JP4667297B2 - フレキシブル配線板の固定構造 - Google Patents

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本発明は、電装部品などを収容したケースなどにフレキシブル配線板を固定する構造に関する。
従来、メータなどのケースの外側面にフレキシブル配線板を固定する構造としては、フレキシブル配線板に設けた係止孔を、ケースの外側面に設けた突起に嵌め込むことによって、前記フレキシブル配線板を前記外側面に固定するフレキシブル配線板の固定構造であって、前記フレキシブル配線板は、前記外側面の縁部からはみ出す形状の突出部を有しており、前記ケースは、前記フレキシブル配線板の突出部を前記外側面から立ち上げるように案内する案内壁部を有しているとともに、前記突出部の近傍部分が外側面から浮き上がるのを防止するストッパーを有しているものが知られている(特許文献1参照)。
別の従来例としては、前面側にメータや表示器等を備え、背面側にこれらのメータや表示器等の駆動や照明用光源への通電を行うための配線パターンが設けられたフレキシブル配線板が取り付けられ、更に、このフレキシブル配線板のケース側にジャンパ線が並列に設けられている場合の、ケースのフレキシブル配線板の取付構造であって、前記フレキシブル配線板側には、前記ジャンパ線の取付位置の間の部位に、少なくとも1つの貫通孔が設けられ、前記ケース側には、前記ジャンパ線の前記フレキシブル配線板への取付位置に対応する部位に、前記各ジャンパ線を収容する凹部が設けられると共に、前記貫通孔に対応する前記ケース上の位置には、前記フレキシブル配線板が前記ケースに取り付けられた時に、この貫通孔を挿通して前記フレキシブル配線板から突出する高さを備えた接触防止用の突起が設けられたものも知られている(特許文献2参照)。
さらに他の従来例としては、電子部品のフレキシブル配線板への取付構造として、電子部品の本体部から突出する金属端子をフレキシブル配線板に設けた導電パターンに接続する電子部品のフレキシブル配線板への取付構造において、前記フレキシブル配線板には前記金属端子に接続される導電パターンを設け、該フレキシブル配線板を前記金属端子を挟み込むように折り曲げることで金属端子に導電パターンを接続し、さらに該折り曲げたフレキシブル配線板の上下面を挟持部材で挟持することで該導電パターンと金属端子とを圧接接続し、前記挟持部材を、弾性板を概略コ字状に折り曲げた形状にすることで形成したものも知られている(特許文献3参照)。
特許文献1〜3に記載の従来例は、ストッパーや接触防止用の突起、さらには挟持部材という特別の構造や部材を必要としていたので、固定構造が複雑になり、固定のための作業も面倒なものであった。そこで、フレキシブル配線板をワンタッチで簡単に固定することができるフレキシブル配線板の固定構造が開発された。これは、バルブ取付け用のフレキシブル配線板を照明機器のハウジングに固定するフレキシブル配線板の固定構造であって、前記ハウジングに軸部よりも大径の頭部を備えた突起部を形成し、フレキシブル配線板に突起部の頭部よりも若干小さいサイズの開口を形成し、フレキシブル配線板の柔軟性を利用して、突起部の頭部を開口内に係入させることにより、フレキシブル配線板を固定するものである(特許文献4参照)。
実開平6−44194号公報(第2頁、図1) 実開平7−29887号公報(第2頁、図1) 特開平11−307917号公報(第3頁、図1) 特開2000−149652号公報(第3頁、図4)
特許文献4に開示された従来例では、部品点数も増やさずに簡単に固定を図れるが、フレキシブル配線板は変形し易く、裂け易いため、突起部からフレキシブル配線板が外れ易い欠点があった。
そこで、本発明は、部品点数を増やさず、簡単な作業で固定でき、固定の信頼性も向上させたフレキシブル配線板の固定構造を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、基板に導体パターンを形成し、この導体パターン上にカバーレイを形成したフレキシブル配線板を固定する部材に突起部を形成し、前記突起部を本体部分と頭部とから形成し、突起部の頭部を本体部分よりも太く又は大きく形成し、フレキシブル配線板に突起部の頭部よりも小く、かつ本体部分より大きい大きさの開口を形成し、前記突起部の頭部を開口に挿入して反対側に位置させフレキシブル配線板を固定する構造において、前記開口の外周に複数の放射線状の切れ目を形成し、この切れ目の間のカバーレイで覆わず露出させた導体パターンの箇所に半田盛りつけ部を形成し、この半田盛りつけ部の上に突起部の頭部が抜け出るように構成したものである。
