JP4665638B2 - エンジンのバランサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのバランサ装置、特にオイルポンプ付きのバランサ装置に関する。
エンジンのバランサ装置では、互いに逆方向に回転する一対のバランサシャフトがクランクシャフトと平行な関係を保って回転するようにバランサハウジングに支持されている。この種のバランサ装置に関し、特許文献1には、バランサユニットをエンジン本体の下部に締結してオイルパン内に配置して、両バランサシャフトのうちの第1バランサシャフトをクランクシャフトによって回転駆動し、この第1バランサシャフトによって第2バランサシャフトを同期用のギヤ伝動手段を介して駆動するとともに、第2バランサシャフトによってオイルポンプを駆動することが記載されている。このオイルポンプは、第2バランサシャフトに直結されていて、バランサシャフトと同じ回転数で回転するようになっている。
米国特許第5535643号明細書
ところで、例えば直列4気筒エンジンではエンジン回転数の2倍の回転数でバランサシャフトを回転させるが、オイルポンプをバランサシャフトに直結してそのような高速回転をさせることはポンプ効率としては必ずしも好ましくものではない。それは、つまり、オイルポンプは必要なオイル流量及びオイル圧をエンジンの低中速回転域で確保できるように設定され、高回転域ではオイル圧を一定にすべくリリーフ機構を働かせるようにされている。従って、オイルポンプをバランサシャフトと同じ回転数で作動させると、ほとんどのエンジン回転域でリリーフ機構が働き、仕事の効率が悪くなる。
一方、一対のバランサシャフトを同期回転させるためのギヤとしては、噛合い騒音を抑制する、ないしは噛合い伝達効率を高める観点から、スパーギヤではなくヘリカルギヤも採用されている。しかし、ヘリカルギヤの場合、その駆動側と被動側との噛合いにより両バランサシャフトに逆方向のスラスト力が働くことから、該スラスト力がバランサシャフトの回転抵抗になり、その低減が望まれる。
そこで、本発明は、バランサシャフトの回転力をオイルポンプの駆動に利用するにあたり、オイルポンプを効率的に駆動するとともに、バランサシャフトの回転抵抗を低減することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために、オイルポンプをバランサシャフトによって減速回転させるとともに、オイルポンプ駆動用バランサシャフトに設ける同期用ギヤとポンプ駆動用ギヤとしてヘリカルギヤを採用し、それらヘリカルギヤによるスラスト力が互いに打ち消されるようにした。
請求項1に係る発明は、クランクシャフトと平行に設けられ且つ重心が軸心から外れるようにするマス部を各々有する第1バランサシャフト及び第2バランサシャフトを備え、第1バランサシャフトがクランクシャフトによって回転駆動され、第2バランサシャフトが第1バランサシャフトによって同期用のギヤ伝動手段を介して回転駆動されるバランサユニットがエンジン本体に設けられているエンジンのバランサ装置であって、
上記第1バランサシャフトの一端側に配置され、上記第2バランサシャフトによりギヤ伝動手段を介して減速駆動されるオイルポンプを備え、
上記第1バランサシャフトの他端側に上記クランクシャフトの回転駆動力を伝達すべくチェーン伝動手段が設けられ、
上記同期用のギヤ伝動手段は、上記第1バランサシャフト及び上記第2バランサシャフトの各々に結合され互いに噛み合うヘリカルギヤによって構成され、
上記オイルポンプ駆動用のギヤ伝動手段は、上記第2バランサシャフトとオイルポンプ駆動軸とにそれぞれ結合され互いに噛み合うヘリカルギヤによって構成され、
上記第2バランサシャフトの一端側に上記オイルポンプ駆動用のヘリカルギヤが設けられ、
上記第2バランサシャフトに結合された上記同期用のヘリカルギヤと、該第2バランサシャフトに結合された上記オイルポンプ駆動用のヘリカルギヤとは、互いに逆方向のスラスト力が生ずるように設けられていることを特徴とする。
従って、バランサシャフトによってオイルポンプを減速駆動するようにしたから、該オイルポンプの回転数が過度に高くなることが避けられ、そのことによって吐出オイルのリリーフが抑制されて、該オイルポンプの作動効率が高くなり、ひいてはエンジンの効率が高くなる。
また、第2バランサシャフトに結合された同期用のヘリカルギヤと、該第2バランサシャフトに結合されたオイルポンプ駆動用のヘリカルギヤとは、互いに逆方向のスラスト力を生ずるように設けられているから、その相殺によって当該バランサシャフトに働くスラスト力が軽減され、該バランサシャフトの回転抵抗が小さくなる。よって、バランサシャフトの回転の安定化、潤滑、ひいてはエンジンの効率化に有利になる。
しかも、オイルポンプをチェーン伝動手段との干渉を招くことなく配置することができ、バランサシャフト、オイルポンプ、ギヤ伝動手段及びチェーン伝動手段を全体がコンパクトになるようにレイアウトする上で有利になる。
また、上記両バランサシャフトのうちの上記チェーン伝動手段が設けられた上記第1バランサシャフトではスラスト力の相殺効果は得られないが、当該バランサシャフトでは伝動チェーンによってスラスト力の一部が受けられるので、スラスト受け部を設ける場合でも大きな回転抵抗になることはない。
すなわち、本発明によれば、両バランサシャフトのうち、上記チェーン伝動手段によってスラスト力が受けられない上記第2バランサシャフトにおいて、上述のスラスト力の相殺を生ずるようにされているので、その相殺効果が顕著になり、従って、両バランサシャフト共にスラスト力による回転抵抗が小さくなる。
