JP4665379B2 - ヘリカルツイスティングパワーの増大方法、光学活性化合物、それを含有した液晶組成物及び液晶表示素子 - Google Patents
ヘリカルツイスティングパワーの増大方法、光学活性化合物、それを含有した液晶組成物及び液晶表示素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4665379B2 JP4665379B2 JP2003154595A JP2003154595A JP4665379B2 JP 4665379 B2 JP4665379 B2 JP 4665379B2 JP 2003154595 A JP2003154595 A JP 2003154595A JP 2003154595 A JP2003154595 A JP 2003154595A JP 4665379 B2 JP4665379 B2 JP 4665379B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- liquid crystal
- formula
- carbon atoms
- diyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 CC(C)CCCC(C)C(CC1)C(C)(CC2)C1C1C2C(C)(CCC(C2)OC(*)=O)C2=CC1 Chemical compound CC(C)CCCC(C)C(CC1)C(C)(CC2)C1C1C2C(C)(CCC(C2)OC(*)=O)C2=CC1 0.000 description 10
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Liquid Crystal Substances (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子に利用される光学活性化合物においてそのHTPを増大する方法、光学活性化合物、該化合物を含有する液晶組成物及びこれらを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
TN(ツイステッドネマチック)型、STN(スーパーツイステッドネマチック)型、相転移型(コレステリック)等のデバイスに用いる液晶材料には捻れ配向を誘起させるために、液晶骨格を有する光学活性化合物が添加されている。光学活性化合物の添加量:C (質量%)を増すと自然ピッチ:P (μm)は小さくなること、Cが1〜数質量%程度までの低い濃度の時には、PとCの積が一定という関係が良く成り立つことが知られており、これの逆数をとったヘリカルツイスティングパワー:HTP (1/μm)
【0003】
【数2】
が光学活性化合物固有の捻れ配向を誘起する力の評価パラメータとして使用されている。
【0004】
従来光学活性化合物としては、式(VI-a)
【化8】
【0005】
で表される化合物(製品名S-811)、式(VI-b)
【化9】
で表される化合物(製品名CB-15)又は式(VI-c)
【0006】
【化10】
で表される化合物(製品名コレステリルノナネートCN)等が良く用いられてきたが、これらのHTP値はそれぞれ10.5、8.4、5.2と小さかった。(ここでHTP値は下記液晶組成物(XII-a)に光学活性化合物を1質量%添加し、25℃で測定して得られる値を用いている。)
【0007】
【化11】
【0008】
このようなHTP値の小さな光学活性化合物を使用すると、所望の自然ピッチを得るために多くの添加量が必要になり、液晶材料の粘度の増大、液晶温度範囲が狭くなってしまうという欠点があり、より大きなHTP値を有する光学活性化合物が必要とされている。
【0009】
特にコレステリック液晶組成物の場合には赤外〜可視光領域の選択反射波長が得られるようにピッチを0.1〜2μm程度の範囲に調節する必要があるため、光学活性化合物の添加濃度が10〜20質量%以上と多くなる。光学活性化合物の添加濃度が多くなると、液晶の上限温度範囲が大きく低下してしまうため、HTP値の大きな光学活性化合物が必要とされていた。
【0010】
これらを解決する手段として、式(VI-d)
【化12】
(非特許文献1参照)、
【0011】
式(VI-e)
【化13】
(特許文献1参照)、
【0012】
式(VI-f)
【化14】
(特許文献2参照)で表される光学活性化合物が開示されている。これらの化合物は、不斉炭素に隣接してフェニル基を有する構造を有しており、式(VI-a)、式(VI-b)及び式(VI-c)等従来の光学活性化合物に比べ大きなHTP値を有する。しかしながら、これらの化合物のHTP値でも前述の問題を解決するには不十分であり更に大きなHTP値を有する化合物もしくはHTP値を増大する方法が望まれていた。
【0013】
又、これらの化合物の末端のフェニル基のパラ位に置換基を有する構造と、有しない構造のHTPの比較がなされている(非特許文献2参照)。当該文献の開示によれば、パラ位に置換基を導入するとHTP値が小さくなることが示されており、末端のフェニル基に置換基を有する構造はHTP値の点では不利とされていた。
【0014】
【特許文献1】
特公平7−33354号公報(3項)
【特許文献2】
特公平5−52298号公報(3項)
【非特許文献1】
大岩,「2001年日本液晶学会討論会講演予稿集」,2001年,p.421−422
【非特許文献2】
小池,「1999年日本液晶学会討論会講演予稿集」,1999年,p.220−221
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明における課題は、液晶材料に使用する光学活性化合物においてHTPを増大する方法を提供し、さらに大きなHTP値を示す光学活性化合物を提供し、光学活性化合物添加後の液晶上限温度が高い液晶組成物、これらを用いた液晶表示素子を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために光学活性化合物の化学構造に着目し検討した結果、光学活性化合物の特定の部位に置換基を導入することでHTPを増大させることができることを見出し本願発明の完成に至った。
【0017】
本願発明は以下に記載するHTPの増大方法を提供する。
【0018】
すなわち、不斉炭素原子を有する化合物において、式(A)
【化15】
(式中*は不斉炭素原子の位置を表す。)で表される部分構造を、式(B)
【化16】
(式中*は不斉炭素原子の位置を表し、Y1は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基又はイソチオシアネート基を表すが、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよい。)で表される部分構造に置換することによるヘリカルツイスティングパワー:HTP (1/μm)
【0019】
【数3】
(式中、Cは光学活性化合物の添加量(質量%)を表し、Pは自然ピッチ(μm)を表す。)の増大方法を提供する。
【0020】
さらに、以下の光学活性化合物、該化合物を含有する液晶組成物、及び液晶表示素子を提供する。
すなわち、一般式(I)
【化17】
(式中
*は不斉炭素の位置を表し、
R1及びR2はそれぞれ独立的に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基又はイソチオシアネート基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよく、
【0021】
A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、インダン-2,5-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基又はフルオレン-2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基及びフルオレン-2,7-ジイル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はメチル基を有することができ、
Z1及びZ2はそれぞれ独立的に、単結合、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=N−、−N=CH−、−C≡C−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−CH=CH−、−CH2CH2CH=CH−、−CH=CHCH2CH2−又は−CH2CH=CHCH2−を表し
Y1は、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基又はイソチオシアネート基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよく、
E1及びE2はそれぞれ独立的に、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−、−OCOCH2−、−CH2COO−又は−CH2OCO−、を表し
m、n、p及びqはそれぞれ独立的に0、1又は2を表し、n又はmが2を表すとき複数存在するZ1、Z2、A1及びA3は各々同じ基を意味しても、異なる基を意味してもよい、
ただし、E1及びZ2はそれぞれを構成する酸素原子が隣接する組み合わせを除く。)
で表される光学活性化合物及びこの化合物を0.01質量%〜50質量%含有する液晶組成物、更にこれを用いた液晶表示素子を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一例について説明する。
【0023】
本発明のHTP増大方法は部分構造式(A)を部分構造式(B)に置換することを特徴とする。式(B)において、Y1は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はシアノ基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシ基、炭素原子数2〜3のアルケニル基、炭素原子数2〜3のアルケニルオキシ基(該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子又は塩素原子を有することができる)、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子を表すことがよりに好ましく、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表すことが最も好ましい。
【0024】
本発明の化合物は不斉炭素に置換するフェニル基のメタ位に置換基を有することを特徴とする。一般式(I)においてメタ位の置換基であるY1は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はシアノ基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシ基、炭素原子数2〜3のアルケニル基、炭素原子数2〜3のアルケニルオキシ基(該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子又は塩素原子を有することができる)、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子を表すことがよりに好ましく、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表すことが最も好ましい。
【0025】
一般式(I)のR1、R2、A1、A2、A3、Z1、Z2、E1、E2、n、m、p及びqは光学活性化合物の用途によって適宜選択することが好ましい。
化合物として相溶性、低粘性、安定性を重視する場合は、一般式(VI-g)で表される化合物が好ましい。
【化18】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、Y2は炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシ基、炭素原子数2〜3のアルケニル基、炭素原子数2〜3のアルケニルオキシ基(該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子又は塩素原子を有することができる)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を表し、
R6は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよく、
R7は、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数2〜3のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよく、
【0026】
A8及びA9はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は2,6-ナフチレン基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び2,6-ナフチレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はメチル基を有することができ、
