JP4664347B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現像装置及びこれを用いた画像形成装置に係り、特に、感光体ドラム上に形成された静電潜像を帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して帯電された現像剤によって可視像化する現像装置において、前記感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラの現像領域から落下する現像剤を回収するように構成された現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を用いたプリンタ等の画像形成装置では、回転駆動される感光体ドラムを帯電器により帯電し、前記感光体ドラムに画像情報に応じた光照射により静電潜像を形成し、現像装置によりこの静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像をシート材などの記録媒体に転写して画像を出力するようにされている。
画像形成装置の現像装置に用いられる現像剤として、例えば、帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して用いられる2成分現像剤が用いられている。
このように構成された画像形成装置においては、現像装置に設けられた現像ローラから飛散したトナーにより感光体ドラムの表面に付着し、その付着したトナーが記録媒体や転写ベルト等に付着して画像品位を低下させるという問題がある。
また、近年の画像形成装置の高速化に対応したプロセス速度の高速化や現像剤におけるキャリアの小粒径化(例えばキャリアの粒径をφ80μmからφ50μmへ)にともない、現像ローラの表面からキャリアが落下してしまい、装置内を汚染するとともに、落下したキャリアにより感光体ドラムを傷つけてしまう虞があるという問題がある。
そこで、従来の問題の対策として、現像装置にトナー回収ローラを設けて飛散した現像剤を回収するとともに、トナー回収ローラに付着した回収された現像剤をスクレーパにより除去するようにしたものが提案されている(特許文献1を参照)。
特開平7−319279号公報
上述した従来技術において現像装置にスクレーパを取付ける場合は、スクレーパをトナー回収ローラに均一に当接させるために、例えば、スクレーパの保持側に補強部材を裏打ちして複数箇所(数箇所程度)で該スクレーパをスクレーパ取付部等にビス締結するようにしたものが一般的である。
しかしながら、スクレーパはトナー回収ローラと摺接する先端摺擦部が摩耗するのでメンテナンス時に定期的に交換する必要があるため、上述したようなビス締結によるスクレーパの取付け構造では、スクレーパを組立てる時やメンテナンスで交換する時に作業が繁雑となるという問題がある。
また、ビス締結によるスクレーパの取付け構造では、ビスによる締結箇所に応力集中が生じてスクレーパが歪む虞があり、さらに、現像装置が大型化するという問題がある。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、簡単な構造でワンタッチでスクレーパを着脱できるとともに、スクレーパが歪むことなくトナー回収ローラへの均一な当接を実現でき、落下した現像剤による感光体ドラムの損傷を防止するとともに画像品位の低下を抑制できる現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明に係る現像装置及びこれを用いた画像形成装置の各構成は、次の通りである。
請求項1に記載した現像装置は、静電潜像担持体として例えば感光体ドラム上に形成された静電潜像を帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して帯電された現像剤によって可視像化するものであって、前記感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラの現像領域から落下する現像剤を回収する回収ローラと、前記回収ローラによって回収された現像剤を該回収ローラから除去する現像剤除去手段とを備え、前記現像剤除去手段は、前記回収ローラを保持するケース体と、前記回収ローラの軸線方向に沿って長く延設配置されるとともに該回収ローラの外周部に当接配置されて該回収ローラの外周部に付着した現像剤を除去するスクレーパと、前記スクレーパを保持するスクレーパ保持部材とを備えた現像装置において、前記ケース体の構成として、前記回収ローラが回転可能に保持される回収ローラ保持部と、前記スクレーパが取付けられるスクレーパ取付部と、前記スクレーパ保持部材が取付けられるスクレーパ保持部材取付部とを備え、前記現像ローラを配置するとともに前記現像剤が収容される現像装置本体に取付けられ、前記スクレーパ取付部には前記スクレーパを位置決めするスクレーパ位置決め部を形成し、前記スクレーパ保持部材取付部には前記スクレーパ保持部材を位置決めするスクレーパ保持部材位置決め部を形成し、前記スクレーパ保持部材の構成として、一端側を前記スクレーパ保持部材取付部に取付け、他端側を前記回収ローラの軸線方向に沿って前記スクレーパを押圧して前記スクレーパ取付部に押し当てて保持し、前記スクレーパ保持部材位置決め部に対応した係合部を形成し、前記スクレーパの構成として、前記スクレーパ位置決め部に対応した係合部を形成することを特徴とするものである。
本発明において、スクレーパ位置決め部としていわゆるハーフパンチによりケース体に凸部を設け、前記スクレーパ位置決め部に対応した係合部としてスクレーパに嵌合穴を形成したものが好ましい。
本発明において、スクレーパ位置決め部としていわゆるハーフパンチによりケース体に円形状の凸部を設け、前記スクレーパ位置決め部に対応した係合部としてスクレーパに丸型の嵌合穴といわゆる長穴状(小判型)の嵌合穴を形成したものが好ましい。
本発明において、スクレーパ保持部材位置決め部としていわゆるハーフパンチによりケース体に凸部を設け、前記スクレーパ保持部材位置決め部に対応した係合部としてスクレーパに嵌合穴を形成したものが好ましい。
本発明において、スクレーパ保持部材位置決め部としていわゆるハーフパンチによりケース体に円形状の凸部を設け、前記スクレーパ保持部材位置決め部に対応した係合部としてスクレーパに丸型の嵌合穴といわゆる長穴状(小判型)の嵌合穴を形成したものが好ましい。
また、請求項に記載した画像形成装置は、静電潜像担持体として例えば感光体ドラム上に形成された静電潜像を帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して帯電された現像剤によって可視像化するものであって、前記感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラの現像領域から落下する現像剤を回収する回収ローラと、前記回収ローラによって回収された現像剤を該回収ローラから除去する現像剤除去手段とを具備した現像装置を備え、電子写真方式により前記感光体ドラムの表面に形成された現像剤像を転写媒体上に転写することで画像を出力する画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
