JP4661095B2 - 被搬送物の傾動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コンベアで搬送される被搬送物の傾動装置に関するものである。
コンベアで搬送される被搬送物である自動車等の床部材には凹凸部が存在する。したがって、例えば自動車工場における塗装ラインにおいて、自動車の車体溶接時の汚れを落とすための水洗後又は表面処理のための処理液への浸漬後等には、前記凹部に水又は処理液が溜まり、後工程における乾燥処理を適切に行うことができない場合がある。このような場合において乾燥処理を適切に行うためには、乾燥時間を長くする必要があると共に乾燥処理のための消費電力が増大するため、生産性の低下及びコストの上昇を招来することになる。そこで、自動車の車体の床部材に形成された水抜穴から前記凹部に溜まった水又は処理液を排出するために、前記乾燥処理を行う工程の上流側に、自動車の車体を傾斜させる傾動装置が設けられている。
このような被搬送物の傾動装置としては、山状又はアーチ状に形成したコンベアにより被搬送物を搬送しながら該被搬送物を傾斜させるもの(例えば、特許文献1参照。)、コンベア上で被搬送物を一端停止させ、該被搬送物を前後の傾動機構により傾斜させるもの(例えば、特許文献2参照。)等がある。
実開昭53−120473号公報(第1図、第4図) 実公昭61−937号公報(第1図)
特許文献1の被搬送物の傾動装置の構成では、コンベアの全長及び全高が大きくなり、設備の大型化が避けられないこと、コストが増大すること、並びに、被搬送物の変更等に応じて行う必要がある、前記凹部に溜まった水又は処理液の排出に必要な傾斜角度の変更が容易でないこと等の問題点がある。
また、特許文献2の被搬送物の傾動装置の構成では、被搬送物をコンベア上で一端停止させる必要があるため、大量生産における流れ作業が一時的に中断されてしまうこと、並びに、第1傾動機構及び第2傾動機構を設けてそれらを制御する必要があるため、機構の複雑化等により、コストが増大すること及び長期にわたる信頼性が低下すること等の問題点がある。
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、コンパクトかつ簡素な構成によりコストの増大を抑制することができ、被搬送物の変更への対応が容易であり、長期にわたる信頼性が高い被搬送物の傾動装置を得ることを目的とする。
本発明に係る被搬送物の傾動装置は、コンベアにより搬送される台車のフレームに立設された、被搬送物を支持する複数の支持部材の中の少なくとも1つを略棒状の昇降体として、該昇降体に外嵌するガイド体により上下方向に移動可能にガイドすると共に、該昇降体を押し上げる駆動手段を前記台車の搬送経路の所定位置に設け、前記昇降体の側面に略水平面内の周囲方向に延びる昇降体溝部を形成し、前記ガイド体の前記昇降体と摺動する内面に略水平面内の該内面に沿う方向に延びるガイド体溝部を形成し、側面に上方先細のテーパ部が形成されると共に下面が略水平に形成されてなる係合片を、前記ガイド体の内面に向かう方向に弾性付勢した状態で前記昇降体溝部に係合させ、前記昇降体に外嵌する上下スライド体を、前記ガイド体溝部に上下方向に移動可能に係合させ、前記昇降体の昇降による上下方向の駆動力を前記上下スライド体に伝達するための摩擦部材を前記昇降体又は上下スライド体に設け、前記被搬送物を傾動させる、前記台車の搬送経路の所定位置において、前記駆動手段により前記昇降体を所定下降位置から所定上昇位置に上昇させると、前記摩擦部材により伝達された上方への駆動力により上方へ移動した前記上下スライド体の下側で、前記係合片が前記ガイド体溝部内へ突出し、該係合片の下面と該ガイド体溝部の下面との当接により該昇降体の下降を規制して前記被搬送物が傾斜した状態を保持し