E3は、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−、−OCOCH2−、−CH2COO−又は−CH2OCO−を表し、
Z7は、単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−CH=CH−を表し、
rは0、1又は2を表す。)
【0027】
一般式(VI-g)において、Y2はフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表すことが好ましく、
R6は、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基(該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子で置換されていてもよい)を表すことが好ましく、
R7は、メチル基又はトリフルオロメチル基を表すことが好ましく、メチル基を表すことがより好ましい
A8及びA9は、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表すことが好ましく、
E3は、−CH2−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−又は−OCOCH2−を表すことが好ましく、−CH2−又は−COO−を表すことがより好ましい、
Z7は、単結合、−COO−又は−OCO−を表すことが好ましく、単結合を表すことがより好ましい。
rは、0を表すことが好ましい。
【0028】
さらに、一般式(VI-g)において、Y2がフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、R6が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、R7がメチル基を表し、A8及びA9がそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表し、E3が−CH2−又は−COO−を表し、Z7が単結合を表し、rが0を表す化合物が好ましい。
【0029】
また、相溶性、低粘性、安定性に加えて高い屈折率異方性が必要な場合、Z7は−C≡C−を表すことが好ましい。この場合、一般式(VI-g)において、Y2がフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、R6が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、R7がメチル基を表し、A8及びA9がそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表し、E3が−CH2−又は−COO−を表し、Z7が−C≡C−を表し、rが0を表す化合物が好ましい。
【0030】
具体的な化合物としては以下の一般式(VII-1)〜(VII-32)で表される化合物が特に好ましい。
【化19】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、Y3は、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフッ素原子を表し、
【0031】
R8は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルケニルオキシ基又は式(VII-m)、
【化20】
(構造式は右端で環に連結しているものとする。)を表し、
R9は、*は不斉炭素を表し、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。)
【0032】
一般式(VII-1)〜(VII-32)において、R8がアルケニル基又はアルケニルオキシ基を表す場合、以下の構造式群(VII-n)
【化21】
(構造式は右端で環に連結しているものとする。)で表されることが好ましい。
【0033】
さらに、一般式(VII-21)、(VII-22)及び(VII-23)において、R8がメチル基を表す化合物が特に好ましく、一般式(VII-22)においてR8がメチル基を表す化合物が特に好ましい。
【0034】
Δεが大きい化合物を必要とする場合は、一般式(VI-h)で表される化合物が好ましい。
【化22】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、Y4は炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシ基、炭素原子数2〜3のアルケニル基、炭素原子数2〜3のアルケニルオキシ基(該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びアルケニルオキシ基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子又は塩素原子を有することができる)、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子を表し、
X16は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はイソチオシアネート基を表し、
【0035】
R10は、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数2〜3のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよく、
A10及びA11はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は2,6-ナフチレン基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び2,6-ナフチレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はメチル基を有することができ、
E4は、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−、−OCOCH2−、−CH2COO−又は−CH2OCO−を表し、
Z9は、単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−CH=CH−を表し、
sは0、1又は2を表す。)
誘電率異方性の絶対値が大きい化合物を必要とし、なおかつ能動素子を使用せずに駆動する表示素子に適した組成物に使用する場合は、一般式(VI-h)において、Y4がフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表すことが好ましく、
R10がメチル基又はトリフルオロメチル基を表すことが好ましく、メチル基を表すことがより好ましく、
【0036】
A10及びA11の少なくとも一つは、一般式(VI-i)
【化23】
(式中のX17〜X19はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す。)で表される部分構造式の郡から選択される構造を表すことが好ましく、一般式(VI-j)の構造式郡から選択される構造を表すことがより好ましく、
【0037】
【化24】
【0038】
E4が−CH2−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−又は−OCOCH2−を表すことが好ましく、−CH2−又は−COO−を表すことがより好ましく、
Z9が単結合、−COO−又は−OCO−を表すことが好ましく、
X16がシアノ基を表すことが好ましく、
sが0を表すことが好ましい。
【0039】
さらに、Y4が、フッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、R10がメチル基を表し、A10及びA11の少なくとも一つが一般式(VI-j)の構造式郡から選択される構造を表し、Z9が単結合、−COO−又は−OCO−を表し、E4が−CH2−又は−COO−を表し、X16がシアノ基を表し、sが0を表す化合物がさらに好ましい。
【0040】
また、誘電率異方性の絶対値及び屈折率異方性が大きい化合物を必要とし、なおかつ能動素子を使用せずに駆動する表示素子に適した組成物に使用する場合は、Y4が、フッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、R10がメチル基を表し、A10及びA11の少なくとも一つが一般式(VI-j)の構造式郡から選択される構造を表し、Z9が−C≡C−を表し、E4が−CH2−又は−COO−を表し、X16がシアノ基を表し、sが0を表す化合物がさらに好ましい
【0041】
具体的な化合物としては以下の一般式(VII-33)〜(VII-68)で表される化合物が特に好ましい。
【化25】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、R11はメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、Y5はメチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)
【0042】
【化26】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、R11はメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、Y5はメチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)
【0043】
正の誘電率異方性であって絶対値が大きい化合物を必要とし、なおかつ能動素子を用いて駆動する表示素子に適した組成物に使用する場合は、
一般式(VI-h)においてY4がメチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表すことが好ましく、
R10がメチル基又はトリフルオロメチル基を表すことが好ましく、
A10及びA11がそれぞれ独立的に、一般式(VI-i)で表される部分構造式の郡から選択される構造を表すことが好ましく、少なくとも一つは一般式(VI-j)の構造式郡から選択されることがより好ましく、
E4が、−CH2−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−又は−OCOCH2−を表すことが好ましく、
Z9が単結合を表すことが好ましく、
X16がフッ素原子、塩素原子又はトリフルオロメトキシ基を表すことが好ましく、
sが0を表すことが好ましい。
【0044】
さらに、Y4がメチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、R10がメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、A10及びA11の少なくとも一つが一般式(VI-j)の構造式郡から選択される構造を表し、Z9が単結合を表し、E4が、−CH2−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−又は−OCOCH2−を表し、X16がフッ素原子、塩素原子又はトリフルオロメトキシ基を表し、sが0を表す化合物が好ましい。
【0045】
正の誘電率異方性でありその絶対値及び屈折率異方性が大きい化合物を必要とし、なおかつ能動素子を用いて駆動する表示素子に適した組成物に使用する場合は、Y4がメチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、R10がメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、A10及びA11の少なくとも一つが一般式(VI-j)の構造式郡から選択される構造を表し、Z9が-C≡C-を表し、E4が、−CH2−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−又は−OCOCH2−を表し、X16がフッ素原子、塩素原子又はトリフルオロメトキシ基を表し、sが0を表す化合物が好ましい。
【0046】
具体的な化合物としては以下の一般式(VII-69)〜(VII-86)で表される化合物が特に好ましい。
【化27】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、A12及びA13はそれぞれ独立して1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表し、X20はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基を表し、R12はメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、Y6はメチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)
【0047】
負の誘電率異方性であって絶対値が大きい化合物を必要とし、なおかつ能動素子を用いて駆動する表示素子に適した組成物に使用する場合は、
一般式(VI-h)において、Y4が、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表すことが好ましく、
R10がメチル基又はトリフルオロメチル基を表すことが好ましく、
