JP2004535300A - 消失模型法による鋳造金属の製造に用いる鋳造装置 - Google Patents

Abstract

溶融金属用の第１の容器（１５）と、上方口部と、顆粒材料（２）の浴とを有し、上記溶融金属と接触すると蒸発する発泡材料から成る原型（３，３ａ）が内部に埋設されている第２の容器（１）と、第１の容器（１５）から第２の容器（１）の中の原型（３，３ａ）に溶融金属を供給する充填手段（１４）と、第２の容器に部分真空を適用する手段（１）を有しており、その手段は、第２の容器（１）の口部を漏れないように密封する着脱可能なカバー（７）を有し、そのカバーは真空発生手段（１０，１１）と係合する第１の開口部（９）と、充填手段（１４）と係合して封止される第２の開口部（１３）とを有する、消失模型法による鋳造金属の製造に用いる溶融金属鋳造装置であって、カバー（７）を第２の容器（１）の上に封止可能に取着し、次いで真空発生手段（１０，１１）を始動させると、液体金属が第１の容器（１５）から原型（３，３ａ）に移送される。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、いわゆる消失模型（lost foam）法による鋳造金属の製造に用いる溶融金属用の鋳造装置に関する。
【０００２】
特に、本発明は、溶融金属用の第１の容器と、上方開口と顆粒材料の浴とを含み、内部には上記溶融金属と接触すると蒸発する発泡材料から成る原型（pattern）が埋設されている第２の容器と、第１の容器から第２の容器の中の原型に溶融金属を供給する充填手段とを有するタイプの装置に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【０００３】
本発明の第１の目的は、時間や、原型又は型（form）を満たす金属の量に制約されることなく、液体金属を溶融金属容器から型に移送することができる装置を提供することにある。
この目的達成のため、本発明の要部は上記のタイプの装置にあり、その装置が第２の容器に部分真空を適用する手段を有しており、該手段は、第２の容器の口を漏れないように密封する着脱可能なカバーを有し、該カバーは真空発生手段と係合する第１の開口部と、充填手段と係合して封止される第２の開口部とを有しており、カバーを第２の容器の上に封止可能に取着し、次いで真空発生手段を始動させると、液体金属が第１の容器から原型に移送されることを特徴とする。
【０００４】
本発明の第２の要部は、上記の装置を用い、減圧下で行う鋳造方法にある。
さらに、本発明に係る装置及び方法の利点と特徴は、添付の図面を参照してなされる以下の詳細な説明により明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００５】
図１は、本発明の装置の模式図であり、図２は図１の次の運転状態を示す模式図である。
【０００６】
図中、１は鋳込み容器であり、通常金属製であって上方開口を有しており、消失模型法ではよく知られているように鋳物砂２を有しており、その中には、通常発泡ポリスチレンからなる鋳型３が埋設されている。
【０００７】
通常、２以上の型３，３ａは、枝部４と５によりクラスター状に互いに接続されており、枝部も発泡ポリスチレンからなり、鋳込みの間、製造する鋳造物を規定する原型に溶融金属を供給するダクトとして働く。
【０００８】
図１に示すように、クラスターは、頭部６を備えた主枝部４を有しており、その頭部は砂浴から突出しており、供給される溶融金属と接触する。
【０００９】
原型又は型のクラスターと各金属供給枝部又は枝群は、発泡材料の表面をガスが透過し易くなるようにするコーティング材料でコーティングすることが好ましい。
【００１０】
７はカバーであり、シール用リング８を備えており、容器を外気から遮断するため、容器１の上方口部と係合し、それを封止する。
【００１１】
カバー７は、真空ポンプ１１と減圧バルブ１２と連通する吸引ダクト１０と係合する第１の開口部９を有している。
【００１２】
カバー７は、充填手段１４が密封状態で係合された第２の開口部１３も有しており、その充填手段により溶融金属を保管炉１５から鋳造容器１に移送する。充填手段は、ベル１７内で開口するサイフォン状のダクト１６を有しており、そのベルは好ましくはセラミックス材料で被覆され、かつカバー７と係合して封止する。
【００１３】
図２に示す鋳込み工程を実施する場合には、カバー７を容器１の口部の上に戴置して容器の口部を封止し、そしてダクト１４を保管炉１５内の溶融金属浴の中に浸漬する。ベル１７は含有砂２の中に沈んでいき、ポリスチレンのクラスターの頭部６を覆う。
【００１４】
ポンプ１１を用い、部分真空の発生とともに充填を開始する。工程の最初の段階では、部分真空の発生は、鋳造砂の粒子間に含有された空気を排気することにより行われ、砂の圧縮をもたらして鋳造の品質を向上させる。さらに、真空の発生は、金属を保管炉１５から原型容器１に流動させるのに必要な減圧状態を創り出す。
【００１５】
充填が終了すると、ポンプシステム１１を停止するとともに減圧バルブ１２を開放し、容器内を周囲圧力の条件に戻す。この時、その目的のために特別に用意された操作手段を用いてカバー７を容器から取り除き、鋳造物又は作製されたクラスターを回収する。
【００１６】
本発明の鋳造装置及びそれを用いて顕著な効果を得ることができる鋳造方法は、特に、
回収炉の中に保管された溶融金属を、特別に計量することなく、所望の量だけ供給することができるので、操作の自由度が大きく、あらゆる大きさの成型鋳造物の鋳込みを行うことができるとともに、
移送時の熱損失が小さく、かつサイクル数を低減することができ、
熱損失が小さいので、溶融金属の供給温度を下げることができ、エネルギーの節約のみならず鋳造物の空孔率を低下させることができ、そして、
燃焼ガスを速やかに吸引することにより、かつ鋳造砂に含まれる空気を初期に除去して合金金属の酸化を減少させることにより、鋳造物の品質を向上させることができる。
【００１７】
もちろん、本発明の本質は変化することはないが、実施形態の形式や構成の詳細は、添付のクレームの範囲から逸脱しない範囲で、特に限定されない実施例を用いて記載及び図示することにより広い範囲で変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】図１は、本発明の装置の模式図である。
【図２】図２は図１の次の運転状態を示す模式図である。

