JP4661988B1 - 太陽電池セル検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 太陽電池セル検査装置の製造コストを低額に抑える。
【解決手段】 ステージ10上に、電極間に導線を介して抵抗を接続した太陽電池セルSCを載置固定する。発光素子31−1,31−2・・・31−Nが太陽電池セルSCの表面を照射し、磁気センサ32−1,32−2・・・32−Nが光の照射によって太陽電池セルSCに電流が流れることにより発生する磁界を検出する。発光素子31−1,31−2・・・31−Nは複数の異なる周波数の発光制御信号によって駆動される。信号選択回路46,47及びロックインアンプ48は、複数の異なる発光制御信号の周波数ごとに、磁気センサ32−1,32−2・・・32−Nによって検出された磁界に含まれて前記周波数で変化する信号成分を取出す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池セルを検査するための太陽電池セル検査装置に関する。
太陽電池セルにクラック等の欠陥が存在すると、発電電力が低下するために、製造された太陽電池セルを太陽電池パネルの製造前に検査する必要がある。簡易の検査方法としては、作業者の目視によって欠陥の有無を検査する方法がある。しかし、この方法では、個々の作業者の検査能力に差があって検査ミスが生じる可能性があるとともに、検査に時間がかかるという問題もある。
そのため、従来から、例えば下記特許文献1〜3に示されているように、目視以外の方法で太陽電池セルの検査を精度よく短時間で行う方法が提案されている。下記特許文献1には、太陽電池セルに正方向に電流を流すと太陽電池セルが発光するとういう性質を利用して、太陽電池セルに正方向に電流を流すとともに太陽電池セルを撮像し、発光強度の異なる箇所を検出することで太陽電池セルの欠陥を検出する方法が示されている。また、下記特許文献2には、太陽電池セルのフォトルミネセンス効果を利用して、太陽電池セルに発光ダイオード(LED)の光を照射するとともに太陽電池セルを撮像し、発光強度の異なる箇所を検出することで太陽電池セルの欠陥を検出する方法が示されている。また、下記特許文献3には、太陽電池セルに振動を与えることによって音を発生させ、発生した音を捉えて音響解析を行うことによりパワースペクトルを求め、所定の周波数領域のスペクトル強度に基づいて太陽電池セルの欠陥を検出する方法が示されている。
特開2008−26113号公報 特開2008−224432号公報 特開2005−142495号公報
前記のように、太陽電池セルから発生する光や音により太陽電池セルの欠陥を検出する方法は提案されているが、前記方法では撮像装置、音響解析装置等が必要となり、さらに外乱である光や音を除外するための設備も必要となるため、太陽電池セル検査装置が高額になるという問題がある。
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、その目的は、製造コストを抑えた太陽電池セル検査装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、電極間に導線を介して抵抗を接続した状態の太陽電池セルの表面に複数の発光素子からの光を照射する光照射手段と、光照射手段による光の照射によって太陽電池セルに電流が流れることにより発生する磁界を検出する磁界検出手段と、異なる周波数で時間変化する駆動制御信号で複数の発光素子をそれぞれ駆動して、各発光素子ごとに異なる周波数で強度が変化する光で太陽電池セルを照射させる発光制御手段と、駆動制御信号の異なる周波数ごとに、磁界強度検出手段によって検出された磁界に含まれていて前記周波数で変化する信号成分を取出す信号成分取出手段とを備えたことにある。
この場合、磁界検出手段を、例えば、太陽電池セルを挟んで複数の発光素子によって光がそれぞれ照射される位置の反対側に対向して配置された複数の磁気センサで構成するとよい。また、磁界検出手段を、太陽電池セルを挟んで複数の発光素子によって光が照射される面と反対側の面に対向して、太陽電池セルに対して固定した位置に配置された一つの磁気センサで構成してもよい。また、磁界検出手段を、導線に対向して配置された一つの磁気センサで構成してもよい。
上記のように構成した本発明においては、光照射手段によって太陽電池セルに光が照射されると、太陽電池セルには発電により電流が流れる。そして、この太陽電池セルを流れる電流によって発生される磁界が、磁界検出手段によって検出される。この場合、光照射手段は、複数の発光素子で太陽電池セルの表面を照射するので、前記検出される磁界の変化により、太陽電池セルの表面におけるクラック等の欠陥を検出できる。したがって、光照射手段及び磁界検出手段を備えれば、太陽電池セルの検査が可能になるので、検査装置の製造コストを低額に抑えることができる。また、この太陽電池セル検査装置においては、発光制御手段が、各発光素子ごとに異なる周波数で強度が変化する光で太陽電池セルを照射させ、信号成分取出手段が、異なる周波数ごとに、磁界強度検出手段によって検出された磁界に含まれていて、前記周波数で変化する信号成分を取出す。これにより、太陽電池セルの部分ごとの検査を短時間で行うことができるようになるとともに、太陽電池セル検査装置が置かれた場所に外乱光を除外する装置を設けなくても、外乱光の影響を除外することができる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、信号成分取出手段によって取出された磁界の信号成分に関する情報を、光照射手段による光の照射位置に対応させて表示する表示手段を設けたことにある。これによれば、作業者は、表示手段による表示を見ることにより、太陽電池セルの欠陥を簡単かつ正確に見つけることができる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、信号成分取出手段によって取出された磁界の信号成分に関する情報と、予め用意した基準情報とを比較して、太陽電池セルの欠陥を判定する判定手段を設けたことにある。これによれば、作業者の判断によることなく、太陽電池セルの欠陥が自動的に検出される。
本発明の一実施形態に係る太陽電池セル検査装置の全体構成図である。 図1のステージ及びY方向スライド機構の具体例を説明する概略斜視図である。 図1の磁気センサ及びセンサ信号取出回路の詳細回路ブロック図である。 図1のロックインアンプの詳細回路ブロック図である。 図1のコントローラによって実行されるデータ取得プログラムを示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行される評価プログラムを示すフローチャートである。 太陽電池セルへの発光素子による照射状態を説明するための図である。 図1の表示装置における面電流の大きさ及び方向の表示例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る太陽電池セル検査装置について図面を用いて説明する。図1は、この太陽電池セル検査装置の全体概略図である。太陽電池セル検査装置は、太陽電池セルSCを載置固定するステージ10を有し、ステージ10は、Y方向スライド機構20によってY方向(紙面垂直方向)に移動する。
ステージ10は、図2に詳細に示すように、方形状の枠体で一体的に形成され、上面にて太陽電池セルSCが載置されるようになっている。Y方向スライド機構20は、Y方向に平行に延設された溝を有する1対の支持部材21,22を備え、ステージ10のX方向端部にてY方向に延設された一対の脚部10a,10bをY方向に摺動可能に収容している。支持部材22内には、Y方向に延設された雄ねじ23が支持部材22のY方向両端部にて回転可能に支持されて収容されている。この雄ねじ23には、ステージ10の脚部10bに設けた雌ねじが螺合して、この雌ねじは雄ねじ23と共にボールねじ機構を構成している。支持部材22のY方向の一端には、雄ねじ23を軸線周りに回転させるY方向モータ24が組み付けられており、Y方向モータ24の回転によりステージ10がY方向に移動する。
ステージ10上に載置された太陽電池セルSCの上方には、複数の発光素子(LED)31−1,31−2・・31−NがX方向に等間隔で配置されている。太陽電池セルSCの下方には、それぞれ磁気抵抗センサ(MRセンサ)からなり、前記発光素子31−1,31−2・・31−Nと同数の磁気センサ32−1,32−2・・32−Nが配置されている。図2に示すように、発光素子31−1,31−2・・31−Nは、支持機構33に固定支持されるようになっており、支持機構33によって発光素子31−1,31−2・・31−Nの上下位置が調整されるようになっている。磁気センサ32−1,32−2・・32−Nは支持台34上に載置され、支持台34の高さ調整によって太陽電池セルSCに対する上下位置が調整されるようになっている。そして、本実施形態では、発光素子31−1,31−2・・31−Nと磁気センサ32−1,32−2・・32−NのXY方向位置はそれぞれ同じである。なお、磁気センサ32−1,32−2・・32−Nに関しては、詳しく後述する。
