JP4669272B2 - ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを原料としたポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

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テレフタル酸などの他のポリエステルモノマーを添加することなく、ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートだけを原料として、飛散オリゴマーによる閉塞などをおこさず円滑に重合反応を進行させて得ることを特徴とするポリエチレンテレフタレートの製法に関する。
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(以下PETと略する。)は、その優れた機械的性質、化学的性質から、繊維、フィルム、工業用樹脂、ボトル、カップ、トレイ等に成形されて広く用いられている。
近年、環境意識の高まりにともない廃棄物から資源を回収し省資源及び、焼却・埋立される廃棄物量の削減が図られている。PETに関しても数多くのリサイクル方法及びリサイクル製品が考案されており、そのうちのひとつにPET屑をアルカリ触媒の存在下にエチレングリコ−ルと反応させ解重合しビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(以下BHETと略称する。)を得るという手法がある(例えば特許文献1参照。)。
しかしながら、BHET100%を原料としてゲルマニウムやアンチモン触媒を使用して重合反応を進めようとしても、極めて反応が遅いという問題がある(例えば特許文献2参照。)。重合反応が遅いと、オリゴマーが飛散して反応器の留出系で閉塞が生じるなど深刻な問題を引き起こし著しい生産性の低下が起こる。そこで省資源のためにPET廃棄物から回収・再生したBHETに対して0.5〜1molのテレフタル酸を添加することにより重合反応を促進できるとしている(例えば特許文献2参照。)。しかし、リサイクル原料を使用して得られたポリエステル製品について、環境にやさしい商品の認定を受けようとすると、例えばエコマーク規格ではリサイクル原料の使用率が50%以上などと定められており、ポリマー段階でリサイクル原料使用率が50%以下になる方法(例えば特許文献2参照。)は最終製品の差別化の面で極めて不利になる。またこのプロセスは重合反応を促進するため、BHETに触媒を添加して溶融した液と溶融したBHETにテレフタル酸を添加後溶融したBHETを混合して重合するというものだが、極めて冗長なプロセスになってしまい製造設備建設時の投資費用も高くなる(例えば特許文献2参照。)。
国際公開第01/29110号パンフレット 請求の範囲 特開2004−231855号公報 請求の範囲、実施例6
テレフタル酸などの他のポリエステルモノマーを添加することなく、ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートだけを原料として、飛散オリゴマーによる閉塞などをおこさず円滑に重合反応を進行させてポリエチレンテレフタレートを提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の目的は、チタン化合物を触媒としてビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートだけを重合反応させるポリエチレンテレフタレートの製造方法であって、チタン化合物として、下記一般式(I)で表されるチタン化合物と下記一般式(IV)で表されるリン化合物を、チタン原子に対するリン原子のグラム当量比(P/Ti)が1〜4となる範囲でグリコール中にて加熱することにより得られた析出物を用いる請求項1記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法によって達成することができる。
Figure 0004669272
[上記式中、R 、R 、R 及びR はそれぞれ同一若しくは異なって、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、かつmが2、3又は4の場合、2個、3個又は4個のR 及びR は、それぞれ同一であっても異なっていてもどちらでもよい。]
Figure 0004669272
[上記式中、R は炭素数2〜18のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、pは1又は2であって、pが1の時にqは0又は1、pが2の時にqは0である。]