、前記被搬送物の傾動を解除する、前記台車の搬送経路の所定位置において、前記駆動手段により前記昇降体を前記所定上昇位置からさらに上昇させると、前記ガイド体溝部の上面により上方への移動が規制された前記上下スライド体の下端隅部に前記係合片のテーパ部が当接して、前記昇降体の上昇により該係合片が前記昇降体溝部内に収納され、この状態で前記駆動手段による前記昇降体の駆動を解除又は駆動力を小さくして前記昇降体を下降させると、該昇降体の下降に伴い、前記摩擦部材により伝達された下方への駆動力により下方へ移動する前記上下スライド体が前記係合片の前記ガイド体溝部内への突出を規制するため、前記昇降体が前記所定下降位置まで下降するものである。
ここで、前記昇降体が、略円柱状のものであり、前記係合片が、水平断面が円弧状の2個の部品を、これら円弧の中心側同士を対向させて配置したものであり、該2個の部品がそれぞれ前記ガイド体の内面に向かう方向に弾性付勢されるように該部品間に圧縮コイルばねを横架してなると好ましい。
また、前記係合片が、非変形状態において前記昇降体の側面から突出する弾性体であり、該弾性体を弾性変形させて前記昇降体溝部内に収納したものであると好ましい。
さらに、前記摩擦部材が、前記昇降体溝部の上側に形成した略水平面内の周囲方向に延びる溝に装着された環状のゴム体であると好ましい。
本発明に係る被搬送物の傾動装置によれば、コンベアにより搬送される台車のフレームに立設された、被搬送物を支持する複数の支持部材の中の少なくとも1つを略棒状の昇降体として、該昇降体に外嵌するガイド体により上下方向に移動可能にガイドすると共に、該昇降体を押し上げる駆動手段を前記台車の搬送経路の所定位置に設け、前記昇降体の側面に略水平面内の周囲方向に延びる昇降体溝部を形成し、前記ガイド体の前記昇降体と摺動する内面に略水平面内の該内面に沿う方向に延びるガイド体溝部を形成し、側面に上方先細のテーパ部が形成されると共に下面が略水平に形成されてなる係合片を、前記ガイド体の内面に向かう方向に弾性付勢した状態で前記昇降体溝部に係合させ、前記昇降体に外嵌する上下スライド体を、前記ガイド体溝部に上下方向に移動可能に係合させ、前記昇降体の昇降による上下方向の駆動力を前記上下スライド体に伝達するための摩擦部材を前記昇降体又は上下スライド体に設け、前記被搬送物を傾動させる、前記台車の搬送経路の所定位置において、前記駆動手段により前記昇降体を所定下降位置から所定上昇位置に上昇させると、前記摩擦部材により伝達された上方への駆動力により上方へ移動した前記上下スライド体の下側で、前記係合片が前記ガイド体溝部内へ突出し、該係合片の下面と該ガイド体溝部の下面との当接により該昇降体の下降を規制して前記被搬送物が傾斜した状態を保持し、前記被搬送物の傾動を解除する、前記台車の搬送経路の所定位置において、前記駆動手段により前記昇降体を前記所定上昇位置からさらに上昇させると、前記ガイド体溝部の上面により上方への移動が規制された前記上下スライド体の下端隅部に前記係合片のテーパ部が当接して、前記昇降体の上昇により該係合片が前記昇降体溝部内に収納され、この状態で前記駆動手段による前記昇降体の駆動を解除又は駆動力を小さくして前記昇降体を下降させると、該昇降体の下降に伴い、前記摩擦部材により伝達された下方への駆動力により下方へ移動する前記上下スライド体が前記係合片の前記ガイド体溝部内への突出を規制するため、前記昇降体が前記所定下降位置まで下降するので、コンパクトかつ簡素な構成によりコストの増大を抑制することができ、前記被搬送物の変更への対応が容易であると共に、長期にわたり高い信頼性を確保することができる。
