JP2000317575A - 消失鋳造方法 - Google Patents

消失鋳造方法

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JP2000317575A
JP2000317575A JP11125992A JP12599299A JP2000317575A JP 2000317575 A JP2000317575 A JP 2000317575A JP 11125992 A JP11125992 A JP 11125992A JP 12599299 A JP12599299 A JP 12599299A JP 2000317575 A JP2000317575 A JP 2000317575A
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dimensional model
mold
casting method
liquid
vanishing
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JP11125992A
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Kokichi Yamamoto
浩吉 山本
Teishiro Shibazaki
禎四郎 芝崎
Mitsuo Uchiyama
光夫 内山
Hisashi Sakata
坂田  尚志
Kazuhiko Tanaka
一彦 田中
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋳型の破損の発生を防止することができる消失
鋳造方法を提供する。 【解決手段】中空部23bと該中空部に連通する開口を
有する樹脂からなる立体モデル23を、前記開口を外部
に露出させた状態で鋳型材に埋設する埋設工程と、前記
鋳型材を硬化させて鋳型30とした後に、前記開口を介
して中空部23b内に加熱した液体28を流通させて立
体モデル23を内側から加熱して立体モデル23を軟化
させる加熱工程と、中空部23b内から液体28の一部
を吸引して立体モデル23を収縮させる収縮工程と、前
記立体モデルを燃焼させて消失させる消失工程と、を含
む消失鋳造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造すべき鋳物の
外表面と一致する外表面を有する立体モデル(消失模
型)を鋳型材(鋳砂)に埋設した状態で該鋳型材を硬化
させた後に、該立体モデルを消失させて鋳型を製造する
消失鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】消失鋳造方法に用いられる消失模型とし
ての立体モデルの光学的造形方法の一つとして、例え
ば、図8に示す方法が知られている。この方法では、容
器1内に光硬化性樹脂2が収容され、その液面3に向け
てレーザ光4が照射されるように、ミラー5、ミラー駆
動装置6、レンズ・シャッタ・レーザ装置7が設けられ
ている。また、容器1内にはエレベータ8で支持された
テーブル9と、エレベータ8を上下移動するためのエレ
ベータ駆動装置10が設けられ、レンズ・シャッタ・レ
ーザ装置7及びミラー駆動装置6、エレベータ駆動装置
10はコンピュータ11により制御される。
【0003】そして、目的とする立体モデルの断面形状
内を描くように、レーザ光を照射して樹脂液面3を硬化
させ、次いでエレベータ8を下方に移動して先ほど形成
された硬化層12の上側に光硬化性樹脂を供給し、再び
レーザ光を照射して樹脂液面3を同じように硬化させる
ことにより、上下方向に対しても硬化層を連続させ、こ
れにより立体形状の樹脂モデル13を造形する。
【0004】図9は、この種の消失鋳造方法に用いられ
る消失模型としての立体モデルの一例を示す断面図であ
る。この立体モデル14は、鋳物の外表面に一致する外
表面(外皮部15)を有し、内部は中空となっている。
外皮部15の内側に形成された中空部15aと外部空間
とは筒状の連絡部14aに形成された通孔を介して連通
されている。大きなモデルにおいては、外皮部15の形
状の維持を目的として当該外皮部15を支持するサポー
