JP5423999B2 - 太陽電池パネルの検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池パネルが太陽光による発電により発生する電圧及び電流の大きさを測定して、太陽電池パネルの異常を検査する太陽電池パネルの検査方法に関する。
太陽電池パネルは、発電のために取付けられた後は、高温、低温、雨、雪等に晒される環境下で使用されるために、長期間が経過すると、導電性ペースト又は半田によって接続されている取出し電極と内部電極との接続箇所に接続不良が発生したり、発電部分に損傷が発生したりする。また、太陽光エネルギーを受け続けるために、半導体部分の導電率や表面の樹脂の光透過率が劣化したりする。このため、長期間が経過した太陽電池パネルは発電効率が悪くなる可能性がある。また、太陽電池による発電システムの劣化は太陽電池パネルだけではなく、直列及び/又は並列に接続された太陽電池パネル群(すなわち、太陽電池パネルアレイ)の電圧を制御するためのDC−DCコンバータや、直流電圧を一般の交流電圧に変換するインバータを備えたパワーコディショナー部分にも起こり得る。このため、発電量の減少を確認しても、それのみでは、太陽電池パネルの劣化と結論することはできない。よって、太陽電池パネルは発電のために取付けられた後は、定期的に検査を行って太陽電池パネルの発電効率の劣化の度合いを数値として求め、劣化の度合いが許容できないときは異常と判定して、修理又は交換を行って発電効率を回復させる必要がある。
取付けられた太陽電池パネルを検査する方法としては、従来から、例えば下記特許文献1に紹介されているように、太陽光エネルギー(下記特許文献1では、光検出用太陽電池の出力特性として記載されている)を測定し、検査対象の太陽電池パネルが出力する電圧及び電流を測定して、測定した太陽光エネルギーから得られるとされる出力特性と比較することが知られている。
特開平10−326902号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている前記従来の太陽電池パネルを検査する方法には、次のような問題がある。
(1)通常、複数の太陽電池パネルが直列及び/又は並列に配列されて(すなわち、太陽電池パネルアレイにして)取付けられているが、測定する出力特性は複数の太陽電池パネルの全ての出力を合計したものであるため、異常が判定されても、複数の太陽電池パネルのうちのいずれの太陽電池パネルが異常であるかを判定できない。このため、異常と判定されても、修理又は交換すべき異常な太陽電池パネルを特定できない。また、太陽電池パネルの数が多い場合には、その中の1つの太陽電池パネルに異常があっても、全体としての劣化の度合いが小さくなり、太陽電池パネルの異常すら検出できない場合もある。
(2)検査には、太陽電池パネルの出力特性を測定する機器のほかに、太陽光エネルギーから基準の出力特性を精度よく定めることができる機器が必要となり、検査用機器の運搬に労力を要する。
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、その目的は、複数の太陽電池パネルが直列及び/又は並列に配列して取付けられていても、異常な太陽電池パネルを検出することが可能で、検査用機器の運搬に労力を要することがない太陽電池パネルの検査方法を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、後述する実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、この実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、複数の太陽電池パネル(11)からなる太陽電池パネルアレイ(10)と、太陽電池パネルアレイに接続されて最大電力追従制御により太陽電池パネルアレイから最大の電力を取得するパワーコンディショナー(15)とを備えた太陽電池システムにおける太陽電池パネルの検査方法において、太陽光の減光度合を所定周期で変化させる減光手段(20,30,60,70)を用いて、太陽電池パネルアレイの一部の領域に照射される太陽光の照度を前記所定周期で変化させる減光工程と、減光工程によって太陽光の照度を所定周期で変化させている状態で、電流検出器(42,80)を用いて太陽電池パネルアレイからパワーコンディショナーに出力される電流を測定し、前記測定した電流から所定周期で変化する電流成分を発電電流として検出する電流成分検出工程(S14,S18,S26,S28)と、減光工程によって太陽光の照度を所定周期で変化させている状態で、電圧検出器(41)を用いて太陽電池パネルアレイからパワーコンディショナーに出力される電圧を前記電流の測定と同時に測定して、前記測定した電圧を発電電圧として検出する電圧検出工程(S16,S18,S36)と、電流成分検出工程で検出された発電電流と、電圧検出工程で検出された発電電圧とを用いて、所定周期で変化する照度の変動分による太陽電池パネルアレイの一部の領域における発電量を計算する発電量計算工程(S38)と、発電量計算工程で計算された発電量を用いて、太陽電池パネルアレイの一部の領域の合否を判定する判定工程(S42〜S48)とを含むことにある。
この場合、電流成分検出工程では、前記所定周期で変化する電流成分を取出して、前記電流成分の所定時間にわたる大きさの平均値を発電電流として検出するとよい。また、電圧検出工程では、前記測定した電圧の所定時間にわたる大きさの平均値を発電電圧として検出するとよい。
上記本発明においては、減光工程で太陽電池パネルアレイの一部の領域に照射される太陽光の照度を所定周期で変化させておき、電流成分検出工程で太陽電池パネルアレイから出力される電流から所定周期で変化する電流成分を発電電流として検出し、電圧検出工程で太陽電池パネルアレイから出力される電圧を発電電圧として検出し、発電量計算工程で前記発電電流と前記発電電圧とを用いて前記所定周期で変化する照度の変動分による太陽電池パネルアレイの一部の領域における発電量を計算し、判定工程で前記計算された発電量を用いて太陽電池パネルの一部の領域の合否を判定するようにした。このように、所定周期で変化する照度の変動分による太陽電池パネルアレイの一部の領域における発電量に基づいて太陽電池パネルの合否が判定されるので、太陽電池パネルアレイの前記一部の領域以外の部分が太陽光により発電中であっても、所定周期で照度が変化する太陽光が照射された箇所ごとに検査を行えるので、複数の太陽電池パネルの中で異常な太陽電池パネルを検出することが可能となる。
また、太陽電池パネルにおいては、照度がある程度大きければ、発電量は照度にほぼ比例する。本発明では照度の変動分による太陽電池パネルアレイの一部の領域の発電量を検出するので、発電量は精度よく検出される。また、発電電流を所定時間にわたる所定周期の電流成分の大きさを平均して検出するとともに、発電電圧も所定時間にわたる出力電圧の大きさを平均して検出した場合には、発電電流及び発電電圧を安定して精度よく検出でき、計算される発電量の精度がより向上する。
さらに、検査用機器としては、太陽光の減光度合を所定周期で変化させる減光手段、電流検出器、電圧検出器、所定周期の電流成分を測定する機器、計算機などがあればよいので、検査用機器の運搬に労力を要することもない。
また、本発明の他の特徴は、照度検出器(43)を用いて、減光工程で太陽電池パネルアレイの一部の領域に照射された太陽光の照度の変化の大きさを表す照度成分を検出する照度検出工程(S22,S24,S30,S32,S30a,S32a)を含み、発電量計算工程は、電圧検出工程で検出された発電電圧と、電流成分検出工程で検出された発電電流と、照度検出工程で検出された照度成分とを用いて、予め決めた基準照度での発電量、又は発電量の照度成分に対する比である単位照度当たりの発電量を計算し(S34,S38)、判定工程は、発電量計算工程で計算された基準照度での発電量又は単位照度当たりの発電量と予め決められた基準値とを比較することにより、太陽電池パネルアレイの一部の領域の合否を判定することにある。
この場合、照度検出工程(S22,S24,S30,S32)は、減光工程によって太陽光の照度を所定周期で変化させている状態で、照度検出器を用いて太陽電池パネルアレイの一部の領域に照射された太陽光の照度を測定し、前記測定した照度から所定周期で変化する照度成分を前記太陽光の照度の変化の大きさを表す照度成分として検出するとよい。この場合も、前記照度成分の所定時間にわたる大きさの平均値を前記太陽光の照度の変化の大きさを表す照度成分として検出するとよい。また、照度検出工程は、減光工程とは別に、照度検出器を用いて、太陽電池パネルアレイに照射される太陽光による照度B0、減光手段によって減光された太陽電池パネルアレイ上の最大照度B1及び最小照度B2を予め測定する第1工程と、太陽電池パネルの検査時に、照度検出器を用いて、太陽電池パネルアレイの一部の領域以外の太陽電池パネルアレイの部分に照射される太陽光の照度A0を測定する第2工程(S30a)と、照度B0,B1,B2,A0を用いて、前記太陽光の照度の変化の大きさを表す照度成分{(B1−B2)/B0}・A0を計算する第3工程(S32a)とを含むようにしてもよい。
この本発明の他の特徴においては、基準値として、予め決めた基準照度での発電量、又は発電量の照度成分に対する比である単位照度当たりの発電量を用意しておけば、判定工程では、発電量計算工程で計算された基準照度での発電量又は単位照度当たりの発電量と予め決められた基準値とが比較される。その結果、この本発明の他の特徴によれば、検査時に、照射される太陽光の照度が変化しても、太陽電池パネルの検査精度を向上させることができる。
また、本発明の他の特徴は、減光工程で用いられる減光手段(20,30)は、電気的に制御されて透過率を変更可能な液晶パネル(22)と、液晶パネルに周期的に強度が変化する電気信号を供給して液晶パネルの透過率を前記所定周期で変更制御する減光制御手段(32)とを有することにある。
