JP4666259B2 - 消失模型鋳造法 - Google Patents

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Description

本発明は消失模型鋳造法に関する。さらに詳しくは、鋳枠内に消失模型を埋設させながら粘結剤を混練した鋳型砂を充填したのち、注湯して所望の鋳物製品を製造する消失模型鋳造法に関する。
従来より、鋳枠内に消失模型を埋設させながら粘結剤を混練した鋳型砂を充填したのち、注湯して所望の鋳物製品を製造する消失模型鋳造法は知られている。この方法では、発泡ポリスチレンなどを用いた模型を、粘結剤を混練した鋳型砂に埋設して鋳型を形成したのち、該鋳型に溶融金属を注湯して溶融金属の熱により模型を消失置換することで所望の鋳物製品を製造している。かかる消失模型鋳造法により得られた鋳物製品は、中子を用いることなく複雑な形状の鋳物製品を高い寸法精度で生産することができる。
しかしながら、発泡ポリスチレンなどを初めとする模型の材料は、炭化水素を主な組成物としており、熱により分解することにより気化したり、炭化物に分解されている。こうして生成されたガスや炭化物などが鋳物製品内に残留することで、鋳物製品のガス欠陥などの原因となる。
このような問題を解決するために、複数の方法が提案されている。たとえば、発泡模型の上部に酸化鉄を配合する第1耐火性塗型剤を塗布するとともに、前記消失模型の下部に酸化鉄を配合しない第2耐火性塗型剤を塗布し、これら第1および第2耐火性塗型剤にて覆われた消失模型を鋳枠内の所定位置に配置し、該鋳枠内を減圧しながら前記溶湯を注入して前記消失模型を燃焼消失することにより、前記消失模型を溶湯と置換して鋳物を製造する消失模型鋳造法が提案されている(特許文献1参照)。
また、消失模型に連通する吸引部を鋳型に設け、湯の注湯により形成される前記消失鋳型と該湯とのあいだの空間部分を前記吸引部により鋳型外部と連通させ、前記吸引部を通して導入される外部気体とともに、前記空間部の気体を前記排気部から前記鋳型の外部に排出させる消失模型鋳造法が提案されている(特許文献2参照)。また、この消失模型鋳造法では、前記消失模型に連通する吸引部に加えさらに該消失模型に排気部を連通させ、注湯後、該排気部から前記空間内の気体を吸引することにより、前記吸引部を通して導入される外部気体とともに該排気部から前記空間部分の気体を鋳型外に排出させている。
特開平5−131241号公報 特開平8−206777号公報
しかしながら、前記従来の消失模型鋳造法にはつぎのような問題がある。まず、特許文献1により開示されている方法では、酸化鉄を配合する第1耐火性塗型剤を模型全面に塗布すると、通常の塗型剤により健全であった製品の下部にまで、不必要な酸化鉄から発生するガスや通気度の低下による焼着き欠陥などを生じ品質の優れた完全な鋳物を製造することが困難であるため、酸化鉄を配合する第1耐火性塗型剤と酸化鉄を配合しない第2耐火性塗型剤との適用範囲が限定され、塗型剤をその適用範囲に合わせて使い分ける必要がある。このため、鋳物の不良を防ぐために塗型塗布作業を2度行わねばならないなどの問題や、2種類の塗型剤を常に管理せねばならないなどの管理上の負担増加が発生することから、特許文献1記載の消失模型鋳造法を生産工程で採用するのは難しい。
一方、特許文献2により開示された方法は、吸引管を設けた消失模型を鋳型砂内に埋設し、該鋳型砂の充填された鋳枠、もしくは鋳枠並びに該消失模型に連通した排出管を減圧することで、鋳型外部より外気が導入され、気化した消失模型とともに排出管より鋳型外へ排出されるというものである。しかしながら、この方法では吸引管を通して外気を導入し、それに加えて、消失模型から発生するガスを、排出管を通して排出する必要がある。前記模型上面に直接排出管を配置して模型から発生するガスを直接吸引する方法では、鋳枠に排出管を設けて吸引する方法よりは確かに効率的にガスの排出を行うことができるが、不良の発生が予測される場所個々に排出管を設けなければ効率的なガス排出ができない。また、排出管内に溶湯が流入することは避けられないため、凝固完了後当該部分を切断除去するという本来必要のない作業が発生する。
さらに、この方法を鋳鋼鋳物の生産に適用した場合、注湯完了後直ちに吸引を解除しないと吸引管を通じて鋳型内に流入した空気が鋳物表面を流れる際に鋳物表面を強力に酸化させあたかもガス溶断されたかのごとく表面が浸食除去される欠陥を発生させるおそれがあり、適用可能な鋳造材料が限定されるという問題もある。
