JP4669089B2 - パターン発生器およびそれを用いたメモリの試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、メモリの試験装置に使用されるパターン発生器に関する。
パーソナルコンピュータやワークステーションなどの電子計算機の主記憶装置として、マルチバンク構成を有するDRAM(Dynamic Random Access Memory)が使用される。マルチバンク構成のDRAMは、各バンクのデータを順番に小さなレイテンシーで切れ目無く転送することにより高速なデータ転送が可能となっている。マルチバンク構成のDRAMにアクセスする場合、バンクを指定するバンクアドレスと、バンクごとに指定されるロウアドレス(行アドレス)をメモリに印加し、その後さらにカラムアドレス(列アドレス)を印加することにより、アクセス先のセルを特定し、読み出しや書き込みなどのデータアクセスを行う必要がある。
マルチバンク構成のメモリを試験する場合には、以下の状況が発生する。すなわち複数のバンクを順に切り換えながら、各バンクに対してロウアドレスを印加してメモリアクセスする。その後、最初のバンクに戻り、再度複数のバンクを切り換えながら、バンクごとに前回と同じロウアドレスを印加してメモリアクセスする。
試験装置においてロウアドレスはパターン発生器により生成されるが、同じロウアドレスを繰り返し生成するのは無駄である。
また、バースト転送に対応したメモリを試験する際に、あるバンクに対してバーストリード/バーストライトを実行中に、別のバンクにアクセスする必要があるが、この場合には、2つのロウアドレスが同時に必要となる。
そこで、パターン発生器にアドレスセーブロード回路を搭載する技術が提案されている。アドレスセーブロード回路は、各バンクに一度与えたロウアドレスを、メモリ(ロウアドレス用メモリという)にセーブし、次回同じバンクの同じロウアドレスにアクセスする際には、そのロウアドレスをロードして使用する。
特開2000−123597号公報 国際公開第2004/113941号パンフレット
アドレスセーブロード機能を有する試験装置を利用して、被試験メモリを試験する際に、ユーザは試験内容に応じたパターンプログラムをプログラミングする必要がある。ユーザは、アドレスセーブロード回路のロウアドレス用メモリに、ロウアドレスをセーブし、それからロウアドレスをロードする際に使用するアドレスを、被試験メモリに対するアドレスとは別に生成する必要がある。つまり被試験メモリに対するアクセスとは直接関係のないアドレスの発生を、パターンプログラムに記述しなければならないため、プログラミングが煩雑になるという問題がある。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的のひとつは、従来よりも簡素なパターンプログラムで制御可能なパターン発生器の提供にある。
本発明のある態様は、マルチバンク構成を有する被試験メモリを検査する試験装置に搭載されるパターン発生器に関する。パターン発生器は、被試験メモリのアクセス先を示すロウアドレスを生成するアドレス演算回路と、アドレス演算回路により生成されたロウアドレスをバンクごとに記憶するロウアドレス用メモリと、を備える。パターン発生器は、被試験メモリに印加するバンクアドレスを含み、プログラムにより生成されるメモリ制御信号を、ロウアドレス用メモリにロウアドレスを書き込む際のセーブアドレス、ならびにロウアドレス用メモリからロウアドレスを読み出す際のロードアドレスとして利用する。
この態様によると、バンクアドレスをロウアドレス用メモリにアクセスする際のアドレス信号として利用するため、パターンプログラムによってロウアドレス用メモリに対するアドレス信号の生成を記述する必要がなくなるため、プログラミングを簡素化でき、試験装置のユーザの負担を軽減できる。
ある態様のパターン発生器は、メモリにアクセスする際のバースト長を設定するための制御信号であって、プログラムにより生成される制御信号を受け、バースト長に応じた期間、ロウアドレス用メモリから読み出したロウアドレスを保持する出力保持回路をさらに備えてもよい。
この態様によれば、バースト転送の開始時に、ロード命令によってロウアドレス用メモリからロウアドレスを読み出せば、その後は出力保持回路によって必要なサイクル分、ロウアドレスが保持されるため、パターンプログラムにサイクルごとにロード命令を記述する必要がなくなるため、さらにプログラミングの負担を軽減できる。