また、前記昇降体が、略円柱状のものであり、前記係合片が、水平断面が円弧状の2個の部品を、これら円弧の中心側同士を対向させて配置したものであり、該2個の部品がそれぞれ前記ガイド体の内面に向かう方向に弾性付勢されるように該部品間に圧縮コイルばねを横架してなるものであると、特に前記被搬送物の重量が重い場合においても使用することができる。
さらに、前記係合片が、非変形状態において前記昇降体の側面から突出する弾性体であり、該弾性体を弾性変形させて前記昇降体溝部内に収納したものであるであると、より構成を簡素化することができる。
さらにまた、前記摩擦部材が、前記昇降体溝部の上側に形成した略水平面内の周囲方向に延びる溝に装着された環状のゴム体であると、該摩擦部材のコンパクト化、組み付けの容易化、高信頼化及び低コスト化を図ることができる。
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。なお、本明細書においては、被搬送物の搬送方向(台車の走行方向)を前(図中矢印A方向参照。)、その反対側を後とし、前方に向かって左右を左右とする。また、左方から台車を見た図を正面図とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る被搬送物の傾動装置の構成を示す正面図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る被搬送物の傾動装置の構成を示す平面図である。さらに、図3は、本発明の実施の形態に係る被搬送物の傾動装置により被搬送物を傾斜させた状態を示す正面図である。
図において、台車1は、所定の走行経路に沿ってコンベアにより搬送されるものであり、縦フレーム2,3及び横フレーム4,5、前後の横フレーム4,5に立設された、被搬送物Wを支持するための左右2本の前支持部材6,6及び左右2本の後支持部材7,7、並びに、左右一対の走行レール13,13に沿って走行するための該走行レール13,13に係合する左右の走行車輪12・・・を備えたトロリ8・・・、前後のトロリ8,8間を連結する連結ロッド9,10,11等により構成される。また、左右2本の前支持部材6,6を、後述する略棒状の昇降体21,21として、該昇降体21,21に外嵌するガイド体22,22により上下方向に移動可能にガイドすると共に、該昇降体21,21を押し上げる電動シリンダ等の駆動手段23,23を台車1の走行経路(被搬送物Wの搬送経路)の所定位置(台車1を傾動させる所定位置及び該傾動を解除する所定位置)に設けている。
トロリ8の左右の走行車輪12・・・が係合する左右一対の走行レール13,13は、例えば互いに左右方向に間隔をおいて開口同士を対向させてなる左右一対の断面略コ字状のものであり、被搬送物Wの搬送経路(台車1の走行経路)に沿って配置され床面FLに固定された、上側に開口を有する断面略U字状のヨーク14・・・の上部の左右方向内面側にて支持される。台車1を所定の走行経路に沿って搬送するコンベアは、例えば一般的に用いられるパワーチェーン式駆動装置を用いたパワーアンドフリー式コンベアであるため、図示及び説明を省略する。なお、本発明に係る被搬送物の傾動装置に用いられる台車を搬送するためのコンベアの駆動装置は、パワーチェーン式駆動装置に限定されるものではない。
図4は、昇降体及びガイド体の構成を示す縦断正面図である。なお、図4中には、前記駆動手段23及びそのピストンロッド23aも示している。また、図5は、係合片の例を示す横断平面図である。さらに、図6は、昇降体の昇降動作説明用縦断正面図であり、図6(a)は被搬送物を水平に保った状態(昇降体が所定下降位置にある状態)を示す図、図6(b)は昇降体を上昇させて被搬送物を傾斜させた状態(昇降体が所定上昇位置にある状態)を示す図、図6(c)は昇降体を下降させるために昇降体をさらに上昇させた状態を示す図、図6(d)は昇降体が所定下降位置まで下降した状態を示す図である。