請求項2に係る発明は、請求項1において、
上記第1バランサシャフト及び上記第2バランサシャフト各々は、上記マス部を挟んでその軸方向の両側が軸受によって支持され、
上記両側の軸受のうちの一方の軸受を挟んで上記マス部の反対側に上記第1バランサシャフトと上記第2バランサシャフトとの同期用のギヤ伝動手段が配置され、
上記両側の軸受のうちの他方の軸受を挟んで上記マス部の反対側に上記第2バランサシャフトと上記オイルポンプとのギヤ伝動手段が配置されていることを特徴とする。
従って、マス部両側の軸受各々が該マス部とギヤ伝動手段とをバランス良く支持することになり、マス部及び2つのギヤ伝動手段の支持が安定なものになる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2において、
上記第1バランサシャフト及び上記第2バランサシャフトを収容するバランサハウジングと、上記オイルポンプのハウジングとが別体で形成されて、該両ハウジングが互いにボルトによって締結されていることを特徴とする。
従って、バランサハウジングにバランサシャフトを組み込んでバランサユニット側を形成した後、これにオイルポンプを組み付けることができ、製作が容易になる。
請求項4に係る発明は、請求項3において、
上記バランサハウジングの下部にオイルストレーナを取り付けるオイル吸入口が設けられ、該オイル吸入口から上記オイルポンプに至るオイル吸入路が上記バランサハウジングとポンプハウジングとに跨って連続するように形成されていることを特徴とする。
すなわち、上述の如くバランサハウジングにポンプハウジングを締結する構造を採用した場合、オイルストレーナをエンジン長手方向の略中央に配置することが難しくなることがある。そこで、バランサハウジングにオイル吸入口を設け、このバランサハウジングを有効に活用してオイルポンプのサクション系を構成するようにしたものである。よって、オイルストレーナをエンジン長手方向の略中央に配置することが容易になる。
以上のように、本発明によれば、一対のバランサシャフトのうちの第1バランサシャフトがクランクシャフトによって回転駆動され、第2バランサシャフトが第1バランサシャフトによって同期用のギヤ伝動手段を介して回転駆動されるエンジンのバランサ装置において、第1バランサシャフトの一端側に配置され、第2バランサシャフトによりギヤ伝動手段を介して減速駆動されるオイルポンプを備え、第1バランサシャフトの他端側に上記クランクシャフトの回転駆動力を伝達すべくチェーン伝動手段が設けられ、上記同期用のギヤ伝動手段は、第1バランサシャフト及び第2バランサシャフトの各々に結合され互いに噛み合うヘリカルギヤによって構成され、上記オイルポンプ駆動用のギヤ伝動手段は、第2バランサシャフトとオイルポンプ駆動軸とにそれぞれ結合され互いに噛み合うヘリカルギヤによって構成され、第2バランサシャフトの一端側に上記オイルポンプ駆動用のヘリカルギヤが設けられ、第2バランサシャフトに結合された上記同期用のヘリカルギヤと、該第2バランサシャフトに結合された上記オイルポンプ駆動用のヘリカルギヤとは、互いに逆方向のスラスト力が生ずるように設けられているから、オイルポンプの作動効率、ひいてはエンジンの効率が高くなるとともに、オイルポンプをチェーン伝動手段との干渉を招くことなく配置することができ、バランサシャフト、オイルポンプ、ギヤ伝動手段及びチェーン伝動手段を全体がコンパクトになるようにレイアウトする上で有利になり、しかも、両バランサシャフトのうち、上記チェーン伝動手段によってスラスト力が受けられない第2バランサシャフトにおいて、スラスト力の相殺を生ずるようにされているので、その相殺効果が顕著になり、従って、両バランサシャフト共にスラスト力による回転抵抗が小さくなり、その回転の安定化、潤滑、ひいてはエンジンの効率化に有利になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<エンジン全体の概略構成>
図1に示すエンジンのバランサ装置において、1は直列4気筒の直噴ディーゼルエンジン本体、2はバランサユニットである。エンジン本体1において、3はシリンダブロック、4はシリンダブロック3の上面に結合されたシリンダヘッド、5はシリンダブロック3の下面に結合されたロアブロック、6はシリンダヘッドカバー、7はロアブロック5の下面に結合されたオイルパンである。バランサユニット2の後部にはオイルポンプ8が結合されている。このバランサユニット2とオイルポンプ8とは、ロアブロック5の下面に結合されて、オイルパン7内に収容されている。
エンジン本体1の前面側(タイミングチェーン類が配置される側)において、シリンダブロック3にタイミングケース11が結合され、このタイミングケース11を覆うようにタイミングケースカバー12が設けられている。シリンダブロック3にはウォータポンプ13、サーモスタット弁14等が配置されているとともに、上記タイミングケース11に支持させて燃料噴射用の高圧燃料ポンプ15が設けられている。シリンダヘッド4には吸気マニホールド16、燃料噴射用コモンレール17、バキュームポンプ18等が配置され、ロアブロック5の側面には水冷のオイルクーラ19及びオイルフィルタ20が配置されている。燃料ポンプ15とコモンレール17とは燃料の供給パイプ21及び戻しパイプ22によって接続され、ウォータポンプ13とオイルクーラ19とは冷却水の供給パイプ23及び戻しパイプ24によって接続されている。
