JP4660068B2 - シリコン単結晶基板 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来よりも高いゲッタリング能力を有する改良されたシリコン単結晶基板およびその応用に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のLSI工程では、シリコンウエハーは金属などの不純物元素による汚染を必然的に受けるため、特性不良品の発生による歩留まり低下などが生じることが多い。このため、不純物のゲッタリング能力が高く、汚染に影響されにくいシリコンウエハーが開発され、その一部はLSIの量産ラインで使用されている。その例として、CZ法で作製したシリコンウエハーに高温アニール処理を施したアニール処理ウエハーなどを挙げることができる(たとえば非特許文献1および特許文献1参照)。
【0003】
シリコン結晶内の酸素析出欠陥であるBMD(Bulk Micro Defect)は、高い金属ゲッタリング能力を示すことが知られている。従来は、シリコンウエハーのIG(Intrinsic Gettering)能力を高めるために、BMD密度を高めることに努力が払われてきた。ただし、BMD自体の存在はデバイスの特性不良を招くため、表面層のデバイス活性領域ではBMD密度を低くし、かつデバイス活性領域よりも深い領域でBMD密度を高くしたシリコン単結晶基板の開発が続けられてきた。水素アニールウエハーを含むアニール処理ウエハーはその代表例である。
【0004】
シリコン結晶内でBMD密度を増加させるには高い格子間酸素濃度を実現することが必要であるが、格子間酸素濃度を増大させるには限界がある。しかも、過度にBMD密度を高めると、シリコン単結晶基板の機械的強度が劣化するという問題が生じる。
【0005】
一方、次世代および次々世代のLSIでは、Ru,W,Ti,Ge,Sr,Ir,Ta,Pd,Hfなど、これまで使用されなかった新規材料元素が電極やゲート酸化膜などのデバイス構成要素の構成材料として導入されること、およびプロセス温度が一層低温化されることが予想されている。
【0006】
新規材料元素は、それが使用されるデバイス構成要素以外の他のデバイス領域にとっては汚染金属となる。しかも、新規材料元素は従来の汚染金属元素をはるかに上回る量で導入される。したがって、シリコン単結晶基板にはこれまで以上のIG能力が求められることになる。
【0007】
プロセスの低温化は、汚染金属の拡散という観点で見れば、シリコン単結晶基板のIG能力の低下を意味する。したがって、低温処理プロセスでも高いゲッタリング能力を保持するためには、より強いIG能力を持つシリコン単結晶基板が要求される。
【0008】
以上のように、次世代および次々世代のLSIには、これまで以上のIG能力を持つシリコン単結晶基板の開発が不可欠となる。
【0009】
【非特許文献1】
シリコンテクノロジー,No.28,12(1998)
【0010】
【特許文献1】
特許第2762190号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のシリコン単結晶基板をはるかに上回るIG能力を持ち、新規材料元素や低温プロセスが導入される次世代および次次世代の半導体デバイスに十分に対応できる改良されたシリコン単結晶基板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係るシリコン単結晶基板は、結晶格子点からシリコン原子が抜けた結晶内空孔と、前記結晶内空孔にOまたはNが析出した結晶内欠陥と、前記結晶内空孔と前記結晶内欠陥との複合体とを含み、サイズが50nm以下である微小欠陥を、総量で1×10 9 個/cm 3 以上の密度で有する結晶領域を持つことを特徴とする。
【0013】
本発明において、微小欠陥は、表面から10μm以下の領域では1×108個/cm3以下の密度、表面から10μm以上深い領域では1×108個/cm3以上の密度で分布していることが好ましい。
【0014】