ト部16が中空部15a内に形成される。
【0005】なお、この外皮状樹脂モデルとしての立体
モデル14の中空部15aには、液体樹脂が充填された
ままの状態になっているが、造形後に小さい孔を開ける
ことにより液体樹脂が排出される。この孔は、樹脂が排
出されたのち、例えばワックス材料などにより塞がれ
る。
【0006】図10〜図12に、立体モデル14を用い
た消失鋳造方法の一例を示す。まず、図10に示すよう
に、立体モデル14を型枠17内の所定の位置に設置
し、次に、使用する金属溶湯の温度において形状の維持
が可能な鋳型材(鋳砂)18を充填する。このとき、連
絡部14aの先端の開口は外部空間に露出させた状態と
する。
【0007】その後、図11に示すように、鋳型材18
をその形状の維持が可能なまで硬化させて鋳型20とし
たのち型枠17を取り外し、立体モデル14が埋没され
た鋳型20を電気加熱炉19内に設置する。さらに、鋳
型20から露出している連絡部14aに、その一端が真
空ポンプ22に接続されたホース21の他端を接続す
る。
【0008】この状態で、電気加熱炉19を所定の温度
(80〜150°C)に制御して一定時間保持すると、
鋳型20は乾燥し、さらに硬化するとともに、内部の立
体モデル14は軟化して変形が容易な状態となる。その
後、真空ポンプ22を作動して、立体モデル14の中空
部15a内の空気を吸引することにより、図12に示す
ように、立体モデル14は収縮変形し、立体モデル14
と鋳型20との間に空間が生じる。
【0009】次に、これらをさらに高温に加熱すること
で、立体モデル14を燃焼消失させることにより、立体
モデル14と同じ形状の空間が鋳型20に形成されるこ
とになる。この燃焼消失時の昇温により立体モデル14
は膨張するが、立体モデル14を予め収縮変形させてい
るので、当該膨張による伸び代分が立体モデル14と鋳
型20との間に形成された空間により吸収され、鋳型2
0の破損が防止されるようになっている。このような技
術は、特開平9−66344号公報に開示されている。
【0010】なお、このような消失鋳造方法により製造
された鋳型20の湯口(立体モデル14の連絡部14a
により形成される)から金属溶湯を注入することによ
り、目的とする鋳物が製造される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の消失鋳造方法では、鋳型内に埋設された立体
モデルの内部の空気を吸引して収縮させる際に、立体モ
デルを鋳型とともに電気加熱炉で外側から加熱するよう
にしているので、目的とする鋳物(立体モデル)の形状
に応じて立体モデルの各部に対する熱の伝達率が異な
り、立体モデルの各部を均一に加熱することができな
い。例えば、目的とする鋳造品の形状が空洞部を有する
場合には、鋳型を外周部から加熱しても、鋳型の該空洞
部に対応する部分は、鋳型本体(鋳物の外側表面を形成
するための部分)とつながる部分の断面積が小さいた
め、加熱炉からの熱が伝わりづらく低温となる。このた
め、立体モデルの各部における軟化の度合いに応じて収
縮変形量がばらつき、立体モデルの熱膨張による鋳型の
破損(亀裂など)を防止するのに十分な空間を形成でき
ない部分が生じる場合がある。
【0012】また、従来の消失鋳造方法では、鋳型内に
埋設された立体モデルの内部の空気を吸引して収縮変形
させるようにしており、空気は圧力による体積変化が大
きいため、空気の排出量や立体モデルの内部の圧力値な
どからモデルの収縮変形量を簡便に知ることはできず、
立体モデルの熱膨張により鋳型を破損しない程度の空間
が立体モデルと鋳型の間に形成されたか否かを、鋳型を
破壊することなく知ることが難しい。さらに、立体モデ
ルと鋳型が強固に密着している場合には、立体モデルを
鋳型から剥がし、立体モデルを収縮変形させることがで
きない場合がある。
【0013】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、鋳型の破損の発生を防止す
ることができる消失鋳造方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、請求項1記載の消失鋳造方法は、中空部と該