タイミングケースカバー12は、図2に示すように、シリンダヘッド4、タイミングケース11、ロアブロック5及びオイルパン7各々の前面に設けられたフランジに結合されており、これら各部材とタイミングケースカバー12との間に、タイミングチェーン、その他のチェーン伝動手段が設けられている。
すなわち、図2において、26,27はクランクシャフト25に結合された大小のクランクプーリ、28は吸排気弁駆動用の各カムシャフトに結合されたカムプーリ、29は燃料ポンプ15用のポンププーリ、30はバランサユニット2用のバランサプーリ、31,32は同軸に設けられた大小のアイドルプーリである。これらプーリ26〜32はいずれもスプロケットである。
そうして、小径クランクプーリ27、ポンププーリ29及び大径アイドルプーリ31に燃料ポンプ駆動用の伝動チェーン33が巻き掛けられ、カムプーリ28,28と小径アイドルプーリ32とにタイミングチェーン34が巻き掛けられ、大径クランクプーリ26とバランサプーリ30とにバランサユニット駆動用の伝動チェーン35が巻き掛けられている。
<バランサユニット,オイルポンプ>
図3及び図4に示すように、バランサユニット2は、エンジン前後方向に(クランクシャフト25の軸線と平行に)延びる一対のバランサシャフト41,42をバランサハウジングに収容してなる。バランサハウジングは、アッパハウジング43とロアハウジング44とを上下に合わせて形成されており、このバランサハウジング43,44の後面にオイルポンプ8のポンプハウジング45がボルト40によって結合されている。
図5にも示すように、バランサシャフト41,42は、各々の重心が軸心から外れるようにするマス部41a,42aを有し、該マス部41a,42aを挟んだ前端側と後端側とが、バランサハウジング43,44に形成された前後の軸受46,47に回転自在に支持されている。バランサシャフト41,42の軸心は、クランクシャフト25の軸心を通る垂直面に関して同一水平面内で左右対称になるように平行に配置されている。また、バランサシャフト41,42の軸受46,47に支持される部分には半割状の軸メタルが嵌められている。
バランサシャフト41,42の前端部には、同期用のギヤ伝動手段として、互いに噛み合う同径のギヤ48,49が結合されている。この噛み合いにより、両バランサシャフト41,42は、マス部41a,42aが常に互いに同じ高さに位置するように同期して逆方向に回転するようになされている。このギヤ48,49としてはヘリカルギヤが採用されている。両バランサシャフト41,42各々は、その上半周側が内側から外側へ向かうように回転する。
バランサハウジング43,44には、前後の軸受46,47間にバランサシャフト41,42の上記マス部41a,42aを収容するマス部収容室51が形成され、さらに、前部軸受46の前方に上記ギヤ48,49を収容するギヤ収容室52が形成されている。すなわち、前部軸受46が形成された軸受部50はマス部収容室51とギヤ収容室52との間にあって、両収容室51,52を仕切っており、この前部軸受46を挟んで、マス部41a,42aの反対側にギヤ48,49が配置されている。
バランサシャフト41(以下、第1バランサシャフト41という)の上記ギヤ収容室52に収容されたヘリカルギヤ48よりさらに前方へ突出した軸端に、上述のバランサプーリ30が結合されている。クランクシャフト25に結合された大径クランクプーリ26とバランサプーリ30とのギヤ比は2である。
従って、バランサシャフト41,42は、第1バランサシャフト41の前端のバランサプーリ30にクランクシャフト25の回転駆動力を受け、上記ヘリカルギヤ48,49の噛み合いにより互いに同期して、エンジン回転数の2倍の回転数で回転することになる。
また、後部軸受47を挟んで上記マス部41a,42aの反対側にポンプ駆動用のギヤ伝動手段が配置されている。このギヤ伝動手段は、図4に示すように、バランサシャフト42(以下、第2バランサシャフト42という)の軸端に結合した伝動ギヤ53と、オイルポンプ8の駆動軸に結合された伝動ギヤ54とを噛み合わせたものである。上記ポンプ駆動用伝動ギヤ53,54としてはヘリカルギヤが採用されている。オイルポンプ8側の伝動ギヤ54は第2バランサシャフト42側の伝動ギヤ53よりも歯数が多い大径ギヤである。
従って、オイルポンプ8は、クランクシャフト25の回転駆動力を、第1バランサシャフト41から第2バランサシャフト42及び伝動ギヤ53,54を介して受けることにより、減速して駆動される。
また、図5及び図6に示すように、第1バランサシャフト41には、前部軸受(ラジアル軸受)46が形成された軸受部50のマス部収容室51側の面及びギヤ収容室52側の面をスラスト移動の規制面(スラスト軸受)とする、相対向する環状のスラスト受面41b,41cが形成されている。図示は省略するが、第2バランサシャフト42にも、図5に示すように、軸受部50の両端面をスラスト移動の規制面とする相対向する環状のスラスト受面42b,42cが形成されている。従って、両バランサシャフト41,42は、軸方向の移動が相対向するスラスト受面41b,41c、42b,42cによって規制される。
そうして、第2バランサシャフト42の同期用ヘリカルギヤ49とポンプ駆動用ヘリカルギヤ53とは、互いに逆方向のスラスト力が生ずるように、各々の歯スジが互いに同方向にねじれている。
すなわち、図3にスラスト力の働く方向を矢符で示すように、同期用ギヤ伝動手段においては、第1バランサシャフト41に結合された駆動側ヘリカルギヤ48と第2バランサシャフト42に結合された被動側ヘリカルギヤ49との噛合いにより、互いに逆方向のスラスト力を生ずる。第2バランサシャフト42では後方へ向かうスラスト力となる。