本発明は、前述の問題に鑑み、鋳枠全体を吸引可能な構造としたり、消失模型に吸引管を設置したりなどという対策を実施することなしに、不良の発生しやすい箇所を吸引して欠陥のない鋳物を製造することができる消失模型鋳造法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するための本発明における消失模型鋳造法は、鋳枠内に消失模型を埋設させながら粘結剤を混練した鋳型砂を充填したのち、注湯して所望の鋳物製品を製造する消失模型鋳造法であって、該消失模型の上方に吸引機構を配置したのち、鋳型の上下面をシールした状態で該鋳型内に埋設された消失模型の上方を注湯開始から注湯完了まで吸引し続け、前記吸引機構の吸引風量は前記注湯が進行するにしたがって増加することを特徴としている。
また、前記吸引機構と前記消失模型の上面との間隔が50mm以上300mm以下、または前記吸引機構と前記消失模型の盲押湯または盲揚がりとの間隔が50mm以上300mm以下であることを特徴としている。
また、前記吸引機構での吸引圧力はゲージ圧で−6.7〜−26.7kPaの範囲であることを特徴としている。
また、前記吸引機構の吸引風量は、消失模型の上方の鋳型砂の有効な平面積1mあたり0.5〜10Nm/minであることを特徴としている。
また、前記吸引機構の配置方法と鋳型の形成法は、消失模型を配置した鋳枠の上面に、吸引管を具備した鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うことを特徴としている。
また、前記吸引機構の配置方法と鋳型の形成法は、消失模型を配置した鋳枠の上面に、内壁を通じて吸引可能とした鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うことを特徴としている。
また、前記吸引機構の配置方法と鋳型の形成法は、消失模型を配置した鋳枠の上面に、吸引管を具備し、かつ内壁を通じて吸引可能とした鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うことを特徴としている。
また、前記吸引機構の配置方法は、消失模型の上方に平板状の吸引板を埋設することで行うことを特徴としている。
また、前記吸引機構の配置方法は、鋳型の上面に吸引チャンバを有する吸引板を圧着することで行うことを特徴としている。
本発明によれば、鋳型内に埋設された消失模型の上方を注湯開始から注湯完了まで吸引し続けることで、消失模型鋳造法におけるガス欠陥などが発生しやすい鋳物上面付近で発生するガスを局部的および集中的に鋳型外に排出し、効率的に消失模型鋳造法における欠陥の発生を防止することができる。したがって、従来の技術のように鋳枠全体を吸引可能な構造として、かつ、消失模型上面に吸引管を配置するなどの複雑な工程を経ることなく、消失模型鋳造法における鋳物製品の欠陥を解消することができる。
以下、本発明を実施するにあたっての最良の形態を説明する。本発明を実施するにあたっては、消失模型の材料には一般的に用いられるポリスチレンやポリメチルメタクリレートなどの発泡材料を使用することができる。また、この発泡材料には耐火度と通気性を有する塗型を施工した後鋳型砂に埋設されるが、この際の塗型剤は一般的に消失模型鋳造用として公知のものを使用することができる。湯口並びに湯道に関しては、消失模型と同様の材料を使用することができるし、セラミックパイプなどの耐火材料を使用することもできる。
また、鋳型砂の骨材としては、珪砂、ジルコン砂、クロマイト砂または人造セラミック砂など公知のものを使用することができる。また、骨材に添加する粘結剤は、酸硬化フェノール自硬性またはフラン自硬性など一般的に公知の自硬性プロセスに使用される粘結剤を採用することができる。
また、本発明に使用される鋳枠は、模型の高さに合わせて1段の鋳枠とするか、または一定の高さの鋳枠を所望する高さになるまで積み重ねた鋳枠とすることもできる。
さらに、本発明に使用されるシール材は、プラスチックフィルムの他、鉄板やゴム板など、本発明の目的に適合する範囲で鋳型との充分な気密性を有する材質であればとくに限定されるものではない。