中空部に連通する開口を有する樹脂からなる立体モデル
を、前記開口を外部に露出させた状態で鋳型材に埋設す
る埋設工程と、前記鋳型材を硬化させて鋳型とした後
に、前記開口を介して前記中空部内に加熱した液体を流
通させて前記立体モデルを内側から加熱する加熱工程
と、前記中空部内から前記液体の一部を吸引して前記立
体モデルを収縮させる収縮工程と、前記立体モデルを消
失させる消失工程と、を含むことを特徴とする。この場
合において、特に、限定されないが、前記立体モデルと
して、光硬化性樹脂に目的とする立体形状の断面形状を
描くように光を移動させながら照射し、この光が照射さ
れた部分を硬化させ、硬化層を順次積層して造形する光
学的造形方法により製造されたものを用いることができ
る。
【0015】この請求項1記載の発明では、立体モデル
の中空部内に加熱した液体を流通させてその内側から立
体モデルを直接的に加熱するようにしたので、立体モデ
ルの形状が複雑で、例えば、空洞部を有するような場合
であっても、立体モデルの細部に至るまでほぼ均一に加
熱することができる。従って、立体モデルの各部におけ
る収縮量のばらつきが抑制され、立体モデルと鋳型との
間に十分な空間を形成することができる。
【0016】また、立体モデルをその内部の液体を吸引
することにより収縮変形させるようにしているので、液
体は圧力などによる体積変化が空気などの気体と比較し
て極めて小さいので、吸引による負圧が立体モデルに確
実に伝達され、立体モデルが鋳型に強固に密着している
場合であっても、確実に剥離することができる。
【0017】(2)上記目的を達成するために、請求項
2記載の消失鋳造方法は、請求項1記載の消失鋳造方法
において、前記収縮工程で前記中空部内から吸引した液
体の体積を計測することを特徴とする。
【0018】液体は空気などの気体と比較して圧力によ
る体積変化が極めて小さいのは上述した通りであるか
ら、立体モデルから吸引・排出した液体の体積を計測す
ることにより、立体モデルの収縮変形量をほぼ正確に知
ることが可能である。
【0019】(3)上記目的を達成するために、請求項
3記載の消失鋳造方法は、請求項1または2記載の消失
鋳造方法において、前記鋳型に該鋳型の表面から内部の
立体モデルの表面に至る通気孔を設けたことを特徴とす
る。
【0020】この請求項3記載の消失鋳造方法によれ
ば、鋳型に内部の立体モデルの表面に至る通気孔を設け
たので、立体モデルを収縮変形させる際に、該通気孔を
介して外気が吸入され、立体モデルと鋳型の間の部分が
負圧となって立体モデルの収縮変形が妨げられることが
抑制され、立体モデルの鋳型からの剥離が促進されると
ともに、その収縮変形が円滑になされるようになる。
【0021】(4)上記目的を達成するために、請求項
4記載の消失鋳造方法は、請求項3記載の消失鋳造方法
において、前記収縮工程の実施中に、前記通気孔を介し
て空気圧を供給することを特徴とする。
【0022】請求項4記載の消失鋳造方法によると、鋳
型の通気孔を介して空気圧を供給するようにしたので、
立体モデルの収縮変形が当該空気圧によって積極的に補
助され、立体モデルの鋳型からの剥離や収縮変形がさら
に促進される。
【0023】(5)上記目的を達成するために、請求項
5記載の消失鋳造方法は、請求項1〜4の何れかに記載
の消失鋳造方法において、前記加熱工程の実施中に、前
記中空部内の液体に振動を加えることを特徴とする。
【0024】請求項5記載の消失鋳造方法によると、液
体に例えば超音波振動子などを用いて振動を与えるよう
にしているので、該液体を介して立体モデルに振動を与
えることができ、これにより、立体モデルの鋳型からの
剥離を促進することができる。
【0025】(6)上記目的を達成するために、請求項
6記載の消失鋳造方法は、請求項1〜5の何れかに記載
の消失鋳造方法において、前記液体に複数の固形物を混
入し、該固形物を該液体とともに前記中空部内で流通さ
せることを特徴とする。
【0026】請求項6記載の消失鋳造方法によると、前
記液体に複数の固形物を混入したので、該液体が立体モ
デルの中空部内を流通される際に、該固形物が立体モデ
ルの内壁に衝突し、該立体モデルに振動を与えることが
でき、これにより、立体モデルの鋳型からの剥離を促進