本発明に係るシリコン単結晶基板は支持基板としてSOIウエハー、歪シリコンウエハー(歪SOIウエハーを含む)、またはエピタキシャルウエハーにも適用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明でいう微小欠陥の定義は以下の通りである。「結晶格子点からシリコン原子が抜けた結晶内空孔」とは、シリコン単結晶内において本来シリコン原子が存在すべき結晶格子点から1個以上のシリコン原子が抜けて欠損状態にある結晶欠陥を意味する。これは、単純に空孔と呼ばれる結晶欠陥と同じ意味を持つので、以下においてこの微小欠陥を空孔または微小空孔という場合がある。「結晶内空孔にOまたはNを含むシリコン以外の原子が析出した結晶内欠陥」は、上記の結晶内空孔の定義から容易に理解できる。このような微小欠陥は、たとえば陽電子消滅法、IR分光法、ESR分光法、ENDOR分光法及びそれらを併用した方法により分析することができる。また、前記欠陥および前記空孔の複合体は、例をあげれば、空孔−酸素複合体(VxOy)や空孔−窒素複合体(VxNy)と呼ばれるものであり、たとえば陽電子消滅法及びIR分光法により分析することができる。上記の定義からわかるように、「微小欠陥」には、BやPなどのドーパント原子がシリコン原子と置換され4配位構造をとるドーパント型構造部分は含まれない。本発明でいう微小欠陥のサイズは、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
【0017】
本発明は、上述した微小欠陥が、従来強いゲッタリング能力をもつとされていたBMDをはるかに凌ぐゲッタリング能力を持つことを見出すことによりなされたものである。すなわち、本発明の実施形態に係るシリコン単結晶基板では、高いゲッタリング能力を示す微小欠陥が稠密に分布しており、汚染元素に対して高い捕捉能力を示す。本発明の実施形態に係るシリコン単結晶基板が高いIG能力を示すためには、微小欠陥が1×108個/cm3以上の密度で分布している領域を有することが好ましい。逆に上記の微小欠陥密度がそれ以下の密度になると将来予想される低温プロセスやデバイス中に含まれる大量の新規材料元素に対応するに充分なゲッタリング能力を持たなくなる。
【0018】
特に、本結晶基板をエピタキシャルウエハーなどの支持基板としてではなく、それ自体に半導体デバイスを作製する場合、即ちバルクウエハーとして使用する場合、表面付近のデバイス活性領域では欠陥密度を極力抑制する必要があるため、微小欠陥が、表面から10μm以下の領域では1×108個/cm3以下の密度、表面から10μm以上深い領域では1×108個/cm3以上(さらには1×109個/cm3以上)の密度で分布していることがより好ましい。
【0019】
本発明の実施形態に係るシリコン単結晶基板としては、通常、水素またはAr雰囲気下で1200℃程度の高温アニール処理によってデバイス活性領域から酸素析出欠陥やCOPなどを除去したものが使用される。ただし、用途によっては、高温アニール処理を施さないで使用することもある。
【0020】
本発明の実施形態に係るシリコン単結晶基板は、そのままの形態でLSI工程に投入して使用することができる。また、本発明の実施形態に係るシリコン単結晶基板は、SOIウエハー、歪シリコンウエハー(歪SOIウエハーを含む)またはエピタキシャルウエハーの支持基板として用いることもできる。この場合、従来よりもIG能力の優れたSOIウエハー、歪シリコンウエハー(歪SOIウエハー)またはエピタキシャルウエハーを提供することができる。
【0021】
ここでSOIウエハーの構造としては一例としては図1に示す構造をあげることができる。即ち支持基板である本発明によるシリコン基板11の上層に埋め込み絶縁膜12、更にその上層にシリコン単結晶層13という3層から構成される。埋め込み絶縁膜12としてはSiO2層を用いる場合が多い。一方歪シリコンウエハーの構造の最も単純な例として図2に示す構造をあげることができる。即ち支持基板である本発明によるシリコン基板21の上層にSiGeバッファー層22、格子緩和SiGe層23、歪シリコン層24の順の4層から形成される。また歪シリコンウエハーの一つである歪SIOウエハー構造の一例を図3に示したが、この場合は、支持基板である本発明のシリコン基板31の上にSiGeバッファー層32、埋め込み絶縁膜33、格子緩和SiGe層34、歪シリコン層35の5層から構成される構造となる。