アドレス演算回路は、ロウアドレスに加えて、ロウアドレス用メモリに対するセーブアドレスおよびロードアドレスを生成可能に構成されてもよい。パターン発生器は、メモリ制御信号とアドレス演算回路によって生成されるセーブアドレスのいずれかを選択して、ロウアドレス用メモリにロウアドレスを書き込む際のアドレスとして出力するライトアドレス設定部と、メモリ制御信号とアドレス演算回路によって生成されるロードアドレスのいずれかを選択して、ロウアドレス用メモリからロウアドレスを読み出す際のアドレスとして出力するリードアドレス設定部と、をさらに備えてもよい。
パターン発生器は、アドレス演算回路によって生成されるロウアドレスと、プログラムに応じて生成されるロウアドレスのいずれかを選択して、ロウアドレス用メモリに書き込むべきデータ信号として出力するデータ設定部をさらに備えてもよい。
パターン発生器は、ロウアドレス用メモリから読み出したロウアドレスとアドレス演算回路により生成されるロウアドレスのいずれかを選択する出力選択回路をさらに備えてもよい。
本発明の別の態様は、メモリの試験装置である。この装置は、上述のいずれかのパターン発生器を備える。
この試験装置によれば、ユーザがパターンプログラムをプログラミングする際の負担を軽減できる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を、方法、装置、プログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、パターン発生器を従来よりも簡素なパターンプログラムで制御できる。
実施の形態に係る試験装置の全体構成を示すブロック図である。 アドレスセーブロード回路を有するパターン発生器の構成の一部を示すブロック図である。
符号の説明
100…試験装置、102…タイミング発生器、104…パターン発生器、106…波形整形器、108…ライトドライバ、110…コンパレータ、112…論理比較部、200…DUT、2…アドレスセーブロード回路、10…アドレス演算回路、12…ロウアドレス用メモリ、14…データ設定回路、16…ライトアドレス設定回路、18…リードアドレス設定回路、20…出力選択回路、22…出力保持回路。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施の形態に係る試験装置100の全体構成を示すブロック図である。試験装置100は、DUT200の良否を判定し、あるいは不良箇所を特定する機能を有する。以下の説明では、DUT200はマルチバンク構成を有するメモリ(RAM)であり、さらにバースト転送機能を有しているものとする。
試験装置100は、タイミング発生器102、パターン発生器104、波形整形器106、ライトドライバ108、コンパレータ110、論理比較部112を備える。
パターン発生器104は、タイミングセット信号(以下、「TS信号」という。)を生成して、タイミング発生器102に供給する。タイミング発生器102は、TS信号により指定されたタイミングデータにもとづいて周期クロックCKp及び遅延クロックCKdを発生して、周期クロックCKpをパターン発生器104に供給し、遅延クロックCKdを波形整形器106に供給する。そして、パターン発生器104は、DUT200が有する複数の記憶領域であるブロックのそれぞれを示すアドレス信号ADRS、及び複数のブロックのそれぞれに書き込むべき複数の試験パターンデータDtを発生して、波形整形器106に供給する。
波形整形器106は、タイミング発生器102から供給された遅延クロックCKdにもとづいて、パターン発生器104が発生した試験パターンデータDtに応じた試験パターン信号Stを生成する。そして、波形整形器106は、パターン発生器104から供給されたアドレス信号ADRS、及び生成した試験パターン信号Stを、ライトドライバ108を介してDUT200に供給する。
また、パターン発生器104は、DUT200がアドレス信号ADRS及び試験パターン信号Stに応じて出力すべき出力データである期待値データDexpを予め発生して、論理比較部112に供給する。
コンパレータ110は、DUT200からアドレス信号ADRSに対応するセルのデータDoを読み出し、論理比較部112へと出力する。論理比較部112は、DUT200から読み出されたデータDoとパターン発生器104から供給された期待値データDexpとを比較して、DUT200の良否を判定する。
DUT200であるマルチバンク構成のDRAMに対するアクセスについて説明する。マルチバンク構成のDRAMにアクセスする場合、バンクを指定するバンクアドレスBAと、バンクごとに指定されるロウアドレス(行アドレス)をメモリに印加し、その後さらにカラムアドレス(列アドレス)を印加することにより、アクセス先のセルを特定してデータアクセスが行われる。