することができる。
【0027】
【発明の効果】(1)請求項1記載の発明によれば、立
体モデルの加熱むらが生じることが少なくなるととも
に、液体の吸引に伴う負圧が立体モデルに直接的に作用
するので、立体モデルをほぼ均一にかつ確実に収縮変形
させることができる。これにより、立体モデルと鋳型の
間には十分な空間を形成することができるから、例え
ば、立体モデルを燃焼消失させるために加熱した場合
に、該立体モデルの熱膨張による鋳型の破損(亀裂な
ど)の発生を少なくできるという効果がある。
【0028】(2)請求項2記載の発明によれば、請求
項1についての上記効果に加えて、立体モデルの収縮変
形量を知ることができるので、立体モデルの収縮不足な
どを防止することができ、鋳型の破損の発生を確実に防
止することができるという効果がある。
【0029】(3)請求項3記載の発明によれば、請求
項1についての上記効果に加えて、立体モデルの収縮変
形時に立体モデルと鋳型の間に外気が吸入されるので、
その部分が負圧となって立体モデルの収縮変形の抵抗に
なることが少なくなり、立体モデルの収縮変形を促進す
ることができ、鋳型の破損の発生をさらに防止すること
ができるという効果がある。
【0030】(4)請求項4記載の発明によれば、請求
項1についての上記効果に加えて、立体モデルの収縮変
形時に立体モデルと鋳型の間に空気圧が供給されるの
で、立体モデルの収縮変形がこの空気圧によって補助さ
れ、立体モデルの収縮変形を促進することができ、鋳型
の破損の発生をさらに防止することができるという効果
がある。
【0031】(5)請求項5記載の発明によれば、請求
項1についての上記効果に加えて、立体モデルに液体を
介して振動が加えられるので、立体モデルの鋳型からの
剥離が促進され、鋳型の破損の発生をさらに防止するこ
とができるという効果がある。
【0032】(6)請求項6記載の発明によれば、請求
項1についての上記効果に加えて、液体の流通に伴い複
数の固形物が衝突することにより立体モデルに振動が加
えられるので、立体モデルの鋳型からの剥離が促進さ
れ、鋳型の破損の発生をさらに防止することができると
いう効果がある。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。第1実施形態 図1および図2は本発明の消失鋳造方法の第1実施形態
を説明するための図である。
【0034】図2において、23は消失模型としての樹
脂からなる立体モデルであり、この立体モデル23は、
例えば、図8を参照して説明した光学的造形方法を用い
て製造される。その製造方法は、図8に示したものとほ
ぼ同様であるのでその説明は省略することにする。
【0035】この実施形態における立体モデル23は、
同図に示すように、鋳物(鋳造品)の外表面に一致する
外表面(外皮部23a)を有し、内部は中空となってい
る。外皮部23aの内側に形成された中空部23bと外
部空間とは一対の筒状の連絡部23c,23dにそれぞ
れ形成された通孔を介して連通されている。この立体モ
デル23には、外皮部23aの形状の維持を目的として
当該外皮部23aを支持する複数のサポート部23eが
中空部23b内に形成されている。
【0036】消失鋳造時には、このように形成された立
体モデル23を、同図に示すように、立体モデル23を
型枠17内の所定の位置に設置する。次に、使用する金
属溶湯の温度において形状の維持が可能な鋳型材(鋳
砂)18を充填する。このとき、一対の連絡部23c,
23dの先端の開口を含む一部は外部空間に露出させた
状態とする。
【0037】その後、鋳型材18をその形状の維持が可
能なまで硬化させて鋳型30としたのち型枠17を取り
外し、立体モデル23が埋没された鋳型30を電気加熱
炉(例えば、図11に示した電気加熱炉19と同様なも
の)内に設置する。但し、この時点では、電気加熱炉内
に必ずしも設置する必要はなく、後の消失工程を実施す
るときに電気加熱炉内に設置するようにしてもよい。
【0038】次いで、図1に示すように、鋳型30から
露出している連絡部23c,23dに循環・吸引装置の
ホース26,27をそれぞれ接続する。循環・吸引装置
は、ホース26,27、加熱器31、循環ポンプ32、