A10及びA11が、それぞれ独立して一般式(VI-k)
【化28】
(式中のX17〜X19はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す。)で表される部分構造式の郡から選択される構造を表すことが好ましく、少なくとも一つは一般式(VI-l)
の構造式郡から選択されることがより好ましく、
E4が−CH2−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−又は−OCOCH2−を表すことが好ましく、
Z9が単結合を表すことが好ましく、
X16が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表すことが好ましく、
sが0を表すことが好ましい。
【0048】
さらに、Y4が、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、R10がメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、A10及びA11の少なくとも一つが一般式(VI-l)の構造式郡から選択される構造を表し、E4が−CH2−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−又は−OCOCH2−を表し、Z9が単結合を表し、X16が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表し、sが0を表す化合物が好ましい。
【0049】
負の誘電率異方性でありその絶対値及び屈折率異方性が大きい化合物を必要とし、なおかつ能動素子を用いて駆動する表示素子に適した組成物に使用する場合は、Y4が、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、R10がメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、A10及びA11の少なくとも一つが一般式(VI-l)の構造式郡から選択される構造を表し、E4が−CH2−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−又は−OCOCH2−を表し、Z9が-C≡C-を表し、X16が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基を表し、sが0を表す化合物が好ましい。
【0050】
具体的な化合物としては以下の一般式(VII-87)〜(VII-98)で表される化合物が特に好ましい。
【化29】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、A14は1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表し、R13は炭素原子数1〜3のアルキル基又は炭素原子数1〜3のアルコキシ基を表し、R14はメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、Y7はメチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)
【0051】
HTP値の特に大きい化合物を必要とする場合、一般式(VI-m)で表される化合物が好ましい。
【化30】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、R15及びR16はそれぞれ独立的に、炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表し、Y9はメチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、Y8は炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシ基、炭素原子数2〜3のアルケニル基、炭素原子数2〜3のアルケニルオキシ基(該アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基及びアルケニルオキシ基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子又は塩素原子を有することができる)、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子を表し、
【0052】
A15、A16、A17及びA18はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基又は2,6-ナフチレン基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び2,6-ナフチレン基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はメチル基を有することができ、
E5及びE6はそれぞれ独立的に、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COCH2−、−CH2CO−、−COOCH2−、−OCOCH2−、−CH2COO−又は−CH2OCO−を表し、
t及びuはそれぞれ独立して0、1又は2を表す。)
【0053】
一般式(VI-m)において、R15及びR16、A15及びA18、A16及びA17、E5及びE6がそれぞれ等しく、t+u=1である化合物は製造が容易なため好ましく、具体的な化合物としては以下の一般式(VII-99)又は(VII-100)で表される化合物が特に好ましい。
【化31】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、R17は炭素原子数1〜7のアルキル基、炭素原子数1〜7のアルコキシ基、炭素原子数2〜7のアルケニル基又は炭素原子数2〜7のアルケニルオキシ基を表し、Y9はメチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)
【0054】
一般に、光学活性化合物のHTP値には温度依存性があり、S-811、CB-15及びCN等従来多くのカイラル剤は温度依存性が正、すなわち温度上昇に伴いHTP値が小さくなる傾向を有する。
一方、ツイストネマチック型デバイス(TN型デバイス)のしきい値電圧(Vth)は数式(1)(F.J.Kahn and R.A.Burmeister Jr. 239. Nanemissive Electrooptic Displays)
【数4】
(式中、K11、K22及びK33はフランクの弾性定数を表し、Δεは誘電率異方性を表し、Lは液晶層の厚さを表し、Pは自然ピッチを表す。)によって与えられる。
【0055】
また、スーパツイストネマチック型デバイス(STN型デバイス)のVthは数式(2)(松本正一、角田市良著 液晶の基礎と応用)
【数5】
(式中、K11、K22及びK33はフランクの弾性定数を表し、Δεは誘電率異方性を表し、dは液晶層の厚さを表し、Pは自然ピッチを表し、φは液晶分子配列の捩れ角を表し、θはプレチルト角を表す。)で表される。
【0056】
温度上昇に伴い弾性定数(K)は小さくなる傾向にあるため、これらの式によればTN型及びSTN型デバイスの何れにおいても、しきい値電圧は低下する。温度上昇に伴いHTP値が小さくなる前述の一般的な光学活性化合物を含有した液晶組成物では自然ピッチPが小さくなるため、数式(1)及び(2)より温度上昇に伴うしきい値電圧の低下がより大きくなる問題がある。
温度上昇に伴いHTP値が大きくなる光学活性化合物を含有した液晶組成物では、温度上昇に伴うしきい値電圧の低下が抑えられる。
【0057】
一般式(I)の化合物において、p、q及びmが何れも0を表し、E2が単結合を表し、R2がメチル基を表し、E1が-COO-を表す化合物は、温度上昇に伴いHTP値が大きくなるため、温度上昇に伴うしきい値電圧の上昇を抑える効果を有する。この中でも、Y1が炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はシアノ基を表すことが好ましく、R1がシアノ基、フッ素原子、塩素原子、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子を表すことが好ましく、
Y1が炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルコキシル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はシアノ基を表し、R1がシアノ基、フッ素原子、塩素原子、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子を表し、A1及びA2がそれぞれ独立して1,4-フェニレン基、2-フルオロ-1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基、2,6-ジフルオロ-1,4-フェニレン基又は3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基を表し、Z2が単結合又は-C≡C-を表す化合物がより好ましい。
【0058】
以上の化合物は例えば、以下の方法で製造することができる。
【0059】
製造方法1 一般式(VIII-c)及び一般式(VIII-d)の製造
一般式(I)において、A2が1,4-フェニレン基を表し、E2が単結合を表し、E1がCO又はCH2を表し、m及びqが0を表す場合。
【化32】
(式中、*、R1、R2、Z1、Y1、A1、p及びnは一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(VIII-a)で表される化合物に、一般式(VIII-b)で表されるカルボン酸クロリド誘導体を反応させることにより一般式(VIII-c)で表される化合物を製造することができる。得られた一般式(VIII-c)のカルボニル基を還元することにより一般式(VIII-d)で表される化合物を製造することができる。
【0060】
製造方法2 一般式(VIII-d2)の製造
一般式(I)において、A2が1,4-フェニレン基を表し、E2が単結合を表し、E1がCO又はCH2を表し、m+qが1、2、3又は4を表す場合。
製造方法1に記載の反応式において、一般式(VIII-b)に換えて一般式(VIII-e)
【化33】
(式中、*、R2、E2、Z2、Y1、A3、p、q及びmは一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)を用いることにより一般式(VIII-d2)
【化34】
(式中、*、R1、R2、E2、Z1、Z2、Y1、A1、A3、p、q、m及びnは一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)で表される化合物を製造することができる。
【0061】
製造方法3 一般式(VIII-h)の製造
一般式(I)において、A2が1,4-フェニレン基を表し、E2が単結合を表し、m及びqが0を表し、E1が酸素原子を表す場合。
【化35】
(式中、*、R1、R2、Z1、Y1、A1、p及びnは一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(VIII-f)で表されるフェノール誘導体と、一般式(VIII-g)で表される化合物を定法に従いエーテル化することにより一般式(VIII-h)で表される化合物を製造することができる。
【0062】
製造方法4 一般式(VIII-h2)の製造
一般式(I)において、A2が1,4-フェニレン基を表し、E2が単結合を表し、m+qが1、2、3又は4を表し、E1が酸素原子を表す場合。
製造方法3に記載の反応式において、一般式(VIII-g)に換えて一般式(VIII-i)
【化36】
(式中、*、R2、E2、Z2、Y1、A3、p、q及びmは一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)を用いることにより一般式(VIII-h2)
【化37】
(式中、*、R1、R2、E2、Z1、Z2、Y1、A1、A3、p、q、m及びnは一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)で表される化合物を製造することができる。
【0063】
製造方法5 一般式(VIII-p)の製造
一般式(I)において、E1が−COO−を表し、E2が−OCO−を表し、A2が1,4-フェニレン基を表す場合、
【化38】
(式中、*、R1、R2、E1、E2、Z1、Z2、Y1、A1、A3、p、q、m及びnは一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(VIII-j)で表されるジオール誘導体の一方の水酸基を保護した後、一般式(VIII-l)で表される安息香酸誘導体を反応させ一般式(VIII-m)で表されるエステル誘導体を製造する。一般式(VIII-m)の保護基を脱保護した後、一般式(VIII-o)で表されるカルボン酸誘導体を反応させることにより一般式(VIII-p)で表される化合物を製造することができる。
【0064】
製造方法6 一般式(VIII-t)の製造
一般式(I)において、A2が1,4-フェニレン基を表し、m及びqが0を表し、E1及びE2が単結合を表す場合。
【化39】