y方向モータ24内には、Y方向モータ24の回転を検出して、その回転を表す回転信号を出力するエンコーダ24aが組み込まれている。この回転信号は、Y方向モータ24が所定の微少角度だけ回転するたびにハイレベルとローレベルとを交互に切替えるパルス列信号であって、回転方向を識別するために互いにπ/2だけ位相のずれたA相信号とB相信号とで構成される。回転信号は、Y方向位置検出回路41に出力される。Y方向位置検出回路41は、前記回転信号のパルス数をY方向モータ24の回転方向に応じてカウントアップ又はカウントダウンし、そのカウント値からY方向モータ24によるステージ10(太陽電池セルSC)に対する発光素子31−1,31−2・・・31−NのY方向位置(すなわち発光素子31−1,31−2・・・31−Nによる光のY方向の照射中心位置)を検出し、検出したY方向位置をY方向フィードモータ制御回路42及び後述するコントローラ50に出力する。Y方向フィードモータ制御回路42は、コントローラ50の指示により、Y方向モータ24の駆動及び停止を制御する。
Y方向位置検出回路41におけるカウント値の初期設定は、電源投入時にコントローラ50の指示によって行われる。すなわち、コントローラ50は、電源投入時に、Y方向フィードモータ制御回路42にステージ10の初期位置に対応したY方向限界位置への移動、及びY方向位置検出回路41に初期設定を指示する。この指示により、Y方向フィードモータ制御回路42は、Y方向モータ24を駆動してステージ10を初期位置に対応したY方向限界位置まで移動させる。Y方向位置検出回路41は、ステージ10のX方向への移動中、Y方向モータ24内のエンコーダ24aからの回転信号を入力し続けている。そして、ステージ10が初期位置に対応したY方向限界位置まで達してY方向モータ24の回転が停止すると、Y方向位置検出回路41はエンコーダ24aからの回転信号の入力停止を検出して、カウント値を「0」にリセットする。このとき、Y方向位置検出回路41は、Y方向フィードモータ制御回路42に出力停止のための信号を出力し、これにより、Y方向フィードモータ制御回路42はY方向モータ24への駆動信号の出力を停止する。その後に、Y方向モータ24が駆動された際には、Y方向位置検出回路41は、回転信号のパルス数をY方向モータ24の回転方向に応じてカウントアップ又はカウントダウンし、そのカウント値に基づいてステージ10に対する発光素子31−1,31−2・・・31−NのY方向位置を計算し、計算したY方向位置をY方向フィードモータ制御回路42及びコントローラ50に出力し続ける。
この太陽電池セル検査装置は、さらに、それぞれN個ずつの発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−N、発光素子駆動回路44−1,44−2・・・44−N、センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−Nを備えるとともに、信号選択回路46,47、ロックインアンプ48及びコントローラ50を備えている。
発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nは、正弦波発振器及び矩形波変換回路をそれぞれ含み、コントローラ50によって作動制御されて、正弦波発振器によって発振される正弦波信号を発光制御信号として発光素子駆動回路44−1,44−2・・・44−Nに供給する。なお、発光制御信号は、「0」を基準に正負に変化する信号であり、それらの周波数は、例えば数10ヘルツから数100ヘルツ程度の範囲にあり、数ヘルツずつ異なる。また、発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nは、前記正弦波信号からなる発光制御信号を矩形波変換回路による変換により、前記発光制御信号と同期して「0」を中心として正負に変化する矩形波信号をそれぞれ生成して、参照信号として信号選択回路46に出力する。発光素子駆動回路44−1,44−2・・・44−Nも、コントローラ50によって作動制御されて、前記供給された発光制御信号によって発光素子31−1,31−2・・・31−Nをそれぞれ発光制御する。発光素子31−1,31−2・・・31−Nは、前記発光制御信号に同期して正弦波状に変化する発光強度で太陽電池セルSCの表面をそれぞれ照射する。
次に、磁気センサ32−1,32−2・・32−Nについて説明しておく。磁気センサ32−1,32−2・・32−Nのうちの一つの磁気センサ32−n(n=1〜N)は、図3に示すように、X方向の磁界を検出するX方向磁気センサ32Aと、Y方向の磁界の変化を検出するY方向磁気センサ32Bとを備えている。X方向磁気センサ32Aは、抵抗r11,r12,r13及び磁気抵抗素子MR1からなるブリッジ回路で構成されており、抵抗r11,r13の接続点と、抵抗r12及び磁気抵抗素子MR1の接続点との間に、センサ信号取出回路45−n(n=1〜N)の後述する定電圧供給回路45aから電圧+V,−Vが印加されるようになっている。また、X方向磁気センサ32Aにおいては、抵抗r13及び磁気抵抗素子MR1の接続点と、抵抗r11,r12間の接続点との間の電圧をX方向磁気検出信号として出力する。抵抗r11,r12,r13の値は同じであり、磁界の強さが「0」であるときの磁気抵抗素子MR1の抵抗値に等しい。これにより、ほぼ「0」を基準としたX方向の磁界の正負の変化により、X方向磁気検出信号はほぼ「0」を基準にX方向の磁界の大きさに比例して正負に変化する電圧信号となる。
Y方向磁気センサ32Bは、抵抗r21,r22,r23及び磁気抵抗素子MR2からなるブリッジ回路で構成されており、抵抗r21,r22の接続点と、抵抗r23及び磁気抵抗素子MR2の接続点との間に、センサ信号取出回路45−nの後述する定電圧供給回路45bから電圧+V,−Vが印加されるようになっている。また、Y方向磁気センサ32Bにおいては、抵抗r23及び磁気抵抗素子MR2の接続点と、抵抗r21,r22間の接続点との間の電圧をY方向磁気検出信号として出力する。抵抗r21,r22,r23の値は同じであり、磁界の強さが「0」であるときの磁気抵抗素子MR2の抵抗値に等しい。これにより、ほぼ「0」を基準としたY方向の磁界の正負の変化により、Y方向磁気検出信号はほぼ「0」を基準にY方向の磁界の大きさに比例して正負に変化する電圧信号となる。
センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−Nは、定電圧供給回路45a,45b及び増幅器45c,45dをそれぞれ備えている。図3には、センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−Nのうちの一つのセンサ信号取出回路45−n(n=1〜N)を代表して示している。定電圧供給回路45a,45bは、コントローラ50からの指示により、X方向磁気センサ32A及びY方向磁気センサ32Bに対して、定電圧+V,−Vを供給する。増幅器45c、45dは、X方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号をそれぞれ増幅して信号選択回路47へ出力する。
信号選択回路46は、コントローラ50によって制御されて、発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nからそれぞれ出力されるN個の参照信号を一つずつ選択してロックインアンプ48へ出力する。信号選択回路47も、コントローラ50によって制御されて、センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−Nからそれぞれ出力されるN組のX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号を一組ずつ選択してロックインアンプ48へ出力する。
ロックインアンプ48は、図4に詳細に示すように、磁気センサ32−1,32−2・・・32−NのX方向磁気センサ32Aから増幅器47c及び信号選択回路47を介して供給されるX方向磁気検出信号を入力するハイパスフィルタ48aと、磁気センサ32−1,32−2・・・32−NのY方向磁気センサ32Bから増幅器47d及び信号選択回路47を介して供給されるY方向磁気検出信号を入力するハイパスフィルタ48bとを備えている。ハイパスフィルタ48a,48bは、X方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号に含まれる、磁界の強さに比例した信号成分以外の不要な成分を取り除くとともに、信号をグランドレベルを中心に変化するようにする。
