以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明に係るトナー容器が使用される画像形成装置の第1の実施の形態の構成について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明に係るトナー容器が使用される画像形成装置の第1の実施の形態の全体の構成を示す説明図であり、図2は、かかる画像形成装置の装置本体の構成を示す部分詳細図である。
本実施の形態に係るトナー容器が使用される画像形成装置1Aは、スキャナ等に読み込まれた画像データや外部から伝達された画像データを電子写真方式によって、記録媒体となる所定のシート状の記録用紙(以下、用紙と称する。)にモノクロ(単色)画像等として出力形成する画像形成装置である。かかる画像形成装置1Aは、用紙Pを複数枚積載可能な給紙トレイ8と、この給紙トレイ8から供給される用紙Pを画像形成部14に搬送する用紙搬送部59と、画像形成部14で印字された用紙P上の未定着トナーを溶融させて定着させる定着ユニット6へ搬送する用紙搬送装置7とを備えており、予め設定された複数の排出処理モードに対応した用紙Pの搬送速度に基づいて、印字要求に応じて選択的に用紙Pの搬送速度を制御して給紙トレイ8から自動的に排紙トレイ9に用紙Pを供給可能としたものである。
画像形成装置1Aは、図1に示すように、主に、露光ユニット1、現像装置2、トナー供給装置30、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、クリーナユニット5、定着ユニット6、用紙搬送装置7、用紙搬送路7a、給紙トレイ8、排紙トレイ9および転写機構10等を備える装置本体1A1と、自動原稿処理装置1A2とにより構成されている。
装置本体1A1の上面部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台21が設けられ、この原稿載置台21の上方には、自動原稿処理装置1A2が上方に向かい揺動開放自在に設けられ、一方、この原稿載置台21の下方には、原稿の画像情報を読み取る原稿読み取り部であるスキャナ部22が配置されている。
そのスキャナ部22の下方には、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、クリーナユニット5、定着ユニット6、用紙搬送装置7、用紙搬送路7a、排紙トレイ9、および転写機構10が配設され、さらに、その下方には、用紙Pが収納された給紙トレイ8が配設されている。
露光ユニット1は、不図示の画像処理部から出力された画像データに応じて、レーザ光を帯電器4によって均一に帯電された感光体ドラム3の表面に照射して露光することにより、かかる感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を書込み形成する機能を有するものである。かかる露光ユニット1は、スキャナ部22の直下で且つ感光体ドラム3上方に配置され、レーザ照射部11および反射ミラー12を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)13a、13bが採用されている。本実施の形態では、高速印字処理を行うために、複数のレーザ光を利用し、照射タイミングの高速化を低減する手法を採用し、2ビーム手法を採用しているものとする。なお、本実施の形態では、露光ユニット1にレーザスキャニングユニット(LSU)13a、13bを用いているが、発光素子をアレイ状に並べたもの、例えば、ELやLED書込みヘッドを用いるものであっても良い。
感光体ドラム3は、略円筒形状を呈し、露光ユニット1の下方に配設され、不図示の駆動手段と制御手段により所定方向(図中の矢印A方向)に回転するように制御されている。この感光体ドラム3の外周面に沿って、図2に示すように、画像転写終了後の位置を基準として感光体ドラム回転方向下流側に向かい、用紙剥離爪31、クリーナユニット5、電界発生部としての帯電器4、現像装置2、除電装置41の順に配置されている。
用紙剥離爪31は、ソレノイド32により感光体ドラム3の外周面に接離可能に配置されている。この用紙剥離爪31は、感光体ドラム3の外周面に当接した状態で、感光体ドラム3上の未定着トナー像を用紙Pに転写する際にその感光体ドラム3の表面に張り付いた用紙Pを剥離するものである。なお、用紙剥離爪31の駆動手段として、ソレノイド32の換わりに駆動用モータ等を採用しても良く、その他の駆動手段の選択も可能である。
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を黒トナーで顕像化するものであって、感光体ドラム回転方向(図中の矢印A方向)で帯電器4より下流側で感光体ドラム3の側方で略水平(図中で右側)に配置されている。この現像装置2の下方には、記録媒体搬送方向上流側にレジストローラ15が配置されている。なお、現像装置2の詳細については、後述するものとする。