(式中、*、R1、R2、Z1、Z2、Y1、A1、A3、p及びnは一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(VIII-q)で表されるアルコール誘導体の水酸基を臭素化した後、マグネシウムを反応させ一般式(VIII-s)で表されるグリニャール試薬を製造する。これに、パラジウム等の遷移金属触媒存在下、ホウ酸誘導体を反応させることにより一般式(VIII-t)で表される化合物を製造することができる。
【0065】
製造方法7 一般式(VIII-w)の製造
一般式(I)において、A2が1,4-シクロヘキシレン基を表し、m及びqが0を表し、E1及びE2が単結合を表す場合。
【化40】
(式中、*、R1、R2、Z1、Y1、A1、p及びnは一般式(I)における意味と同じ意味を表す。)
製造方法6で製造した一般式(VIII-s)で表されるグリニャール試薬に、シクロヘキサノン誘導体を反応させることにより、一般式(VIII-u)で表される化合物を製造する。水酸基を脱水反応により除き一般式(VIII-v)で表されるシクロヘキセン誘導体とした後、金属触媒存在下、水素添加することにより一般式(VIII-w)で表される化合物を製造することができる。
【0066】
製造方法8 一般式(VIII-w)の製造
一般式(I)において、A2が1,4-フェニレン基を表し、E2が単結合を表し、m及びqが0を表し、E1が-COO-を表す場合。
【化41】
(式中、*、R1、R2、A1、Z1、Y1、p及びnは一般式(I)におけると同じ意味を表す。)
【0067】
一般式(VIII-x)で表される化合物に、塩化チオニル等のハロゲン化剤を反応させて一般式(VIII-y)で表される酸クロリド誘導体を製造する。得られた一般式(VIII-y)と一般式(VIII-z)で表されるアルコール誘導体を反応させることにより、一般式(VIII-aa)で表される化合物を製造することができる。
【0068】
反応に用いられる一般式(VIII-z)で表される光学活性なアルコール誘導体は次のような方法で製造することができる。
【0069】
pが0を表す場合、対応するベンゾフェノン誘導体をパン酵母等により不斉還元することによって光学活性アルコール誘導体を得ることができる。
【化42】
(式中、*、R2及びY1は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)
【0070】
pが0以外を表す場合、ラセミ体のアルコール誘導体を製造した後、以下に示すように酵素反応によりエナンチオマーの一方を優先的にエステル化し、カラムクロマトグラフ、再結晶等によりて光学活性エステルを得る。その後、エステルを加水分解すれば一般式(VIII-z)で表される光学活性なアルコール誘導体を製造することができる。
【化43】
(式中、*、p、R2及びY1は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)
ラセミ体のアルコール誘導体を製造した後、光学活性のカルボン酸誘導体等を用いてエナンチオマーをジアステレオマーに変換した後、一般的な分離方法により両者を単離した後加水分解することによっても一般式(VIII-z)で表される光学活性アルコール誘導体を製造することができる。
【0071】
又、対応するラセミ体のエステル誘導体を製造し、酵素反応によりエナンチオマーの一方を優先的に加水分解しても一般式(VIII-z)で表される光学活性なアルコール誘導体を製造することができる。
【化44】
(式中、*、p、R2及びY1は一般式(I)におけると同じ意味を表す。)
この反応は特にpが0を表す場合に有用である。
【0072】
本願発明一般式(I)で表される光学活性化合物は、上記以外の化合物も、上記手法の組み合わせ、及び既存の手法との組み合わせにより、製造することができる。
【0073】
反応生成物に対して必要に応じて、カラムクロマトグラフ、蒸留、再結晶等の精製処理を施すことによって、本願発明の化合物を精製することができる。
【0074】
本発明の液晶組成物について説明する。
本発明の液晶組成物は、本発明の光学活性化合物を1つ以上含有することを特徴とする。光学活性化合物の含有量は0.01質量%〜50質量%が好ましく、0.1質量%〜30質量%がより好ましいが、自然ピッチの要求値に応じて調整する。
【0075】
本発明の液晶組成物の25℃における自然ピッチは0.1〜1000μmが好ましいが、最適値は使用用途によって異なり、TN型液晶素子用液晶組成物として用いる場合は、20〜1000μmを表すことが好ましく、30〜200μmがより好ましい。STN型液晶素子用液晶組成物として用いる場合は、2〜50μを表すことが好ましく、4〜20μmがより好ましい。コレステリック液晶組成物として用いる場合は、0.1〜2μmを表すことが好ましく、0.15〜1μmがより好ましい。
【0076】
また、HTP値の温度依存性を調整するために、本発明の光学化合物に加えて他の光学活性化合物を添加することがさらに有用であり、他の光学活性化合物を1種から5種含有することが好ましい。このような光学活性化合物としてはコレステロール誘導体又は一般式(IX-a)
【0077】
【化45】
(式中、R'及びR''はそれぞれ独立して、
P1、P2及びP3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、インダン-2,5-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基又はフルオレン-2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基及びフルオレン-2,7-ジイル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はメチル基を有することができ、
L1及びL2は単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−、又は基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基が−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよい炭素原子数2〜5のアルキレン基を表し、該アルキレン基は非置換であるか置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフェニル基を有していても良く、
wは0、1又は2であるが、wが2の場合は各P1及び各L1は同じ基を意味しても、異なる基を意味しても良い。但し、R'、R''、L1及びL2のうち少なくとも一つは光学活性基である。)で表される光学活性化合物である。
【0078】
具体的には、下記の一般式(X-a)〜(X-l)で表される光学活性化合物と併用することが好ましい。
【化46】
(式中、*は不斉炭素の位置を表し、R20は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、R21は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R22*は一個又は2個以上の不斉炭素原子を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。)
【0079】
本発明の液晶組成物は一般式(II-a)、一般式(II-b)及び一般式(II-c)
R2-A4-Z3-(A5-Z4)p-(A6-Z5)q-A7-Z6-CN (II-a)
R2-A4-Z3-(A5-Z4)p-(A6-Z5)q-A7-Z6-X1 (II-b)
R2-A4-Z3-(A5-Z4)p-(A6-Z5)q-A7-Z6-R3 (II-c)
(式中、R2及びR3はそれぞれ独立的に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよく、
【0080】
A4、A5、A6、及びA7はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、インダン-2,5-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、フルオレン-2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基及びフルオレン-2,7-ジイル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はメチル基を有することができ、
Z3、Z4、Z5及びZ6はそれぞれ独立的に、単結合、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=N−、−N=CH−、−C≡C−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−CH=CH−、−CH2CH2CH=CH−、−CH=CHCH2CH2−、−CH2CH=CHCH2−を表し、
X1はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はイソチオシアネート基を表し、
p及びqはそれぞれ独立的に、0又は1を表す。)
で表される化合物群より選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0081】
本発明の液晶組成物をSTN、TN型液晶素子用の液晶組成物、又はコレステリック液晶組成物として用いる場合、液晶組成物の成分としては、誘電率異方性を大きくするために一般式(II-a)で表される液晶化合物を1種類以上含有することが好ましく、2種類以上含有することがより好ましい。
【0082】
一般式(II-a)の具体例としては一般式(III-a)〜(III-j)
【化47】
【0083】
(式中R4は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又は炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、
X2〜X5はそれぞれ独立的に、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す。)
で表される化合物を含有することが好ましく、中でも一般式(III-b)、(III-c)、(III-d)、(III-e)及び(III-f)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することがさらに好ましく、これらの化合物を2種類以上含有することが特に好ましい。
【0084】
さらに屈折率異方性、粘性等の物性値を調整するため式(II-c)で表される化合物を含有することができ、具体的には一般式(V-a)〜(V-n)
【化48】
【0085】
(式中、R4及びR5はそれぞれ独立的に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又は炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、
Aは1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表し、
Z8は単結合、−CH2−CH2−又は−COO−を表し、
X12〜X15はそれぞれ独立的に、水素原子、フッ素原子又はメチル基を表す。)で表される化合物群から選ばれることが好ましい。さらに、屈折率異方性を大きくするためには、一般式(V-e)、(V-f)、(V-g)、(V-h)、(V-i)、(V-k)及び(V-l)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することが好ましく、粘性を低くするためには一般式(V-a)、(V-b)、(V-c)、(V-d)及び(V-e)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することが好ましく、液晶の温度範囲を広くするためには一般式(V-j)、(V-k)、(V-l)、(V-m)及び(V-n)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することが好ましい。
【0086】
本発明の液晶組成物をアクティブ駆動型液晶素子用の液晶組成物として用いる場合、液晶組成物の成分としては、誘電率異方性を大きくするために一般式(II-b)で表される液晶化合物を1種類以上含有することが好ましく、2種類以上含有することがより好ましい。一般式(II-b)の具体例としては一般式(IV-a)〜(IV-k)
【0087】
【化49】
【0088】
(式中、R4は炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基又は炭素原子数2〜10のアルケニルオキシ基を表し、
A20は1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表し、
Z7は単結合又は−CH2−CH2−を表し、
X6は、フッ素原子、塩素原子、ジフルオロメトキシ基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
X7〜X11はそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す。)
