JP4665610B2 - 誘導加熱発熱体、及び誘導加熱容器 - Google Patents

誘導加熱発熱体、及び誘導加熱容器 Download PDF

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Description

本発明は、電磁調理器などが備える電磁誘導加熱コイルにより発生する高周波磁界によって渦電流が誘起され、そのジュール熱により発熱して加熱対象物を加熱する誘導加熱発熱体、及びそのような誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器に関する。
近年、ガス機器が主流であった加熱調理機器に代わって、一般に、電磁調理器と称される加熱調理機器が、安全性、清潔性、利便性、経済性などの観点から、飲食業などにおける業務用のみならず、一般家庭においても広く普及するようになってきている。
しかしながら、この種の電磁調理器は、内部に備えた電磁誘導加熱コイルにより高周波磁界を発生させ、誘起された渦電流によって生じるジュール熱により加熱対象物を加熱するというものであるため、炎を使わずに加熱調理を行うことができる反面、その原理上、使用できる調理器具が限られてしまい、鉄、鉄ホーローなどの磁性金属からなる専用の調理器具を用いなければならないという不利があった。
このため、上記した電磁調理器の不利を解消するものとして、電磁調理器で使用可能な非磁性材料からなる種々の容器が提案されている。
例えば、特許文献1には、導電体を底部に埋設した電磁調理器用プラスチック容器が開示されている。また、特許文献2には、鋼板からなる発熱体を底面の内面に有する断熱素材からなる即席食品容器が開示されており、特許文献3には、非導電性材料からなる有底筒状の容器本体と、電磁誘導によって発熱する発熱体とを備えた誘導加熱調理用容器が開示されている。
また、特許文献4には、非磁性材料からなる容器本体と組み合わせて用いられる誘導発熱用具が開示されている。
特開平9−174557号公報 特開2000−287847号公報 特開2003−111668号公報 特開2001−37626号公報
しかしながら、特許文献1の容器は、導電体を表面に露出させることなく、完全に埋設させた状態で容器を形成するというものである。
したがって、特許文献1に開示された構成では、導電体が発する熱の全てが容器に及び、これによって容器が損傷するおそれがあるため、容器を形成するプラスチック原料としては、特許文献1に記載されているように、不飽和ポリエステルや、メラミン樹脂などの耐熱性樹脂に限定されてしまうばかりか、廃棄処理時に埋設された導電体を分別するのが困難であるという問題を有している。
また、特許文献2は、容器のままで加熱することができる即席食品容器を提供しようとするものであり、容器の素材として発泡ポリスチレン、紙などを例示するとともに、容器に対して発熱体を取り外し可能とすることができる旨の記載もあるが、発熱体に生じた熱による容器の損傷については何ら考慮されていない。
一方、特許文献3には、発熱体に凹部を形成し、発熱体と容器本体の底部との間に空間部を設けることで、発熱体と容器本体との接触面積を小さくするとともに、空間部の断熱効果や、空間部に浸入した水により、容器本体への熱の影響を抑制できる旨の記載がある。
しかしながら、特許文献3に開示された構成では、発熱体と容器本体との接触を全くなくすことはできない。このため、特許文献3の容器は、発熱体との接触部位において、容器本体が損傷してしまうおそれを未だに有しており、加熱対象物が大量の水を含むものであれば、水の循環による放熱効果を期待できるものの、例えば、炊飯に供する場合など、加熱対象物が含む水が、加熱過程で失われていくような場合は特に、発熱体との接触部位における容器本体の損傷は避けられず、さらには、加熱対象物を焦がしてしまうおそれもある。
したがって、結局のところ、特許文献3に開示された容器は、大量の水を含むものしか加熱対象とすることができず、その用途が限定されてしまうという問題を有していた。
また、特許文献4にあっては、整磁合金材料の透磁率を制御して、発熱体の特性温度を適宜設定することにより、発熱体の発熱量を抑えて容器の損傷を回避するとしている。