図において、鋼製の昇降体21は、その下部の側面24を円柱面とした略棒状のものであり、該円柱面が形成された部分の上側にはフランジ25及び被搬送物Wに形成された穴に嵌合する略円錐状の先端を有する被搬送物受け部26が形成されている。また、昇降体21の側面24には略水平面内の周囲方向に延びる(円柱面の周方向に延びる)昇降体溝部28が形成されている。さらに、昇降体21には、昇降体21と該昇降体21に外嵌するガイド体22との摺動部分に塵埃等が侵入するのを防いで、昇降体21の昇降動作を長期にわたって信頼性が高いものとするために、防塵カバー27が装着されている。なお、昇降体21の側面24は、円柱面に限定されるものではない。
鋼製のガイド体22の昇降体21と摺動する内面31には略水平面内の該内面に沿う方向に延びる(ガイド体22の内周方向に延びる)ガイド体溝部32が形成されている。鋼製の係合片29,29には、上方先細のテーパ部29a,29aが側面に形成されると共に略水平な下面29b,29bが形成されている。また、係合片29,29は、図5に示すように、水平断面が円弧状の2個の部品を、これら円弧の中心側同士を対向させて配置したものであり、該2個の部品がそれぞれガイド体22の内面31に向かう方向に弾性付勢されるように、該2個の部品のばね受け部29c,29c間に圧縮コイルばね30を横架している。
そして、図4に示すように、係合片29,29は、前記のとおりガイド体22の内面31に向かう方向に弾性付勢された状態で、昇降体溝部28,28に係合している。また、後述する係合片29,29がガイド体溝部32内へ突出する場合における係合片29,29の突出は、係合片受け部33により規制される(図6(b)参照)。したがって、係合片29,29は係合片受け部33に当接して位置決めされるため、後述する係合片29,29のテーパ部29a,29aと上下スライド体34の下端隅部34aとの当接及び昇降体21の上昇による係合片29,29の昇降体溝部28内への収納動作を確実に行うことができる。
昇降体21に外嵌する合成樹脂製の上下スライド体34は、ガイド体溝部32の上面32aにより上方への移動が規制され、ガイド体溝部32の下面32c(あるいは、ガイド体溝部32の下面32bであってもよい。)により下方への移動が規制されて、ガイド体溝部32内を上下方向に移動可能なようにガイド体溝部32に係合している。なお、上下スライド体34は、必ずしも樹脂製でなくてもよく、例えば鋼等の金属製であってもよい。
以上のような昇降体21、ガイド体22及び上下スライド体34において、昇降体溝部28の上下方向の長さ(略係合片29の上下方向の長さに相当。以下「L1」とする。)、ガイド体溝部32の上下方向の長さ(以下「L2」とする。)、及び、上下スライド体34の上下方向の長さ(以下「L3」とする。)は、例えばL2>(L1+L3)となるように形成されている。したがって、後述のように昇降体21の上昇に伴って上下スライド体34がガイド体溝部32内を上方に移動した状態で、該上下スライド体34の下側で、係合片29,29がガイド体溝部32内へ突出する空間が確保される。
昇降体21の上昇により上下スライド体34を上昇させ、昇降体21の下降により上下スライド体34を下降させるための摩擦部材として、昇降体21の昇降体溝部28の上側(昇降体21が図6(a)の所定下降位置Lにある状態で、上下スライド体34よりも下方の位置であり、昇降体21が図6(c)の所定上昇位置H1からさらに上昇した位置H2にある状態で、上下スライド体34の内面に当接する位置)には、略水平面内の周囲方向に延びる溝35(本実施の形態ではOリング溝)に環状のゴム体36(本実施の形態ではOリング)が装着されている。
