JP4665382B2 - 磁気メモリ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気メモリに関するものであり、特に不揮発性メモリに用いて好適なものである。
コンピュータ等の情報機器においては、ランダム・アクセス・メモリとして、動作が高速で、高密度のDRAMが広く使用されている。
しかし、DRAMは電源を切ると情報が消えてしまう揮発性メモリであるため、情報が消えない不揮発のメモリが望まれている。
そして、不揮発メモリの候補として、磁性体の磁化で情報を記録する磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)が注目され、開発が進められている(例えば非特許文献1参照)。
MRAMは直交する2種類のアドレス線(例えばワード線とビット線)がそれぞれ複数本形成され、これら2種類のアドレス線の各交点に磁気記憶素子が設けられることにより、多数の磁気記憶素子がマトリクス状に配置された磁気メモリ(磁気記憶装置)を構成している。そして、2種類のアドレス線について、それぞれ特定のアドレス線に電流を流すことにより、その電流磁場によって、電流を流したアドレス線の交点に位置する磁気記憶素子のみを選択して、その磁気記憶素子の記憶層の磁化を反転させて、情報の記録を行っている。
日経エレクトロニクス 2001.2.12号(第164頁−171頁)
今後、MRAMの記憶容量を増加するために、高密度化を図る必要があり、メモリセルを構成する磁気記憶素子の縮小化が求められることから、磁気記憶素子の記憶層の寸法も小さくする必要がある。
しかしながら、記憶層の寸法を小さくすると、磁化の熱揺らぎにより長時間のうちに情報が書き換わってしまう問題がある。
この磁化の熱揺らぎによって情報が書き換わることを防ぎ、記録された情報を長時間安定に保持するためには、磁気記憶素子の磁化を反転させるのに必要な磁場即ち保磁力を大きくする必要がある。
しかしながら、保磁力を大きくすると、情報の記録に必要な電流も多く必要になり、消費電力の増加やエレクトロマイグレーションによる配線の断線等の問題が生じる。
上述した問題の解決のために、本発明においては、情報を安定して保持することができると共に、小さい磁場で情報の記録を行うことができる磁気メモリを提供するものである。
本発明の磁気メモリは、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層と、外部磁場により磁化状態が変化する補助磁性層とを少なくとも有して成り、補助磁性層が非磁性層により分割された複数層の磁性層から成り、補助磁性層のうちの非磁性層を介して隣り合う磁性層間に反平行に磁化する磁気的相互作用を有し、補助磁性層の偶数番目の磁性層の磁化量の総和と補助磁性層の奇数番目の磁性層の磁化量の総和とがほぼ等しい磁気記憶素子と、互いに交差する第1の配線と第2の配線とを備え、第1の配線は、記憶層の磁化困難軸方向に延びて形成されており、電流を流すことにより、記憶層の磁化容易軸方向の磁場を発生させることができ、第2の配線は、記憶層の磁化容易軸方向に延びて形成されており、電流を流すことにより、記憶層の磁化困難軸方向の磁場を発生させることができ、第1の配線と第2の配線とが交差する交点付近にそれぞれ磁気記憶素子が配置されて成り、情報の記録の際には、第2の配線からの磁場によって、補助磁性層の磁化の向きを記憶層の磁化困難軸方向に向け、記憶層の保磁力を低下させて、この状態において、第1の配線からの磁場を記憶層に印加することにより、記憶層の磁化の向きを反転させるものである。
上述の本発明の磁気メモリの構成によれば、磁気記憶素子が、情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層と、外部磁場により磁化状態が変化する補助磁性層とを少なくとも有し、補助磁性層が非磁性層により分割された複数層の磁性層から成り、補助磁性層のうちの非磁性層を介して隣り合う磁性層間に反平行に磁化する磁気的相互作用を有するため、補助磁性層全体の見かけの磁化が小さくなっており、外部磁場により補助磁性層の磁化の方向を容易に変化させることが可能になる。
これにより、比較的小さな外部磁場を印加するだけで、補助磁性層の磁化の向きが記憶層の磁化困難軸方向に変化して、記憶層の保磁力に影響を与えるようになることから、記憶層の磁化容易軸方向の保磁力が急激に減少する。
このように記憶層の磁化容易軸方向の保磁力が急激に減少するため、記憶層の磁化容易軸方向の比較的小さな外部磁場の印加により、記憶層の磁化の向きを反転させて(磁化状態を変更して)、記憶層に情報の記録を行うことができる。