トナー供給装置30は、トナーが充填されたトナー容器300から排出されるトナーを一時的に中間ホッパ部33に貯留してから現像装置2に供給するものであって、現像装置2に隣接するようにして配置されている。
レジストローラ15は、給紙トレイ8から供給された用紙Pの先端と感光体ドラム3上のトナー像とを整合して感光体ドラム3と転写ベルト103との間に搬送するように、不図示の駆動手段および制御手段により動作制御されている。
帯電器4は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であって、感光体ドラム3の上方でその外周面に近接して配置されている。なお、本実施の形態では、チャージャー型の帯電器4を使用しているが、接触型のローラ方式によるものやブラシ方式によるものに代用しても良い。
除電装置41は、感光体ドラム3の表面に形成されたトナー像を用紙Pに転写し易くするために、かかる感光体ドラム3の表面電位を低下させるための転写前除電手段であって、感光体ドラム回転方向で現像装置2より下流側で、かつ感光体ドラム3の下方でその外周面に近接して配置されている。なお、本実施の形態では、除電装置41は、除電電極を用いて構成されているが、除電電極の替わりに除電ランプを使用したり、その他の方式により除電するようにしたものであっても良い。
クリーナユニット5は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収するものであって、感光体ドラム3を挟んで現像装置2と略対向する位置で感光体ドラム3の側方で略水平(図中で左側)に配置されている。
上述したように、感光体ドラム3上で顕像化された静電像は、静電像が有する電荷の逆極性の電界が搬送される用紙P上に転写機構10から印加されることで用紙P上に転写される。例えば、静電像が(−)極性の電荷を有している時は、転写機構10の印加極性は(+)極性となる。
転写機構10は、駆動ローラ101、従動ローラ102、および他のローラで架橋されると共に、所定の抵抗値(本実施の形態では、1×109〜1×1013Ω・cmの範囲)を有する転写ベルト103が配置された転写ベルト式ユニットで構成され、感光体ドラム3の下方で、転写ベルト103の表面が感光体ドラム3の外周面の一部と接触するように配置されている。この転写ベルト103により、用紙Pを感光体ドラム3に押圧しながら搬送するようになっている。感光体ドラム3と転写ベルト103の接触部104には、駆動ローラ101および従動ローラ102とは、異なる導電性で転写電界を印加可能な弾性導電性ローラ105が配置されている。
弾性導電性ローラ105は、弾性ゴム、発泡性樹脂等の軟質材料により構成されている。この弾性導電性ローラ105が弾性を有することで、感光体ドラム3と転写ベルト103とが線接触でなく、転写ニップと呼ばれる所定の幅を有する面接触となるので、搬送される用紙Pへの転写効率の向上を図ることができる。
さらに、転写ベルト103の転写領域の用紙搬送方向下流側には、搬送される用紙Pが転写領域で印加された電界を除電し、次工程への搬送をスムーズに行う為の除電ローラ106が転写ベルト103の背面側に配置されている。
また、図2に示すように、転写機構10には、転写ベルト103の残留トナーによる汚れを取るクリーニングユニット107と、転写ベルト103の除電を行う複数の除電機構108が配置されている。この除電機構108に用いられる除電を行うための手法として、装置を介して接地する手法、若しくは積極的に転写電界の極性と逆極性を印加する手法がある。
転写機構10で用紙P上に転写された静電像(未定着トナー)は、定着ユニット6に搬送されて加圧・加熱されることで未定着トナーが溶融されて用紙P上に定着される。定着ユニット6は、図2に示すように、加熱ローラ6a、加圧ローラ6bを備え、この加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとによって、用紙Pを挟持した状態で加熱ローラ6aを回転させ、加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとの間を通過させることにより、用紙P上に転写されたトナー像を溶融して定着させるものである。定着ユニット6の用紙搬送方向下流側には、用紙Pを搬送する搬送ローラ16が設けられている。
加熱ローラ6aは、その外周部には用紙剥離爪611、ローラ表面温度検出部材であるサーミスター612、ローラ表面クリーニング部材613が配置され、内周部には、加熱ローラ表面を所定温度(定着設定温度:概ね160〜200℃)とする熱源614が設けられている。加圧ローラ6bは、ローラの両端部で加熱ローラ6aに対し所定圧量で加圧ローラ6bが圧接することが可能な加圧部材621が配置され、さらに、加圧ローラ6bの外周には加熱ローラ6aの外周と同様に用紙剥離爪622、ローラ表面クリーニング部材623が配置されている。
定着ユニット6は、図2に示すように、いわゆる定着ニップ部と呼ばれる加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとの圧接部600において、搬送される用紙P上の未定着トナーを加熱ローラ6aにより加熱して溶融し、かかる加熱ローラ6aと加圧ローラ6bとの圧接力による用紙P上への投鋲作用で、未定着トナーを用紙P上に定着するようになっている。