ここで、該摩擦部材としては、コンパクトであること、装着が容易であること、信頼性が高いこと、及び、低コスト化を図ることができること等から、このような環状のゴム体(例えばOリング)を用いることが望ましいが、Vパッキン等の他のシール材又は専用に製作したゴム製の帯状部材等を用いることができる。また、該摩擦部材は、昇降体21に装着せずに、上下スライド体34の内面に周方向に延びる溝を形成して、該溝に装着してもよい。あるいは、前記摩擦部材として、樹脂製の上下スライド体34の内面から昇降体21に向かう方向に突出する部分を一体成形する構成、又は、環状のゴム体を樹脂製の上下スライド体34の内面にインサート成形する構成としてもよい。
次に、昇降体21の昇降動作について説明する。図6(a)及び(b)は、被搬送物Wを傾斜させるための動作(傾動動作)を、図6(c)及び(d)は被搬送物Wの傾動を解除するための動作を示している。図6(a)の昇降体21が所定下降位置Lにある状態では、昇降体21のフランジ25の下面25aとガイド体22の上面22aとが当接して(図4参照。)、昇降体21の被搬送物受け部26からフランジ25、ガイド体22、横フレーム4、縦フレーム2へと被搬送物Wの荷重が伝達されるため、被搬送物Wが略水平に確実に支持される。
この状態で被搬送物Wを搬送し、被搬送物Wを傾動させる、台車1の搬送経路の所定位置において、駆動手段23を駆動して、駆動手段23のピストンロッド23aにより昇降体21の下面を押し上げて昇降体21を上昇させると、図6(b)のように、摩擦部材である環状のゴム体36との摩擦による上方への駆動力が作用するため上下スライド体34が上昇して、昇降体21の所定上昇位置H1において、係合片29,29が上下スライド体34の下側でガイド体溝部32内へ突出する。
この状態においては、係合片29,29の略水平な下面29b,29b(図4参照。)とガイド体溝部32の下面32bとが当接し、昇降体21の被搬送物受け部26から側面24が形成された部分、係合片29,29、ガイド体22、横フレーム4、縦フレーム2へと被搬送物Wの荷重が伝達され、被搬送物Wは図3に示すように後方に傾斜した状態で確実に支持される。したがって、自動車等の被搬送物Wの床部材の凹部に溜まった水又は処理液は、被搬送物Wの床部材に形成された水抜穴から排出される。また、前記のとおり、係合片29,29の略水平な下面29b,29bとガイド体溝部32の下面32bとが当接して昇降体21の下降が規制されるため、被搬送物Wの荷重を受け持つ駆動手段23の推力は不要となり、駆動手段23のピストンロッド23aをガイド体22から抜いた状態でも、被搬送物Wが傾斜した状態が保持される。
この状態で被搬送物Wを搬送し、被搬送物Wに傾動を解除する、台車1の搬送経路の所定位置において、図6(c)のように、駆動手段23により昇降体21を所定上昇位置H1からさらに上昇した位置H2まで上昇させると、上下スライド体34はガイド体溝部32の上面32a(図4参照。)により上方への移動が規制されるため、上下スライド体34の下端隅部34a(図4参照。)に係合片29,29のテーパ部29a,29a(図4参照。)が当接して、昇降体21の上昇により係合片29,29が昇降体溝部28内に収納される。
この状態で駆動手段23による昇降体21の駆動を解除又は駆動力を小さくして昇降体21を下降させると、該下降に伴って摩擦部材である環状のゴム体36との摩擦による下方への駆動力が作用するため上下スライド体34がガイド体溝部32内を下降する。したがって、係合片29,29のガイド体溝部内32への突出が規制されるため、図6(d)のように昇降体21は所定下降位置Lまで下降する。