配管24及び吸引ポンプ25などを備えて構成され、鋳
型30から露出している連絡部23cに加熱器31にそ
の一端が接続されたホース26の他端を接続し、連絡部
23dに循環ポンプ32にその一端が接続されたホース
27の他端を接続する。加熱器31と循環ポンプ32は
配管24を介して接続されており、配管24には吸引ポ
ンプ25が接続されている。
【0039】この循環・吸引装置が作動されることによ
り、加熱器31により立体モデル23を加熱して軟化さ
せるに十分な温度に加熱された液体28が循環ポンプ3
2により送られて、ホース26、立体モデル23の中空
部23b、ホース27、及び配管24内を流通・循環さ
れる。立体モデル23はその中空部23b内を流通され
る加熱された液体28により内側から加熱され、軟化し
て変形が容易な状態となる。なお、このとき、前記電気
加熱炉を所定の温度に制御して、鋳型30を外側からも
加熱するようにしてもよい。
【0040】その後、加熱器31及び循環ポンプ32の
作動を停止して、吸引ポンプ25をを作動して、立体モ
デル23の中空部23b内の液体の一部を負圧吸引し
て、外部に排出することにより、同図に示すように、立
体モデル23は収縮変形し、立体モデル23と鋳型30
との間に空間が生じる。
【0041】次に、電気加熱炉を作動して、鋳型30を
加熱して乾燥させるとともに、さらに高温加熱して、鋳
型30の内部の立体モデル23を燃焼消失させることに
より、立体モデル23と同じ形状の空間が鋳型30に形
成されることになる。この燃焼消失時の昇温により立体
モデル23は膨張するが、立体モデル23を予め収縮変
形させているので、当該膨張による伸び代分が立体モデ
ル23と鋳型30との間に形成された空間により吸収さ
れ、鋳型の破損が防止される。
【0042】このような消失鋳造方法により製造された
鋳型30の湯口(立体モデル23の連絡部23c,23
dにより形成される)から金属溶湯を注入し、冷却硬化
させたのち、鋳型30を除去することにより、目的とす
る鋳物が製造される。
【0043】立体モデル23の中空部23b内を流通さ
れる液体28としては、特に限定されないが、立体モデ
ル23を構成する硬化樹脂の軟化温度が100°C未満
であれば、水を使用することができ、硬化樹脂の軟化温
度が100°C以上であれば、鉱物油や植物油などを使
用することができる。
【0044】第2実施形態 図3は本発明の消失鋳造方法の第2実施形態を説明する
ための図である。前記第1実施形態と実質的に同一の構
成部分については同一の番号を付してその説明は省略す
ることにし、異なる部分についてのみ説明する。
【0045】すなわち、この第2実施形態では、液体の
体積を計量する計量容器29を備えており、循環・吸引
装置の吸引ポンプ25により吸引して外部に排出した液
体28を計量容器29で収集し、その体積を計測するよ
うにしている。
【0046】液体は空気などの気体と比較して圧力によ
る体積変化は極めて小さいので、吸引・排出した液体の
量(体積)と立体モデル23の収縮変形量はほぼ比例関
係にあると考えられる。
【0047】従って、液体の吸引・排出量を計量容器2
9で計量することにより、立体モデル23と鋳型30と
の間に、燃焼消失工程で該立体モデル23が熱膨張して
もその応力が鋳型30に伝達されない程度の空間が形成
されるために必要な収縮変形量となったか否かを、鋳型
30を破壊することなく判断することができる。
【0048】第3実施形態 図4は本発明の消失鋳造方法の第3実施形態を説明する
ための図である。前記第1及び第2実施形態と実質的に
同一の構成部分については同一の番号を付してその説明
は省略することにし、異なる部分についてのみ説明す
る。
【0049】すなわち、この第3実施形態では、鋳型3
0にその表面から内部に埋設された立体モデル23の表
面に至る複数の通気孔33a,33b,33c,33d
を設け、立体モデル23の収縮工程において、外気を通
気孔33a,33b,33c,33dを介して導入でき
るようにした。
【0050】立体モデル23の収縮工程において、液体
28を吸引して立体モデル23を収縮変形させる際に
は、立体モデル23と鋳型30との間の部分は負圧にな
る場合があり、そのままでは、立体モデル23の収縮変