ハイパスフィルタ48aの出力は、増幅器48cを介して位相検波回路48d,48eに供給される。位相検波回路48d,48eは、それぞれ乗算器によって構成されている。位相検波回路48dは、ハイパスフィルタ48a及び増幅器48cを介して供給されるX方向磁気検出信号に、発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nからの参照信号を乗算してローパスフィルタ48fに出力する。位相検波回路48eは、ハイパスフィルタ48a及び増幅器48cを介して供給されるX方向磁気検出信号に、発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nからの参照信号を位相シフト回路48gで90度位相を遅らせた遅延参照信号を乗算してローパスフィルタ48hに出力する。これにより、ローパスフィルタ48fにはX方向磁気検出信号の発光制御信号(参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ48fは供給された成分信号をローパスフィルタ処理してX方向磁気検出信号の発光制御信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。ローパスフィルタ48hにはX方向磁気検出信号の発光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号(遅延参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ48hは供給された成分信号をローパスフィルタ処理してX方向磁気検出信号の発光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。
ハイパスフィルタ48bの出力は、増幅器48iを介して位相検波回路48j,48kに供給される。位相検波回路48j,48kには、ローパスフィルタ48m,48nが接続されている。位相検波回路48j,48k及びローパスフィルタ48m,48nは、前述した位相検波回路48d,48e及びローパスフィルタ48f,48hと同様に構成されている。これにより、ローパスフィルタ48mにはY方向磁気検出信号の発光制御信号(参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ48mは供給された成分信号をローパスフィルタ処理してY方向磁気検出信号の発光制御信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。ローパスフィルタ48nにはY方向磁気検出信号の発光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号(遅延参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ48nは供給された成分信号をローパス処理してY方向磁気検出信号の発光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。ローパスフィルタ48f,48h,48m,48nは、A/D変換器48o,48p,48q,48rにそれぞれ接続されている。A/D変換器48o,48p,48q,48rは、所定の時間間隔ごとに、ローパスフィルタ48f,48h,48m,48nからの信号をそれぞれA/D変換してコントローラ50に供給する。
ふたたび図1の説明に戻り、コントローラ50は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、ハードディスクや不揮発性メモリなどの記憶装置と、入出力インタフェース等から構成される電子制御装置である。コントローラ50は、記憶装置に記憶された図5のデータ取得プログラム及び図6の評価プログラムを実行してこの太陽電池セル検査装置の動作を制御する。コントローラ50には、作業者が各種パラメータや処理等を指示するための入力装置51と、作業者に対して作動状況等を視覚的に知らせるための表示装置52とが接続されている。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。作業者は、図7に示すように、検査対象となる太陽電池セルSCの正負電極間に導線L1,L2を介して小さな抵抗Rcs(例えば、5オーム程度の抵抗)を接続して、ステージ10上に載置固定する。抵抗Rcsを接続する理由は、発光素子31−1,31−2・・・31−Nを用いた光の照射により、太陽電池セルSCの発電による電流が太陽電池セルSCを流れるようにするためである。ステージ10の上方には支持機構33に固定支持された発光素子31−1,31−2・・・31−Nが配置され、ステージ10の下方には支持台34に載置された磁気センサ32−1,32−2・・・32−Nが配置されていて、発光素子31−1,31−2・・・31−N及び磁気センサ32−1,32−2・・・32−Nの高さは既に調整されている。この状態で、太陽電池セル検査装置の電源が投入されると、上述したように、コントローラ50の指示により、Y方向フィードモータ制御回路42はステージ10をY方向限界位置に移動させるとともに、Y方向位置検出回路41は検出されるY方向位置を初期値に設定する。
その後、作業者は、入力装置51を操作することにより、太陽電池セルSCの計測の開始をコントローラ50に指示する。この指示に応答して、コントローラ50は、図5のステップS10にてデータ取得プログラムの実行を開始し、ステップS11にて変数n,mをそれぞれ「1」に初期設定する。変数nは、発光素子31−1,31−2・・・31−N及び磁気センサ32−1,32−2・・・32−N、すなわち太陽電池セルSCのN個のX方向位置を指定するための変数である。変数mは、発光素子31−1,31−2・・・31−N及び磁気センサ32−1,32−2・・・32−Nの太陽電池セルSCに対するY方向位置を指定するための変数である。なお、発光素子31−1,31−2・・・31−N及び磁気センサ32−1,32−2・・・32−Nは、ステージ10に対して相対的に、Y方向に初期値Ysによって表される開始位置から終了値Ymaxによって表される終了位置を越えるまで所定の微小値ΔYずつ移動制御される(図7参照)。なお、以降、発光素子31−1,31−2・・・31−NによるY方向の光照射位置、すなわち磁気センサ32−1,32−2・・・32−NによるY方向の磁界の検出位置を、Y軸方向の検査位置という。
前記ステップS11の処理後、コントローラ50は、ステップS12にて、Y方向フィードモータ制御回路42に対してステージ10をY軸方向に移動して検査位置がY軸方向の初期値Ysによって表される初期位置になるように指示する。この指示に応答して、Y方向フィードモータ制御回路42は、Y方向位置検出回路41からY方向検出位置(Y軸方向の検査位置)を入力しながら、Y方向検出位置が初期値Ysに一致するまでY方向モータ24を駆動制御する。
ステップS12の処理後、コントローラ50は、ステップS13にて発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nの作動開始を指示する。この指示に応答して、発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nは、それぞれ周波数の異なる正弦波状の発光制御信号を発光素子駆動回路44−1,44−2・・・44−Nに供給するとともに、前記発光制御信号とそれぞれ同期した矩形波状の参照信号を信号選択回路46に供給し始める。次に、コントローラ50は、ステップS14にて発光素子駆動回路44−1,44−2・・・44−Nの作動開始を指示する。この指示に応答して、発光素子駆動回路44−1,44−2・・・44−Nは、前記供給された発光制御信号に応じて正弦波状に変化する駆動制御信号を発光素子31−1,31−2・・・31−Nにそれぞれ供給して、発光素子31−1,31−2・・・31−Nを発光制御し始める。次に、コントローラ50は、ステップS15にて、センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−Nの作動開始を指示する。この指示に応答して、センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−N内の各定電圧供給回路45a,45bは、磁気センサ32−1,32−2・・・32−N内の各X方向磁気センサ32A及びY方向磁気センサ32Bにそれぞれ定電圧信号+V,−Vを供給し始める。これにより、磁気センサ32−1,32−2・・・32−N内の各X方向磁気センサ32A及びY方向磁気センサ32BによるX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号が、センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−N内の各増幅器45c,45dを介して信号選択回路47にそれぞれ供給され始める。
これらのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号について説明しておく。前記発光素子31−1,31−2・・・31−Nの発光制御により、発光素子31−1,31−2・・・31−Nは、その発光強度を前記発光制御信号に同期して正弦波状に変化させながら、太陽電池セルSCの表面に光をそれぞれ照射する。この場合、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの正弦波状に変化する発光強度の周波数は、それぞれ異なる。これらの光の照射により、太陽電池セルSCは前記発光強度に応じて電力を発電し始める。この電力の発電により、太陽電池セルSCの表面には面電流が流れるとともに、電極を介して導線L1,L2及び抵抗Rcsに電流が流れ、太陽電池セルSCの表裏面近傍には、前記面電流による磁界が発生する。そして、磁気センサ32−1,32−2・・・32−N内の各X方向磁気センサ32Aは、X方向の磁界Hの大きさに比例した電圧をX方向磁気検出信号としてそれぞれ出力し始める。また、磁気センサ32−1,32−2・・・32−N内のY方向磁気センサ32Bは、Y方向の磁界Hの大きさに比例した電圧をY方向磁気検出信号としてそれぞれ出力し始める。これらのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号は、前記発光素子31−1,31−2・・・31−Nの発光強度がそれぞれ異なる周波数で正弦波状に変化するので、異なる周波数で正弦波状に変化する信号をそれぞれ合成したものである。ただし、X方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号に含まれる各周波数成分の位相は、発光素子31−1,31−2・・・31−Nを駆動制御するための正弦波状の発光制御信号とは若干異なる。
ふたたび図5のデータ取得プログラムの説明にもどると、前記ステップS15の処理後、コントローラ50は、ステップS16にて、信号選択回路46,47にそれぞれ変数nを出力する。信号選択回路46は、発光信号給回路43−1,43−2・・・43−Nのうちで変数nによって指定される発光信号供給回路43−nから出力されている参照信号を選択してロックインアンプ48に出力する。信号選択回路47は、センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−Nのうちで変数nによって指定されるセンサ信号取出回路45−nから出力されているX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号を選択してロックインアンプ48に出力する。この場合、変数nは「1」であるので、ロックインアンプ48には、発光信号供給回路43−1からの参照信号が供給されるとともに、センサ信号取出回路45−1からのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号、すなわち磁気センサ32−1の検出に基づくX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号が供給されることになる。
ロックインアンプ48においては、入力されたX方向磁気検出信号がハイパスフィルタ48a及び増幅器48cを介して位相検波回路(乗算器)48d,48eにそれぞれ供給されるとともに、入力されたY方向磁気検出信号がハイパスフィルタ48b及び増幅器48iを介して位相検波回路(乗算器)48j,48kにそれぞれ供給される。位相検波回路48d,48jには、発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nのうちのいずれか一つからの矩形波状の参照信号が供給されている。また、位相検波回路48e,48kには、前記参照信号の位相を位相シフト回路48gで90度遅らせた遅延参照信号が供給されている。そして、位相検波回路48d,48eは、増幅器48cを介して供給されたX方向磁気検出信号に参照信号及び遅延参照信号をそれぞれ乗算して、乗算した信号をローパスフィルタ48f,48hを介してA/D変換器48o,48pにそれぞれ供給する。位相検波回路48j,48kは、増幅器48cを介して供給されたY方向磁気検出信号に参照信号及び遅延参照信号をそれぞれ乗算して、乗算した信号をローパスフィルタ48m,48nを介してA/D変換器48q,48rにそれぞれ供給する。
この場合、前述のように、ロックインアンプ48には、発光信号供給回路43−1からの参照信号が供給されているとともに、磁気センサ32−1の検出に基づくX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号が供給されている。そして、発光信号供給回路43−1からの参照信号の周波数は、発光素子31−1を駆動制御する発光制御信号の周波数と同じである。したがって、位相検波回路48d及びローパスフィルタ48fは、発光素子31−1の光照射によって発生された正弦波状に変化するX方向の磁界の大きさであって、参照信号(すなわち発光制御信号)に同期した信号成分の振幅に比例した大きさを表す信号をA/D変換器48oに出力する。位相検波回路48e及びローパスフィルタ48hは、発光素子31−1の光照射によって発生された正弦波状に変化するX方向の磁界の大きさであって、参照信号(すなわち発光制御信号)の位相をπ/2だけ遅らせた信号に同期した信号成分の振幅に比例した大きさを表す信号をA/D変換器48pに出力する。位相検波回路48j及びローパスフィルタ48mは、発光素子31−1の光照射によって発生された正弦波状に変化するY方向の磁界の大きさであって、参照信号(すなわち発光制御信号)に同期した信号成分の振幅に比例した大きさを表す信号をA/D変換器48qに出力する。位相検波回路48k及びローパスフィルタ48nは、発光素子31−1の光照射によって発生された正弦波状に変化するY方向の磁界の大きさであって、参照信号(すなわち発光制御信号)の位相をπ/2だけ遅らせた信号に同期した信号成分の振幅に比例した大きさを表す信号をA/D変換器48rに出力する。そして、A/D変換器48o,48p,48q,48rは、それぞれ供給された信号を所定時間ごとにサンプリングしてA/D変換し、A/D変換したサンプリングデータをコントローラ50に供給する。したがって、コントローラ50には前記各信号成分の所定時間ごとの大きさを表すサンプリングデータが所定時間ごとに供給されるようになる。
前記ステップS16の処理後、コントローラ50は、ステップS17にて、ロックインアンプ48のA/D変換器48o,48p,48q,48rから供給されるサンプリングデータを取込み、ステップS18にて取込んだ各サンプリングデータの数が所定数Kに達したか否かを判定する。この所定数Kは、例えば数個から数十個の各サンプリングデータの数を表す値に設定されている。各サンプリングデータの数が所定数Kに達していなければ、コントローラ50は、ステップS18にて「No」と判定して、ステップS17にてA/D変換器48o,48p,48q,48rから次に出力されるサンプリングデータを取込む。そして、A/D変換器48o,48p,48q,48rから取込んだ各サンプリングデータの数が所定数Kに達すると、コントローラ50は、ステップS18にて「Yes」と判定して、ステップS19以降の処理を実行する。ステップS17にて取込まれたサンプリングデータは、変数n,mによって指定されるサンプリングデータ群として、RAMに記憶される。
具体的には、A/D変換器48oから取込んだ所定数Kのサンプリングデータ、すなわちX方向磁気検出信号の参照信号と同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのデータは、サンプリングデータ群Sx1(n,m)としてRAMに記憶される。A/D変換器48pから取込んだ所定数Kのサンプリングデータ、すなわちX方向磁気検出信号の遅延参照信号と同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのデータは、サンプリングデータ群Sx2(n,m)としてRAMに記憶される。A/D変換器48pから取込んだ所定数Kのサンプリングデータ、すなわちY方向磁気検出信号の参照信号と同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのデータは、サンプリングデータ群Sy1(n,m)としてRAMに記憶される。A/D変換器48rから取込んだ所定数Kのサンプリングデータ、すなわちY方向磁気検出信号の遅延参照信号と同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのデータは、サンプリングデータ群Sy2(n,m)としてRAMに記憶される。なお、この場合の変数n,mは、共に「1」である。
前記ステップS17,S18の処理後、コントローラ50は、ステップS19にて変数nが値Nであるか否かを判定する。変数nは「1」に初期設定されているので、この場合、コントローラ50は、ステップS19にて「No」と判定して、ステップS20にて変数nに「1」を加算して、ステップS16に戻る。ステップS16においては、コントローラ50は、前述した場合と同様に信号選択回路46,47にそれぞれ変数nを出力する。そして、信号選択回路46は、前述のように変数nによって指定される発光信号供給回路43−nから出力されている参照信号を選択してロックインアンプ48に出力する。また、信号選択回路47も、前述のように変数nによって指定されるセンサ信号取出回路45−nから出力されているX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号を選択してロックインアンプ48に出力する。この場合、変数nは「2」であるので、ロックインアンプ48には、発光信号供給回路43−2からの参照信号が供給されるとともに、センサ信号取出回路45−2からのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号、すなわち磁気センサ32−2の検出に基づくX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号が供給されることになる。