給紙トレイ8は、画像情報が出力(印字)されるシート(用紙)を複数枚蓄積しておくためのものであり、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器4、除電装置41、クリーナユニット5、定着ユニット6等で構成される画像形成部14の下側に構成されている。この給紙トレイ8の排紙側上部には、用紙ピックアップローラ8aが配置されている。
この用紙ピックアップローラ8aは、給紙トレイ8内に積載収容された用紙Pを最上層から1枚ずつピックアップし、下流側に向かって(便宜上の用紙Pの流れ出し側、換言するとカセット側を上流、排紙側を下流とする。)用紙搬送路7上のレジストローラ(「アイドルローラ」とも称する。)15側に搬送するようになっている。
本実施の形態に係る画像形成装置1Aでは、高速印字処理を行うことを目的とするため、画像形成部14の下方に定型サイズの用紙Pを各々のトレイに500〜1500枚収納可能な複数の給紙トレイ8が配置され、一方、装置側面には複数の用紙種類を多量に収納可能な大容量給紙カセット81が配置されると共に、かかる大容量給紙カセット81の上方に、主に不定型サイズの印字等に対応する手差しトレイ82が設けられている。
排紙トレイ9は、手差しトレイ82とは反対側の装置側面に配置されている。また、排紙トレイ9に変わって、排紙用紙のステープル、パンチ処理等を行う後処理装置や複数段排紙トレイ等をオプションとして配置することも可能な構成となっている。
用紙搬送装置7は、前述した感光体ドラム3と給紙トレイ8との間に構成され、用紙搬送装置7に備わる用紙搬送路7aを経由させて、給紙トレイ8から供給される用紙Pを一枚ずつ転写機構10に搬送し、転写機構10において、感光体ドラム3からトナー像が転写された用紙を定着ユニット6に搬送し、定着ユニット6において、未定着トナー像を用紙に定着した後に、指定された排紙処理モードに応じて形成された用紙搬送路や分岐爪によって用紙を搬送するように構成されている。
本実施の形態に係る画像形成装置A1は、予め設定された排出処理モードとして、片面印字モードおよび両面印字モードが設定されている。片面印字モードにおいて、排出処理として印字面を上方に向けて排出されるフェースアップ排出、および、印字面を下方に向けて排出されるフェースダウン排出が設定されている。
ここで、用紙搬送装置7に備わる用紙搬送路7aについて、図面を参照して詳細に説明する。図3は、本実施の形態にかかる画像形成装置の用紙搬送路の構成を示す説明図であり、図4は、かかる用紙搬送路を構成する分岐された用紙搬送路とそれらを連通させる分岐爪の構成を示す部分詳細図である。
用紙搬送路7は、図3、4に示すように、主に、給紙トレイ8からレジストローラ15に到る第1用紙搬送路7a1、レジストローラ15から転写機構10を介して定着ユニット6を通過して下流側の搬送ローラ16に到る第2用紙搬送路7a2、搬送ローラ16から排紙トレイ9に排紙するための排紙ローラ17に到る第3用紙搬送路7a3、搬送ローラ16から用紙Pを反転させる第4用紙搬送路7a4、第4用紙搬送路7a4と連通して再びレジストローラ15に用紙Pを搬送する反転搬送ローラ18に到る第5用紙搬送路7a5、排紙ローラ17から反転して用紙Pを搬送する第6用紙搬送路7a6、第6用紙搬送路と連通して第5用紙搬送路7a5を回避する第7用紙搬送路7a7、および第7用紙搬送路7a7と連通してスイッチバックローラ19に到る第8用紙搬送路7a8とにより構成されている。
そして、用紙搬送路7内には、処理モードに応じて複数枚の用紙Pが配置されるようになっている。本実施の形態では、図3に示すように、用紙搬送路7a内に(1)〜(8)(図中の丸付き数字に示す)の8枚の用紙Pが配置するようになっているが、用紙搬送路内に許容可能な用紙Pの枚数は、用紙搬送路の構成によって変更できる。また、用紙搬送路7内には、選択された処理モードに応じて用紙搬送路を選択して、用紙Pの搬送経路を変更する複数の分岐爪が用紙搬送路の分岐点に設けられている。
図4に示すように、搬送ローラ16の下流側付近には、第3用紙搬送路7a3または第4用紙搬送路7a4と連通させる分岐爪20aが揺動変位可能に設けられている。この分岐爪20aは、図示しないソレノイドによって動作するようになっている。
第4用紙搬送路7a4の下流側には、第4用紙搬送路7a4と第5用紙搬送路7a5、または第5用紙搬送路7a5と第6用紙搬送路7a6とを連通させる分岐爪20bが揺動変位可能に設けられている。この分岐爪20bは、図示しないばね部材と用紙Pの弾性力によって動作するようになっている。
第6用紙搬送路7a6の下流側には、第5用紙搬送路7a5または第7用紙搬送路7a7と連通させる分岐爪20cが揺動変位可能に設けられている。この分岐爪20cは、図示しないソレノイドによって動作するようになっている。