形の妨げとなるが、鋳型30に上記のような通気孔33
a,33b,33c,33dを形成することにより、立
体モデル23の収縮変形に伴い、立体モデル23と鋳型
30の間の部分にかかる通気孔33a,33b,33
c,33dを介して外気が導入される。これにより、立
体モデル23と鋳型30の間の部分は大気圧となって、
負圧にならないので、立体モデル23の鋳型30からの
剥離が促進されるとともに、収縮変形の妨げとなること
もない。
【0051】第4実施形態 図5は本発明の消失鋳造方法の第4実施形態を説明する
ための図である。前記第1〜第3実施形態と実質的に同
一の構成部分については同一の番号を付してその説明の
一部は省略することにし、異なる部分を中心に説明す
る。
【0052】すなわち、この第4実施形態では、鋳型3
0にその表面から内部に埋設された立体モデル23の表
面に至る複数の通気孔33a,33bを設けている。そ
して、通気孔33aにその一端が圧縮空気を供給するコ
ンプレッサ35に接続されたホース37の他端を接続す
るとともに、通気孔33bにその一端が圧縮空気を供給
するコンプレッサ36に接続されたホース38の他端を
接続している。
【0053】立体モデル23の収縮工程において、吸引
ポンプ25により液体28を吸引するのと並行して、コ
ンプレッサ35,36を作動して、ホース37,38及
び通気孔33a,33bを介して、立体モデル23と鋳
型30の間に圧縮空気を積極的に供給するようにした。
これにより、立体モデル23の鋳型30からの剥離が促
進されるとともに、立体モデル23はかかる空気圧によ
って外側から圧力を受けるので、その収縮変形も促進さ
れる。
【0054】なお、立体モデル23の連絡部23c,2
3dと鋳型30の間の隙間から、コンプレッサ35,3
6により供給した空気が漏れるのを防止するため、シー
ル材39a,39bを設けている。これによっても、立
体モデル23の収縮変形がさらに促進される。
【0055】第5実施形態 図6は本発明の消失鋳造方法の第5実施形態を説明する
ための図である。前記第1および第2実施形態と実質的
に同一の構成部分については同一の番号を付してその説
明は省略することにし、異なる部分についてのみ説明す
る。
【0056】すなわち、この第5実施形態では、立体モ
デル23の中空部23b内に複数の超音波振動子41,
41を挿入配置して、電源装置42から電線を介して超
音波振動子41,41に通電することにより、超音波振
動子を振動させるようにしている。立体モデル23の収
縮工程において、吸引ポンプ25により液体28を吸引
するのと並行して、超音波振動子41,41を振動させ
ることにより、この振動が中空部23b内の液体28を
介して、あるいは直接に立体モデル23に伝達され、こ
の振動作用により立体モデル23の鋳型30からの剥離
性が向上し、立体モデル23の収縮変形が促進される。
【0057】第6実施形態 図7は本発明の消失鋳造方法の第6実施形態を説明する
ための図である。前記第1および第2実施形態と実質的
に同一の構成部分については同一の番号を付してその説
明は省略することにし、異なる部分についてのみ説明す
る。
【0058】すなわち、この第6実施形態では、立体モ
デル23の中空部23b内を流通・循環させる液体28
に複数の粒状の固形物43を混入した。立体モデル23
の加熱工程において、加熱された液体28を流通させる
と、立体モデル23の内壁に複数の固形物43が衝突
し、その際の衝突力によって生じる振動により立体モデ
ル23の鋳型30に対する密着性が弱くなる。
【0059】従って、後に行われる収縮工程において、
吸引ポンプ25により液体28を吸引して、立体モデル
23を収縮変形させたときの立体モデル23の鋳型30
からの剥離性が向上し、立体モデル23の収縮変形が促
進される。粒状の固形物43の形状としては、例えば、
球、直方体、四面体、星型などとすることができ、その
形成材料としては、鉄、ステンレスなどの金属、あるい
はセラミックスなどを用いることができる。
【0060】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消失鋳造方法の第1実施形態を説明す
るための一部を断面とした構成図である。
