JP2011070895A - 基板用コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジングが回路基板から不用意に剥がれるのを防止する。
【解決手段】基板用コネクタは、ハウジング10の外側面に装着されるハウジング装着部41、及びこのハウジング装着部41に連なって回路基板90の板面に半田付けされることでハウジング10を回路基板90に固定する基板固定部42を有する固定部材40を備える。基板固定部42の端縁には、回路基板90の板面から離れる向きに折り曲げられる折り曲げ部52が形成され、折り曲げ部52における曲げの外側の面には、半田が付着する曲面部53が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板用コネクタに関する。
従来の基板用コネクタが特許文献1に開示されている。このものは、ハウジングと、ハウジングの側面に装着される固定金具とを備えている。固定金具は、ハウジングの側面に装着されるハウジング取着部と、ハウジング取着部に連なって回路基板の表面に沿って配置されかつこの表面に半田付けされることでハウジングを回路基板に固定する基板固着部とを有している。基板固着部は全体に亘ってほぼ均等な板厚をもって構成され、基板固着部の端面は回路基板の表面と直角な向きに沿って配置される。この基板固着部の端面には半田が付着され、これによって基端固着部の端縁に半田フィレットが形成される。
特開2006−185712号公報
ところで、上記従来の基板用コネクタによれば、基板固着部の端縁に付着される半田の高さが基板固着部の板厚を超えることがないため、半田フィレットの回路基板への接合面積を大きく確保するのが難しいという事情があった。したがって、例えば、ハウジングに外力が加えられた場合に、固定金具の回路基板への接合力不足によって、固定金具が回路基板から不用意に剥がれるおそれがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ハウジングが回路基板から不用意に剥がれるのを防止することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、相手ハウジングに嵌合可能なハウジングと、前記ハウジングの外側面に装着されるハウジング装着部、及びこのハウジング装着部に連なって回路基板の板面に沿って配置されかつ前記板面に半田付けされることで前記ハウジングを前記回路基板に固定する基板固定部を有する固定部材とを備えた基板用コネクタであって、前記基板固定部の端縁部には、前記回路基板の板面から離れる向きに折り曲げられて、その曲げの外側の面に半田が付着される折り曲げ部が形成されているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記折り曲げ部における曲げの外側の面に曲面部が形成されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記折り曲げ部が前記基板固定部の端縁部のうち前記ハウジングの外側面から突出する向きに延びる両側縁に形成されているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項3に記載のものにおいて、前記折り曲げ部が、前記ハウジングの外側面に沿った幅方向に関して、前記ハウジング装着部の両側縁と同じ位置に、又は前記ハウジング装着部の両側縁よりも内側へ引っ込んだ位置に配置されているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
基板固定部の端縁部に折り曲げ部が形成され、折り曲げ部の曲げの外側の面に半田が付着されるから、基板固定部の端縁部に付着される半田の高さを基板固定部の厚み以上に確保することができる。したがって、基板固定部の回路基板への接合面積を増加させることができ、ひいては回路基板に対する固定部材の接合力を高めることができる。その結果、ハウジングに外力が加えられたときに、ハウジングが回路基板から不用意に剥がれるのが防止される。
<請求項2の発明>
折り曲げ部における曲げの外側の面に曲面部が形成されているから、折り曲げ部における半田の付着面積を増加させることができる。
<請求項3の発明>
折り曲げ部が基板固定部の両側縁に形成されているから、ハウジングに対して基板固定部の両側縁と交差する向きの外力が加えられた場合に、折り曲げ部に付着された半田がこの外力に抗することで、ハウジングが回路基板から剥がれるのが効果的に防止される。
<請求項4の発明>
折り曲げ部が、幅方向に関して、ハウジング装着部の両側縁と同じ位置に、又はハウジング装着部の両側縁よりも内側へ引っ込んだ位置に配置されているから、ハウジングに固定部材を装着するに際し、折り曲げ部がハウジングの外側面と干渉等して装着作業の支障となるのを回避できる。
本発明の実施形態1の基板用コネクタの側面図である。 基板用コネクタの断面図である。 基板用コネクタの平面図である。 固定部材の側面図である。 固定部材の平面図である。 実施形態2の固定部材の側面図である。 固定部材の正面図である。 参考例の基板用コネクタの要部拡大断面図である。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。本実施形態の基板用コネクタは、ハウジング10、固定部材40、及び端子金具80を備えて構成される。ハウジング10は図示しない相手ハウジングに嵌合可能とされ、かつ固定部材40によって回路基板90(プリント回路基板)の表面に載置されて固定される。