で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することが好ましく、中でも一般式(IV-a)、(IV-f)、(IV-g)及び(IV-i)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することが好ましく、これらの中から2種類以上含有することがより好ましい。
【0089】
さらに屈折率異方性、粘性等の物性値を調整するため一般式(II-c)で表される化合物を含有することができ、具体的には一般式(V-a)〜(V-n)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することができる。屈折率異方性を大きくするためには、一般式(V-e)、(V-f)、(V-g)、(V-h)、(V-i)、(V-k)及び(V-l)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することが好ましく、又一般式(IV-b)、(IV-c)及び(IV-e)から選ぶことも好ましい。粘性を低くするためには一般式(V-a)、(V-b)、(V-c)、(V-d)及び(V-e)から選ばれる化合物を用いることを表すことが好ましい。液晶の温度範囲を広くするためには一般式(V-j)、(V-k)、(V-l)、(V-m)及び(V-n)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することが好ましく、一般式(IV-d)、(IV-e)、(IV-f)、(IV-g)、(IV-h)、(IV-i)及び(IV-j)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することも好ましい。
【0090】
これら本発明の液晶組成物は、光学活性化合物のHTP値が大きく、少量添加で所望の自然ピッチが得られるため液晶上限温度が高い。さらに、粘性が低くできるため応答速度が速く、駆動電圧を低減させた液晶組成物も得ることができる。
本発明の液晶表示素子について説明する。
【0091】
本発明の液晶表示素子は本発明の液晶組成物を使用することを特徴とする。TN型のスタティック駆動、TN型・STN型の単純マトリックス駆動、アクティブマトリックス駆動、及びコレステリック液晶を用いる相転移型駆動を適用できる。また液晶組成物が高分子ネットワーク中もしくは高分子中に形成された素子に用いることもできる。
【0092】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0093】
以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味し、*は不斉炭素の位置を示す。
螺旋の掌性は右ねじと同じ螺旋構造を右巻きとし、左ねじと同じ螺旋構造を左巻きとする。又、掌性は螺旋構造の知られている標準試料との接触法を用いて決定した。
【0094】
螺旋の自然ピッチは、くさび法(Cano法)により25℃にて測定を行った。自然ピッチの温度特性を測定するため25℃に加え0℃及び50℃でも同様な測定を行い、以下の式により算出し温度当たりの変化量とした。
【数6】
ΔP/ΔT:自然ピッチの1℃当たりの変化量(μm/℃)
Pmax:自然ピッチの最大値(μm)
Pmin:自然ピッチの最小値(μm)
Tpmax:自然ピッチが最大値を示す温度(℃)
Tpmin:自然ピッチが最小値を示す温度(℃)
【0095】
ヘリカルツイスティングパワーは式(XII-a)
【化50】
【0096】
で表される液晶組成物に、測定する光学活性化合物を添加し、一定の温度で自然ピッチを測定し以下の式により算出した。
【数7】
ヘリカルツイスティングパワー:HTP (1/μm)
自然ピッチ:P (μm)
光学活性化合物の添加量:C (質量%)
【0097】
しきい値電圧(Vth)はセル厚d(μm)のSTN液晶表示素子(STN-LCD)を構成したときの25℃でのしきい値電圧(V)。印加駆動波形は100Hz矩形波。セル厚d(μm)は、Δn・d=0.90 の関係式より決定する。(Vthは透過率が90%のときの駆動電圧)又、しきい値電圧の温度あたりの変化量を以下のように算出した。
【数8】
【0098】
ΔE/ΔT:しきい値電圧の1℃当たりの変化量(mV/℃)
Emax:しきい値電圧の最大値(V)
Emin:しきい値電圧の最小値(V)
TEmax:しきい値電圧が最大値を示す温度(℃)
TEmin:しきい値電圧が最小値を示す温度(℃)
【0099】
(実施例1)
以下の方法で式(XI-a)で表される化合物を得た。
【化51】
塩化アルミニウムの塩化メチレン懸濁液に氷冷下、(R)−2−(3−メトキシフェニル)プロピオン酸クロリドの塩化メチレン溶液を滴下した。同温度で15分攪拌した後、トランス−4−プロピルシクロヘキシルベンゼンの塩化メチレン溶液を滴下した。反応終了後、反応系を氷水に加えた後、塩化メチレンを加え有機層を分離した。有機層を水で二回洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。水層を塩化メチレンで洗浄し有機層を合わせ、溶媒を濃縮し(R)−1−(4−シクロヘキシルフェニル)−2−(3−メトキシフェニル)−プロパン−1−オンの粗生成物を得た。得られた粗生成物のエチレングリコール溶液にヒドラジン一水和物を加え、副生する水を除きながら110℃で攪拌した。水の流出がほぼ停止した後、120℃で攪拌し過剰のヒドラジンを留去した。反応系の温度を下げ、水酸化カリウムを加え160℃に加熱した。反応終了後反応系の温度を下げ、水及びトルエンを加え攪拌した。有機層を分離した後、水層をトルエンで洗浄し有機層を合わせ水で三回洗浄した、飽和の食塩水で洗浄後、濃縮することにより式(XI-a)で表される化合物の粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフにて精製した後、エタノールから再結晶し(S)−1−{2−(3−メトキシフェニル)プロピル}−4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼン(式(XI-a)で表される化合物のS体)を得た。
【0100】
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、式(XI-b)
【化52】
(S)−1−{3,3,3−トリフルオロ−2−(3−メトキシフェニル)プロピル}−4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)ベンゼンを得た。
【0101】
(実施例3)
以下の方法で式(XI-c)で表される化合物を得た。
【化53】
塩化アルミニウムの塩化メチレン懸濁液に氷冷下、(R)−3−(3−メトキシフェニル)酪酸クロリドの塩化メチレン溶液を滴下した。同温度で15分攪拌した後、トランス−4−プロピルシクロヘキシルベンゼンの塩化メチレン溶液を滴下した。反応終了後、反応系を氷水に加えた後、塩化メチレンを加え有機層を分離した。有機層を水で二回洗浄後、飽和食塩水で洗浄した。水層を塩化メチレンで洗浄し有機層を合わせ、溶媒を濃縮し(R)−1−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−メトキシフェニル)−ブタン−1−オンの粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフにて精製した後、エタノールから再結晶し(R)−1−(4−シクロヘキシルフェニル)−3−(3−メトキシフェニル)−ブタン−1−オン(式(XI-c)で表される化合物のR体)を得た。
【0102】
(実施例4)
以下の方法で式(XI-d)で表される化合物を得た。
【化54】
水素化ナトリウム(50%ミネラルオイル分散)のテトラヒドロフラン(THF)懸濁液に氷冷下、トランス−4−ブチルシクロヘキシルフェノールのTHF溶液を滴下した。発泡が停止した後、同温度で(R)−2−(3−メトキシフェニル)ブロモプロパンのTHF溶液を滴下した。室温で4時間撹拌後、反応系を水に加え、トルエンを加え有機層を分離した。水層をトルエンで洗浄し有機層を合わせ濃縮後、式(XI-d)で表される化合物の粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフにて精製した後、エタノールから再結晶し(R)−1−{4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)フェニルオキシ}−2−(3−メトキシフェニル)プロパン(式(XI-d)で表される化合物のR体)を得た。
【0103】
(実施例5)
以下の方法で(XI-e)で表される化合物を得た。
【化55】
(R)−1−フェニルエチレングリコール、4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)安息香酸及び4−ジメチルアミノピリジンの塩化メチレン溶液を0℃で攪拌した。この溶液に同温度で1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドを10分で加えた後、室温まで昇温し室温で5時間撹拌した。不溶のジシクロヘキシル尿素を濾別した後、濾液を10%希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で、飽和食塩水の順に洗浄した。溶媒を濃縮後、式(XI-e)で表される化合物の粗生成物を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフにて精製した後、エタノールから再結晶し(R)−1−(3−メトキシフェニル)こはく酸・ビス{4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)フェニル}(式(XI-e)で表される化合物のR体)を得た。
【0104】
(実施例6)
以下の方法で(XI-m)で表される化合物を得た。
【化56】
【0105】
4’−ヒドロキシ−4−ビフェニルカルボン酸 8.6gを水酸化カリウム 5.3gを溶解させた含水エタノールに加え、室温で30分攪拌する。次いで加熱環流下でクロチルクロライド5.5gを滴下し、2時間加熱環流した。反応後、エタノールを減圧留去し、残渣に18%HCl 50mlを加え、析出する結晶を濾取し、水洗した後、減圧乾燥し、4’−(2−ブテニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸(XI-k)5.3gを得た。次に過剰の塩化チオニルを加え、2時間加熱環流した。反応終了後、過剰の塩化チオニルを減圧留去し、得られた粗製物にピリミジン30ml及び(R)−1−(3−メトキシフェニル)エタノール(XI-l)2.6gを加え、50℃で1時間反応させた。反応終了後、反応性生物を塩酸酸性下でトルエン抽出し、次いで水洗、乾燥し、溶媒を減圧留去後、メタノールから再結晶して、(R)−4’−(2−ブテニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸・1−(3−メトキシフェニル)エチル(式(XI-m)で表される化合物のR体)5.1gを得た。
融点 108℃
1H-NMR (400MHz, CDCl3) 1.62 (d, 3H), 1.72 (d, 3H), 3.77 (s, 3H), 5.6-6.1 (m, 3H), 6.7-8.1 (m, 12H)
IR(KBr) 1720cm-1 (C=O)、1265cm-1 (C-O)
MS m/z 402 (M+)
(R)−1−(3−メトキシフェニル)エタノールに換えて(S)−1−(3−メトキシフェニル)エタノールを用いる以外は同様な方法で、(S)−4’−(2−ブテニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸・1−(3−メトキシフェニル)エチル(式(XI-m)で表される化合物のS体)を得た。
【0106】
この反応において、(XI-l)で表される光学活性体は以下のような方法で製造した。
原料となるラセミ体のアルコールのエステルを製造し、リパーゼ等の酵素を用いてエナンチオマーの一方を優先的に加水分解し、光学活性アルコール誘導体をカラムクロマト、蒸留等で分離することにより当該化合物を得た。
【化57】
【0107】
(実施例7)
4’−(2−ブテニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸(XI-k)に換えて、4−{2−(4−ブチルフェニル)エチニル}安息香酸を用いる以外は実施例6と同様にして(S)−4−{2−(4−ブチルフェニル)エチニル}安息香酸・1−(3−メトキシフェニル)エチル(式(XI-n)で表される化合物のS体)を得た。
【化58】
融点 52℃
1H-NMR (400MHz, CDCl3) 0.80 (t, 3H), 1.23 (m, 4H), 1.52 (m, 2H), 1.58 (d, 3H), 2.52 (t, 2H), 3.72 (s, 3H), 6.01 (q, 1H), 6.7-8.0 (m, 12H)
IR(KBr) 1710cm-1 (C=O)、1274cm-1 (C-O)、1257cm-1
MS m/z 412 (M+)
【0108】
(実施例8)
4’−(2−ブテニルオキシ)−4−ビフェニルカルボン酸(XI-k)に換えて、4−{2−(4−ブチルフェニル)エチニル}安息香酸を用い、(R)−1−(3−メトキシフェニル)エタノール(XI-l)に換えて(S)−1−(3−ブロモフェニル)エタノール(XI-l)を用いる以外は実施例6と同様にして(S)−4−{2−(4−ブチルフェニル)エチニル}安息香酸・1−(3−ブロモフェニル)エチル(式(XI-o)で表される化合物のS体)を得た。