【0022】
請求項5で示されるシリコンエピタキシャルウエハーも含め、本発明によるシリコン基板を支持基板とするこれらの多層ウエハーを用いて半導体デバイスを製造する場合も、支持基板が不純物元素に対して強力なゲッタリング能力を持つため、アニール処理工程等の過程で多数の不純物元素を捕捉し、デバイス活性領域からデバイス特性不良の原因となる不純物元素を効果的に除去することが可能となる。特に拡散速度の速い不純物元素に対して、本発明によるシリコン基板を支持基板として用いた場合強力なゲッタリング効果が発揮される。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例の記載によって何ら限定されるものではない。
【0024】
実施例1
本発明に係るシリコン単結晶基板を以下のようにして作製した。
CZ(チョクラルスキー)法によるシリコン単結晶引上装置を用い、窒素濃度8×1015atoms/cm3のシリコン融液に1000ガウスの磁場を印加しながら、V/G:0.30mm2/分℃の条件で、直径8インチのp型シリコンインゴットを引き上げた。ここで、Vは結晶引き上げ速度(mm/分)、Gはシリコン融液との界面近傍におけるインゴット中の温度勾配(℃/mm)を示す。引き上げられたシリコンインゴットは、結晶方位(100)、抵抗率2.0Ωcm、酸素濃度1.5×1018atoms/cm3であった。
【0025】
インゴットからシリコン単結晶基板を切り出して鏡面研磨した。水素雰囲気下において、シリコン単結晶基板を室温から1150℃まで10℃/分の速度で昇温して1150℃で40分熱処理し、さらに1200℃まで昇温して20分熱処理した。
【0026】
得られたシリコン単結晶基板をIR分光法および陽電子消滅法を用い、総合的な分析を行ったところ、微小空孔、Vxyで示される微小空孔−酸素複合体及び微小空孔−窒素複合体の総量が1×109個/cm3以上の密度で生成していることを確認した。
【0027】
具体的にいえば、IR分光法では、空孔−酸素複合体(Vxy)特有の吸収が1014cm-1の吸収を中心に900〜1000cm-1の範囲に観測され、同時に空孔−窒素複合体(Vxy)特有の吸収が960〜970cm-1の範囲に観測された。上記2種の吸収パターンの吸収強度から、これらの微小欠陥の密度は合計で1.5×109個/cm3であることが確認された。
【0028】
また陽電子消滅法では、陽電子寿命の分布から多数の微小空孔の存在が確認され、合計4.3×109個/cm3の密度で微小空孔が存在することが確認された。また、陽電子寿命とドプラー拡がりのSパラメーターなどの測定値から、そのうちの一部はN原子またはO原子などシリコン以外の原子が析出した結晶内欠陥として存在することが確認された。これらの結晶内欠陥の大きさは50nm以下であり、特に20nm以下のサイズのものが支配的であることも確認された。また裏面からのエッチングによって表層部分のみを残した試料に対する分析によって、表層10μmの領域の上記微小欠陥密度は検出限界以下の密度であることも確認できた。
【0029】
次にCOPなど巨大空孔を測定する方法である赤外線散乱トモグラフィーによってサイズの大きな空孔の測定を行った結果、巨大空孔であるCOPは検出限界以下で測定されず、本結晶で形成された空孔の大部分が微小空孔であることを確認した。また従来からゲッタリングサイトとして知られているBMDについていえば、深さ10μm以上の領域では通常のアニールウエハーと同様、赤外線散乱トモグラフィーの測定結果では9.0×108個/cm3という高いBMD密度が観測された。
【0030】
比較例1
従来のBMD密度を高めたシリコン単結晶基板(高温アニール処理ウエハー)を以下のようにして作製した。
実施例1で用いたのと同じ単結晶引上装置を用い、窒素濃度1×1014atoms/cm3のシリコン融液から、V/G:0.22mm2/分℃の条件で、直径8インチのp型シリコンインゴットを引き上げた。引き上げられたシリコンインゴットは、抵抗率1.8Ωcm、酸素濃度1.0×1018atoms/cm3であった。次に、本インゴットから切り出し、鏡面研磨したシリコン結晶基板を水素雰囲気下で室温から1200℃まで昇温させ、60分の加熱処理を行った。