なお、本発明において、消失模型の上方に吸引機構を配置し、鋳型の上下面をシールした状態で該鋳型内に埋設された消失模型の上面を注湯開始から注湯完了まで吸引し続けることの理由は、消失模型鋳造法におけるガス欠陥を初めとする欠陥はほとんどが鋳物の上面、すなわち消失模型が最後に消失する箇所に集中している。したがって、当該箇所から発生するガスを鋳型外に排出することができさえすれば良いのであり、鋳型全体を吸引可能な構造とするなどの複雑な構造とする必要がなく、簡便な機構での造型が可能となる。
また、吸引機構と消失模型の上面との間隔(最小距離)が50mm未満となると、吸引機構に溶湯が吸引されて重大な災害を発生させるなどの問題があるため、最低50mm以上を確保するのが好ましい。また、吸引機構と消失模型の上面との間隔(最大距離)が300mmをこえると、両者が遠すぎてガス吸引の効果が失われるため、最大でも300mm以下とするのが好ましい。
また、吸引機構での吸引圧力がゲージ圧で−6.7kPaよりも高い(大気圧に近い)場合はガスを吸引するのに充分な差圧が得られないとともに、−26.7kPaよりも低い(真空に近い)場合は差圧が高すぎることにより溶湯に作用する圧力水頭が高すぎて鋳型砂への激しい差し込みを生じさせるなどの問題を発生させるおそれがあるため、吸引圧力は−6.7〜−26.7kPaの範囲であるのが好ましい。
また、吸引機構の吸引風量が、消失模型の上方の鋳型砂の有効な平面積1mあたり0.5Nm/minよりも少ないと、不良発生部位での消失模型からの発生ガス量よりも少ないため吸引による不良抑制の効果が得られないとともに、10Nm/minよりも大きい風量で吸引しても発生ガス量よりも過大となり効率的ではないので、吸引機構の吸引風量は、消失模型の上方の鋳型砂の有効な平面積1mあたり0.5〜10Nm/minであるのが好ましい。なお、有効な平面積とは、消失模型の上方の鋳型砂の平面積から、湯口の大きさ(断面積)を除いた平面積をいう。
また、一般的な鋳造方案では、注湯が進行するにしたがって溶湯の流速は低下する傾向にあるが、このときに消失模型から発生するガスが鋳型キャビティ内に滞留していると、一層溶湯の流れを阻害し、かつガスが溶湯に巻き込まれるなどの原因となってガス欠陥を引き起こすことにもなるので、注湯が進行するにしたがって速やかにガスを吸引する必要がある。したがって、吸引機構の吸引風量は注湯が進行するにしたがって増加するのが好ましい。
また、吸引機構の配置方法と鋳型の形成法を、消失模型を配置した鋳枠の上面に、吸引管を具備した鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うことにより、あらかじめ鋳枠全体を吸引可能とした構造にする必要がなく、簡便に不良発生が多い鋳物上面のみを吸引することができる。
また、吸引機構の配置方法と鋳型の形成法を、消失模型を配置した鋳枠の上面に、内壁を通じて吸引可能とした鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うことで、鋳鋼鋳物など鋳物正面に押湯を多数配置する必要のある製品においても鋳造方案の設計を容易にすることができる。
また、吸引機構の配置方法と鋳型の形成法を、消失模型を配置した鋳枠の上面に、吸引管を具備し、かつ内壁を通じて吸引可能とした鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うことで、より効率的に吸引することができる。
また、吸引機構の配置方法を、消失模型の上方に平板状の吸引板を埋設することで行うことで、ガスの吸引方向に指向性をもたせることが可能となり、より効率的および集中的に吸引を行うことができる。
実施の形態1
以下、添付図1に基づいて、本発明の実施の形態1にかかわる消失模型鋳造法を説明する。図1は本発明の実施の形態1にかかわる消失模型鋳造法を適用した鋳型の縦断面図である。図1において、鋳枠1の上面1aに、表面から中心部に貫通孔を多数穿設し、一端を遮蔽し他端を開放した金属網のパイプに金網を巻装した構造からなる吸引管2をその内部に有する吸引用鋳枠3が戴置された状態で、消失模型4、湯口5および湯道6は該鋳枠1内に配置されている。該消失模型4、湯口5および湯道6は鋳枠1と吸引用鋳枠3内に充填された鋳型砂7により埋設されている。さらに鋳型8の上下面(吸引用鋳枠3の上面3aと鋳枠1の下面1b)はシール手段であるシール材9によりシール(封止)されており、外気の流入が遮断されている。また、吸引用鋳枠3における吸引孔3bの外部口部3cは真空ポンプ(図示せず)などの吸引源に連通されている。この吸引用鋳枠3および吸引源は本実施の形態1における吸引機構である。本実施の形態1では、この吸引機構としての吸引管2と前記消失模型4の上面との間隔が50mm以上300mm以下に設定されている。