【図2】本発明の消失鋳造方法の第1実施形態を説明す
るための断面図である。
【図3】本発明の消失鋳造方法の第2実施形態を説明す
るための一部を断面とした構成図である。
【図4】本発明の消失鋳造方法の第3実施形態を説明す
るための一部を断面とした構成図である。
【図5】本発明の消失鋳造方法の第4実施形態を説明す
るための一部を断面とした構成図である。
【図6】本発明の消失鋳造方法の第5実施形態を説明す
るための一部を断面とした構成図である。
【図7】本発明の消失鋳造方法の第6実施形態を説明す
るための一部を断面とした構成図である。
【図8】一般的な光学的造形装置を示す構成図である。
【図9】立体モデルの一例を示す断面図である。
【図10】従来の消失鋳造方法を説明するための一部を
断面図である。
【図11】従来の消失鋳造方法を説明するための一部を
断面とした構成図である。
【図12】従来の消失鋳造方法を説明するための一部を
断面とした構成図である。
【符号の説明】
1…容器 2…光硬化性樹脂 3…光硬化性樹脂液面 4…レーザ 5…ミラー 6…ミラー駆動装置 7…レンズ・シャッター・レーザ装置 8…エレベータ 9…テーブル 10…エレベータ駆動装置 11…コンピュータ 17…型枠 18…鋳型材(鋳砂) 23…立体モデル(消失模型) 23a…外皮部 23b…中空部 23c,23d…連絡部 24…配管 25…吸引ポンプ 26,27…ホース 28…液体 29…計量容器 30…鋳型 31…加熱器 32…循環ポンプ 33a,33b,33c,33d…通気孔 35,36…コンプレッサ 41…超音波振動子 43…固形物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 光夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 坂田 尚志 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田中 一彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4E093 GA05 GC00 GD01 GD10 MA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部と該中空部に連通する開口を有す
    る樹脂からなる立体モデルを、前記開口を外部に露出さ
    せた状態で鋳型材に埋設する埋設工程と、 前記鋳型材を硬化させて鋳型とした後に、前記開口を介
    して前記中空部内に加熱した液体を流通させて前記立体
    モデルを内側から加熱する加熱工程と、 前記中空部内から前記液体の一部を吸引して前記立体モ
    デルを収縮させる収縮工程と、 前記立体モデルを消失させる消失工程と、 を含むことを特徴とする消失鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記収縮工程で前記中空部内から吸引し
    た液体の体積を計測することを特徴とする請求項1記載
    の消失鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記鋳型に該鋳型の表面から内部の立体
    モデルの表面に至る通気孔を設けたことを特徴とする請
    求項1または2記載の消失鋳造方法。
  4. 【請求項4】 前記収縮工程の実施中に、前記通気孔を
    介して空気圧を供給することを特徴とする請求項3記載
    の消失鋳造方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱工程の実施中に、前記中空部内
    の液体に振動を加えることを特徴とする請求項1〜4の
    何れかに記載の消失鋳造方法。
  6. 【請求項6】 前記液体に複数の固形物を混入し、該固
    形物を該液体とともに前記中空部内で流通させることを
    特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の消失鋳造方
    法。
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