なお、前記水抜穴からの水又は処理液の排出に必要な被搬送物Wの傾斜角は、被搬送物Wの種類(例えば、自動車の車種)によって異なるものである。したがって、昇降体21の昇降ストロークSTを被搬送物Wの種類によって変更する必要がある。本発明の被搬送物の傾動装置によれば、昇降体21の昇降体溝部28の位置を変えて係合片29,29の位置を変えることにより、昇降ストロークST(図6(a)及び(b)参照。)を変えることができるため、昇降体溝部28の位置を変えた昇降体21を予め用意しておいて昇降体21を交換することで、被搬送物Wの種類に応じた適切な傾斜角を容易かつ迅速に設定することができる。
以上のとおり、昇降体21、ガイド体22及び駆動手段23等を用いるコンパクトかつ簡素な構成により、被搬送物Wが重量物であっても該被搬送物Wの傾動、すなわち、被搬送物Wを水平状態から傾斜状態とすること、及び、被搬送物Wを傾斜状態から水平状態に戻すことを容易かつ確実に行うことができると共にコストの増大を抑制することができる。また、昇降体21・・・を設けた台車1の数は生産量に応じて適宜増減することができるため、大量生産ばかりでなく少量生産にもフレキシブルに対応することができる。さらに、乾燥処理工程に到着するまでに前記水抜穴からの水又は処理液の排出処理が完了するように、所要数の台車1・・・を連続的に循環移動させるようにすることにより、使用する台車1・・・の台数を少なくして、多数の被搬送物Wにおける前記水抜穴からの水又は処理液の排出処理を連続的に行うことができる。従って処理の流れの中断を抑制して無駄をなくすことができるため、塗装作業の生産性を向上することができる。
以上においては、係合片29,29が、水平断面が円弧状の2個の部品を、これら円弧の中心側同士を対向させて配置したものであり、このように分離した係合片29,29を圧縮コイルばね30によりガイド体22の内面31に向かう方向に弾性付勢する構成を説明したが、係合片を3個以上とする構成を採用してもよい。また、このような分離した係合片ではなく、係合片を、非変形状態において昇降体21の側面24から突出する弾性体とし、該係合片を弾性変形させて昇降体溝部28内に収納する構成としてもよい。このような構成とすれば、係合片をガイド体22の内面31に向かう方向に弾性付勢する圧縮コイルばね30を不要とすることができるため、より構成を簡素化することができる。ただし、係合片を前記のように弾性変形させるためには、係合片の剛性を落とす必要がある。したがって、前記のとおり係合片は所定上昇位置H1において荷重を受け持つ部材であるため、特に被搬送物Wの重量が重い場合には、分離した係合片29,29を圧縮コイルばね30によりガイド体22の内面31に向かう方向に弾性付勢する構成の方が好ましい。
以上の説明においては、左右2本の前支持部材6,6及び左右2本の後支持部材7,7の中の、前支持部材6,6を昇降体21,21として、該昇降体21,21を昇降させて被搬送物Wを後方に傾斜させる場合を示したが、後支持部材7,7を昇降体21,21として、該昇降体21,21を昇降させて被搬送物Wを前方に傾斜させる構成、左又は右の支持部材6,7を昇降体21,21として、該昇降体21,21を昇降させて被搬送物Wを右又は左に傾斜させる構成としてもよい。すなわち、平面視において四角形の4つの頂点位置に支持部材を設けた場合には、該四角形の隣り合う2箇所の支持部材を昇降体とすればよい。また、例えば、平面視において三角形の3つの頂点位置に支持部材を設けた場合には、1箇所の支持部材を昇降体とすればよい。あるいは、全ての支持部材を昇降体として、これら昇降体の昇降ストロークを変えることにより、被搬送物を傾斜させることもできる。
本発明の実施の形態に係る被搬送物の傾動装置の構成を示す正面図である。 同じく平面図である。 本発明の実施の形態に係る被搬送物の傾動装置により被搬送物を傾斜させた状態を示す正面図である。 昇降体及びガイド体の構成を示す縦断正面図である。 係合片の例を示す横断平面図である。 昇降体の昇降動作説明用縦断正面図であり、(a)は被搬送物を水平に保った状態(昇降体が所定下降位置にある状態)を示す図、(b)は昇降体を上昇させて被搬送物を傾斜させた状態(昇降体が所定上昇位置にある状態)を示す図、(c)は昇降体を下降させるために昇降体をさらに上昇させた状態を示す図、(d)は昇降体が所定下降位置まで下降した状態を示す図である。