一方、ポンプ駆動用ギヤ伝動手段においても、第2バランサシャフト42のヘリカルギヤ53とオイルポンプ8のヘリカルギヤ54との噛合いにより、互いに逆方向のスラスト力を生ずる。但し、第2バランサシャフト42のヘリカルギヤ53は、今度は駆動側ギヤとなるから、上述の如く歯スジが同期用の被動側ヘリカルギヤ49と同方向にねじれていることにより、第2バランサシャフト42に対して前方へ向かうスラスト力が働く。
従って、第2バランサシャフト42では、同期用ヘリカルギヤ48,49の噛合いと、ポンプ駆動用ヘリカルギヤ53,54の噛合いとにより、逆方向のスラスト力が与えられることになり、その相殺により、スラスト力が軽減されることになる。よって、第2バランサシャフト42のスラスト受面42b,42cと軸受部50との摩擦が小さくなり、すなわち、回転抵抗が小さくなり、該シャフトの潤滑、回転の安定化に有利になる。
一方、第1バランサシャフト41では、結合されているヘリカルギヤが1つであるから、上述の如き相殺によるスラスト力の軽減効果は得られないが、この第1バランサシャフト41に働くスラスト力は、軸端に結合したバランサプーリ30を介して伝動チェーン35によっても受けられる。よって、第1バランサシャフト41のスラスト受面41b,41cと軸受部50との摩擦が小さくなり、すなわち、回転抵抗が小さくなり、該シャフトの潤滑、回転の安定化に有利になる。
なお、第1バランサシャフト41によってヘリカルギヤ伝動手段を介してオイルポンプ8を駆動する場合では、第1バランサシャフト41に同期用とオイルポンプ駆動用の2つのヘリカルギヤを設けることになる。この場合は、その両ヘリカルギヤを各々の歯スジが互いに逆方向にねじれている構成にすることにより、この第1バランサシャフト41に互いに逆方向のスラスト力が働くようにすることができる。
バランサハウジング43,44の前部軸受46,46間及び該軸受46,46の両外側の各1カ所、並びに後部軸受47,47貫及び該軸受47,47の両外側の各1カ所の計6カ所にボルト孔56が設けられている。そして、このボルト孔56に締結用ボルト55を適用することにより、両バランサハウジング43,44は互いに結合されている。こ結合の際の両バランサハウジング43,44の位置決めのために、ロアハウジング44の6カ所のボルト孔56のうちの右側前後2カ所のボルト孔56には円筒状の位置決めピン57が嵌められている。この各位置決めピン57はアッパハウジング43側の右側前後2カ所のボルト孔56を位置決め孔として、これに嵌められるようになっている。
図3及び図5に示すように、アッパハウジング43のマス部収容室51及びギヤ収容室52各々の上部には、それら収容室51,52からオイルを排出するためのオイル排出口58,59が形成されている。マス部収容室51のオイル排出口58は、バランサシャフト41,42のマス部41a,42aに対応して2箇所設けられ、ギヤ収容室52のオイル排出口59も、同期用ギヤ48,49に対応して2箇所設けられている。これらオイル排出口58,59の周縁には、その全周にわたってハウジング本体より立ち上がった鍔58a,59aが形成されている。この鍔58a,59aは、アッパハウジング43、ひいてはバランサハウジング43,44全体の剛性を高める働きをするから、バランサシャフト41,42の安定した回転を図る上で有利になる。なお、オイルの排出については後に説明する。
<ロアブロック>
ロアブロック5は、図7に示すように、左右の前後方向に延びシリンダブロック3に締結される複数のボルト孔を有するフレーム60と、前後方向に間隔をおいて設けられ両フレーム60を連結して左右方向(クランクシャフト25と直交する横方向)に延びる複数(5本)の横桁61と、図8に示すように、相隣る横桁61同士をその下面側で繋ぐ連結壁62とを備えている。中央の横桁61を除く残り4本の横桁61には、クランクシャフト25のジャーナルを支持するジャーナル軸受の取付部63が設けられている。図7に示すように、各連結壁62の左右両側には、上方(シリンダブロック3側)から滴下するオイルをオイルパン7に回収するためのオイル回収口64が形成されている。また、ロアブロック5の左部には、左側のオイル回収口64を左右に分断して前後方向に延び相隣る横桁61同士を連結する連結フレーム66が設けられている。
また、ロアブロック5には、上記バランサユニット2及びオイルポンプ8を締結するためのボルト孔67が横桁61又は該横桁61の近傍の計6箇所に形成されているとともに、オイル通路が形成されている。この点について後述する。
<バランサユニットのロアブロックへの締結>
図3に示すように、バランサユニット2のバランサハウジング43,44の前部両側及び後部両側の計4カ所には、上下方向に延びるボルト孔を有するボルトボス部68が形成されている。一方、ロアブロック5の下面には、図9(エンジン本体1及びバランサユニット2を天地逆にして示す斜視図)に示すように、上記ボルトボス部68のボルト孔に対応するボルト孔67が開口している。バランサユニット2は、上記ボルトボス部68のボルト孔に通したボルト70をロアブロック5のボルト孔67に適用することにより、該ロアブロック5の下面に締結される。
本例では、バランサユニット2は、その後面にオイルポンプ8が結合された状態で該オイルポンプ8と共にロアブロック5に締結される。そのため、オイルポンプ8のポンプハウジング45にも2本の締結用ボルト70を適用するボルトボス部72が設けられている。