このように構成された鋳型8は、まず、鋳枠1内に消失模型4、湯口5および湯道6を配設したのち、該消失模型4、湯口5および湯道6の周囲に鋳型砂7を充填し、該消失模型4、湯口5および湯道6を該鋳型砂7に埋設する。ついで、鋳枠1の上面1aに吸引用鋳枠3を戴置したのち、引き続き該吸引用鋳枠3の中に鋳型砂7を充填し、鋳型8を完成させる。つぎに当該完成した鋳型8の上下面を、前記湯口5への注湯部を除くシール材9を用いてシールし、この上下面から不必要に鋳型8内に外気が流入しないようにされている。
こうして構成された鋳型8の湯口5より溶湯を注湯すると、湯道6を通過して消失模型4に流入した溶湯は消失模型4をガス化させながら、該消失模型4のガス化により形成されるキャビティを充満する。このとき発生したガスは、吸引管2より前記吸引源を通じて鋳型外に排出される。
実施の形態2
つぎに、添付図2に基づいて本発明の消失模型鋳造法にかかわる実施の形態2を説明する。図2は本発明の実施の形態2にかかわる消失模型鋳造法を適用した鋳型の縦断面図である。本実施の形態2においては、内壁21aに開口部を適宜配し、該開口部に金網22を貼設することで鋳型23と鋳枠24の上面24aに戴置される吸引用鋳枠21の内部空間である吸引孔21bが連通している構造を有している。また、消失模型25、湯口26および湯道27は、該鋳枠24内に配置されている。該消失模型25、湯口26および湯道27は、鋳枠24と吸引用鋳枠21内に充填される鋳型砂28に埋設されている。さらに鋳型23の上下面はシール手段であるシール材29によりシール(封止)されており、外気の流入が遮断されている。また、前記吸引用鋳枠21における吸引孔21bの外部口部21cは真空ポンプ(図示せず)などの吸引源に連通されている。この吸引用鋳枠21および吸引源は本実施の形態2における吸引機構である。本実施の形態2では、この吸引機構と前記消失模型の盲押湯または盲揚がり25aとの間隔が50mm以上300mm以下に設定されている。
このように構成された鋳型は、まず、鋳枠24の上面に吸引用鋳枠21を戴置させたのち、その内部に消失模型25、湯口26および湯道27を配置し、該消失模型25、湯口26および湯道27の周囲に鋳型砂28が充填される。ついで該消失模型25、湯口26および湯道27を該鋳型砂28に埋設したのち、鋳型23を完成させる。当該完成した鋳型23の上下面を、前記湯口26への注湯部を除くシール材29を用いてシールし、上下面から不必要に鋳型内に外気が流入しないようされている。
こうして構成された鋳型23の湯口26より溶湯を注湯すると、湯道26を通過して消失模型25内に流入した溶湯は消失模型25をガス化させながら、該消失模型25のガス化により形成されるキャビティを充満する。このとき発生したガスは、吸引用鋳枠21の吸引孔21bより前記吸引源を通じて鋳型外に排出される。
なお、本実施の形態2における吸引機構の配置方法と鋳型の形成法は、消失模型25を配置した鋳枠24の上面24aに、内壁21aを通じて吸引可能とした吸引用鋳枠21を戴置するとともに、吸引用鋳枠21と鋳枠24の内部に鋳型砂28を充填させて一体の鋳型23を形成することで行うようにしているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、消失模型を配置した鋳枠の上面に、吸引管を具備し、かつ内壁を通じて吸引可能とした吸引機構を有する鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うこともできる。
実施の形態3
つぎに、添付図3を用いて本発明の実施の形態3にかかわる消失模型鋳造法を説明する。図3は本発明の実施の形態3にかかわる消失模型鋳造法を適用した鋳型の縦断面図である。本実施の形態3においては、鋳枠31の内部に消失模型32、湯口33および湯道34が配置されている。該消失模型32、湯口33および湯道34は鋳枠31内に充填された鋳型砂35に埋設されている。さらに鋳型36の上下面はシール手段であるシール材37によりシールされており、外気の流入が遮断されている。また、該消失模型32の上方に平面状の吸引板38が配置されている。この吸引板38は、内壁38aに金網もしくはパンチングメタルなどからなるに開口部材39が配置され、内部に吸引孔38bが設けられている。該吸引板38における吸引孔38bの外部口部38cは真空ポンプ(図示せず)などの吸引源に連通されている。この吸引板38および吸引源は本実施の形態3における吸引機構である。本実施の形態3では、この吸引機構と前記消失模型32の上面との間隔が50mm以上300mm以下に設定されている。
