薄い鉄板を複数枚積層した回転子鉄心を有し、前記回転子鉄心に永久磁石挿入用穴を形成し、前記永久磁石挿入用穴に永久磁石が複数個埋設され、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い前記永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ前記回転子鉄心の軸方向端部の前記永久磁石挿入用穴を変形させることによって、前記永久磁石が前記回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを形成したことを特徴とした電動機。
- 回転子鉄心は、永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部に配置してなる回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成したことを特徴とした請求項1に記載の電動機。
- 回転子鉄心は、永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部のうち片側のみに配置し、もう一方の前記回転子鉄心の軸方向端部には、あらかじめ前記磁石が回転子から軸方向に飛び出さないための磁石止めを有した他方の磁石止め用鉄心を配置して構成される回転子において、前記回転子鉄心に永久磁石を挿入した後に、前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成したことを特徴とした請求項1に記載の電動機。
- 回転子鉄心は、永久磁石挿入用穴の回転子内周側に位置する壁と回転子鉄心の内周とで挟まれる部分における前記回転子鉄心の径方向幅を容易に変形させられる程度に薄く形成した一方の磁石止め用鉄心を有し、前記回転子鉄心の軸方向長さと、それよりも短い永久磁石の軸方向長さの差以下の長さ分だけ、前記一方の磁石止め用鉄心を前記回転子鉄心の軸方向端部の両側に配置し、一方の前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させた後に前記回転子鉄心に永久磁石を挿入し、その後にもう一方の変形させていない前記一方の磁石止め用鉄心における前記永久磁石挿入用穴の回転子内周側における壁を、回転子の外周側に向かって変形させることによって磁石止めを形成したことを特徴とした請求項1に記載の電動機。
- 半抜き部分を有した薄い鉄板を複数枚積層し、前記半抜き部分をからませることによって、回転子鉄心を一体固定することを特徴とした請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動機。
- 薄い鉄板を複数枚積層し、前記複数枚の薄い鉄板を溶接によって一体固定することで回転子鉄心としたことを特徴とした請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電動機。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動機を搭載したことを特徴とした機器。
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