本発明の方法により、ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを原料としたポリエチレンテレフタレートのみを原料とし、テレフタル酸など他のポリエステルモノマーの添加無しでも、良好な重合速度でポリエチレンテレフタレートを得ることができる。また飛散オリゴマーによる閉塞などをおこさず円滑に重合反応を進行させることができる。
本発明においてはビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)を用いる必要がある。BHETについては特に限定されず、例えばテレフタル酸とエチレングリコール(EG)とから直接エステル化反応により生成したものでも、ジメチルテレフタレート(DMT)とEGとからエステル交換反応により生成したものでも、あるいは新品のPET製品を製造する段階で発生する屑PETや飲料ボトル等の使用済の回収PETをEGで解重合することにより生成したものでもよい。省資源化等の観点からは、少なくとも一部は、回収PETをEGで解重合することによって生成した解重合生成物から得られたものを用いることが好ましい。
上記回収PETをEGで解重合することによって生成した解重合生成物(粗製BHET)は、少なくとも蒸留精製を行う精製工程を経ることにより、精製BHETにしてから、予備反応工程及び重合工程で用いることが好ましい。
ここに、回収PETをEGで解重合することによって生成した解重合生成物(粗製BHET)中には、回収PET中に含まれていた重合触媒や着色剤等の添加物が残存している(添加物のほとんどがカチオンやアニオンの形で残存している)ため、この粗製BHETの精製に特に留意しないと、得られるPETは黄褐色に着色してしまう。そこで、上記精製工程では、解重合生成物としての粗製BHETから着色剤、アニオン・カチオン等を除去する脱色・脱イオン工程を、蒸留操作により精製する蒸留工程の前に実施することが好ましい。
上記脱色工程では、上記粗製BHETを公知の脱色剤(例えば活性炭や白土)に接触させることにより、脱色することができる。上記脱イオン工程では、上記粗製BHETをカチオン交換樹脂及び/又はアニオン交換樹脂と接触させることにより、該粗製BHETから金属カチオンとその対アニオンを除去することができる。
ここに、粗製BHET中のイオン含有量(アニオン及びカチオン合計の含有量。以下、同様)が100質量ppm以上であると、蒸留精製時に悪影響を及ぼすおそれがあり、また、50質量ppmを超えると色調等の品質の良好なPETを得ることが困難となる。このため、上記脱イオン工程では、粗製BHET中のイオン含有量が50質量ppm以下となるように脱イオンすることが好ましい。
上記蒸留操作により精製する蒸留工程では、粗製BHETのEG溶液からEGを除去する方法は特に限定されない。しかし、BHETの化学的な性質上、出来る限り低温でかつ出来る限り短時間で蒸留しなければ、蒸留釜に滞留中や蒸発中に望まぬ重合が進むおそれがある。そこで、この蒸留工程では、より短時間でかつより低温でEGを除去すべく、分子蒸留器を用いることが好ましい。
精製工程を経て得られた精製BHETの精製度を示す因子の一例としてはBHETの色調を挙げることができ、例えば色差計で測定した値でASTM−D1482−57Tによる表示法での色相b値が3以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましい。この色相b値が3を超えるBHETからPETを製造すると、PETの色相b値が5を大きく超えることとなり、実質的に実用に耐えられなくなる。続いてこのようにして得られたBHETを以下に示すような重合工程によりポリエチレンテレフタレートを製造する。
この重合工程は、例えば、以下のように実施することができる。まず、窒素雰囲気下に重合容器内に所定量のBHETと触媒となるチタン化合物を入れ、望ましくは撹拌下に130〜200℃に昇温させてBHETを溶融状態にしてから、撹拌下に上記反応液を一気に又は徐々に添加して混合する。そして、常圧下に徐々に反応系の温度を230〜245℃程度まで上げ、副生するEGや水を含む低沸成分を蒸留除去し、その蒸発が止まることを確認する。その後、さらに昇温を続けて260〜290℃程度の重合反応温度に保ちながら反応系を徐々に減圧し、最終的には内圧を10〜80Pa程度まで下げる。系内の反応物の溶融粘度は徐々に増加し、所定の粘度(例えば、撹拌に消費される電力によって確認することができる。)となった時点で重合反応を終了する。本発明の製造方法においては、この重合工程において、工程開始時点から工程終了時点までの間にテレフタル酸等を新たに加えないことを特徴とする。
このようにして得られたポリエチレンテレフタレートはペレット化されたのち、必要に応じて固相重合工程で更に重縮合を進めてもよく、その固相重合方法に関しては従来公知のいずれの方法を採用してもよい。さらにこれらのポリエチレンテレフタレートを製造する際に必要に応じて他の添加剤、例えば、着色剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤などを使用してもよい。
一方本発明においては、重合触媒としてチタン化合物を用いる必要がある。チタン化合物としては、炭素数1〜10のアルキル基を有するテトラアルコキシチタン、テトラフェノキシキシチタンなどが挙げられる。テトラアルコキシチタンのより具体的な化合物例としては、テトライソプロポキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラフェノキシチタン、オクタアルキルトリチタネート、又はヘキサアルキルジチタネートなどが好ましく挙げることができる。このようにBHETのみを原料としてチタン化合物を用いることにより、本発明の課題を解決することができる。
さらに本発明に用いるチタン化合物の重縮合触媒としては、下記一般式(I)で表されるチタン化合物、又は下記一般式(I)で表されるチタン化合物及び下記一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸若しくはその無水物とを反応させた生成物からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むチタン化合物成分からなる重合触媒系を用いることもできる。
Figure 0004669272
[上記式中、R、R、R及びRはそれぞれ同一若しくは異なって、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、かつmが2、3又は4の場合、2個、3個又は4個のR及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもどちらでもよい。]
Figure 0004669272
[上記式中、nは2〜4の整数を表わす。]
ここで、一般式(I)で表されるチタン化合物としては、具体的にはテトライソプロポキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラフェノキシチタン、オクタアルキルトリチタネート、又はヘキサアルキルジチタネートなどが好ましく用いられる。
また、該チタン化合物と反応させる一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸又はその無水物としては、フタル酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、若しくはピロメリット酸又はこれらの無水物が好ましく用いられる。
上記チタン化合物と芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させる場合には、溶媒に芳香族多価カルボン酸又はその無水物の一部又は全部を溶解し、この混合液にチタン化合物を滴下し、0〜200℃の温度で少なくとも30分間、好ましくは30〜150℃の温度で40〜90分間加熱することによって行われる。この際の反応圧力については特に制限はなく、常圧で十分である。
なお、芳香族多価カルボン酸又はその無水物を溶解させる溶媒としては、エタノール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ベンゼン又はキシレン等から所望に応じていずれを用いることもできる。
ここで、チタン化合物と芳香族多価カルボン酸又はその無水物との反応モル比には特に限定はないが、チタン化合物の割合が高すぎると、得られるポリエステルの色調が悪化したり、軟化点が低下したりすることがあり、逆にチタン化合物の割合が低すぎると重合反応が進みにくくなることがある。このため、チタン化合物と芳香族多価カルボン酸又はその無水物との反応モル比は、2/1〜2/5の範囲内とすることが好ましい。またこれ以外の条件によっても上記チタン化合物と芳香族多価カルボン酸又はその無水物とを反応させることができる条件であれば特に限定はない。
本発明において重合触媒として用いる重合触媒系は、さらに上記のチタン化合物又はチタン化合物成分と、下記一般式(III)により表されるリン化合物との未反応混合物から実質的になるものであっても良い。
Figure 0004669272
[上記式中、R、R及びRは、同一又は異なって炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、Xは、−CH−又は―CH(Y)−を示す(Yは、ベンゼン環を示す)。]