【0031】
本比較例の様に、高温アニール処理を行ったシリコン結晶基板は、赤外線散乱トモグラフィーによる分析の結果、表面から深さ10μm以内のデバイス活性領域では、BMD,COPなどの欠陥群が激減していることが確認された。それに対し、表面より深さ10μm以下の深部領域では、赤外線散乱トモグラフィーによる測定結果では1.0×109個/cm3という多数のBMDの形成が確認された。
【0032】
一方、ESR,ENDOR,IR分光および陽電子消滅法による総合的な分析結果から、微小空孔、微小空孔−酸素複合体(Vxy)および微小空孔−窒素複合体(Vxy)の密度は合計で5.0×107個/cm3以下であることが確認された。
【0033】
比較例2
多数のCOPを含む、CZ法で作製した通常のシリコン単結晶基板を以下のようにして作製した。
実施例1で用いたのと同じ単結晶引上装置を用い、窒素、炭素などの元素をドープしないシリコン融液から、V/G:0.22mm2/分℃の条件で、直径8インチのp型シリコンインゴットを引き上げた。引き上げられたシリコンインゴットは、抵抗率1.8Ωcm、酸素濃度1.0×1018atoms/cm3であった。次に本インゴットからシリコン単結晶基板を切り出して鏡面研磨した。
【0034】
赤外線散乱トモグラフィーによる分析の結果、巨大空孔であるCOPの密度は150個/cm2と高いCOP密度が観測された。それに対し、IR分光および陽電子消滅法による分析の結果、微小空孔、微小空孔−酸素複合体(Vxy)および微小空孔−窒素複合体(Vxy)の密度は合計で1×106個/cm3以下であった。このシリコン単結晶基板では、微小空孔が集積した結果、巨大空孔であるCOPが生じていると考えられる。言い換えれば、COPの形成時に微小空孔が吸収されたため、結果として微小空孔密度が低下したものと考えられる。
【0035】
実施例2
次に、実施例1および比較例1,2のシリコン単結晶基板に対して、汚染金属元素としてCu,FeまたはAlの溶液をスピンコートして、1013atoms/cm2の濃度で強制汚染を行った。Ar雰囲気下において800℃で1時間熱処理してシリコン単結晶基板中に金属元素を拡散させた後に除冷した。
【0036】
ステップ研磨を行いながら、DLTS法およびADD−ICPMS法により深さ方向の金属濃度を測定した。表1に、表面から深さ2.5μmおよびバルク領域(表面から10μm以上深い領域)におけるCu濃度、Fe濃度およびAl濃度を示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004660068
表1から以下のことがわかる。実施例1のシリコン単結晶基板は、比較例1のシリコン単結晶基板(BMD密度を高めた従来の高温アニール処理ウエハー)に較べて、バルク領域での不純物濃度が高く、深さ2.5μmでの不純物濃度が低くなっており、優れたゲッタリング効果を示している。また、比較例1のシリコン単結晶基板では金属種によってゲッタリング効果に差があるのに対し、実施例1のシリコン単結晶基板ではどの金属種に対しても同程度のゲッタリング能力を示す。このため、実施例1の深さ2.5μmでの不純物濃度を、比較例1と比較すると、金属種によっては1桁以上低くなっている。
【0038】
同様に、実施例1のシリコン単結晶基板は、比較例2のシリコン単結晶基板(多数のCOPを含むもの)に較べて、非常に優れたゲッタリング効果を示している。比較例2の結果に示されるように、多数の巨大空孔(COP)が形成されても有効なゲッタリング能力につながらないことがわかる。COPの如く、比較的多数の巨大空孔の存在はある程度の体積の空間スペースを結晶内に形成する点では、微小空孔群を稠密に形成した結晶状態と同等ではあるものの、巨大空孔であるがために個数的に稠密な形成が困難であり、結晶全体としての効率的なゲッタリング能力として発現しにくくなると考えられる。
【0039】
実施例3