記憶層の磁化容易軸方向のみに外部磁場を印加しても、ある程度の磁場の大きさ(比較的大きい磁場)までは補助磁性層の磁化状態に変化がないので、磁化容易軸のみの磁場では記憶層の保磁力が大きく変化せず、保磁力が高い状態が維持される。
これに対して、記憶層の磁化容易軸方向の磁場に加えて、さらに記憶層の磁化困難軸方向にも磁場を加えると、補助磁性層の磁化の向きが記憶層の磁化困難軸方向に変化して、記憶層の保磁力に影響を与えるようになる。
そして、補助磁性層の偶数番目の磁性層の磁化量の総和と補助磁性層の奇数番目の磁性層の磁化量の総和とがほぼ等しいことにより、補助磁性層全体の見かけの磁化がゼロ又は微小となり、記憶層の磁化の向きを一方に反転するために必要な磁界と、磁化の向きを他方に反転するために必要な磁界をほぼ等しくすることができ、記憶層の磁化反転動作をほぼ対称とすることができる。
上述の本発明の磁気メモリの構成によれば、上述の構成の磁気記憶素子と、互いに交差する第1の配線と第2の配線とを有し、第1の配線は、記憶層の磁化困難軸方向に延びて形成されており、電流を流すことにより、記憶層の磁化容易軸方向の磁場を発生させることができ、第2の配線は、記憶層の磁化容易軸方向に延びて形成されており、電流を流すことにより、記憶層の磁化困難軸方向の磁場を発生させることができ、第1の配線と上記第2の配線とが交差する交点付近に、それぞれ磁気記憶素子が配置されて成ることにより、第1の配線や第2の配線に電流を流すことにより磁気記憶素子に磁場(電流磁場)を印加することが可能であり、この磁場により記憶層の磁化の向きを変化させて情報を記録することが可能である。
そして、磁気記憶素子が、上述したように、補助磁性層の作用によって記憶層の保磁力が小さくなる特性を有するので、情報の記録の際に、第2の配線からの磁場によって、補助磁性層の磁化の向きを記憶層の磁化困難軸方向に向け、記憶層の保磁力を低下させて、この状態において、第1の配線からの磁場を記憶層に印加して、記憶層の磁化の向きを反転させることにより、情報の記録に必要となる磁場を小さくすることができ、この磁場を発生させるために配線に流す電流を低減することが可能になる。
上述の本発明の磁気メモリにおいて、記憶層と補助磁性層とが同じ平面形状のパターンに形成され、非磁性層を介して積層されている構成としたときには、記憶層・非磁性層・補助磁性層とを積層形成して、容易にパターニングして磁気記憶素子を製造することができる。
また、上述の本発明の磁気メモリにおいて、記憶層と、記憶層の補助磁性層とは反対側に配置されたトンネル絶縁膜と、記憶層に対してトンネル絶縁膜を介して配置され、磁化の向きが固定された磁化固定層とが積層されている構成としたときには、磁化固定層の磁化の向きを記憶層の磁化の向きの基準として参照することが可能になり、またトンネル絶縁膜を流れるトンネル電流の電流量を検出することによって記憶層の磁化状態を検出することが可能になる。
上述の本発明によれば、補助磁性層からの影響により記憶層の保磁力に影響を与えて、記憶層の磁化容易軸方向の比較的小さな外部磁場の印加によって記憶層に情報の記録を行うことができる。
これにより、容易に情報の記録を行うことが可能になると共に、電流により発生した外部磁場を磁気記憶素子に印加して情報の記録を行う構成において、情報の記録に必要となる電流を低減することができ、消費電流を低減することができる。
また、補助磁性層に外部磁場が印加されていないときや、記憶層の磁化容易軸方向の外部磁場のみが印加されているときには、記憶層の保磁力が高い状態が維持されるため、記憶層に記録された情報を安定して保持することができる。
従って、本発明により、記録された情報を安定して保持すると共に、少ない記録電流で記録ができ、消費電力の少ない磁気メモリを実現することが可能になる。
本発明の磁気メモリを構成する磁気記憶素子の一実施の形態の概略構成図(斜視図)を、図1A及び図1Bに示す。
この磁気記憶素子10は、情報が磁化の向きにより記録される記憶層1を有して構成されている。
この記憶層1は、平面形状が楕円形状の磁性体により形成され、図中左右方向が磁化容易軸方向になるように配置されている。
また、記憶層1と、それぞれ図示しないが、トンネル絶縁膜と、磁化の向きが固定された磁化固定層とを積層して成る磁気トンネル接合素子(MTJ)を構成することができる。この場合、記憶層と磁化固定層(参照層とも称される)の相対的な磁化方向を検出することにより記憶層1に記録された情報の内容を検出することが可能になる。