該リン化合物としては、カルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボプロポキシメタンホスホン酸、カルボプトキシメタンホスホン酸、カルボメトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボエトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボプロトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸若しくはカルボブトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸のジメチルエステル類、ジエチルエステル類、ジプロピルエステル類又はジブチルエステル類から選ばれることが好ましい。
上記のリン化合物は、通常安定剤として使用されるリン化合物に比較して、チタン化合物又はチタン化合物成分(以下「チタン化合物等」と略称する。)との反応が比較的緩やかに進行するので、反応中におけるチタン化合物等の触媒活性持続時間が長く、結果として該チタン化合物のポリエステルへの添加量を少なくすることができ、また、本発明のように触媒に対し多量に安定剤を添加する場合であっても、ポリエステルの熱安定性を損ない難い特性を有している。
上述のリン化合物は、リン元素換算で5〜80ミリモル%の範囲にあることが好ましい。該リン化合物が5ミリモル%未満であるとポリエステルの色調が低下しやすくなり、また80ミリモル%を超えると重合反応が進行しにくくなる為好ましくない。該リン化合物の添加量は10〜60ミリモル%の範囲にあることが更に好ましい。
又一方、本発明に用いるチタン化合物の重縮合触媒としては、下記一般式(I)で表されるチタン化合物と下記一般式(IV)で表されるリン化合物とをチタン原子に対するリン原子のグラム当量比(P/Ti)が1〜4となる範囲でグリコール中にて加熱することにより得られた析出物であるチタン/リン反応物を用いることもできる。
Figure 0004669272
[上記式中、R、R、R及びRはそれぞれ同一若しくは異なって、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、かつmが2、3又は4の場合、2個、3個又は4個のR及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもどちらでもよい。]
Figure 0004669272
[上記式中、Rは炭素数2〜18のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、pは1又は2であって、pが1の時にqは0又は1、pが2の時にqは0である。]
ここでチタン原子に対するリン原子のグラム当量比(P/Ti)が1より小さい場合、得られるポリエステルの色調が、不良になり、かつその耐熱性が低下することがあり好ましくなく、4より大きい場合、ポリエステル生成反応に対する触媒活性が不十分になり好ましくない。チタン原子に対するリン原子のグラム当量比(P/Ti)は1.2〜3.5の範囲が好ましく、1.5〜3.0の範囲が更に好ましい。
また、チタン化合物(I)とリン化合物(IV)との触媒調製は、グリコール中で加熱反応されている必要がある。グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられる。又はこれらと他の化合物の混合溶媒であっても良い。具体的な反応方法としては例えばリン化合物(IV)からなる成分と、エチレングリコール又はエチレングリコールと他の化合物の混合溶液とを混合して、リン化合物の一部又は全部を溶媒中に溶解し、この混合液にチタン化合物(I)又はその溶液を滴下し、反応系を0℃〜200℃の温度に30分間以上、好ましくは60〜150℃の温度に40〜90分間、加熱することによって行われる。又は逆にグリコール類にチタン化合物(I)を溶解しておき、リン化合物(IV)又はその溶液を滴下しても良い。この反応において、反応圧力については格別の制限はなく、通常常圧下で行われる。
ここで上記式(I)で表されるチタン化合物としては例えば、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトラエトキシドなどのチタンテトラアルコキシドや、オクタアルキルトリチタネート、ヘキサアルキルジチタネート、アルキルチタネート、酢酸チタン等を挙げることができる。
また上記式(IV)で表されるリン化合物としては式中のqが0の場合は、例えば、フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸等を挙げることができるが、中でもモノアリールホスホン酸が好ましい。