請求項1に記載した発明によれば、感光体ドラム上に形成された静電潜像を帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して帯電された現像剤によって可視像化するものであって、前記感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラの現像領域から落下する現像剤を回収する回収ローラと、前記回収ローラによって回収された現像剤を該回収ローラから除去する現像剤除去手段とを備え、前記現像剤除去手段は、前記回収ローラを保持するケース体と、前記回収ローラの軸線方向に沿って長く延設配置されるとともに該回収ローラの外周部に当接配置されて該回収ローラの外周部に付着した現像剤を除去するスクレーパと、前記スクレーパを保持するスクレーパ保持部材とを備えた現像装置において、前記ケース体の構成として、前記回収ローラが回転可能に保持される回収ローラ保持部と、前記スクレーパが取付けられるスクレーパ取付部と、前記スクレーパ保持部材が取付けられるスクレーパ保持部材取付部とを備え、前記現像ローラを配置するとともに前記現像剤が収容される現像装置本体に取付けられ、前記スクレーパ取付部には前記スクレーパを位置決めするスクレーパ位置決め部を形成し、前記スクレーパ保持部材取付部には前記スクレーパ保持部材を位置決めするスクレーパ保持部材位置決め部を形成し、前記スクレーパ保持部材の構成として、一端側を前記スクレーパ保持部材取付部に取付け、他端側を前記回収ローラの軸線方向に沿って前記スクレーパを押圧して前記スクレーパ取付部に押し当てて保持し、前記スクレーパ保持部材位置決め部に対応した係合部を形成し、前記スクレーパの構成として、前記スクレーパ位置決め部に対応した係合部を形成するように構成したので、スクレーパをビス締結することなく簡単にケース体に装着することができるので、ワンタッチで交換できるとともに、スクレーパが歪むことなく回収ローラへの均一な当接を実現できる。これにより、確実に回収ローラから現像剤を除去できるので、落下した現像剤による感光体ドラムの損傷を防止するとともに画像品位の低下を抑制できる現像装置を実現できる。
また、請求項1に記載の発明で得られる上記共通の効果に加え、各請求項に記載の発明によれば次の効果を得ることができる。
また、請求項に記載した画像形成装置は、静電潜像担持体として例えば回転駆動される円筒状の感光体ドラム上に形成された静電潜像を帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して帯電された現像剤によって可視像化するものであって、前記感光体ドラムにトナーを供給する現像ローラの現像領域から落下する現像剤を回収する回収ローラと、前記回収ローラによって回収された現像剤を該回収ローラから除去する現像剤除去手段とを具備した現像装置を備え、電子写真方式により前記感光体ドラムの表面に形成された現像剤像を転写媒体上に転写することで画像を出力する画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1に記載の現像装置を用いることで、スクレーパをビス締結することなくワンタッチで交換できるのでスクレーパの組付け性の及びメンテナンス性の向上を図るとともに、スクレーパが歪むことなくトナー回収ローラへの均一な当接を実現できるので回収した現像剤を確実に掻き取ることができ、これにより落下した現像剤を効率良く回収できるので現像剤による感光体ドラムの損傷を防止するとともに画像品位の低下を抑制できる現像装置を実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図、図2は前記画像形成装置の装置本体の構成を示す部分詳細図である。
本実施形態に係る画像形成装置1Aは、図1、図2に示すように、スキャナ等に読み込まれた画像データや外部から伝達された画像データを電子写真方式によって、回転駆動される円筒状の感光体ドラム(静電潜像担持体)3上に静電潜像を形成して、この静電潜像を帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して帯電された現像剤によって現像剤像として可視像化した後、記録媒体となる所定のシート状の記録用紙(以下、用紙と称する。)に転写してモノクロ(単色)画像として出力する画像形成装置であって、感光体ドラム3上の静電潜像を可視像化する現像装置として、感光体ドラム3にトナーを供給する現像ローラ202の現像領域から落下する現像剤を回収する回収ローラ220と、回収ローラ220によって回収された現像剤を回収ローラ220から除去する現像剤除去装置(現像剤除去手段)230とを備えた本発明に係る特徴的な現像装置2を採用したものである。
画像形成装置1Aの構成として、用紙Pを複数枚積載可能な給紙トレイ8と、この給紙トレイ8から供給される用紙Pを画像形成部14に搬送する用紙搬送部59と、画像形成部14で印字された用紙P上の未定着トナーを溶融させて定着させる定着ユニット6へ搬送する用紙搬送装置7とを備えており、予め設定された複数の排出処理モードに対応した用紙Pの搬送速度に基づいて、印字要求に応じて選択的に用紙Pの搬送速度を制御して給紙トレイ8から自動的に排紙トレイ9に用紙Pを供給可能としたものである。
まず、画像形成装置1Aの全体構成について説明する。
画像形成装置1Aは、図1に示すように、主に、露光ユニット1、現像装置2、トナー供給装置30、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、クリーナユニット5、定着ユニット6、用紙搬送装置7、用紙搬送路7a、給紙トレイ8、排紙トレイ9および転写機構10等を備える装置本体1A1と、自動原稿処理装置1A2とにより構成されている。
装置本体1A1の上面部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台21が設けられ、この原稿載置台21の上方には、自動原稿処理装置1A2が上方に向かい揺動開放自在に設けられ、一方、この原稿載置台21の下方には、原稿の画像情報を読み取る原稿読み取り部であるスキャナ部22が配置されている。
そのスキャナ部22の下方には、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、クリーナユニット5、定着ユニット6、用紙搬送装置7、用紙搬送路7a、排紙トレイ9、および転写機構10が配設され、さらに、その下方には、用紙Pが収納された給紙トレイ8が配設されている。