そうして、上記バランサユニット2のロアブロック5への締結に関して、該バランサユニット2をロアブロック5に位置決めするための第1及び第2の位置決めピン73,74がバランサユニット2に設けられている。図3に示すように、第1位置決めピン73は、バランサハウジング43,44の前部左側のボルトボス部68に近接して配置されている。一方、第2位置決めピン74は、前部左側のボルトボス部68に対して、バランサハウジング43,44の上記4箇所のボルトボス部68を結ぶ四辺形において対角の位置関係にある後部右側のボルトボス部68のボルト孔に配置されている。
第1位置決めピン73は、図10に示すように、その軸心部を軸方向に貫通するように形成されたオイルが通るオリフィス75を有し、バランサハウジング43のオイル導入口77に嵌められている。このオイル導入口77は、第1バランサシャフト41の側方(第1バランサシャフト41を挟んで第2バランサシャフト42の反対側)において前部左側ボルトボス部68に近接する位置に開口している。そうして、オイル導入口77に嵌められた第1位置決めピン73は、ロアブロック5のオイル供給口76にこれを位置決め孔として嵌合することにより、バランサユニット2をロアブロック5に位置決めすると同時に、ロアブロック5のオイル供給口76とバランサハウジング43のオイル導入口77とを接続する。
すなわち、この第1位置決めピン73は、上記位置決め機能だけでなく、ロアブロック5からバランサユニット2にオイル通路径を絞って潤滑用オイルを適量分配供給するためのオリフィス機能を兼ね備えている。第1位置決めピン73のオイル導入口77より突出した部位には、第1位置決めピン73とロアブロック5のオイル供給口76との間からのオイル洩れを阻止するOリング99が嵌められている。
なお、上記オイル供給口76及びオイル導入口77を含めて当該エンジンのオイル供給系については後に説明する。
一方、第2位置決めピン74は、図11に示すように、締結用のボルト70を通す孔を有する円筒状のものであって上記後部右側のボルトボス部68に嵌められている。そして、ロアブロック5のボルト孔69の入口部には、ねじ部よりも大径に形成してなる位置決め孔69aが形成されており、第2位置決めピン74は、位置決め孔69aに嵌合することにより、バランサユニット2をロアブロック5に位置決めする。
以上のように、第1位置決めピン73及び第2位置決めピン74が共にバランサユニット2のアッパハウジング43に設けられているから、バランサユニット2のロアブロック5への取付にあたり、その位置決め精度が高くなり、ボルト70による締結作業が容易になるとともに、バランサユニット2によるエンジン二次振動の低減に有利になる。
すなわち、本例のようにバランサハウジング43,44とポンプハウジング45とを結合してロアブロック5に締結する場合、バランサハウジング側とポンプハウジング側の各々に位置決め手段を設けることも考えられる。しかし、そうすると、バランサハウジング43,44とポンプハウジング45との製作誤差により、位置決めピン同士が干渉して位置決めが難しくなることがある。そこで、当該発明では、ポンプハウジング45側には配置決め手段を設けずに、バランサハウジング側に位置決めピンを集め、バランサユニット2を高い位置決め精度でもってエンジン本体1のロアブロック5に締結できるようにしたものである。
しかも、上記第1位置決めピン73と第2位置決めピン74とは、バランサユニット2の4箇所のボルトボス部68を結ぶ四辺形において実質的に対角の位置関係になるように配置されているから、上記位置決め精度の向上に更に有利になっている。
そうして、以上のような位置決めピン73,74によってバランサユニット2をロアブロック5に位置決めした状態で、ボルト70をバランサユニット2及びオイルポンプ8に適用することによってそれらがロアブロック5に締結されている。この場合、バランサユニット2及びオイルポンプ8が締結される位置は、ロアブロック5の剛性が高い横桁61又はその近傍であるから、それらの支持が安定したものになる。
<オイル供給系について>
次にオイルパン7からエンジン本体1の潤滑又は冷却を必要とする部位及びバランサユニット2へオイルを供給するオイル供給系について説明する。
−エンジン本体へのオイル供給−
まず、バランサユニット2のロアハウジング44の下面(エンジン長手方向の略中央に対応する位置)には、図12に示すようにオイルパン7のオイルをオイルポンプ8に吸入するためのオイル吸入口78が開口している。このオイル吸入口78には、図5及び図9にも示すように、ストレーナ79が嵌められ、ストレーナ押え80によって保持されている。ロアハウジング44の後面にはオイル吸入口78から後方へ延びるオイル吸入路81の出口が開口している。
図13に示すように、オイルポンプ8のポンプハウジング45の前面には上記ロアハウジング44のオイル吸入路81に接続されるポンプハウジング側オイル吸入路82の入口が開口している。本例のオイルポンプ8はトロコイド式であり、ポンプハウジング45の上面にオイル吐出路83の出口が開口している。
図7及び図14に示すように、ロアブロック5の後から2番目の横桁61には第1オイル通路84が形成されている。この第1オイル通路84は、オイルポンプ8から吐出されたオイルを図1に示すオイルクーラ19に供給するためのものであり、ロアブロック5の下面に入口が開口している。この入口は、ポンプハウジング45のオイル吐出路83の出口に対応するように配置され、オイルポンプ8がロアブロック5に締結されることによって、ポンプハウジング45のオイル吐出路83と第1オイル通路84とが接続されることになる。