本発明は、基板に導体パターンを形成し、この導体パターン上にカバーレイを形成したフレキシブル配線板を固定する部材に突起部を形成し、前記突起部を本体部分と頭部とから形成し、突起部の頭部を本体部分よりも太く又は大きく形成し、フレキシブル配線板に突起部の頭部よりも小く、かつ本体部分より大きい大きさの開口を形成し、前記突起部の頭部を開口に挿入して反対側に位置させフレキシブル配線板を固定する構造において、前記開口の外周に複数の放射線状の切れ目を形成し、この切れ目の間のカバーレイで覆わず露出させた導体パターンの箇所に半田盛りつけ部を形成し、この半田盛りつけ部の上に突起部の頭部が抜け出るように構成したので、突起部の頭部が開口から抜け出やすくなり、開口の周辺部が補強され、フレキシブル配線板が裂けたりせず、固定の信頼性が向上した。また、半田盛りつけ部の形成は、フレキシブル配線板への部品実装時に行うため、特別の工程を追加する必要もない。
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照にして説明する。
図1は、固定状態の断面図であり、従来と同様のハウジング1などのフレキシブル配線板2が固定される側に突起部3を形成してあり、この突起部3の先端に本体部分よりも太い頭部3Aを形成してある。前記フレキシブル配線板2は、基板2Aに導体パターン2Bを形成し、この導体パターン2B上にカバーレイ2Cを形成してある。そして、前記突起部3の頭部3Aよりも若干小さい大きさの開口4を形成し、頭部3Aを開口4に挿入して頭部3Aを反対側に抜き出してフレキシブル配線板2をハウジング1などに固定する。この開口4の近傍の導体パターン2Bの個所は、カバーレイ2Cで覆わず露出させ、この露出された導体パターン2Bに半田盛りつけ部5を形成した。この半田盛りつけ部5の形成は、フレキシブル配線板2へ部品を実装するときに半田付け作業を行うので、同じ工程中に行う。前記の開口4の直径を4mmとした場合、カバーレイ2Cの厚さを25μmとしたとき、この開口4の周囲に銅箔(導体パターン2B)を形成していない状態のフレキシブル配線板2の強さは、11N(ニュートン)あった。また、カバーレイ2Cと銅箔が形成された(半田盛りつけ部5はない)フレキシブル配線板2では、16Nであった。図1に示す半田盛りつけ部5が存在するフレキシブル配線板2では、25Nであった。なお、突起部3の軸径は3mm、頭部3Aの最大径を4.6mmとした。
図2は、開口4の外周に放射線状の切れ目4Aを形成し、この切れ目4Aの間に半田盛りつけ部5を形成した例を示すものである。このような半田盛りつけ部5を形成することにより、突起部3の頭部3Aが開口4から抜け出やすくなる。この切れ目4Aを形成せずに図2に示すように開口4の全周にわたらず間隙をあけて複数の半田盛りつけ部5を形成するだけでも頭部3Aが開口4から抜け出やすくなる。
図1及び図2に示す例では突起部3を円柱状とし、頭部3Aも平面円形のものとしたが、図3に示すような板状の突起部3を形成し、この突起部3の先端に両側に膨出するような頭部3Aを形成したものを使用することもできる。このような突起部3を使用したとき、開口4及び半田盛りつけ部5は図4及び図5に示すような形状とすることが好ましい。図4及び図5における開口4はその上下方向に切れ目4Aを形成することにより図面上左右方向にフレキシブル配線板2が伸長し易くなり、図3に示すような頭部3Aが挿入して抜け出ることができる。
図6に示す実施形態は、突起部3として金属製のボルトを用い、このボルトからなる突起部3に半田盛りつけ部5を接触させている。このとき、接触した半田盛りつけ部5の一部からアース用回路6を引き出すことにより、ボルトにアース機能を持たせることができる。
本発明の実施形態を示す断面図。 開口と半田盛りつけ部の平面図。 突起部の他の例を示す斜視図。 図3に示す突起部と組み合わされる開口及び半田盛りつけ部の平面図。 図3の突起部と組み合わされる開口と半田盛りつけ部の平面図。 突起部をボルトで構成した例を示す断面図。 図6の実施形態においてアース用回路を形成した状態を示す平面図。
符号の説明
1 ハウジング
2 フレキシブル配線板
2B 導体パターン
3 突起部
3A 頭部
4 開口
5 半田盛りつけ部

Claims (2)

  1. 基板に導体パターンを形成し、この導体パターン上にカバーレイを形成したフレキシブル配線板を固定する部材に突起部を形成し、前記突起部を本体部分と頭部とから形成し、突起部の頭部を本体部分よりも太く又は大きく形成し、フレキシブル配線板に突起部の頭部よりも小く、かつ本体部分より大きい大きさの開口を形成し、前記突起部の頭部を開口に挿入して反対側に位置させフレキシブル配線板を固定する構造において、
    前記開口の外周に複数の放射線状の切れ目を形成し、この切れ目の間のカバーレイで覆わず露出させた導体パターンの箇所に半田盛りつけ部を形成し、
    この半田盛りつけ部の上に突起部の頭部が抜け出るように構成したことを特徴とするフレキシブル配線板の固定構造。
  2. 前記突起部の本体部分を円柱状に形成し、頭部を本体部分よりも径大に形成したことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線板の固定構造。
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