この場合、発光信号供給回路43−2からの参照信号の周波数は、発光素子31−2を駆動制御する発光制御信号の周波数と同じである。したがって、位相検波回路48d,48e,48j,48k及びローパスフィルタ48f,48h,48m,48nは、前述した場合と同様に動作し、発光素子31−2の光照射によって発生された正弦波状に変化するX方向及びY方向の磁界の大きさであって、参照信号(すなわち発光制御信号)及び参照信号(すなわち発光制御信号)の位相をπ/2だけに遅らせた信号にそれぞれ同期した信号成分の振幅に比例した大きさを表す信号をA/D変換器48o,48p,48q,48rに供給する。そして、A/D変換器48o,48p,48q,48rは、それぞれ供給された信号を所定時間ごとにサンプリングしてA/D変換し、A/D変換したサンプリングデータをコントローラ50に供給する。
前記ステップS16の処理後、コントローラ50は、前記場合と同様に、ステップS17,S18の処理により、K個ずつのサンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)をRAMに記憶する。なお、この場合の変数nは「2」であり、変数mは「1」である。そして、変数nが値Nになるまで、前記ステップS16〜S20からなる処理を繰り返し実行する。変数nが値Nになると、コントローラ50は、ステップS19にて「Yes」と判定して、ステップS21に進む。この状態では、サンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)(n=1〜N,m=1)がRAMに記憶されている。
コントローラ50は、ステップS21にて、値Ys+m・ΔYが終了値Ymaxよりも大きいかを判定する。値Ys+m・ΔYは、Y軸方向の走査間隔を表す所定値ΔYに変数mを乗算して初期値Ysを加算した値であり、次のY軸方向の光照射位置(Y軸方向の走査位置)を表す値である(図7参照)。値Ys+m・ΔYが終了値Ymax以下であれば、コントローラ50は、ステップS21にて「No」と判定し、ステップS22にてY方向フィードモータ制御回路42に、発光素子31−1,31−2・・・31−Nによる光照射位置をY軸方向正側に移動させるように指示する。これにより、Y方向フィードモータ制御回路42は、Y方向モータ24を作動させて発光素子31−1,31−2・・・31−Nによる光照射位置をY軸方向正側に移動させ始める。次に、コントローラ50は、ステップS23にてY方向位置検出回路41からY方向位置を入力し、ステップS24にて入力したY方向位置が次のY軸方向の光照射位置Ys+m・ΔYに達したか否かを判定する。そして、Y方向位置検出回路41から入力したY方向位置が次のY軸方向の光照射位置に達するまで、コントローラ50は、ステップS24にて「No」と判定し続けて、ステップS23,S24の処理を繰り返し実行する。Y方向位置検出回路41から入力したY方向位置が次のY軸方向の光照射位置に達すると、コントローラ50は、ステップS24にて「Yes」と判定し、ステップS25にてY方向フィードモータ制御回路42に、光照射位置のY軸方向正側への移動を停止させることを指示する。これにより、Y方向フィードモータ制御回路42は、Y方向モータ24の作動を停止させて、発光素子31−1,31−2・・・31−Nによる光照射位置のY軸方向正側への移動を停止させる。その結果、発光素子31−1,31−2・・・31−Nは、値Ys+m・ΔY(=Ys+ΔY)で表されたY軸方向位置を光照射の中心位置として、太陽電池セルSCの表面を照射し始める。
前記ステップS25の処理後、コントローラ50は、ステップS26にて変数mに「1」を加算し、ステップS27にて変数nを初期値「1」に戻す。この場合、変数mは「2」になる。前記ステップS27の処理後、コントローラ50は、ステップS16に戻って、前述したステップS16〜S20の処理を実行する。このステップS16〜S20の処理により、前述したサンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)(n=1〜N,m=1)に加えて、サンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)(n=1〜N,m=2)がRAMに記憶される。
前記ステップS16〜S20の処理後、コントローラ50は、前述したステップS21の判定処理をふたたび実行する。そして、値Ys+m・ΔYが終了値Ymax以下である限り、コントローラ50は、ステップS16〜S27の処理を実行し続ける。その結果、値Ys+m・ΔYが終了値Ymaxよりも大きくなると、コントローラ50は、ステップS21にて「Yes」と判定して、ステップS28以降に進む。この状態では、RAM内に、K個ずつの各サンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)が記憶されている。なお、値Mは、終了値Ymax直前の光照射位置によるサンプリングデータ群に関する変数mの値であって、Y軸方向における光照射位置の数を表している。
コントローラ50は、ステップS28にてセンサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−Nの作動停止を指示し、ステップS29にて発光素子駆動回路44−1,44−2・・・44−Nの作動停止を指示し、ステップS30にて発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nの作動停止を指示する。これらの作動停止の指示により、発光素子31−1,31−2・・・31−N、磁気センサ32−1,32−2・・・32−N、発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−N、発光素子駆動回路44−1,44−2・・・44−N、センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−N及びロックインアンプ48の作動が停止する。前記ステップS30の処理後、コントローラ50は、ステップS31にて、ステージ10をY方向駆動限界位置まで移動させることをY方向位置検出回路41及びX方向フィードモータ制御回路42に指示して、ステップS32にてデータ取得プログラムの実行を終了する。Y方向フィードモータ制御回路42は、前述のように、Y方向位置検出回路41と協働して、ステージ10をY方向駆動限界位置まで移動させる。
次に、前記データ取得プログラムで取得した所定数Kずつのサンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)を用いて、太陽電池セルSCを評価する方法について説明する。この場合、作業者は、入力装置51を操作して、コントローラ50に図6の評価プログラムを実行させる。この評価プログラムの実行はステップS50にて開始され、コントローラ50は、ステップS51にて変数n,mをそれぞれ「1」に初期設定した後、ステップS52にて、変数n,mによって指定される所定数Kずつのサンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)の磁界の大きさの各平均値Sx1,Sx2,Sy1,Sy2を計算する。具体的には、各サンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)ごとに、K個のサンプリングデータを加算して値Kで除算する。
次に、コントローラ50は、ステップS53にて、前記計算した平均値Sx1,Sx2を用いた下記数1,2の演算の実行により、X方向磁気検出信号の極大値Hxと、X方向磁気検出信号の参照信号に対する位相シフト量θxとを計算する。
(数1)
Hx=(Sx12+Sx22)1/2
(数2)
θx=tan-1(Sx2/Sx1)
これにより、X方向磁気検出信号としてHx・sin(2πft+θx)が検出されたことになる。なお、fは、発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nから出力される発光制御信号及び参照信号の周波数に等しい。
次に、コントローラ50は、ステップS54にて、前記計算した平均値Sy1,Sy2を用いた下記数3,4の演算の実行により、Y方向磁気検出信号の極大値Hyと、Y方向磁気検出信号の参照信号に対する位相シフト量θyとを計算する。
(数3)
Hy=(Sy12+Sy22)1/2
(数4)
θy=tan-1(Sy2/Sy1)
これにより、Y方向磁気検出信号としてHy・sin(2πft+θy)が検出されたことになる。