試験装置100によってこのようなマルチバンク構成のDRAMを試験する際に、以下の処理を実行する場合がある。
1. 複数のバンクを順に切り換えながら、バンクごとのロウアドレスを印加してメモリアクセスする。
2. いずれかのバンクに戻り、そのバンクの、前回と同じロウアドレスを印加してメモリアクセスする。
ロウアドレスはパターン発生器104により生成されるが、同じロウアドレスを繰り返し生成するのは無駄である。また、バースト転送に対応したメモリを試験する際に、あるバンクに対してバーストリード/バーストライトを実行中に、別のバンクにアクセスする必要があるが、この場合には、2つのロウアドレスが同時に必要となる。そこで、パターン発生器104には、一旦発生したロウアドレスをセーブ・ロード可能なアドレスセーブロード回路が実装される。以下、実施の形態に係るアドレスセーブロード回路の構成について詳細に説明する。
アドレスセーブロード回路2は、各バンクに一度与えたロウアドレスを、メモリ(ロウアドレス用メモリという)にセーブし、次回同じバンクの同じロウアドレスにアクセスする際には、そのロウアドレスをロードする機能を有する。試験装置100は、アドレスセーブロード回路2によってロードされたロードアドレスを利用して、DUT200にアクセスする。
図2は、アドレスセーブロード回路2を有するパターン発生器104の構成の一部を示すブロック図である。パターン発生器104は、アドレス演算回路10およびアドレスセーブロード回路2を備える。また同図には、試験を制御するためのパターンプログラムによって生成される命令、制御信号が示される。
アドレス演算回路10は、パターンプログラムに応じた制御信号S1に従って、DUT200であるメモリのアクセス先を示すアドレス信号を生成する。アドレス信号は、後述する出力選択回路20および出力保持回路22を介してDUT200に印加され、あるいは一旦アドレスセーブロード回路2において保持された後に、DUT200に印加される。
アドレス演算回路10は、主としてDUT200に対するロウアドレスADRS_ROW、カラムアドレスADRS_COLを発生する機能を備える。また後述するロウアドレス用メモリ12に対するリードアドレスadrs_r、ライトアドレスadrs_wも生成する。以下、これらの信号を総称して単にアドレス信号ともいう。
なお試験装置100において、DUT200のバンクを指定するバンクアドレスBAは、アドレス演算回路10により生成されるのではなく、パターンプログラムによる制御信号(以下、メモリ制御信号MCNTという)として生成される点に留意されたい。
またパターンプログラムによって生成される各種命令、制御信号は、プログラムの1サイクルごとに生成する必要があり、それ自体に持続性がないことにも併せて留意されたい。つまり、パターンプログラムによってあるサイクルにおいてある命令やある制御信号を発生した場合に、次のサイクルではその命令や制御信号は無効である。ある制御信号に同じ値を続けて保持したい場合、連続するサイクルで同じコードをプログラミングする必要がある。
アドレスセーブロード回路2は、ロウアドレス用メモリ12、データ設定回路14、ライトアドレス設定回路16、リードアドレス設定回路18、出力選択回路20、出力保持回路22を備える。
ロウアドレス用メモリ12は、アドレス演算回路10により生成されたロウアドレスADRS_ROWを、DUT200のバンクごとに記憶する。たとえばDUT200が4バンク構成の場合、第1バンクBANK1〜第4バンクBANK4それぞれのロウアドレスADRS_ROW1〜ADRS_ROW4は、ロウアドレス用メモリ12の第1アドレス#1〜第4アドレス#4に格納される。
ロウアドレス用メモリ12は一般的な構成を有しており、ライトデータ端子WD、ライトアドレス端子WA、ライトイネーブル端子WE、リードデータ端子RD、リードアドレス端子RAを備える。
データ設定回路14は、ロウアドレス用メモリ12のライトデータ端子WDに与えるデータ信号wdを設定する。具体的にはデータ設定回路14は、アドレス演算回路10により生成されるロウアドレスADRS_ROWを受け、これをライトデータwdとしてライトデータ端子WDへと出力する。