しかしながら、特許文献4の誘導発熱用具は、整磁合金材料を利用するものであるため、材料の選定が制限されることに加え、このような整磁合金材料を調製するには煩雑な手間を要し、特に、即席食品容器と組み合わせて用いた場合に、容器とともに使い捨てとするにはコストの釣り合いがとれず、コスト的な不利も無視することができないという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、電磁調理器などにより加熱対象物を加熱するに際して、きわめて簡易な構成により、使用する容器の損傷や、加熱対象物の焦げつきなどを防止することができる、低コストで、かつ、汎用性に優れた誘導加熱発熱体、及びそのような誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る誘導加熱発熱体は、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する導電部材を、前記導電部材の周囲を覆う熱伝導媒体とともに、封入部材内に封入してなる誘導加熱発熱体であって、前記熱伝導媒体が、液状物であり、前記封入部材が、気体の通過は許容するが、液体は通過させない大きさの連通孔を多数有するシート材で、前記封入部材に穿設されたガス抜き孔を塞ぐことによって形成されたガス抜き部を有する構成としてある。
このような構成とすることにより、加熱対象物を加熱するに際して用いる容器や、加熱対象物に、高周波磁界により誘起される渦電流によって発熱する導電部材が直接触れることがないため、導電部材が発する熱によって容器を損傷してしまったり、加熱対象物を焦がしてしまったりするのを防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱発熱体は、前記熱伝導媒体が、液状物である構成とすること、熱伝導媒体が封入部材内を対流して導電部材を均一に冷却し、導電部材の温度が局所的に高くなってしまうのを防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱発熱体は、前記封入部材が、気体の通過は許容するが、液体は通過させない大きさの連通孔を多数有するシート材で、前記封入部材に穿設されたガス抜き孔を塞ぐことによって形成されたガス抜き部を有する構成とすること、内圧の上昇により発熱体が破損してしまうのを防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱発熱体において、導電部材は、高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱するものであれば特に制限なく利用できるため、コストなどを考慮して任意に選択することが可能であり、例えば、前記導電部材が、金属板又は金属箔からなる構成とすることができる。
このような導電部材には、多数の細孔を穿設することにより、封入部材内での熱伝導媒体の対流を促して、導電部材がより均一に冷却されるようにするのが好ましいが、熱伝導媒体の対流によって導電部材の冷却効果を向上させるには、前記導電部材が、織布又は不織布からなる基材に導電被覆層を設けてなる構成とすることもできる。
また、本発明に係る誘導加熱発熱体は、一又は二以上の対流孔を任意の位置に設けた構成とすることもできる。
このような構成とすれば、発熱体の裏面側と表面側との間で加熱対象物が対流し易くなり、容器を損傷してしまったり、加熱対象物を焦がしてしまったりするなどの不具合をより効果的に防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱発熱体は、前記導電部材の渦電流密度が大きくなる位置に対応させて、前記封入部材を補強した構成とすることもできる。
このような構成とすれば、導電部材に局所的に温度が高くなる部分があったとしても、発熱体の破損や、発熱体の局所的な温度上昇を防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱発熱体は、前記導電部材の肉厚を変化させて、渦電流密度を均一にした構成とすることもできる。
このような構成とすれば、渦電流の流れ方向に直交する導電部材の断面積を一定にして渦電流密度を均一化し、導電部材の局所的な温度上昇を防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱発熱体は、前記導電部材の任意の位置を切り欠いたり、前記導電部材の任意の位置を薄肉にしたりすることにより、ヒューズ機能を付与することができる。
このような構成とすることで、きわめて簡易な構成によって、発熱体が一定以上の温度に発熱するのを防止することができる。
また、本発明に係る誘導加熱容器は、上記のような誘導加熱発熱体を備えた構成としてある。