また、qが1の場合は例えば、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノトリメチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノヘキシルホスフェート、モノヘプチルホスフェート、モノノニルホスフェート、モノデシルホスフェート、モノドデシルホスフェート、モノフェニルホスフェート、モノベンジルホスフェート、モノ(4−ドデシル)フェニルホスフェート、モノ(4−メチルフェニル)ホスフェート、モノ(4−エチルフェニル)ホスフェート、モノ(4−プロピルフェニル)ホスフェート、モノ(4−ドデシルフェニル)ホスフェート、モノトリルホスフェート、モノキシリルホスフェート、モノビフェニルホスフェート、モノナフチルホスフェート、モノアントリルホスフェート等が挙げられる。
上記式(I)で表されるチタン化合物は予め下記式(II)の多価カルボン酸及び/又はその無水物と反応させて使用する方法も好ましく用いられる。その場合、チタン化合物と多価カルボン酸及び/又はその無水物の反応モル比は2/1〜0.4/1の範囲が好ましい。特に好ましい範囲は1/1〜0.5/1である。
Figure 0004669272
[上記式中、nは2〜4の整数を表わす。]
上記の2種の触媒系は上述の手法により製造した後は、他の通常用いられる公知のポリエステル触媒と同様の量を用い、同様の操作にてポリエステル重縮合触媒として用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものでは無い。なお、実施例中の各値は以下の方法により求めた。
1)極限粘度(IV)
ポリエチレンテレフタレート0.6gをo-クロロフェノール50cc中に加熱溶解した後、一旦冷却させ、ウベローデ式粘度計を用いて35℃の温度条件で測定したその溶液の溶液粘度から算出した。
2)色相(Col)
反応器からポリエチレンテレフタレートを溶融状態でサンプリングして金属板で挟み込んで水冷して円盤状のポリマーサンプルを得る。これを140℃×60分乾燥機中で熱処理し、結晶化させた後、カラーマシン社製CM−7500型カラーマシンで測定した。固相後サンプルについては、熱処理工程を省き同様に測定した。Col−b値により黄色味を評価した。
3)ジエチレングリコール(DEG)含有量
サンプルを抱水ヒドラジンにて分解し、ガスクロマトグラフィー(GC)にて測定した。
[参考例1]
攪拌機付き反応器中を窒素雰囲気下にエチレングリコール38000質量部と酢酸46質量部を入れて混合攪拌しつつ、テトラ−n−ブトキシチタン325質量部をゆっくり徐々に添加し、50℃で1時間保持してチタン化合物のエチレングリコール溶液を得た(以下、この溶液を「TBT/EG溶液」と称する)。そこへモノブチルホスフェート294質量部をエチレングリコール1700質量部に溶解した液を徐々に添加し、全量を添加した後、100℃の温度で1時間反応させテトラ−n−ブトキシチタン/モノブチルホスフェート反応物懸濁液を得た(以下、TBT−MBP液と称する。)。このエチレングリコール中にて100℃で加熱する際の、チタン原子に対するリン原子のグラム当量比(P/Ti)は2.0であった。
[参考例2]
攪拌機付き反応器中を窒素雰囲気下にエチレングリコール919質量部と無水トリメリット酸80質量部を入れて混合攪拌した中に、テトラ−n−ブトキシチタン71質量部をゆっくり徐々に添加して透明なチタン化合物のエチレングリコール溶液(以下、TMT液と称する。)を得た。テトラ−n−ブトキシチタンと無水トリメリット酸の反応モル比は1/2であった。
[実施例1]
窒素雰囲気常圧下とした反応器内に東京化成株式会社製のビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)254質量部、重合触媒として参考例のチタン化合物懸濁液を、BHETの仕込みモル数に対するチタン元素のモル比が4×10−5になるよう投入した。
次に温度を285℃とし常圧で10分間、4kPaで10分間、0.4kPaで40分の条件でそれぞれ段階的に減圧し、反応で発生するエチレングリコールなどを系外に溜去しながら重縮合反応を行った。溜出部へのオリゴマー閉塞などは発生しなかった。生成したポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示す。
参考例12
実施例1において、TBT−MBP液の代わりに、TMT液を重合触媒として使用し、トリメチルホスフェートをBHETの仕込みモル数に対するリン元素もモル比が8×10−5となるように添加した以外は同様の操作を行った。重合反応時に溜出部へのオリゴマー閉塞などは発生しなかった。生成したポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示す。
参考例13