本実施の形態の磁気記憶素子10では、特に、記憶層1の上方に、補助磁性層2が設けられている。この補助磁性層2は、上層の第1の磁性層11及び下層の第2の磁性層12の2層の磁性層が、非磁性層13を介して積層されている。
また、第1の磁性層11の磁化M1と、第2の磁性層12の磁化M2とについて、外部磁場が印加されていない状態で、磁化の向きが互いに反平行であり、かつM1≒M2である特徴を有する。このような状態を安定して保持させるために、第1の磁性層11と第2の磁性層12との間に反強磁性的な相互作用、即ち交換相互作用Jを適度な大きさで有していることが好ましい。
なお、記憶層1と補助磁性層2とは、これらの間に設けられた非磁性層(図示せず)により磁気的に分離されている構成とする。
続いて、上述の構成を有する本実施の形態の磁気記憶素子10において、情報を記録する方法を説明する。
まず、図1Aに示す状態は、補助磁性層2の第1の磁性層11の磁化M1が右向き、第2の磁性層12の磁化M2が左向きになっている。記憶層1の磁化Mは右向きになっている。
次に、例えば前後方向(記憶層1の磁化困難軸方向)の外部磁界と左右方向(記憶層1の磁化容易軸方向)の外部磁界とを印加して、これらの外部磁界によって、図1Bに示すように、第1の磁性層11の磁化M1を奥向き、第2の磁性層12の磁化M2を手前向きに変化させる。このとき、磁化M1,M2の向きは不連続に変化する。
これにより、記憶層1にかかる磁場の向きが急激に前後方向に変化するため、記憶層1の保磁力を低下するように作用して、記憶層1の保磁力が大幅に低下する。
このとき、記憶層1の磁化容易軸方向の磁界として、左向きの外部磁界を印加していれば、記憶層1の磁化Mを左向きに反転させることができる。
同様に、記憶層1の磁化Mが左向きになっている状態から右向きになっている状態に反転させる場合には、例えば前後方向の外部磁界と右向きの外部磁界とを印加して、補助磁性層2の磁化の向きを変化させて、記憶層1の保磁力を低下させ、さらに右向きの外部磁界により、記憶層1の磁化Mを右向きに反転させればよい。
このように、補助磁性層2の磁化M1,M2の向きを図中前後方向にすることにより、記憶層1の保磁力を大幅に低下させることができるため、容易に記憶層1の磁化Mの向きを反転させて、記憶層1に記録を行うことができる。
従って、記憶層1に記録を行うために必要な、記憶層1の磁化容易軸方向の外部磁界を小さくしても記録を行うことが可能になり、この外部磁界を電流磁界により印加するために必要となる電流を低減することが可能になる。
そして、本実施の形態の磁気記憶素子10においては、補助磁性層2を設けたことにより、上述したように、補助磁性層2の作用により記憶層1の保磁力が大幅に低下する特性を有しているため、通常のMRAMの素子でみられるような、なめらかなアステロイド曲線とは異なり、急激な変化を伴うアステロイド曲線が得られる。
上述の本実施の形態の磁気記憶素子10の構成によれば、記憶層1に対して補助磁性層2を設け、この補助磁性層2を第1の磁性層11及び第2の磁性層12の2層の磁性層が非磁性層13を介して積層された構成とし、第1の磁性層11の磁化M1と第2の磁性層12の磁化M2とが互いに反平行の向きになるように結合して磁気的相互作用を有することにより、補助磁性層2全体の見かけの磁化が小さくなり、外部磁場の印加により補助磁性層2の磁化(磁性層11,12の磁化M1,M2)の方向を変化させることが容易になる。
これにより、外部磁場の印加によって補助磁性層2の磁化の方向を記憶層の磁化困難軸方向に変化させて、補助磁性層2から記憶層1に対してその磁化困難軸方向に磁場を作用させることができ、記憶層1の磁化容易軸方向の保磁力を大幅に減少させることが可能になる。
一方、補助磁性層2に外部磁場が印加されていない状態では、補助磁性層2の磁化M1,M2の方向と記憶層1の磁化Mの方向とが、記憶層1の磁化容易軸方向になる。このとき、記憶層1の磁化容易軸方向の保磁力が高い状態が維持されるため、記憶層1に記録された情報が安定して保持される。
また、第1の磁性層11の磁化M1と第2の磁性層12の磁化M2とが、ほぼ等しい大きさである構成とされていることにより、補助磁性層2全体の見かけの磁化がゼロ又は微小となり、記憶層1の磁化Mの向きを一方に反転するために必要な磁界と、磁化Mの向きを他方に反転するために必要な磁界をほぼ等しくすることができ、記憶層1の磁化反転動作をほぼ対称とすることができる。
従って、記録された情報を安定して保持することができ、かつ情報の記録に必要な磁場を小さくすることができる。