次に、コントローラ50は、ステップS55にて、前記計算したHx,θx,Hy,θyを用いた下記数5,6の演算の実行により、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの発光量が最大となるタイミング(前記X方向磁気検出信号Hx・sin(2πft+θx)及び前記Y方向磁気検出信号Hy・sin(2πft+θy)における2πftがπ/2のタイミング)における、検査位置の磁界の強さHxy及び磁界の向きθxyを計算する。この場合、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの発光量が最大となるタイミングを採用した理由は、位相シフト量θx,θyは小さく、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの発光量が最大となるタイミング近傍で検査位置の磁界の強さHxyが最大値近傍の値になるためである。なお、位相シフト量θx,θyが小さくなく、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの発光量が最大となるタイミング近傍で検査位置の磁界の強さHxyが最大値近傍にならない場合には、磁界の強さHxyが最大値近傍になるようなタイミングの角度をπ/2に代えて用いればよい。
(数5)
Hxy=[{Hx・sin(π/2+θx)}2+{Hy・sin(π/2+θy)}2]1/2
(数6)
θxy=tan-1{Hy・sin(π/2+θy)}/{Hx・sin(π/2+θx)}
次に、コントローラ50は、ステップS56にて、太陽電池セルSCに流れる面電流は前記磁界の強さHxyに比例し、かつ方向が磁界の方向θxyと−π/2異なることから、前記計算したHxy,θxyを用いた下記数7,8の演算の実行により、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの発光量が最大となるタイミングにおける、太陽電池セルSCの検査位置に流れる面電流の大きさIxy及び方向θixyを計算する。ただし、値Kは、比例定数である。
(数7)
Ixy=K・Hxy
(数8)
θixy=θixy−π/2
そして、このステップS56にて、前記計算された面電流の大きさIxy及び方向θixyは、太陽電池セルSCの検査位置を表す変数m,nを用いて面電流の大きさデータIxy(n,m)及び方向データθixy(n,m)としてRAM又は記憶装置に記憶される。
前記ステップS56の処理後、コントローラ50は、ステップS57,S58の判定処理を実行する。ステップS57においては、前記計算した面電流の大きさIxyと面電流の大きさの基準値Iref(n,m)との差の絶対値|Ixy−Iref(n,m)|が、比較値3・DEVi(n,m)以上であるか否かを判定する。ステップS58においては、前記計算した面電流の向きθixyと面電流の向きの基準値θref(n,m)との差の絶対値|θixy−θref(n,m)|が、比較値3・DEVθ(n,m)以上であるか否かを判定する。
この場合、基準値Iref(n,m),θref(n,m)及び比較値3・DEVi(n,m),3・DEVθ(n,m)は、次のような方法で事前に用意されて記憶装置に予め記憶されているデータである。まず、良品である複数の太陽電池セルSCに係るサンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)を図5に示すようなデータ取得プログラムで取得する。そして、上述した図6の評価プログラムのステップS52〜S56と同様な処理により、検査位置ごとの面電流の大きさIxy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)及び方向θixy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)を計算して記憶装置に記憶しておく。さらに、検査位置ごとに、前記複数の太陽電池セルSCの電流の大きさIxy(n,m)及び方向θixy(n,m)の平均値を計算して、これらの計算した平均値を基準値Iref(n,m),θref(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)として記憶装置に記憶しておく。また、検査位置ごとに、前記複数の太陽電池セルSCの電流の大きさIxy(n,m)及び方向θixy(n,m)の標準偏差DEVi(n,m),DEVθ(n,m)を計算して、計算した標準偏差DEVi(n,m),DEVθ(n,m)を3倍した値を比較値3・DEVi(n,m),3・DEVθ(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)として記憶装置に記憶しておく。したがって、前記ステップS57,S58の判定は、検査対象の太陽電池セルSCの検査位置の面電流の大きさIxy及び方向θxyが、良品である太陽電池セルSCの前記検査位置と同一位置の面電流の大きさ及び方向よりも許容値以上に大きく異なっているか否かを判定するものである。
ふたたびステップS57,S58の処理の説明に戻ると、前記絶対値|Ixy−Iref(n,m)|が比較値3・DEVi(n,m)未満であり、かつ前記絶対値|θixy−θref(n,m)|が比較値3・DEVθ(n,m)未満であれば、コントローラ50は、ステップS57,S58にて共に「No」と判定し、ステップS60に進む。一方、前記絶対値|Ixy−Iref(n,m)|が比較値3・DEVi(n,m)以上であれば、コントローラ50は、ステップS57にて「Yes」と判定して、ステップS59に進む。また、前記絶対値|θixy−θref(n,m)|が比較値3・DEVθ(n,m)以上であれば、コントローラ50は、ステップS58にて「Yes」と判定して、ステップS59に進む。ステップS59においては、コントローラ50は、検査位置を特定する変数n,mにより指定されるエラーデータE(n,m)を異常を表す“1”に設定する。なお、エラーデータE(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)は、初期の状態では全て“0”に設定されている。このステップS59の処理後、ステップS60に進む。
コントローラ50は、ステップS60にて変数nに「1」を加算し、ステップS61にて変数nがX軸方向の検出位置数を表す値Nよりも大きい否かを判定する。変数nが値N以下であれば、コントローラ50は、ステップS61にて「No」と判定して、ステップS52に戻って前述したステップS52〜S60の処理を繰り返し実行する。このようなステップS52〜S61の繰り返し処理中、変数nが値Nよりも大きくなると、コントローラ50は、ステップS61にて「Yes」と判定して、ステップS62にてY軸方向の検査位置を規定する変数mに「1」を加算して、ステップS63にて変数mがY軸方向の検出位置数を表す値Mよりも大きい否かを判定する。変数mが値M以下であれば、コントローラ50は、ステップS63にて「No」と判定して、ステップS64にて変数nを初期値「1」に戻した後、前述したステップS52〜S64の処理を繰り返し実行する。このようなステップS52〜S64の繰り返し処理中、変数mが値Mよりも大きくなると、コントローラ50は、ステップS63にて「Yes」と判定して、ステップS65に進む。
この時点では、太陽電池セルSCの検査位置ごとに、面電流の大きさデータIxy(n,m)及び方向データθixy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)が、RAM又は記憶装置に記憶されている。また、前記検査位置の異常の有無を表すエラーデータE(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)も、RAM又は記憶装置に記憶されている。
ステップS65においては、コントローラ50は、前記面電流の大きさデータIxy(n,m)及び方向データθixy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)から表示用画像データを生成して、表示装置52に画像データによって表された画像を表示する。この画像は、図8に示すように、太陽電池セルSCの検査位置ごとに、面電流の大きさデータIxy(n,m)に応じて明度、色彩などを異ならせて表示するとともに、面電流の方向データθixy(n,m)によって示された方向を示す矢印を表示するものである。
前記ステップS65の処理後、コントローラ50は、ステップS66にて、エラーデータ(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)の中に“1”を示すエラーデータが存在するかを調べる。“1”を示すエラーデータが存在しなければ、コントローラ50は、ステップS66にて「No」と判定して、ステップS67にて表示装置52に「合格」を表示し、ステップS70にてこの評価プログラムの実行を終了する。一方、“1”を示すエラーデータが存在すると、コントローラ50は、ステップS66にて「Yes」と判定して、ステップS68にて表示装置52に「不合格」を表示し、ステップS69にてエラーデータE(n,m)が“1”である変数n,mを取り出し、前記ステップS65の処理によって表示した画像中の変数n,mによって指定される位置に欠陥を表すマーク、色彩などを表示する。