ハウジング10は合成樹脂製であって、奥行き方向(図3に示す左右方向)に細長い角筒状のフード部11を有している。フード部11は、図2に示すように、回路基板90と間隔をあけてほぼ平行に配置される基壁12と、基壁12の周縁から上方(回路基板90から離れる方向)に突出する周壁13とからなる。周壁13の上端部の内面には、両ハウジングの正規嵌合時に相手ハウジングを嵌合状態に保持するロック爪14が突出して形成されている。基壁12には、奥行き方向に多数列でかつ幅方向(回路基板90の板面と平行な方向でかつ奥行き方向と直交する方向)に2段の端子金具80が貫通して装着されている。
端子金具80は細長い導電性の金属材を曲げ加工等して成形され、その上端部がフード部11内にて上向きに突出して配置されている。また、端子金具80の下端部は、フード部11の基壁12と回路基板90との間で幅方向に2回直角曲げされることによって段付き状をなし、その端末部分が回路基板90の表面に沿って配置されてそこに形成された導電路に半田接続されている。この場合、幅方向夫々の端子金具80の端末部分は互いに反対方向に延出する形態とされている。
フード部11の奥行き方向の両側外面には、一対の基台部15が突出して形成されている。両基台部15は、フード部11の全幅を超える幅寸法を有する角ブロック状をなしている。フード部11の基壁12と回路基板90との間は両基台部15によって一定の間隔に保たれている。なお、ハウジング10を側面視すると、各端子金具80は基台部15に隠れて見えなくなる。
両基台部15の外側面には、図1に示すように、装着溝16が上下方向に貫通して形成され、装着溝16内には上方から固定部材40がスライドして装着されるようになっている。装着溝16の幅方向両側の溝縁には一対の段部17が形成され、装着溝16における両段部17よりも上方の部分が下方の部分より幅広とされている。
固定部材40は金属板を曲げ加工等して一体に形成され、装着溝16の溝底面に沿って配置されてハウジング10に装着されるハウジング装着部41と、ハウジング装着部41の下端に連なり、回路基板90の表面に沿って配置されて回路基板90に固定される基板固定部42とからなる。基板固定部42は、固定部材40の下端部を装着溝16から離れる向きである奥行き方向に折り曲げて形成され、図5に示すように、ハウジング装着部41との間で平面視略L字形をなしている。
図4に示すように、ハウジング装着部41はその上方領域43、中間領域44、下方領域45にかけて段々幅狭とされている。ハウジング装着部41の上方領域43の幅方向両側には中間領域44との間に段付き状に連なる一対の肩部46が形成されている。ハウジング装着部41の中間領域44の幅方向両側縁部には、複数の鋸刃状の食い込み突起47が形成されている。また、ハウジング装着部41の下方領域45には、中間領域44との間に段差48が形成され、段差48よりも下方の部分が上方の部分に対して奥行き方向に浮き上がる形状とされている。
固定部材40の幅方向中央部には、ハウジング装着部41の中間領域44の下端側から基板固定部42にかけて真直ぐ延びるスリット49が切り込み形成されている。基板固定部42はスリット49を介することで幅方向に分断された形態となっている。
さて、基板固定部42は、ハウジング装着部41の下方領域45の下端に連なる固定本体部51と、固定本体部51の幅方向両側縁を折れ線として上方(回路基板90側とは反対側)へ略直角に折り曲げられた一対の折り曲げ部52とからなる。両折り曲げ部52は、固定本体部51の奥行き方向(ハウジング装着部41からの突出方向)の全長に亘って形成されている。図1に示すように、折り曲げ部52の曲げ端は上方へ向けられ、折り曲げ部52の曲げの外側面には略4半円弧状の曲面部53が形成されている。曲面部53は、固定本体部51の裏面側から続く半田の付着面とされ、固定部材40の回路基板90への取付時には、曲面部53と回路基板90の表面との間に略山型の半田フィレット部55が形成される。
基板固定部42の幅方向両側縁部と、ハウジング装着部41の下方領域45の幅方向両側縁部との間には、一対の切欠部56が形成されており、幅方向に関して、固定本体部51は両切欠部56の内側に配置され、折り曲げ部52は両切欠部56の外側に配置されている。また、両折り曲げ部52の幅方向両側端面は、幅方向に関して、ハウジング装着部41の両側縁と同じ位置に、又は少し内側(幅方向中央側)へ引っ込んだ位置に配置されている。
次に、本実施形態の基板用コネクタの組み付け方法及び回路基板90への取り付け方法について説明する。
両基台部15の装着溝16に上方から固定部材40を装着する。固定部材40が正規装着されると、ハウジング装着部41の両肩部46が装着溝16の両段部17に当て止めされ、かつ各食い込み突起47が装着溝16の溝縁を食い込み状態で係止して、固定部材40の装着溝16からの抜け出しが規制される(図1を参照)。また、フード部11の基壁12に端子金具80を装着する。
次いで、回路基板90の表面に上方からハウジング10を載置する。すると、各端子金具80の端末部分及び両固定部材40の基板固定部42が回路基板90の表面に沿って配置される。この状態で、リフロー半田を行い、回路基板90の導電路に各端子金具80を電気的に接続させ、かつ回路基板90の所定位置に両基板固定部42を固定させる。このとき、折り曲げ部52の曲面部53に付着された半田は、固定本体部51(固定部材40)の板厚以上の高さにまで上昇し、回路基板90の表面になだらかな裾野をもった半田フィレット部55を形成する。このため、図1の矢線方向で示すように、ハウジング10に対してその奥行き方向と直交し、かつ回路基板90の表面から離れる向きとなる斜め上向きの外力が作用しても、この外力に半田フィレット部55が抗することによって、ハウジング10が回路基板90から剥がれるのが防止される。