また、第1オイル通路84は、上記ロアブロック下面の入口から上方へ延びた後に左へ向きを変えて延び、図15に示すように、ロアブロック5の左側面に出口が開口している。第1オイル通路84の出口は、オイルクーラ19がロアブロック5に締結されることによって、オイルクーラ19のオイル入口に接続される。
オイルクーラ19で冷却されたオイルは図1に示すオイルフィルタ20に供給され、このオイルフィルタ20を通過したオイルが再びロアブロック5の第2オイル通路85に供給される。この第2オイル通路85は、図15に示すように、その入口がロアブロック5の左側面に開口し、オイルフィルタ20をロアブロック5に締結することによって、該オイルフィルタ20の出口に接続される。
第2オイル通路85は、上記ロアブロック5の側面より連結フレーム66の位置まで右方向に延びた後、図16にも示すように、連結フレーム66の位置を通ってロアブロック5の前端部まで延びている。この第2オイル通路85の前後方向に延びる部位の途中より、上述のバランサユニット2にオイルの一部を分配供給するためのバランサ用オイル通路86が分岐して下方へ延び、ロアブロック5の下面にオイル供給口76が開口している(図10参照)。そして、このバランサ用オイル通路86、すなわち、第1位置決めピン73が嵌合するオイル供給口76は、図7でも明らかなように、バランサユニット2の前部左側ボルトボス部68に近接して配置されている。
上記第2オイル通路85は、オイルをエンジン本体1の各部に供給するために、ロアブロック5の前端の横桁61において右に折れ、該横桁61を通ってロアブロック5の右側に延び、次いで該右側で折れて前方へ延び、さらに、ロアブロック5の前端部において上方へ延びてロアブロック5の上面に出口87が開口している。
ロアブロック5の前端部上面には、図2に示すようにオイル上昇路88を有するタイミングケース11が載置される。この載置により、第2オイル通路85の出口87はタイミングケース11のオイル上昇路88に接続される。オイル上昇路88は、その上昇端においてシリンダブロック3を前後方向に延びるメインオイルギャラリー89に連絡している。
−バランサユニットへのオイル供給−
図17に示すように、バランサユニット2のアッパハウジング43には、上述のオリフィス付き第1位置決めピン73が嵌まるオイル導入口77より、オイル導入路91が下方へ延び、該オイル導入路91はアッパハウジング43の下面に開口している。アッパハウジング43とロアハウジング44との合わせ面には、図18(アッパハウジング43の底面図)に示すように、オイル導入路91より前部軸受46,46に延びる前部オイル供給路92と、オイル導入路91より後部軸受47,47に延びる後部オイル供給路93とが形成されている。
オイル導入路91は第1バランサシャフト41側の前部軸受46の側方に位置しており、前部オイル供給路92は、オイル導入路91より側方へ延びて、第1バランサシャフト41及び第2バランサシャフト42の各前部軸受46に達している。一方、後部オイル供給路93は、オイル導入路91よりマス部収容室51の側方を後方へ延びた後、側方へ曲がって、第1バランサシャフト41及び第2バランサシャフト42の各後部軸受47に達している。従って、オイル導入路91から前部軸受46に至る前部オイル供給路92の方が、オイル導入路91より後部軸受47に至る後部オイル供給路93よりも短くなっている。
上記前部及び後部の各オイル供給路92,93は、基本的にはアッパハウジング43に形成された溝92a,93a、溝92b,93b及び溝92c,93cによって構成されている。
すなわち、溝92a,93aは、アッパハウジング43の合わせ面に形成されていて、オイル導入路91よりボルト孔56を経由して第1バランサシャフト41の軸受46,47に延びている。溝92b,93bは、第1バランサシャフト側軸受46,47のアッパハウジング43側の面に形成されていて、溝92a,93aに続いて、当該軸受46,47を横切るように延びている。溝92c,93cは、アッパハウジング43の相隣る軸受46,46間及び軸受47,47間の合わせ面に形成されていて、溝92b,93bに続いて、ボルト孔56の位置を通って当該軸受間を横切るように延びて、第2バランサシャフト側軸受46,47に至っている。
上記オイル供給路92,93は、ボルト孔56の位置ではその孔径をボルト55よりも少し大きくすることよって、オイルがボルト55の周囲を巡って軸受46,47に達するようになされている。
図17に示すように、第1バランサシャフト41側前部軸受46のロアハウジング44の面には、前部オイル供給路92に連通して周方向に延びるオイル溜め溝94が形成されている。第1バランサシャフト41の後部軸受47のロアハウジング44の面にも、前部軸受46と同じく後部オイル供給路93に連通するオイル溜め溝(図示省略)が形成されている。
また、第2バランサシャフト42側前部軸受46のアッパハウジング43側及びロアハウジング44の各面には、前部オイル供給路92に連通して周方向に延びるオイル溜め溝95,95が形成されている。第2バランサシャフト42の後部軸受47のハウジング43,44の面にも、前部軸受46と同じく後部オイル供給路93に連通するオイル溜め溝(図示省略)が形成されている。
従って、オイルポンプ8から吐出されたオイルは、ロアブロック5の第2オイル通路85から第1位置決めピン73のオリフィス75を通ってバランサユニット2に供給される。このバランサユニット2へのオイル供給量が上記オリフィス75によって規制されることにより、第2オイル通路85からエンジン本体1の各部へのオイル供給が確保される。