これにより、配線に電流を流して磁気記憶素子に電流磁場を印加する構成の磁気メモリでは、情報の記録に必要となる電流量を小さくすることができるため、消費電力の少ない磁気メモリを実現することができる。
上述の実施の形態では、記憶層1と補助磁性層2の各磁性層11,12とを同じパターン形状として、これらを積層して磁気記憶素子10を構成したが、本発明では、これら記憶層及び補助磁性層が同じパターン形状である構成に限定されるものではない。
上述した実施の形態のように、記憶層1と補助磁性層2の各磁性層11,12とを同じパターン形状とすると、磁気記憶素子10を製造する際に、積層構造を成膜して同一マスクでパターニングすることができるため、製造が容易であるという利点を有する。
上述の実施の形態では、補助磁性層2を2層の磁性層11,12により構成したが、本発明では3層以上の磁性層により補助磁性層を構成してもよい。
3層以上の磁性層により補助磁性層を構成した場合でも、上述の実施の形態と同様に、補助磁性層の作用により記憶層の保磁力を大幅に低減する効果が得られる。
このとき、補助磁性層の奇数番目の磁性層の磁化量(各磁性層の磁束密度と体積の積で決まる)の総和と、偶数番目の磁性層の磁化量の総和とをほぼ等しくすれば、補助磁性層に磁場が影響していない状態で補助磁性層全体の見かけの磁化がゼロ又は微小となることから、記憶層の磁化反転動作がほぼ対称となり、記憶層の磁化の向きを容易に反転させることができる。補助磁性層の見かけの磁化が残っていると、記憶層に影響を及ぼして記憶層の磁化反転動作が非対称になる等の問題を生じるが、磁化量の総和の差が10分の1程度までなら、影響は少ないため本発明の効果が充分に得られる。
なお、補助磁性層の各磁性層間には、非磁性層を介した相互作用が働いていてもよいし、静磁気的な結合をしていてもよい。
また、記憶層は、上述の実施の形態のように、単層の磁性層で構成してもよいし、複数の磁性層を積層してもよいし、非磁性層を介して磁気的に相互作用している複数層の磁性層で構成してもよい。
同様に、磁化固定層(参照層)は、単層の磁性層で構成してもよいし、複数の磁性層を積層してもよいし、非磁性層を介して磁気的に相互作用している複数層の磁性層で構成してもよく、強い異方性を磁性層に付与して一方向に磁化を固定してもよいし、反強磁性体との積層によって磁化を固定してもよいし、容易に磁化反転するようにして外部磁場によって磁化方向を決定してもよい。
なお、記憶層の磁化状態の検出(読み出し)を行うための構成としては、前述した記憶層にトンネル絶縁層を介して磁化固定層(参照層)を積層した磁気トンネル接合素子(MTJ)の他にも、例えば巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)やホール素子等を用いることが考えられる。
次に、本発明の磁気メモリの一実施の形態として、上述の実施の形態の磁気記憶素子10を用いて構成した磁気メモリの概略構成図(斜視図)を図2に示す。また、図2に示した磁気メモリの平面図を図3に示す。なお、多数配置された磁気記憶素子10のうち、図2では縦2個・横2個分を図示し、図3では縦4個・横4個分を図示している。
この磁気メモリ(磁気記憶装置)50は、図2及び図3に示すように、マトリクス状に直交配置させたそれぞれ多数の第1の配線(例えばビット線)51及び第2の配線(例えばワード線)52の交点に、平面形状が楕円形状とされ、図1に示した構造を有する磁気記憶素子10を配置して構成されている。
各磁気記憶素子10は、図1に示したように、記憶層1と、2層の磁性体層11,12が非磁性層13を挟んで積層された補助磁性層2とを有して構成されている。
第1の配線51は、記憶層1の磁化困難軸方向(Y軸方向)に延びて形成されており、電流を流すことにより、記憶層1の磁化容易軸方向(X軸方向)の磁場を発生させることができる。第2の配線52は、記憶層1の磁化容易軸方向(X軸方向)に延びて形成されており、電流を流すことにより、記憶層1の磁化困難軸方向(Y軸方向)の磁場を発生させることができる。
このように磁気メモリ50を構成した場合、例えば次のようにして磁気記憶素子10に対して記録を行う。
多数ある第1の配線51及び第2の配線52から、記録を行う磁気記憶素子10に対応するそれぞれ1本の第1の配線51及び第2の配線52を選択し、第1の配線51と第2の配線52に電流を流して、記録を行う磁気記憶素子10に対して電流磁場を印加する。
具体的には、第2の配線52に電流を流して、記憶層1の磁化困難軸方向(Y軸方向)の電流磁場を印加する。
また、磁気記憶素子10に記憶する情報の内容に対応して、第1の配線51に流す電流の向きを設定して、第1の配線51に電流を流して、記憶層1の磁化容易軸方向(X軸方向)の電流磁場を印加する。