【化59】
融点 45℃
1H-NMR (400MHz, CDCl3) 0.81 (t, 3H), 1.25 (m, 4H), 1.51 (m, 2H), 1.59 (d, 3H), 2.53 (t, 2H), 5.99 (q, 1H), 7.0-8.0 (m, 12H)
IR(KBr) 1710cm-1 (C=O)、1274cm-1 (C-O)
MS m/z 460、462 (M+)
【0109】
(実施例9)
実施例1で得られた式(XI-a)で表される化合物1%及び、式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(A)の自然ピッチを測定し、前述の計算式より、式(XI-a)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で21.9であった。
【0110】
(実施例10)
実施例2で得た式(XI-b)で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(B)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-b)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で24.1であった。
【0111】
(比較例1)
不斉炭素原子に隣接するフェニル基のメタ位に置換基が存在しない式(XI-f)
【化60】
で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(C)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-f)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で16.2であった。
【0112】
(実施例11)
実施例3で得た式(XI-c)で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(D)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-c)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で27.1であった。
【0113】
(比較例2)
不斉炭素原子に隣接するフェニル基のメタ位に置換基が存在しない式(XI-g)
【化61】
で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(E)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-g)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で19.8であった。
【0114】
(実施例12)
実施例4で得た式(XI-d)で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(F)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-d)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で25.3であった。
【0115】
(比較例3)
不斉炭素原子に隣接するフェニル基のメタ位に置換基が存在しない式(XI-h)
【化62】
で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(G)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-h)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で18.5であった。
【0116】
(実施例13)
実施例5で得た式(XI-e)で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(H)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-e)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で41.6であった。
【0117】
(比較例4)
不斉炭素原子に隣接するフェニル基のメタ位に置換基が存在しない式(XI-i)
【化63】
で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(I)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-i)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で34.7であった。
【0118】
(比較例5)
液晶組成物に汎用されている式(VI-a)
【化64】
で表される化合物(S体製品名S-811)1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(J)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(VI-a)で表される化合物のHTP値を求めたところ、0℃で10.6、25℃で10.5、50℃で10.1であった。
尚、式(VI-a)で表される化合物は左向きの螺旋を誘起することが知られている。
【0119】
(実施例14)
実施例6で得た式(XI-m)で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(K)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-m)で表される化合物のHTP値を求めたところ、0℃で27.5、25℃で27.6、50℃で28.8であった。
螺旋の掌性を接触法にて確認したところ、R体の式(XI-m)で表される化合物は、右巻きの螺旋を誘起し、S体の式(XI-m)で表される化合物は、左巻きの螺旋を誘起する。
【0120】
(比較例6)
不斉炭素原子に隣接するフェニル基のメタ位に置換基が存在しない式(VI-e)
【化65】
で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(M)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(VI-e)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で20.4であった。
【0121】
(比較例7)
不斉炭素原子に隣接するフェニル基のパラ位に置換基が存在する式(XI-p)
【化66】
で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(N)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-p)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で2.7であった。
【0122】
(実施例15)
実施例7で得た式(XI-n)で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(O)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-n)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で21.8であった。
又、式(XI-n)で表される化合物のS体は左巻きの螺旋構造を誘起した。
【0123】
(実施例16)
実施例8で得た式(XI-o)で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(P)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(XI-o)で表される化合物のHTP値を求めたところ、0℃で23.9、25℃で24.2、50℃で24.9であった。
又、式(XI-o)で表される化合物のS体は左巻きの螺旋構造を誘起した。
【0124】
(比較例8)
不斉炭素原子に隣接するフェニル基のメタ位に置換基が存在しない式(VI-f)
【化67】
で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(Q)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(VI-f)で表される化合物のHTP値を求めたところ、25℃で17.2であった。
【0125】
(比較例9)
不斉炭素原子に隣接するフェニル基のメタ位に置換基が存在しない式(VI-d)
【化68】
で表される化合物1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(R)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(VI-d)で表される化合物のHTP値を求めたところ、0℃で16.1、25℃で16.4、50℃で16.4であった。
【0126】
(比較例10)
液晶組成物に汎用されている式(VI-b)
【化69】
で表される化合物(製品名CB-15)1%及び式(XII-a)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(S)の自然ピッチを測定し、実施例9と同様に式(VI-b)で表される化合物のHTP値を求めたところ、0℃で8.6、25℃で8.4、50℃で7.8であった。
【0127】
以上の実施例及び比較例の25℃におけるHTP値より、HTP増大の効果をまとめた結果を表1に示す。
【表1】
増大率:{(HTP2/HTP1)−1}×100
HTP1:本発明の方法実施前のHTP
HTP2:本発明の方法実施後のHTP
【0128】
表1より本発明のHTP増大方法の効果は明らかである。すなわち、実施例9(XI-a)と比較例1(XI-f)、実施例11(XI-c)と比較例2(XI-g)、実施例12(XI-d)と比較例3(XI-h)、実施例13(XI-e)と比較例4(XI-i)、実施例14(XI-m)と比較例6(XI-e)、実施例15(XI-n)及び16(XI-o)と比較例8(VI-f)に記載の化合物は、実施例に記載の化合物が不斉炭素に隣接するフェニル基のメタ位に置換基が存在する以外は同一の骨格を有している。それぞれを比較すると本願発明の方法により、20%〜41%もHTPを増大できることが明らかである。
【0129】
比較例7に記載の化合物(XI-p)は、パラ位に置換基を有する以外は実施例14に記載の化合物と同様な骨格を有する。この場合、HTPは大幅に減少してしまい、パラ置換化合物(XI-p)からメタ置換化合物(XI-n)の増大率は極めて大きいことが解る。
【0130】
本願発明の光学活性化合物の効果を示すために、汎用されている光学活性化合物との25℃におけるHTPの比較を表2に示す。
【表2】
表2から明らかなように、従来汎用されてきた光学活性化合物のHTPは小さく本願発明の化合物に劣ることが明らかであり、前述の表1より、メタ置換化合物の効果は明らかである。
【0131】
HTP値の温度特性を表3に示す。
【表3】
比較例の化合物では、温度上昇に伴いHTP値は低下しているが、実施例14及び16の化合物は温度上昇に伴いHTP値が大きくなることがわかる。
【0132】
(実施例17)
式(XI-a)で表される化合物1%及び式(XII-b)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(T)の自然ピッチを測定したところ、0℃で5.44μm、25℃で5.46μm、50℃で5.49μmであった。この組成物(T)の1℃あたりの自然ピッチの変化量は0.001μm/℃であった。
【化70】
【0133】
(比較例11)
式(XI-f)で表される化合物1%及び式(XII-b)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(U)の自然ピッチを測定したところ、0℃で7.32μm、25℃で7.37μm、50℃で7.51μmであった。この組成物(U)の1℃あたりの自然ピッチの変化量は0.0038μm/℃であった。
【0134】
(実施例18)
式(XI-e)で表される化合物を液晶組成物(XII-b)に1%加え、得られた液晶組成物(V)の自然ピッチを測定したところ、0℃で3.16μm、25℃で2.96μm、50℃で2.92μmであった。この組成物(V)の1℃あたりの自然ピッチの変化量は0.0048μm/℃であった。
【0135】
(比較例12)
式(XI-i)で表される化合物1%及び式(XII-b)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(W)の自然ピッチを測定したところ、0℃で3.81μm、25℃で3.56μm、50℃で3.51μmであった。この組成物(W)の1℃あたりの自然ピッチの変化量は0.006μm/℃であった。
【0136】
(比較例13)