またデータ設定回路14にはパターンプログラムによって生成されるロウアドレスadrs_row_progも入力されている。データ設定回路14は、アドレス演算回路10により生成されるロウアドレスADRS_ROWに代えて、パターンプログラムにより生成されるロウアドレスadrs_row_progを選択して、ロウアドレス用メモリ12のライトデータ端子WDへと出力することもできる。
上述のように、DUT200のバンクを指定するバンクアドレスBAは、パターンプログラムによってメモリ制御信号MCNTとして生成され、このバンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTは、ライトアドレス設定回路16、リードアドレス設定回路18へと入力される。
ライトアドレス設定回路16は、ロウアドレス用メモリ12にロウアドレスADRS_ROWをセーブする際に、バンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTを受け、ロウアドレス用メモリ12のライトアドレス端子WAに与えるアドレス(以下、セーブアドレスという)saを設定する。通常は、セーブアドレスsaとして、メモリ制御信号MCNTをそのまま、あるいはその中の所定のビットを使用すれば足りる。つまりライトアドレス設定回路16は、メモリ制御信号MCNTの複数のビットからセーブアドレスsaとすべきビットを選択する。
またライトアドレス設定回路16にはアドレス演算回路10により生成されるライトアドレスadrs_wが入力されている。ライトアドレス設定回路16は、メモリ制御信号MCNTに代えてライトアドレスadrs_wを選択し、ロウアドレス用メモリ12のライトアドレス端子WAに印加することもできる。
リードアドレス設定回路18は、ロウアドレス用メモリ12からロウアドレスADRS_ROWをロードする際に、バンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTを受け、ロウアドレス用メモリ12のリードアドレス端子RAに与えるアドレス(以下、ロードアドレスという)laを設定する。
またリードアドレス設定回路18にはアドレス演算回路10により生成されるリードアドレスadrs_rが入力されている。リードアドレス設定回路18は、メモリ制御信号MCNTに代えてリードアドレスadrs_rを選択し、ロウアドレス用メモリ12のリードアドレス端子RAに印加することもできる。
ロウアドレス用メモリ12のライトイネーブル端子WEには、パターンプログラムにより生成されるセーブ命令信号SAVEが入力される。セーブ命令信号SAVEがアサートされると、ライトデータ端子WDに入力されたデータがセーブアドレス信号saに応じた領域に書き込まれる。
また、ロウアドレス用メモリ12のリードデータ端子RDからは、リードアドレス端子RAに印加されるロードアドレスlaのデータが出力される。
出力選択回路20は、アドレス演算回路10により生成されるロウアドレスと、ロウアドレス用メモリ12のリードデータ端子RDから出力されるロウアドレスとを受ける。出力選択回路20は、パターンプログラムにより生成されるロード命令信号LOADがアサートされると、ロウアドレス用メモリ12のリードデータ端子RDから出力されるロウアドレスを選択し、ネゲートされるとアドレス演算回路10からのアドレス信号を選択する。
出力保持回路22は、パターンプログラムにより生成される保持命令信号HOLDを受ける。保持命令信号HOLDは、出力保持回路22が入力された信号を保持すべきサイクル数を設定するデータを含む。DUT200のバーストリードの試験を行う場合に、このサイクル数はバースト長に応じて設定される。
以上がパターン発生器104の構成である。続いてパターン発生器104の動作を説明する。
以下では理解を容易とするために、DUT200に以下の手順でメモリアクセスを行う場合を説明する。
ステップ1. 第1バンクBANK1のロウアドレスADRS_ROW1にアクセスする。
ステップ2. 第2バンクBANK2のロウアドレスADRS_ROW2にアクセスする。
ステップ3. 第3バンクBANK3のロウアドレスADRS_ROW3にアクセスする。
ステップ4. 第4バンクBANK4のロウアドレスADRS_ROW4にアクセスする。
ステップ5. 再度、第1バンクBANK1のロウアドレスADRS_ROW1にアクセスする。
ステップ1の処理
パターンプログラムによって、アクセス先の第1バンクBANK1を指定するバンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTが生成される。また、アドレス演算回路10によりDUT200のアクセス先を指定するロウアドレスADRS_ROW1、カラムアドレスADRS_COLが生成される。試験装置100は、メモリ制御信号MCNTに含まれるバンクアドレスBA、アドレスADRS_ROW1、ADRS_COLを利用してDUT200にアクセスする。