このような構成とすることにより、上記誘導加熱発熱体は、容器を損傷することなく加熱対象物を加熱できるものであるため、容器本体を形成する材料に、耐熱性などの特性が要求されることなく、任意の非磁性材料にて容器本体を形成して、電磁調理器で使用可能な低コストの容器を容易に提供することができる。
このような本発明によれば、高周波磁界によって発熱する導電部材が、加熱対象物を加熱するに際して用いる容器や、加熱対象物に直接触れることがないため、導電部材が発する熱によって容器を損傷してしまったり、加熱対象物を焦がしてしまったりするのを防止することができ、また、導電部材は、高周波磁界によって発熱するものであれば任意に選択することができ、高コストの特殊な材料を用いて調製する必要もないため、コスト的にも有利である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明に係る誘導加熱発熱体の第一実施形態について説明する。
ここで、図1(a)は、本実施形態に係る誘導加熱発熱体の概略を示す上面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。また、図7は、本実施形態に係る誘導加熱発熱体の一使用例を示す概略図である。
図1に示す発熱体1は、電磁調理器10などが備える電磁誘導加熱コイルから発生する高周波磁界により渦電流が誘起され、そのジュール熱により発熱する導電部材2を、導電部材2とほぼ同形状の封入部材3内に、熱伝導媒体4とともに封入して構成されている。そして、このような発熱体1は、例えば、図7に示すように、電磁調理器10により加熱対象物Mを加熱するに際して、このときに使用する容器11が非磁性材料からなるものであっても加熱対象物Mの加熱が可能となるように、容器11の底部に配置して使用することができる。
本実施形態の発熱体1を、このような電磁調理器10を用いた加熱調理用途に利用するにあたり、高周波磁界によって発熱する導電部材2は、容器11や、加熱対象物Mに直接触れることがなく、導電部材2が発する熱は、熱伝導媒体4を介して加熱対象物Mを加熱することになる。このため、導電部材2が発する熱によって容器11を損傷してしまったり、加熱対象物Mを焦がしてしまったりするというような不具合を有効に回避することができる。
このとき、加熱対象物Mが液状である場合は特に、発熱体1の裏面側、すなわち、発熱体1と容器11との間に加熱対象物Mが滞留するのを防止するために、発熱体1の任意の位置(図示する例では、ほぼ中央)に発熱体1を貫通する対流孔5を設け、発熱体1の裏面側と表面側との間で、加熱対象物Mが対流し易くなるようにしておくのが好ましく、これにより上記の不具合をより有効に回避することが可能となる。
本実施形態において、熱伝導媒体4は、導電部材2に生じた熱を奪いつつ、発熱体1に接する加熱対象物Mに熱を伝えて加熱することができるものであればよい。本実施形態で使用可能な熱伝導媒体4に、特に制限はないが、導電部材2の局所的な温度上昇を避けるという観点から、封入部材3内を対流して、導電部材2の周囲から可能な限り均一に熱を奪う(冷却する)ことができるように、粘度の低い液状物であるのが好ましい。
より具体的には、水や、油類などを熱伝導媒体4として用いることができ、油類としては、封入部材3が破損するなどして漏れだした場合を考慮すると、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油などの食用油を一種又は二種以上混合して用いるのが好ましい。
ここで、上記「液状物」の概念には、常温では固形状の物であっても、発熱体1を使用する際に、導電部材2の発熱により溶融して流動性を示すものも含まれるものとする。したがって、熱伝導媒体4に用いる液状物としては、導電部材2の発熱により、使用時に液状物となる常温で固形の食用動植物油脂などを一種又は二種以上混合して用いてもよく、これらを上記した食用油と混合して用いることもできる。
また、熱伝導媒体4として、このような液状物を用いれば、熱伝導媒体4とともに封入されている導電部材2は、渦電流のつくる磁界により熱伝導媒体4中で浮き上がった状態となり、熱伝導媒体4が流動して導電部材2の下側に回り込んで導電部材2の下側における熱伝導媒体4の量が増大することとなるため、容器11の損傷をさらに有効に回避することができる。