Claims (4)

1. 溶融金属用の第１の容器（１５）と、
   上方口部と顆粒材料（２）の浴とを有し、上記溶融金属と接触すると蒸発する発泡材料から成る原型（３，３ａ）が内部に埋設されている第２の容器（１）と、
   第１の容器（１５）から第２の容器（１）の中の原型（３，３ａ）に溶融金属を供給する充填手段（１４）とを有し、消失模型法による鋳造金属の製造に用いる溶融金属鋳造装置において、
   該鋳造装置は第２の容器に部分真空を適用する手段（１）を有しており、
   該手段は、第２の容器（１）の口部を漏れないように密封する着脱可能なカバー（７）を有し、該カバーは真空発生手段（１０，１１）と係合する第１の開口部（９）と、充填手段（１４）と係合して封止される第２の開口部（１３）とを有し、
   カバー（７）を第２の容器（１）の上に封止可能に取着し、次いで真空発生手段（１０，１１）を始動させると、液体金属が第１の容器（１５）から原型（３，３ａ）に移送されることを特徴とする溶融金属鋳造装置。
2. 上記充填手段（１４）が、カバー（７）に封止可能に係合されたベル（１７）の中で開口するサイフォン状のダクト（１６）を有することを特徴とする請求項１記載の鋳造装置。
3. 上記ベル（１７）が、鋳造される鋳造用の原型（３，３ａ）に接続された発泡材料からなる枝部（４）の頭部端部（６）を囲むように配置されていることを特徴とする請求項２記載の鋳造装置。
4. 請求項１から３のいずれか一つの鋳造装置を用い、消失模型法による鋳造金属製造を行う、溶融金属の鋳造方法。