また、データ設定回路14は、アドレス演算回路10により生成されたロウアドレスADRS_ROW1を選択し、ロウアドレス用メモリ12のライトデータ端子WDに与える。ライトアドレス設定回路16は、バンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTを受け、バンクアドレスBAに応じたセーブアドレスsaを設定する。具体的には、第1バンクBANK1を指定するバンクアドレスBAから、セーブアドレスsa(=#1)を生成する。
パターンプログラムによってセーブ命令信号SAVEをアサートすると、ロウアドレス用メモリ12のアドレス#1に、ロウアドレスADRS_ROW1がセーブされる。
ステップ2〜4については、ステップ1と同様の処理が繰り返され、その結果、ロウアドレス用メモリ12のアドレス#1〜#4にはそれぞれ、ロウアドレスADRS_ROW1〜ADRS_ROW4がセーブされる。
ステップ5の処理
パターンプログラムにより、第1バンクBANK1を示すバンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTが生成される。リードアドレス設定回路18は、バンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTを受け、バンクアドレスBAに応じたロードアドレスlaを設定する。具体的には、第1バンクBANK1を指定するバンクアドレスBAからロードアドレスla(=#1)を生成し、ロウアドレス用メモリ12のリードアドレス端子RAに供給する。その結果、ロウアドレス用メモリ12のリードデータ端子RDからは、アドレス#1にセーブされているロウアドレスADRS_ROW1が出力される。
パターンプログラムによってロード命令信号LOADをアサートすると、ロウアドレスADRS_ROW1が出力保持回路22を介してDUT200に供給される。
以上が試験装置100の基本動作である。実施の形態に係るパターン発生器104を用いることにより、以下の作用効果が実現される。
実施の形態に係るパターン発生器104は、バンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTを、ロウアドレス用メモリ12に対するセーブアドレスsaおよびロードアドレスlaとして利用する。つまり、ユーザはパターンプログラムをプログラミングする際に、セーブアドレスsa、ロードアドレスlaに関する記述をする必要がなくなるため、プログラミングの負担が軽減される。
この効果は、以下の考察によってさらに明確となる。
比較のために、図2のパターン発生器104のライトアドレス設定回路16およびリードアドレス設定回路18がそれぞれ、アドレス演算回路10により生成されるアドレスadrs_wおよびadrs_rにもとづいてロウアドレス用メモリ12にアクセスする場合の処理について検討する。
この場合、アドレス演算回路10によって適切なアドレスadrs_w、adrs_rを発生させるために、適切な制御信号S1を発生させるためのコードをパターンプログラムに記述する必要がある。このことはユーザに対して、DUT200に対するメモリアクセスとは直接関係のないアドレスセーブロード回路2を制御するためのプログラミングを強いることになり、ユーザフレンドリとはいえない。
これに比べて、バンクアドレスBAを、セーブアドレスsa、ロードアドレスlaとして利用する実施の形態によれば、プログラミングを簡素化することができる。
また、ライトアドレス設定回路16およびリードアドレス設定回路18は、アドレス演算回路10により生成したアドレスadrs_w、adrs_rをロウアドレス用メモリ12に与えることも可能である。したがって、ユーザがメモリ制御信号MCNT(つまりバンクアドレスBA)とは別に、任意のアドレスを与えることができるため、試験の柔軟性を高めることができる。
続いてDUT200のバーストリードの試験中に、上述のステップ1〜5の処理を実行する場合の動作を説明する。
ステップ1〜4については上述した処理と同様である。
ステップ5の処理
パターンプログラムにより、第1バンクBANK1を示すバンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTが生成される。リードアドレス設定回路18は、バンクアドレスBAを含むメモリ制御信号MCNTを受け、バンクアドレスBAに応じたロードアドレスla(=#1)を生成する。