この場合において、半田フィレット部55の高さが基板固定部42の板厚以上に確保されているため、基板固定部42の回路基板90への接合面積が増加して、回路基板90に対する固定部材40の接合力が高められる。
また、折り曲げ部52における曲げの外側の面に曲面部53が形成されているから、この面が直線状に形成されるよりも、半田の付着面積を増加させることができる。
さらに、折り曲げ部52が、幅方向に関して、ハウジング装着部41の下方領域45(ハウジング装着部41のうち最も幅狭となる部分)の両側縁と同じ位置に、又はハウジング装着部41の下方領域45の両側縁よりも内側へ引っ込んだ位置に配置されているから、ハウジング10に固定部材40を装着するに際し、折り曲げ部52がハウジング10の外側面(装着溝16の溝縁等)と干渉等して装着作業の支障となるのを回避できる。
<実施形態2>
図6は、本発明の実施形態2を示す。実施形態2では、固定部材40Aの折り曲げ部52Aの形状が実施形態1とは異なる。その他は実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の構造には同一符合を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、実施形態2の固定部材40Aでは、実施形態1の固定部材40とは違って、基板固定部42とハウジング装着部41との間に切欠部56が形成されていない。そして、図7に示すように、基板固定部42は折り曲げ部52Aの形成前の展開形状ではハウジング装着部41の下方領域45と同幅をもって構成され、幅方向に関して、基板固定部42の両側縁とハウジング装着部41の両側縁とが互いに同じ位置に配置される。基板固定部42の幅方向両側縁部には、ハウジング装着部41寄りの基端側からハウジング装着部41から離れた側の先端側へ向けて次第に内側へ寄る直線状の折れ線60が形成されており、この折れ線60の外側部分をこの折れ線60に沿って上方へ立ち上げることによって折り曲げ部52Aが形成されるようになっている。したがって、この折り曲げ部52Aは略直角3角形状をなしている。
実施形態2によれば、実施形態1と同様、折り曲げ部52Aが、幅方向に関して、ハウジング装着部41の下方領域45の両側縁よりも外側へ出っ張ることがない。このため、ハウジング10に固定部材40Aを装着するに際して、折り曲げ部52Aの存在が装着作業の支障となるのを回避できる。さらに実施形態2によれば、切欠部56を形成しなくて済む分、固定部材40Aの形状の簡素化を図ることができる。
<参考例>
図8は、参考例を示す。参考例では、固定部材40Bの基板固定部42Bの形状が実施形態1とは異なる。その他は実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の構造には同一符合を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、参考例の基板固定部42Bには、この基板固定部42Bと回路基板90との間に存する半田の気泡(ボイド)を抜くためのガス抜き孔55が貫通して形成されている。このガス抜き孔55は、固定本体部51の突出方向中間部に複数配置されている。基板固定部42Bにおけるガス抜き孔55の孔縁には、回路基板90側からの打ち抜きによって上方へ立ち上げられた屈曲部56が形成されている。図示する屈曲部56は、ガス抜き孔55における相対向する両縁に形成され、その内側面が曲面状をなしている。したがって、屈曲部56の内側面に半田が付着することで、その半田の高さが基板固定部42Bの板厚以上に確保される。このため、基板固定部42Bと回路基板90との間の接合強度が高められ、外力を受けて固定部材40が回路基板90から剥がれるのが回避される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)折り曲げ部は基板固定部の全縁に亘って形成されてもよい。
(2)折り曲げ部は基板固定部の端縁のうち突出方向先端側の端縁のみに形成されてもよい。
(3)固定部材はハウジングに対して下方から装着されてもよい。
(4)ハウジングは回路基板の板面と平行な向きに沿って相手ハウジングと嵌合するものであってもよい。
10…ハウジング
40…固定部材
41…ハウジング装着部
42…基板固定部
52…折り曲げ部
53…曲面部
90…回路基板

Claims (4)

  1. 相手ハウジングに嵌合可能なハウジングと、
    ハウジングの外側面に装着されるハウジング装着部、及びこのハウジング装着部に連なって回路基板の板面に沿って配置されかつ前記板面に半田付けされることで前記ハウジングを前記回路基板に固定する基板固定部を有する固定部材とを備えた基板用コネクタであって、
    前記基板固定部の端縁には、前記回路基板の板面から離れる向きに折り曲げられて、その曲げの外側の面に半田が付着される折り曲げ部が形成されていることを特徴とする基板用コネクタ。
  2. 前記折り曲げ部における曲げの外側の面に曲面部が形成されている請求項1記載の基板用コネクタ。
  3. 前記折り曲げ部が前記基板固定部の端縁のうち前記ハウジングの外側面から突出する向きに延びる両側縁に形成されている請求項1又は2記載の基板用コネクタ。
  4. 前記折り曲げ部が、前記ハウジングの外側面に沿った幅方向に関して、前記ハウジング装着部の両側縁と同じ位置に、又は前記ハウジング装着部の両側縁よりも内側へ引っ込んだ位置に配置されている請求項3記載の基板用コネクタ。
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