このように構成された鋳型36は、まず、鋳枠31の内部に消失模型32、湯口33および湯道34を配置し、ついで該消失模型32、湯口33および湯道34の周囲に、該消失模型32を埋設する程度に鋳型砂35が充填される。ついで該消失模型32の上面に間隔(最小距離)が50mm以上300mm以下となるように鋳型砂35を充填したのち、吸引板38を該鋳型砂35の上部に戴置する。ついで、引き続き該湯口33、湯道34および吸引板38が埋設するまで、該鋳型砂35を充填し、鋳型36を完成させる。つぎに当該完成した鋳型36の上下面を、前記湯口33への注湯部および外部口部38cを除くシール材37を用いてシールし、上下面から不必要に鋳型内に外気が流入しないようにされている。
こうして構成された鋳型36の湯口33より溶湯を注湯すると、湯道34を通過して消失模型32内に流入した溶湯は、消失模型32をガス化させながら、該消失模型32のガス化により形成されるキャビティを充満する。このとき発生したガスは、吸引板38の吸引孔38bより前記吸引源を通じて鋳型外に排出される。
実施の形態4
つぎに、添付図4を用いて本発明の実施の形態4にかかわる消失模型鋳造法を説明する。図4は本発明の実施の形態4にかかわる消失模型鋳造法を適用した鋳型の縦断面図である。本実施の形態4においては、鋳枠41の内部に消失模型42、湯口43および湯道44が配置されている。該消失模型42、湯口43および湯道44は鋳枠41内に充填された鋳型砂45に埋設されている。さらに鋳型46の下面である鋳枠41の下面41bはシール手段であるシール材47によりシールされており、外気の流入が遮断されている。なお、本実施の形態4においては、鋳型46の上面である鋳枠41の上面41aのシールは後述する吸引機構の吸引板48が兼ねている。また、該鋳枠41の上面に、アクチュエータ49により吸引チャンバ48aを有する吸引板48が密封状態で圧着されている。この吸引板48は注湯ガイド50を備えている。また、前記吸引チャンバ48aの外部口部48bは真空ポンプ(図示せず)などの吸引源に連通されている。このアクチュエータ49、吸引板48および吸引源は本実施の形態4における吸引機構であり、該吸引板48はアクチュエータ49により昇降可能とされている。本実施の形態4では、この吸引機構と前記消失模型42の上面との間隔が50mm以上300mm以下に設定されている。
このように構成された鋳型46は、まず、鋳枠41の内部に消失模型42、湯口43および湯道44を配置し、ついで該消失模型42、湯口43および湯道44の周囲に、鋳型砂45を充填させ、鋳型46を完成させる。鋳型46が完成した後は、鋳型46の下面を、シール材47を用いてシールし、下面から不必要に鋳型内に外気が流入しないようにする。
さらに、該鋳型46の上方に吸引チャンバ48aを有する吸引板48を配置したのち、アクチュエータ49を用いて該吸引板48を該鋳枠41の上面41aに圧着するまで降下させ、上面から不必要に鋳型内に外気が流入しないようにする。
こうして構成された鋳型46において、注湯ガイド50を介して湯口43より溶湯を注湯すると、湯道44を通過して消失模型42内に流入した溶湯は消失模型42をガス化させながら、該消失模型42のガス化により形成されるキャビティを充満する。このとき発生したガスは、吸引チャンバ48aより前記吸引源を通じて鋳型外に排出される。
前記実施の形態1、2、3および4では、鋳型内に埋設された消失模型の上面を注湯作業により発生するガスを前記鋳型内に埋設された消失模型の上方から吸引し続ける、すなわち注湯開始から注湯完了まで吸引し続けることで、消失模型鋳造法におけるガス欠陥などが発生しやすい鋳物の上面付近で発生するガスを局部的および集中的に鋳型外に排出し、効率的に消失模型鋳造法における欠陥の発生を防止することができる。なお、本発明においては、これまでの実施の形態における吸引機構を適宜選定して用いることができる。
したがって、本発明は、従来の技術のように鋳枠全体を吸引可能な構造として、かつ、消失模型の上面に吸引管を配置するなどの複雑な工程を経ることなく、消失模型鋳造法における鋳物製品の欠陥を解消することができる。