また、図1に示す例において、封入部材3は、導電部材2とほぼ同形状の表面材3aと、裏面材3bとからなる二枚のフィルム材を、導電部材2の外形形状に沿って周縁をヒートシールすることにより、導電部材2と熱伝導媒体4とを封入するようにしているが、封入部材3の具体的な形態に特に制限はない。例えば、封入部材3は、図1(c)に示すように、側面部に補助部材3cを用いてシールした形態としてもよく、また、特に図示しないが、封入部材3は方形の平袋状のものとしてもよく、導電部材2と熱伝導媒体4とを封入した状態で製袋することによって、発熱体1が形成されるようにすることもできる。
なお、発熱体1を形成するにあたっては、例えば、先に導電部材2を入れた状態で封入部材3の一部に未シール部を残しておき、この未シール部から熱伝導媒体4を注入した後に未シール部をヒートシールすることにより、封入部材3を封止するなどすればよい。
本実施形態において、封入部材3に用いる素材は、導電部材2と熱伝導媒体4とを密封・封入することができるものであれば特に制限されない。例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂などからなるフィルム材を単層で、又は二種以上を積層したものを用いることができる。
このような素材を用いて封入部材3を形成するに際し、封入部材3は、内部の状態を目視により確認できるように全部、又は一部を透明としてもよく、また、任意の印刷や着色を施して意匠性を付与したり、使用上の注意事項を記載したりするようにしてもよい。
また、本実施形態における導電部材2は、高周波磁界によって渦電流が誘起され、その電気抵抗によりジュール熱を発生するものであればよく、例えば、板状又は箔状の種々の金属素材を用いることができる。本実施形態において、導電部材2として利用可能な金属としては、例えば、アルミニウム,ニッケル,金,銀,銅,白金,鉄,コバルト,錫,亜鉛など、又はこれらの合金などを挙げることができる。
このような導電部材2の具体的な形状は特に制限されないが、高周波磁界により誘起される渦電流の流れを考慮すると、図示するような円板状とするのが好ましい。
また、導電部材2には、特に、熱伝導媒体4として液状物を用いる場合に、封入部材3内での熱伝導媒体4の対流を促すことができるように、図2に示すような多数の内部対流孔2aを穿設しておくのが好ましい。これにより、導電部材2の周囲からよりいっそう均一に熱を奪って、導電部材2の局所的な温度上昇を抑制することができる。
なお、図2は、図1(b)において鎖線Bで囲む部分の拡大断面図である。
また、封入部材3内での熱伝導媒体4の対流を促すようことができるようにするためには、導電部材2は、上記したような構成とする代わりに、織布又は不織布からなる基材を用いて、その表面側と裏面側とを連通する多数の孔を残したまま、基材を形成する繊維の表面に、無電解メッキ又は塗布などの適宜手段により、上記した金属からなる導電被覆層を設けた構成とすることもできる。
さらに、導電部材2には、図3(a)に示すように、任意の位置に切欠部2bを形成しておくことにより、導電部材2にヒューズ機能を付与することもできる。
すなわち、導電部材2の一部を切り欠くと、切り欠いた分だけ径方向に沿う断面積の総和が他の部分に比べて小さくなり、この部分の断面を流れる渦電流密度が高くなって発熱量が相対的に大きくなる部分が生じるため、導電部材2が一定以上の温度に発熱すると、このような意図的に発熱量が大きくなるようにされた部分が先に破損して、例えば、図3(b)に示すような亀裂2cが生じて渦電流の流れを阻止し、ヒューズとしての機能を発揮する。
このように、導電部材2に切欠部2bを形成し、その形状や、切り欠く大きさなどを適宜調整することにより、伝導部材2が一定以上に加熱されるのを防止することができるが、このようなヒューズ機能は、同様の原理により、導電部材2の任意の位置を薄肉にすることによって実現することもでき、また、切欠部2bと、薄肉部との組み合わせによることもできる。
このとき、薄肉とする部分は、導電部材2の径方向に沿って形成するのが好ましく、これにより、渦電流の流れを阻止する亀裂2cが生じる方向を制御することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る誘導加熱発熱体の第二実施形態について説明する。
ここで、図4(a)は、本実施形態に係る誘導加熱発熱体の概略を示す上面図であり、図4(b)は、図4(a)のC−C断面図である。
本実施形態が、前述した第一実施形態と異なるのは、封入部材3にガス抜き部を形成している点にある。
すなわち、熱伝導媒体4に液状物を用いる場合、特に、熱伝導媒体4に水を用いる場合には、加熱対象物Mの加熱温度は、通常、水の沸点付近となるため、加熱調理時に熱伝導媒体4である水が沸騰して内圧が上昇することにより、発熱体1(封入部材3)が破袋するなどの不具合が生じるおそれがあるが、本実施形態では、封入部材3形成されたにガス抜き部から蒸気を逃がして、発熱体1の内圧上昇を抑制できるようにしてある。