第7用紙搬送路7a7の下流側には、第7用紙搬送路7a7と第8用紙搬送路7a8、または、第5用紙搬送路7a5と第8用紙搬送路7a8とを連通させる分岐爪20dが揺動変位可能に設けられている。この分岐爪20dは、図示しないソレノイドによって動作するようになっている。
第5用紙搬送路7a5の上流側には、第4用紙搬送路7a4および第8用紙搬送路7a8と該第5用紙搬送路7a5とをスムーズに連続させるための分岐爪20eが設けられている。
以上のように構成された用紙搬送路7により、要求された処理モードに応じて分岐爪20a〜20dを動作させて、処理モードに対応した用紙Pの搬送経路を選択可能としている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置に備わる現像装置とトナー供給装置の構成について図面を参照しながら説明する。図5は、本実施の形態に係る画像形成装置に備わる現像装置とトナー供給装置の構成を示す概略側面断面図であり、図6は、本実施の形態におけるトナー供給装置の構成を図5のP方向から見た概略正面図である。
本実施の形態では、現像装置2に隣接するようにトナー供給装置30が設けられ、このトナー供給装置30の下側には、現像装置2の作動中に生ずる動作熱を強制冷却するために、現像装置2のホッパ200に風を送り込むダクト50が設けられる。
現像装置2は、図5に示すように、外装部を形成するホッパ200のトナー供給装置30に備わるトナーを供給するための開口部30aと当接する部位には、トナーを導入するためのトナー導入口201が形成されている。ホッパ200内部には、現像ローラ202、パドルローラ203、混合ローラ204、搬送ローラ205、仕切り板206、規制部材207が設けられている。現像装置2は、現像ローラ202の周面と感光体ドラム3の周面(周面領域に付着した現像剤)とが接するように、画像形成装置1A内に取り付けられる。現像ローラ202の周面領域において、感光体ドラム3との接触部付近が現像位置となる。
ホッパ200では、トナー供給装置30から供給され、トナー導入口201から導入されたトナーが搬送ローラ205で混合ローラ204へ搬送され、磁性キャリアと混合されて二成分系現像剤が形成される。また、混合ローラ204は、前述した新たに形成された二成分系現像剤と、上記の仕切り板206で還流された余剰現像剤とを混合する。このように混合ローラ204で混合して得られた現像剤がパドルローラ203で撹拌されながら帯電されてから、静電潜像を現像するための現像ローラ202に供給され、感光体ドラム3に担持された静電潜像に搬送される。また、現像ローラ202に供給された現像剤は、まず、仕切り板206の一端側に一体成形で設けられる摺擦部材211が現像ローラ202へ搬送する現像剤の搬送量(層厚)を規制しつつ現像剤を摺擦して現像剤の予備帯電をする。その後、ホッパ200に備わる支持部材212によって支持される規制部材207が現像ローラ202で搬送される現像剤を所定の厚さになるように擦り切って、層厚を規制することによって、現像剤供給量が規制され、規制された余剰現像剤は、混合ローラ204の方向に傾斜して余剰現像剤を還流させる還流板となる仕切り板206によって、規制部材207と離隔する位置へ還流される。これら規制部材207、摺擦部材211、および仕切り板206は、現像ローラ202に対応する長さに形成されている。
さらに、仕切り板206上には、余剰現像剤を所定の方向に振り分ける複数の整流板208が設けられ、仕切り板206の下側には、余剰現像剤を搬送する搬送スクリュー210で搬送する仕切り板側搬送部209が設けられている。なお、これら現像装置2に備わる構成要素の細部の詳細な説明は、後述するものとする。
トナー供給装置30は、現像装置2に隣接するように配設され、トナーが充填されたトナー容器300から排出されるトナーを一時的に中間ホッパ部33に貯留してから現像装置2に供給する。本実施の形態では、トナー容器300は、トナーが充填される容器本体310が支持部材350に回転可能に支持される構成である。
トナー容器300の容器本体310の一端側は、図6に示すように、画像形成装置1Aの本体側に設けられている本体側連結部800に連結される。本体側連結部800は、画像形成装置1Aのモータ等の駆動源805からの駆動力によって回転する略円盤状の継手受部801を有し、この継手受部801と容器本体310とが連結される。これらの連結をより詳細に説明すると、容器本体310の一端側に設けられた嵌合凸部311および補給蓋312と嵌合関係にある凹型受部802が継手受部801に設けられ、容器本体300の嵌合凸部311および補給蓋312が形成された一端が継手受部801に向かう方向(図6に示すS方向)にトナー容器300を動かすことによって、トナー容器300を画像形成装置1Aに設置する際に、継手受部801に形成された凹型受部802に嵌合凸部311および補給蓋312が嵌め込まれることによって、容器本体310が継手受部801に連結される。また、容器本体310が継手受部801に連結される状態では、トナー容器300が中間ホッパ部33に載置され、容器本体310の支持部材350に形成されたトナー供給孔300aと中間ホッパ部33に形成された開口部33aが連通可能な位置関係となる。