1 台車
21 昇降体
22 ガイド体
23 駆動手段
24 側面
28 昇降体溝部
29 係合片
29a テーパ部
29b 下面
29c ばね受け部
30 圧縮コイルばね
31 内面
32 ガイド体溝部
32a 上面
32b,32c 下面
33 係合片受け部
34 上下スライド体
34a 下端隅部
35 略水平面内の周囲方向に延びる溝
36 環状のゴム体
W 被搬送物
L 所定下降位置
H1 所定上昇位置
H2 所定上昇位置からさらに上昇した位置

Claims (4)

  1. コンベアにより搬送される台車のフレームに立設された、被搬送物を支持する複数の支持部材の中の少なくとも1つを略棒状の昇降体として、該昇降体に外嵌するガイド体により上下方向に移動可能にガイドすると共に、該昇降体を押し上げる駆動手段を前記台車の搬送経路の所定位置に設け、
    前記昇降体の側面に略水平面内の周囲方向に延びる昇降体溝部を形成し、
    前記ガイド体の前記昇降体と摺動する内面に略水平面内の該内面に沿う方向に延びるガイド体溝部を形成し、
    側面に上方先細のテーパ部が形成されると共に下面が略水平に形成されてなる係合片を、前記ガイド体の内面に向かう方向に弾性付勢した状態で前記昇降体溝部に係合させ、
    前記昇降体に外嵌する上下スライド体を、前記ガイド体溝部に上下方向に移動可能に係合させ、
    前記昇降体の昇降による上下方向の駆動力を前記上下スライド体に伝達するための摩擦部材を前記昇降体又は上下スライド体に設け、
    前記被搬送物を傾動させる、前記台車の搬送経路の所定位置において、前記駆動手段により前記昇降体を所定下降位置から所定上昇位置に上昇させると、前記摩擦部材により伝達された上方への駆動力により上方へ移動した前記上下スライド体の下側で、前記係合片が前記ガイド体溝部内へ突出し、該係合片の下面と該ガイド体溝部の下面との当接により該昇降体の下降を規制して前記被搬送物が傾斜した状態を保持し、
    前記被搬送物の傾動を解除する、前記台車の搬送経路の所定位置において、前記駆動手段により前記昇降体を前記所定上昇位置からさらに上昇させると、前記ガイド体溝部の上面により上方への移動が規制された前記上下スライド体の下端隅部に前記係合片のテーパ部が当接して、前記昇降体の上昇により該係合片が前記昇降体溝部内に収納され、この状態で前記駆動手段による前記昇降体の駆動を解除又は駆動力を小さくして前記昇降体を下降させると、該昇降体の下降に伴い、前記摩擦部材により伝達された下方への駆動力により下方へ移動する前記上下スライド体が前記係合片の前記ガイド体溝部内への突出を規制するため、前記昇降体が前記所定下降位置まで下降する被搬送物の傾動装置。
  2. 前記昇降体が、略円柱状のものであり、
    前記係合片が、水平断面が円弧状の2個の部品を、これら円弧の中心側同士を対向させて配置したものであり、該2個の部品がそれぞれ前記ガイド体の内面に向かう方向に弾性付勢されるように該部品間に圧縮コイルばねを横架してなる請求項1記載の被搬送物の傾動装置。
  3. 前記係合片が、非変形状態において前記昇降体の側面から突出する弾性体であり、該弾性体を弾性変形させて前記昇降体溝部内に収納したものである請求項1記載の被搬送物の傾動装置。
  4. 前記摩擦部材が、前記昇降体溝部の上側に形成した略水平面内の周囲方向に延びる溝に装着された環状のゴム体である請求項1記載の被搬送物の傾動装置。
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