露光ユニット1は、画像処理部(図示省略)から出力された画像データに応じて、レーザ光を帯電器4によって均一に帯電された感光体ドラム3の表面に照射して露光することにより感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を書込み形成する機能を有するものである。この露光ユニット1は、スキャナ部22の直下で且つ感光体ドラム3上方に配置され、レーザ照射部11,11および反射ミラー12を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)13a,13bが採用されている。
本実施形態では、高速印字処理を行うために、複数のレーザ光を利用し、照射タイミングの高速化を低減する手法を用いた2ビーム手法を採用しているものとする。
なお、本実施形態では、露光ユニット1にレーザスキャニングユニット(LSU)13a,13bを用いているが、発光素子をアレイ状に並べたもの、例えば、ELやLED書込みヘッドを用いるものであっても良い。
感光体ドラム3は、略円筒形状を呈し、露光ユニット1の下方に配設され、図示しない駆動手段と制御手段により所定方向(図中の矢印A方向)に回転するように制御されている。この感光体ドラム3の外周面に沿って、図2に示すように、画像転写終了後の位置を基準として感光体ドラム回転方向下流側に向かい、用紙剥離爪31、クリーナユニット5、電界発生部としての帯電器4、現像装置2、除電装置41の順に配置されている。
用紙剥離爪31は、ソレノイド32により感光体ドラム3の外周面に接離可能に配置されている。この用紙剥離爪31は、感光体ドラム3の外周面に当接した状態で、感光体ドラム3上の未定着トナー像を用紙Pに転写する際にその感光体ドラム3の表面に張り付いた用紙Pを剥離するものである。
なお、用紙剥離爪31の駆動手段として、ソレノイド32の換わりに駆動用モータ等を採用しても良く、その他の駆動手段の選択も可能である。
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を黒トナーで顕像化するものであって、感光体ドラム回転方向(図中の矢印A方向)で帯電器4より下流側で感光体ドラム3の側方で略水平(図中で右側)に配置されている。この現像装置2の下方には、記録媒体搬送方向上流側にレジストローラ15が配置されている。なお、現像装置2の詳細については後述するものとする。
トナー供給装置30は、トナーが充填されたトナー容器300から排出されるトナーを一時的に中間ホッパ部33に貯留してから現像装置2に供給するものであって、現像装置2に隣接するようにして配置されている。
レジストローラ15は、給紙トレイ8から供給された用紙Pの先端と感光体ドラム3上のトナー像とを整合して感光体ドラム3と転写ベルト103との間に搬送するように、図示しない駆動手段および制御手段により動作制御されている。
帯電器4は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であって、感光体ドラム3の上方でその外周面に近接して配置されている。
なお、本実施形態では、チャージャー型の帯電器4を使用しているが、接触型のローラ方式によるものやブラシ方式によるものに代用しても良い。
除電装置41は、感光体ドラム3の表面に形成されたトナー像を用紙Pに転写し易くするために、この感光体ドラム3の表面電位を低下させるための転写前除電手段であって、感光体ドラム回転方向で現像装置2より下流側で、かつ感光体ドラム3の下方でその外周面に近接して配置されている。
なお、本実施形態では、除電装置41は、除電電極を用いて構成されているが、除電電極の替わりに除電ランプを使用したり、その他の方式により除電するようにしたものであっても良い。
クリーナユニット5は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収するものであって、感光体ドラム3を挟んで現像装置2と略対向する位置で感光体ドラム3の側方で略水平(図中で左側)に配置されている。
上述したように、感光体ドラム3上で顕像化された静電像は、静電像が有する電荷の逆極性の電界が搬送される用紙P上に転写機構10から印加されることで用紙P上に転写される。例えば、静電像が(−)極性の電荷を有している時は、転写機構10の印加極性は(+)極性となる。
転写機構10は、駆動ローラ101、従動ローラ102、および他のローラで架橋されるとともに、所定の抵抗値(本実施形態では、1×10〜1×1013Ω・cmの範囲)を有する転写ベルト103が配置された転写ベルト式ユニットで構成され、感光体ドラム3の下方で、転写ベルト103の表面が感光体ドラム3の外周面の一部と接触するように配置されている。この転写ベルト103により、用紙Pを感光体ドラム3に押圧しながら搬送するようになっている。
感光体ドラム3と転写ベルト103の接触部104には、駆動ローラ101および従動ローラ102とは異なる導電性で転写電界を印加可能な弾性導電性ローラ105が配置されている。
弾性導電性ローラ105は、弾性ゴム、発泡性樹脂等の軟質材料により構成されている。この弾性導電性ローラ105が弾性を有することで、感光体ドラム3と転写ベルト103とが線接触でなく転写ニップと呼ばれる所定の幅を有する面接触となるので、搬送される用紙Pへの転写効率の向上を図ることができる。
さらに、転写ベルト103の転写領域の用紙搬送方向下流側には、搬送される用紙Pが転写領域で印加された電界を除電し、次工程への搬送をスムーズに行う為の除電ローラ106が転写ベルト103の背面側に配置されている。
また、図2に示すように、転写機構10には、転写ベルト103の残留トナーによる汚れを取るクリーニングユニット107と、転写ベルト103の除電を行う複数の除電機構108が配置されている。この除電機構108に用いられる除電を行うための手法として、装置を介して接地する手法、若しくは積極的に転写電界の極性と逆極性を印加する手法がある。
転写機構10で用紙P上に転写された静電像(未定着トナー)は、定着ユニット6に搬送されて加圧・加熱されることで未定着トナーが溶融されて用紙P上に定着される。
定着ユニット6は、図2に示すように、加熱ローラ6a、加圧ローラ6bを備え、この加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとによって、用紙Pを挟持した状態で加熱ローラ6aを回転させ、加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとの間を通過させることにより、用紙P上に転写されたトナー像を溶融して定着させるものである。定着ユニット6の用紙搬送方向下流側には、用紙Pを搬送する搬送ローラ16が設けられている。