式(VI-a)で表される化合物1%及び式(XII-b)で表される液晶組成物99%からなる液晶組成物(X)の自然ピッチを測定したところ、0℃で9.66μm、25℃で9.86μm、50℃で10.33μmであった。この組成物(X)の1℃あたりの自然ピッチの変化量は0.013μm/℃であった。
実施例17と比較例11、実施例18と比較例12の比較より、実施例17及び18の液晶組成物は自然ピッチの温度依存性が小さいことがわかる。
【0137】
(実施例19)
(XII-b)で表される液晶組成物に、式(XI-a)で表される化合物を自然ピッチが0.35μmになるように加え、コレステリック液晶組成物(Y)を調整した。この組成物(Y)のコレステリック−アイソトロピック転移温度を測定したところ、83.1℃であった。
【0138】
(比較例14)
(XII-b)で表される液晶組成物に、式(XI-f)で表される化合物を自然ピッチが0.35μmになるように加え、コレステリック液晶組成物(Z)を調整した。この組成物(Z)のコレステリック−アイソトロピック転移温度を測定したところ、74.6℃であった。
【0139】
(実施例20)
(XII-b)で表される液晶組成物に、式(XI-e)で表される化合物を自然ピッチが0.35μmになるように加え、コレステリック液晶組成物(AA)を調整した。この組成物(AA)のコレステリック−アイソトロピック転移温度を測定したところ、99.8℃であった。
【0140】
(比較例15)
(XII-b)で表される液晶組成物に、式(XI-i)で表される化合物を自然ピッチが0.35μmになるように加え、コレステリック液晶組成物(AB)を調整した。この組成物(AB)のコレステリック−アイソトロピック転移温度を測定したところ、95.3℃であった。
【0141】
(比較例16)
(XII-b)で表される液晶組成物に、式(VI-a)で表される化合物を自然ピッチが0.35μmになるように加え、コレステリック液晶組成物(AC)を調整した。この組成物(AC)のコレステリック−アイソトロピック転移温度を測定したところ、63.8℃であった。
実施例19と比較例14、実施例20と比較例15の比較より、本願発明の化合物はHTPが大きいため、同一の自然ピッチを得るための添加量が少なくて済む。そのため実施例の液晶組成物の方は、コレステリック−アイソトロピック転移温度の低下を抑えることができ、結果として液晶上限温度の高い液晶組成物を得ることができる。
【0142】
(実施例21)
式(XII-c)で表される液晶組成物
【化71】
89.2%及び式(XI-m)で表されるカイラル化合物10.8%からなる、自然ピッチ0.35μmで選択反射波長が550nmであるコレステリック液晶組成物(AD)を調整した。このコレステリック液晶組成物(AD)のコレステリック−アイソトロピック転移温度は95℃であった。
【0143】
(比較例17)
式(XII-c)で表される液晶組成物83%及び式(VI-e)で表されるカイラル化合物17%からなる、自然ピッチ0.35μmで選択反射波長が553nmであるコレステリック液晶組成物(AE)を調整した。このコレステリック液晶組成物(AE)のコレステリック−アイソトロピック転移温度は83.4℃であった。
【0144】
(比較例18)
式(XII-c)で表される液晶組成物60.5%及び式(VI-b)で表されるカイラル化合物39.5%からなる、自然ピッチ0.35μmで選択反射波長が552nmであるコレステリック液晶組成物(AF)を調整した。このコレステリック液晶組成物(AF)のコレステリック−アイソトロピック転移温度61.0℃であった。
実施例21と比較例17、18の比較より、本願発明の式(XI-m)で表されるカイラル化合物はHTPが大きいため同一ピッチを得るための添加量が少なくて済むため、コレステリック−アイソトロピック転移温度の低下を抑えることができ、結果として液晶上限温度の高い液晶組成物を得ることができる。
また、これらのコレステリック液晶組成物を注入したコレステリック液晶表示素子においても、実施例21のコレステリック液晶組成物を用いた表示素子がより広いコレステリック温度範囲を有していた。
【0145】
(実施例22)
式(XII-d)で表される液晶組成物
【化72】
99.7%及び式(XI-m)で表されるカイラル化合物を0.3%からなる液晶組成物(AG)を調整した。この液晶組成物(AG)をセルギャップ6.7μm、ツイスト角270°のSTNセルに注入し、測定温度を変えてしきい値を測定したところ、0℃で2.123V、10℃で2.086V、25℃で2.026V、40℃で1.941Vであった。これよりしきい値電圧の温度あたりの変化量は4.55mV/℃である。
【0146】
(比較例19)
式(XII-d)で表される液晶組成物99.3%及び式(VI-a)で表されるカイラル化合物0.7%からなる液晶組成物(AH)を調整した。この液晶組成物(AH)をセルギャップ6.7μm、ツイスト角270°のSTNセルに注入し、測定温度を変えてしきい値を測定したところ、0℃で2.199V、10℃で2.140V、25℃で2.057V、40℃で1.941Vであった。これよりしきい値電圧の温度あたりの変化量6.45mV/℃である。
【0147】
実施例22と比較例19で示した液晶組成物のしきい値電圧の温度あたりの変化量の比較より、実施例6の液晶組成物の方がしきい値の温度依存性が小さくなっていることがわかる。
【0148】
【発明の効果】
本発明により、光学活性化合物の部分構造を置換することでHTPを増大することができ、大きなHTP値を有する光学活性化合物を得ることができた。また本発明の光学活性化合物を用いることにより、液晶上限温度が高い液晶組成物を得ることができた。これらの液晶組成物を用いた液晶表示素子は、TN、STN又はアクティブ駆動液晶表示素子、コレステリック液晶表示素子を始めとする液晶ディスプレイとして非常に実用的である。
Claims (17)
- 一般式(I)
*は不斉炭素の位置を表し、
R1及びR2はそれぞれ独立的に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基又はイソチオシアネート基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよく、
A1、A2及びA3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、又は1,4-シクロヘキシレン基、を表し、該1,4-フェニレン基、は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はメチル基を有することができ、
Z1及びZ2はそれぞれ独立的に、単結合、−COO−、−OCO−、又は−C≡C−を表し
Y1は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表し、
E1及びE2はそれぞれ独立的に、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、又は−CH2−を表し
nは、1を表し、m、p及びqはそれぞれ独立的に0、1又は2を表し、mが2を表すとき複数存在するZ2及びA3は各々同じ基を意味しても、異なる基を意味してもよい、
ただし、E1及びZ2はそれぞれを構成する酸素原子が隣接する組み合わせを除く。)
で表される光学活性化合物。 - m及びqが0を表し、E2が単結合を表し、R2がメチル基又はトリフルオロメチル基を表す請求項1記載の光学活性化合物。
- pが0を表し、E1が-COO-を表し、R2がメチル基を表す請求項2記載の光学活性化合物。
- A1及びA2がそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基又は1,4-シクロヘキシレン基を表す、請求項3記載の光学活性化合物。
- mが2を表し、Z1及びZ2が単結合を表す請求項1記載の光学活性化合物。
- pが0を表し、qが1を表し、E1及びE2がそれぞれ独立的に-CH2-、-COO-、又は-OCO-を表す請求項5記載の光学活性化合物。
- Y1が臭素原子又はメトキシ基を表す請求項1、2、3、4、5、又は6の何れかに記載の光学活性化合物。
- 請求項1、2、3、4、5、6、又は7の何れかに記載の光学活性化合物を0.01質量%〜50質量%含有するネマティック又はコレステリック液晶組成物。
- コレステロール誘導体又は一般式(IX-a)
P1、P2及びP3はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、インダン-2,5-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基又はフルオレン-2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基及びフルオレン-2,7-ジイル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はメチル基を有することができ、
L1及びL2は単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−、又は基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基が−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよい炭素原子数2〜5のアルキレン基を表し、該アルキレン基は非置換であるか置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、炭素数1〜5のアルキル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はフェニル基を有していても良く、
wは0、1又は2であるが、wが2の場合は各P1及び各L1は同じ基を意味しても、異なる基を意味しても良い。但し、R’、R’’、L1及びL2のうち少なくとも一つは光学活性基である。)で表される光学活性化合物を1〜5種類含有し、25℃における自然ピッチが0.1〜1000μmである請求項8記載のネマティック又はコレステリック液晶組成物。 - 一般式(II-a)、式(II-b)及び式(II-c)
R2-A4-Z3-(A5-Z4)p-(A6-Z5)q-A7-Z6-CN (II-a)
R2-A4-Z3-(A5-Z4)p-(A6-Z5)q-A7-Z6-X1 (II-b)
R2-A4-Z3-(A5-Z4)p-(A6-Z5)q-A7-Z6-R3 (II-c)
(式中、R2及びR3はそれぞれ独立的に、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基を表し、該アルキル基又はアルケニル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はトリフルオロメチル基を有することができ、該アルキル基又はアルケニル基中に存在する1個又は2個以上のメチレン基は、−CO−で置換されていても良く、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、酸素原子又は−COO−で置換されていてもよく、
A4、A5、A6、及びA7はそれぞれ独立的に、1,4-フェニレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキセニル基、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、テトラヒドロチオピラン-2,5-ジイル基、1,4-ビシクロ(2,2,2)オクチレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、インダン-2,5-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、フルオレン-2,7-ジイル基を表し、該1,4-フェニレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、2,6-ナフチレン基、フェナントレン-2,7-ジイル基、9,10-ジヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基、1,2,3,4,4a,9,10a-オクタヒドロフェナントレン-2,7-ジイル基及びフルオレン-2,7-ジイル基は非置換であるか又は置換基として1個又は2個以上のフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はメチル基を有することができ、
Z3、Z4、Z5及びZ6はそれぞれ独立的に、単結合、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=N−、−N=CH−、−C≡C−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=N−N=CH−、−CF=CF−、−CH=CH−、−CH2CH2CH=CH−、−CH=CHCH2CH2−、−CH2CH=CHCH2−を表し、
X1はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又はイソチオシアネート基を表し、
p及びqはそれぞれ独立的に、0又は1を表す。)