継手受部801は、図6に示すように、画像形成装置1Aの筐体808を貫通する回転軸804の回転中心に一致するように、回転軸804に取り付けられ、筐体808と継手受部801との間の回転軸804には、圧縮コイルばね等のばね部材803が取り付けられている。ばね部材803は、継手受部801を筐体808から離間する方向へ付勢している。そのため、トナー供給装置30が継手受部801を押圧した状態となるように図示しない規制部材によって、トナー供給装置30の、装着方向に沿った移動が規制される。
上記のように、画像形成装置1Aに装着されたトナー供給装置30では、画像形成装置1Aの駆動源805からの駆動力が、歯車等の減速装置806および回転軸804を介して、継手受部801に伝達されて、この継手受部801が回転することにより、容器本体310が円筒軸を中心に回転して容器本体310内に充填されたトナーが排出され、支持部材350に形成されたトナー供給孔300aからトナーが中間ホッパ部33へ送出される。
上述したようにして、中間ホッパ部33に送出されたトナーは、中間ホッパ部33内にて、まず、撹拌部材34によって撹拌される。撹拌部材34は、図6に示すように、撹拌軸34aに撹拌羽根34bが設けられている構成であり、撹拌軸34aが回転することによって、撹拌軸34a周りを撹拌羽根34bが回転して、トナー容器300から供給された中間ホッパ部33内のトナーが撹拌される。このように、撹拌部材34によって撹拌されたトナーは、撹拌部材34の撹拌動作によって、搬送ローラ35を介して、供給ローラ36側に送出される。供給ローラ36は、撹拌部材34から搬送ローラ35を経て送出されたトナーを中間ホッパ部33の現像装置2と当接する部位に形成された開口部30aへトナーを送出することによって、かかるトナーを現像装置2に供給する。
また、トナー容器300の支持部材350の底面側(画像形成装置1Aにトナー容器300を装着したときの下面)には、図5に示すように、トナー容器300から供給されるトナーを支持部材350外部に排出するためのトナー供給孔300aを開閉するためのシャッタ開閉機構400が設けられている。つまり、シャッタ開閉機構400により支持部材350のトナー供給孔300aが開放状態になると、トナー供給孔300aと、中間ホッパ部33に設けられた開口部33aとが連通状態となり、トナー容器300から排出されるトナーが中間ホッパ部33に供給される。
次に、本実施の形態における現像装置の詳細な構成について、図面を使用しながら説明する。図7は、本実施の形態における現像装置の構成を示す断面図であり、図8は、本実施の形態における現像装置に備わる規制部材、仕切り板、および摺擦部材と、現像ローラとの距離を示す要部拡大図であり、図9は、本実施の形態における現像ローラの要部拡大図であり、図10の(a)は図9に示す現像ローラに含まれるマグネットローラの磁力測定結果を示す表であり、(b)は図9に示す現像ローラに含まれるマグネットローラで形成される磁力波形を示す図である。なお、図10(b)では、各磁極部材で形成される磁場の大きさは、マグネットローラの周面の法線方向の成分(以下、単に「法線方向成分」という。)で示している。
ホッパ200は、現像装置2内の温度上昇対策として、熱伝導性の大きいアルミニウム等の金属材料により形成されており、感光体ドラム3の周面に臨む位置に開放部200a、トナー供給装置30に備わるトナーを供給するための開口部30aと当接する位置にトナーを導入するためのトナー導入口201が設けられている略角柱形である。ホッパ200内の開放部200aに臨む位置に現像ローラ202が配置され、トナー導入口201に臨む位置にトナー導入口201からホッパ200内へ供給された現像剤(トナー)を混合ローラ204へ搬送する搬送ローラ205が回転自在に配置されている。また、ホッパ200の混合ローラ204の下側と対向する位置には、ホッパ200内のトナーの濃度を検出するためのトナー濃度センサ213が設けられており、混合ローラ204により混合・撹拌されるトナー量が適正量よりも減少したときの検出値に基づいて、トナー導入口201からトナーを補給することができるように構成されている。
現像ローラ202は、図7および図9に示すように、複数の周方向位置に断面形状が長方形の棒磁石からなる磁極部材N1、N2、S1、S2、S3が離隔して放射状に配設されることにおり多極着磁され、両端部がホッパ200の両側壁に非回転に固定・支持されるマグネットローラ214と、このマグネットローラ214に回転自在に外嵌された略円筒形状のアルミニウム合金および黄銅等で形成される非磁性のスリーブ215とを備えている。換言すると、スリーブ215内には、スリーブ215と同軸状の円筒形状のマグネットローラ214が挿通され、スリーブ215とマグネットローラ214は、略同一の軸方向長さを有する。