この搬送ローラ16の用紙搬送方向下流側には、用紙Pを排紙トレイ9に排紙するための排紙ローラ17が設けられている。
加熱ローラ6aは、その外周部には用紙剥離爪611、ローラ表面温度検出部材であるサーミスター612、ローラ表面クリーニング部材613が配置され、内周部には加熱ローラ表面を所定温度(定着設定温度:概ね160〜200℃)とする熱源614が設けられている。
加圧ローラ6bは、ローラの両端部で加熱ローラ6aに対し所定圧量で加圧ローラ6bが圧接することが可能な加圧部材621が配置され、さらに、加圧ローラ6bの外周には加熱ローラ6aの外周と同様に用紙剥離爪622、ローラ表面クリーニング部材623が配置されている。
定着ユニット6は、図2に示すように、いわゆる定着ニップ部と呼ばれる加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとの圧接部600において、搬送される用紙P上の未定着トナーを加熱ローラ6aにより加熱して溶融し、加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとの圧接力による用紙P上への投鋲作用で、未定着トナーを用紙P上に定着するようになっている。
給紙トレイ8は、図1に示すように、画像情報が出力(印字)されるシート(用紙)を複数枚蓄積しておくためのものであり、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、クリーナユニット5、定着ユニット6等で構成される画像形成部14の下側に構成されている。この給紙トレイ8の排紙側上部には、用紙ピックアップローラ8aが配置されている。
この用紙ピックアップローラ8aは、給紙トレイ8内に積載収容された用紙Pを最上層から1枚ずつピックアップし、下流側に向かって(便宜上の用紙Pの流れ出し側、換言するとカセット側を上流、排紙側を下流とする。)用紙搬送路7a上のレジストローラ(「アイドルローラ」とも称する。)15側に搬送するようになっている。
本実施形態に係る画像形成装置1Aでは、高速印字処理を行うことを目的とするため、画像形成部14の下方に定型サイズの用紙Pを各々のトレイに500〜1500枚収納可能な複数の給紙トレイ8が配置され、一方、装置側面には複数の用紙種類を多量に収納可能な大容量給紙カセット81が配置されるとともに、この大容量給紙カセット81の上方に、主に不定型サイズの印字等に対応する手差しトレイ82が設けられている。
排紙トレイ9は、手差しトレイ82とは反対側の装置側面に配置されている。また、排紙トレイ9に変わって、排紙用紙のステープル、パンチ処理等を行う後処理装置や複数段排紙トレイ等をオプションとして配置することも可能な構成となっている。
用紙搬送装置7は、前述した感光体ドラム3と給紙トレイ8との間に構成され、用紙搬送装置7に備わる用紙搬送路7aを経由させて、給紙トレイ8から供給される用紙Pを一枚ずつ転写機構10に搬送し、転写機構10において、感光体ドラム3からトナー像が転写された用紙を定着ユニット6に搬送し、定着ユニット6において、未定着トナー像を用紙に定着した後に、指定された排紙処理モードに応じて形成された用紙搬送路や分岐爪によって用紙を搬送するように構成されている。
本実施形態に係る画像形成装置1Aは、予め設定された排出処理モードとして、片面印字モードおよび両面印字モードが設定されている。片面印字モードにおいて、排出処理として印字面を上方に向けて排出されるフェースアップ排出、および、印字面を下方に向けて排出されるフェースダウン排出が設定されている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1Aを構成する現像装置2とその周辺構成について図面を参照して説明する。
図3は本実施形態に係る画像形成装置を構成する現像装置及びトナー供給装置の構成を示す概略側面断面図である。
本実施形態では、図3に示すように、現像装置2に隣接してトナー供給装置30が設けられている。このトナー供給装置30の下側には、現像装置2の作動中に生ずる動作熱を強制冷却するために、現像装置2の外装部を形成するホッパ200に風を送り込むダクト50が設けられる。
トナー供給装置30は、現像装置2に隣接して配設され、トナーが充填されたトナー容器300から排出されるトナーを一時的に中間ホッパ部33に貯留してから現像装置2に供給する。本実施形態では、トナー容器300はトナーが充填される容器本体310が支持部材350に回転可能に支持される構成となっている。
中間ホッパ部33に送出されたトナーは、中間ホッパ部33内にて、まず、撹拌部材34によって撹拌される。撹拌部材34は、撹拌軸34aに撹拌羽根34bが設けられている構成であり、撹拌軸34aが回転することによって撹拌軸34a周りを撹拌羽根34bが回転してトナー容器300から供給された中間ホッパ部33内のトナーが撹拌される。
撹拌部材34によって撹拌されたトナーは、撹拌部材34の撹拌動作によって搬送ローラ35を介して供給ローラ36側に送出される。供給ローラ36は、撹拌部材34から搬送ローラ35を経て送出されたトナーを中間ホッパ部33の現像装置2と当接する部位に形成された開口部30aへトナーを送出することによってトナーを現像装置2に供給する。
また、トナー容器300の支持部材350の底面側(画像形成装置1Aにトナー容器300を装着したときの下面)には、図3に示すように、トナー容器300から供給されるトナーを支持部材350外部に排出するためのトナー供給孔300aを開閉するためのシャッタ開閉機構400が設けられている。つまり、シャッタ開閉機構400により支持部材350のトナー供給孔300aが開放状態になると、トナー供給孔300aと中間ホッパ部33に設けられた開口部33aとが連通状態となり、トナー容器300から排出されるトナーが中間ホッパ部33に供給される。
次に、本実施形態に係る特徴的な現像装置2の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図4は本実施形態に係る現像装置の構成を示す断面図、図5(a)は前記現像装置を構成する混合ローラの構成を示す側面断面図、(b)は(a)のB1−B1矢視図、(c)は(a)のB2−B2矢視図、(d)は(a)のB3−B3矢視図、(e)は(a)のB4−B4矢視図である。
現像装置2は、図4に示すように、外装部を形成するホッパ200を備え、該ホッパ200におけるトナー供給装置30に備わるトナーを供給するための開口部30aと当接する部位には、トナーを導入するためのトナー導入口201が形成されている。該ホッパ200内部には、現像剤が貯留されるとともに、現像ローラ202、パドルローラ203、混合ローラ204、搬送ローラ205、規制部材207及び回収ローラ220が設けられている。