そして、これらの電流磁場により、磁気記憶素子10の補助磁性層2の各磁性層11,12の磁化をY軸方向に向ける(図1Bに示した状態にする)。
これにより、補助磁性層2の作用によって、記憶層1の保磁力が大幅に低下するため、磁気記憶素子10の記憶層1の磁化の向きを情報の内容に対応した向きとすることができる。このようにして、磁気記憶素子10に記録を行うことができる。
その後、第1の配線51及び第2の配線52に流していた電流を停止すれば、補助磁性層2の各磁性層11,12の磁化がX軸方向に戻り(図1Aに示した状態になり)、記憶層1の保磁力が大きい状態に戻る。これにより、記録された情報を安定して保持することができる。
これらの過程を、情報の記録が必要な磁気記憶素子10に対して行うことにより、情報の記録が必要な全ての磁気記憶素子10に情報の記録を行うことができる。
上述したように記録を行うことにより、選択された磁気記憶素子10では、対応する第1の配線51及び第2の配線52から磁気記憶素子10に電流磁場を印加して、補助磁性層2の作用により記憶層1の保磁力を低下させると共に、記録する情報の内容に対応して向きが設定された磁界が印加されて、この磁界により記憶層1に磁化状態が記録される。
一方、選択されていない磁気記憶素子10では、対応する第1の配線51及び第2の配線52の両方から磁気記憶素子10に電流磁場が印加されることがない。
一方の配線51或いは52が選択された磁気記憶素子10と共通であっても、他方の配線が共通でなければ磁気記憶素子10には一方の電流磁場しか印加されない。
一方の電流磁場だけでは補助磁性層2の磁化の方向が変化しないため、記憶層1の保磁力が大きいままであり、記憶層1の磁化容易軸方向によっても記憶層1の磁化が反転しない。
即ち、記憶層1に記録された磁化状態を保持することができる。
上述の本実施の形態の磁気メモリ50の構成によれば、記録する際には磁気記憶素子10の記憶層1の保磁力を低下させて容易に記録を行うことができ、いったん記録された磁化状態は、改めて記録を行うまで安定して保持することができる。
そして、記録容量を大きくするために磁気記憶素子を微小化するほど、保磁力が増大して記録を行うことが難しくなり、また磁化を安定して保持することが難しくなる傾向があるため、本実施の形態の磁気メモリ50は、記憶容量を増大させるために好適である。
(実施例)
ここで、本発明の磁気メモリを構成する磁気記憶素子において、具体的に記憶層及び補助磁性層の寸法や磁化量を設定して、特性がどのようになるか検討を行った。
図4Aに平面図を示すように、平面形状が楕円形状であり、長軸の長さを1μm、短軸の長さを0.5μmとした磁気記憶素子10を、モデルとして採用し、磁気記憶素子10の各層を、図4Bに断面図を示すように構成した。
記憶層1は、厚さを5nm、飽和磁化量Msを800emu/cm、材料の異方性磁場Hkを20Oeとした。
第1の磁性層11は、厚さをt1とし、材料の異方性磁場をHk1とし、第2の磁性層12は、厚さをt2とし、材料の異方性磁場をHk2とし、第1の磁性層11及び第2の磁性層12をいずれも飽和磁化量Msを800emu/cmとして、非磁性層13の厚さを2nmとし、交換相互作用Jの大きさをJ1とした。
記憶層1と補助磁性層2との間には、厚さdの非磁性層17が設けられ、この非磁性層17における交換相互作用Jはゼロ(0erg/cm)になっている。
また、記憶層1に対して、補助磁性層2とは反対の側(下層側)に、トンネル絶縁膜16を介して磁化固定層15を設けた。磁化固定層15は、磁性層21・非磁性層22・磁性層23が積層されて構成され、その下の反強磁性体層14により磁性層21及び23の磁化の向きが固定されている。磁性層21及び磁性層23は、いずれも厚さが2nm、飽和磁化量Msが1200emu/cm、材料の異方性磁場Hkが10Oeとなっている。磁化固定層15の非磁性層22は、厚さが1nmで、交換相互作用Jが1erg/cmになっている。トンネル絶縁膜16は、厚さが1nmで、交換相互作用Jがゼロになっている。
まず、補助磁性層2の各磁性層11,12の厚さを変えて、特性の変化を調べた。
記憶層1と補助磁性層2との間の非磁性層17の厚さdを10nmとし、補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の異方性磁場Hk1,Hk2を共に20Oeとし、補助磁性層2の第1の磁性層11と第2の磁性層12との間にある非磁性層13における交換相互作用Jの大きさJ1を0.01erg/cmとした。