マグネットローラ214内には、N極の磁性を有する磁極部材N1、N2およびS極の磁性を有する磁極部材S1、S2、S3が磁極部材N1、S3、S2、N2、S1の順にマグネットローラ214の周方向(図7および9における反時計回り)に配列されている。これら磁極部材N1、N2、S1、S2、S3は、マグネットローラ214と略同一の長さを有しており、マグネットローラ214と平行に(図7および9において紙面に垂直な方向に向けられて)配置され、マグネットローラ214の半径方向に磁化されている。磁極部材N1、N2では、スリーブ215に対向する側にN極が現れており、マグネットローラ214の中心側にS極が現れている。一方、磁極部材S1、S2、S3では、スリーブ215に対向する側にS極が現れており、マグネットローラ214の中心側にN極が現れている。すなわち、磁極部材N1、N2と、隣接する磁極部材S1、S2、S3では、磁化の向きが逆になっている。
磁極部材N1は、感光体ドラム3の周面と対向する位置に配置され、磁極部材N2は、摺擦部材211の摺擦面211aに対向する位置に配置されている。これら磁極部材N1、N2は、現像ローラ202の周方向となる幅寸法の中央が磁極中心軸P1、P2になっており、かかる磁極中心軸P1、P2を棒磁石の全長にわたって有している。感光体ドラム3の周面と対向する磁極部材N1は、感光体ドラム3の中心軸および現像ローラ202の中心軸を通る直線L1に対して磁極中心軸P1がほぼ一致するように配置されている。また、かかる直線L1と磁極部材N2の磁極中心線P2とのなす角度は、図10(a)に示すように、139.07度である。さらに、摺擦部材211の摺擦面211aと対向する磁極部材N2は、現像ローラ202の中心軸から摺擦面211aに下ろした垂線L2に対して磁極中心線P2がほぼ一致するように配置されている。
一方、マグネットローラ214の外部側がS極を呈する磁極部材S1、S2、S3の磁極中心軸Q1、Q2、Q3は、図10(a)に示すように、感光体ドラム3の中心軸および現像ローラ202の中心軸を通る直線L1とそれぞれ55.98度、209.93度、304.65度の角度をなす。マグネットローラ214の周面領域において、磁石S2とS3との間に対応する部分は、チャンバ200内において、パドルローラ203により現像剤が主に供給される部分に対応している。図10(b)に示すように、この部分で磁場の法線方向成分が小さくなっていることにより、現像ローラ202の周面領域に現像剤が過剰に付着しないようにされている。すなわち、現像ローラ202の周面領域に過剰に現像剤が付着した場合は、この現像剤が感光体ドラム3に運ばれるまでに、規制部材207により、大量の現像剤が擦り切られ、これに伴い、現像ローラ202の回転トルクが増大する。このように、現像剤の付着量を適正化することにより、規制部材207で擦り切られる現像剤の量を少なくして、現像ローラ202の回転トルクを低減できる。
また、磁極部材S1と磁極部材N2との間に有する直線L1と垂直に交わる直線L3の方向、すなわち、直線L1に対して90度の角度をなす部位のマグネットローラ214の法線磁力は、図10(b)に示すように、ほぼ0ガウスである。本実施の形態では、現像ローラ202の外周面のうち、直線L1に対して90度をなす部位に規制部材207の先端207aが設けられている。かかる部位に規制部材207を設けることにより、規制部材207で規制される余剰現像剤の質がマグネットローラ214の磁極の影響を受けて劣化することを防止できるので、速いプロセス速度で余剰現像剤の劣化が抑制される。
規制部材207は、現像ローラ202との間で現像剤の搬送量を規制しつつ現像剤の主帯電を行うものであり、断面形状が略矩形の非磁性の金属板からなり、規制部材207の幅方向一端面が現像ローラ202の周面と第1のギャップG1を有して対向している。この規制部材207と摺擦部材211とは線膨張係数がほぼ等しい、換言すれば近似している材料により形成されており、温度変化により規制部材207および摺擦部材211が長手方向両端間で湾曲変位する場合においても第1のギャップG1、および現像ローラ202と摺擦部材211との間に有する第2のギャップG2の変動を少なくすることができるようにしてある。また、規制部材207は、ホッパ200の開放部200a内側であり、磁極部材S1および磁極部材N2の間となるように配置され、規制部材207に取着されたカバー体216により開放部200aに設置されている。なお、規制部材207および摺擦部材211は、アルミニウム、ステンレス等の非磁性の金属板により形成される。
摺擦部材211は、現像ローラ202との間で第1のギャップG1へ搬送する現像剤の搬送量(層厚)を規制しつつ、現像剤を摺擦面211aで摺擦して現像剤の予備帯電を行うものであり、この摺擦部材211が非磁性の仕切り板206と一体に形成されている。仕切り板206は、規制部材207で規制された余剰現像剤を導入する還流板導入部206aと、この還流板導入部206aに導入された余剰現像剤を混合ローラ204へ流下させる流下傾斜部206bを含み、現像ローラ202の上部から混合ローラ204の上部にかけて現像ローラ202側が高くなるように傾斜配置されており、この仕切り板206の現像ローラ202側端部を現像ローラ202側へ折り返すことにより折り返し片を形成して、この折り返し片を摺擦部材211としている。すなわち、本実施の形態では、仕切り板206と摺擦部材211は、一の板状部材を折り返して一体成形されており、かかる折り返し部が連結部206cとなり、仕切り板206の先端となる。なお、摺擦部材211は、扁平形状であるのに対して、現像ローラ202は断面が略円形であるため、第2のギャップG2には最小位置があり、かかる最小位置での現像ローラ202との距離が第2のギャップG2の大きさD2と定義される。