現像装置2は、ホッパ200から一部露出した現像ローラ202の周面と感光体ドラム3の周面(周面領域に付着した現像剤)とが対向して近接するように画像形成装置1A内に取り付けられる。そして、現像ローラ202の周面領域において、感光体ドラム3との対向部付近が現像位置(現像領域)となる。
ホッパ200では、トナー供給装置30から供給され、トナー導入口201から導入されたトナーが搬送ローラ205で混合ローラ204へ搬送され、磁性キャリアと混合されて二成分系現像剤が形成される。混合ローラ204は、前述した新たに形成された二成分系現像剤とホッパ200内に既存の現像剤とを混合する。混合ローラ204で混合して得られた現像剤は、パドルローラ203で撹拌されながら帯電されてから静電潜像を現像するための現像ローラ202に供給され、現像ローラ202により感光体ドラム3に担持された静電潜像に搬送される。現像ローラ202に供給された現像剤は、ホッパ200を構成する支持部材212によって支持される規制部材207により現像ローラ202で搬送される現像剤の層厚が規制される。これにより、感光体ドラム3に供給される現像剤供給量が規制される。
ホッパ200は、現像装置2内の温度上昇対策として、熱伝導性の大きいアルミニウム等の金属材料により形成されており、感光体ドラム3の周面に臨む位置に開放部200a、トナー供給装置30に備わるトナーを供給するための開口部30aと当接する位置にトナーを導入するためのトナー導入口201が設けられている略角柱形である。
ホッパ200の上部を構成する支持部材212の外側上部には、ホッパ200内の圧抜きをするための圧抜機構部217が設けられている。この圧抜機構部217を定期的に作動させることにより、現像装置2内の圧抜きが実行され、装置内のトナー飛散を防止できる。
ホッパ200内の開放部200aに臨む位置には、現像ローラ202が配置され、トナー導入口201に臨む位置には、トナー導入口201からホッパ200内へ供給された現像剤(トナー)を混合ローラ204へ搬送する搬送ローラ205が回転自在に配置されている。
ホッパ200の混合ローラ204の下側と対向する位置には、ホッパ200内のトナーの濃度を検出するためのトナー濃度センサ213が感光体ドラム3側寄りの下側に設けられており、混合ローラ204により混合・撹拌されるトナー量が適正量よりも減少したときの検出値に基づいて、トナー導入口201からトナーを補給するように構成されている。
また、ホッパ200の開放部200aの現像ローラ202下側で隣接する位置には、現像ローラ202に付着した現像剤を回収する回収ローラ220が配置されている。
現像ローラ202は、図4に示すように、感光体ドラム3との間に現像ギャップ(0.5〜1.5mm程度)を設けて配置され、複数の周方向位置に断面形状が長方形の棒磁石からなるN極の磁性を有する磁極部材N1,N2およびS極の磁性を有する磁極部材S1,S2,S3が離隔して放射状に配設された多極着磁のマグネットローラ214と、このマグネットローラ214に回転自在に外嵌された略円筒形状のアルミニウム合金および黄銅等で形成される非磁性のスリーブ215とを備えている。
マグネットローラ214は、両端部がホッパ200の両側壁に非回転に固定・支持されており、磁極部材N1が感光体ドラム3の周面と対向する位置に配置されている。
磁極部材N1,N2は、現像ローラ202の周方向となる幅寸法の中央が磁極中心軸P1,P2になっており、この磁極中心軸P1,P2を棒磁石の全長にわたって有している。感光体ドラム3の周面と対向する磁極部材N1は、感光体ドラム3の中心軸および現像ローラ202の中心軸を通る直線に対して磁極中心軸P1がほぼ一致するように配置されている。
このように構成された磁極部材N1,N2及びS1,S2,S3による磁界によって、スリーブ215の外周に沿ってトナーとキャリアとからなる2成分現像剤を吸着して磁気ブラシを形成される。感光体ドラム3と現像ローラ202の回転により形成された磁気ブラシによって、上述した現像ギャップ部で感光体ドラム3の表面を摺擦して現像が行なわれる。
規制部材207は、現像ローラ202との間で現像剤の搬送量を規制しつつ現像剤の主帯電を行うものであり、断面形状が略矩形の非磁性の金属板からなり、規制部材207の幅方向一端面が現像ローラ202(スリーブ215)の外周面とギャップG1を有して対向している。
また、規制部材207は、ホッパ200の開放部200a内側であって磁極部材S1および磁極部材N2の間の位置に配置され、規制部材207に取着されたカバー体216により開放部200aに設置されている。なお、規制部材207は、アルミニウム、ステンレス等の非磁性の金属板により形成される。
混合ローラ204は、図5(a)に示すように、トナー供給装置30から供給されたトナーを撹拌、搬送するもので、現像ローラ202に対して略平行に配置された回転軸204aと、複数の分離された皿状の撹拌体204bとを備える。
撹拌体204bは、回転軸204aの軸心方向に対して略45度傾斜して配置され、回転軸204aの略中央部に配置された撹拌体204b3を中心に、軸線方向で図中右端の撹拌体204b1と複数の撹拌体204b2からなる集合体204B1と、複数の撹拌体204b2と図中左端に有する撹拌体204b4からなる集合体204B2とに分割して構成されている。
本実施形態では、これら集合体204B1,204B2に含まれる撹拌体204b2は同数である。すなわち、混合ローラ204の撹拌体204bは奇数枚となる。このように撹拌体204bを奇数枚とすることにより、全体としての現像剤の流れのバランスを崩して設定された一方向への現像剤の撹拌搬送が可能となる。
回転軸204aの両端側に配置される撹拌体204b1,204b4は、図5(b)、(e)に示すように、回転軸204aを中心に点対称の略半月状に形成されている。詳しくは、撹拌体204b1,204b4は、それぞれ回転軸204aを通る長い法線L1に沿った方向に対して略垂直に分割された半月状となっている。
撹拌体204b1,204b4と撹拌体204b3との間に設けられる各撹拌体204b2は、図5(c)に示すように、略楕円形状であり、回転軸204aの軸心方向に対して傾斜して複数配置されている。このような構成とすることにより、個々の撹拌体により大きな回転軸方向の搬送力を生じさせることができる。
回転軸204aの略中央部に配置される撹拌体204b3は、図5(d)に示すように、略楕円形状で形成され、前述したトナー濃度センサ213と対向する位置に切欠部204cが形成され、トナー濃度センサ213からの検出光が通過可能となるようにされている。この切欠部204cは回転軸204aを中心に点対称の位置にさらに1カ所に形成されている。すなわち、切欠部204cは、回転軸204aを中心に点対称に一対設けられている。このように、撹拌体204b3に混合ローラ204の撹拌体204bの通過に伴う現像剤かさ密度変動によるトナー濃度センサ213の出力リップルを防止できる。