そして、補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の厚さt1,t2を共に、2nm,3nm,4nm,5nmと変えて、それぞれの厚さt1,t2における、記憶層1の磁化容易軸方向の磁場Heasyと磁化困難軸方向の磁場Hhardとによるアステロイド曲線を、マイクロマグネティック計算により求めた。また、比較対照として、補助磁性層を設けないで記憶層のみとした場合もアステロイド曲線を求めた。結果を図5に示す。
図5より、補助磁性層2の磁性層11,12の厚さを厚くしていくと、磁化困難軸方向の磁場Hhardが加わったときの記憶層1の保磁力の低下が起こり、膜厚が厚くなるほど、より低い磁場で記憶層1の保磁力が減少するようになることがわかる。
ただし、磁性層11,12の厚さが5nm以上になると、磁化困難軸方向の磁場を印加しない状態の保磁力が減少してしまい、記録の保持特性が劣化してしまうため、好ましくない。
従って、図4のモデルでは、磁性層11,12の厚さを3nm〜4nmにすると、良好な特性が得られることがわかる。
次に、補助磁性層2の交換相互作用Jの大きさを変えて、特性の変化を調べた。
記憶層1と補助磁性層2との間の非磁性層17の厚さdを10nmとし、補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の異方性磁場Hk1,Hk2を共に20Oeとし、補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の厚さt1,t2を共に4nmとした。
そして、補助磁性層2の第1の磁性層11と第2の磁性層12との間にある非磁性層13における交換相互作用Jの大きさJ1を、0,0.01,0.02,0.05,0.1(erg/cm)と変えて、それぞれの交換相互作用の大きさJ1における、記憶層1の磁化容易軸方向の磁場Heasyと磁化困難軸方向の磁場Hhardとによるアステロイド曲線を、マイクロマグネティック計算により求めた。結果を図6に示す。
なお、交換相互作用Jは、正側が反平行となるように作用する方向である。
図6より、第1の磁性層11と第2の磁性層12との間には、交換相互作用Jがなくとも、静磁結合が生じるために、記憶層1の磁化困難軸方向にある程度磁場をかけると、記憶層1の保磁力が減少することがわかる。
さらに、交換相互作用Jを増やしていくと、記憶層1の保磁力を減少させるための磁化困難軸方向の磁場を小さくできることがわかる。
ただし、交換相互作用Jをある程度以上大きくしてしまうと、磁化困難軸方向に磁場を印加しない状態の保磁力が減少してしまうため、好ましくない。
従って、交換相互作用Jの大きさを、ある程度の範囲内に選定すると、好ましい特性が得られることがわかる。
次に、記憶層1と補助磁性層2との間の距離を変えて、特性の変化を調べた。
補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の異方性磁場Hk1,Hk2を共に20Oeとし、補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の厚さt1,t2を共に4nmとし、補助磁性層2の第1の磁性層11と第2の磁性層12との間にある非磁性層13における交換相互作用Jの大きさJ1を0.01erg/cmとした。
そして、記憶層1と補助磁性層2との間の距離、即ち記憶層1と補助磁性層2との間の非磁性層17の厚さdを、5nm,10nm,20nmと変えて、それぞれの距離dにおける、記憶層1の磁化容易軸方向の磁場Heasyと磁化困難軸方向の磁場Hhardとによるアステロイド曲線を、マイクロマグネティック計算により求めた。結果を図7に示す。
図7より、記憶層1と補助磁性層2との距離が近い場合は、補助磁性層2を構成する各磁性層11,12からの磁場が記憶層1に及ぼす影響に差が大きくなるため、アステロイド曲線の上下で非対称となることがわかる。
従って、記憶層1と補助磁性層2とをある程度離す必要があることがわかる。
次に、補助磁性層2の磁性層11,12の磁気異方性を変えて、特性の変化を調べた。
補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の厚さt1,t2を共に4nmとし、記憶層1と補助磁性層2との間の距離、即ち記憶層1と補助磁性層2との間の非磁性層17の厚さdを10nmとし、補助磁性層2の第1の磁性層11と第2の磁性層12との間にある非磁性層13における交換相互作用Jの大きさJ1を0.01erg/cmとした。