混合ローラ204と現像ローラ202との間には、混合ローラ204で混合して得られた現像剤を撹拌しながら帯電させてから現像ローラ202に供給するパドルローラ203が設けられている。パドルローラ203は、その長手方向に延びる支軸、および支軸に平行な向きの羽根を備えており、支軸まわりに回転することができる。パドルローラ203がその支軸まわりに回転することにより、現像剤を攪拌することができる。また、現像装置2に備わる仕切り板206の略真上には、ホッパ200内の圧抜きをするための圧抜機構部217が設けられている。この圧抜機構部217を定期的に作動させることにより、現像装置2内の圧抜きが実行され、装置内のトナー飛散を防止できる。
仕切り板206上には、図7に示すように、余剰現像剤を仕切り板206の幅方向の両端に振り分けながら仕切り板206上を流下させるための複数の整流板208が設けられている。これら整流板208の流下先となる仕切り板206の下流側の両端には、開口部(図示せず。)がそれぞれ形成されている。
また、仕切り板206の下側には、仕切り板206の開口部から流下した余剰現像剤を搬送する仕切り板側搬送部209が設けられている。この仕切り板側搬送部209は、図7に示すように、余剰現像剤を搬送する搬送スクリュー210を備え、仕切り板側搬送部209の底部側の略中央には、搬送スクリュー210で搬送された余剰現像剤を混合ローラ204に流下する中央開口部219が設けられている。
次に、本実施の形態における現像装置に備わる混合ローラの構成について、図面を使用しながら説明する。図11の(a)は、本実施の形態の現像装置に備わる混合ローラの構成を示す側面断面図、(b)は、(a)のB1−B1矢視図、(c)は、(a)のB2−B2矢視図、(d)は、(a)のB3−B3矢視図、(e)は、(a)のB4−B4矢視図である。
混合ローラ204は、トナー供給装置30から供給されたトナーを撹拌、搬送するもので、現像ローラ202に対して略平行に配置された回転軸204aと、複数の分離された皿状の撹拌体204bとを備える。
撹拌体204bは、回転軸204aの軸心方向に対して45度傾斜して配置され、回転軸204aの略中央部に配置された撹拌体204b3を中心に、軸線方向で図中左端の撹拌体204b1と複数の撹拌体204b2からなる集合体204B1と、複数の撹拌体204b2と図中右端に有する撹拌体204b4からなる集合体204B2とに分割して構成されている。本実施の形態では、これら集合体204B1、204B2に含まれる撹拌体204b2は同数である。換言すると、混合ローラ204の撹拌体204bは、奇数枚となる。このように撹拌体204bを奇数枚とすることにより、全体としての現像剤の流れのバランスを崩して設定された1方向への現像剤の撹拌搬送が可能となる。
回転軸204aの両端側に配置される撹拌体204b1、204b4は、図11(b)、(e)に示すように、回転軸204aを中心に点対称の略半月状に形成されている。詳しくは、撹拌体204b1、204b4は、それぞれ回転軸204aを通る長い法線L1に沿った方向に対して略垂直に分割された半月状となっている。
撹拌体204b1、204b4と撹拌体204b3との間に設けられる各撹拌体204b2は、図11(c)に示すように、略楕円形状であり、回転軸204aの軸心方向に対して傾斜して複数配置されている。このような構成とすることにより、個々の撹拌体により大きな回転軸方向の搬送力を生じさせることができる。
回転軸204aの略中央部に配置される撹拌体204b3は、図11(d)に示すように、略楕円形状で形成され、前述したトナー濃度センサ213と対向する位置に切欠部204cが形成され、トナー濃度センサ213からの検出光が通過可能となるようにされている。この切欠部204cは、回転軸204aを中心に点対称の位置にさらに1カ所に形成されている。すなわち、切欠部204cは、回転軸204aを中心に点対称に一対設けられている。このように、撹拌体204b3に混合ローラ204の撹拌体204bの通過に伴う現像剤かさ密度変動によるトナー濃度センサ213の出力リップルを防止できる。
(実施例1)
次に、本実施の形態における現像装置に備わる各構成要素の好適な設計値を決定する実施例1について説明する。図12は、本実施の形態の現像装置の実施例1における仕切り板(摺擦部材の摺擦面)と現像ローラとのギャップの大きさと余剰現像剤返り量の関係を示すグラフであり、図13の(a)は、仕切り板と摺擦部材との連結部とマグネットローラの中心とを結ぶ線とを結ぶ直線L4と現像ローラの中心軸から摺擦面に下ろした垂線L2とのなす角度(θ)と、余剰現像剤(デベ)返り量の関係を示すグラフであり、(b)は、仕切り板と摺擦部材との連結部とマグネットローラの中心とを結ぶ線とを結ぶ直線L4と現像ローラの中心軸から摺擦面に下ろした垂線L2とのなす角度(θ)と、余剰現像剤返り量(デベ返り量)の関係を示す表である。