上記のように動作する実施形態においては、発光素子31−1,31−2・・・31−Nによる光照射によって発電された電力に起因して太陽電池セルSCに流れる面電流によって発生される磁界の強さHxy及び方向θxyを、磁気センサ32−1,32−2・・・32−N、センサ信号取出回路45−1,45−2・・・45−N、ロックインアンプ48、コントローラ50のステップS10〜S32,S50〜S55,S60〜S63の処理などにより検出した。そして、コントローラ50のステップS56の処理によって前記磁界の強さHxy及び方向θxyを用いて太陽電池セルSCに流れる面電流の大きさIxy及び方向θixyを検出し、コントローラ50のステップS57〜S59,S66〜S69の処理により、太陽電池セルSCの欠陥を検出するとともに、欠陥位置を表示するようにした。このような太陽電池セルSCの検査装置においては、発光素子31−1,31−2・・・31−Nと磁気センサ32−1,32−2・・・32−Nという簡単な装置を用いて太陽電池セルSCの欠陥を検出できるので、太陽電池セル検査装置の製造コストを低額に抑えることができる。
また、前記磁界の検出においては、複数の発光素子31−1,31−2・・・31−Nにおける光強度変化の周期を発光制御信号に応じて異ならせ、ロックインアンプ48により、それぞれの周期と等しい周期で変化する磁界の強度を検出するようにした。したがって、太陽電池セルSCの部分ごとの検査を短時間で行うことができる。また、ロックインアンプ48は、発光信号供給回路43−1,43−2・・・43−Nから出力される発光制御信号に同期した参照信号を用いて、前記発光制御信号に応じて強度が変化する磁界を検出する。したがって、このような所定周期で強度が変化する光を用いることにより、太陽電池セル検査装置が置かれた場所に外乱光を除外する設備を設けなくても、外乱光の影響を除外することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
上記実施形態では、図6のステップS57,S58の両判定処理により、面電流の大きさIxy及び方向θixyの異常を判定することにより、太陽電池セルSCの欠陥を見つけるようにした。しかし、前記ステップS57,S58の一方の処理を省略して、面電流の大きさIxy又は面電流の方向θixyの異常を判定することにより、太陽電池セルSCの欠陥を見つけるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図6のステップS56の処理によって面電流の大きさIxy及び方向θixyを計算し、ステップS57,S58の判定処理によって面電流の大きさIxy及び方向θixyを用いて太陽電池セルSCの欠陥を見つけるようにした。しかし、面電流の大きさIxyはステップS55の処理によって計算される磁界の大きさHxyに比例しており、面電流の方向θixyはステップS55の処理によって計算される磁界の方向θxyとπ/2異なるだけである。したがって、ステップS56の処理を省略して、ステップS57,S58にてステップS55で検出した磁界の大きさHxy及び方向θxyを用いて太陽電池セルSCの欠陥を見つけるようにしてもよい。
この場合には、面電流に関する基準値Iref(n,m),θref(n,m)及び比較値3・DEVi(n,m),3・DEVθ(n,m)に代えて、磁界に関する基準値Href(n,m),θref(n,m)及び比較値3・DEVh(n,m),3・DEVθ(n,m)を用いればよい。そして、この場合にも、良品である複数の太陽電池セルSCに係るサンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)を図5A及び図5Bに示すようなデータ取得プログラムで取得して、図6の評価プログラムのステップS52〜S55と同様な処理により、検査位置ごとの磁界の大きさHxy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)及び方向θxy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)を計算して記憶装置に記憶しておく。そして、上記実施形態の場合と同様にして、平均値及び標準偏差の計算により基準値Href(n,m),θref(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)及び比較値3・DEVh(n,m),3・DEVθ(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)を用意すればよい。また、この場合にも、面電流の場合と同様に、磁界の大きさHxy及び磁界の方向θxyの一方のみの異常を判定することにより、太陽電池セルSCの欠陥を見つけるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、図6のステップS57,S58の処理によって太陽電池セルSCの欠陥を判定するとともに、ステップS66〜S69の処理によって前記判定結果を表示するようにした。しかし、これらの処理を省略して、ステップS65の処理によって表示装置52に表示された面電流の大きさIxy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)及び方向θixy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)に従って、作業者の判断により太陽電池セルSCの欠陥を判定させるようにしてもよい。すなわち、作業者は、面電流の大きさIxy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)に応じた明度、色彩の異常等、さらには面電流の方向θixy(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)に応じた矢印の向きの異常により、太陽電池セルSCの欠陥を判定するようにしてもよい。
また、この場合、上記実施形態の図6のステップS57,S58で用いた面電流の大きさの基準値Iref(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)及び面電流の向きの基準値θref(n,m)(n=1〜N,m=1〜M)を用いて、良品の太陽電池セルSCの面電流の大きさ及び向きを、ステップS65による検査対象である太陽電池セルSCの面電流の大きさ及び向きの表示と共に表示装置52に表示して、作業者に両者の比較により検査対象である太陽電池セルSCの欠陥を判断させるようにするとよい。
また、この場合も、太陽電池セルSCの面電流の大きさ及び向きのうちの一方、すなわち面電流の大きさ又は面電流の向きの表示のみにより、作業者に太陽電池セルSCの異常の判断をさせるようにしてもよい。さらに、この場合も、前述のように、面電流に代えて、磁界の大きさ及び/又は向きを表示装置52に表示させて、作業者に磁界に基づいて太陽電池セルSCの欠陥を判断させるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、太陽電池セルSCを載置したステージ10をY軸方向に移動することにより、発光素子31−1,31−2・・・31−N及び磁気センサ32−1,32−2・・・32−Nを太陽電池セルSCに対して相対的にY軸方向に移動させて、太陽電池セルSCの表面をY軸方向に走査しながら、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの光照射によって発生される磁界を検出するようにした。しかし、ステージ10をY軸方向に移動することに代えて、ステージ10すなわち太陽電池セルSCを固定して、発光素子31−1,31−2・・・31−N及び磁気センサ32−1,32−2・・・32−NをY軸方向に移動させて、太陽電池セルSCの表面をY軸方向に走査しながら、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの光照射によって発生される磁界を検出するようにしてもよい。
また、磁気センサを一つだけ用いて、磁気センサの太陽電池セルSCに対する相対位置を固定したまま、発光素子31−1,31−2・・・31−Nによる光照射位置のみを太陽電池セルSCに対してY軸方向に相対的に移動させて、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの光照射によって発生される磁界を検出するようにしてもよい。この場合、太陽電池セルSCを載置したステージ10及び一つの磁気センサを固定して、発光素子31−1,31−2・・・31−NをY軸方向に移動させればよい。また、逆に、発光素子31−1,31−2・・・31−Nを固定して、太陽電池セルSCを載置したステージ10及び一つの磁気センサをY軸方向に移動させてもよい。また、この場合には、センサ信号取出回路も一つだけ設けるとともに、信号選択回路47を省略して、前記一つのセンサ取出回路の出力が常にロックインアンプ48に供給されることになる。なお、この場合も、一つの磁気センサは、太陽電池セルSCの表面位置に対向している。また、この場合も、変数nによる信号選択回路46による信号選択は実行される。これによれば、発光素子31−1,31−2・・・31−Nによる光照射位置と、前記光照射による太陽電池セルSCの発電に伴って太陽電池セルSCを流れる電流によって発生される磁界の位置との相対的位置が、光照射位置ごとに異なるので、検出される磁界の大きさと向きは上記実施形態とは異なるものとなる。しかし、図6のステップS57〜S59の評価処理に利用される基準値及び標準偏差を、この変形例による発光素子31−1,31−2・・・31−Nの光照射及び磁気センサによる磁界の検出の場合と同じ方法で取得すれば、この変形例による場合も、良品である太陽電池セルSCとの比較になるので、太陽電池セルSCの欠陥の検出は可能である。
また、表示装置52に電流(又は磁界)の大きさ及び/又は向きを表示して、作業者が太陽電池セルSCの欠陥を判断する場合にも、前記変形例による方法を適用できる。特に、作業者が表示装置52の表示に、上述のように、検査対象となる太陽電池セルSCの電流(又は磁界)の大きさ及び/又は向きと、良品である電流(又は磁界)の大きさ及び/又は向き(すなわち基準値)とを並行して表示するようにすれば、作業者は太陽電池セルSCの異常を簡単かつ確実に判断できる。
さらに、図7に示すように、一つの磁気センサ32を太陽電池セルSCと抵抗Rcsとを接続する導線L1(又は導線L2)に対向させて固定配置し、発光素子31−1,31−2・・・31−Nによる光照射位置のみを太陽電池セルSCに対してY軸方向に相対的に移動させて、発光素子31−1,31−2・・・31−Nの光照射によって発生される磁界を検出するようにしてもよい。この場合も、太陽電池セルSCを載置したステージ10を固定して、発光素子31−1,31−2・・・31−NをY軸方向に移動させてもよいし、発光素子31−1,31−2・・・31−Nを固定して、太陽電池セルSCを載置したステージ10をY軸方向に移動させてもよい。また、この場合も、センサ信号取出回路を一つだけ設けるとともに、信号選択回路47を省略して、前記一つのセンサ取出回路の出力が常にロックインアンプ48に供給されることになる。さらに、この場合も、変数nによる信号選択回路46による信号選択は実行される。
ただし、この場合には、太陽電池セルSCの発電による電流の向きはY軸方向のみであり、磁界はX軸方向のみに発生することになる。したがって、この変形例では、図6のステップS54の処理を省略し、ステップS53で上記数1,2の演算に基づくX方向磁気検出信号の極大値Hxと、X方向磁気検出信号の参照信号に対する位相シフト量θxとによって定義されるX方向磁気検出信号Hx・sin(2πft+θx)を用いて最終的な磁気の強さHxyをステップS55で計算することになる。この場合も、上記実施形態と同様に、値2πftにπ/2を代入して磁界の強さHxyを計算する。なお、磁界の向きは常に一定であるので、計算する必要はない。したがって、この場合は、太陽電池セルSCの欠陥が、磁界の強さHxy又はステップS56で計算される電流の大きさIxyのみを用いて、ステップS57〜S59,S66〜S69からなる評価処理、又はステップS65の画像表示(又は基準値に関する画像表示も含めて)を用いた作業者の判断によって検査されることになる。
また、上記実施形態及び変形例では、発光素子31−1,31−2・・・31−N及び磁気センサ32−1,32−2・・・32−NをX軸方向に沿って一列だけ設けた。しかし、これに代えて、発光素子及び磁気センサの数を増して、発光素子及び磁気センサをY軸方向に2列、3列等の複数列設けるようにしてもよい。この場合、発光素子及び磁気センサを太陽電池セルSCに対して相対的にY軸方向に移動させる際には、Y軸方向に2列、3列等の複数列分ずつ移動させるようにすればよい。なお、この場合も、複数の発光素子に対応した発光制御信号及び参照信号の周波数をそれぞれ異なるようにする。これによれば、より短時間で、太陽電池セルSCの欠陥を検査できるようになる。
また、発光素子及び磁気センサの数をさらに増して、太陽電池セルSCの表面全体にわたって発光素子及び磁気センサを設けて、発光素子及び磁気センサを太陽電池セルSCに対して相対的にY軸方向に移動させないようにしてもよい。この場合も、複数の発光素子に対応した発光制御信号及び参照信号の周波数をそれぞれ異なるようにする。これによれば、さらに短時間で、太陽電池セルSCの欠陥を検査できるようになる。
また、逆に、発光素子及び磁気センサの数を減らし、太陽電池セルSCのX軸方向の検査範囲を満たさない数の発光素子及び磁気センサを設けるようにしてもよい。この場合、発光素子及び磁気センサを太陽電池セルSCに対してX軸方向にも相対的に移動させる必要がある。さらに、前記のような太陽電池セルSCのX軸方向の検査範囲を満たさない数の発光素子及び磁気センサを設けた場合も、Y軸方向に複数列の発光素子及び磁気センサを設けるようにしてもよい。この場合も、発光素子及び磁気センサを太陽電池セルSCに対してX軸方向及びY軸方向の両方向に相対的に移動させる必要がある。
また、このように上記実施形態の場合よりも多い発光素子又は上記実施形態の場合よりも少ない発光素子を利用する場合でも、前記変形例のように、一つの磁気センサを太陽電池セルSCに対向させて配置したり、導線L1(又は導線L2)に対向させて配置させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、磁気センサとして磁気抵抗素子(MR素子)を利用したが、これに代えて、ホール素子、磁気インピーダンス素子効果センサ、フラックスゲート、超伝導量子干渉素子などを利用するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、太陽電池セルSCの欠陥を検出するようにした。しかし、本発明は、複数の太陽電池セルを1セットとして有する太陽電池パネルに適用して、太陽電池パネル内の太陽電池セルの欠陥を検出できるものでもある。
SC…太陽電池セル、10…ステージ、20…X方向スライド機構、24…X方向モータ、31−1,31−2・・・32−N…発光素子、32,32−1,32−2・・・32−N…磁気センサ、41…X方向位置検出回路、42…X方向フィードモータ制御回路、43−1,43−2・・・43−N…発光信号給回路、44−1,44−2・・・44−N…発光素子駆動回路、45−1,45−2・・・45−N…センサ信号取出回路、46,47…信号選択回路、48…ロックインアンプ、50…コントローラ、51…入力装置、52…表示装置

Claims (6)

  1. 電極間に導線を介して抵抗を接続した状態の太陽電池セルの表面に複数の発光素子からの光を照射する光照射手段と、
    前記光照射手段による光の照射によって前記太陽電池セルに電流が流れることにより発生する磁界を検出する磁界検出手段と、
    異なる周波数で時間変化する駆動制御信号で前記複数の発光素子をそれぞれ駆動して、前記各発光素子ごとに異なる周波数で強度が変化する光で前記太陽電池セルを照射させる発光制御手段と、
    前記駆動制御信号の異なる周波数ごとに、前記磁界強度検出手段によって検出された磁界に含まれていて前記周波数で変化する信号成分を取出す信号成分取出手段と
    を備えたことを特徴とする太陽電池セル検査装置。
  2. 請求項1に記載した太陽電池セル検査装置において、さらに、
    前記信号成分取出手段によって取出された磁界の信号成分に関する情報を、前記光照射手段による光の照射位置に対応させて表示する表示手段を設けたことを特徴とする太陽電池セル検査装置。
  3. 請求項1又は2に記載した太陽電池セル検査装置において、さらに、
    前記信号成分取出手段によって取出された磁界の信号成分に関する情報と、予め用意した基準情報とを比較して、前記太陽電池セルの欠陥を判定する判定手段を設けたことを特徴とする太陽電池セル検査装置。
  4. 請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載した太陽電池セル検査装置において、
    前記磁界検出手段を、前記太陽電池セルを挟んで前記複数の発光素子によって光がそれぞれ照射される位置の反対側に対向して配置された複数の磁気センサで構成したことを特徴とする太陽電池セル検査装置。
  5. 請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載した太陽電池セル検査装置において、
    前記磁界検出手段を、前記太陽電池セルを挟んで前記複数の発光素子によって光が照射される面と反対側の面に対向して、前記太陽電池セルに対して固定した位置に配置された一つの磁気センサで構成したことを特徴とする太陽電池セル検査装置。
  6. 請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載した太陽電池セル検査装置において、
    前記磁界検出手段を、前記導線に対向して配置された一つの磁気センサで構成したことを特徴とする太陽電池セル検査装置。
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