実施例1において、TBT−MBP液の代わりに、参考例1で述べたTBT/EG溶液を重合触媒として使用し、トリメチルホスフェートをBHETの仕込みモル数に対するリン元素もモル比が8×10−5となるように添加した以外は同様の操作を行った。重合反応時に溜出部へのオリゴマー閉塞などは発生しなかった。生成したポリエチレンテレフタレートの品質を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、TBT−MBP液の代わりに二酸化ゲルマニウムをBHETの仕込みモル数に対するゲルマニウム元素のモル比が20×10−5に、トリメチルホスフェートをBHETの仕込みモル数に対するリン元素のモル比が20×10−5になるように使用する以外は同様に操作を行ったところ、0.4kPa下での重合反応段階に入ったところ溜出部へのオリゴマー閉塞が発生したため反応を中止した。常圧で20分間、4kPaで20分間、0.4kPaで80分の圧力条件で反応をやりなおしポリエチレンテレフタレートを得た。その品質を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、TBT−MBP液の代わりに、三酸化二アンチモンをBHETのモル数に対するアンチモン元素のモル比が27×10−5に、トリメチルホスフェートをBHETのモル数に対するリン元素のモル比が34×10−5になるように使用する以外は同様に操作を行ったところ、0.4kPa下での重合反応段階に入ったところ溜出部へのオリゴマー閉塞が発生したため反応を中止した。常圧で20分間、4kPaで20分間、0.4kPaで50分の圧力条件で反応をやりなおしポリエチレンテレフタレートを得た。その品質を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、TBT−MBP液の代わりに、トリスアセチルアセトナトアルミニウムをBHETの仕込みモル数に対するアルミニウム元素のモル比が30×10−5になるように使用する以外は同様に操作を行ったところ、0.4kPa下での重合反応段階に入ったところ溜出部へのオリゴマー閉塞が発生したため反応を中止した。常圧で20分間、4kPaで20分間、0.4kPaで82分の圧力条件で反応をやりなおしポリエチレンテレフタレートを得たが極めて低粘度で反応性が不十分だった。その品質を表1に示す。
Figure 0004669272
本発明の方法により、ビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを原料としたポリエチレンテレフタレートのみを原料とし、テレフタル酸など他のポリエステルモノマーの添加無しでも、良好な重合速度でポリエチレンテレフタレートを得ることができる。また飛散オリゴマーによる閉塞などを起こさず、円滑に重合反応を進行させることができるので、その工業的意義は大きい。

Claims (2)

  1. チタン化合物を触媒としてビス−(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートだけを重合反応させるポリエチレンテレフタレートの製造方法であって、チタン化合物として、下記一般式(I)で表されるチタン化合物と下記一般式(IV)で表されるリン化合物を、チタン原子に対するリン原子のグラム当量比(P/Ti)が1〜4となる範囲でグリコール中にて加熱することにより得られた析出物を用いるポリエチレンテレフタレートの製造方法
    Figure 0004669272
    [上記式中、R 、R 、R 及びR はそれぞれ同一若しくは異なって、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、かつmが2、3又は4の場合、2個、3個又は4個のR 及びR は、それぞれ同一であっても異なっていてもどちらでもよい。]
    Figure 0004669272
    [上記式中、R は炭素数2〜18のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、pは1又は2であって、pが1の時にqは0又は1、pが2の時にqは0である。]
  2. チタン化合物として、下記一般式(I)で表されるチタン化合物、又は下記一般式(I)で表されるチタン化合物及び下記一般式(II)で表される芳香族多価カルボン酸若しくはその無水物とを反応させた生成物からなる群から選ばれた少なくとも一種を含むチタン化合物成分からなる重合触媒系を用いる請求項1記載のポリエチレンテレフタレートの製造方法。
    Figure 0004669272
    [上記式中、R、R、R及びRはそれぞれ同一若しくは異なって、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、mは1〜4の整数を示し、かつmが2、3又は4の場合、2個、3個又は4個のR及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもどちらでもよい。]
    Figure 0004669272
    [上記式中、nは2〜4の整数を表わす。]
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