まず、本実施例では、現像装置2の各構成要素のサイズや動作の設定条件を以下のような設定条件および方法で本実施の形態の現像装置の設計値を決定する実験をすることにより、図12および図13に示すデータを得るに至った。
(各種設定条件)
混合ローラのプロセス速度(OPC):540mm/sec
混合ローラの回転数234rpm
混合ローラの径:34mm
マグネットローラのプロセス速度:1080mm/sec
マグネットローラの周速比:2.0
マグネットローラの回転数:686rpm
マグネットローラの径:30mm
パドルローラの回転数:281rpm
パドルローラの径:27mm
搬送ローラの回転数:295rpm
搬送ローラの径:18mm
搬送スクリューの回転数:389rpm
搬送スクリューの径:11mm
現像剤の帯電量:約20μC/g
キャリア粒子径:40μm
トナー粒子径:6.8μm
使用トナー:Dragon(lot.041123)
非磁性規制部材法線磁力:0mT
規制部材と現像ローラとの間のギャップの大きさD1:0.5mm
仕切り板とチャンバ天面部との距離:10mm
(実験方法)
(1)タイマーを使用して、駆動開始から停止までの規制部材による穂切後の余剰現像剤 (デベ)の返り量を計測する。
(2)仕切り板の中心部の強度がないため、端部(R側)でデベの返り量/搬送量を計測 する。
(3)上記計測は、1条件につき5回行い、かかる計測値の平均値を求める。
以上の設定条件および実験方法で実験を行った結果、図12および図13に示すような結果が得られた。すなわち、図12より、仕切り板206を折り返して設けた摺擦部材211の摺擦面211aと現像ローラ202の外周部側に有するスリーブ215とのギャップ(第2のギャップ)G2の大きさD2は、1.75±0.25mmとするときに、一定量以上の所望のデベ返り量を満たしながら、大きな変化がなく安定していることがわかる。すなわち、本実施例では、規制部材と現像ローラとの間のギャップ(第1のギャップ)G1の大きさD1が0.5mmであることより、第1のギャップG1の大きさD1と、第2のギャップG2の大きさD2は、3・D1<D2<5・D1の関係を満たす条件で設定することにより、余剰現像剤の還流量を所望の値まで増加させた上で、かかる還流量を大きな変化なくほぼ一定とすることができ、安定した余剰現像剤の還流が実行されるようになる。また、余剰現像剤が還流板上に滞留することがなくなることより、余剰現像剤の循環が円滑に実行されるようになる。
また、上記の第1のギャップG1の大きさは、仕切り板206に備わる還流板導入部206aとホッパ200の天面部200cとの距離をLとした場合、この距離Lを変化させて、現像ローラのトルクとの関係を検討した結果を図14の表に示す。このとき、第1のギャップG1の大きさD1は0.5mm、第2のギャップG2の大きさD2は1.75mmの値で固定とした。その結果、かかる距離Lは6mm以上であれば現像剤が還流板導入部206a付近で詰まることなく、現像ローラのトルクの値も良好となることがわかる。現像装置2の大きさも考慮に入れて、上記の第1のギャップG1の大きさD1と、上記還流板導入部206aと天面部200cとの距離Lは、12・D1<L<24・D1の関係を満たすときに、余剰現像剤の還流量をある程度大きな値で安定させることができる。このため、還流板導入部206aとホッパ200の天面部200cとの距離Lと第1のギャップG1の大きさD1は、上記設定条件を満たすことにより、現像装置2を必要以上に大型化させることなく、かつトナーを第1のギャップG1に詰まらせることなく、余剰現像剤の還流量をある程度大きな値で安定させることができるようになる。
さらに、摺擦部材の摺擦面と対向する磁極部材N2の磁極中心軸P2が仕切り板206と摺擦部材211との連結部206cとマグネットローラ214の中心とを結ぶ直線L4よりも現像剤搬送上流方向にあり、磁極部材N2の磁極中心軸P2(現像ローラ202の中心軸から摺擦面211aに下ろした垂線L2と略同一方向)とかかる直線L4との成す角度θは、0°<θ<6°の関係を満たすとき、余剰現像剤の還流量(デベ返り量)がある程度大きな値を得ながら、大きく変化することなく安定していることがわかる。すなわち、磁極部材N2の磁極中心軸P2(現像ローラ202の中心軸から摺擦面211aに下ろした垂線L2と略同一方向)と直線L4との成す角度θを0°<θ<6°の範囲に設定することにより、余剰現像剤の還流量が比較的大きな値で安定するので、画像形成装置の高速処理による印字等の処理により安定した現像が得られるようになる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記第1の実施の形態では、一つのトナー容器を設置するモノクロ用の画像形成装置に設置される現像装置に本発明が適用されているが、複数のトナー容器を設置するカラー用の現像装置に本発明の余剰現像剤の循環機構を適用することも可能である。