そうして、第1位置決めピン73によって接続されるロアブロック5側のオイル供給口76の部位及びバランサユニット2側のオイル導入口77の部位は、バランサユニット2をロアブロック5に締結するボルトボス部68の近接していて、ボルト70による締結力が強く働く。すなわち、オイル供給口76の部位とオイル導入口77の部位とを圧接する高い面圧が働く。従って、オイル供給口76とオイル導入口77との第1位置決めピン73による接続が確実なものになり、ロアブロック5からバランサユニット2へオイルが供給される際のオイル洩れが防止される。
また、オイル導入路91から前部軸受46に至る前部オイル供給路92の方が、オイル導入路91より後部軸受47に至る後部オイル供給路93よりも短くなっているから、オイルは後部軸受47よりも途中の通路抵抗が小さい前部軸受46の方へ多く供給されることになり、バランスの良い潤滑に有利になる。すなわち、第1バランサシャフト41は伝動チェーン35によって上方へ引っ張られながらクランクシャフト25で回転駆動されることから、前部軸受46には大きな力が加わる。しかし、上述の如きオイル供給通路の構成により、エンジン本体1側からバランサユニット2側に分配するオイル量を多くしなくても、前部軸受46へのオイルの積極的な供給が図れる。よって、前部軸受46でのバランサシャフト41,42の潤滑不足が避けられ、バランサシャフト41,42の回転を安定させることができる。
軸受46,47に供給されたオイルは、その前後の両側からマス部収容室51、ギヤ収容室52等に流れ落ちる。上述の如く前部軸受46には後部軸受47よりも積極的にオイルが供給されるが、該前部軸受46の両側にはバランサシャフト41,42のスラスト受面41b,41c、42b,42cが配置されている。従って、前部軸受46に供給されたオイルがマス部収容室51及びギヤ収容室52に節度なく流れ落ちることはスラスト受面41b,41c、42b,42cによって規制される。すなわち、前部軸受46からギヤ収容室52にギヤ48,49の潤滑に必要な適量のオイルを供給することができ、前部軸受46へのオイル供給量を多くすることなくギヤ48,49の適切な潤滑を行なう上で有利になる。
そうして、上述の如くマス部収容室51及びギヤ収容室52に多量のオイルが流入しないので、マス部41a,42a及びギヤ48,49の回転抵抗の大きな増大を招くことない。また、それら収容室51,52に流入したオイルは後述するようにマス部41a,42a及びギヤ48,49の回転によって掻き出されるが、オイルの流入量が少ないということは、その掻き出しに必要な仕事量が少なくなるということであり、上記回転抵抗の低減と相俟って、エネルギーロスを少なくする上で有利になる。
<バランサユニットのオイル排出>
先に説明したように、バランサユニット2のマス部収容室51及びギヤ収容室52の上部に形成されたオイル排出口58,59は、それら収容室51,52にからオイルを排出するためのものである。そして、図7に示すように、ロアブロック5の相隣る横桁61を下面側で繋ぐ連結壁62は、上記バランサユニット2のオイル排出口58,59を上から覆うように設けられている。但し、図19に示すように、マス部収容室51及びギヤ収容室52各々の上縁(オイル排出口58,59の縁)と連結壁62との間にはオイルが該オイル排出口58,59からオイルパン7に排出されることを許容するオイル排出用間隙98が形成されている。
従って、シリンダブロック3から滴下するオイルがバランサユニット2のオイル排出口58,59からマス部収容室51及びギヤ収容室52に入ることは、上記連結壁62によって阻止される。そして、その滴下オイルは、連結壁62の両側のオイル回収口64からオイルパン7に落下して回収される。
一方、マス部収容室51及びギヤ収容室52のオイルは、両バランサシャフト41,42の回転によってオイル排出口58,59から排出されてオイルパン7に回収される。すなわち、バランサシャフト41,42各々が、その上半周側では内側から外側へ向かう方向に回転することに伴って、マス部収容室51のオイルはマス部41a,42aの当該方向への回転によって上記オイル排出口58から掻き出され、ギヤ収容室52のオイルはギヤ48,49の当該方向への回転によって上記オイル排出口59から掻き出される。
そうして、上述の如くオイル排出口58,59の縁と連結壁62との間にはオイル排出用間隙98が形成されているから、連結壁62は該オイル排出口58,59からのオイル排出の妨げにはならず、その掻き出されたオイルは当該間隙98を通ってオイルパン7に落下する。
また、上記オイル排出口58,59の縁では鍔58a,59aがアッパハウジング3の本体部から立ち上がっているから、この鍔58a,59aによってオイルがアッパハウジング43の上面を伝ってオイル排出口58,59に侵入することが阻止される。
<その他>
上記実施形態では、位置決めピン73,74によってバランサユニット2をロアブロック5に位置決めした状態で、ボルト70をバランサユニット2及びオイルポンプ8に適用してそれらをロアブロック5に締結するが、バランサユニット2とオイルポンプ8とに寸法誤差があると、オイルポンプ8とロアブロック2との締結が不十分になり、オイルポンプ8のオイル吐出路83とロアブロック5の第1オイル通路84との接続不良を生ずることも懸念される。