また、本発明は消失模型の上方に吸引機構を配置し、該鋳型の上下面をシールした状態で該鋳型内に埋設された消失模型の上面を注湯開始から注湯完了まで吸引し続けることで、消失模型鋳造法におけるガス欠陥などが発生しやすい鋳物上面付近で発生するガスを局部的および集中的に鋳型外に排出することが可能となるので、効率的に消失模型鋳造法における欠陥の発生を防止することができ、産業に与える効果は著大である。
本発明の実施の形態1にかかわる消失模型鋳造法を適用した鋳型の縦断面図である。 本発明の実施の形態2にかかわる消失模型鋳造法を適用した鋳型の縦断面図である。 本発明の実施の形態3にかかわる消失模型鋳造法を適用した鋳型の縦断面図である。 本発明の実施の形態4にかかわる消失模型鋳造法を適用した鋳型の縦断面図である。
符号の説明
1 鋳枠、1a 上面、1b 下面、2 吸引管、3 吸引用鋳枠、3a 上面、3b 吸引孔、3c 外部口部、4 消失模型、5 湯口、6 湯道、7 鋳型砂、8 鋳型、9 シール材、21 吸引用鋳枠、21a 内壁、21b 吸引孔、21c 外部口部、22 金網、23 鋳型、24 鋳枠、24a 上面、25 消失模型、25a 盲押湯または盲揚がり、26 湯口、27 湯道、28 鋳型砂、29 シール材、31 鋳枠、32 消失模型、33 湯口、34 湯道、35 鋳型砂、36 鋳型、37 シール材、38 吸引板、38a 内壁、38b 吸引孔、38c 外部口部、39 開口部材、41 鋳枠、上面 41a、41b 下面、42 消失模型、43 湯口、44 湯道、45 鋳型砂、46 鋳型、47 シール材、48 吸引板、48a 吸引チャンバ、48b 外部口部、49 アクチュエータ、50 注湯ガイド

Claims (10)

  1. 鋳枠内に消失模型を埋設させながら粘結剤を混練した鋳型砂を充填したのち、注湯して所望の鋳物製品を製造する消失模型鋳造法であって、該消失模型の上方に吸引機構を配置したのち、鋳型の上下面をシールした状態で該鋳型内に埋設された消失模型の上方を注湯開始から注湯完了まで吸引し続け、前記吸引機構の吸引風量は前記注湯が進行するにしたがって増加することを特徴とする消失模型鋳造法。
  2. 前記吸引機構と前記消失模型の上面との間隔が50mm以上300mm以下であることを特徴とする請求項1記載の消失模型鋳造法。
  3. 前記吸引機構と前記消失模型の盲押湯または盲揚がりとの間隔が50mm以上300mm以下であることを特徴とする請求項1記載の消失模型鋳造法。
  4. 前記吸引機構での吸引圧力はゲージ圧で−6.7〜−26.7kPaの範囲であることを特徴とする請求項1、2または3記載の消失模型鋳造法。
  5. 前記吸引機構の吸引風量は、消失模型の上方の鋳型砂の有効な平面積1mあたり0.5〜10Nm/minであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の消失模型鋳造法。
  6. 前記吸引機構の配置方法と鋳型の形成法は、消失模型を配置した鋳枠の上面に、吸引管を具備した鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うことを特徴とする請求項1、2、3、4または記載の消失模型鋳造法。
  7. 前記吸引機構の配置方法と鋳型の形成法は、消失模型を配置した鋳枠の上面に、内壁を通じて吸引可能とした鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うことを特徴とする請求項1、2、3、4または記載の消失模型鋳造法。
  8. 前記吸引機構の配置方法と鋳型の形成法は、消失模型を配置した鋳枠の上面に、吸引管を具備し、かつ内壁を通じて吸引可能とした鋳枠を戴置するとともに、各鋳枠の内部に鋳型砂を充填させて一体の鋳型を形成することで行うことを特徴とする請求項1、2、3、4または記載の消失模型鋳造法。
  9. 前記吸引機構の配置方法は、消失模型の上方に平板状の吸引板を埋設することで行うことを特徴とする請求項1、2、3、4または記載の消失模型鋳造法。
  10. 前記吸引機構の配置方法は、鋳型の上面に吸引チャンバを有する吸引板を圧着することで行うことを特徴とする請求項1、2、3、4または記載の消失模型鋳造法。
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