現像ローラ202と混合ローラ204との間には、図4に示すように、混合ローラ204で混合して得られた現像剤を撹拌しながら帯電させてから現像ローラ202に供給するパドルローラ203が設けられている。
パドルローラ203は、その長手方向に延びる支軸および該支軸に平行な向きの羽根を備えており、支軸まわりに回転することができる。パドルローラ203がその支軸まわりに回転することにより、現像剤を攪拌することができる。
現像ローラ202の下方には、当該現像装置2における特徴的な構成として、現像ローラ202の現像領域から落下する現像剤を回収する回収ローラ220と、該回収ローラ220によって回収された現像剤を該回収ローラ220から除去する現像剤除去装置(現像剤除去手段)230とが配設されている。
回収ローラ220は、現像ローラ202に対して所定のギャップを設けて複数の磁極が固定配置されており、該現像ローラ202の現像領域より感光体ドラム3の回転方向の下流側に配置され、感光体ドラム3の回転方向に対してアゲンスト回転駆動される。
以下に、本実施形態に係る現像装置2を構成する特徴的な現像剤除去装置230について図面を参照して詳細に説明する。
図6(a)は本実施形態に係る現像装置を構成する現像剤除去装置の構成を示す断面図、(b)は前記現像剤除去装置を構成するスクレーパとスクレーパ保持部材の作用を示す説明図、図7(a)は前記現像剤除去装置を構成するケース体の構成を示す平面図であって図6のC矢視図、(b)は(a)のD矢視図、図8は前記スクレーパの構成を示す平面図、図9は前記スクレーパ保持部材の構成を示す斜視図、図10(a)は前記ケース体とスクレーパとの取付操作を示す説明図、(b)は前記ケース体とスクレーパとの装着された状態を示す断面図である。
現像剤除去装置230は、図6(a)に示すように、回収ローラ220を保持するケース体240と、回収ローラ220の外周部に付着した現像剤を除去するスクレーパ250と、スクレーパ250を保持するスクレーパ保持部材260とを備え、スクレーパ保持部材260によってスクレーパ250をケース体240に押し当てて保持するように構成されている。
ケース体240は、図6(a)に示すように、略コ字状断面を呈し、図7(a),(b)に示すように、主に、回収ローラ220が回転可能に保持される回収ローラ保持部241と、スクレーパ250が取付けられるスクレーパ取付部242と、スクレーパ保持部材260が取付けられるスクレーパ保持部材取付部243及び底部244とにより構成されている。
回収ローラ保持部241は、ケース体240の回収ローラ220の軸線方向の両側端部が回収ローラ220の軸線方向に対して鉛直となるように折り曲げられて一体的に形成され、回収ローラ220を保持するとともに、現像装置2のホッパ200に対して位置決めするようになっている。
また、回収ローラ保持部241には、自己潤滑性を有する樹脂製の軸受け270が配設され、この軸受け270を介して回収ローラ220の両端の軸部221を回転自在に軸支するようにされている。
軸受け270は、筒状を呈し、その中空部で回収ローラ220の軸部221を保持するとともに、その外周部271で回収ローラ保持部241に対して位置決めされるようになっている。この外周部271には、軸受け270(回収ローラ220と同軸上)の軸線に沿って平行な取付面272,272が形成されている。
回収ローラ保持部241には、軸受け270の外周部271が取付けられる取付穴241aが形成され、その取付穴241aの円周方向外側より軸受け270が装着可能な取付部241bが平行に切り欠き形成されている。この回収ローラ保持部241の取付部241bの開口幅W2と軸受け270の取付面272,272の2面幅W1とは、開口幅W2>2面幅W1となるように形成されている。
スクレーパ取付部242は、図7(a),(b)に示すように、該スクレーパ取付部242の長手方向両端部にスクレーパ250を位置決めする、いわゆるハーフパンチにより円形状に突出したスクレーパ位置決め部242a,242bがケース体240の内側に向かい突出形成されている。
スクレーパ保持部材取付部243は、図7(a),(b)に示すように、外側面がホッパ200側(現像装置本体側)に位置決め固定されるようになっている。
また、スクレーパ保持部材取付部243には、該スクレーパ保持部材取付部243の長手方向両端部にスクレーパ保持部材を位置決めする、いわゆるハーフパンチにより円形状に突出したスクレーパ保持部材位置決め部243a,243bがケース体240の内側に向かい突出形成されている。
スクレーパ250は、図6(a)及び図8に示すように、回収ローラ220の軸線方向に沿って長く延設配置されるとともに該回収ローラ220の外周部に弾性変形(たわみ変形)により、その先端が該回収ローラ220の表面にカウンタ当接し、現像領域から落下して回収ローラ220の磁気吸引力で該回収ローラ220の表面に捕獲されたキャリアを掻きとって、ホッパ200内へ戻すように構成されている。
本実施形態では、スクレーパ250は、板状のブレード251と、該ブレード251を支持するとともに補強材としての機能を有するホルダ252とを備え、ブレード251の一側端縁(回収ローラ220と当接する側端縁)を露出させた状態で長手方向に沿ってブレード251とホルダ252とを重合させて一体的に構成されている。
ブレード251は、厚み0.1mmのステンレス板からなり、スクレーパ位置決め部243a,243bにそれぞれ対応する係合部として丸型の嵌合穴251aと、該ブレード251の長手方向に長いいわゆる長穴状(小判型)の嵌合穴251bが形成されている。すなわち、ブレード251は、丸型の嵌合穴251aを一方のスクレーパ位置決め部242aに装着することにより正確に位置決され、長穴状の嵌合穴251bを他方のスクレーパ位置決め部242bに装着することにより、加工精度や形状誤差等により取付位置に多少のずれが生じてもスクレーパ250の長手方向に位置調整可能に装着することができる。
ホルダ252は、厚み1mmのステンレス板からなり、図8に示すように、ブレード251の嵌合穴251a,251bに対向する位置に、該嵌合穴251a,251bに嵌合されるスクレーパ位置決め部243a,243bとそれぞれ干渉しないように嵌合穴251a,251bよりも大径の貫通穴252a,252bが形成されている。また、図6(a)に示すように、長手方向に沿った端部252cには略45度の面取り処理が施されている。
スクレーパ保持部材260は、図6(a)に示すように、略J字状断面を呈し、また、図9に示すように、スクレーパ250に沿って長く形成され、その長手方向と略垂直の幅方向の一側面(取付面)261がケース体240のスクレーパ保持部材取付部243に取付けられ、他側面(保持面)262が回収ローラ220の軸線方向(スクレーパ250の長手方向)に沿ってスクレーパ250を押圧してスクレーパ取付部242に押し当てて保持するようにされている。