この本発明の他の特徴においては、太陽光の照射方向が大きく傾いていなければ、減光手段(液晶パネル)を太陽電池パネルの近傍にセットすれば、減光領域をそのまま検査領域とすることができ、太陽電池パネルの検査が簡単になる。
また、本発明の他の特徴は、前記減光工程で用いられる前記減光手段(20,60)は、回転可能に支持されて太陽光を遮断する遮光板(61)と、遮光板を回転させるモータ(64)と、太陽電池パネルアレイの一部の領域に照射される太陽光の照度を所定周期で変化させるようにモータを回転制御する回転制御手段(64,71)とを有することにある。
この本発明の他の特徴においても、太陽光の照射方向が大きく傾いていなければ、減光手段(遮光板及びモータ)を太陽電池パネルの近傍にセットすれば、減光領域をそのまま検査領域とすることができ、太陽電池パネルの検査が簡単になる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、温度検出器(53)を用いて太陽電池パネルアレイの表面の温度を検出する温度検出工程と、発電量計算工程で計算した発電量を温度検出工程で検出した温度に応じて補正する温度補正工程(S40)とを含むことにある。
これによれば、太陽電池パネルの発電量の測定時における温度が種々に異なっていても、発電量の温度による補正がなされるので、発電量が温度の変化によらず常に適正に検出される。その結果、太陽電池パネルの検査がより良好になる。
本発明の第1実施形態に係る太陽電池パネルの検査方法のために、検査用機器を太陽電池発電システムに接続した状態を示す図である。 前記検査用機器である減光装置、減光制御装置及び測定装置の構成を示すブロック図である。 図1及び図2の減光装置の概略斜視図である。 図2のロックインアンプの詳細回路ブロック図である。 (a)は太陽電池パネルアレイの電圧−電流出力特性を示すグラフであり、(b)は照度と最大出力の特性を示すグラフである。 太陽電池パネル上の照度と、測定される電流との関係を示すグラフである。 太陽電池パネルの温度と発電効率との関係を示すグラフである。 検査対象である太陽電池パネルが大きい場合に太陽電池パネルの一部に減光装置をセットした状態を示す図である。 図2及び図11のコントローラによって実行される検査プログラムの前半部分を示すフローチャートである。 前記検査プログラムの後半部分を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る減光装置を示す概略斜視図である。 前記図10の減光装置、減光制御装置及び測定装置の構成を示すブロック図である。 (a)はインデックス信号を示し、(b)は同期信号を示し、(c)は太陽電池パネル11に照射される照度を示し、(d)は遮光板61の回転状態を示す。 前記第1実施形態の変形例に係る減光装置、減光制御装置及び測定装置の構成を示すブロック図である。 図13のコントローラによって実行される検査プログラムのフローチャートである。 前記第2実施形態の変形例に係る減光装置、減光制御装置及び測定装置の構成を示すブロック図である。 前記第1及び第2実施形態の変形例に係る検査用機器の一部である磁気センサ回路及び測定装置を示すブロック図である。 図16の磁気センサ及びセンサ信号取出回路の詳細ブロック図である。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態に係る太陽電池パネルの検査装置及び検査方法について説明する。図1は、この太陽電池パネルの検査の際に、太陽電池パネルアレイ10、接続箱13及びパワーコンディショナー15からなる太陽電池パネルシステムに検査用機器が接続された状態を示している。図2は、前記検査用機器である減光装置20、減光制御装置30及び測定装置40の構成を示すブロック図である。
太陽電池パネルアレイ10は、マトリクス状に配置された複数の太陽電池パネル11からなり、各太陽電池パネル11は多数の太陽電池セルからなる。マトリクス状に配置された複数の太陽電池パネル 11は、所定の複数ずつ直列に接続され、直列に接続された複数の太陽電池パネル11からそれぞれなる複数組の太陽電池パネル11群の各出力線がそれぞれ接続箱13に接続されている。接続箱13は、前記複数組の太陽電池パネル11群からの複数の出力線を並列接続し、前記複数組の太陽電池パネル11群からの電力出力を合成してパワーコンディショナー15に出力する。パワーコンディショナー15は、MPPT制御電圧コンバータ16、バッテリ17及びインバータ18を備えている。MPPT制御電圧コンバータ16は、太陽電池パネルアレイ10の出力電圧を太陽電池パネルアレイ10の発電効率を最も高くする電圧(最適動作電圧)に制御し、この最適動作電圧をバッテリ17の所定の端子電圧に変換して出力する。
この点について若干の説明を加えると、太陽電池パネルアレイ10の電圧−電流出力特性は、例えば、太陽電池パネル11に対する光の単位面積当たりの照度(1000W/m2,800W/m2,500W/m2)に応じて、図5(a)の実線で示す曲線のように変化する。太陽電池パネル11の発電量(発電電力)は電圧と電流の積によって表されるが、この発電量が最大となる電圧(以下、最適動作点電圧Vpという)と電流(以下、最適動作点電流Ip1,Ip2,Ip3という)とで定まる点(以下、最適動作点Pa1,Pa2,Pa3)で、太陽電池パネル11を動作させることが好ましく、この制御を最大電力追従制御(MPPT)という。なお、最適動作点電圧Vpは、詳しくは後述するが、温度がほぼ一定であって、照度が極端に大きく変化しなければほぼ同じである。そして、この最大電力追従制御を行うのがMPPT制御電圧コンバータ16であり、MPPT制御電圧コンバータ16は、例えば入力される電圧及び電流より計算される電力が最大となるように入力される電流量を制御、例えば、図5(a)において最適動作点電流Ip1,Ip2,Ip3が入力されるように電流を制御する。この電流量の制御により、太陽電池パネルアレイ10の電圧−電流出力特性に従って、太陽電池パネルアレイ10の出力電圧も最適動作点電圧Vpに制御され、太陽電池パネルアレイ10の出力電圧及び出力電流は、最適動作点Pa1,Pa2,Pa3で定まる最適動作点電圧Vp及び最適動作点電流Ip1,Ip2,Ip3となる。
バッテリ17は、太陽電池パネルアレイ10からMPPT制御電圧コンバータ16を介して供給される電力を蓄積するもので、端子電圧は前述のように所定の電圧に規定されている。インバータ18は、バッテリ17に蓄積されている電力を所定の交流電圧(例えば、100V)に変換して出力する。なお、インバータ18内には、バッテリ17の出力直流電圧(端子電圧)を適当な直流電圧に変換するためのDC−DCコンバータも必要に応じて備えられている。
測定装置40は、接続箱13の出力端子と、パワーコンディショナー15の入力端子との間に接続される。なお、太陽電池パネルアレイ10が単に複数の太陽電池パネル11の直列接続のみで構成されている場合には、直列に接続された複数の太陽電池パネル11からそれぞれなる複数組の太陽電池パネル11群の各出力線を並列接続する必要がないので、接続箱13は不要となる。この場合には、測定装置40は、太陽電池パネルアレイ10の出力端子と、パワーコンディショナー15の入力端子との間に接続されることになる。そして、このような測定装置40の接続により、測定装置40は、後述する電圧の測定において、MPPT制御電圧コンバータ16によるMPPT制御によって最適に制御された太陽電池パネルアレイ10の出力電圧を測定することになる。
減光装置20は、太陽電池パネル11の検査の際に太陽電池パネル11上に載置されて、太陽電池パネル11に照射される太陽光を減光するものである。減光装置20は、図3の斜視図に示すように、方形状の枠体21で囲まれて支持された液晶パネル22を有する。液晶パネル22は多数のピクセルを含み、ピクセルは接続線23を介して供給される電気制御信号によって電気的に制御されて、光(すなわち太陽光)の透過率を変更して太陽電池パネル11に照射される光の照度を変更するものである。また、枠体21の下面の各角部には、減光装置20を太陽電池パネルアレイ10上に載置するための突状の脚部24が設けられている。この脚部24は、ゴムなどの弾性物質によって形成されており、減光装置20を太陽電池パネルアレイ10上に載置した際に、太陽電池パネルアレイ10の表面を傷つけることなく、かつ減光装置20が滑らず安定して太陽電池パネルアレイ10上に載置されるようになっている。
なお、本実施形態では、液晶パネル22は1つの太陽電池パネル11の表面に等しい寸法を有するが、すなわち減光装置20による減光領域が1つの太陽電池パネル11の全表面に設定されるようになっているが、詳しくは後述するように、別の例では太陽電池パネル11の表面よりも小さい寸法に設定されていてもよい。図1は、減光装置20を太陽電池パネルアレイ10上に載置して、液晶パネル22を1つの太陽電池パネル11に対向させた状態を示している。
減光制御装置30は、減光信号供給回路31及び液晶制御回路32を備えている。減光信号供給回路31は、正弦波発振器及び矩形波変換回路を含み、正弦波発振器によって発振される正弦波信号を減光制御信号として液晶制御回路32に供給する。なお、減光制御信号は、「0」を基準に正負に変化する信号であり、その周波数は、例えば数10ヘルツから数100ヘルツ程度である。また、減光信号供給回路31は、前記正弦波信号からなる減光制御信号を矩形波変換回路による変換により、前記減光制御信号と同期して「0」を中心として正負に変化する矩形波信号(パルス列信号)を生成して、参照信号として後述するロックインアンプ45に出力する。液晶制御回路32は、前記正弦波信号からなる減光制御信号に基づいて、液晶パネル22の各ピクセルに信号を供給する。具体的には、電圧が供給されると透過率が下がる液晶では、減光制御信号を反転させるとともに振幅を変更し、さらに正のオフセット電圧を信号の極小値が正側で「0」近傍の値になるように重畳した信号を供給する。反対に電圧が供給されると透過率が上がる液晶では、減光制御信号の振幅を変更し、さらに正のオフセット電圧を信号の極小値に対応する透過率が設定された値になるように重畳した信号を供給する。これにより、図示しない電源スイッチの投入により、減光制御装置30は作動を開始し、液晶パネル22の各ピクセルは光の透過率を所定周期で正弦波状に変更し、液晶パネル22を透過した太陽光の光エネルギーは正弦波状に変化し、太陽電池パネル11の減光領域の照度は正弦波状に変化する。
測定装置40は、電圧検出器41、電流検出用抵抗42、フォトセンサ43、信号切換回路44、ロックインアンプ45及びコントローラ46を備えている。電圧検出器41は、接続箱13(又は太陽電池パネルアレイ10)と、パワーコンディショナー15との間の正負電圧ライン47a,47b間に接続されている。電圧検出器41は、正負電圧ライン47a,47b間に接続された電圧検出用の抵抗、検出された電圧をA/D変換するA/D変換器などからなり、コントローラ46により制御されて作動して、検出された電圧のディジタル変換値を所定の短時間ごとにコントローラ46に供給する。電流検出用抵抗42は、正電圧ライン47aに流れる電流を検出するための極めて小さな抵抗値の抵抗(シャント抵抗)で構成されて、正電圧ライン47aに介装され、両端の電圧値を正電圧ライン47aに流れる電流の大きさを表す電流検出信号として信号切換回路44に供給する。なお、この電圧検出器41によって検出される電圧及び電流検出用抵抗42によって検出される電流が、太陽電池パネルアレイ10によって発電される電力の電圧及び電流を表す。また、減光装置20によって太陽電池パネル11上の照度が液晶制御回路32によって変動制御されても、出力電流は大きく変化するが、前述したMPPT制御により、出力電圧はほぼ一定である。
フォトセンサ43は、太陽電池パネル11上に載置されて、太陽電池パネル11における照度を電圧で表す照度検出信号を出力するので、信号切換回路44の他方の入力に接続されている。信号切換回路44は、コントローラ46によって切換え制御されて、電流検出用抵抗42からの電流検出信号及びフォトセンサ43からの照度検出信号を選択的にロックインアンプ45に出力する。
ロックインアンプ45は、図4に詳細に示すように、信号切換回路44からの電流検出信号又は照度検出信号を入力するハイパスフィルタ45aを備えている。ハイパスフィルタ45aは、入力電圧に含まれる交流成分(すなわち、減光信号供給回路31から出力される正弦波信号の成分)以外の不要な成分を取り除くとともに、信号をグランドレベルを中心に変化するようにする。ハイパスフィルタ45aの出力は、増幅器45bを介して位相検波回路45c,45dに供給される。位相検波回路45c,45dは、それぞれ乗算器によって構成されている。位相検波回路45cは、ハイパスフィルタ45a及び増幅器45bを介して供給される電流検出信号又は照度検出信号に、減光信号供給回路31からの参照信号を乗算してローパスフィルタ45eに出力する。位相検波回路45dは、ハイパスフィルタ45a及び増幅器45bを介して供給される電流検出信号又は照度検出信号に、減光信号供給回路31からの参照信号を位相シフト回路45fで90度位相を遅らせた遅延参照信号を乗算してローパスフィルタ45gに出力する。
これにより、ローパスフィルタ45eには電流検出信号又は照度検出信号の減光制御信号(参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ45eは供給された成分信号をローパスフィルタ処理して電流検出信号又は照度検出信号の減光制御信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。ローパスフィルタ45gには電流検出信号又は照度検出信号の減光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号(遅延参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ45gは供給された成分信号をローパスフィルタ処理して電流検出信号又は照度検出信号の減光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。ローパスフィルタ45e,45gは、A/D変換器45h,45iにそれぞれ接続されている。A/D変換器45h,45iは、所定の短時間ごとに、ローパスフィルタ45e,45gからの信号をそれぞれA/D変換して、出力データDa又はAa及び出力データDb又はAbとしてコントローラ46に供給する。なお、出力データDa,Dbは電流検出信号に対応し、出力データAa,Abは照度検出信号に対応する。
ふたたび、図2の説明に戻り、コントローラ46は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、ハードディスクや不揮発性メモリなどの記憶装置と、入出力インタフェース等から構成される電子制御装置である。コントローラ46は、記憶装置に記憶された図9A及び図9Bの検査プログラムを実行してこの測定装置40の動作を制御する。コントローラ46には、作業者が各種パラメータや処理等を指示するための入力装置51と、作業者に対して作動状況等を視覚的に知らせるための表示装置52とが接続されている。また、測定装置40には、太陽電池パネル11の温度を検出する接触式温度計53も用意されている。
ここで、この第1実施形態に係る太陽電池パネルの具体的な検査方法について説明する前に、減光装置20によって太陽電池パネルアレイ10に照射される太陽光を減光したときの、太陽電池パネルアレイ10の一部の領域による減光制御された太陽光による発電量Pmを検出するとともに、検出した発電量を基準温度下における発電量Psに補正する方法について説明しておく。
このような太陽電池システムにおいては、温度が一定であれば、照度が極めて大きく変化しない限り、最大出力は、図5(a)に基づいて作成された図5(b)のグラフからも分かるように、照度にほぼ比例することが分かっている。前述のように、パワーコンディショナー15においては、MPPT制御電圧コンバータ16により、最大電力追従制御(MPPT制御)が行われているので、太陽電池パネル11の温度がほぼ一定であれば、照度と発電量(発電電力)は比例関係にあることになる。また、温度がほぼ一定であれば、照度が極端に大きく変化しない限り、最大電力点追従制御における最適動作点電圧Vp(すなわち発電電圧)は、図5(a)のグラフからも分かるように、ほぼ一定であることも分かっている。さらに、発電量は発電電圧×発電電流で定義されるので、最大電力点追従制御における最適動作点電流すなわち太陽電池パネルアレイ10の発電電流は、照度に比例することになる。そして、後述するように、この測定検査は短時間内に行われるので、温度はほとんど変化することなく、測定検査中においては、発電電流は照度にほぼ比例する。これらをまとめると、最大電力追従下では、発電電圧が一定であるので、発電電流は照度に比例し、かつ発電量は照度及び発電電流に比例することになる。
ここで、予め決めた基準照度Asのときの発電電流をIsとする。そして、太陽電池パネルアレイ10の一部の領域(太陽電池パネル11)に減光制御された太陽光を照射した状態で、前記一部の領域の発電による発電電流Imを測定するとともに、前記一部の領域の照度Amを測定すると、発電電流と照度とは比例関係にあるので、下記式1が成立する。図6は、これらの基準照度As、基準照度Asのときの発電電流Is、測定照度Am及び測定発電電流Imの関係を示している。
Is=Im・(As/Am) …式1
前記構成で説明したロックインアンプ45で正弦波状に変動する電圧成分を検出することは、正弦波状に変動する電流成分に相当する値を検出することであり、検出した値に予め決められた比例定数を乗算することで電流値(正弦波状に変動する電流値の変動の大きさ)を得ることができる。また、前述のように、発電電流は照度に比例するので、正弦波状に変動する電流成分の大きさを検出することは、照度の変動分の大きさに対応する電流の変動の大きさを検出することに相当する。したがって、ロックインアンプ45による正弦波状に変動する電流成分の検出は、照度を変化させた場合の検出電流の大きさに相当する。したがって、前記測定した発電電流Imと照度Amを、前記式1に代入すれば、太陽電池パネルアレイ10の一部の領域(太陽電池パネル11)に予め決めた基準照度Asの太陽光を照射した場合における発電電流Isを求めることができる。そして、この発電電流Isと一定である発電電圧を乗算すれば、照度の変動分による発電量であって、基準照度Asである状態の発電量(発電電力)Pmが計算される。
さらに、太陽電池パネル11は、温度が変化すると発電効率が変化するため、発電量を基準発電量と比較して合否を判定するためには、測定した発電量を基準温度(例えば、摂氏25度)における発電量に変換する必要がある。このため、図7に示すような基準温度における発電効率を「1」として、温度に対する発電効率kの変化を予め測定して、メモリに予め記憶しておく。なお、この温度と発電効率との関係は、太陽電池パネル11の種類に応じてそれぞれ異なるので、太陽電池パネル11の種類ごとに測定して記憶しておく必要がある。そして、前記計算された発電量Pmを太陽電池パネル11の温度に対応した発電効率kで除算すれば、基準温度下における発電量(発電電力)Psが求められる。そして、この発電量Psと、予め用意された基準温度下における基準照度Asの太陽光を正常な太陽電池パネル11に照射した場合の発電量とを比較して、測定される太陽電池パネル11の合否判定を行うとよい。
次に、この第1実施形態に係る太陽電池パネルの検査装置を用いた太陽電池パネルの具体的な検査方法について説明する。この場合、太陽電池パネルアレイ10とパワーコンディショナー15は離れて設置されることが殆どであるため、作業者の一人(以下、第1作業者という)が減光装置20を持ち運んで検査対象の太陽電池パネル11に載置して照射される太陽光を減光し、他の一人の作業者(以下、第2作業者という)が測定装置40への入力と測定装置40に表示される測定結果を確認する。太陽電池パネル11の測定開始にあっては、第1及び第2作業者は、パワーコンディショナー15の作動を一旦停止させ、減光装置20、減光制御装置30及び測定装置40を図1及び図2のように接続する。その後、パワーコンディショナー15をすぐに作動させる。そして、第1作業者は、接触式温度計53を検査する太陽電池パネル11に接触させて、その太陽電池パネル11の温度Tを測定して、測定温度Tを第2作業者に知らせる。第2作業者は、測定装置40の図示しない作動スイッチをオン操作して、測定装置40内に各種回路を作動させ、入力装置51を操作して第1作業者から知らされた測定温度Tすなわち太陽電池パネル11の温度をコントローラ46に入力する。
次に、第1作業者は、図1に示すように、フォトセンサ43を測定しようとする太陽電池パネル11の端部近傍上に載置するとともに、液晶パネル22が測定しようとする太陽電池パネル11に対向するように、減光装置20を太陽電池パネルアレイ10上に載置する。なお、太陽電池パネル11には様々な大きさのものがあり、各太陽電池パネル11が大きくて、液晶パネル22によって太陽電池パネル11の全体に対する太陽光を減光できない場合には、図8に示すように、1つの太陽電池パネル11の一部の領域に液晶パネル22が対向するように、減光装置20を太陽電池パネル11上に載置する。そして、後述する検査の終了ごとに、減光装置20の位置をずらして、減光される太陽電池パネル11又は太陽電池パネル11の一部の領域に液晶パネル22が対向するように減光装置20を載置する。
その後、第1作業者は、減光制御装置30の図示しない作動スイッチをオン操作して、減光制御装置30内の減光信号供給回路31及び液晶制御回路32を作動させる。減光信号供給回路31は、正弦波状の減光制御信号を液晶制御回路32に供給するとともに、前記減光制御信号と同期した矩形波状の参照信号を測定装置40内のロックインアンプ45に供給し始める。液晶制御回路32は、前記供給された減光制御信号に基づいて、常に正の範囲で正弦波状に変化する電圧信号を接続線23を介して液晶パネル22の各ピクセルに供給し始める。これにより、液晶パネル22は、対向する太陽電池パネル11又はその一部の領域(以下、単に太陽電池パネル11という)に照射される太陽光を正弦波状に変化する減光度合で減光し始め、対向する太陽電池パネル11の照度は、これに応じて正弦波状に変化し始める。そして、測定しようとする太陽電池パネル11は、減光制御された太陽光の照度に応じた電力を発電し始める。この場合、フォトセンサ43が置かれた部分は発電しないが、フォトセンサ43が小さいので、それほど発電量には影響しない。また、前記図8に示すように、太陽電池パネル11の一部の領域ずつ減光装置20によって減光する場合には、フォトセンサ43を重なる検査領域に位置を変えておくようにすれば、検査がなされない箇所をなくすこともできる。
この状態では、減光装置20によって減光されている太陽電池パネル11を除く太陽電池パネルアレイ10は、照射される太陽光に応じて発電する。一方、減光装置20によって減光されている太陽電池パネル11は、前述のように、減光制御された太陽光の照度に応じた電力を発電する。したがって、接続箱13を介して測定装置40に供給される発電量(電力)は、前記減光制御されて正弦波状に変化する発電量(減光制御されている太陽電池パネル11による発電量)と、それ以外の太陽電池パネルアレイ10の発電量とを合成したものとなる。この場合、正負電圧ライン47a,47b間には前記発電による発電電圧が現れ、正電圧ライン47aに前記発電による発電電流が流れる。そして、発電電圧は、電圧検出器41によって検出されて、検出電圧をA/D変換した電圧データVがコントローラ46に供給されるようになる。したがって、コントローラ46には発電電圧を表す電圧データVが所定の短時間ごとに供給されるようになる。なお、この発電電圧を表す電圧データVは、前記MPPT制御のためにほぼ一定である。
また、発電電流は電流検出用抵抗42によって発電電流を表す電圧に変換されて、信号切換回路44の電流検出信号の選択状態においては、電流検出信号としてロックインアンプ45に供給される。この信号切換回路44の切換状態におけるロックインアンプ45においては、A/D変換器45h,45iは、ローパスフィルタ45e,45gから供給される電流検出信号の大きさを表す成分信号を所定の短時間ごとにサンプリングしてA/D変換し、A/D変換したサンプリングデータをコントローラ46に供給する。なお、ローパスフィルタ45e,45gから供給される電流検出信号の大きさを表す成分信号は、前記減光制御信号と同期した成分及び前記減光制御信号よりも90度位相の遅れた同期した成分のそれぞれ大きさを表している。したがって、コントローラ46には前記各信号成分の所定の短時間ごとの大きさを表す出力データDa,Dbが所定時間ごとに供給されるようになる。なお、これらの出力データDa,Dbも、ローパスフィルタ45e,45gのために大きく変化することはない。また、この出力データDa,Dbのコントローラ46への供給時間間隔は、前述した電圧検出器41からコントローラ46への供給時間間隔と同じである。
一方、フォトセンサ43は、測定しようとする太陽電池パネル11すなわち減光制御された太陽光の照射されている太陽電池パネル11の照度を表す電圧信号を照度検出信号として信号切換回路44に出力している。そして、信号切換回路44の照度検出信号の選択状態において、この照度検出信号はロックインアンプ45に供給される。この照度検出信号も前記減光制御信号に応じて正弦波状に変化するものであるので、ロックインアンプ45は、電流検出信号の場合と同様に、A/D変換器45h,45iから、照度検出信号の参照信号に同期した信号成分の大きさを表す信号を出力データAaとしてコントローラ46に出力するとともに、照度検出信号の参照信号から90度だけ位相の遅れた信号成分の大きさを表す信号を出力データAbとしてコントローラ46に出力する。なお、この出力データAa,Abのコントローラ46への供給時間間隔も、前述した電圧検出器41からコントローラ46への供給時間間隔と同じである。
前記太陽電池パネル11に対する減光制御の開始時に、第1作業者は第2作業者に太陽電池パネル11への減光制御開始の行為を知らせる。第2作業者は、このとき、入力装置51を操作して検査プログラムの開始をコントローラ46に指示する。検査プログラムは図9A及び図9Bに示されており、コントローラ46は、図9AのステップS10にて検査プログラムの実行を開始する。
この検査プログラムの実行開始後、コントローラ46は、ステップS12にて、信号切換回路44を電流検出信号(電流検出用抵抗42)側に初期設定する。これにより、この状態では、電流検出信号の参照信号に同期した信号成分の大きさを表す信号Daと、電流検出信号の参照信号から90度だけ位相の遅れた信号成分の大きさを表す信号Dbとがコントローラ46に供給される。
前記ステップS12の処理後、コントローラ46は、ステップS14にてロックインアンプ45のA/D変換器45h,45iからの出力データDa,Dbを入力して記憶する。次に、コントローラ46は、ステップS16にて、電圧検出器41からの電圧データVを入力して記憶する。そして、コントローラ46は、ステップS18にて、前記記憶した出力データDa、出力データDb及び電圧データVの数がそれぞれ所定数に達したか否かを判定する。この所定数は、例えば数個から数十個の各サンプリングデータの数を表す値に設定されている。出力データDa、出力データDb及び電圧データVの数がそれぞれ所定数に達していなければ、ステップS18にて「No」と判定し続けて、ステップS14,S16の処理により、出力データDa、出力データDb及び電圧データVを取込み続ける。そして、前記記憶した出力データDa、出力データDb及び電圧データVの数がそれぞれ所定数に達すると、コントローラ46は、ステップS18にて「Yes」と判定して、ステップS20に進む。この場合、ロックインアンプ45からの出力データDa,Db及び電圧検出器41からの電圧データVは所定の短時間ごとに出力されるので、ステップS18の処理は、所定時間にわたって出力データDa,Db及び電圧データVを取込むことを意味する。なお、この点に関しては、後述するステップS24の処理も同様である。
次に、コントローラ46は、ステップS20にて、信号切換回路44を切換え制御して、信号切換回路44から、照度検出信号の参照信号に同期した信号成分の大きさを表す信号である出力データAaと、照度検出信号の参照信号から90度だけ位相の遅れた信号成分の大きさを表す信号である出力データAbとがコントローラ46に出力されるようにする。そして、コントローラ46は、前記ステップS14,S18の場合と同様に、ステップS22,S24の処理により、ロックインアンプ45からの出力データAa,Abをそれぞれ所定数ずつ入力して記憶する。
前記ステップS22,S24の処理後、コントローラ46は、図9BのステップS26にて、前記ステップS14の処理によって所定数ずつ記憶したロックインアンプ45からの出力データDa,Dbの平均値Da’,Db’をそれぞれ計算する。具体的には、所定数ずつの出力データDa,Dbごとに出力データDa,Dbをそれぞれ加算し、出力データDa,Dbごとの加算結果を所定数でそれぞれ除算する。次に、コントローラ46は、ステップS28にて、前記Da’,Db’を用いて発電電流Imを下記式2の演算により計算する。なお、値pは予め決められた比例係数である。
Im=p・(Da’2+Db’2)1/2 …式2
次に、コントローラ46は、ステップS30にて、前記ステップS22の処理によって所定数ずつ記憶したロックインアンプ45からの出力データAa,Abの平均値Aa’,Ab’をそれぞれ計算する。具体的には、所定数ずつの出力データAa,Abごとに出力データAa,Abをそれぞれ加算し、出力データAa,Abごとの加算結果を所定数でそれぞれ除算する。次に、コントローラ46は、ステップS32にて、前記Aa’,Ab’を用いて照度Amを下記式3の演算により計算する。なお、値qは予め決められた比例係数である。
Am=q・(Aa’2+Ab’2)1/2 …式3
次に、コントローラ46は、ステップS34にて、前記計算した発電電流Im及び照度Am、並びに予め決められた基準照度Asを用いて、下記数4(前述した式1と同じ)の演算の実行により基準照度Asにおける発電電流Isを計算する。
Is=Im・(As/Am) …式4
次に、コントローラ46は、ステップS36にて、前記ステップS16の処理によって所定数ずつ記憶した電圧検出器41からの電圧データVの平均値Vaveを計算して発電電圧とする。具体的には、所定数の電圧データVを全て加算し、加算結果を所定数で除算する。そして、コントローラ46は、ステップS38にて、発電電圧Vaveと発電電流Isを乗算して、発電量Pmを計算する。これにより、基準照度Asの場合における発電量Pmが計算されたことになる。
次に、コントローラ46は、ステップS40にて、予めメモリに記憶されている温度に対する発電効率kの変化特性(図7)を参照して、検査プログラムの開始前に接触式温度計53を用いて計測するとともに入力装置51を用いて入力された測定温度Tに対応する発電効率kを計算する。そして、前記計算した発電量Pmを発電効率kで除算して、発電量Pmを補正することにより基準温度(例えば、摂氏25度)における発電量Psを計算する。その結果、基準温度の条件下で、基準照度Asで太陽光を太陽電池パネル11に照射した場合の発電量Psが計算されることになる。
前記ステップS40の処理後、コントローラ46は、ステップS42にて、前記計算した発電量Psを表示装置52に表示する。次に、コントローラ46は、ステップS44にて、発電量Psと予め用意された基準値との差の絶対値を計算して、計算した絶対値が許容値以内であるか否かを判定する。この基準値は、正常な太陽電池パネル11において、基準温度(例えば、摂氏25度)の条件下で、基準照度Asで太陽光を太陽電池パネル11に照射した場合の発電量を表す。前記計算した絶対値が許容値以内であれば、コントローラ46は、ステップS44にて「Yes」と判定して、ステップS46にて表示装置52に「合格」を表示する。一方、前記計算した絶対値が許容値以内でなければ、コントローラ46は、ステップS44にて「No」と判定して、ステップS48にて表示装置52に「不合格」を表示する。前記ステップS46,S48の処理後、コントローラ46は、ステップS50にて、この検査プログラムの実行を終了する。
この検査プログラムの実行終了後、異なる太陽電池パネル11又は太陽電池パネル11の異なる領域を検査する場合には、第1作業者は、異なる太陽電池パネル11又は太陽電池パネル11の異なる領域に減光装置20をずらした後(図1及び図8参照)、上述したように、減光装置20を用いて太陽電池パネル11に対して減光制御した太陽光を照射する。一方、第2作業者は、第1作業者からの連絡により、上述した図9A及び図9Bの検査プログラムをコントローラ46に実行させて、異なる太陽電池パネル11又は太陽電池パネル11の異なる領域を検査する。このような動作を繰返すことにより、太陽電池パネルアレイ10の全体が、太陽電池パネル11ごと又は太陽電池パネル11の一部の領域ごとに検査される。
上記説明からも理解できるように、上記第1実施形態においては、太陽電池パネルアレイ10の検査箇所(太陽電池パネル11又は太陽電池パネル11の一部の領域)ごとに、減光装置20及び減光制御装置30を用いた減光制御により、所定周期で照度が変化する太陽光を照射して、この太陽光によって発生する発電量Pmを、電圧検出器41、電流検出用抵抗42、フォトセンサ43、信号切換回路44、ロックインアンプ45及びコントローラ46を備えた測定装置40で測定して、この発電量Pmを用いて太陽電池パネル11の異常を検出するようにした。これにより、太陽電池パネルアレイの検査領域以外の部分が太陽光により発電中であっても、所定周期で照度が変化する太陽光が照射された箇所ごとに検査を行えるので、複数の太陽電池パネル11の中で異常な太陽電池パネル11又はその一部の領域を検出することが可能となる。
この場合、発電量Pmの計算においては、減光装置20及び減光制御装置30を用いて太陽電池パネル11に対して減光した太陽光を照射して、減光された太陽光の照射による発電電流Imを検出するともに照度Amを検出し、検出した発電電流Im及び照度Amを用いて、基準照度Asで太陽電池パネル11に太陽光を照射した場合の発電電流Isが計算される(ステップS14,S18,S22,S24,S26〜S34)。また、この発電電流Isの計算に加えて、発電電圧Vaveが計算される(ステップS16,S18,S36)。そして、これらの発電電流Is及び発電電圧Vaveを用いて、発電量Pmが計算される(ステップS38)。したがって、太陽電池パネル11の検査箇所における照度が一定でない場合には、正常な太陽電池パネル11でも、発電量が変化することになり精度のよい検査はできないが、基準照度Asの太陽光が太陽電池パネル11に照射された場合における発電量Pmを得ることができるので、精度のよい検査を行うことができる。
また、前記発電量Pmから、接触式温度計53で測定した太陽電池パネル11の測定温度Tに応じて、補正された発電量Psが計算される(ステップS40)。これにより、基準温度(例えば、摂氏25度)の条件下で、基準照度Asの太陽光を太陽電池パネル11に照射した場合の発電量Psが計算されることになる。その結果、太陽電池パネル11の検査をより精度よく行うことができる。
さらに、太陽光の照射方向が大きく傾いていなければ、減光装置20を太陽電池パネル11の近傍にセットすれば、減光領域をそのまま検査領域とすることができ、太陽電池パネル11の検査が簡単になる。また、検査用機器は、減光装置20、減光制御装置30及び測定装置40を備えていればよいので、検査用機器の運搬に労力を要することもない。
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係る太陽電池パネルの検査装置及び検査方法について説明する。図10は、この第2実施形態に係る太陽電池パネルの検査装置及び検査方法に用いられる減光装置60を示す概略斜視図である。図11は、この太陽電池パネルの検査の際に、接続箱13及びパワーコンディショナー15からなる太陽電池パネルシステムに検査用機器が接続された状態を示している。
この減光装置60は、回転させることにより太陽電池パネル11に照射される太陽光の照度を、正弦波状(周期的)に変化させる遮光板61を備えている。遮光板61の幅方向の中央には回転ロッド62が固定され、回転ロッド62は方形状の枠体63の幅方向中央にて回転可能に支持されている。回転ロッド62の一端は枠体63に固定されたモータ64の出力軸に固定され、モータ64の回転により、遮光板61が回転ロッド62を中心に回転するようになっている。また、枠体63の4隅には、減光装置60を太陽電池パネルアレイ10に載置するための4本の支持脚65が設けられている。また、この支持脚65の底面には、上記第1実施形態の脚部24と同様に、太陽電池パネル11の表面を傷つけつことなく、減光装置60を安定して太陽電池パネルアレイ10上に載置するために、弾性部材が設けられている。
減光装置60には、減光制御装置70が接続されている。減光制御装置70は、回転駆動回路71及び同期信号形成回路72を備えている。回転駆動回路71は、モータ64内に設けられたエンコーダ64aからのパルス列信号を入力して、パルス列信号によりモータ64の回転速度を検出して、モータ64を一定の回転速度で回転させる。なお、パルス列信号は、モータ64が所定の微小回転角だけ回転するたびに、ハイレベルとローレベルとに交互に切り替わるパルス列信号である。同期信号形成回路72は、エンコーダ64aからのインデックス信号(図12(a)参照)及び前記パルス列信号を入力して、モータ64の回転に同期して、所定周期のパルス列信号からなる同期信号(図12(b)参照)をロックインアンプ45に出力する。この同期信号は、上記第1実施形態の参照信号に相当するもので、1周期の時間は遮光板61の1/2回転に対応する(図12(b)〜(d)参照)。言い換えれば、回転駆動回路71は、同期信号の2周期分の時間で遮光板61を1回転させるようにモータ64を駆動制御する。また、この場合のインデックス信号は、モータ64が基準回転角にあるときに出力されるパルス信号、詳しくは後述するように、例えば遮光板61が垂直方向にあるときに、すなわち太陽光がほとんど減光されないときに出力されるパルス信号である。
さらに、これらの回転駆動回路71及び同期信号形成回路72の機能について図12を用いて説明する。回転駆動回路71がモータ64を一定の回転速度で回転させると、遮光板61は、図12(d)に示すように、回転ロッド62の軸線周りに一定の回転速度で回転する。この遮光板61の回転により、太陽電池パネル11に照射される太陽光の照度は、図12(c)に示すように、正弦波状に変化する。すなわち、遮光板61が太陽電池パネル11に対して垂直位置にあるとき太陽電池パネル11の照度は最大となり、その後の遮光板61の回転により、前記照度は徐々に減少する。そして、遮光板61が太陽電池パネル11に対して水平位置になると、太陽電池パネル11の照度は最小となり、その後の遮光板61の回転により、前記照度は徐々に増加する。同期信号形成回路72は、エンコーダ64aからのインデックス信号及びパルス列信号を用いてモータ64すなわち遮光板61の回転角を検出する。そして、同期信号形成回路72は、遮光板61が水平位置から45度回転した状態でハイレベルに立ち上がり、遮光板61が垂直位置から45度回転した状態でローレベルに立ち下がる矩形波状の同期信号(参照信号)、すなわち正弦波状に変化する照度が平均値より大きい側にあるときハイレベルであり、前記照度が平均値より小さい側にあるときローレベルである矩形波状の同期信号(参照信号)をロックインアンプ45に出力する。他の構成は、上記第1実施形態と同じであり、コントローラ46は、上記第1実施形態と同じ図9A及び図9Bの検査プログラムを実行する。
次に、この第2実施形態に係る太陽電池パネルの検査装置を用いた太陽電池パネルの具体的な検査方法について説明する。この場合も、第1作業者が減光装置20を持って太陽電池パネル11に照射される太陽光を減光し、第2作業者が測定装置40への入力と測定装置40に表示される測定結果を確認する。また、この場合も、太陽電池パネル11の測定開始にあっては、第1及び第2作業者は、減光装置20、減光制御装置30及び測定装置40を図1及び図11のように接続する。そして、第1作業者は、接触式温度計53を測定する太陽電池パネル11に接触させてその太陽電池パネル11の温度Tを測定し、第2作業者は、測定装置40を作動させて測定温度Tすなわち太陽電池パネル11の温度をコントローラ46に入力する。
次に、第1作業者は、上記第1実施形態の場合と同様に、フォトセンサ43を測定しようとする太陽電池パネル11の端部近傍上に載置するとともに、減光装置20を測定しようとする太陽電池パネル11上に載置し、減光装置20及び減光制御装置30を作動させる。これにより、測定しようとする減光装置20の置かれた太陽電池パネル11に照射される太陽光を減光し始める。そして、測定しようとする太陽電池パネル11は、減光制御された太陽光の照度に応じた電力を発電し始める。この場合、上記第1実施形態の場合と同様に、接続箱13を介して測定装置40に供給される発電量(電力)は、前記減光制御されて正弦波状に変化する発電量(減光制御されている太陽電池パネル11による発電量)と、それ以外の太陽電池パネルアレイ10の発電量とを合成したものとなる。
そして、この場合も、上記第1実施形態と同様に、発電電圧Vは電圧検出器41によって検出されてコントローラ46に供給され、発電電流及び照度に関しても、同期信号形成回路72からの同期信号(上記第1実施形態の減光制御信号と同じ)に同期した成分及び前記同期信号よりも90度位相の遅れた成分のそれぞれ大きさを表す出力データDa,Db,Aa,Abがコントローラ46に供給される。そして、コントローラ46は、上記第1実施形態と同じ図9A及び図9Bのプログラムの実行により、所定の周期で照度が変化する太陽光によって発生する発電量Pm、及び太陽電池パネル11の測定温度Tに応じて補正された発電量Psが計算されて、太陽電池パネル11の異常の有無が判定されるので、この第2実施形態においても、上記第1実施形態の場合と同様に、太陽電池パネル11の検査をより精度よく行うことができる。
さらに、この第2実施形態においても、太陽光の照射方向が大きく傾いていなければ、減光装置60を太陽電池パネル11の近傍にセットすれば、減光領域をそのまま検査領域とすることができ、太陽電池パネル11の検査が簡単になる。また、検査用機器は、減光装置60、減光制御装置70及び測定装置40を備えていればよいので、検査用機器の運搬に労力を要することもない。
ただし、この第2実施形態においては、太陽光が減光される箇所と太陽電池パネル11の間に距離があるため、太陽光が減光される領域の真下が検査領域とならない点、検査箇所に減光装置60をセットするのに労力を要する点、及び太陽電池パネル11に対する太陽光の照射方向の傾きが大きいと、照度が正弦波状に変化しないために検査を行える時間帯に制限があるといったデメリットはある。しかし、面積の広い液晶パネルを用意する必要がないため、検査用機器に要する費用を抑制することができるといったメリットがある。
c.変形例
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
上記第1及び第2実施形態においては、減光装置20の減光制御による照度の変化の大きさを表す照度Amを、ロックインアンプ45を用いるとともに、コントローラ46のステップS20〜S24,S30,S32の処理により検出するようにした。しかし、これに代え、減光装置20による太陽電池パネル11の照度変化率Raと太陽電池パネル11の検査時の照度B0を測定して、前記照度Amを計算するようにしてもよい。
この変形例に関し、まず上記第1実施形態に係る検査装置を変形した場合について説明する。この場合、図2の減光装置20、減光制御装置30及び測定装置40の構成は、図13のように変形される。この変形例においては、信号切換回路44が省略されるとともに、電流検出用抵抗42はロックインアンプ45に直接接続されている。フォトセンサ43はコントローラ46によって制御されるA/D変換器54に接続され、照度を表す電圧信号はA/D変換器54によってA/D変換されてコントローラ46に供給される。また、フォトセンサ43は、減光装置60の下方の測定しようとする太陽電池パネル11上ではなく、単に太陽光の照度を検出するために、測定しようとする太陽電池パネル11以外の太陽電池パネルアレイ10上に載置される。そして、コントローラ46は、前記図9A及び図9Bに代えて図14のプログラムを実行する。図14の検査プログラムは、図9A及び図9BのステップS12,S20〜S24の処理を省略するとともに、ステップS30,S32の処理をステップS30a,S32aの処理に変更したものである。
この変形例においては、減光装置20による太陽電池パネル11の照度変化率Raを計算するために次のような照度B0,B1,B2を事前に測定して、図示しないプログラムの実行により前記照度B0を事前にコントローラ46に記憶しておくとともに、前記照度B1,B2をコントローラ46に検出させて記憶しておく。なお、照度変化率Raは、減光装置20による太陽光による照度B0の変化率(B1−B2/B0)を表す。まず、フォトセンサ43に太陽光を直接照射して、そのときの照度B0を測定する。次に、前記照度B0を測定した太陽光の状態で、減光装置20及び減光制御装置30によって減光制御された太陽光をフォトセンサ43に照射して最大照度B1及び最小照度B2を検出し、これらの照度B0,B1,B2をA/D変換器54を介してコントローラ46に予め入力しておく。なお、最大照度B1とは、減光制御装置30による制御によって液晶パネル22による減光を制御し、液晶パネル22の透過率が最大のときの照度である。最小照度B2とは、減光制御装置30による制御によって液晶パネル22による減光を制御し、液晶パネル22の透過率が最小のときの照度である。なお、これらの照度B0,B1,B2の検出は、太陽電池パネル11の検査時に行う必要はなく、予め1回だけ行っておけばよい。
太陽電池パネル11の検査時には、前記第1実施形態と同様に、第1作業者は、接触式温度計53を測定する太陽電池パネル11に接触させてその太陽電池パネル11の温度Tを測定し、第2作業者は、測定装置40を作動させて測定温度Tすなわち太陽電池パネル11の温度をコントローラ46に入力する。また、第1作業者は、フォトセンサ43を測定しようとする太陽電池パネル11以外の太陽電池パネルアレイ10上に載置し、減光装置20及び減光制御装置30を作動させる。そして、第2作業者は、図14の検査プログラムをコントローラ46に実行させる。
この場合、コントローラ46は、前述したステップS14〜S18,S26,S28の処理により、前記第1実施形態と同様に、発電電流Imを計算する。次に、コントローラ46は、ステップS30aにて、A/D変換器54を作動させて、フォトセンサ43からの照度A0をA/D変換器54を介して入力する。次に、コントローラ46は、ステップS32aにて、下記式5の演算の実行により、予め記憶しておいた照度B0,B1,B2及び今回測定した照度A0を用いて、減光装置60による太陽電池パネル11の測定時の照度Am(すなわち、減光装置60による照度の変化の大きさAm)を計算する。
Am=Ra・A0={(B1−B2)/B0}・A0 …式5
前記ステップS32aの処理後、コントローラ46は、前述したステップS34〜S40の処理により、前記第1実施形態の場合と同様に、基準照度Asにおける発電電流Is及び発電電圧Vaveを計算するとともに、基準照度における発電量Pm及び基準温度における発電量Psを計算する。そして、前述したステップS42〜S48の処理により、前記第1実施形態の場合と同様に、発電量Psを表示装置52に表示するとともに、太陽電池パネル11の合否を判定して表示装置52に表示する。この変形例によれば、照度Amの計算処理が簡単になる。
また、前記変形例においては、照度B0,B1,B2を事前にコントローラ46に記憶しておいて、ステップS32aの処理により、これらの照度B0,B1,B2を用いて照度変化率Raを照度Amの計算時に計算した。しかし、これに代えて、照度B0,B1,B2の測定時に、図示しないプログラムの実行により、下記式6の演算の実行により照度変化率Raを計算してコントローラ46に記憶しておいて、この照度変化率Raを用いて前記照度Amを計算してもよい。
Ra=(B1−B2)/B0 …式6
さらに、前記変形例のようにフォトセンサ43を測定装置40に接続しなくても、フォトセンサ43とは異なる別途用意した照度計を用いて、前記照度B0,B1,B2,A0を検出するようにしてもよい。この場合における照度計としては、例えば前記フォトセンサ43と同様なフォトセンサを含み、照度を測定して表示装置に表示する一般に使用されているものでよい。この場合も、作業者は、照度計に太陽光を直接照射して、そのときの照度B0を測定する。次に、前記照度B0を測定した太陽光の状態で、減光装置20及び減光制御装置30によって減光制御を行った太陽光を照度計に照射して最大照度B1及び最小照度B2を測定する。そして、これらの照度B0,B1,B2を入力装置51を用いてコントローラ46に予め入力しておくか、前記照度B0,B1,B2を用いて前記式6に従って照度変化率Raを計算して、前記計算した照度変化率Raを入力装置51を用いてコントローラ46に予め入力しておく。なお、この場合も、これらの照度B0,B1,B2の測定、及び前記照度B0,B1,B2の入力又は照度変化率Raの入力は、太陽電池パネル11の検査時に行う必要はなく、予め1回だけ行っておけばよい。
そして、この場合には、太陽電池パネル11の検査の際、第1作業者は、接触式温度計53を用いた太陽電池パネル11の温度Tの測定時に、照度計に太陽光を直接照射して、そのときの照度A0を測定し、測定した照度A0を温度Tとともに第2作業者に連絡してコントローラ46に入力させる。そして、太陽電池パネル11の検査時には、上記図14と同様な検査プログラムのステップS32aの処理により、前記入力された照度B0、B1,B2,A0を用いて照度Amを計算するか、前記入力された照度変化率Ra及び照度A0を用いて照度Amを計算するようにすればよい。ただし、この場合の検査プログラムにおいてはステップS30aの処理は省略されている。この変形例によれば、フォトセンサ43を測定装置に接続する必要がなく、一般の照度計を利用できるので、検査装置が簡略化されるとともに、検査装置の接続も簡単になる。
次に、前記照度変化率Raを用いて照度Amを計算する変形例を上記第2実施形態に係る検査装置に適用した場合について説明する。この場合、図11の減光装置60、減光制御装置70及び測定装置40の構成は、図15のように変形される。この変形例においても、信号切換回路44が省略されるとともに、電流検出用抵抗42はロックインアンプ45に直接接続され、フォトセンサ43はA/D変換器54を介してコントローラ46に接続される。また、フォトセンサ43は、減光装置60の下方の測定しようとする太陽電池パネル11上ではなく、単に太陽光の照度を検出するために、測定しようとする太陽電池パネル11以外の太陽電池パネルアレイ10上に載置される。そして、コントローラ46は、前記変形例の場合と同様に、図9A及び図9Bに代えて図14のプログラムを実行する。
この変形例においては、照度変化率Raを計算するための照度B0,B1,B2の測定は次のようにして行われる。まず、フォトセンサ43に太陽光を直接照射して、そのときの照度B0を測定する。この値は、減光装置60の遮光板61を枠体63に垂直な回転位置、すなわち照度が最大となる回転位置に設定して、フォトセンサ43に太陽光を照射したときの最大照度B1の値でもある。次に、減光装置60の遮光板61を枠体63に対して平行な回転位置、すなわち照度が最小となる回転位置に設定して、フォトセンサ43に太陽光をしたときの最小照度B2を測定する。そして、これらの照度B0,B1,B2をA/D変換器54を介してコントローラ46に予め入力しておく。なお、この場合も、これらの照度B0,B1,B2の測定は、太陽電池パネル11の検査時に行う必要はなく、予め1回だけ行っておけばよい。
太陽電池パネル11の検査時には、前記変形例の場合と同様に、図14の検査プログラムの実行により、太陽電池パネル11の検査時の照度A0を検出して、減光装置60による太陽電池パネル11の検査時の照度Am(すなわち、減光装置60による照度の変化の大きさAm)を計算して、基準照度Asにおける発電電流Is及び発電電圧Vaveを計算するとともに、基準照度における発電量Pm及び基準温度における発電量Psを計算する。そして、前記変形例の場合と同様に、発電量Psを表示装置52に表示するとともに、太陽電池パネル11の合否を判定して表示装置52に表示する。なお、この変形例においても、上記式6の演算の実行により次前に照度変化率Raを計算してコントローラ46に記憶しておいてもよい。この変形例によっても、照度Amの計算処理が簡単になる。
また、この第2実施形態に係る検査装置の変形例においても、前記変形例の場合と同様に、フォトセンサ43を測定装置40に接続せず、フォトセンサ43とは異なる別途用意した照度計を用いて、前記照度B0,B1,B2,A0を検出するようにしてもよい。この場合も、作業者は、照度計に太陽光を直接照射して、そのときの照度B0と、照度B0と同じ値である最大照度B1を測定する。次に、減光装置60の遮光板61を枠体63に対して平行な回転位置、すなわち照度が最小となる回転位置に設定して、照度計に太陽光を照射したときの照度B2(最小照度B2)を測定する。そして、これらの照度B0,B1,B2を入力装置51を用いてコントローラ46に予め入力しておくか、前記照度B0,B1,B2を用いて上記式6に従って照度変化率Raを計算して、前記計算した照度変化率Raを入力装置51を用いてコントローラ46に予め入力しておく。なお、この場合も、これらの照度B0,B1,B2の測定、及び前記照度B0,B1,B2の入力又は照度変化率Raの入力は、太陽電池パネル11の検査時に行う必要はなく、予め1回だけ行っておけばよい。
そして、この場合も、太陽電池パネル11の検査の際、第1作業者は、接触式温度計53を用いた太陽電池パネル11の温度Tの測定時に、照度計に太陽光を直接照射して、そのときの照度A0を測定して、測定した照度A0を温度Tと共に第2作業者に連絡してコントローラ46に入力させる。そして、太陽電池パネル11の検査時には、上記図14の検査プログラムと同様な検査プログラムのステップS32aの処理により、前記入力された照度B0、B1,B2,A0を用いて照度Amを計算するか、前記入力された照度変化率Ra及び照度A0を用いて照度Amを計算するようにすればよい。ただし、この場合の検査プログラムにおいても、ステップS30aの処理は省略されている。この変形例によっても、フォトセンサ43を測定装置に接続する必要がなく、一般の照度計を利用できるので、検査装置が簡略化されるとともに、検査装置の接続も簡単になる。
また、上記第1実施形態、第2実施形態及び各種変形例においては、減光制御装置30により液晶パネル22を用いた減光装置20又は遮光板61を回転させる減光装置60を用いて、太陽電池パネル11に照射される太陽光の照度を正弦波状に変化させるようにした。しかし、太陽電池パネルアレイ10の検査領域における太陽光による照度を周期的に変化させて、発電量を周期的に変化させることができれば、どのような減光制御手段を用いてもよい。
また、上記第1実施形態、第2実施形態及び各種変形例においては、太陽電池パネル11の発電による発電電流を電流検出用抵抗42で検出するようにした。しかし、この電流検出用抵抗42に代えて、磁気センサ回路80を用いて発電電流すなわち正電圧ライン47aを流れる電流を検出するようにしてもよい。
磁気センサ回路80は、図16に示すように、磁気センサ81及びセンサ信号取出回路82を備えている。磁気センサ81は、図17に示すように、正電圧ライン47aに流れる電流によって発生する磁界の強さを検出するもので、抵抗r1,r2,r3及び磁気抵抗素子MRからなるブリッジ回路で構成されている。抵抗r1,r2,r3の配置はどのようでも構わないが、磁気抵抗素子MRは正電圧ライン47aに流れる電流、すなわち正電圧ライン47aに流れる電流によって発生される磁界の強さに応じて抵抗が変化するような向きに配置されている。抵抗r1,r3の接続点と、抵抗r2及び磁気抵抗素子MRの接続点との間に、センサ信号取出回路82の後述する定電圧供給回路82aから電圧+V,−Vが印加されるようになっている。また、抵抗r3及び磁気抵抗素子MRの接続点と、抵抗r1,r2間の接続点との間の電圧が磁気検出信号として出力される。抵抗r1,r2,r3の値は同じであり、磁界の強さが「0」であるときの磁気抵抗素子MRの抵抗値に等しい。これにより、ほぼ「0」を基準としたX方向の磁界の正負の変化により、磁気検出信号はほぼ「0」を基準に磁界の大きさに比例して正負に変化する電圧信号となる。
センサ信号取出回路82は、定電圧供給回路82a及び増幅器82bを備えている。センサ信号取出回路82はコントローラ46からの指示により作動を開始し、定電圧供給回路82aが磁気センサ81に対して定電圧+V,−Vを供給し、増幅器82bが磁気検出信号をそれぞれ増幅して信号切換回路44を介してロックインアンプ45に出力する。なお、信号切換回路44を省略した前記変形例においては、増幅器82bからの検出信号は、ロックインアンプ45に直接供給される。
このように構成した変形例においては、太陽電池パネル11の電力の測定時に、コントローラ46を介してセンサ信号取出回路82の作動を開始させれば、ロックインアンプ45には、正電圧ライン47aを流れる電流による磁界の強さを表す電圧信号が供給されることになる。そして、この磁界の強さは、正電圧ライン47aに流れる電流の大きさに比例するので、上記実施形態及び変形例における電流の大きさを表す電圧信号に代えて、磁界の強さを表す電圧信号を用いて正電圧ライン47aに流れる電流の大きさを計算するようにすればよい。具体的には、この変形例においても、コントローラ46は、上述したステップS14の処理によってロックインアンプ45からの出力データDa,Dbを取込み、ステップS28、S34の処理によって発電電流Im,Isをそれぞれ計算するようにするとよい。なお、この場合における発電電流Imの計算においては、上述した比例係数pを適宜変更すればよい。
上記第1実施形態、第2実施形態及び各種変形例においては、接続箱13とパワーコンディショナー15との間の接続を一旦解除して電流検出用抵抗42を接続する必要があったが、この変形例では、電流検出のための磁気センサ回路80を、接続箱13とパワーコンディショナー15とを接続する正電圧ライン47aの近傍に置くだけでよい。また、電圧検出器41においては、接続箱13とパワーコンディショナー15とを接続する正負電圧ライン47a,47b間に並列に接続するだけであるので、太陽電池システムを作動させたままでも測定装置40を接続することができ、太陽電池システムの作動を維持したままで、太陽電池パネル11の検査を行うことができる。
また、前記変形例では、磁気センサとして磁気抵抗素子(MR素子)を利用したが、これに代えて、ホール素子、磁気インピーダンス素子効果センサ、フラックスゲート、超伝導量子干渉素子などを利用するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態、第2実施形態及び各種変形例においては、測定した発電電流Imを基準照度Asにおける発電電流Isに補正して発電電圧Vaveを乗算することにより発電量Pmを計算し、この計算した発電量Pmを基準温度(例えば、摂氏25度)における発電量Psに補正し、この補正した発電量Psを、基準温度(例えば、摂氏25度)の条件下で、基準照度Asの太陽光が太陽電池パネル11に照射された場合における発電量を表す基準値と比較して、太陽電池パネル11の合否判定を行うようにした。しかし、これに代えて、前記基準値(すなわち基準電力)を基準照度Asで除算した値を新たな基準値として用意しておく。そして、測定した発電電流Imに発電電圧Vaveを乗算することにより発電量Pm’を計算し、この計算した発電量Pm’を基準温度(例えば、摂氏25度)で上記のようにして補正し、この補正した発電量Ps’を前記検出した照度Amで除算して、この除算した値と前記新たな基準値とを比較して、太陽電池パネル11の合否判定を行うようにしてもよい。すなわち、上記第1実施形態、第2実施形態及び各種変形例においては、予め決められた基準照度での発電量の比較を行ったが、発電量の照度成分に対する比である単位照度当たりの発電量の比較を行うようにしてもよい。また、基準温度による補正と、前記検出した照度Amによる除算との順番を逆にしてもよい。これによっても、上記第1実施形態、第2実施形態及び各種変形例の場合と同様に、太陽電池パネル11の合否判定を行うことができる。
また、上記第1実施形態、第2実施形態及び各種変形例においては、太陽光の基準照度による発電量を求めるために、検査時の太陽光の照度Amを検出するようにした。しかし、高い精度を必要としなければ、測定した発電電流Imと発電電圧Vaveを検出して発電量を計算し、計算した発電量と基準発電量とを比較して合否を判定するようにしてもよい。なお、この基準発電量は、複数の太陽電池パネル11(検査領域)ごとに発電量を測定して、それらを統計処理して、例えば発電量の分布特性に従って計算するとよい。これによれば、照度を測定するための機器が不要となる。
また、上記第1実施形態、第2実施形態及び各種変形例に示された装置以外に、接続箱13とパワーコンディショナー15とを接続する正負電圧ライン47a,47b間の電圧と、正電圧ライン47aに流れる電流を検出できるものであれば、クランプメータのような種々の計器を利用できる。
また、上記実施形態では、発電電圧Vaveと発電電流Isとの乗算により計算した発電量Pmを、測定温度Tを用いて基準温度(例えば、摂氏25度)における発電量Psに補正するようにした。しかし、温度変化が少ない場合、温度の相違による発電量の差が大きくない場合、太陽電池パネル11の検査精度がそれほど高くなくてもよい場合などには、補正した発電量Psを計算せず、発電量Pmのままで合否判定をしてもよい。
さらに、上記実施形態及び変形例では、コントローラ46に電圧検出器41、電流検出用抵抗42(又は磁気センサ回路80)及びロックインアンプ45を接続し、発電電圧Vaveと発電電流Is(又はIm)との乗算により発電量Ps(又はPm)を計算して、この発電量Ps(又はPm)を用いて自動的に太陽電池パネル11の合否判定を行うようにした。しかし、これに代えて、作業者が表示された発電量Ps(又はPm)を見て、作業者の判断により太陽電池パネル11の合否判定を行うようにしてもよい。また、発電電圧Vaveと発電電流Im(Is)とをいずれかの形態で検出するとともに表示し、作業者が、これらの発電電圧Vaveと発電電流Is(又はIm)から発電量Ps(又はPm)を計算して太陽電池パネル11の合否判定を行うようにしてもよい。
10…太陽電池パネルアレイ、11…太陽電池パネル、13…接続箱、15…パワーコンディショナー、16…MPPT制御電圧コンバータ、17…バッテリ、20…減光装置、22…液晶パネル、30…減光制御装置、31…減光信号供給回路、32…液晶制御回路、40…測定装置、41…電圧検出器、42…電流検出用抵抗、43…フォトセンサ、44…信号切換回路、45…ロックインアンプ、46…コントローラ、53…接触式温度計、60…減光装置、61…遮光板、64…モータ、70…減光制御装置、71…回転駆動回路、72…同期信号形成回路、80…磁気センサ回路、81…磁気センサ

Claims (7)

  1. 複数の太陽電池パネルからなる太陽電池パネルアレイと、
    前記太陽電池パネルアレイに接続されて最大電力追従制御により前記太陽電池パネルアレイから最大の電力を取得するパワーコンディショナーとを備えた太陽電池システムにおける太陽電池パネルの検査方法において、
    太陽光の減光度合を所定周期で変化させる減光手段を用いて、前記太陽電池パネルアレイの一部の領域に照射される太陽光の照度を前記所定周期で変化させる減光工程と、
    前記減光工程によって太陽光の照度を所定周期で変化させている状態で、電流検出器を用いて前記太陽電池パネルアレイから前記パワーコンディショナーに出力される電流を測定し、前記測定した電流から前記所定周期で変化する電流成分を発電電流として検出する電流成分検出工程と、
    前記減光工程によって太陽光の照度を所定周期で変化させている状態で、電圧検出器を用いて前記太陽電池パネルアレイから前記パワーコンディショナーに出力される電圧を前記電流の測定と同時に測定して、前記測定した電圧を発電電圧として検出する電圧検出工程と、
    前記電流成分検出工程で検出された発電電流と、前記電圧検出工程で検出された発電電圧とを用いて、前記所定周期で変化する照度の変動分による前記太陽電池パネルアレイの一部の領域における発電量を計算する発電量計算工程と、
    前記発電量計算工程で計算された発電量を用いて、前記太陽電池パネルアレイの一部の領域の合否を判定する判定工程とを含むことを特徴とする太陽電池パネルの検査方法。
  2. 請求項1に記載した太陽電池パネルの検査方法において、さらに、
    照度検出器を用いて、前記減光工程で前記太陽電池パネルアレイの一部の領域に照射された太陽光の照度の変化の大きさを表す照度成分を検出する照度検出工程を含み、
    前記発電量計算工程は、前記電圧検出工程で検出された発電電圧と、前記電流成分検出工程で検出された発電電流と、前記照度検出工程で検出された照度成分とを用いて、予め決められた基準照度での発電量、又は発電量の照度成分に対する比である単位照度当たりの発電量を計算し、
    前記判定工程は、前記発電量計算工程で計算された基準照度での発電量又は単位照度当たりの発電量と予め決められた基準値とを比較することにより、前記太陽電池パネルアレイの一部の領域の合否を判定することを特徴とする太陽電池パネルの検査方法。
  3. 請求項2に記載した太陽電池パネルの検査方法において、
    前記照度検出工程は、前記減光工程によって太陽光の照度を所定周期で変化させている状態で、照度検出器を用いて前記太陽電池パネルアレイの一部の領域に照射された太陽光の照度を測定し、前記測定した照度から前記所定周期で変化する照度成分を前記太陽光の照度の変化の大きさを表す照度成分として検出することを特徴とする太陽電池パネルの検査方法。
  4. 請求項2に記載した太陽電池パネルの検査方法において、
    前記照度検出工程は、
    前記減光工程とは別に、照度検出器を用いて、前記太陽電池パネルアレイに照射される太陽光による照度B0、前記減光手段によって減光された前記太陽電池パネルアレイ上の最大照度B1及び最小照度B2を予め測定する第1工程と、
    前記太陽電池パネルの検査時に、照度検出器を用いて、前記太陽電池パネルアレイの一部の領域以外の太陽電池パネルアレイの部分に照射される太陽光の照度A0を測定する第2工程と、
    前記照度B0,B1,B2,A0を用いて、前記太陽光の照度の変化の大きさを表す照度成分{(B1−B2)/B0}・A0を計算する第3工程とを含むことを特徴とする太陽電池パネルの検査方法。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載した太陽電池パネルの検査方法において、
    前記減光工程で用いられる前記減光手段は、
    電気的に制御されて透過率を変更可能な液晶パネルと、
    前記液晶パネルに周期的に強度が変化する電気信号を供給して前記液晶パネルの透過率を前記所定周期で変更制御する減光制御手段とを有することを特徴とする太陽電池パネルの検査方法。
  6. 請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載した太陽電池パネルの検査方法において、
    前記減光工程で用いられる前記減光手段は、
    回転可能に支持されて太陽光を遮断する遮光板と、
    前記遮光板を回転させるモータと、
    前記太陽電池パネルアレイの一部の領域に照射される太陽光の照度を前記所定周期で変化させるように前記モータを回転制御する回転制御手段とを有することを特徴とする太陽電池パネルの検査方法。
  7. 請求項1乃至6のうちのいずれか一つに記載した太陽電池パネルの検査方法において、さらに、
    温度検出器を用いて前記太陽電池パネルアレイの表面の温度を検出する温度検出工程と、
    前記発電量計算工程で計算した発電量を前記温度検出工程で検出した温度に応じて補正する温度補正工程とを含むことを特徴とする太陽電池パネルの検査方法。
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