このようなガス抜き部は、例えば、図4に示すように、封入部材3の任意の位置に一つ又は二以上のガス抜き孔6を穿設するとともに、気体(蒸気)の通過は許容するが、液体(水)は通過させない大きさの連通孔を多数有するシート材6aで、ガス抜き孔6を塞ぐことによって形成することができる。
本実施形態が前述した第一実施形態と異なるのは、以上の点であり、それ以外は同様の構成を備えているので、他の構成についての詳細な説明は省略する。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る誘導加熱発熱体の第三実施形態について説明する。
ここで、図5(a)は、本実施形態に係る誘導加熱発熱体の概略を示す上面図であり、図5(b)は、図5(a)のD−D断面図である。また、図6(a)は、本実施形態の変形例の概略を示す上面図であり、図6(b)は、図6(a)のE−E断面に相当する導電部材2の断面図である。
前述した第一実施形態において、図1に示した例では、発熱体1のほぼ中央に一つの対流孔5を設けているが、本実施形態として図5に示す例にあっては、発熱体1のほぼ中央に対流孔5aを設けるとともに、この対流孔5aを中心とする周囲に、四つの対流孔5bをほぼ等間隔に設けることによって、発熱体1の裏面側と表面側との間における加熱対象物Mの対流が、より容易に生じるようにしてある。
本実施形態において、対流孔5(5a,5b)の数や、その設ける位置は任意であり、図示する例には限られないが、発熱体1のほぼ中央以外の部位に対流孔5(5b)を設けると、第一実施形態において切欠部2bを形成する場合と同様に、対流孔5bを設けた部分における径方向に沿う断面積の総和が他の部分に比べて小さくなり、この部分の断面を流れる渦電流密度が高くなって発熱量が相対的に大きくなる。
切欠部2bなどを形成する代わりに、対流孔5bを設けることによっても導電部材2にヒューズ機能を付与することが可能であるが、ヒューズ機能を付与するための切欠部2bを別途形成する場合などには、対流孔5bを設けることによる発熱量の部分的な増大に対処する必要がある。
本実施形態は、このような対流孔5bを設けたことに伴う発熱量の部分的な増大による発熱体1の破損を防止するものである。
すなわち、図示するように、導電部材2の中心に対して同心円上に対流孔5bを設けると、一般には、対流孔5bを設けた部位において径方向に沿った、導電部材2の外径側の対流孔5bの縁部や、導電部材2の外周縁部で、発熱量が増大する傾向があるが、本実施形態は、このような発熱量の増大による発熱体1の破損を防止する。
本実施形態では、上記した発熱量が増大する傾向にある部位(図5(a)中鎖線で囲む部位)において、封入部材3の裏面側の基材フィルム3bの内面に断熱部7を形成し、封入部材3の破損や、発熱体1の局所的な温度上昇を防止するようにしてある。
封入部材3に形成する断熱部7は、例えば、封入部材3を形成するフィルム基材3bの肉厚を他の部分に対して厚肉とすることによって形成することができるが、封入部材3と同種又は異種のフィルム材や、その他の補強部材を、相当する部位に貼着することにより形成するのが、製造上容易であるため好ましい。
また、本実施形態は、図6に示すように変形実施することもできる。図6に示す変形例では、図6(a)中斜線で示す部分を導電部材2の肉厚を変化させた厚肉部2dとし、渦電流の流れ方向に直交する導電部材2の断面積がほぼ一定となるようにしており、これにより渦電流密度を均一化して、導電部材2の局所的な温度上昇が生じないようにしてある。
本実施形態が前述した第一実施形態と異なるのは、以上の点であり、それ以外は同様の構成を備えているので、他の構成についての詳細な説明は省略する。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記した実施形態では、発熱体1を円形状としたものを例に挙げたが、発熱体1の形状は、使用する容器11の底部の形状などに応じて種々の形状を採用することができる。また、使用する容器11の底部の形状が円形状であっても、発熱体1を方形にして、その四隅を容器11の側壁に沿わせるように立ち上がらせた状態で、発熱体1を容器11の底部に配置して使用することもできる。
このとき、導電部材2の形状も方形としてもよく、導電部材2の一部を容器11の側壁に沿わせるようにすることで、加熱対象物Mを容器11の側壁側から加熱することも可能となる。