で表される化合物からなる群より選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する請求項8又は9記載のネマティック又はコレステリック液晶組成物。 - 請求項8、9、10、11、又は13の何れかに記載の液晶組成物を用いた液晶表示素子
- 請求項11又は13のいずれかに記載の液晶組成物を用いたTNもしくはSTN液晶表示素子。
- 請求項12又は13のいずれかに記載の液晶組成物を用いたアクティブ駆動液晶表示素子。
- 請求項11又は13のいずれかに記載の液晶組成物を用いたコレステリック液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003154595A JP4665379B2 (ja) | 2002-06-28 | 2003-05-30 | ヘリカルツイスティングパワーの増大方法、光学活性化合物、それを含有した液晶組成物及び液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002189821 | 2002-06-28 | ||
JP2002285617 | 2002-09-30 | ||
JP2003154595A JP4665379B2 (ja) | 2002-06-28 | 2003-05-30 | ヘリカルツイスティングパワーの増大方法、光学活性化合物、それを含有した液晶組成物及び液晶表示素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004176038A JP2004176038A (ja) | 2004-06-24 |
JP4665379B2 true JP4665379B2 (ja) | 2011-04-06 |
Family
ID=32718701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003154595A Expired - Fee Related JP4665379B2 (ja) | 2002-06-28 | 2003-05-30 | ヘリカルツイスティングパワーの増大方法、光学活性化合物、それを含有した液晶組成物及び液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4665379B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4556097B2 (ja) * | 2003-04-24 | 2010-10-06 | Dic株式会社 | 光学活性化合物、該化合物を含有する液晶組成物、該化合物の重合体、該重合体を含有する液晶表示素子 |
JP5286631B2 (ja) * | 2005-03-30 | 2013-09-11 | Dic株式会社 | 液晶組成物及び液晶表示素子 |
JP5750818B2 (ja) * | 2009-05-29 | 2015-07-22 | Dic株式会社 | アクティブマトリクス駆動用コレステリック液晶組成物 |
JP6638316B2 (ja) * | 2015-10-22 | 2020-01-29 | Dic株式会社 | 液晶組成物の弾性定数測定装置、及び液晶組成物の弾性定数測定方法 |
TW202102651A (zh) * | 2019-07-10 | 2021-01-16 | 日商Dic股份有限公司 | 膽固醇液晶組成物及液晶顯示元件 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6038346A (ja) * | 1983-08-12 | 1985-02-27 | Asahi Glass Co Ltd | 光学活性物質 |
JPS62161746A (ja) * | 1986-01-09 | 1987-07-17 | Dainippon Ink & Chem Inc | 新規トラン系カイラル化合物 |
JPS6351359A (ja) * | 1986-08-20 | 1988-03-04 | Dainippon Ink & Chem Inc | 光学活性なビフエニルエステル誘導体 |
JPH0196144A (ja) * | 1987-10-09 | 1989-04-14 | Chisso Corp | 光学活性‐1−(2−ハロゲン置換フェニル)エタノール |
JPH0240342A (ja) * | 1988-07-29 | 1990-02-09 | Sharp Corp | アルキルフェニル酢酸誘導体及び液晶組成物 |
JPH03236351A (ja) * | 1990-02-09 | 1991-10-22 | Dainippon Ink & Chem Inc | 光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物 |
JPH04506072A (ja) * | 1989-06-19 | 1992-10-22 | ザ・ウエルカム・ファウンデーション・リミテッド | 癌治療に有用であり、かつ抗ヒスタミン特性を有する医薬 |
JPH11305187A (ja) * | 1998-04-20 | 1999-11-05 | Minolta Co Ltd | 液晶組成物及び液晶表示素子 |
JP2000513024A (ja) * | 1997-05-19 | 2000-10-03 | ファイザー・インク | 抗炎症性ピペラジニルベンジルテトラゾール誘導体とその中間体 |
-
2003
- 2003-05-30 JP JP2003154595A patent/JP4665379B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6038346A (ja) * | 1983-08-12 | 1985-02-27 | Asahi Glass Co Ltd | 光学活性物質 |
JPS62161746A (ja) * | 1986-01-09 | 1987-07-17 | Dainippon Ink & Chem Inc | 新規トラン系カイラル化合物 |
JPS6351359A (ja) * | 1986-08-20 | 1988-03-04 | Dainippon Ink & Chem Inc | 光学活性なビフエニルエステル誘導体 |
JPH0196144A (ja) * | 1987-10-09 | 1989-04-14 | Chisso Corp | 光学活性‐1−(2−ハロゲン置換フェニル)エタノール |
JPH0240342A (ja) * | 1988-07-29 | 1990-02-09 | Sharp Corp | アルキルフェニル酢酸誘導体及び液晶組成物 |
JPH04506072A (ja) * | 1989-06-19 | 1992-10-22 | ザ・ウエルカム・ファウンデーション・リミテッド | 癌治療に有用であり、かつ抗ヒスタミン特性を有する医薬 |
JPH03236351A (ja) * | 1990-02-09 | 1991-10-22 | Dainippon Ink & Chem Inc | 光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物 |
JP2000513024A (ja) * | 1997-05-19 | 2000-10-03 | ファイザー・インク | 抗炎症性ピペラジニルベンジルテトラゾール誘導体とその中間体 |
JPH11305187A (ja) * | 1998-04-20 | 1999-11-05 | Minolta Co Ltd | 液晶組成物及び液晶表示素子 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004176038A (ja) | 2004-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI763951B (zh) | 一種化合物及其液晶組合物和光電顯示器件 | |
JP6797544B2 (ja) | フッ素化ジベンゾフランおよびジベンゾチオフェン誘導体 | |
US4439015A (en) | Disubstituted ethanes | |
US20090230356A1 (en) | Compound having alkyl on benzene ring, liquid crystal composition having the compound, and liquid crystal display device having the liquid crystal composition | |
JP2567288B2 (ja) | 2,3ージフルオロヒドロキノン誘導体 | |
JPH10236992A (ja) | 誘電率異方性値が負の液晶性化合物、この液晶性化合物を含有する液晶組成物、及びこの液晶組成物を用いた液晶表示素子 | |
JP3111048B2 (ja) | フツ素化オリゴフエニル化合物および液晶材料におけるそれらの使用 | |
JP4044617B2 (ja) | 負の誘電率異方性値を有する液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子 | |
US5061399A (en) | Optically active naphthalene compounds and liquid crystal materials and devices incorporating them | |
JPH03501247A (ja) | アリール‐五フツ化硫黄化合物 | |
JP4722490B2 (ja) | シクロペンタ[b]ナフタレン誘導体 | |
JP4940626B2 (ja) | ベンゼン環にアルキル基を有する化合物、この化合物を含有する液晶組成物およびこの液晶組成物を含有する液晶表示素子 | |
US7108895B2 (en) | Liquid crystal composition containing an optically active compound and liquid crystal electro-optical element | |
US8652353B2 (en) | Liquid crystal carbonate and liquid crystal medium containing the same with positive or negative dielectric anisotropy | |
KR19990045693A (ko) | 불소 치환 4-알케닐벤조산과 이의 유도체 및 벤조산시아노페닐에스테르 유도체를 함유하는 네마틱 액정 조성물과 이를 사용하는 액정 표시 장치 | |
JP2960975B2 (ja) | 新規なドーピング物質及びその使用 | |
JPH04330019A (ja) | (4e−シクロヘキシル−3−ブテニル)アリール誘導体及びその使用 | |
JP2786264B2 (ja) | アルコキシメチル―及びアルケニロキシメチルシクロヘキサン類 | |
JP4665379B2 (ja) | ヘリカルツイスティングパワーの増大方法、光学活性化合物、それを含有した液晶組成物及び液晶表示素子 | |
US7838087B2 (en) | Benzene derivative, liquid crystal composition and liquid crystal display device | |
KR100844112B1 (ko) | 헬리컬 트위스팅 파워의 증대 방법, 광학 활성 화합물,그를 함유한 액정 조성물 및 액정 표시 소자 | |
JPH10158652A (ja) | ドープ剤 | |
JPH1112271A (ja) | アキシアルにフッ素置換基を有する1,3−ジオキサン誘導体 | |
TWI430997B (zh) | 二氫茚化合物 | |
JPH10168454A (ja) | 電気光学液晶ディスプレイ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20050825 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060405 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090901 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091030 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100727 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100903 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100928 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101125 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101214 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101227 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4665379 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |