JP5146554B2 - 太陽電池検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池に光を照射して発電させ、太陽電池に流れる電流により発生する磁界を検出して、太陽電池セル内の電極の接続不良又は太陽電池セル間の接続不良を検出する太陽電池検査装置に関する。
太陽電池は、太陽電池セル内にある電極と太陽電池セルから電流を取出す電極との間をペースト又は半田により接続させているが、この接続箇所に接続不良が生じ易い。また、結晶系の太陽電池は太陽電池セル間を直列に接続させているが、この太陽電池セル間で電極の接続不良が生じ易い。太陽電池セルの電極の接続不良又は太陽電池セル間の電極の接続不良を検出する方法にはいくつかの方法があるが、例えば下記特許文献1で紹介されているように、光を太陽電池セル又は太陽電池パネルに照射し、発電により発生する電流により各点で発生する磁界を磁気センサにより検出して、磁界の分布状態又は磁界から算出できる電流の分布状態を正常なものと比較する方法がある。この太陽電池検査装置においては、太陽電池をステージ上に載置して太陽電池に対してその表面から光を照射するとともに、1つの磁気センサを太陽電池の表面又は裏面に対向させながら太陽電池の表面又は裏面に沿って移動して、太陽電池の各部に流れる電流によって発生する各部の磁界を検出するようにしている。
この場合、太陽電池を載置するステージの機構、磁気センサを移動させる機構などの問題により、例えば太陽電池が柔軟性に富んだシート状の部材で構成されていて太陽電池をステージに吸引するような複雑な機構を有する場合には、太陽電池に対して光を照射する側の表面に磁気センサを配置する必要が生じる。この方法によれば、接続が正常な場合と異常な場合で磁界及び電流の分布状態が異なるために接続不良を検出することができる。また、この方法は、大がかりな検査用設備を必要とせず、検査対象を発電により電流が流れる状態にすれば非接触で検査を行うことができる点で、優れた方法である。
特開2010−171065号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されている方法には、以下の問題点がある。第1の問題は、1つの磁気センサを移動させて各移動位置の磁界を測定しているので、検査対象物が大きいと検査に多くの時間を必要とする。第2の問題は、光を照射する側に磁気センサを設けると、磁気センサを移動させるための機構による影ができ、この影の箇所の発電量が減少したり、抵抗値が大きくなったりして、太陽電池パネル及び太陽電池セルに流れる電流に影響する。この場合、磁気センサの直下で最も濃い影ができるが、この影の濃淡は、光の照射位置、磁気センサの移動機構の構造などに起因して磁気センサの移動位置によって異なるために、前記太陽電池パネル及び太陽電池セルに流れる電流への影響が磁気センサの移動位置によって異なる。その結果、光を照射する側に磁気センサを設けると、磁界の分布状態及び電流の分布状態を精度よく検出できなくなる。
本発明は、この問題を解決するためになされたもので、太陽電池に光を照射して発電させ、太陽電池に流れる電流により発生する磁界を検出して、太陽電池セル内の電極の接続不良又は太陽電池セル間の電極の接続不良を検出する太陽電池検査装置において、短時間で検査対象である太陽電池を検査することができ、光を照射する側に磁気センサを配置しても、磁界の分布状態又は電流の分布状態を精度よく測定できる太陽電池検査装置を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、太陽電池(SB)を載置するためのステージ(20)と、ステージ上に載置された太陽電池の表面上を複数の領域に区分するために太陽電池の表面上に設けられて、複数の領域間の光の侵入を遮る遮光手段(61)と、複数の領域においてステージに対向してそれぞれ配置されて、ステージ上に載置された太陽電池に対して、互いに異なる周波数で強度が変化する複数の光を発電のためにそれぞれ照射する複数の第1光照射手段(50A,50B)と、複数の領域において複数の第1光照射手段とステージとの間にそれぞれ設けられた複数の支持部材(31A,31B)と、ステージ上に載置された太陽電池に対向させて複数の支持部材にそれぞれ移動可能に設けられ、第1光照射手段によって照射される光に基づく発電により太陽電池に流れる電流が生成する複数の領域における磁界をそれぞれ検出して、前記検出した磁界を表す磁界検出信号であって複数の第1光照射手段の光の照射による異なる周波数の光の強度変化がもたらす複数の異なる周波数成分を含む磁界検出信号をそれぞれ出力する複数の磁気センサ(10A,10B)と、複数の磁気センサからの磁界検出信号を入力し、各磁気センサごとに、複数の異なる周波数成分を含む磁界検出信号から、各磁気センサが属する領域内の第1光照射手段の光の照射による光の強度変化がもたらす周波数成分以外の一つの周波数成分の磁気検出信号を取出す磁気検出信号取出手段(84〜86,90,S30〜S34)とを備えたことにある。
前記のように構成した本発明の特徴においては、複数の磁気センサは、複数の支持部材にそれぞれ移動可能に設けられ、すなわち遮光手段によって区分された複数の領域にそれぞれ設けられて、複数の領域において発電に基づく電流によって発生する磁界をそれぞれ検出する。したがって、複数の領域において発電に基づく電流によって発生する磁界をそれぞれ同時に検出するので、磁界の検出時間すなわち太陽電池の検査時間を短縮することができる。また、磁気検出信号取出手段は、各磁気センサが属する領域内の第1光照射手段の光の照射による光の強度変化がもたらす周波数成分以外の一つの周波数成分の磁気検出信号を取出す。すなわち、磁気センサによって検出された磁界に基づいて磁気検出信号取出手段によって取出される磁気検出信号は、磁気センサが位置する領域とは別の領域での第1光照射手段の光の照射に基づく発電による電流によるものであるため、支持部材及び磁気センサにより光が遮られた箇所における発電量が落ちても、又は同発電量に変動があっても、電流の流れにほとんど影響しなくなるので、高精度で磁界を検出することができる。このことは、実験によっても確認されている。その結果、磁界の分布状態又は電流の分布状態を精度よく測定することができるようになり、太陽電池の接続不良、すなわち太陽電池セル内の電極の接続不良、太陽電池セル間の電極の接続不良などを精度よく検出できる。
また、本発明の他の特徴は、さらに、複数の支持部材にそれぞれ取付けられ、複数の領域においてステージ上に載置された太陽電池に光をそれぞれ照射する複数の第2光照射手段であって、各領域ごとに、第1光照射手段の光の照射における光の強度変化の周波数とは異なる周波数で強度が変化する光、又は強度が変化しない光を照射する第2光照射手段(35A,35B)を備えたことにある。
前記のように構成した本発明の他の特徴によれば、磁気センサ及び支持部材により光が遮られる箇所が他の箇所に比べて高抵抗になる可能性もなくなるので、さらに精度よく磁界を検出することができる。このことも実験により確認されている。その結果、磁界の分布状態又は電流の分布状態をさらに精度よく測定することができるようになり、太陽電池の接続不良、すなわち太陽電池セル内の電極の接続不良、太陽電池セル間の電極の接続不良などをさらに精度よく検出できる。
本発明の他の特徴は、さらに、磁気検出信号取出手段によって取出された磁気検出信号に基づいて、複数の領域における、太陽電池の電極の位置又はその近傍の位置における電極の延設方向の磁界の強さ又は前記延設方向と直交する方向の電流の大きさを検出する検出手段(90,S36,S104,S114)を備えたことにある。これによれば、アモルファス太陽電池の場合によくあるように、太陽電池セル内に単位セルを直列接続した太陽電池における電極の接続不良を精度よく検出できる。また、磁界の測定箇所を太陽電池の電極又はその近傍の位置に限定できるので、磁界の検出時間すなわち太陽電池の検査時間をさらに短縮することができる。
本発明の他の特徴は、さらに、前記検出された磁界の強さ又は電流の大きさの変動が大きい部分の変動量を表す特性値を計算する変動量特性値計算手段(90,S166)を備えたことにある。これによれば、前記太陽電池セル内に単位セルを直列接続した太陽電池における電極の接続不良を数値で検出できるので、前記電極の接続不良を自動検出できるようになる。
本発明の他の特徴は、さらに、磁気検出信号取出手段によって取出された磁気検出信号に基づいて、複数の領域における、太陽電池の電極の位置又はその近傍の位置における電極の延設方向の電流の大きさ又は前記延設方向と直交する方向の磁界の強さを検出する検出手段(90,S36,S104,S112,S114)を備えたことにある。これによれば、結晶系太陽電池の場合によくあるように、太陽電池セル内には単位セルの直列接続はなく、太陽電池セル間を直列接続した太陽電池における電極の接続不良及び太陽電池セル間の接続不良を精度よく検出できる。また、磁界の測定箇所を太陽電池の電極又はその近傍の位置に限定できるので、磁界の検出時間すなわち太陽電池の検査時間をさらに短縮することができる。
本発明の他の特徴は、さらに、前記検出された電流の大きさ又は磁界の強さの変動量を表す特性値を計算する変動量特性値計算手段(90,S278)を備えことにある。これによれば、前記太陽電池セル間を直列接続した太陽電池における電極の接続不良及び太陽電池セル間の接続不良を数値で検出できるので、前記電極の接続不良を自動検出できるようになる。
なお、本明細書においては、単に「電流の大きさ」なる表現は、方向を問題とすることなく電流の絶対的な大きさを示す。そして、特定方向の電流の大きさに関しては、方向を特定したうえで電流の大きさを表現する。例えば、「X軸方向の電流の大きさ」、「Y軸方向の電流の大きさ」などと表現する。また、この点は、磁界の強さに関しても同じである。
本発明の一実施形態に係る太陽電池検査装置の全体構成図である。 図1のステージ、X方向移動機構及びY方向移動機構を含む磁界検出機構の概略斜視図である。 移動部材の位置する部分のX方向移動機構のY−Z平面に平行な断面図である。 遮光カーテンを上げた状態における照射装置及びステージ上の太陽電池を示す概略図である。 遮光カーテンを下げた状態における照射装置及びステージ上の太陽電池を示す概略図である。 (A)は太陽電池の面積がステージの上面の面積よりも小さい場合における太陽電池のステージ上への載置例を示す図であり、(B)は太陽電池の面積がステージの上面の面積よりも大きい場合における太陽電池のステージ上への載置例を示す図である。 図1の磁気センサ及びセンサ信号取出回路の詳細回路ブロック図である。 図1のロックインアンプの詳細回路ブロック図である。 図1のコントローラによって実行されるデータ取得プログラムの前半部分を示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行されるデータ取得プログラムの後半部分を示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行される評価プログラムの先頭部分を示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行される評価プログラムの図9Aに続く部分を示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行される評価プログラムの図9Bに続く部分を示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行される評価プログラムの図9Aに続く他の部分を示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行される評価プログラムの図9Dに続く部分を示すフローチャートである。 図1のコントローラによって実行される評価プログラムの図9Eに続く部分を示すフローチャートである。 第1タイプの太陽電池の一例を示す概略平面図である。 図10の太陽電池に含まれる1つの太陽電池セルの概略平面図である。 図11AのB−B線に沿って見た太陽電池セルの拡大断面図である。 第1タイプの太陽電池セルに異常が発生した場合における電流の大きさの変化を説明するための説明図である。 第2タイプの太陽電池の一例を示す概略平面図である。 図13の太陽電池に含まれる1つの太陽電池セルの概略断面図である。 図13の太陽電池セルの接続状態を説明するための概略図である。 図13の太陽電池のバスバー電極位置の検出を説明するための説明図である。 (A)は接続線を介したバスバー電極と裏面電極との接続状態を説明するための説明図であり、(B)はバスバー電極及び接続線に流れる電流の大きさを示すグラフである。 第2タイプの太陽電池セルの電極に異常が発生した場合における電極方向の電流の大きさの変化を説明するための説明図である。 第2タイプの太陽電池セルの電極に他の異常が発生した場合における電極方向の電流の大きさの変化を説明するための説明図である。 第2タイプの太陽電池セルの電極にさらに他の異常が発生した場合における電極方向の電流の大きさの変化を説明するための説明図である。
a.構成例
以下、本発明の一実施形態に係る太陽電池検査装置の構成例について図面を用いて説明する。図1は、この太陽電池検査装置の全体概略図である。図2は、測定対象である太陽電池SBの各部に流れる電流によって発生する磁界を検出するための磁界検出機構の概略斜視図である。この太陽電池検査装置は、詳しくは後述する一対の磁気センサ10A,10Bに対向して配置されて太陽電池SBを載置するためのステージ20と、磁気センサ10A,10BをX軸方向にそれぞれ移動させるための一対のX方向移動機構30A,30Bと、磁気センサ10A,10Bを含むX方向移動機構30A,30BをY軸方向に移動させるためのY方向移動機構40とを備えている。
ステージ20は、方形状に形成されている。ステージ20の表面には多数の微小孔が形成されており、これらの多数の微小孔は共通にバキュームポンプ21に連通している。そして、バキュームポンプ21を作動させると、ステージ20の上面に載置された太陽電池SBが微小孔を介して吸引されるようになっている。これは、後述するように、太陽電池SBの中には柔軟性に富んだシート状に形成されているものもあり、このようなシート状の太陽電池SBを単にステージ20上に載置しただけでは、シート状の太陽電池SBの表面に凹凸が生じて後述する磁界測定が精度よく行われないことがあるためである。このような場合は、本実施形態のように、バキュームポンプ21でシート状の太陽電池SBを吸引すれば、太陽電池SBがステージ20上に吸着され、太陽電池SBの表面の高さが均一になるために、後述する磁界測定の精度が良好になる。
なお、この種のシート状の太陽電池SBには様々な大きさのものが存在する。そして、シート状の太陽電池SBをステージ20上にセットして、バキュームポンプ21を作動させる場合、太陽電池SBがステージ20の上面の面積より小さければ、図5(A)に示すように、太陽電池SBをステージ20の中央に配置して、ステージ20上の太陽電池SBが存在しない部分には、別の平板Hを置くようにするとよい。また、シート状の太陽電池SBがステージ20の上面の面積より大きい場合には、図5(B)に示すように、太陽電池SBの検査を行う部分をステージ20上に置き、それ以外の部分を巻いたりしてステージ20の下方に置けばよい。なお、ステージ20はシート状の太陽電池SBをセットするための構造であるが、この太陽電池検査装置は、他の種類の太陽電池SB(例えば、硬質の太陽電池SB)をステージ20にセットして検査することも可能である。
X方向移動機構30A,30Bは、X軸方向に延設された長尺状の支持部材31A,31Bをそれぞれ有する。支持部材31Aの両端近傍には、下方に突出した方形状の凸部31A1,31A2を有する。支持部材31Bの両端近傍には、下方に突出した方形状の凸部31B1,31B2を有する。支持部材31Aの凸部31A1,31A2は、図2の右側位置にて、Y方向移動機構40を構成するY軸方向に延設された一対の支持部材41,42の上面に設けた溝41a,42a内にY軸方向に摺動可能に侵入している。支持部材31Bの凸部31B1,31B2は、図2の左側位置にて、前記一対の支持部材41,42の上面に設けた溝41b,42b内にY軸方向に摺動可能に侵入している。支持部材41の溝41a,41bは、支持部材41に延設方向(Y軸方向)に沿って断面方形状に形成され、Y軸方向の中央位置にて仕切り壁41cにより仕切られている。また、支持部材42の溝42a,42bは、支持部材42に延設方向(Y軸方向)に沿って断面方形状に形成され、Y軸方向の中央位置にて仕切り壁42cにより仕切られている。したがって、X方向移動機構30Aの支持部材31Aは図2の右側位置において移動可能になっており、X方向移動機構30Bの支持部材31Bは図2の左側位置において移動可能になっている。支持部材41,42の下部には幅広の底部41d,42dがそれぞれ設けられ、支持部材41,42は底部41d,42dによりステージ20のX軸方向両側に安定して設置されるようになっている。
支持部材41の溝41a内には、Y軸方向に延設されて支持部材31Aの凸部31A1を貫通する雄ねじ43Aが収容されている。支持部材31Aの凸部31A1内には、雄ねじ43Aに螺合した図示しないナットが組み込まれており、雄ねじ43Aの回転により、支持部材31AがY軸方向に移動するようになっている。すなわち、雄ねじ43Aと支持部材31Aの凸部31A1内に組み込まれたナットにより、ボールねじ機構が構成されている。雄ねじ43Aの一端は、支持部材41の一端(図示右側端)に組み付けたY方向モータ44Aの回転軸に連結され、雄ねじ43Aの他端は仕切り壁41cに固定した支持部材に回転可能に支持されている。これにより、Y方向モータ44Aの回転により雄ねじ43Aが軸線周りに回転して、支持部材31AがY軸方向に移動する。
支持部材41の溝41b内には、Y軸方向に延設されて支持部材31Bの凸部31B1を貫通する雄ねじ43Bが収容されている。支持部材31Bの凸部31B1内には、雄ねじ43Bに螺合した図示しないナットが組み込まれており、雄ねじ43Bの回転により、支持部材31BがY軸方向に移動するようになっている。すなわち、雄ねじ43Bと支持部材31Bの凸部31B1内に組み込まれたナットにより、ボールねじ機構が構成されている。雄ねじ43Bの一端は、支持部材41の一端(図示左側端)に組み付けたY方向モータ44Bの回転軸に連結され、雄ねじ43Bの他端は仕切り壁41cに固定した支持部材に回転可能に支持されている。これにより、Y方向モータ44Bの回転により雄ねじ43Bが軸線周りに回転して、支持部材31BがY軸方向に移動する。
X方向移動機構30A、30Bの支持部材31A,31Bには、図3の断面図に示すように、X軸方向の両端部分を除いて、断面方形状に形成されて下方に開口されるとともにX軸方向に延設された凹部31aがそれぞれ設けられている。なお、X方向移動機構30A,30Bは同一の構造を有するので、X方向移動機構30Aを代表させてX方向移動機構30A,30Bについて共通に説明し、必要に応じて括弧内にX方向移動機構30Bの各部材を示す。支持部材31A(31B)の凹部31aの前後方向内側面(X軸方向内側面)には、同一高さ位置にて断面方形状の溝31b,31cがX軸方向に延設されてそれぞれ形成されている。これらの支持部材31A(31B)の溝31b,31cには、方形状に形成した移動部材32A(32B)の両側部に設けた方形状の凸部32a,32bが摺動可能に係合している。移動部材32A(32B)の下面には、磁気センサ10A(10B)がステージ20に対向するように固定されている。
支持部材31A(31B)の凹部31a内には、X軸方向に延設されて移動部材32A(32B)を貫通する雄ねじ33A(33B)が収容されている。移動部材32A(32B)内には、Y軸方向に延設されて雄ねじ33A(33B)に螺合した図示しないナットが組み込まれており、雄ねじ33A(33B)の回転により、移動部材32A(32B)がX軸方向に移動するようになっている。すなわち、雄ねじ33A(33B)と移動部材32A(32B)内に組み込まれたナットにより、ボールねじ機構が構成されている。雄ねじ33A(33B)の一端は、支持部材31A(31B)の一端に組み付けたX方向モータ34A(34B)の回転軸に連結され、雄ねじ33A(33B)の他端は支持部材31A(31B)の他端に設けた支持部に回転可能に支持されている。これにより、X方向モータ34A(34B)の回転により雄ねじ33A(33B)が軸線周りに回転して、移動部材32A(32B)が磁気センサ10A(10B)と共にX軸方向に移動する。
支持部材31Aの両側底面には、所定の間隔をおいて複数の発光素子(LED)35Aがそれぞれ固定されている。支持部材31Bの両側底面にも、所定の間隔をおいて複数の発光素子(LED)35Bがそれぞれ固定されている。これらの発光素子35A,35Bは、太陽電池SBに対する光の照射量が減少した箇所における抵抗値が他に比べて高くならないようにするためのものであり、特に、X方向移動機構30A,30Bによる影に起因して抵抗値が増大しないようにするためのものである。言い換えれば、これらの発光素子35A,35Bによる太陽電池SBへの照射は、太陽電池SBに発電させる目的ではなく、太陽電池SBの照射量の減少した箇所の抵抗値が他に比べて高くならないようにするためのものであるので、発光素子35A,35Bによる光の照射強度は後述する発電のための発光素子51に比べれば微弱であってもよい。
ふたたび図1の説明に戻ると、ステージ20の上面に対向する位置であって、X方向移動機構30A,30Bよりもさらに上方の位置には、一対の照射装置50A,50BがY軸方向の中央位置の両側にそれぞれ設けられている。照射装置50A,50B内には、ステージ20に対向するように、複数の発光素子(LED)51がマトリクス状に配置されて、太陽電池SBをステージ20上に載置した状態で、太陽電池全体に均一な光量(すなわち均一な強度)の光が照射されるようになっている。なお、照射装置50A,50Bは図示しない支持装置に支持されている。
また、照射装置50A,50Bの間の上方位置には、遮光カーテン装置60が配置されている。遮光カーテン装置60は、図1、図4A及び図4Bに示すように、照射装置50A,50Bの間の位置(すなわちY軸方向の中央位置)にてX軸方向に延設された遮光カーテン61を備えている。遮光カーテン61は光を遮断する柔軟性材料で構成されて、その上端は図示しない支持装置に固定された支持部材62の下面に固定されている。遮光カーテン61の下端には、遮光カーテン61のX軸方向の長さ分だけX軸方向に延設されて、硬質かつある程度大きな質量を有する絶縁材料で形成されたストッパ63が固定されている。
この遮光カーテン61は、図示しない支持装置に固定されたカーテン用モータ64により上下動されるようになっている。カーテン用モータ64の出力軸は、図示しない支持装置に軸線周りに回転可能に指示された巻取りローラ65に連結されている。巻取りローラ65の軸線方向すなわちX軸方向には、適当な間隔をおいて複数の巻取りワイヤ66の各一端がそれぞれ固定されている。これらの複数の巻取りワイヤ66は支持部材62に設けた貫通孔を介して下方に延設され、それらの下端はストッパ63に固定されている。そして、カーテン用モータ64の一方向への回転により、図4Aに示すように、巻取りワイヤ66が巻取りローラ65に巻上げられて、遮光カーテン61は上方に巻上げられる。また、カーテン用モータ64の前記とは逆方向への回転により、図4Bに示すように、巻取りワイヤ66は巻取りローラ65に巻下げられて、遮光カーテン61は下方に巻下げられる。また、巻取りローラ65には、遮光カーテン61を最大限に巻き上げた状態及び最大限に下げた状態で、巻取りローラ65の回転が禁止される図示しないストッパが設けられている。
バキュームポンプ21には、ポンプ駆動回路71が接続されている。ポンプ駆動回路71は、後述するコントローラ90による指示により、バキュームポンプ21の作動開始及び作動停止を制御する。
X方向モータ34A,34B内には、X方向モータ34A,34Bの回転をそれぞれ検出して、それらの回転を表す回転信号をそれぞれ出力するエンコーダ34A1,34B1(34B1は図示せず)が組み込まれている。これらの回転信号は、X方向モータ34A,34Bが所定の微少角度だけ回転するたびにハイレベルとローレベルとを交互に切替えるパルス列信号であって、回転方向を識別するために互いにπ/2だけ位相のずれたA相信号とB相信号とでそれぞれ構成される。これらの回転信号は、X方向位置検出回路72A,72B及びX方向フィードモータ制御回路73A,73Bにそれぞれ出力される。X方向位置検出回路72A,72Bは、前記回転信号のパルス数をX方向モータ34A,34Bの回転方向に応じてそれぞれカウントアップ又はカウントダウンし、それらのカウント値からX方向モータ34A,34Bによる移動部材32A,32BのX軸方向位置(すなわち磁気センサ10A,10BのX軸方向位置)をそれぞれ検出し、検出したX軸方向位置をX方向フィードモータ制御回路73A,73B及び後述するコントローラ90にそれぞれ出力する。X方向フィードモータ制御回路73A,73Bは、コントローラ90の指示により、X方向モータ34A,34Bの駆動及び停止をそれぞれ制御する。このX方向モータ34A,34Bの駆動時においては、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bは、エンコーダ34A1,34B1からの回転信号を用いてX方向モータ34A,34Bを所定の回転速度でそれぞれ回転させる。
X方向位置検出回路72A,72Bにおけるカウント値の初期設定は、電源投入時にコントローラ90の指示によって行われる。すなわち、コントローラ90は、電源投入時に、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bに移動部材32A,32Bの初期位置に対応したX軸方向限界位置への移動、及びX方向位置検出回路72A、72Bに初期設定をそれぞれ指示する。これらの指示により、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bは、X方向モータ34A,34Bを駆動して移動部材32A,32Bを初期位置に対応したX軸方向限界位置までそれぞれ移動させる。X方向位置検出回路72A,72Bは、移動部材32A,32BのX軸方向への移動中、X方向モータ34A,34B内のエンコーダ34A1,34B1からの回転信号をそれぞれ入力し続けている。そして、移動部材32A,32Bが初期位置に対応したX軸方向限界位置まで達してX方向モータ34A,34Bの回転がそれぞれ停止すると、X方向位置検出回路72A,72Bはエンコーダ34A1,34B1からの回転信号の入力停止をそれぞれ検出して、カウント値を「0」にそれぞれリセットする。このとき、X方向位置検出回路72A,72Bは、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bに出力停止のための信号をそれぞれ出力し、これにより、X方向フィードモータ制御回路73A,73BはX方向モータ34A,34Bへの駆動信号の出力をそれぞれ停止する。その後に、X方向モータ34A,34Bが駆動された際には、X方向位置検出回路72A,72Bは、回転信号のパルス数をX方向モータ34A,34Bの回転方向に応じてそれぞれカウントアップ又はカウントダウンし、それらのカウント値に基づいて移動部材32A,32BのX軸方向位置をそれぞれ計算し、計算したX軸方向位置をX方向フィードモータ制御回路73A,73B及びコントローラ90にそれぞれ出力し続ける。
Y方向モータ44A,44B内には、Y方向モータ44A,44Bの回転を検出して、前記X方向モータ34A,34Bと同様に、その回転を表す回転信号を出力するエンコーダ44A1,44B1(44B1は図示せず)が組み込まれている。これらの回転信号は、Y方向位置検出回路74A,74B及びY方向フィードモータ制御回路75A,75Bにそれぞれ出力される。Y方向位置検出回路74A,74Bは、前記回転信号のパルス数をY方向モータ44A,44Bの回転方向に応じてそれぞれカウントアップ又はカウントダウンし、それらのカウント値からY方向モータ44A,44Bによる移動部材32A,32BのY軸方向位置(すなわち磁気センサ10A,10BのY軸方向位置)をそれぞれ検出し、検出したY軸方向位置をY方向フィードモータ制御回路75A,75B及びコントローラ90にそれぞれ出力する。Y方向フィードモータ制御回路75A,75Bは、コントローラ90の指示により、前記X方向フィードモータ制御回路73A,73Bの場合と同様に、Y方向モータ44A,44Bの駆動及び停止をそれぞれ制御する。
Y方向位置検出回路74A,74Bにおけるカウント値の初期設定も、電源投入時にコントローラ90の指示によって行われる。すなわち、コントローラ90は、電源投入時に、Y方向フィードモータ制御回路75A,75Bに移動部材32A,32Bの初期位置に対応したY軸方向限界位置への移動、及びY方向位置検出回路74A,74Bに初期設定をそれぞれ指示する。これらの指示により、Y方向フィードモータ制御回路75A,75Bは、Y方向モータ44A,44Bを駆動して移動部材32A,32Bを初期位置に対応したY軸方向限界位置までそれぞれ移動させる。Y方向位置検出回路74A,74Bは、移動部材32A,32BのY軸方向への移動中、Y方向モータ44A,44B内のエンコーダ44A1,44B1からの回転信号をそれぞれ入力し続けている。そして、移動部材32A,32Bが初期位置に対応したY軸方向限界位置まで達してY方向モータ44A,44Bの回転がそれぞれ停止すると、Y方向位置検出回路74A,74Bはエンコーダ44A1,44B1からの回転信号の入力停止をそれぞれ検出して、カウント値を「0」にそれぞれリセットする。このとき、Y方向位置検出回路74A,74Bは、Y方向フィードモータ制御回路75A,75Bに出力停止のための信号をそれぞれ出力し、これにより、Y方向フィードモータ制御回路75A,75BはY方向モータ44A,44Bへの駆動信号の出力をそれぞれ停止する。その後に、Y方向モータ44A,44Bが駆動された際には、Y方向位置検出回路74A,74Bは、回転信号のパルス数をY方向モータ44A,44Bの回転方向に応じてそれぞれカウントアップ又はカウントダウンし、それらのカウント値に基づいて移動部材32A,32BのY軸方向位置をそれぞれ計算し、計算したY軸方向位置をY方向フィードモータ制御回路75A,75B及びコントローラ90にそれぞれ出力し続ける。
カーテン用モータ64内にも、カーテン用モータ64の回転を検出して、前記X方向モータ34A,34B及びY方向モータ44A,44Bと同様に、その回転を表す回転信号を出力するエンコーダ64aが組み込まれている。この回転信号は、遮光カーテン用モータ駆動回路76に出力される。遮光カーテン用モータ駆動回路76は、コントローラ90による指示により、遮光カーテン61を巻上げ及び巻下げのためにカーテン用モータ64の駆動を制御する。具体的には、コントローラ90から遮光カーテン61の巻上げの指示があった場合には、遮光カーテン用モータ駆動回路76は、巻上げローラ65が遮光カーテン61を巻上げる方向にカーテン用モータ64の回転を開始させる。一方、コントローラ90から遮光カーテン61の巻下げの指示があった場合には、遮光カーテン用モータ駆動回路76は、巻上げローラ65が遮光カーテン61を巻下げる方向(すなわち、前記巻上げとは逆方向)にカーテン用モータ64の回転を開始させる。これらの回転開始後、遮光カーテン用モータ駆動回路76は、エンコーダ64aからの回転信号の入力停止によりカーテン用モータ64の回転停止を制御する。すなわち、上述のように、巻取りローラ65にはストッパが設けられていて、遮光カーテン61を最大限に巻き上げた状態及び最大限に巻き下げた状態で巻取りローラ65の回転が停止されるので、この状態では、エンコーダ64aからの回転信号が遮光カーテン用モータ駆動回路76には入力されなくなる。したがって、遮光カーテン用モータ駆動回路76は、この回転信号の入力停止を検出して、前記遮光カーテン61の巻上げた状態及び巻下げた状態でカーテン用モータ64への駆動信号の出力を停止させることができる。
この太陽電池検査装置は、さらに、一対の発光信号供給回路81A,81B、一対の第1光源駆動回路82A,82B、一対のセンサ信号取出回路83A,83B、信号選択回路84,85、ロックインアンプ86、第2光源駆動回路87及びコントローラ90を備えている。発光信号供給回路81A,81Bは、正弦波発振器及び矩形波変換回路をそれぞれ含み、コントローラ90によって作動制御されて、正弦波発振器によって発振される正弦波信号を発光制御信号として第1光源駆動回路82A,82Bに供給する。なお、第1光源駆動回路82A,82Bから出力される発光制御信号は、共に「0」を基準に正負に変化する信号であるが、互いに異なる第1及び第2周波数を有する。この場合、第1及び第2周波数は、例えば数10ヘルツから数100ヘルツ程度である。また、発光信号供給回路81A,81Bは、前記正弦波信号からなる発光制御信号を矩形波変換回路による変換により、前記第1及び第2周波数の発光制御信号と同期して「0」を中心として正負に変化する矩形波信号をそれぞれ生成して、参照信号として信号選択回路84に出力する。
第1光源駆動回路82Aは、コントローラ90によって作動制御されて、発光信号供給回路81Aから供給された発光制御信号の第1周波数を有する駆動信号で、照射装置50A内の複数の発光素子51をそれぞれ同時に発光制御する。第2光源駆動回路82Bは、コントローラ90によって作動制御されて、発光信号供給回路81Bから供給された発光制御信号の第2周波数を有する駆動信号で、照射装置50B内の複数の発光素子51をそれぞれ同時に発光制御する。照射装置50A,50B内の各発光素子51、51は、前記発光制御信号に同期して正弦波状に変化する発光強度で太陽電池SBの表面をそれぞれ照射する。
次に、磁気センサ10A.10Bについて説明しておく。この場合も、磁気センサ10A,10Bの構成は同じであるので、磁気センサ10Aを代表させて磁気センサ10A,10Bの構成については共通に説明し、必要に応じて磁気センサ10Bを括弧書きにより区別して示す。磁気センサ10A(10B)は、図6に示すように、X軸方向の磁界を検出するX方向磁気センサ10Ax(10Bx)と、Y軸方向の磁界の変化を検出するY方向磁気センサ10Ay(10By)とを備えている。X方向磁気センサ10Ax(10Bx)は、抵抗r11,r12,r13及び磁気抵抗素子MR1からなるブリッジ回路で構成されており、抵抗r11,r13の接続点と、抵抗r12及び磁気抵抗素子MR1の接続点との間に、センサ信号取出回路83A(83B)の後述する定電圧供給回路83aから電圧+V,−Vが印加されるようになっている。また、X方向磁気センサ10Ax(10Bx)においては、抵抗r13及び磁気抵抗素子MR1の接続点と、抵抗r11,r12間の接続点との間の電圧をX方向磁気検出信号として出力する。抵抗r11,r12,r13の値は同じであり、磁界の強さが「0」であるときの磁気抵抗素子MR1の抵抗値に等しい。これにより、ほぼ「0」を基準としたX軸方向の磁界の正負の変化により、X方向磁気検出信号はほぼ「0」を基準にX軸方向の磁界の大きさに比例して正負に変化する電圧信号となる。
Y方向磁気センサ10Ay(10By)は、抵抗r21,r22,r23及び磁気抵抗素子MR2からなるブリッジ回路で構成されており、抵抗r21,r22の接続点と、抵抗r23及び磁気抵抗素子MR2の接続点との間に、センサ信号取出回路83A(83B)の後述する定電圧供給回路83bから電圧+V,−Vが印加されるようになっている。また、Y方向磁気センサ10Ay(10By)においては、抵抗r22及び磁気抵抗素子MR2の接続点と、抵抗r21,r23間の接続点との間の電圧をY方向磁気検出信号として出力する。抵抗r21,r22,r23の値は同じであり、磁界の強さが「0」であるときの磁気抵抗素子MR2の抵抗値に等しい。これにより、ほぼ「0」を基準としたY軸方向の磁界の正負の変化により、Y方向磁気検出信号はほぼ「0」を基準にY軸方向の磁界の大きさに比例して正負に変化する電圧信号となる。
次に、センサ信号取出回路83A,83Bについて説明する。これらのセンサ信号取出回路83A,83Bの構成も同じであるので、センサ信号取出回路83Aを代表させてセンサ信号取出回路83A,83Bを共通に説明し、必要に応じてセンサ信号取出回路83Bを括弧書きにより区別して示す。センサ信号取出回路83A(83B)は、定電圧供給回路83a,83b及び増幅器83c,83dを備えている。定電圧供給回路83a,83bは、コントローラ90からの指示により、磁気センサ10A(10B)のX方向磁気センサ10Ax(10Bx)及びY方向磁気センサ10Ay(10By)に対して、定電圧+V,−Vを供給する。増幅器83c、83dは、X方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号をそれぞれ増幅して信号選択回路85に出力する。
信号選択回路84は、コントローラ90からの指示に応じて、発光信号供給回路81A,81Bのうちの一方からの参照信号を選択してロックインアンプ86に供給する。信号選択回路85は、コントローラ90からの指示に応じて、センサ信号取出回路83A,83Bのうちの一方からのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号をロックインアンプ86に供給する。ロックインアンプ86は、図7に詳細に示すように、信号選択回路85によって選択されて、X方向磁気センサ10Ax(10Bx)から増幅器83cを介して供給されるX方向磁気検出信号を入力するハイパスフィルタ86aと、Y方向磁気センサ10Ay(10By)から増幅器83dを介して供給されるY方向磁気検出信号を入力するハイパスフィルタ86bとを備えている。ハイパスフィルタ86a,86bは、X方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号に含まれる、磁界の強さに比例した信号成分以外の不要な成分を取り除くとともに、信号をグランドレベルを中心に変化するようにする。
ハイパスフィルタ86aの出力は、増幅器86cを介して位相検波回路86d,86eに供給される。位相検波回路86d,86eは、それぞれ乗算器によって構成されている。位相検波回路86dは、ハイパスフィルタ86a及び増幅器86cを介して供給されるX方向磁気検出信号に、信号選択回路84によって選択されて発光信号供給回路81A,81Bのうちの一方からの参照信号を乗算してローパスフィルタ86fに出力する。位相検波回路86eは、ハイパスフィルタ86a及び増幅器86cを介して供給されるX方向磁気検出信号に、信号選択回路84によって選択されて発光信号供給回路81A、81Bのうちの一方からの参照信号を位相シフト回路86gで90度位相を遅らせた遅延参照信号を乗算してローパスフィルタ86hに出力する。これにより、ローパスフィルタ86fにはX方向磁気検出信号の発光制御信号(参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ86fは供給された成分信号をローパスフィルタ処理してX方向磁気検出信号の発光制御信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。ローパスフィルタ86hにはX方向磁気検出信号の発光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号(遅延参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ86hは供給された成分信号をローパスフィルタ処理してX方向磁気検出信号の発光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。
ハイパスフィルタ86bの出力は、増幅器86iを介して位相検波回路86j,86kに供給される。位相検波回路86j,86kには、ローパスフィルタ86m,86nが接続されている。位相検波回路86j,86k及びローパスフィルタ86m,86nは、前述した位相検波回路86d,86e及びローパスフィルタ86f,86hと同様に構成されている。これにより、ローパスフィルタ86mにはY方向磁気検出信号の発光制御信号(参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ86mは供給された成分信号をローパスフィルタ処理してY方向磁気検出信号の発光制御信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。ローパスフィルタ86nにはY方向磁気検出信号の発光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号(遅延参照信号)と同期した成分が供給され、ローパスフィルタ86nは供給された成分信号をローパス処理してY方向磁気検出信号の発光制御信号よりも90度位相を遅らせた信号と同期した成分の大きさを表す信号を出力する。ローパスフィルタ86f,86h,86m,86nは、A/D変換器86o,86p,86q,86rにそれぞれ接続されている。A/D変換器86o,86p,86q,86rは、所定の時間間隔ごとに、ローパスフィルタ86f,86h,86m,86nからの信号をそれぞれA/D変換してコントローラ90に供給する。
ふたたび図1の説明に戻り、第2光源駆動回路87は、コントローラ90により指示されて、複数の発光素子35A、35Bを同時に点灯させる。この場合、複数の発光素子35A、35Bを点灯制御する駆動信号は、直流信号でもよいし、発光信号供給回路81A,81Bが出力する信号の周期とは異なった周期の信号でもよい。また、上述のように、発光素子35A,35Bによる太陽電池SBへの照射は、太陽電池SBに発電させる目的ではなく、太陽電池SBの照射装置50A,50Bの光の照射量が減少した箇所の抵抗値が他の箇所に比べて大きくならないようにするためのものであるので、駆動信号の大きさは第1光源駆動回路82A,82Bに比べて微弱であってもよい。
コントローラ90は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、ハードディスクや不揮発性メモリなどの記憶装置と、入出力インタフェース等から構成される電子制御装置である。コントローラ90は、記憶装置に記憶された図8A及び図8Bのデータ取得プログラム及び図9A乃至図9Fの評価プログラムを実行してこの太陽電池検査装置の動作を制御する。コントローラ90には、作業者が各種パラメータや処理等を指示するための入力装置91と、作業者に対して作動状況等を視覚的に知らせるための表示装置92とが接続されている。
b.太陽電池例
次に、本実施形態に係る太陽電池検査装置によって検査される太陽電池SBの構成について、2種類のタイプを例にして説明しておく。第1タイプの太陽電池SBは、アモルファス太陽電池の場合によくあるように、太陽電池SBを構成する複数の太陽電池セルSC内にそれぞれ電池の直列接続構造を有するものである。また、第2タイプの太陽電池SBは、結晶系太陽電池の場合によくあるように、前記電池の直列接続構造を有さないものである。まず、第1タイプの太陽電池SBについて説明すると、この太陽電池SBは、図10に示すように、マトリクス状に配置された多数の太陽電池セルSCが、基板100上に固定されている。本実施形態では、X軸方向にsmax個、Y軸方向にtmax個の太陽電池セルSCが配置されているものとする。
各太陽電池セルSCは、図11A及び図11Bに示すように、方形状に形成され、外部に電力を取出すための長尺状の一対の取出電極(正電極及び負電極)101,102を上面にて平行に延設させており、一対の取出電極101,102の間を前記取出電極101,102と同一方向に延設させた複数の発電セル103を直列接続した構造を有している。各発電セル103は、表面電極103a、半導体層103b及び裏面電極103cからなる。半導体層103bは、図示左側をP層とするとともに図示右側をN層としており、発生電流は裏面電極103cから表面電極103aの方向に流れる。隣り合う発電セル103,103間は、一方の表面電極103aと他方の裏面電極103cが導電層104によって電気的に接続され、かつ絶縁層105によって絶縁されている。一端(図示上側端)の発電セル103の表面電極103aは、導電層からなる内部電極106を介して取出電極101に接続され、この発電セル103の外側には絶縁層107aが設けられている。他端(図示下側端)の発電セル103の裏面電極103cは、導電層からなる内部電極108を介して取出電極102に接続されており、この発電セル103の外側には絶縁層107bが設けられている。この太陽電池セルSCの上面はガラス層109で覆われており、取出電極101,102は、内部電極106,108に導電性ペースト又は半田により接続されている。
そして、図10に示すように、X軸方向に配置されたsmax個の太陽電池セルSCの各電極101,102は接続線111でそれぞれ直列に接続され、この直列に接続されたsmax個の電極101,102は接続線112,113によりそれぞれ並列に接続されている。そして、接続線112,113から電力が出力されるようになっている。なお、この太陽電池セルSCの検査の場合には、接続線112,113間に後述する抵抗Rcsが導線L1,L2を介して接続される。そして、電流は図示矢印の方向に流れる。
次に、第2タイプの太陽電池SBについて説明すると、この太陽電池SBも、図13に示すように、マトリクス状に配置された多数の太陽電池セルSCが、基板200上に固定されている。この場合も、X軸方向にsmax個、Y軸方向にtmax個の太陽電池セルSCが配置されているものとする。各太陽電池セルSCは、例えば図14Aの拡大概略断面図に示すように、裏面電極201、p+形層202、p形層203、n形層204及び反射防止膜205を積層して構成されている。また、太陽電池セルSCは、平板状かつ長尺状に形成され等間隔で横方向に配列された複数のグリッド電極(受光面電極)206を備え、グリッド電極206の下端面はn形層204に接続されて上端面を上方に突出させている。複数のグリッド電極206の上端面には、棒状に形成した一対のバスバー電極207がそれらの下面にて接続されている。
そして、X軸方向に配置されたsmax個の太陽電池セルSCは直列に接続され、この直列に接続されたsmax個の太陽電池セルSCからなるtmax組の太陽電池セルSC群がさらに直列に接続されている。すなわち、全ての太陽電池セルSCが直列に接続されている。この場合、X軸方向に配置されたsmax個の太陽電池セルSCにおいては、図14Bに示すように、裏面電極201を隣の太陽電池セルSCのバスバー電極207に接続線208を介して接続するようにしている。また、直列に接続されたsmax個の太陽電池セルSCからなるtmax組の太陽電池セルSC群においては、X軸方向のsmax個目の太陽電池セルSCの裏面電極201が、接続線211により、図示1つ上のX軸方向の1個目の太陽電池セルSCのバスバー電極207に接続されている。これにより、X軸方向の1個目かつY軸方向の1個目の太陽電池セルSCのバスバー電極207と、X軸方向のsmax個目かつY軸方向のtmax個目の太陽電池セルSCの裏面電極201との間で高い電圧が出力される。したがって、この太陽電池セルSCの検査の場合には、X軸方向のsmax個目かつY軸方向のtmax個目の太陽電池セルSCの裏面電極201と、X軸方向の1個目かつY軸方向の1個目の太陽電池セルSCのバスバー電極207との間に後述する抵抗Rcsが導線L1,L2を介して接続される。そして、電流は図示矢印の方向に流れる。
c.作動説明
次に、上記のように構成した太陽電池検査装置の動作について説明する。作業者は、図10又は図13に示すように、検査対象となる太陽電池SBに導線L1,L2を介して小さな抵抗Rcs(例えば、5オーム程度の抵抗)を接続して、ステージ20上の所定位置に載置する。抵抗Rcsを接続する理由は、照射装置50A,50Bを用いた光の照射により、太陽電池セルSCの発電による適当な電流が太陽電池セルSCを流れるようにするためである。この場合、第1タイプの太陽電池(図10参照)を検査する場合には、照射装置50A,50Bの間の遮光カーテン61が、図10に示すように、Y軸方向の所望の列の太陽電池セル群SCの取出電極101,102間の中央位置にてX軸方向に沿って延設されて位置するように、ステージ20上の太陽電池SBを位置調整する。例えば、初期には、遮光カーテン61が、Y軸方向の1列目の太陽電池セル群SCの取出電極101,102間の中央位置にてX軸方向に沿って延設されるように、ステージ上の太陽電池SBを位置調整する。また、第2タイプの太陽電池(図13参照)を検査する場合には、照射装置50A,50Bの間の遮光カーテン61が、図13に示すように、Y軸方向の中央部の2列の太陽電池セル群SCの間にX軸方向に沿って延設されるように、ステージ上の太陽電池SBを位置調整する。なお、この状態では、遮光カーテン61は巻上げられているものとする。
この状態で、太陽電池検査装置の電源が投入されると、上述したように、コントローラ90の指示により、X方向フィードモータ制御回路73A,73B及びY方向フィードモータ制御回路75A,75Bが、移動部材32A,32B(すなわち磁気センサ10A,10B)をX軸方向及びY軸方向の初期位置にそれぞれ移動させるとともに、X方向位置検出回路72A,72B及びY方向位置検出回路74A,74Bは検出されるX軸方向位置及びY軸方向位置を初期値に設定する。
次に、作業者は、入力装置91を操作することにより、太陽電池SBの計測に必要なパラメータを入力する。この場合、必要なパラメータとしては、例えば、太陽電池セルSC(取出電極101,102、バスバー電極207など)のX軸方向の長さ、ステージ20上に存在するX軸方向の太陽電池セルSCの数smax、太陽電池SBのタイプ(上述した太陽電池セルSC内に直列接続構造を有する第1タイプの太陽電池SBか、第2タイプなどのそれ以外の太陽電池SBか)などである。この入力されたパラメータは、コントローラ90に記憶される。また、後述するデータ処理プログラムや評価プログラムにて使用されるX軸方向終了位置Xmaxなどが、この入力されたパラメータから計算されて記憶される。
この状態で、作業者は、入力装置91を操作することにより、バキュームポンプ21の作動開始をコントローラ90に入力指示する。これにより、コントローラ90はポンプ駆動回路71を制御して、バキュームポンプ21を作動させる。このバキュームポンプ21の作動により、ステージ20の上面に載置された太陽電池SBが微小孔を介して吸引されて、太陽電池SBがステージ20上に固定される。したがって、太陽電池SBが柔軟性に富んだシート状のものであっても、太陽電池SBがステージ20状に吸着され、太陽電池SBの表面の高さが均一になるために、後述する磁界測定の精度が良好になる。なお、バキュームポンプ21による太陽電池SBの吸引が必要ない場合には、特に、バキュームポンプ21を作動させる必要はない。
次に、作業者は、入力装置91を操作することにより、コントローラ90を介してY方向フィードモータ制御回路75A,75Bに指示して、磁気センサ10A,10BがY軸方向の検査位置に対向する位置に来るように、Y方向モータ44A,44Bをそれぞれ作動させる。この場合、第1タイプの太陽電池SBであれば、遮光カーテン61が上方に位置する太陽電池セル群SCの取出電極102,101、すなわち遮光カーテン61のY軸方向両側の最も近い取出電極102,101に、磁気センサ10A,10Bをそれぞれ対向させる(図10参照)。また、第2タイプの太陽電池SBであれば、遮光カーテン61のY軸方向両側の所望の一対のバスバー電極207,207に、例えば遮光カーテン61を中心にY軸方向に対称位置にある一対のバスバー電極207,207に、磁気センサ10A,10Bをそれぞれ対向させる(図13参照)。この場合、最初、例えば遮光カーテン61からY軸方向に最も遠い一対のバスバー電極207,207を選択する。なお、前記磁気センサ10A,10Bを対向させた取出電極102,101又はバスバー電極207,207に関しては、取出電極102,101又はバスバー電極207,207を表すデータをRAMに記憶しておく。これらの磁気センサ10A,10Bの移動は、作業者の視覚判断により行えばよいが、電極の位置検出装置などを用いた自動制御を含めてもよい。
また、この場合、遮光カーテン61が巻上げられた状態で、支持部材31A,31BがY軸方向に移動される。遮光カーテン61が巻上げられていなければ、作業者は、入力装置91を操作することにより、コントローラ90を介して遮光カーテン用モータ駆動回路76に対して、遮光カーテン61を巻上げる方向にカーテン用モータ64を回転させるように指示する。これにより、遮光カーテン用モータ駆動回路76は、カーテン用モータ64を回転させて遮光カーテン61を上限位置まで巻上げて、カーテン用モータ64による遮光カーテン61の巻上げ動作を終了する。
次に、作業者は、入力装置91を操作して、コントローラ90に図8A及び図8Bのデータ取得プログラムの実行を開始させる。すなわち、太陽電池SBの計測の開始をコントローラ90に指示する。この指示に応答して、コントローラ90は、図8AのステップS10にてデータ取得プログラムの実行を開始し、ステップS12にて変数n,mを共に「1」に初期設定する。変数nは、太陽電池SBの電極位置(又はその近傍位置)における磁気センサ10A,10BによるX軸方向の磁界検出位置を示す変数である。変数mは、「1」と「2」のいずれかの値を取るもので、「1」により発光信号供給回路81Aの出力を選択してロックインアンプ86に導くとともに、センサ信号取出回路83Bの出力を選択してロックインアンプ86に導く状態を表す。また、変数mは、「2」により発光信号供給回路81Bの出力を選択してロックインアンプ86に導くとともに、センサ信号取出回路83Aの出力を選択してロックインアンプ86に導く状態を表す。
次に、コントローラ90は、ステップS14にて、遮光カーテン用モータ駆動回路76に対して、遮光カーテン61を下げる方向にカーテン用モータ64を回転させるように指示する。遮光カーテン用モータ駆動回路76は、カーテン用モータ64を回転させて、遮光カーテン61を下限位置まで、すなわちストッパ63が太陽電池SBの上面に接するまで下げる。そして、遮光カーテン用モータ駆動回路76は、カーテン用モータ64の作動を停止させて遮光カーテン61の巻下げ動作を終了する。
前記ステップS14の処理後、コントローラ90は、ステップS16にて、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bに対して磁気センサ10A,10BをX軸方向に移動して検査位置がX軸方向の初期値Xsによって表される測定開始位置になるようにそれぞれ指示する。この指示に応答して、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bは、X方向位置検出回路72A,72BからX軸方向検出位置(X軸方向の検査位置すなわち測定位置)を入力しながら、X軸方向検出位置が初期値Xsに一致するまでX方向モータ34A,34Bをそれぞれ駆動制御する。前記ステップS16の処理後、コントローラ90は、ステップS18にてX方向位置検出回路72A,72Bから磁気センサ10A,10BのX軸方向位置をそれぞれ入力して、ステップS20にてこの入力したX軸方向位置が前記初期値Xsにそれぞれ等しい位置か否かを判定する。そして、前記入力したX軸方向位置が前記初期値Xsにそれぞれ等しい位置になるまで、コントローラ90は、ステップS20にて「No」と判定して、ステップS18,S20の循環処理を繰り返す。前記入力したX軸方向位置が前記初期値Xsにそれぞれ等しい位置になると、コントローラ90は、ステップS20にて「Yes」と判定して、ステップS22以降の処理を実行する。
ステップS22においては、コントローラ90は、発光信号供給回路81A,81Bの作動開始をそれぞれ指示する。この指示に応答して、発光信号供給回路81A,81Bは、それぞれ異なる第1及び第2周波数を有する正弦波状の発光制御信号を第1光源駆動回路82A,82Bにそれぞれ供給するとともに、前記第1及び第2周波数の発光制御信号とそれぞれ同期した矩形波状の参照信号を信号選択回路84にそれぞれ供給し始める。次に、コントローラ90は、ステップS24にて第1光源駆動回路82A,82Bの作動開始をそれぞれ指示する。これらの指示に応答して、第1光源駆動回路82A,82Bは、前記供給された第1及び第2周波数を有する発光制御信号に応じて正弦波状に変化する駆動制御信号を照射装置50A,50Bの各発光素子51、51に供給して、発光素子51、51をそれぞれ発光制御し始める。この場合、太陽電池SB上には遮光カーテン61が下げられているので、遮光カーテン61の一方側は第1周波数を有する駆動制御信号によって発光制御された光が照射され、遮光カーテン61の他方側は第2周波数を有する駆動制御信号によって発光制御された光が照射される。本実施形態においては、図10(又は図13)において、遮光カーテン61の下側の領域が第1周波数で発光制御された光が照射され、遮光カーテン61の上側の領域が第2周波数で発光制御された光が照射される。
次に、コントローラ90は、ステップS26にて第2光源駆動回路87の作動開始を指示する。この指示に応答して、第2光源駆動回路87は発光素子35A、35Bをそれぞれ発光させ、発光素子35A,35Bは、遮光カーテン61によって遮られて支持部材31A,31Bが属する2つの領域、特に支持部材31A,31Bの直下をそれぞれ照射し始める。次に、コントローラ90は、ステップS28にてセンサ信号取出回路83A,83Bの作動開始をそれぞれ指示する。これらの指示に応答して、センサ信号取出回路83A内の定電圧供給回路83a,83bは、磁気センサ10A内のX方向磁気センサ10Ax及びY方向磁気センサ10Ayに定電圧信号+V,−Vをそれぞれ供給し始める。また、センサ信号取出回路83B内の定電圧供給回路83a,83bは、磁気センサ10B内のX方向磁気センサ10Bx及びY方向磁気センサ10Byに定電圧信号+V,−Vをそれぞれ供給し始める。これにより、磁気センサ10AのX方向磁気センサ10Ax及びY方向磁気センサ10AyによるX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号と、磁気センサ10BのX方向磁気センサ10Bx及びY方向磁気センサ10ByによるX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号とが、信号選択回路85にそれぞれ供給され始める。
これらのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号について説明しておく。前記照射装置50Aの発光素子51に対する発光制御により、照射装置50Aは、その発光強度を第1周波数で正弦波状に変化させながら、遮光カーテン61の下側の領域の太陽電池SBの表面に均等に光を照射する(図10及び図13参照)。照射装置50Bの発光素子51に対する発光制御により、照射装置50Bは、その発光強度を第2周波数で正弦波状に変化させながら、遮光カーテン61の上側の領域の太陽電池SBの表面に均等に光を照射する(図10及び図13参照)。これらの光の照射により、遮光カーテン61の上下両側に位置する各太陽電池セルSCの部分は、第1及び第2周波数の発光強度に応じて第1及び第2周波数で大きさが変化する電力をそれぞれ発電し始める。これらの電力の発電により、各太陽電池セルSCには第1及び第2周波数の成分を有する電流が流れ始めるとともに、導線L1,L2を介して抵抗Rcsにも電流が流れ始める(図10及び図13の矢印参照)。そして、各太陽電池セルSCの表裏面近傍には、前記電流による磁界が発生する。
そして、磁気センサ10A,10BのX方向磁気センサ10Ax,10Bxは、磁気センサ10A,10B位置におけるX軸方向の磁界Hの強さに比例した電圧をX方向磁気検出信号としてそれぞれ出力し始める。また、磁気センサ10A,10BのY方向磁気センサ10Ay,10Byは、磁気センサ10A,10B位置におけるY軸方向の磁界Hの強さに比例した電圧をY方向磁気検出信号としてそれぞれ出力し始める。この場合、各太陽電池セルSCには第1及び第2周波数の成分を有する電流が流れるので、磁気センサ10A、10Bからそれぞれ出力されるX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号は、第1及び第2周波数の正弦波状信号を混合した信号である。ただし、磁気センサ10A、10Bからそれぞれ出力されるX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号にそれぞれ含まれる第1及び第2周波数の正弦波状信号の位相は、照射装置50A,50Bの発光素子51,51を駆動制御する第1及び第2周波数の正弦波状信号とはそれぞれ若干異なる。
前記ステップS28の処理後、コントローラ90は、図8BのステップS30にて変数mが「1」であるか否かを判定する。この場合、変数mが「1」であるので、コントローラ90は、ステップS30にて「Yes」と判定し、ステップS32に進む。ステップS32においては、コントローラ90は、信号選択回路84に対して発光信号供給回路81Aからの参照信号すなわち第1周波数の参照信号を選択するように指示するとともに、信号選択回路85に対してセンサ信号取出回路83Bからの出力信号すなわち磁気センサ10BからのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号を選択するように指示する。これらの指示により、信号選択回路84は発光信号供給回路81Aからの第1周波数の参照信号をロックインアンプ86に選択出力し、信号選択回路85は磁気センサ10BからのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号をロックインアンプ86に選択出力する。
ロックインアンプ86においては、磁気センサ10Bから入力されたX方向磁気検出信号がハイパスフィルタ86a及び増幅器86cを介して位相検波回路(乗算器)86d,86eにそれぞれ供給されるとともに、磁気センサ10Bから入力されたY方向磁気検出信号がハイパスフィルタ86b及び増幅器86iを介して位相検波回路(乗算器)86j,86kにそれぞれ供給される。位相検波回路86d,86jには、発光信号供給回路81Aからの第1周波数を有する矩形波状の参照信号が供給されている。また、位相検波回路86e,86kには、前記参照信号の位相を位相シフト回路86gで90度遅らせた遅延参照信号が供給されている。そして、位相検波回路86d,86eは、増幅器86cを介して供給されたX方向磁気検出信号に参照信号及び遅延参照信号をそれぞれ乗算して、乗算した信号をローパスフィルタ86f,86hを介してA/D変換器86o,86pにそれぞれ供給する。位相検波回路86j,86kは、増幅器86cを介して供給されたY方向磁気検出信号に参照信号及び遅延参照信号をそれぞれ乗算して、乗算した信号をローパスフィルタ86m,86nを介してA/D変換器86q,86rにそれぞれ供給する。
ここで、ローパスフィルタ86f,86h,86m,86nは供給された信号の成分の大きさを表す信号すなわち正弦波状の信号の振幅に比例した大きさを表す信号を出力するように機能する。したがって、A/D変換器86oには、X方向磁気検出信号の参照信号(すなわち発光制御信号)に同期した信号成分の大きさを表す信号が供給される。A/D変換器86pには、X方向磁気検出信号の参照信号から90度だけ位相の遅れた信号成分の大きさを表す信号が供給される。A/D変換器86qには、Y方向磁気検出信号の参照信号に同期した信号成分の大きさを表す信号が供給される。A/D変換器86rには、Y方向磁気検出信号の参照信号から90度だけ位相の遅れた信号成分の大きさを表す信号が供給される。そして、A/D変換器86o,86p,86q,86rは、それぞれ供給された信号を所定時間ごとにサンプリングしてA/D変換し、A/D変換したサンプリングデータをコントローラ90に供給する。したがって、コントローラ90には前記各信号成分の所定時間ごとの大きさを表すサンプリングデータが所定時間ごとに供給されるようになる。
この場合、ロックインアンプ86には、発光信号供給回路81Aから出力されて照射装置50Aを駆動制御した第1周波数の正弦波信号と同一周波数の参照信号が供給されるとともに、磁気センサ10Bから出力されるX方向磁気検出信号及びY軸方向磁気検出信号が供給されている。したがって、この場合、ロックインアンプ86のA/D変換器86o,86p,86q,86rから出力されるサンプリングデータは、照射装置50Aの光照射に基づく発電すなわち図10又は図13の遮光カーテン61の下側に位置する太陽電池セルSCの部分の発電による電流であって、図10又は図13の遮光カーテン61の上側に位置する太陽電池セルSCの部分(具体的には取出電極101又はバスバー電極207)に流れる電流によって発生する磁界に関するサンプリングデータである。
前記ステップS32の処理後、コントローラ90は、ステップS36にて、ロックインアンプ86のA/D変換器86o,86p,86q,86rから供給されるサンプリングデータを取込み、ステップS38にて取込んだ各サンプリングデータの数が所定数Kに達したか否かを判定する。この所定数Kは、例えば数個から数十個の各サンプリングデータの数を表す値に設定されている。各サンプリングデータの数が所定数Kに達していなければ、コントローラ90は、ステップS38にて「No」と判定して、ステップS36にてA/D変換器86o,86p,86q,86rから次に出力されるサンプリングデータを取込む。そして、A/D変換器86o,86p,86q,86rから取込んだ各サンプリングデータの数が所定数Kに達すると、コントローラ90は、ステップS38にて「Yes」と判定して、ステップS40に進む。ステップS36にて取込まれたサンプリングデータは、変数n,mによって指定されるサンプリングデータ群として、RAMに記憶される。
具体的には、A/D変換器86oから取込んだ所定数Kのサンプリングデータ、すなわちX方向磁気検出信号の参照信号と同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのデータは、サンプリングデータ群Sx1(n,m)としてRAMに記憶される。A/D変換器86pから取込んだ所定数Kのサンプリングデータ、すなわちX方向磁気検出信号の遅延参照信号と同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのデータは、サンプリングデータ群Sx2(n,m)としてRAMに記憶される。A/D変換器86pから取込んだ所定数Kのサンプリングデータ、すなわちY方向磁気検出信号の参照信号と同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのデータは、サンプリングデータ群Sy1(n,m)としてRAMに記憶される。A/D変換器86rから取込んだ所定数Kのサンプリングデータ、すなわちY方向磁気検出信号の遅延参照信号と同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのデータは、サンプリングデータ群Sy2(n,m)としてRAMに記憶される。そして、これらのサンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)は、前述のように、図10又は図13の遮光カーテン61の下側に位置する太陽電池セルSCの部分の発電による電流であって、図10又は図13の遮光カーテン61の上側に位置する太陽電池セルSCの部分(具体的には取出電極101又はバスバー電極207)に流れる電流によって発生する磁界に関するサンプリングデータである。なお、この場合の変数nは「1」であってX軸方向の検出位置を表し、変数mは「1」であって図10又は図13の遮光カーテン61の下側に位置する太陽電池セルSCの部分の発電による電流であって、図10又は図13の遮光カーテン61の上側に位置する太陽電池セルSCの部分(具体的には取出電極101又はバスバー電極207)に流れる電流によって発生する磁界に関するサンプリングデータであることを表す。
ステップS40においては、コントローラ90は変数mが「2」であるか否かを判定する。この場合、変数mは「1」であるので、コントローラ90は、ステップS40にて「No」と判定して、ステップS42にて変数mを「2」に設定してステップS30に戻る。ステップS30においては、コントローラ90は、前述のように、変数mが「1」であるか否かを判定する。この場合には、変数mは「2」であるので、コントローラ90は、ステップS30にて「No」と判定して、ステップS34に進む。ステップS34においては、コントローラ90は、信号選択回路84に対して発光信号供給回路81Bからの参照信号すなわち第2周波数の参照信号を選択するように指示するとともに、信号選択回路85に対してセンサ信号取出回路83Aからの出力すなわち磁気センサ10AからのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号を選択するように指示する。これらの指示により、信号選択回路84は発光信号供給回路81Bからの第2周波数の参照信号をロックインアンプ86に選択出力し、信号選択回路85は磁気センサ10AからのX方向磁気検出信号及びY方向磁気検出信号をロックインアンプ86に選択出力する。
この場合も、ロックインアンプ86は、変数mが「1」であった場合と同様に動作して、A/D変換器86o,86p,86q,86rから、X方向磁気検出信号の参照信号(すなわち発光制御信号)に同期した信号成分の大きさを表すサンプリングデータ、X方向磁気検出信号の参照信号から90度だけ位相の遅れた信号成分の大きさを表すサンプリングデータ、Y方向磁気検出信号の参照信号に同期した信号成分の大きさを表すサンプリングデータ、及びY方向磁気検出信号の参照信号から90度だけ位相の遅れた信号成分の大きさを表すサンプリングデータを、所定時間ごとにコントローラ90に供給する。ただし、この場合には、ロックインアンプ86には、発光信号供給回路81Bから出力されて照射装置50Bを駆動制御した第2周波数の正弦波信号と同一周波数の参照信号が供給されるとともに、磁気センサ10Aから出力されるX方向磁気検出信号及びY軸方向磁気検出信号が供給されている。したがって、この場合、ロックインアンプ86のA/D変換器86o,86p,86q,86rから出力されるサンプリングデータは、照射装置50Bの光照射に基づく発電すなわち図10又は図13の遮光カーテン61の上側に位置する太陽電池セルSCの部分の発電による電流であって、図10又は図13の遮光カーテン61の下側に位置する太陽電池セルSCの部分(具体的には取出電極102又はバスバー電極207)に流れる電流によって発生される磁界に関するサンプリングデータである。
前記ステップS34の処理後、コントローラ90は、前述したステップS36,S38の循環処理により、ロックインアンプ86のA/D変換器86o,86p,86q,86rから出力されるK個ずつのサンプリングデータを、サンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)としてRAMに記憶する。ただし、この場合、変数nは「1」であって前述した場合と同じX軸方向の検出位置を表すが、変数mは「2」であって図10又は図13の遮光カーテン61の上側に位置する太陽電池セルSCの部分の発電による電流であって、図10又は図13の遮光カーテン61の下側に位置する太陽電池セルSCの部分(具体的には取出電極102又はバスバー電極207)に流れる電流によって発生される磁界に関するサンプリングデータであることを表す。
前記ステップS36,38の循環処理後、コントローラ90は、ステップS40にて、ふたたび変数mが「2」であるか否かを判定する。この場合には、変数mは「2」であるので、コントローラ90は、ステップS40にて「Yes」と判定して、ステップS44に進む。ステップS44においては、コントローラ90は、値Xs+n・ΔXがX軸方向の終了値Xmaxよりも大きいか否かを判定する。値Xs+n・ΔXは、X軸方向の走査間隔を表す所定値ΔXに変数nを乗算して初期値Xsに加算した値であり、次のX軸方向の検出位置(X軸方向の走査位置すなわち測定位置)を表す値である。値Xs+n・ΔXが終了値Xmax以下であれば、コントローラ90は、ステップS44にて「No」と判定して、ステップS46に進む。
ステップS46〜S52の処理は、磁気センサ10A,10Bの中心位置をX軸方向の次の検出位置Xs+n・ΔXに移動させる処理である。まず、コントローラ90は、ステップS46にて、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bに、磁気センサ10A,10Bの中心位置をX軸方向正側に移動させるようにそれぞれ指示する。これにより、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bは、X方向モータ34A,34Bを作動させて、磁気センサ10A,10Bの中心位置をX軸方向正側にそれぞれ移動させ始める。次に、コントローラ90は、ステップS48にてX方向位置検出回路72A,72BからX軸方向位置をそれぞれ入力し、ステップS50にて、入力したX軸方向位置が次のX軸方向の検出位置にそれぞれ達したか否か(すなわち、X軸方向位置を示す値がそれぞれ値Xs+n・ΔX以上になったか否か)を判定して、前記入力したX軸方向位置が次のX軸方向の検出位置に達した側の磁気センサ10A,10Bに対応したX方向フィードモータ制御回路73A,73Bに磁気センサ10A,10BのX軸方向正側への移動を停止させることを指示する。これにより、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bは、X方向モータ34A,34Bの作動をそれぞれ停止させて、磁気センサ10A,10BのX軸方向正側への移動を停止させる。前記ステップS50の処理後、コントローラ90は、ステップS52にて、両磁気センサ10A,10Bの中心位置が次の検出位置Xs+n・ΔXに達して、両磁気センサ10A,10Bの移動が完了しているかを判定する。そして、両磁気センサ10A,10Bの中心位置が共に次の検出位置Xs+n・ΔXに達していなければ、コントローラ90は、ステップS52にて「No」と判定してステップS48〜S52の循環処理を実行し続ける。一方、磁気センサ10A,10Bの中心位置が共に次の検出位置Xs+n・ΔXに達していれば、コントローラ90は、ステップS52にて「Yes」と判定してステップS54に進む。その結果、磁気センサ10A,10Bは、値Xs+n・ΔXで表されたX軸方向位置を磁気センサ10A,10Bの検出位置として、太陽電池SBの磁界を検出し始める。
ステップS54においては、コントローラ90は、変数nに「1」を加算することにより、変数nを次の検出位置を表す値に変更する。次に、変数mを「1」に初期設定して、前述したステップS30〜S42のサンプリングデータの取込み処理を実行する。これらのステップS30〜S42の処理により、値Xs+(n−1)・ΔXで表されたX軸方向位置を検出位置とする磁気センサ10A,10Bの磁界検出によるサンプリングデータがそれぞれRAMに新たに記憶される。具体的には、X方向磁気検出信号の参照信号及び遅延参照とそれぞれ同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのサンプリングデータが、サンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m)としてRAMに記憶される。また、Y方向磁気検出信号の参照信号及び遅延参照信号とそれぞれ同期した信号成分の大きさを表す所定数Kのサンプリングデータが、サンプリングデータ群Sy1(n,m),Sy2(n,m)としてRAMに記憶される。なお、この場合の変数nは「2」であり、変数mは「1」及び「2」である。
そして、コントローラ90は、次のX軸方向の検出位置(X軸方向の走査位置)を表す値Xs+n・ΔXが終了値Xmaxよりも大きくなるまで、ステップS30〜S56の処理により、磁気センサ10A,10Bによる検出位置をX軸方向正側に所定値ΔXずつ移動させるとともに、変数nを「1」ずつ増加させながら、サンプリングデータを取込む。そして、次のX軸方向の検出位置を表す値Xs+n・ΔXが終了値Xmaxよりも大きくなると、コントローラ90は、ステップS44にて「Yes」と判定して、ステップS58以降に進む。この状態では、サンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)(n=1,2,3・・・nmax,m=1,2)がRAMに記憶される。なお、値nmaxは、終了値Xmax直前の検出位置によるサンプリングデータ群に関する変数nの値であって、X軸方向における検出位置の数を表している。
コントローラ90は、ステップS58にてセンサ信号取出回路83A,83Bの作動停止をそれぞれ指示し、ステップS60にて第1光源駆動回路82A,82Bの作動停止をそれぞれ指示し、ステップS62にて第2光源駆動回路87の作動停止を指示し、ステップS64にて発光信号供給回路81A,81Bの作動停止をそれぞれ指示する。これらの作動停止の指示により、照射装置50A,50Bの各発光素子51,51、発光素子35A,35B、発光信号供給回路81A,81B、第1光源駆動回路82A,82B、センサ信号取出回路83A,83B、ロックインアンプ86、第2光源駆動回路87及び磁気センサ10A,10Bの作動が停止する。前記ステップS64の処理後、コントローラ90は、ステップS66にて、移動部材32A,32BをX軸方向駆動限界位置まで移動させることをX方向位置検出回路72A,72B及びX方向フィードモータ制御回路73A,73Bにそれぞれ指示する。これにより、X方向フィードモータ制御回路73A,73Bは、前述の初期設定のように、X方向位置検出回路72A,72Bと協働して、移動部材32A,32BをX軸方向駆動限界位置まで移動させる。
次に、コントローラ90は、ステップS68にて遮光カーテン用モータ駆動回路76に対して遮光解除を指示して、ステップS70にてデータ取得プログラムの実行を終了する。遮光カーテン用モータ駆動回路76は、カーテン用モータ64を回転させて、遮光カーテン61を上限位置まで巻上げる。そして、遮光カーテン61が上限位置まで持ち上げられると、遮光カーテン用モータ駆動回路76は、カーテン用モータ64の作動を停止させて遮光カーテン61の巻上げ動作を終了する。これにより、太陽電池SBにおける検出領域の分離が解除される。
次に、前記データ取得プログラムで取得した所定数Kずつのサンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)(n=1〜nmax,n=1,2)を用いて、太陽電池SBを評価する方法について説明する。この場合、作業者は、入力装置91を操作して、コントローラ90に図9A乃至図9Fの評価プログラムを実行させる。この評価プログラムにおいては、太陽電池SBの合否判定が行われたり、作業者が太陽電池SBの合否を判定するために、太陽電池SBの電極位置における電流の大きさと向きである電流分布の画像が表示装置に表示される。そこで、評価プログラムを説明する前に、太陽電池セルSCの電極に異常が発生した場合について説明しておく。
まず、図10、図11A及び図11Bに示す第1タイプの太陽電池SBの異常について説明する。この種の太陽電池セルSCにおいては、取出電極101,102が内部電極106,108に導電性ペースト又は半田により接続されているので、取出電極101,102と内部電極106,108との間の接続不良が異常の原因となる。
1つの太陽電池セルSCにおいて、正常な場合と異常な場合(前記接続不良の場合)との電流の分布について、図12を用いて説明する。(A)は、1つの太陽電池セルSCに着目して1対の取出電極101,102の間に抵抗Rcsを接続した等価回路を示し、×印位置にて、取出電極101と内部電極106との間に接続不良の異常が発生している状態を示している。(B)は、実線により、太陽電池セルSCが正常な状態において、取出電極101の位置における電流の大きさを、取出電極101のX軸方向位置に対応させて示している。また、(B)は、破線により、太陽電池セルSCに前記異常が発生した状態において、取出電極101の位置における電流の大きさを、取出電極101のX軸方向位置に対応させて示している。この場合、X軸方向位置に応じて電流の大きさが変化するのは、(A)の矢印のように電流が流れるため、すなわち右側位置に流れる電流は左側位置にも重なって流れるためである。なお、この場合の電流の大きさとは、電流の向きとは無関係な電流の大きさの絶対値(後述するIxy)である。したがって、(B)のグラフからは、太陽電池セルSCが正常な場合と異常な場合とでは、電流の大きさの変化において差があまり大きくなく、電流の大きさは共に滑らかに変化していることが分かる。これは、接続不良の異常箇所においても、取出電極101及び内部電極106自体には、異常が発生しているわけではなく、取出電極101及び内部電極106が延設されているY軸方向には前記接続不良の異常とは無関係に充分な電流が流れ得るからであると推定される。
一方、(C)は、実線により、太陽電池セルSCが正常な状態において、取出電極101の位置におけるY軸方向(取出電極101に直交する方向)の電流の大きさを、取出電極101のX軸方向位置に対応させて示している。また、(C)は、破線により、太陽電池セルSCに前記異常が発生した状態において、取出電極101の位置におけるY軸方向の電流の大きさを、取出電極101のX軸方向位置に対応させて示している。この場合も、X軸方向位置に応じて電流の大きさが変化するのは、(A)の矢印のように電流が流れるため、すなわち右側位置に流れる電流は左側位置にも重なって流れるためである。そして、(C)のグラフからは、太陽電池セルSCが正常な場合と異常な場合とでは、Y軸方向の電流の大きさの変化において差が大きく、正常な場合にはY軸方向の電流の大きさは滑らかに変化しているが、異常な場合にはY軸方向の電流の大きさは異常箇所近傍で大きく変動していることが分かる。これは、接続不良の異常箇所において、異常箇所を避けて電流がX軸方向に傾いて流れ、Y軸方向の電流の大きさが減少するためであると推定される。
一方、(D)は、実線により、太陽電池セルSCが正常な状態において、取出電極101の位置近傍におけるY軸方向(取出電極101に直交する方向)の電流の大きさを、取出電極101のX軸方向位置に対応させて示している。また、(D)は、破線により、太陽電池セルSCに前記異常が発生した状態において、取出電極101の位置近傍におけるY軸方向電流の大きさを、取出電極101のX軸方向位置に対応させて示している。この場合も、X軸方向位置に応じて電流の大きさが変化するのは、太陽電池セルSCにおいて(A)の矢印のように電流が流れるため、すなわち右側位置に流れる電流は左側位置にも重なって流れるためである。そして、(D)のグラフからは、太陽電池セルSCが正常な場合と異常な場合とでは、(C)の場合よりも、Y軸方向の電流の大きさの変化において差が大きく、正常な場合にはY軸方向の電流の大きさは滑らかに変化しているが、異常な場合にはY軸方向の電流の大きさは異常箇所近傍で大きく変動していることが分かる。これも、接続不良の異常箇所において、異常箇所を避けて電流がX軸方向に傾いて流れ、Y軸方向の電流が減少するためであると推定される。
本発明は、これらの取出電極101の位置又は位置近傍におけるX軸方向の電流の大きさの変化に着目してなされたもので、後述する説明では、このY軸方向の電流の大きさをIyとして説明する。また、取出電極102と内部電極108との間の接続不良による異常の発生時においても同じ結果を得ている。すなわち、本発明は、取出電極101,102の位置又はその近傍位置におけるY軸方向の電流の大きさIyのX軸方向に沿った変化において、Y軸方向の電流の大きさIyの変動が接続不良部分の近傍にて大きくなることに着目して、取出電極101,102と内部電極106,108との接続不良を検出するようにしている。
なお、本実施形態においては、図12(A)に示すように、取出電極101,102の間のY軸方向の中央位置にて、遮光カーテン61をX軸方向に沿って配置するようにしている。そして、遮光カーテン61の図示下側の領域に照射される光は第1周波数の駆動制御信号に基づくものであり、遮光カーテン61の図示上側の領域に照射される光は第2周波数の駆動制御信号に基づくものである。また、遮光カーテン61の図示下側の領域に流れる電流によって発生される磁界は磁気センサ10Aによって検出され、遮光カーテン61の図示上側の領域に流れる電流によって発生される磁界は磁気センサ10Bによって検出される。したがって、前述した変数m(1又は2)を用いた磁界の検出(図8BのステップS30〜S42参照)によれば、取出電極101の位置又は位置近傍に流れる電流によって発生される磁界は遮光カーテン61の図示下側の領域の発電に基づく電流によるものであり(m=「1」に対応)、取出電極102の位置又は位置近傍に流れる電流によって発生される磁界は遮光カーテン61の図示上側の領域の発電に基づく電流によるものである(m=「2」に対応)。
次に、図13、図14A及び図14Bに示す第2タイプの太陽電池SBの異常について説明する。図17は、太陽電池セルSCの電極の1つが断線している場合における電流の大きさの分布の実験結果を示している。(A)は、遮光カーテン61の両側に位置する各1つずつの太陽電池セルSCに着目して、一方の太陽電池セルSCのバスバー電極207,207と他方の太陽電池セルSCの裏面電極201,201との間に抵抗Rcsを接続した等価回路を示している。なお、電流の方向は、図示右方向を正とする。この状態で、図示上側の太陽電池セルSCにおいて、図示上下のバスバー電極207,207に流れる電流の大きさは、X軸方向位置において次のように変化する。まず、断線が生じていない場合には、図示上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさの分布は、(B)のAに示すように、X軸方向位置が変化してもほぼ一定となった。一方、上側のバスバー電極207側を断線させた場合((A)のB断線)、図示上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさは、(B)のBに示すように、断線箇所に近い左部であるX軸方向位置では小さく、右方に向かうに従って大きくなる。また、上側の裏面電極201側を断線させた場合((A)のC断線)、図示上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさは、(B)のCに示すように、断線箇所に遠い左部であるX軸方向位置では大きく、右方に向かうに従って小さくなる。これらは、断線箇所に近い位置の電流が流れ難く、断線した位置から離れるに従って、グリッド電極206などを介して流れ込む電流が増加するためであると推定される。
(C)は、前述したA,B,Cの条件下で、図示上側の太陽電池セルSCにおける下側のバスバー電極207に流れる電流の大きさのX軸方向における分布を示している。この場合、(B)の場合とは逆に、上側のバスバー電極207の断線箇所に近いX軸方向位置の電流の大きさは大きく、前記断線箇所から離れたX軸方向位置ほど電流の大きさは小さくなる。これは、上側のバスバー電極207を流れることができなくなった分の電流が下側のバスバー電極207に流れ込んでいるためと推定される。このように、バスバー電極207側及び裏面電極201側を断線させた場合には、上側及び下側のバスバー電極207,207に流れる電流の大きさは、断線してない場合に比べて極めて大きく変化することが分かる。なお、前記説明では、電流の大きさ(電流の絶対値)の変化について説明したが、バスバー電極207内を流れる電流の向きはほぼX軸方向であるので、X軸方向の電流の大きさを用いても同じ結果が得られる。
図18は、図示上側の太陽電池セルSCにおいて、上側のバスバー電極207の接触抵抗rが大きい場合における電流の大きさの分布の実験結果を示している。(A)は、図17の場合と同様に、遮光カーテン61の両側に位置する各一つずつの太陽電池セルSCに着目して、遮光カーテン61の一方の側に位置する太陽電池セルSCのバスバー電極207,207と、他方の側に位置する太陽電池セルSCの裏面電極201,201との間に抵抗Rcsを接続した等価回路を示している。そして、接触抵抗rを、図示上側の太陽電池セルSCにおける図示上側のバスバー電極207に、50cm及び150cmの電線を直列に接続することにより実現している。なお、上下のバスバー電極207,207間の距離は、例えば5cmである。また、この場合も、電流の方向は、図示右方向を正とする。このような接触抵抗rにより、図示上側の太陽電池セルSCにおける上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさは、X軸方向位置において次のように変化する。まず、正常時(前記上側のバスバー電極207に接触抵抗rが接続されていない場合)には、前記上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさの分布は、(B)のAに示すように、X軸方向位置が変化してもほぼ一定となった。一方、前記上側のバスバー電極207に50cmの電線を直列に接続した場合には、前記上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさは、(B)のBに示すように、接触抵抗rが大きい左部であるX軸方向位置では小さく、右方に向かうに従って大きくなる。また、前記上側のバスバー電極207に150cmの電線を直列に接続した場合には、前記上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさは、(B)のCに示すように、接触抵抗rが大きい左部であるX軸方向位置ではさらに小さくなる。これらは、接触抵抗rが大きくて電流が流れ難い位置の電流が小さくなり、前記電流が流れ難い位置から離れるに従って、グリッド電極206などを介して流れ込む電流が増加するためであると推定される。そして、この電流の変化は、前記図17の断線の場合に比べて小さいものである。
(C)は、前述したA,B,Cの条件下で、図示上側の太陽電池セルSCの下側のバスバー電極207に流れる電流の大きさのX軸方向における分布を示している。この場合には、(B)の場合とは異なり、前記上側のバスバー電極207の接触抵抗rの大きなX軸方向位置の電流の大きさはある程度大きく、前記断線箇所から離れたX軸方向位置の電流の大きさはある程度小さい。この場合も、前記上側のバスバー電極207を流れることができなくなった分の電流が前記下側のバスバー電極207に流れ込んでいるためと推定される。このように、前記上側のバスバー電極207側の接触抵抗が大きくなった場合も、前記断線の場合よりはその変化は小さいが、前記下側のバスバー電極207,207に流れる電流の大きさは、接触抵抗が正常な場合に比べて極めて大きく変化することが分かる。また、裏面電極201側の接触抵抗が大きくなった場合も、同様な現象が現われる。なお、この場合も、前記説明では、電流の大きさ(電流の絶対値)の変化について説明したが、バスバー電極207内を流れる電流の向きはほぼX軸方向であるので、X軸方向の電流の大きさを用いても同じ結果が得られる。
図19は、図示上側の太陽電池セルSCにおいて、バスバー電極207とグリッド電極206との間に接触不良が生じている場合における電流の大きさの分布の実験結果を示している。(A)は、図17及び図18の場合と同様に、遮光カーテン61の両側に位置する各一つずつの太陽電池セルSCに着目して、図示上側の太陽電池セルSCの上側のバスバー電極207が図示右部位置(図示×印位置)にてグリッド電極206と接触不良である状態の等価回路を示している。なお、この場合も、電流の方向は、図示右方向を正とする。この状態で、前記図示上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさは、X軸方向位置において次のように変化する。まず、バスバー電極207とグリッド電極206との間に接触不良が生じていない場合には、前記図示上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさの分布は、(B)のAに示すように、若干は変化するもののX軸方向位置が変化してもほぼ一定となった。一方、前記バスバー電極207とグリッド電極206との間に接触不良が生じた場合、前記図示上側のバスバー電極207に流れる電流の大きさは、(B)のBに示すように、接触不良位置から遠い左部であるX軸方向位置では大きく、接触不良位置である右方に向かうに従って小さくなる。これは、接触不良位置では、バスバー電極207に流れる電流が減少するためであると推定される。
(C)は、前述したA,Bの条件下で、図示上側の太陽電池セルSCにおける下側のバスバー電極207に流れる電流の大きさのX軸方向における分布を示している。この場合、(B)の場合とは逆に、前記上側のバスバー電極207の接触不良に近い右部であるX軸方向位置の電流の大きさは大きく、前記接触不良箇所から離れたX軸方向位置ほど電流の大きさは小さくなる。これは、前記上側のバスバー電極207を流れることができなくなった分の電流が前記下側のバスバー電極207に流れ込んでいるためと推定される。このように、前記バスバー電極207とグリッド電極206との間に接触不良が生じた場合も、前記上側及び下側のバスバー電極207,207に流れる電流の大きさは、接触不良が生じていない場合に比べて極めて大きく変化することが分かる。なお、前記説明では、電流の大きさ(電流の絶対値)の変化について説明したが、この場合も、バスバー電極207内を流れる電流の向きはほぼX軸方向であるので、X軸方向の電流の大きさを用いても同じ結果が得られる。
次に、評価プログラムの実行について説明する。この評価プログラムの実行は図9AのステップS100にて開始され、コントローラ90は、ステップS102にて変数n,mをそれぞれ「1」に初期設定する。変数n(n=1〜nmax)は、この場合も、X軸方向における検出位置を指定するための変数であり、変数m(1,2)は第1及び第2周波数を用いた磁界の検出すなわちY軸方向の電極位置(取出電極101,102、バスバー電極207)を指定するための変数である。そして、値nmaxは、前述のように、それぞれX軸方向における検出位置の数を表している。前記ステップS102の処理後、コントローラ90は、ステップS104にて、変数n,mによって指定される所定数Kずつのサンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)の磁界の大きさの各平均値Sx1,Sx2,Sy1,Sy2を計算する。具体的には、各サンプリングデータ群Sx1(n,m),Sx2(n,m),Sy1(n,m),Sy2(n,m)ごとに、K個のサンプリングデータを加算して値Kで除算する。
次に、コントローラ90は、ステップS106にて、前記計算した平均値Sx1,Sx2を用いた下記式1,2の演算の実行により、X方向磁気検出信号の極大値Hxと、X方向磁気検出信号の参照信号に対する位相シフト量θxとを計算する。
Hx=(Sx12+Sx22)1/2 …式1
θx=tan-1(Sx2/Sx1) …式2
これにより、X方向磁気検出信号としてHx・sin(2πft+θx)が検出されたことになる。なお、fは、発光信号供給回路81A,81Bから出力される発光信号及び参照信号の第1及び第2周波数を表す。
次に、コントローラ90は、ステップS108にて、前記計算した平均値Sy1,Sy2を用いた下記式3,4の演算の実行により、Y方向磁気検出信号の極大値Hyと、Y方向磁気検出信号の参照信号に対する位相シフト量θyとを計算する。
Hy=(Sy12+Sy22)1/2 …式3
θy=tan-1(Sy2/Sy1) …式4
これにより、Y方向磁気検出信号としてHy・sin(2πft+θy)が検出されたことになる。
次に、コントローラ90は、ステップS110にて、前記計算したHx,θx,Hy,θyを用いた下記式5,6の演算の実行により、照射装置50A,50Bの発光量すなわち通電電流が最大となるタイミング(前記X方向磁気検出信号Hx・sin(2πft+θx)及び前記Y方向磁気検出信号Hy・sin(2πft+θy)における2πftがπ/2のタイミング)における、検査位置の磁界の強さHxy及び磁界の向きθxyを計算する。この場合、通電電流が最大となるタイミングを採用した理由は、位相シフト量θx,θyは小さく、通電電流が最大となるタイミング近傍で検査位置の磁界の強さHxyが最大値近傍の値になるためである。なお、位相シフト量θx,θyが小さくなく、通電電流が最大となるタイミング近傍で検査位置の磁界の強さHxyが最大値近傍にならない場合には、磁界の強さHxyが最大値近傍になるようなタイミングの角度をπ/2に代えて用いればよい。
Hxy=[{Hx・sin(π/2+θx)}2+{Hy・sin(π/2+θy)}2]1/2 …式5
θxy=tan-1{Hy・sin(π/2+θy)}/{Hx・sin(π/2+θx)} …式6
次に、コントローラ90は、ステップS112にて、太陽電池SBに流れる電流は前記磁界の強さHxyに比例し、かつ方向が磁界の方向θxyとπ/2異なることから、前記計算したHxy,θxyを用いた下記式7,8の演算の実行により、通電電流が最大となるタイミングにおける、太陽電池SBの検査位置に流れる電流の大きさIxy及び方向θixyを計算する。ただし、値Kは、比例定数である。
Ixy=K・Hxy …式7
θixy=θxy+π/2 …式8
そして、このステップS112にて、前記計算された電流の大きさIxy及び方向θixyは、太陽電池SBのX軸方向の検査位置を表す変数n及びY軸方向の電極位置(遮光カーテン61のいずれか側)を表す変数mを用いて電流の大きさデータIxy(n,m)及び方向データθixy(n,m)としてRAM又は記憶装置に記憶される。
次に、コントローラ90は、ステップS114にて、前記計算したIxy,θixyを用いた下記式9,10の演算の実行により、太陽電池SBの検査位置においてX軸方向及びY軸方向に流れる電流の大きさIx,Iyを計算する。
Ix=Ixy・cosθixy …式9
Iy=Ixy・sinθixy …式10
そして、このステップS114にて、前記計算された電流の大きさIx,Iyも、太陽電池SBのX軸方向の検査位置を表す変数n及びY軸方向の電極位置(遮光カーテン61のいずれか側)を表す変数mを用いて電流の大きさデータIx(n,m),Iy(n,m)としてRAM又は記憶装置に記憶される。
次に、コントローラ90は、ステップS116にて変数nがX軸方向の検出位置数を表す値nmaxに達したか否かを判定する。変数nが値nmaxに達していなければ、コントローラ90は、ステップS116にて「No」と判定し、ステップS118にて変数nに「1」を加算してステップS104に戻る。そして、前述したステップS104〜S114の処理を実行した後、コントローラ90は、ステップS116にてふたたび変数nが値nmaxに達したか否かを判定する。変数nが値nmaxに達しない限り、ステップS104〜118の処理が繰り返し実行される。
このようなステップS104〜S118の繰り返し処理中、変数nが値nmaxに達すると、コントローラ90は、ステップS116にて「Yes」と判定して、ステップS120に進む。この状態では、変数n(=1〜nmax)及び変数m(=1)によって指定される電流の大きさデータIxy(n,m)及び方向データθixy(n,m)、並びにX軸方向及びY軸方向の電流の大きさデータIx(n,m),Iy(n,m)が、RAM又は記憶装置に記憶されている。
ステップS120においては、コントローラ90は、変数mが「2」であるか否かを判定する。変数mが「1」であれば、コントローラ90は、ステップS120にて「No」と判定して、ステップS122にて変数mを「2」に設定し、ステップS124にて変数nを「1」に設定して、ステップS104に戻る。以降、コントローラ90は、変数nが値nmaxに達するまで、ステップS118の処理によって変数nを順次「1」ずつ増加させながら、ステップS104〜S118からなる循環処理を繰り返し実行する。そして、変数nが値nmaxに達すると、コントローラ90は、ステップS116にて「Yes」と判定して、ステップS120に進む。この場合、変数mは前記ステップS122の処理によって「2」に設定されているので、変数n(=1〜nmax)及び変数m(=2)によって指定される電流の大きさデータIxy(n,m)及び方向データθixy(n,m)、並びにX軸方向及びY軸方向の電流の大きさデータIx(n,m),Iy(n,m)が、RAM又は記憶装置に記憶される。
前記ステップS120における「Yes」との判定後、コントローラ90は、ステップS126にて、検査対象である太陽電池SBが太陽電池セルSC内にそれぞれ電池の直列接続構造を有するもの(図10の第1タイプの太陽電池SB)であるか否かを判定する。検査対象である太陽電池SBが太陽電池セルSC内にそれぞれ電池の直列接続構造を有するものであれば、コントローラ90は、ステップS126にて「Yes」と判定して、図9BのステップS130以降に進む。この時点では、太陽電池SBのX軸方向の検査位置を表す変数n(=1〜nmax)及びY軸方向の電極位置(遮光カーテン61のいずれか側)を表す変数m(=1,2)によって指定される電流の大きさデータIxy(n,m)、電流の方向データθixy(n,m)、X軸方向の電流の大きさデータIx(n,m)及びY軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)が、RAM又は記憶装置に記憶されている。
ステップS130においては、コントローラ90は、変数mを「1」に初期設定する。この場合、変数mが「1」であることは、前述のように、図10において各太陽電池セルSCの上側の電極すなわち取出電極101位置の磁界及び電流の検出に関することを意味する。そして、ステップS132において、コントローラ90は、X軸方向の磁気センサ10A,10Bの検出位置を示す変数nを「1」に初期設定し、取出電極101(又は102)のX軸方向の検出位置の数(取出電極101,102の長さをX軸方向の移動距離単位ΔXで除した数)をカウントするための変数pを「0」に初期設定し、取出電極101(又は102)のX方向電極番号gを「1」に初期設定する。次に、コントローラ90は、ステップS134にて、変数n、mによって指定されるY軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)が所定の小さな基準値以上であるかを判定することにより、変数nによって示される検出位置が取出電極101の位置にあるか、取出電極101の間の接続線111にあるかを判定する。これは、変数nによって指定されるX軸方向位置が取出電極101に対応した位置にあるときには、Y軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)はある程度大きな値を示す(図10参照)が、変数nによって指定されるX軸方向位置が取出電極101の間の接続線111に対応した位置にあるときには、Y軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)はほぼ「0」である。
したがって、変数nによって指定されるX軸方向位置が取出電極101に対応する位置であれば、コントローラ90は、ステップS134にて「Yes」と判定して、ステップS136にて変数pに「1」を加算し、ステップS138にて変数nに「1」を加算して、ステップS134に戻る。変数nの増加によって検出位置がX軸方向に移動されても、検出位置が取出電極101に対応する位置である限り、前記ステップS134〜S138の循環処理が繰り返し実行されて、変数pが変数nの増加に従って増加する。このステップS134〜S138の循環処理中、検出位置が取出電極101を超えて接続線111の領域に入ると、コントローラ90は、ステップS134にて「No」と判定して、ステップS140に進む。
ステップS140においては、コントローラ90は、前記変数pが所定数以上であるかを判定する。この場合、所定数は、取出電極101の長さを移動距離単位ΔXで除した値よりも若干小さな値であり、前記入力した太陽電池セルSCのX軸方向の長さと移動距離単位ΔXとにより予め決められた値である。取出電極101の位置に対応したY軸方向の電流の大きさIy(n,m)が正確に検出されていれば、変数pは所定数以上であるので、コントローラ90はステップS140にて「Yes」と判定して、ステップS142にてY軸方向の電流の大きさデータIy(n−p,m)〜Iy(n−1,m)に電極番号gを割当てる。そして、コントローラ90は、ステップS144にて、電極番号gに「1」を加算して、ステップS146に進む。これは、図10のX軸方向に沿って次の取出電極101の検出を意味する。
また、前記ステップS140の判定処理において、「No」すなわち変数pが所定数未満である場合には、コントローラ90は、ステップS140にて「No」と判定して、ステップS142,S144の処理を実行しないで、ステップS146に進む。この場合、Y軸方向の電流の大きさデータIy(n−p,m)〜Iy(n−1,m)に電極番号gの割当ては行われない。
ステップS146においては、変数nが値nmax(すなわち終了値Xmax直前の検出位置によるサンプリングデータ群に関する変数nの値)に達したかが判定される。変数nが値nmaxに達していなければ、コントローラ90は、ステップS146にて「No」と判定して、ステップS148にて変数pを「0」に初期設定して、ステップS138に進む。コントローラ90は、前述のように、ステップS138にて変数nに「1」を加算し、ステップS134の判定処理をふたたび実行する。ステップS134の処理は、前述のように、X軸方向の検出位置が取出電極101に対応しているか、取出電極101,101間の接続線111に対応しているかを判定する処理である。そして、検出位置が接続線111に対応した位置にある状態では、Y軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)は基準値未満であり、コントローラ90は、ステップS134にて「No」と判定して、ステップS140に進む。この場合、変数pは前記ステップS148の処理により「0」に保たれるので、コントローラ90は、ステップS140にて「No」と判定し続けて、ステップS146,S148,S138,S134,S140の循環処理を繰り返し実行する。
この循環処理中、ステップS138による変数nの増加により、検出位置が取出電極101に対応した位置まで来ると、前述の場合と同様に、コントローラ90は、ステップS134にて「Yes」と判定して、ステップS134〜S138の循環処理を繰り返し実行する。そして、検出位置が接続線111の領域に入ると、前述のように、コントローラ90は、ステップS134にて「No」と判定して、ステップS140〜S144の処理を実行する。そして、これらのステップS140〜S144の処理により、X軸方向の次の取出電極101に対応したY軸方向の電流の大きさデータIy(n−p,m)〜Iy(n−1,m)に次の電極番号gが割当てられる。また、変数pが所定数未満のときには、ステップS140における「No」との判定のもとに、電極番号gの割当ては行われない。
これらのステップS140〜S144の処理後、コントローラ90は、前記ステップS146,S148の処理を実行して、ふたたびステップS138に進む。これにより、変数nの増加により、図10に示すX軸方向に一列に延設された複数の取出電極101に対応したY軸方向の電流の大きさデータIy(n−p,m)〜Iy(n−1,m)に次々に電極番号g(g=1〜smax)が割当てられていく。そして、変数nが値nmaxに達すると、コントローラ90は、ステップS146にて「Yes」と判定し、ステップS150にて変数gが初期に入力したX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに等しいか否かを判定する。この判定処理は、前記ステップS130〜S148の処理によってX軸方向の全ての取出電極101が検出された否かを判定するものである。全ての取出電極101が正確に検出されていれば、変数gは前記数smaxに等しく、コントローラ90は、ステップS150にて「Yes」と判定して、ステップS152に進む。一方、取出電極101が正確に検出されていなければ、変数gは前記数smaxに等しくなく、コントローラ90は、ステップS150にて「No」と判定して、図9CのステップS190に進む。
まず、全ての取出電極101が正確に検出された場合について説明すると、ステップS150における「Yes」との判定後、コントローラ90は、ステップS152にて変数mが「2」であるか否かを判定する。この場合、変数mは「1」であるので、コントローラ90は、ステップS152にて「No」と判定し、ステップS154にて変数mを「2」に設定して、ステップS132に戻る。そして、コントローラ90は、ステップS132にて、ふたたび、変数n,gを「1」にそれぞれ初期設定するとともに、変数pを「0」に初期設定した後、前述したステップS134〜S148からなる循環処理を変数nが値nmaxになるまで繰り返し実行する。
この場合、変数mは「2」であり、変数mが「2」であることは、前述のように、図10において各太陽電池セルSCの下側の電極すなわち取出電極102位置の磁界及び電流の検出に関することを意味する。したがって、変数mを「2」に設定した後の前記ステップS134〜S148からなる循環処理においては、図10に示すX軸方向に一列に延設された複数の取出電極102に対応したY軸方向の電流の大きさデータIy(n−p,m)〜Iy(n−1,m)に次々に電極番号g(g=1〜smax)が割当てられる。そして、変数nが値nmaxに達すると、コントローラ90は、ステップS146に「Yes」と判定して、ステップS150にて、ふたたび変数gが初期に入力したX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに等しいか否かを判定する。この場合も、全ての取出電極102が正確に検出されていれば、変数gは前記数smaxに等しく、コントローラ90は、ステップS150にて「Yes」と判定して、ステップS152に進む。そして、この場合には、変数mは「2」に設定されているので、コントローラ90は、ステップS152にて「Yes」と判定して、図9CのステップS160に進む。一方、この場合も、取出電極102が正確に検出されていなければ、変数gは前記数smaxに等しくなく、コントローラ90は、前述のように、ステップS150にて「No」と判定して、図9CのステップS190に進む。
まず、全ての取出電極101が正確に検出され、かつ全ての取出電極102が正確に検出された場合について説明すると、コントローラ90は、ステップS160にて変数mを「1」に初期設定し、ステップS164にて電極番号gを指定するための変数sを「1」に初期設定する。その後、コントローラ90は、ステップS164にて変数sに等しい電極番号gが割当てられ、かつ変数m(=1)によって指定されるY軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)を抽出する。すなわち、電極番号g(=s)によって指定される取出電極101の位置又はその近傍位置における、Y軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)が抽出される。なお、このY軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)は、「1」ずつ順次増加する変数nによって指定される取出電極101のX軸方向の長さ分のデータ数を含む。
前記ステップS164の処理後、コントローラ90は、ステップS166にて、前記抽出したY軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)を用いて次のような計算を実行する。まず、前記抽出したY軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)を、変数nが増加する方向に連続して所定数ごとの複数のグループ(例えば、5〜10程度のグループ)に振り分ける。ただし、最も大きな変数nを含むグループにおけるデータ数は前記所定数よりも小さい可能性があるが、他のグループのデータ数は前記所定数となる。このグループへの振り分け後、グループごとに、前記抽出したY軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)の平均値の絶対値を平均値A(s,m)としてそれぞれ計算する。
次に、グループごとに、前記抽出したY軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)の最大値から最小値を減算して、減算結果を前記計算した平均値A(s,m)で除算して、除算結果である(最大値−最小値)/A(s,m)をグループごとの評価データB(s,m)とする。次に、グループごとに、前記抽出したY軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)の標準偏差を前記計算した平均値A(s,m)で除算して、除算結果である標準偏差/A(s,m)をグループごとの評価データC(s,m)とする。なお、この状態では、前記振り分けたグループ数分の評価データB(s,m),C(s,m)がそれぞれ計算されることになる。そして、これらの評価データB(s,m),C(s,m)は、Y軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)の変動を表すデータとして機能する。
前記ステップS166の処理後、コントローラ90は、ステップS168にて、グループごとの評価データB(s,m)のうちのいずれかが所定の許容値よりも大きいか否かを判定するとともに、グループごとの評価データC(s,m)のうちのいずれかが所定の許容値よりも大きいか否かを判定する。なお、前記所定の許容値は、評価データB(s,m)と評価データC(s,m)とで異なる値に設定されている。前記評価データB(s,m)が所定の許容値よりも大きいか、又は前記評価データC(s,m)が所定の許容値よりも大きければ、コントローラ90は、ステップS168にて「Yes」と判定して、ステップS170にてエラーデータEr(s,m)を「1」に設定して、ステップS172に進む。一方、前記評価データB(s,m)が所定の許容値以下であり、かつ前記評価データC(s,m)も所定の許容値以下であれば、コントローラ90は、ステップS168にて「No」と判定して、ステップS172に進む。これにより、変数s,m(=1)によって指定される取出電極101に異常(取出電極101と内部電極106との接続不良)が発生し、図12を用いて前述したように、Y軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n,m)の変動が大きければ、変数s,mによって指定されるエラーデータEr(s,m)が「1」に設定される。この「1」に設定されたエラーデータEr(s,m)は、RAM又は記憶装置に記憶される。
ステップS172においては、変数sが前記入力したX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに達したか否かを判定する(図10参照)。変数sがX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに達していなければ、コントローラ90は、ステップS172にて「No」と判定し、ステップS174にて変数sに「1」を加算して、ステップS164に戻る。そして、コントローラ90は、前述したステップS164〜S170の処理により、図10のX軸方向の次の取出電極101に関して、所定数からなるグループごとに、平均値A(s,m)及び評価データB(s,m),C(s,m)を計算するとともに、これらの評価データB(s,m),C(s,m)を評価し、前記取出電極101に異常が発生していれば、エラーデータEr(s,m)を「1」に設定してRAM又は記憶装置に記憶する。
そして、これらのステップS164〜S172の処理を全ての取出電極101に関して実行した後、コントローラ90は、ステップS172にて「Yes」すなわち変数sがX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに達していると判定して、ステップS176に進む。ステップS176においては、コントローラ90は、変数mが「2」であるか否かを判定する。この場合、変数mは「1」であるので、コントローラ90は、ステップS176にて「No」と判定し、ステップS178にて変数mを「2」に設定し、ステップS162にて変数sを「1」に初期設定した後、ふたたび、変数sを順次「1」ずつ増加させながら、ステップS164〜S174からなる循環処理を繰り返し実行する。変数mが「2」であることは前述のように取出電極102の検査に関することを意味するので、今回のステップS164〜S170の処理により、図10のX軸方向の変数sによって指定される取出電極102ごとに、グループごとの平均値A(s,m)及び評価データB(s,m),C(s,m)が計算されるとともに、これらの評価データB(s,m),C(s,m)が評価されて、前記取出電極102に異常が発生していれば、エラーデータEr(s,m)が「1」に設定されてRAM又は記憶装置に記憶される。そして、この変数mを「2」に設定した後、変数sがX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに達すると、コントローラ90は、ステップS172にて「Yes」と判定し、かつステップS176にて「Yes」と判定して、ステップS180に進む。
ステップS180においては、コントローラ90は、変数n(=1〜nmax)及び変数m(=1,2)によって指定されて、前記RAM又は記憶装置に記憶されている電流の大きさデータIxy(n,m)及びY軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)を用いて、電極番号gによって指定される太陽電池セルSCごとに、表示用画像データを生成して、表示装置92に画像データによって表された画像を表示する。この画像は、例えば、太陽電池セルSCの検査位置ごとに、X軸方向に沿って、電流の大きさデータIxy(n,m)に応じて明度、色彩などを異ならせて表示するとともに、Y軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)に応じて明度、色彩などを異ならせて表示するとよい。
前記ステップS180の処理後、コントローラ90は、ステップS182にて、エラーデータEr(s,m)(s=1〜smax,m=1,2)の中に“1”を示すエラーデータが存在するかを調べる。“1”を示すエラーデータEr(s,m)が存在しなければ、コントローラ90は、ステップS182にて「No」と判定して、ステップS184にて表示装置92に「合格」を表示し、ステップS194にてこの評価プログラムの実行を終了する。一方、“1”を示すエラーデータEr(s,m)が存在すると、コントローラ90は、ステップS182にて「Yes」と判定して、ステップS186にて表示装置92に「不合格」を表示し、ステップS188にて、エラーデータE(s,m)が“1”である変数s,mを取り出して、前記表示した画像中の変数s,mによって指定される取出電極101,102を欠陥ありとして表示する。なお、この場合、初期にRAMに記憶させた磁気センサ10A,10Bを対向させた取出電極101,102に関するデータも読み出して、異常な取出電極101,102を特定する。これによれば、作業者は、表示装置92の表示状態から、太陽電池セルSCの異常(取出電極101,102の接続不良)を確実かつ容易に認識できる。
次に、前記ステップS132〜S148,S152,S154の処理によって取出電極101,102が正確に検出されていなくて、図9BのステップS150にて「No」と判定された場合について説明する。この場合には、コントローラ90は、図9CのステップS190にて、電流の大きさデータIxy(n,m)、電流の方向データθixy(n,m)、X軸方向の電流の大きさデータIx(n,m)及びY軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)(n=1〜nmax,n=1,2)から表示用画像データを生成して、表示装置92に画像データによって表された画像を表示する。
特に、可能であれば、取出電極101,102の異常(取出電極101,102と内部電極106,108との接続不良)を視覚判断できるように、取出電極101,102の対応位置又はその近傍位置(取出電極101,102の間であって取出電極101,102の近傍位置)のY軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)のみを、取出電極101,102ごと又は太陽電池セルSCごとに表示するようにするとよい。この場合には、取出電極101,102の位置が検出されていないので、作業者が、表示装置92の表示画面を見ながら、表示画像を移動させて取出電極101,102の対応位置又はその近傍位置のY軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)を表示させる必要がある。これによれば、作業者は、表示装置92による表示状態から、太陽電池セルSCの異常(取出電極101,102の接続不良)を判断することができる場合がある。
次に、コントローラ90は、ステップS192にて、「取出電極101,102の合否判定は不能」である旨を表示装置92に表示して、ステップS194にてこの評価プログラムの実行を終了する。
上述のようにして、X軸方向に一列に配置された複数の取出電極101,102の異常検出が終了したら、作業者は、入力装置91を操作することにより、バキュームポンプ21の作動停止をコントローラ90に入力指示する。これにより、コントローラ90はポンプ駆動回路71を制御して、バキュームポンプ21の作動を停止させる。これにより、太陽電池SBのステージ20上での吸引が解除される。そして、次のY軸方向の所望の列の太陽電池セル群SCの取出電極101,102を検査するために、照射装置50A,50Bの間の遮光カーテン61が、図10に示すように、Y軸方向の所望の列の太陽電池セル群SCの取出電極101,102の中央位置にてX軸方向に沿って延設されるように、ステージ20上の太陽電池SBを位置調整する。例えば、遮光カーテン61が、Y軸方向の2列目の太陽電池セル群SCの取出電極101,102の中央位置にてX軸方向に沿って延設されるように、ステージ上の太陽電池SBを位置調整する。なお、この場合、上述した図8BのステップS68の処理によって遮光カーテン61は巻上げられている。そして、作業者は、バキュームポンプ21の作動開始をコントローラ90にふたたび入力指示する。これにより、上述のように、バキュームポンプ21が作動されて、太陽電池SBがふたたびステージ20上に固定される。
次に、作業者は、入力装置91を操作することにより、コントローラ90を介してY方向フィードモータ制御回路75A,75Bに指示して、磁気センサ10A,10BがY軸方向の次の検査位置に来るように、Y方向モータ44A,44Bをそれぞれ作動させる。すなわち、磁気センサ10A,10Bが遮光カーテン61の下方両側に位置する太陽電池セルSCの取出電極102,101に対向する位置に来るように、Y方向モータ44A,44Bをそれぞれ作動させる。なお、この場合も、前記磁気センサ10A,10Bを対向させた取出電極102,101に関しては、取出電極102,101を表すデータをRAMに記憶しておく。そして、コントローラ90に、図8A及び図8Bのデータ取得プログラム及び図9A〜図9Aの評価プログラムを上述したように実行させて、前記取出電極101,102のY軸方向の隣の取出電極101,102の異常を検出する。そして、全ての取出電極101,102の異常検出の終了をもって第1タイプの太陽電池SBの検査の終了とする。
上記作動説明からも理解できるように、第1タイプの太陽電池(太陽電池セル内に直列接続構造を有する太陽電池)においては、取出電極101,102又はその近傍の位置において、取出電極101,102の延設方向であるX軸方向と直交するY軸方向に流れる電流の大きさIyを検出するようにしたので、アモルファス太陽電池の場合によくあるように、太陽電池セルSC内に単位セルを直列接続した太陽電池SBにおける取出電極101,102の接続不良を精度よく検出できる。さらに、この検出された電流の大きさIyの変動が大きい部分の変動量を表す特性値すなわち評価値B(s,m),C(s,m)を計算するようにしたので、前記取出電極101,102の接続不良の自動検出ができるようになる。
次に、検査対象である太陽電池SBが太陽電池セルSC内にそれぞれ電池の直列接続構造を有しないもの(図13の第2タイプの太陽電池SB)の検査について説明する。なお、この場合、上述のように、遮光カーテン61が、図13に示すように、Y軸方向の中央部の2列の太陽電池セル群SCの間にX軸方向に沿って延設されるようにステージ20上の太陽電池SBを位置調整する。そして、入力装置91を操作することにより、コントローラ90を介してY方向フィードモータ制御回路75A,75Bに指示して、磁気センサ10A,10Bを遮光カーテン61のY軸方向両側の所望の一対のバスバー電極207,207(例えば、遮光カーテン61からY軸方向に最も遠い一対のバスバー電極207,207)に対向させる。なお、磁気センサ10A,10Bを対向させたバスバー電極207,207に関しては、バスバー電極207,207を表すデータをRAMに記憶しておく。
そして、上述した図8A及び図8Bのデータ取得プログラム及び図9A乃至図9Fの評価プログラムをコントローラ90に実行させる。この場合、コントローラ90は、図9AのステップS126にて「No」と判定して、図9DのステップS200〜S224の処理を実行する。この場合も、この時点では、太陽電池SBの検査位置ごとに、電流の大きさデータIxy(n,m)、電流の方向データθixy(n,m)、X軸方向の電流の大きさデータIx(n,m)及びY軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)(n=1〜nmax,n=1,2)が、RAM又は記憶装置に記憶されている。そして、この場合には、主にX−Y平面内の電流の大きさデータIxy(n,m)を用いる。なお、この場合も、変数nは、バスバー電極207に関するX軸方向の検出位置を表す。一方、変数mは、値「1」により、図13において、太陽電池SBにおける遮光カーテン61の下側領域の発電(第1周波数の駆動制御信号に基づく光の照射による発電)による電流に関するデータ群であって、遮光カーテン61の上側領域に位置するバスバー電極207に対向する位置における電流に関するデータ群を示す。また、変数mは、値「2」により、図13において、太陽電池SBにおける遮光カーテン61の上側領域の発電(第2周波数の駆動制御信号に基づく光の照射による発電)による電流に関するデータ群であって、遮光カーテン61の下側領域に位置するバスバー電極207に対向する位置における電流に関するデータ群を示す。
ステップS200〜S220の処理は、図9BのステップS130〜S150の処理とほぼ同じであり、異なる点は、ステップS204,S212の処理である。ステップS204においては、上記ステップS134のY軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)に代えて電流の大きさデータIxy(n,m)が用いられ、変数n,mによって指定される電流の大きさデータIxy(n,m)が所定の小さな基準値以上であるかを判定することにより、変数n,mによって示される検出位置が太陽電池セルSC上(バスバー電極207)の位置にあるのか、太陽電池セルSC間(接続線208)の位置にあるかを判定する。これは、バスバー電極207の位置に比べて接続線208の位置では、電流の大きさデータIxy(n,m)が極めて小さくなるからである。すなわち、図13に示すように、複数のバスバー電極207はX軸方向に沿って配置されている。そして、複数のバスバー電極207は、図14B及び図16(A)に示すように、接続線208によって裏面電極201に接続されている。この場合、バスバー電極207を流れる電流の大きさデータIxy(n,m)は大きいが、接続線208を流れる電流はX−Y平面を流れる電流だけではなく、Z方向(上下方向)に流れる成分を含むために、前記電流の大きさデータIxy(n,m)は小さい。したがって、複数のバスバー電極207に沿ってX方向に流れる電流は、図16(B)に示すように、バスバー電極207に対応する位置では大きく、接続線208に対応した位置では小さい。したがって、前記ステップS204の判定処理により、上記図9BのステップS134の場合と同様に、バスバー電極207の位置と接続線208の位置とが検出される。
また、ステップS212においては、上記ステップS142のY軸方向の電流の大きさデータ群Iy(n−p,m)〜Iy(n−1,m)に代えて、電流の大きさデータ群Ixy(n−p,m)〜Ixy(n−1,m)に電極番号gを割当てる。そして、これらのステップS200〜S220の処理により、最初、図13において遮光カーテン61の上側のバスバー電極207の検出位置における電流の大きさデータ群Ixy(n−p,m)〜Ixy(n−1,m)に、すなわち磁気センサ10Bの検出に基づく電流の大きさデータ群Ixy(n−p,m)〜Ixy(n−1,m)に、「1」ずつ増加する電極番号gが順次割当てられる。そして、上記図9Bの場合と同様に、変数nが値nmax(すなわち終了値Xmax直前の検出位置によるサンプリングデータ群に関する変数nの値)に達すると、コントローラ90は、ステップS216にて「Yes」と判定して、ステップS220にて変数gが初期に入力したX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに等しいか否かを判定する。なお、このステップS220の判定処理は、ステップS202〜S218の処理によって全てのバスバー電極207が正確に検出されているかを判定する処理である。全てのバスバー電極207が正確に検出されていて変数gが前記数smaxに等しければ、コントローラ90は、ステップS220にて「Yes」と判定して、ステップS222に進む。ステップS222においては、コントローラ90は、変数mが「2」であるか否かを判定する。この場合、変数mは「1」であるので、コントローラ90は、ステップS222にて「No」と判定して、ステップS224にて変数mを「2」に変更して前述したステップS202に戻る。
一方、全てのバスバー電極207が正確に検出されていなくて変数gが前記数smaxに等しくなければ、コントローラ90は、ステップS220にて「No」と判定して、図9EのステップS230に進む。なお、図9Eに示す処理は、全てのバスバー電極207が正確に検出されない場合に、できる限りにおいて、検出されなかったバスバー電極207を補充する処理である。
ステップS230においては、コントローラ90は、各電極番号gが割当てられている電流の大きさデータ群Ixy(n,m)ごとに、電流の大きさデータ群Ixy(n,m)にそれぞれ対応した複数の検出位置nのX軸方向の中央値Aven(g)をそれぞれ計算する。次に、コントローラ90は、ステップS232にて電極番号gを指定するための変数sを「1」に初期設定して、ステップS234にて、変数s+1によって指定される中央値Aven(s+1)から変数sによって指定される中央値Aven(s)及び値ceを減算した絶対値|Aven(s+1)−Aven(s)−ce|が所定の小さな値Δp以下であるかを判定する。値ceは、1つの太陽電池セルSCのX軸方向の長さ(バスバー電極207の長さに等しい)を移動距離単位ΔXで除した値である。したがって、値ceは、1つのバスバー電極207の延設方向における位置検出数に等しい。
今、隣合う1対のバスバー電極207がX軸方向にて連続して検出されていれば、前記絶対値|Aven(s+1)−Aven(s)−ce|はほぼ「0」である。したがって、この場合には、コントローラ90は、ステップS234にて「Yes」と判定して、ステップS236にて変数sに「1」を加算し、ステップS238にて変数s+1によって指定される次の中央値Aven(s+1)が存在していることを条件に「Yes」と判定して、ふたたびステップS234の判定処理を実行する。一方、図15のY軸方向の3列目のように、X軸方向の4番目のバスバー電極207が検出されていない場合、変数sが「3」であるとき、前記絶対値|Aven(s+1)−Aven(s)−ce|はほぼ値ceとなる。この場合には、コントローラ90は、ステップS234にて「No」と判定し、ステップS240にて、変数s+1以上の電極番号gが割当てられた電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の電極番号gをそれぞれ電極番号g+1に変更、すなわち変数s+1以上の電極番号gが割当てられた電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の電極番号gを「1」ずつ増加させる。
次に、コントローラ90は、ステップS242にて変数sに等しい電極番号gが割当てられた電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の変数n(検出位置を示す値)に値ceをそれぞれ加算した値n+ceに対応した電流の大きさデータ群Ixy(n+ce,m)を新たに定義し、定義した電流の大きさデータ群Ixy(n+ce,m)に変数s+1に等しい電極番号gを割当て、変数nの中央値Aven(g)を計算する。これにより、図15のY軸方向の3列目でX軸方向の4番目のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充されるとともに、その中央値Aven(g)も計算され、電極番号gも順番にX軸方向の全ての電流の大きさデータ群Ixy(n,m)に割当てられる。
また、図15のY軸方向の4列目のように、X軸方向の3番目及び4番目のバスバー電極207が連続して検出されていない場合、変数sが「2」であるとき、前記絶対値|Aven(s+1)−Aven(s)−ce|はほぼ値2・ceとなる。そして、この場合には、前述のステップS240,S242の処理により、Y軸方向に4列目でX軸方向の3番目のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充されるとともに、その中央値Aven(g)も計算され、電極番号gも順番にX軸方向の全ての電流の大きさデータ群Ixy(n,m)に割当てられる。しかし、この場合には、この補充によっても、ステップS236の処理によって変数sが「3」になったとき、前記絶対値|Aven(s+1)−Aven(s)−ce|はほぼ値ceとなる。したがって、ステップS236の処理後、コントローラ90は、ステップS238にて「Yes」と判定し、ステップS234にて「No」と判定して、ふたたびステップS240,S242の処理を実行する。これにより、Y軸方向に4列目でX軸方向の4番目のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充されるとともに、その中央値Aven(g)も計算され、電極番号gも順番にX軸方向の全ての電流の大きさデータ群Ixy(n,m)に割当てられる。その結果、4列目のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の数もバスバー電極207(太陽電池セルSC)の数に等しくなる。なお、3つ以上の電流の大きさデータ群Ixy(n,m)がX軸方向の中間位置にて欠落しても同様に、前記ステップS234〜S242の処理により、欠落した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)は補充される。
前記ステップS234〜S242の処理中、変数s+1によって指定される中央値Aven(s+1)が存在しなくなると、すなわちX軸方向の次の電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の中央値Aven(s+1)が存在しなくなると、コントローラ90は、ステップS238にて「No」と判定して、ステップS244にて変数sが初期に入力したX軸方向の太陽電池セルの数smaxに等しいかを判定する。この場合も、変数gが前記数smaxに等しければ、コントローラ90は、ステップS244にて「Yes」と判定して、ステップS246にて変数mが「2」であるか否かを判定する。変数mは未だ「1」であるので、コントローラ90は、ステップS246にて「No」と判定して、前述した図9DのステップS224にて変数mを「2」に変更してステップS202に戻る。
一方、図15のY軸方向の5列目及び6列目のように、X軸方向の最後のバスバー電極207が検出されていない場合、又は図15のY軸方向の7列目及び8列目のように、X軸方向の最初のバスバー電極207が検出されていない場合には、前述したステップS234,S240,S242の処理では、電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の欠落を補充できない。そして、この場合には、中央値Aven(s+1)(すなわち次の中央値Aven(s))が存在しなくなった時点でも、変数sがX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに等しくなく、コントローラ90は、ステップS244にて「No」と判定して、ステップS248に進む。
ステップS248においては、コントローラ90は、変数sによって指定される中央値Aven(s)に前記所定値ce(太陽電池セルSCのX軸方向の検出位置数)を加算した値Aven(s)+ceを中心値Aven(s)+ceとし、中心値Aven(s)+ceから値aを減算したX軸方向の検出位置Aven(s)+ce−aから前記中心値Aven(s)+ceに値aを加算したX軸方向の検出位置Aven(s)+ce+aまでの検出位置n(=Aven(s)+ce−a〜Aven(s)+ce+a)によって指定される電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の中から最大値を抽出して最大電流値Imaxとする。なお、値aは、5〜数10程度の予め決められた値である。これにより、X軸方向の図15の最も右側の検出されたバスバー電極207の中央値Aven(s)よりもさらに値ce(バスバー電極207の長さ分に対応)だけ右側の所定幅の検出位置が定義され、この定義された検出位置における電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の中から最大電流値Imaxが定義される。そして、コントローラ90は、ステップS250にて前記最大電流値Imaxが設定値以上であるかを判定する。なお、この設定値は、太陽電池セルSCが存在するならば、太陽電池セルSCが異常であっても、そのバスバー電極207位置にて検出される比較的小さな予め決められた電流値である。
そして、前記位置にバスバー電極207が存在して、前記最大電流値Imaxが設定値以上であれば、コントローラ90は、ステップS250にて「Yes」と判定してステップS252に進む。これは、図15のY軸方向の5列目又は6列目のように、X軸方向の最後のバスバー電極207が検出されていない場合の処理である。ステップS252においては、変数sに等しい電極番号gが割当てられた電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の変数nに所定値ceをそれぞれ加算した電流の大きさデータ群Ixy(n+ce,m)を新たに定義し、新たに定義した電流の大きさデータ群Ixy(n+ce,m)に変数s+1に等しい電極番号gを割当て、検出位置nの中央値Aven(g)を計算する。これにより、検出されていなかったX軸方向の図示右側のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充されるとともに、その中央値Aven(g)も計算される。そして、コントローラ90は、前記ステップS236以降の処理を実行するが、図15のX方向の5列目のように、X軸方向の最後の1つのバスバー電極207が検出されていなかった場合には、ステップS236の処理によって増加された変数sはX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxを示すことになるので、ステップS238にて「No」と判定されるとともに、ステップS244にて「Yes」と判定されて、前述したステップS246の判定処理が実行される。
しかし、図15のX方向の6列目のように、X軸方向の最後の2つのバスバー電極207が検出されていなかった場合には、ステップS244にてふたたび「No」と判定されて、前述したステップS248〜S252からなる処理が実行されて、検出されていなかったX軸方向の図示右側のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)がさらに補充されるとともに、その中央値Aven(g)も計算される。その結果、X軸方向の全てのバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充される。さらに、X軸方向の最後の3つ以上のバスバー電極207が検出されていなかった場合にも、前述したステップS248〜S252からなる処理が実行されて、検出されていなかったX軸方向の図示右側のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充されるとともに、その中央値Aven(g)も計算される。
次に、図15のY軸方向の7列目及び8列目のように、X軸方向の最初(図示左側)のバスバー電極207が検出されていない場合について説明する。この場合には、前記ステップS248の処理によって計算されるX軸方向位置(すなわち検出位置(Aven(s)+ce−a)〜(Aven(s)+ce+a)には、太陽電池セルSCは存在しない。したがって、この場合には、コントローラ90は、ステップS250にて「No」と判定して、ステップS254に進む。ステップS254においては、コントローラ90は、最初に検出されたバスバー電極207(図15のY軸方向の7列目及び8列目の最も左側のバスバー電極)に関する中央値Aven(1)から前記所定値ce(太陽電池セルSCのX軸方向の検出位置数)を減算した値を中心値Aven(1)−ceとし、中心値Aven(1)−ceから値aを減算したX軸方向の検出位置Aven(1)−ce−aから前記中心値Aven(1)−ceに値aを加算したX軸方向の検出位置Aven(1)−ce+aまでの検出位置n(=Aven(1)−ce−a〜Aven(1)−ce+a)によって指定される電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の中から最大値を抽出して最大電流値Imaxとする。なお、この場合も、値aは、5〜数10程度の予め決められた値である。これにより、X軸方向の図示最も左側の検出されたバスバー電極207の中央値Aven(1)よりもさらに値ce(バスバー電極207の長さ分に対応)だけ左側の所定幅の検出位置が定義され、この定義された検出位置における電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の中から最大電流値Imaxが定義される。そして、コントローラ90は、ステップS256にて前記最大電流値Imaxが設定値以上であるかを判定する。なお、この場合も、設定値は、太陽電池セルSCが存在するならば、太陽電池セルSCが異常であっても、そのバスバー電極207位置にて検出される比較的小さな予め決められた電流値である。
そして、前記位置にバスバー電極207が存在して、前記最大電流値Imaxが設定値以上であれば、コントローラ90は、ステップS256にて「Yes」と判定してステップS258に進む。これは、図15のY軸方向の7列目又は8列目のように、X軸方向の最初のバスバー電極207が検出されていない場合の処理である。ステップS258にて、値「1」以上の電極番号gが割当てられた電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の電極番号gをそれぞれ電極番号g+1に変更、すなわち電極番号gが割当てられた電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の電極番号gを「1」ずつ増加させる。
次に、コントローラ90は、ステップS260にて値「2」に等しい電極番号gが割当てられた電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の変数n(検出位置を示す値)から値ceをそれぞれ減算した値n−ceに対応した電流の大きさデータ群Ixy(n―ce,m)を新たに定義し、定義した電流の大きさデータ群Ixy(n+ce,m)に値「1」に等しい電極番号gを割当て、変数nの中央値Aven(g)を計算する。これにより、図15のY軸方向の7列目及び8列目でX軸方向の最初のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充されるとともに、その中央値Aven(g)も計算され、電極番号gも順番にX軸方向の全ての電流の大きさデータ群Ixy(n,m)に割当てられる。
そして、コントローラ90は、ふたたび図9EのステップS236以降の処理を実行するが、図15のY軸方向の7列目のように、X軸方向の最初の1つのバスバー電極207のみが検出されていなかった場合には、ステップS236の処理によって増加された変数sは電極番号gはX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxを示すことになるので、ステップS238にて「No」と判定されるとともに、ステップS244にて「Yes」と判定されて、前述したステップS246の判定処理が実行される。
しかし、図15のY軸方向の8列目のように、X軸方向の最初の2つのバスバー電極207が検出されていなかった場合には、ステップS244,S250にてふたたび「No」と判定されて、前述したステップS254〜S260からなる処理が実行されて、検出されていなかったX軸方向の前方(図15の左側)のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充されるとともに、その中央値Aven(g)も計算される。その結果、全てのバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充される。さらに、X軸方向の最初の3つ以上のバスバー電極207が検出されていなかった場合にも、前述したステップS254〜S260からなる処理が実行されて、検出されていなかったX軸方向の前方のバスバー電極207に対応した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)が補充されるとともに、その中央値Aven(g)も計算される。
また、ステップS250において「No」と判定されるとともに、ステップS256においても「No」と判定された場合には、コントローラ90は、図9CのステップS190以降に進む。これは、バスバー電極207に対応した全ての電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の補充ができない場合には、太陽電池検査装置に異常が発生していて、太陽電池SBの異常を的確に検出できない可能性が高いためである。そして、この場合には、上述した図9CのステップS190,S192の処理により、電流の大きさデータIxy(n,m)、電流の方向データθixy(n,m)、X軸方向の電流の大きさデータIx(n,m)及びY軸方向の電流の大きさデータIy(n,m)(n=1〜nmax,m=1,2)から表示用画像データが生成されて、表示装置92に画像データによって表された画像が表示されるとともに、「取出電極101,102の合否判定は不能」である旨が表示装置92に表示される。これにより、バスバー電極207に関する全ての電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の補充ができない場合でも、作業者は、表示装置92による表示状態から、第2タイプの太陽電池SBの異常を判断することができる場合もある。
次に、前述のように、図9DのステップS220にて「Yes」と判定されるとともにステップS222にて「No」と判定されて、ステップS224にて変数mが「2」に変更された場合、及び図9EのステップS244にて「Yes」と判定されるとともにステップS246にて「No」と判定されて、図9DのステップS224にて変数mが「2」に変更された場合について説明する。前者の場合は、「1」に設定された変数mにより指定される領域(図13の遮光カーテン61の上側領域)内で、Y軸方向の現在の検査位置における全てのバスバー電極207が正確に検出された場合である。後者の場合は、「1」に設定された変数mにより指定される領域(図13の遮光カーテン61の上側領域)内で、Y軸方向の現在の検査位置における欠落していた全てのバスバー電極207が補充された場合である。
この場合、変数mが「2」に設定されている以外は、前述した図9DのステップS202〜220及び図9EのステップS230〜S244,S248〜S260においては、前述した場合と同様な処理が実行される。これにより、通常は、「2」に設定された変数mにより指定される領域(図13の遮光カーテン61の下側領域)内で、Y軸方向の現在の検査位置における全てのバスバー電極207が検出されて、全てのバスバー電極207に電極番号gが割当てられるか、「2」に設定された変数mにより指定される領域(図13の遮光カーテン61の下側領域)内で、Y軸方向の現在の検査位置において欠落していた全てのバスバー電極207が補充されて、全てのバスバー電極207に電極番号gが割当てられる。そして、これらの場合には、変数mは「2」に設定されているので、図9DのステップS220にて「Yes」と判定されると、コントローラ90はステップS222にて「Yes」と判定して、図9FのステップS270に進む。また、図9EのステップS244にて「Yes」と判定されると、コントローラ90はステップS246にて「Yes」と判定して、図9FのステップS270に進む。一方、この場合も、全てのバスバー電極207が検出されず、かつ全てのバスバー電極207が補充されない場合には、コントローラ90は、図9EのステップS256にて「No」と判定して、前述した図9CのステップS190,S192の処理を実行する。
次に、図9FのステップS270以降の処理について説明する。ステップS270においては、コントローラ90は、変数mを「1」に設定する。この場合も、変数mは、「1」により図13の遮光カーテン61の上側領域に位置するバスバー電極207に関するデータを指定し、「2」により図13の遮光カーテン61の下側領域に位置するバスバー電極207に関するデータを指定する。次に、コントローラ90は、ステップS272にて、電極番号g(=1〜smax)が割当てられている全ての電流の大きさデータ群Ixy(n,m)のデータであって、各大きさデータ群Ixy(n,m)の両端部に対応する大きさデータ群Ixy(n,m)を除いた全ての大きさデータ群Ixy(n,m)のトータル平均値Iavetxを計算する。この処理により、図13において、X軸方向に配列された全てのバスバー電極207の各両端部を除いて各バスバー電極207に流れる電流の検出位置ごとのX軸方向の電流のトータル平均値Iavetxが計算される。各バスバー電極207の両端部の電流の大きさデータIxy(n,m)を除く理由は、この両端部ではX−Y平面内の電流成分が安定しないことがあるためで、両端部の長さとしてはバスバー電極207の全長の数パーセントから20パーセント程度である。
次に、コントローラ90は、ステップS274にて、電極番号gを指定するための変数sを「1」に初期設定して、ステップS276にて、変数sに等しい電極番号gが割当てられた電流の大きさデータ群Ixy(n,m)から、前記ステップS272の場合と同様に両端部を除いた電流の大きさデータ群Ixy(n,m)を抽出する。そして、ステップS278にて、前記抽出した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)を用いて次のような計算を実行する。まず、変数sに等しい電極番号gが割当てられた1つのバスバー電極207に流れる平均電流として、前記抽出した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の平均値A(s,m)を計算する。この平均値A(s,m)は、RAM又は記憶装置に記憶される。
次に、前記ステップS278にて、前記計算した平均値A(s,m)を前記ステップS272の処理により計算したトータル平均値Iavetxで除算して、除算結果A(s,m)/Iavetxを1つのバスバー電極207に流れる電流レベルを評価するための評価データB(s,m)としてRAM又は記憶装置に記憶しておく。また、前記抽出した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の最大値から最小値を減算して、減算結果を前記計算した平均値A(s,m)で除算して、除算結果(最大値−最小値)/A(s,m)を、1つのバスバー電極207に流れる電流レベルの変動を評価するための評価データC(s,m)としてRAM又は記憶装置に記憶しておく。また、前記抽出した電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の標準偏差σを前記計算した平均値A(s,m)で除算して、除算結果σ/A(s,m)を、1つのバスバー電極207に流れる電流レベルの変動を評価するための評価データD(s,m)としてRAM又は記憶装置に記憶しておく。
前記ステップS278の処理後、コントローラ90は、ステップS280にて、評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)のうちのいずれかが所定の許容値よりも大きいか否かを判定する。なお、前記所定の許容値は、評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)ごとにそれぞれ異なる。評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)のうちのいずれかが所定の許容値よりも大きければ、コントローラ90は、ステップS280にて「Yes」と判定して、ステップS282にてエラーデータEr(s,m)を“1”に設定して、ステップS284に進む。一方、全ての評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)がそれぞれ各許容値以下であれば、コントローラ90は、ステップS280にて「No」と判定して、ステップS284に進む。これにより、変数s,mによって指定されるバスバー電極207に関する異常が発生して、図17〜図19を用いて前述したように、X軸方向の電流の大きさデータ群Ixy(n,m)の変動が大きければ、すなわち評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)が大きくなった場合には、変数s,mによって指定されるエラーデータEr(s,m)が“1”に設定される。この“1”に設定されたエラーデータEr(s,m)は、RAM又は記憶装置に記憶される。
ステップS284においては、変数sが前記入力したX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに達したか否かを判定する(図13参照)。変数sがX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに達していなければ、コントローラ90は、ステップS284にて「No」と判定し、ステップS286にて変数sに「1」を加算して、ステップS276に戻る。そして、コントローラ90は、前述したステップS276〜S282の処理により、図13の次のバスバー電極207に関して、平均値A(s,m)及び評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)を計算するとともに、これらの評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)を評価し、前記バスバー電極207に関して異常が発生していれば、エラーデータEr(s,m)を“1”に設定してRAM又は記憶装置に記憶する。
そして、これらのステップS276〜S282の処理を全てのバスバー電極207に関して実行した後、コントローラ90は、ステップS284にて「Yes」すなわち変数sがX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに達していると判定して、ステップS288に進む。ステップS288においては、コントローラ90は、変数mが「2」であるか否かを判定する。この場合、変数mは「1」であるので、コントローラ90は、ステップS288にて「No」と判定し、ステップS290にて変数mを「2」に設定し、前述したステップS272,S274の処理後、ステップS276〜S286からなる循環処理を繰り返し実行する。変数mが「2」であることは、前述のように、図13における遮光カーテン61の下側領域のバスバー電極207の検査に関することを意味するので、今回のステップS272〜S286の処理により、図13における遮光カーテン61の下側領域のバスバー電極207であって。X軸方向の変数sによって指定されるバスバー電極207ごとに、平均値A(s,m)及び評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)を計算するとともに、これらの評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)を評価し、前記バスバー電極207に関して異常が発生していれば、エラーデータEr(s,m)を“1”に設定してRAM又は記憶装置に記憶する。そして、この変数mを「2」に設定した後、変数sがX軸方向の太陽電池セルSCの数smaxに達すると、コントローラ90は、ステップS284にて「Yes」と判定し、かつステップS288にて「Yes」と判定して、ステップS292に進む。
ステップS292においては、コントローラ90は、上記図9CのステップS180の処理と同様に、前記RAM又は記憶装置に記憶した電流の大きさデータIxy(n,m)及びX軸方向の電流の大きさデータIx(n,m)を用いて、電極番号gによって指定される太陽電池セルSCのバスバー電極207ごとに、表示用画像データを生成して、表示装置92に画像データによって表された画像を表示する。
前記ステップS292の処理後、コントローラ90は、上述した図9CのステップS182〜S188の処理を実行して、ステップS194にてこの評価プログラムの実行を終了する。これらのステップS182〜S188の処理により、エラーデータEr(s,m)(s=1〜smax,m=1,2)の中に“1”を示すエラーデータが存在しなければ、表示装置92に「合格」を表示する。また、
“1”を示すエラーデータEr(s,m)が存在する場合には、表示装置92に「不合格」を表示するとともに、変数s,mによって指定されるバスバー電極207を欠陥ありとして表示する。なお、この場合も、初期にRAMに記憶させた磁気センサ10A,10Bを対向させたバスバー電極207,207に関するデータも読み出して、異常なバスバー電極207,207を特定する。これによれば、作業者は、表示装置92の表示状態から、第2タイプの太陽電池SBの異常を確実かつ容易に認識できる。
また、この第2タイプの太陽電池SBの場合も、上述した第1タイプの太陽電池SBの場合と同様に、X軸方向に一列に配置された複数のバスバー電極207に関する異常検出が終了したら、作業者は、入力装置91を操作することにより、コントローラ90を介してY方向フィードモータ制御回路75A,75Bに指示して、磁気センサ10A,10BがX軸方向に延設された次のバスバー電極207,207、例えばY軸方向の隣のバスバー電極207,207に対向する位置に来るように、Y方向モータ44A,44Bを作動させる。なお、この第2タイプの太陽電池SBにおいては、遮光カーテン61はそのままの位置でよいので、太陽電池SBのステージ20上の位置を調整する必要はない。そして、コントローラ90に、図8A及び図8Bのデータ取得プログラム及び図9A〜図9Fの評価プログラムを上述したように実行させて、前記次のバスバー電極207,207に関する異常を検出する。そして、全てのバスバー電極207,207に関する異常検出の終了をもって第2タイプの太陽電池SBの検査の終了とする。
上記作動説明からも理解できるように、第2タイプの太陽電池(結晶系太陽電池)においては、バスバー電極207又はその近傍の位置において、バスバー電極207の延設方向であるX軸方向に流れる電流の大きさIxy(X軸方向の電流Ixの絶対値にほぼ等しい)を検出するようにしたので、結晶系太陽電池の場合によくあるように、太陽電池セルSC内には単位セルの直列接続はなく、太陽電池セルSC間を直列接続した太陽電池SBにおけるバスバー電極207などの接続不良を精度よく検出できる。さらに、前記検出された電流Ixyの大きさの変動が大きい部分の変動量を表す特性値すなわち評価値B(s,m),C(s,m),D(s,m)を計算するようにしたので、前記電極の接続不良の自動検出ができるようになる。
さらに、上記のような太陽電池検査装置においては、磁気センサ10A,10Bは、支持部材31A,31Bにそれぞれ移動可能に支持されて、遮光カーテン61によって区分された複数の領域にそれぞれ設けられて、複数の領域において発電に基づく電流によって発生する磁界をそれぞれ検出する。したがって、複数の領域において同時に発電に基づく電流によって発生する磁界をそれぞれ検出するので、磁界の検出時間すなわち太陽電池SBの検査時間を短縮することができる。
また、コントローラ90は、ステップS30〜S34の処理により、信号選択回路84,85及びロックインアンプ86と協働して、磁気センサ10A,10Bが属する領域内の照射装置50A,50Bの光の照射による光の強度変化がもたらす周波数成分以外の一つの周波数成分の磁気検出信号を取出す。すなわち、磁気センサ10A,10Bによって検出された磁界に基づいて取出される磁気検出信号は、磁気センサ10A,10Bが位置する領域とは別の領域での照射装置50A,50Bの光の照射に基づく発電による電流によるものであるため、支持部材31A,31B、移動部材32A,32B及び磁気センサ10A,10Bにより光が遮られた箇所における発電量が落ちても、又は同発電量に変動があっても、電流の流れにほとんど影響しなくなるので、高精度で磁界を検出することができる。このことは、実験によっても確認されている。その結果、磁界の分布状態又は電流の分布状態を精度よく測定することができるようになり、太陽電池SBの接続不良、すなわち太陽電池セルSC内の電極の接続不良、太陽電池セルSC間の電極の接続不良などを精度よく検出できる。また、外乱光や、外部磁界が存在しても、コストを抑えたうえで、これらの影響を受けずに、太陽電池SBに発生する磁界を検出することができる。
また、上記のような太陽電池検査装置においては、支持部材31A,31Bに発光素子35A,35Bを固定して、発光素子35A,35Bが、遮光カーテン61により区分された領域ごとに、照射装置50A,50Bによる発電の光の強度変化の周波数とは異なる周波数で強度が変化する光、又は強度が変化しない光を照射するようにした。これにより、支持部材31A,31B、移動部材32A,32B及び磁気センサ10A,10Bにより光が遮られる箇所が高抵抗になる可能性もなくなるので、さらに精度よく磁界を検出することができる。このことも実験により確認されている。その結果、磁界の分布状態又は電流の分布状態をさらに精度よく測定することができるようになり、太陽電池SBの接続不良、すなわち太陽電池セルSC内の電極の接続不良、太陽電池セルSC間の電極の接続不良などをさらに精度よく検出できる。
d.変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
上記実施形態では、遮光カーテン61によって区分された太陽電池SBの表面上の両側の領域間で光の侵入が遮られるようにした。しかし、前記光の侵入を遮ることができ、かつ太陽電池SBと接触させても太陽電池SBに影響を与えないものであれば、どのような遮光部材を用いてもよい。この場合、例えば、先端が柔軟性のある絶縁物で形成された遮光板や、遮光ガラスをスライドさせて遮光を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、1つの磁気センサ10Aを支持部材31Aに移動可能に支持させるとともに、1つの磁気センサ10Bを支持部材31Bに移動可能に支持させて、2つの磁気センサ10A,10Bを太陽電池SBの表面上を移動させて磁界測定を行った。しかし、複数の磁気センサを取出電極101,102及びバスバー電極207の延設方向と直角方向(Y軸方向)にそれぞれ配置し、複数のラインで同時に磁界測定を行うようにしてもよい。これによれば、複数のラインのうちで、最適なラインの測定結果を選択して検査を行うことができるようになり、測定精度がさらに向上する。
また、上記実施形態においては、遮光カーテン61で太陽電池SBの領域を2つに分け、2つの領域に照射装置50A,50B、X方向移動機構30A、30B及び磁気センサ10A、10Bをそれぞれ設けるとともに、これらに接続される発光信号供給回路81A,81B、第1光源駆動回路82A,82B及びセンサ信号取出回路83A,83Bもそれぞれ2つずつ設けた。しかし、太陽電池SBが限定されており、電極位置が決まっていて、X方向移動機構を複数設けることによる装置の大型化及びコストアップが問題にならなければ、遮光カーテン61を複数設けて、太陽電池SBの表面上を3つ以上の領域に分け、前記照射装置、X方向移動機構及び磁気センサ、並びにこれらに接続される発光信号供給回路、第1光源駆動回路及びセンサ信号取出回路を前記分けた領域数分だけ設けるようにしてもよい。この場合も、3つ以上の照射装置はそれぞれ異なる周波数で強度が変化する光を分けられた領域内で太陽電池SBの表面にそれぞれ照射するようにし、3つ以上のX方向移動機構は、分けられた領域内で磁気センサをそれぞれ移動させる。また、この場合も、コントローラ90は、ステップS30〜S34の処理により、信号選択回路84,85及びロックインアンプ86と協働して、各磁気センサが属する各領域内の照射装置の光の照射による光の強度変化がもたらす周波数成分以外の一つの周波数成分の磁気検出信号を取出す。これによれば、磁界の検出時間をさらに短くすることができて、太陽電池SBの検査時間をさらに短縮することができる。
また、上記実施形態においては、照射装置50A,50B、遮光カーテン61及びステージ20を固定するようにした。しかし、モータを含む駆動装置により、照射装置50A,50B及び遮光カーテン61をY軸方向に移動可能にしたり、ステージ20を移動可能にしたりしてもよい。特に、第1タイプの太陽電池SBにおいて検査対象となる太陽電池セル群SCの取出電極101,102を変更するためには、照射装置50A,50Bの間の遮光カーテン61が、前記検査対象となる取出電極101,102の中央位置にてX軸方向に沿って延設されるように、ステージ20上の太陽電池SBを位置調整する必要があった。これに対して、モータを駆動制御して、照射装置50A,50B及び遮光カーテン61をY軸方向に同時に移動するようにすれば、前記ステージ20上の太陽電池SBの位置調整が不要となる。ただし、この場合、X方向移動機構30A,30Bも、前記照射装置50A,50B及び遮光カーテン61のY軸方向の移動に連動させてY軸方向に移動させる必要がある。また、モータを駆動制御して、ステージ20をY軸方向に移動可能にするようにしても、前記ステージ20上の太陽電池SBの位置調整が不要となる。そして、この場合には、X方向移動機構30A,30Bの移動は不要である。
また、上記実施形態では、図9AのステップS104〜S110の処理より、磁気センサ10A,10Bの検出位置のX方向磁気検出信号の極大値Hx、X方向磁気検出信号の参照信号に対する位相シフト量θx、Y方向磁気検出信号の極大値Hy、Y方向磁気検出信号の参照信号に対する位相シフト量θy、磁界の強さHxy及び磁界の向きθxyを計算して、ステップS112,S114の処理により、磁気センサ10A,10Bの検出位置の電流の大きさIxy(n,m)、前記電流の方向θixy(n,m)、X軸方向の電流の大きさIx(n,m)及びY軸方向の電流の大きさIy(n,m)を計算した。そして、第1タイプの太陽電池SBにおいては、ステップS164,S166の処理により、Y軸方向の電流の大きさIy(n,m)を用いて、取出電極101,102に関する評価データB(s,m),C(s,m)を計算して太陽電池セルSCの取出電極101,102と内部電極106,108との接続不良を評価するようにした。しかし、電流の大きさIyは磁界の強さHyに比例しており、電流の方向は磁界の方向とπ/2異なるだけである。したがって、磁界に関する情報を電流に関する情報に変換しなくても、磁気センサ10A,10Bの各検出位置の磁界の強さHxyから下記式11により求めたX軸方向の磁界の大きさHx’を、上記実施形態のY軸方向の電流の大きさIy(n,m)に代えて用いることにより、太陽電池セルSCの取出電極101,102と内部電極106,108との接続不良に関する評価データB(s,m),C(s,m)を計算して前記接続不良を評価するようにしてもよい。
Hx’=Hxy・cosθxy …式11
また、第2タイプの太陽電池SBにおいては、ステップS272,S276,S278の処理により、電流の大きさIxyを用いて、バスバー電極207に流れる電流の評価のための評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)を計算した。しかし、上述のように、バスバー電極207位置を流れる電流の向きはほぼX方向であるので、前記電流の大きさIxy(n,m)に代えて、X軸方向の電流の大きさIx(n,m)の絶対値を用いるようにしてもよい。さらに、電流の大きさIxyは磁界の大きさHxyに比例しており、電流の方向θixyは磁界の方向θxyとπ/2異なるだけである。したがって、磁界に関する情報を電流に関する情報に変換しなくても、磁気センサ10A,10Bの各検出位置の磁界の強さHxy及び磁界の強さHxyから下記式12により求めたY軸方向磁界の大きさHy’の絶対値を、上記実施形態及び変形例の電流の大きさIxy(n,m)及びX軸方向の電流の大きさIx(n,m)の絶対値にそれぞれ代えて用いることにより、各太陽電池セルSCに関する評価データを計算して太陽電池パネルSPを評価するようにしてもよい。
Hy’=Hxy・sinθxy …式12
また、上記実施形態においては、第2タイプの太陽電池SBの検査においては、バスバー電極207が全数検出されない場合におけるバスバー電極207の補充を行うようにしたが、第1タイプの太陽電池SBの検査においては、取出電極101,102が全数検出されない場合の補充については考慮しなかった。これは、取出電極101,102の検出においては、検出されたY軸方向の電流の大きさIy(n,m)に起因して取出電極101,102が検出されないということはほとんどなく、それ以外の特別な理由による場合が多いためである。しかしながら、この第1タイプの太陽電池SBの検査においても、第2タイプの太陽電池SBの検査におけるバスバー電極207の補充と同様に、図9BのステップS150にて「No」と判定されたとき、すなわちX軸方向の全ての取出電極101,102が検出されないとき、図9CのステップS190の処理を実行する前に、図9EのステップS230〜S260の処理に相当する処理を実行して、取出電極101,102の補充処理を実行するようにしてもよい。
また、コントローラ90は、判定まで行わなくて、評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)を計算して表示装置92に表示し、作業者に取出電極101,102と内部電極106,108との接続不良及びバスバー電極207等の接続不良の有無を判定させるようにしてもよい。さらに、コントローラ90は、評価データB(s,m),C(s,m),D(s,m)の計算も行わずに、第1タイプの太陽電池SBにおいては、取出電極101,102の位置又はその近傍位置のY軸方向の電流の大きさIy(n,m)の分布画像、又はX軸方向の磁界Hx’の分布画像を表示装置92に表示し、作業者はこの表示を見て取出電極101,102と内部電極106,108との接続不良の有無を判定するようにしてもよい。また、第2タイプの太陽電池SBにおいては、バスバー電極207の位置又はその近傍位置の電流の大きさIxy(n,m)、X軸方向の電流の大きさIx(n,m)、磁界の強さHxy又はY方向の磁界の強さHy’の分布画像を表示装置92に表示し、作業者はこの表示を見てバスバー電極207などの接続不良の有無を判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、照射装置50A,50Bとして複数の発光素子(LED)51をマトリクス状に配置した光源を利用したが、太陽電池SB又は太陽電池セルSCをセットするステージ20上の光量が均一になるならば、どのような光源でもよく、蛍光灯、ランプ等の光源でもよい。また、発光素子35A,35Bに関しても、蛍光灯、ランプ等の光源でもよい。
また、上記実施形態では、複数の太陽電池セルSCを有する太陽電池SBを検査するようにした。しかし、本発明は、これに代えて、太陽電池セルSCを個々に検査する検査装置にも適用できる。
また、上記実施形態及び変形例では、磁気センサとして磁気抵抗素子(MR素子)を利用したが、これに代えて、ホール素子、磁気インピーダンス素子効果センサ、フラックスゲート、超伝導量子干渉素子などを利用するようにしてもよい。
10A,10B…磁気センサ、20…ステージ、21…バキュームポンプ、30A,30B…X方向移動機構、31A,31B…支持部材、32A,32B…移動部材、34A,34B…X方向モータ、35A,35B…発光素子、40…Y方向移動機構、44A,44B…Y方向モータ、50A,50B…照射装置、51…発光素子、61…遮光カーテン、76…遮光カーテン用モータ駆動回路、81A,81B…発光信号供給回路、83A,83B…センサ信号取出回路、84,85…信号選択回路、86…ロックインアンプ、90…コントローラ、100…基板、101,102…取出電極、200…基板、207…バスバー電極、SB…太陽電池、SC…太陽電池セル

Claims (6)

  1. 太陽電池を載置するためのステージと、
    前記ステージ上に載置された太陽電池の表面上を複数の領域に区分するために太陽電池の表面上に設けられて、前記複数の領域間の光の侵入を遮る遮光手段と、
    前記複数の領域において前記ステージに対向してそれぞれ配置されて、前記ステージ上に載置された太陽電池に対して、互いに異なる周波数で強度が変化する複数の光を発電のためにそれぞれ照射する複数の第1光照射手段と、
    前記複数の領域において前記複数の第1光照射手段と前記ステージとの間にそれぞれ設けられた複数の支持部材と、
    前記ステージ上に載置された太陽電池に対向させて前記複数の支持部材にそれぞれ移動可能に設けられ、前記第1光照射手段によって照射される光に基づく発電により太陽電池に流れる電流が生成する前記複数の領域における磁界をそれぞれ検出して、前記検出した磁界を表す磁界検出信号であって前記複数の第1光照射手段の光の照射による異なる周波数の光の強度変化がもたらす複数の異なる周波数成分を含む磁界検出信号をそれぞれ出力する複数の磁気センサと、
    前記複数の磁気センサからの磁界検出信号を入力し、各磁気センサごとに、前記複数の異なる周波数成分を含む磁界検出信号から、前記各磁気センサが属する領域内の第1光照射手段の光の照射による光の強度変化がもたらす周波数成分以外の一つの周波数成分の磁気検出信号を取出す磁気検出信号取出手段と
    を備えたことを特徴とする太陽電池検査装置。
  2. さらに、前記複数の支持部材にそれぞれ取付けられ、前記複数の領域において前記ステージ上に載置された太陽電池に光をそれぞれ照射する複数の第2光照射手段であって、各領域ごとに、前記第1光照射手段の光の照射における光の強度変化の周波数とは異なる周波数で強度が変化する光、又は強度が変化しない光を照射する第2光照射手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載した太陽電池検査装置。
  3. さらに、前記磁気検出信号取出手段によって取出された磁気検出信号に基づいて、前記複数の領域における、太陽電池の電極の位置又はその近傍の位置における前記電極の延設方向の磁界の強さ又は前記延設方向と直交する方向の電流の大きさをそれぞれ検出する検出手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池検査装置。
  4. さらに、前記検出された磁界の強さ又は電流の大きさの変動が大きい部分の変動量を表す特性値を計算する変動量特性値計算手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載した太陽電池検査装置。
  5. さらに、前記磁気検出信号取出手段によって取出された磁気検出信号に基づいて、前記複数の領域における、太陽電池の電極の位置又はその近傍の位置における前記電極の延設方向の電流の大きさ又は前記延設方向と直交する方向の磁界の強さをそれぞれ検出する検出手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池検査装置。
  6. さらに、前記検出された電流の大きさ又は磁界の強さの変動量を表す特性値を計算する変動量特性値計算手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載した太陽電池検査装置。
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