本実施形態では、スクレーパ保持部材260は、板ばね材を用いて形成され、他側面262がスクレーパ250の押圧される面に対して面一に当接するように形成され、スクレーパ250をスクレーパ取付部242に向かい押圧する方向に付勢されている。
すなわち、他側面262は、図6(b)に示すように、スクレーパ250をケース体240に装着している状態の位置(図中P位置)よりもスクレーパ250を装着していない状態の他側面262の位置(図中Q位置)の方がスクレーパ取付部242に近接して(拡開した角度で)配置されている。つまり、スクレーパ保持部材260は、他側面262とスクレーパ取付部242との間に他側面262のばね力を抗してスクレーパ250を装着することで、他側面262が変形した分(Q位置からP位置に変形した分)のばね力によってスクレーパ250を挟持するようになっている。
また、他側面262は、その先端部262aがスクレーパ250に対して反対側に向かい長手方向に渡り屈曲(または湾曲)して形成されている。これにより、先端部262aの剛性を高めることができるので、スクレーパ250を均等に押圧することができ、スクレーパ250が歪むことなく回収ローラ220に当接できる。
一方、スクレーパ保持部材260の一側面261は、スクレーパ保持部材位置決め部243a,243bにそれぞれ対応する係合部として丸型の嵌合穴261aと、該スクレーパ保持部材260の長手方向に長いいわゆる長穴状(小判型)の嵌合穴261bが形成されている。すなわち、一側面261は、丸型の嵌合穴261aを一方のスクレーパ保持部材位置決め部243aに装着することにより正確に位置決めされ、長穴状の嵌合穴261bを他方のスクレーパ保持部材位置決め部243bに装着することにより、加工精度や形状誤差等により取付位置に多少のずれが生じてもスクレーパ保持部材260の長手方向に位置調整が可能に装着することができる。
また、一側面261は、長手方向に沿って5箇所でスポット溶接SPによりスクレーパ保持部材取付部243に溶着固定されている。本実施形態では、スクレーパ保持部材260全体をL字状に曲げて形成するとともに、他側面262の先端部262aを屈曲させて剛性を向上させているので、5箇所でのスポット溶接SPによる応力集中の影響が排除される。これにより、他側面262を均一にたわみ変形させることでスクレーパ250を均一に圧接支持することができる。
次に、本実施形態に係る現像剤除去装置230の装着について説明する。
まず、ケース体240にスクレーパ保持部材260を取付ける場合は、図7(b)、図9に示すように、ケース体240のスクレーパ保持部材取付部243にスクレーパ保持部材260の一側面261を配置する。
そして、スクレーパ保持部材取付部243のスクレーパ保持部材位置決め部243aに一側面261の丸型の嵌合穴261aを嵌合させて一端側を位置決めした後、スクレーパ保持部材位置決め部243bに長穴状の嵌合穴261bを嵌合させて、ケース体240に対してスクレーパ保持部材260を位置決めする。そして、ケース体240にスクレーパ保持部材260をスポット溶接SPにて固定する。
次に、ケース体240にスクレーパ250を装着する場合は、スクレーパ保持部材260の他側面262の先端部262aをばね力を抗して拡開し、ケース体240とスクレーパ保持部材260の他側面262との間にスクレーパ250を配置する。
この時、スクレーパ250は、図7(a)、図8に示すように、ケース体240のスクレーパ取付部242にブレード251側を対向させて配置する。そして、図10(a),(b)に示すように、スクレーパ取付部242のスクレーパ位置決め部242aにブレード251に形成された丸型の嵌合穴251aを嵌合させて一端側を位置決めした後に、スクレーパ位置決め部242bに長穴状の嵌合穴251bを嵌合させて、ケース体240に対してスクレーパ250を位置決めする。そして、スクレーパ保持部材260の他側面262のばね力によりスクレーパ250が挟持されるとともに位置決め保持される。
次に、ケース体240に回収ローラ220を装着する場合は、図6(a)に示すように、軸受け270の取付面272をケース体240の回収ローラ保持部241の取付部241bの開口に合わせて軸受け270を取付穴241aに装着する。そして、軸受け270を回転させて該軸受け270の外周部271と取付穴241aとを嵌合させて位置決めする。
上述したように、それぞれ別体で構成した回収ローラ220とスクレーパ250とをケース体240に一体的に取付けることで現像剤除去装置230を構成することができる。
以上のように構成したので、本実施形態によれば、簡単な構成で回収ローラ220及びスクレーパ250を簡単に且つ正確に装着でき、しかも、回収ローラ220に対してスクレーパ250を均一に且つ安定して当接できるので、現像剤除去装置230によって現像領域から落下する現像剤を回収ローラ220により確実に回収することができ、回収ローラ220に回収された現像剤を効率よく除去することができる。
また、本実施形態によれば、上述したようにケース体240、スクレーパ250及びスクレーパ保持部材260をネジ締結等によることなく取付けられるように構成したので、回収ローラ220やスクレーパ250を簡単に且つ正確に装着できるとともに、ワンタッチで着脱することが可能となり、作業性及びメンテナンス性を著しく向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、スクレーパ250のホルダ252に、その長手方向に沿った端部252cに面取りされ斜面を形成し、且つスクレーパ保持部材260の先端部262aを所定の角度で屈曲して形成したので、スクレーパ保持部材260の先端部262aが常に外側に向かって拡開した状態(浮き上がった状態)となり、ホルダ252の端部252cとスクレーパ保持部材260の先端部262aとが当接すると他側面262が容易に拡開できるので、スクレーパ250を挿入する際に簡単に装着することができる。
また、本実施形態によれば、スクレーパ保持部材260は、板ばねを用いることでクリップとして作用してホルダ252を挟持するのでスクレーパ250をケース体240に簡単に圧接固定することができる。
さらに、本実施形態によれば、スクレーパ保持部材260の他側面262とスクレーパ250のホルダ252上面とが面で当接するようにしたので、スクレーパ保持部材260によりスクレーパ250をケース体240に均一に押圧することができる。
尚、本実施形態では、スクレーパ保持部材260を一側面261と他側面262との曲げ部にRをとって略J字形状として、他側面262の平面部とホルダ252上面とが当接するようにしているが、本発明はスクレーパ保持部材260の曲げ形状に限定されるものではない。
本実施形態の変形例として、例えば、図11に示すように、スクレーパ保持部材360の一側面361と他側面362との曲げ部を略L字形状に形成したものであっても良い。尚、図11において、上述した実施形態の現像剤除去装置230と同様な構成を有するものは同一の符号を付することで説明を省略する。