また、導電部材2には、必要に応じて断熱層を設けることもでき、これにより、封入部材3に与える熱の影響を緩和するようにしてもよい。このとき、断熱層は、導電部材2の裏面側に設けるのが好ましいが、加熱対象物Mを加熱する際の熱効率を阻害しない範囲で、導電部材2の表面側に設けてもよい。
また、本発明に係る誘導加熱容器は、上記したような発熱体1を備えて構成され、発熱体1は、通常、容器底部に配置されるように取り付けられるが、このとき、発熱体1側、容器側のいずれか一方、又は両方に、廃棄処理時に分別が容易となるような固定用のつめなどの任意の取り付け手段を設けておくことができる。
このような本発明に係る誘導加熱容器にあっては、その容器本体が、電磁誘導によって発熱する導電部材2と直接接することがなく、導電部材2が発する熱による容器本体の損傷を考慮する必要がないため、容器本体を形成する材料には、耐熱性などの特性が要求されることがない。したがって、例えば、従来の即席食品用の容器として、広く用いられている発泡ポリスチレンなどの汎用の非磁性材料にて容器本体を形成することにより、電磁調理器で使用可能な低コストの容器を容易に提供することができる。
以上説明したように、本発明は、専用の調理器具を用いる必要がある電磁調理器の不利を解消し、非磁性材料からなる容器を用いても加熱対象物を加熱することができるのみならず、使用する容器の損傷や、加熱対象物の焦げつきなどを防止することができる汎用性に優れた誘導加熱発熱体、及びそのような誘導加熱発熱体を備えた誘導加熱容器を提供する。
本発明に係る誘導加熱発熱体の第一実施形態の概略を示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱発熱体の第一実施形態の要部拡大断面図である。 導電部材の一例を示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱発熱体の第二実施形態の概略を示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱発熱体の第三実施形態の概略を示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱発熱体の第三実施形態における変形例の概略を示す説明図である。 本発明に係る誘導加熱発熱体の一使用例を示す説明図である。
符号の説明
1 発熱体
2 導電部材
2a 内部対流孔
2b 切欠部
3 封入部材
4 熱伝導媒体
5 対流孔
6 ガス抜き孔
7 断熱部
10 電磁調理器
11 容器
M 加熱対象物

Claims (10)

  1. 高周波磁界により渦電流が誘起されて発熱する導電部材を、前記導電部材の周囲を覆う熱伝導媒体とともに、封入部材内に封入してなる誘導加熱発熱体であって、
    前記熱伝導媒体が、液状物であり、
    前記封入部材が、気体の通過は許容するが、液体は通過させない大きさの連通孔を多数有するシート材で、前記封入部材に穿設されたガス抜き孔を塞ぐことによって形成されたガス抜き部を有することを特徴とする誘導加熱発熱体。
  2. 前記導電部材が、金属板又は金属箔からなる請求項に記載の誘導加熱発熱体。
  3. 前記導電部材に多数の細孔を穿設した請求項に記載の誘導加熱発熱体。
  4. 前記導電部材が、織布又は不織布からなる基材に導電被覆層を設けてなる請求項に記載の誘導加熱発熱体。
  5. 一又は二以上の対流孔を任意の位置に設けた請求項1〜のいずれか1項に記載の誘導加熱発熱体。
  6. 前記導電部材の渦電流密度が大きくなる位置に対応させて、前記封入部材を補強した請求項項に記載の誘導加熱発熱体。
  7. 前記導電部材の肉厚を変化させて、渦電流密度を均一にした請求項に記載の誘導加熱発熱体。
  8. 前記導電部材の任意の位置を切り欠いて、ヒューズ機能を付与した請求項1〜のいずれか1項に記載の誘導加熱発熱体。
  9. 前記導電部材の任意の位置を薄肉にして、ヒューズ機能を付与した請求項1〜のいずれか1項に記載の誘導加熱発熱体。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の誘導加熱発熱体を備えたことを特徴とする誘導加熱容器。
JP2005159142A 2005-05-31 2005-05-31 誘導加熱発熱体、及び誘導加熱容器 Expired - Fee Related JP4665610B2 (ja)

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