実施例1のシリコン単結晶基板に対して、酸素濃度0.7〜1.0×1018atoms/cm3のウエハーを用いて、Fe、CuおよびNi溶液をスピンコートして、1000℃で8時間および410℃で45分間の拡散を行い、徐冷却した。DLTS法でバルク中の金属不純物濃度を測定した。結晶内空孔密度はIR分光および陽電子消滅法により測定した。図4に結晶内空孔密度と金属不純物濃度との関係を示す。結晶内空孔密度の増加に伴い、金属不純物濃度が指数関数的に減少している。金属不純物濃度9×1010atoms/cm3が検出限界であるから、結晶内空孔密度が1×108個/cm3以上存在すると、ゲッタリング効果があることがわかる。
【0040】
次いで、第1原理的手法による電子状態の計算によって、代表的な微小欠陥であるV32(N2ペアが析出した3原子空孔)およびBMDによる各種金属原子の捕捉能力を評価した。具体的には、B3LYP hybrid functionalを用いた密度汎関数法(DFT)を用い、モデルクラスターを用いて第1原理計算を行い、V32およびBMDの、Cu、FeおよびAlに対する束縛エネルギーEbを求めて金属に対する捕捉能力を評価した。その結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0004660068
表2に示されるように、V32はBMDに比べて、Cu、FeおよびAlに対する束縛エネルギーEbが高くなっている。また、BMDの場合、親酸素性の弱いCuに対する束縛エネルギーEbは、親酸素性の強いFe,Alに対する束縛エネルギーEbにより小さくなっており、必ずしも全ての金属元素に対して一様に強いゲッタリング能力を有するものではなく、ある種の金属元素に対してはゲッタリング能力が弱いことが分かる。これに対して、V32では、いずれの金属種に対しても同程度の高い束縛エネルギーEbを持ち、3種の金属に対して一様に、BMDを凌ぐゲッタリング能力を持つことを示している。この結果は、表1を参照して実施例1と比較例1とを対比した議論を理論的側面からも裏付けるものである。
【0042】
なお、表2ではV32で表される微小欠陥についての計算結果を示したが、酸素原子が析出した微小欠陥、および他元素が析出していない結晶内空孔でも表2と同様な結果が確認された。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、従来のシリコン単結晶基板を遥かに上回るゲッタリング能力を有し、新規材料元素や低温プロセスが導入される次世代および次々世代のLSIや個別半導体デバイスに十分対応できるシリコン単結晶基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るSOIウエハーを示す断面図。
【図2】 本発明の実施形態に係る歪シリコンウエハーを示す断面図。
【図3】 本発明の実施形態に係る歪SOIウエハーを示す断面図。
【図4】 本発明の実施例3における結晶内空孔密度と金属不純物濃度との関係を示す図。
【符号の説明】
11…シリコン基板、12…埋め込み絶縁膜、13…シリコン単結晶層、21…シリコン基板、22…SiGeバッファー層、23…格子緩和SiGe層、24…歪シリコン層、31…シリコン基板、32…SiGeバッファー層、33…埋め込み絶縁膜、34…格子緩和SiGe層34、35…歪シリコン層。

Claims (4)

  1. 結晶格子点からシリコン原子が抜けた結晶内空孔と、前記結晶内空孔にOまたはNが析出した結晶内欠陥と、前記結晶内空孔と前記結晶内欠陥との複合体とを含み、サイズが50nm以下である微小欠陥を、総量で1×10 9 個/cm 3 以上の密度で有する結晶領域を持つことを特徴とするシリコン単結晶基板。
  2. 請求項1のシリコン単結晶基板を支持基板として有することを特徴とするSOIシリコン単結晶基板。
  3. 請求項1のシリコン単結晶基板を支持基板として有することを特徴とする歪シリコン単結晶基板。
  4. 請求項1のシリコン単結晶基板の表面にエピタキシャル法によりシリコン単結晶層を堆積してなることを特徴とするシリコン単結晶基板。
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