そして、補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の異方性磁場Hk1,Hk2を共に、10Oe,20Oe,40Oeと変えて、それぞれの異方性磁場Hk1,Hk2における、記憶層1の磁化容易軸方向の磁場Heasyと磁化困難軸方向の磁場Hhardとによるアステロイド曲線を、マイクロマグネティック計算により求めた。結果を図8に示す。
図8より、補助磁性層2の磁性層11,12の磁気異方性Hkを大きくすると、磁化困難軸方向にかける磁場の大きさを小さくできることがわかる。
ただし、磁気異方性Hkを大きくしすぎると、記憶層1の保磁力が小さくなり好ましくない。
従って、補助磁性層2の磁性層11,12の磁気異方性Hkを、ある程度の範囲内に選定すると、良好な特性が得られることがわかる。
次に、補助磁性層2の第1の磁性層11と第2の磁性層12との膜厚の比を変えて、特性の変化を調べた。
記憶層1と補助磁性層2との間の非磁性層17の厚さdを10nmとし、補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の異方性磁場Hk1,Hk2を共に20Oeとし、補助磁性層2の第1の磁性層11と第2の磁性層12との間にある非磁性層13における交換相互作用Jの大きさJ1を0.01erg/cmとした。
そして、補助磁性層2の第1の磁性層11及び第2の磁性層12の厚さt1,t2を変えて、それぞれの厚さt1,t2における、記憶層1の磁化容易軸方向の磁場Heasyと磁化困難軸方向の磁場Hhardとによるアステロイド曲線を、マイクロマグネティック計算により求めた。なお、補助磁性層2を構成するそれぞれの磁性層11,12の磁化方向を変えた初期状態から計算した。
それぞれの結果を図9A〜図9Eに示す。図9Aは、第1の磁性層11の厚さt1を4.5nmとし、第2の磁性層12の厚さt2を3.5nmとした場合である。図9Bは、第1の磁性層11の厚さt1を4.25nmとし、第2の磁性層12の厚さt2を3.75nmとした場合である。図9Cは、第1の磁性層11の厚さt1を4nmとし、第2の磁性層12の厚さt2を4nmとした場合(図5の4nmの場合と同じ)である。図9Dは、第1の磁性層11の厚さt1を3.75nmとし、第2の磁性層12の厚さt2を4.25nmとした場合である。図9Eは、第1の磁性層11の厚さt1を3.5nmとし、第2の磁性層12の厚さt2を4.5nmとした場合である。
図9Cに示すように、第1の磁性層11及び第2の磁性層12の厚さt1,t2が共に4nmのときは、補助層の磁化の初期状態によってほとんど変化がないが、図9D及び図9Eに示すように、第2の磁性層12の厚さt2が厚くなるに従って、記憶層1の磁化の初期状態による差が大きくなる。
また、図9A及び図9Bに示すように、第1の磁性層11の厚さt1が厚いときは、記憶層1の磁化の初期状態による差は小さいが、アステロイド曲線の上側の曲線と下側の曲線が交差するので好ましくない。
この結果より、2層の磁性層11,12の厚さt1,t2の差が0.5nm程度であれば、本発明による効果が充分得られるが、厚さt1,t2の差が1nm以上になると動作に制限が必要となる。
そして、2層の磁性層11,12の厚さt1,t2の差がほぼ10%以内(膜厚比が0.9〜1.1)であれば、良好なアステロイド曲線が得られることがわかった。
次に、磁気記憶素子のモデルを、より寸法の小さいモデルとして、同様にマイクロマグネティックの計算を行った。
計算に用いた磁気記憶素子30のモデルの平面形状を図10Aに示し、各層の構造を図10Bに示す。この場合は、補助磁性層2を4層の磁性層31,32,33,34とその間の非磁性層35とにより構成している。その他の層の数と種類は図4Bと同様であるため、図4Bと同一符号を付している。
磁気記憶素子30は、平面形状が楕円形状であり、長軸の長さを150nmとし、短軸の長さを100nmとして、図4に示したモデルよりも長軸・短軸がそれぞれ数倍小さい寸法としている。
記憶層1は、厚さを5nm、飽和磁化量Msを800emu/cm、材料の異方性磁場Hkを20Oeとした。
補助磁性層2の各磁性層31,32,33,34は、いずれも飽和磁化量Msを800emu/cmとして、厚さを3.5nmとして、材料の異方性磁場Hkを20Oeとした。また、各磁性層31,32,33,34間の非磁性層35の厚さを2nmとし、交換相互作用Jの大きさを0.02erg/cmとした。
記憶層1と補助磁性層2との間の非磁性層17は、厚さを20nmとして、この非磁性層17における交換相互作用Jはゼロ(0erg/cm)になっている。