ロードアドレスlaを設定した状態で、パターンプログラムによってホールド命令信号HOLDにバースト長に応じたサイクルを設定し、ロード命令信号LOADをアサートする。そうすると、アドレス#1にセーブされたロウアドレスADRS_ROW1が、設定されたサイクルの間、出力保持回路22を介してDUT200に供給することができる。
出力選択回路20は、ロード命令信号LAODがアサートされたとき、ロウアドレス用メモリ12からロードしたロウアドレスを選択し、ネゲートされるときはアドレス演算回路10が生成したロウアドレスを選択する。したがって、もし出力保持回路22が設けられていなければ、バースト転送中の毎サイクルごとにロード命令信号LOADをアサートしなければならず、パターンプログラムに、毎サイクルにロード命令を記述する必要があり、プログラムが煩雑化する。特にバースト長は複数設定可能であるため、バースト長に応じてプログラムをコーディングすることは、非常に手間である。これに対して、実施の形態に係るアドレスセーブロード回路2によれば、出力保持回路22を設けたことにより、パターンプログラム中には、バースト転送の最初にロード命令と保持命令を1回だけ記述すればよいため、コーディングを簡素化できる。
実施の形態にもとづき、特定の語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
本発明はメモリの試験装置に利用できる。

Claims (6)

  1. マルチバンク構成を有する被試験メモリを検査する試験装置に搭載されるパターン発生器であって、
    前記被試験メモリのアクセス先を示すロウアドレスを生成するアドレス演算回路と、
    前記アドレス演算回路により生成された前記ロウアドレスをバンクごとに記憶するロウアドレス用メモリと、
    を備え、
    前記被試験メモリに印加するバンクアドレスを含み、プログラムにより生成されるメモリ制御信号を、前記ロウアドレス用メモリに前記ロウアドレスを書き込む際のセーブアドレス、ならびに前記ロウアドレス用メモリから前記ロウアドレスを読み出す際のロードアドレスとして利用することを特徴とするパターン発生器。
  2. 前記メモリにアクセスする際のバースト長を設定するために前記プログラムにより生成される制御信号を受け、バースト長に応じた期間、前記ロウアドレス用メモリから読み出した前記ロウアドレスを保持する出力保持回路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のパターン発生器。
  3. 前記アドレス演算回路は、前記ロウアドレスに加えて、前記ロウアドレス用メモリに対するセーブアドレスおよびロードアドレスを生成可能に構成され、
    前記パターン発生器は、
    前記メモリ制御信号と前記アドレス演算回路によって生成される前記セーブアドレスのいずれかを選択して、前記ロウアドレス用メモリに前記ロウアドレスを書き込む際のアドレスとして出力するライトアドレス設定部と、
    前記メモリ制御信号と前記アドレス演算回路によって生成される前記ロードアドレスのいずれかを選択して、前記ロウアドレス用メモリから前記ロウアドレスを読み出す際のアドレスとして出力するリードアドレス設定部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のパターン発生器。
  4. 前記パターン発生器は、
    前記アドレス演算回路によって生成されるロウアドレスと、プログラムに応じて生成されるロウアドレスのいずれかを選択して、前記ロウアドレス用メモリに書き込むべきデータ信号として出力するデータ設定部をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパターン発生器。
  5. 前記ロウアドレス用メモリから読み出したロウアドレスと前記アドレス演算回路により生成されるロウアドレスのいずれかを選択する出力選択回路をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のパターン発生器。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のパターン発生器を備えることを特徴とするメモリの試験装置。
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