従って、オイルポンプ8をバランサユニット2に結合した状態でバランサユニット2をロアブロック5に締結したときに、オイルポンプ8とロアブロック5との締結面間に微小間隙を生ずるようにオイルポンプ8を形成しておき、図9に示すように、上記締結面間にスペーサとなる円筒状のカラー96を介在させ、このカラー96にボルト70を通してオイルポンプ8をロアブロック5に締結するようにしてもよい。すなわち、カラー96によって上記寸法誤差を吸収するものである。その場合、オイルポンプ8のオイル吐出路83とロアブロック5の第1オイル通路84との接続部のシールは、図9に示すように、その接続部にOリング97を介在させることによって確保することができる。
本発明に係るディーゼルエンジンの概略構成を示す側面図である。 同エンジンのタイミングチェーン等を示す正面図である。 同エンジンのバランサユニット及びオイルポンプを示す斜視図である。 アッパハウジングを外したバランサユニット及びオイルポンプを示す斜視図である。 同バランサユニットの分解斜視図である。 同バランサユニットの前部軸受部分の断面図である。 エンジン本体のロアブロックとバランサユニットとの関係を示す平面図である。 同関係を示す側面図である。 エンジン本体へのバランサユニットの取付態様をエンジン下面側から見た斜視図である。 オリフィス付き第1位置決めピンによるエンジン本体とバランサユニットとの位置決め部を示す断面図である。 第2位置決めピンによるエンジン本体とバランサユニットとの位置決め部を示す断面図である。 バランサユニットのオイルストレーナ部分を示す断面図である。 オイルポンプの斜視図である。 図9のA−A線でのロアブロックの断面図である。 ロアブロックの側面図である。 図9のB−B線でのロアブロックの断面図である。 バランサユニットの横断面図(図18のC−C線位置での断面図)である。 ロアブロックのアッパハウジングの底面図である。 図9のD−D線断面図である。
1 エンジン本体
2 バランサユニット
3 シリンダブロック
5 ロアブロック
7 オイルパン
8 オイルポンプ
20 オイルフィルタ
40 ポンプ締結ボルト
41,42 バランサシャフト
41a,42a マス部
41b,41c スラスト受面
42b,42c スラスト受面
43,44 バランサハウジング
45 ポンプハウジング
46 前部軸受
47 後部軸受
48,49 同期用ヘリカルギヤ
51 マス部収容室
52 ギヤ収容室
53,54 ポンプ駆動用伝動ギヤ
58,59 オイル排出口
58a,59a 鍔
61 横桁
62 連結壁
64 オイル回収口
68 ボルトボス部
70 締結ボルト
73 第1位置決めピン
74 第2位置決めピン
75 オリフィス
76 オイル供給口
77 オイル導入口
78 オイル吸入口
79 オイルストレーナ
81,82 オイル吸入路
84 第1オイル通路
85 第2オイル通路
86 バランサ用オイル通路
92 前部オイル供給路
93 後部オイル供給路
98 オイル排出用間隙

Claims (4)

  1. クランクシャフトと平行に設けられ且つ重心が軸心から外れるようにするマス部を各々有する第1バランサシャフト及び第2バランサシャフトを備え、第1バランサシャフトがクランクシャフトによって回転駆動され、第2バランサシャフトが第1バランサシャフトによって同期用のギヤ伝動手段を介して回転駆動されるバランサユニットがエンジン本体に設けられているエンジンのバランサ装置であって、
    上記第1バランサシャフトの一端側に配置され、上記第2バランサシャフトによりギヤ伝動手段を介して減速駆動されるオイルポンプを備え、
    上記第1バランサシャフトの他端側に上記クランクシャフトの回転駆動力を伝達すべくチェーン伝動手段が設けられ、
    上記同期用のギヤ伝動手段は、上記第1バランサシャフト及び上記第2バランサシャフトの各々に結合され互いに噛み合うヘリカルギヤによって構成され、
    上記オイルポンプ駆動用のギヤ伝動手段は、上記第2バランサシャフトとオイルポンプ駆動軸とにそれぞれ結合され互いに噛み合うヘリカルギヤによって構成され、
    上記第2バランサシャフトの一端側に上記オイルポンプ駆動用のヘリカルギヤが設けられ、
    上記第2バランサシャフトに結合された上記同期用のヘリカルギヤと、該第2バランサシャフトに結合された上記オイルポンプ駆動用のヘリカルギヤとは、互いに逆方向のスラスト力が生ずるように設けられていることを特徴とするエンジンのバランサ装置。
  2. 請求項1において、
    上記第1バランサシャフト及び上記第2バランサシャフト各々は、上記マス部を挟んでその軸方向の両側が軸受によって支持され、
    上記両側の軸受のうちの一方の軸受を挟んで上記マス部の反対側に上記第1バランサシャフトと上記第2バランサシャフトとの同期用のギヤ伝動手段が配置され、
    上記両側の軸受のうちの他方の軸受を挟んで上記マス部の反対側に上記第2バランサシャフトと上記オイルポンプとのギヤ伝動手段が配置されていることを特徴とするエンジンのバランサ装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    上記第1バランサシャフト及び上記第2バランサシャフトを収容するバランサハウジングと、上記オイルポンプのハウジングとが別体で形成されて、該両ハウジングが互いにボルトによって締結されていることを特徴とするエンジンのバランサ装置。
  4. 請求項3において、
    上記バランサハウジングの下部にオイルストレーナを取り付けるオイル吸入口が設けられ、該オイル吸入口から上記オイルポンプに至るオイル吸入路が上記バランサハウジングとポンプハウジングとに跨って連続するように形成されていることを特徴とするエンジンのバランサ装置。
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