また、磁化固定層15の磁性層21及び磁性層23は、いずれも飽和磁化量Msが1200emu/cm、材料の異方性磁場Hkが10Oeとなっているが、磁性層21の厚さを2.3nm、磁性層23の厚さを1.7nmとして、2層の厚さを異ならせている。磁化固定層15の非磁性層22は、厚さが1nmで、交換相互作用Jが1erg/cmになっている。トンネル絶縁膜16は、厚さが1nmで、交換相互作用Jがゼロになっている。
そして、記憶層1の磁化容易軸方向の磁場Heasyと磁化困難軸方向の磁場Hhardとによるアステロイド曲線を、マイクロマグネティック計算により求めた。計算結果を、図10に示した構成と、併せて比較対照として補助磁性層がない構成とについて、それぞれ図11に示す。
図11より、補助磁性層2を設けることにより、アステロイド曲線の変化が急峻に変化しており、素子寸法が大きい図5の場合と同様の傾向を示していることから、素子寸法が小さくても本発明の効果が得られることが確かめられた。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
A、B 本発明の磁気メモリを構成する磁気記憶素子の一実施の形態の概略構成図(斜視図)である。 図1の磁気記憶素子を用いた磁気メモリの概略構成図(斜視図)である。 図2の磁気メモリの平面図である。 A、B 本発明の磁気メモリを構成する磁気記憶素子の一形態のモデルを示す図である。 図4のモデルにおいて、補助磁性層の膜厚を変えたときのアステロイド曲線の変化を示した図である。 図4のモデルにおいて、補助磁性層の磁性層間の交換相互作用の大きさを変えたときのアステロイド曲線の変化を示した図である。 図4のモデルにおいて、記憶層と補助磁性層との距離を変えたときのアステロイド曲線の変化を示した図である。 図4のモデルにおいて、補助磁性層の磁気異方性の大きさを変えたときのアステロイド曲線の変化を示した図である。 A〜E 図4のモデルにおいて、補助磁性層の2層の磁性層の厚さを変えたときのアストロイド曲線の変化を示した図である。 A、B 本発明の磁気メモリを構成する磁気記憶素子の他の形態のモデルを示す図である。 図10のモデルにおいて、補助磁性層の有無によるアステロイド曲線の変化を示した図である。
符号の説明
1 記憶層、2 補助磁性層、10 磁気記憶素子、11 第1の磁性層、12 第2の磁性層、13,17,22,35 非磁性層、14 反強磁性体層、15 磁化固定層、16 トンネル絶縁膜、21,22,31,32,33,34 磁性層、50 磁気メモリ、51 第1の配線、52 第2の配線

Claims (3)

  1. 情報を磁性体の磁化状態によって保持する記憶層と、
    外部磁場により磁化状態が変化する補助磁性層とを少なくとも有して成り、
    前記補助磁性層が、非磁性層により分割された複数層の磁性層から成り、
    前記補助磁性層のうちの前記非磁性層を介して隣り合う前記磁性層間に反平行に磁化する磁気的相互作用を有し、前記補助磁性層の偶数番目の磁性層の磁化量の総和と、前記補助磁性層の奇数番目の磁性層の磁化量の総和とがほぼ等しい磁気記憶素子と、
    互いに交差する第1の配線と第2の配線とを備え、
    前記第1の配線は、前記記憶層の磁化困難軸方向に延びて形成されており、電流を流すことにより、前記記憶層の磁化容易軸方向の磁場を発生させることができ、
    前記第2の配線は、前記記憶層の磁化容易軸方向に延びて形成されており、電流を流すことにより、前記記憶層の磁化困難軸方向の磁場を発生させることができ、
    前記第1の配線と前記第2の配線とが交差する交点付近に、それぞれ前記磁気記憶素子が配置されて成り、
    情報の記録の際には、前記第2の配線からの磁場によって、前記補助磁性層の磁化の向きを前記記憶層の磁化困難軸方向に向け、前記記憶層の保磁力を低下させて、この状態において、前記第1の配線からの磁場を前記記憶層に印加することにより、前記記憶層の磁化の向きを反転させる
    磁気メモリ。
  2. 前記磁気記憶素子は、前記記憶層と前記補助磁性層とが、同じ平面形状のパターンに形成され、非磁性層を介して積層されている請求項1に記載の磁気メモリ。
  3. 前記磁気記憶素子は、前記記憶層と、前記記憶層の前記補助磁性層とは反対側に配置されたトンネル絶縁膜と、前記記憶層に対して前記トンネル絶縁膜を介して配置され、磁化の向きが固定された磁化固定層とが積層されている請求項1又は請求項2に記載の磁気メモリ。
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