また、本実施形態では、ケース体240のスクレーパ取付部242にハーフパンチによりスクレーパ位置決め部242a,242bを突出形成してスクレーパ250を位置決めするようにしているが、本発明はスクレーパ250の位置決め構造に限定されるものではない。
本実施形態の変形例として、例えば、図12に示すように、ケース体440にスクレーパ保持部材460が位置決め固定され(図示省略)、スクレーパ保持部材460には、スクレーパ450を構成するブレード451のホルダ452と当接する部分に嵌合部460aを突出させ、ホルダ452には、嵌合部460aと対応する部分に嵌合穴452aを形成して、これら嵌合部460aと嵌合穴452aとを嵌合させることによりスクレーパ保持部材460に対してスクレーパ450を位置決めするようにしたものであっても良い。この様に構成することで、簡単にスクレーパ450とスクレーパ保持部材460とを一体的でできるのでスクレーパ450のケース体440への装着が容易になる。尚、スクレーパ450とケース体440との位置決め精度は、スクレーパ保持部材460の曲げ加工精度や嵌合部460aの加工精度に影響し易くなる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した例に限定されないことは言うまでもなく、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、モノクロ用の現像装置を設置する画像形成装置に本発明が適用されているが、複数の現像装置を設置するカラー用の画像形成装置に本発明を適用することも可能である。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。 前記画像形成装置の装置本体の構成を示す部分詳細図である。 前記画像形成装置を構成する現像装置及びトナー供給装置の構成を示す概略側面断面図である。 前記現像装置の構成を示す断面図である。 (a)は前記現像装置を構成する混合ローラの構成を示す側面断面図、(b)は(a)のB1−B1矢視図、(c)は(a)のB2−B2矢視図、(d)は(a)のB3−B3矢視図、(e)は(a)のB4−B4矢視図である。 (a)は前記現像装置を構成する現像剤除去装置の構成を示す断面図、(b)は前記現像剤除去装置を構成するスクレーパとスクレーパ保持部材の作用を示す説明図である。 (a)は前記現像剤除去装置を構成するケース体の構成を示す平面図であって図6のC矢視図、(b)は(a)のD矢視図である。 前記スクレーパの構成を示す平面図である。 前記スクレーパ保持部材の構成を示す斜視図である。 (a)は前記ケース体とスクレーパとの取付操作を示す説明図、(b)は前記ケース体とスクレーパとの装着された状態を示す断面図である。 本実施形態に係るスクレーパ保持部材の構造の変形例を示す説明図である。 本実施形態に係るスクレーパの位置決め構造の変形例を示す説明図である。
符号の説明
1A 画像形成装置
2 現像装置
3 感光体ドラム(静電潜像担持体)
30 トナー供給装置
200 ホッパ
200a 開放部
201 トナー導入口
202 現像ローラ
203 パドルローラ
204 混合ローラ
205 搬送ローラ
220 回収ローラ
221 軸部
230 現像剤除去装置(現像剤除去手段)
240,440 ケース体
241 回収ローラ保持部
241a 取付穴
241b 取付部
242 スクレーパ取付部
242a,242b スクレーパ位置決め部
243 スクレーパ保持部材取付部
243a,243b スクレーパ保持部材位置決め部
244 底部
250,450 スクレーパ
251 ブレード
251a 丸型の嵌合穴(係合部)
251b 長穴状の嵌合穴(係合部)
252,452 ホルダ
252a,252b 貫通穴
252c 端部
260,360,460 スクレーパ保持部材
261,361 一側面
261a 丸型の嵌合穴(係合部)
261b 長穴状の嵌合穴(係合部)
262,362 他側面
262a 先端部
271 外周部
272 取付面
452a 嵌合穴(係合部)
460a 嵌合部
G1 ギャップ
W1 2面幅
W2 開口幅

Claims (2)

  1. 静電潜像担持体上に形成された静電潜像を帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して帯電された現像剤によって可視像化するものであって、前記静電潜像担持体にトナーを供給する現像ローラの現像領域から落下する現像剤を回収する回収ローラと、前記回収ローラによって回収された現像剤を該回収ローラから除去する現像剤除去手段とを備え、前記現像剤除去手段は、前記回収ローラを保持するケース体と、前記回収ローラの軸線方向に沿って長く延設配置されるとともに該回収ローラの外周部に当接配置されて該回収ローラの外周部に付着した現像剤を除去するスクレーパと、前記スクレーパを保持するスクレーパ保持部材とを備えた現像装置において、
    前記ケース体は、前記回収ローラが回転可能に保持される回収ローラ保持部と、前記スクレーパが取付けられるスクレーパ取付部と、前記スクレーパ保持部材が取付けられるスクレーパ保持部材取付部とを備えて、前記現像ローラが配置されるとともに前記現像剤が収容される現像装置本体に取付けられ、
    前記スクレーパ取付部には前記スクレーパを位置決めするスクレーパ位置決め部が形成され、
    前記スクレーパ保持部材取付部には前記スクレーパ保持部材を位置決めするスクレーパ保持部材位置決め部が形成され、
    前記スクレーパ保持部材は、一端側が前記スクレーパ保持部材取付部に取付けられ、他端側が前記回収ローラの軸線方向に沿って前記スクレーパを押圧して前記スクレーパ取付部に押し当てて保持し、前記スクレーパ保持部材位置決め部に対応した係合部が形成され、
    前記スクレーパは、前記スクレーパ位置決め部に対応した係合部が形成されることを特徴とする現像装置。
  2. 静電潜像担持体上に形成された静電潜像を帯電性のトナーと磁性キャリアの2成分を混合して帯電された現像剤によって可視像化するものであって、前記静電潜像担持体にトナーを供給する現像ローラの現像領域から落下する現像剤を回収する回収ローラと、前記回収ローラによって回収された現像剤を該回収ローラから除去する現像剤除去手段とを具備した現像装置を備え、電子写真方式により前記静電潜像担持体の表面に形成された現像剤像を転写媒体上に転写することで画像を出力する画像形成装置において、
    前記現像装置として、請求項1に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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