JP4658406B2 - 電子式車両盗難防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子制御によりステアリングの回転操作を不能にする電子式ステアリングロック装置などとして具体化される電子式車両盗難防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の盗難を防止する車両盗難防止装置として、例えばステアリングロック装置が広く用いられている。そこで、従来のステアリングロック装置の一例を図13に示す。
【0003】
同図に示すように、ステアリングロック装置51は、キーシリンダ54及びロックピン52を備えている。キーシリンダ54に図示しないメカキーを挿入して回転操作すると、ロックピン52が作動してステアリングシャフト53に係脱するようになっている。そして、ロックピン52がステアリングシャフト53に係合した状態においては、ステアリングシャフト53及び図示しないステアリングホイールが回転不能(ステアリングロック状態)となる。すなわち、車両の操縦を行うようにするためには、メカキーを用いてロックピン52とステアリングシャフト53との係合を解除する必要がある。よって、車両の盗難を防止することができる。
【0004】
また、近年では、メカキーを用いずにエンジンを始動可能な電子キーシステムが普及しつつある。こうした事情からも、将来的には、モータ等のアクチュエータの駆動を電気的に制御し、該アクチュエータによってステアリングロックを行う電子式ステアリングロック装置等の電子式盗難防止装置が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電子式ステアリングロック装置では、電子制御装置(ECU)によってアクチュエータの駆動を制御する必要がある。しかし、ECUは、電気的なノイズによって誤作動してしまうおそれがある。このため、作動を必要としないときにアクチュエータが駆動してしまい、ステアリングロック状態となってしまうおそれがある。特に車両の走行中にステアリングロック状態となってしまうことを確実に避ける必要があるため、こうした電子式ステアリングロック装置の実用化が困難であった。
【0006】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誤作動を確実に防止することができる電子式車両盗難防止装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、車両の操舵系機構及び駆動系機構のうちの少なくとも一方を構成する可動部材に係脱するロック手段と、そのロック手段を駆動するアクチュエータと、そのアクチュエータの駆動を制御する制御手段とを備える電子式車両盗難防止装置であって、前記制御手段の給電経路に同給電経路を遮断・導通する給電規制手段を設け、車両が運転されているときに前記給電経路を遮断し、さらに、前記ロック手段が前記可動部材から離脱した状態で開状態となるとともに、該ロック手段が前記可動部材に係合した状態で閉状態となるロック位置検出スイッチを、前記給電規制手段と並列に接続したことを要旨とする。
【0009】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、車両が運転されているときには制御手段に電力が供給されなくなるため、制御手段によるアクチュエータの駆動は確実に禁止される。車両が運転されているときには、ノイズなどに起因して電子式車両盗難防止装置が誤作動してしまうことはない。
【0010】
なお、「車両が運転されているとき」とは、シフトポジションがパーキングポジションに位置していないとき、エンジンが駆動しているとき、機能ポジションが「ON」の状態にあるとき、エンジンを始動可能な状態にあるときのうちの少なくとも1つの条件を満たすときであるものと定義する。また、「エンジンを始動可能な状態にあるとき」とは、例えば、所有者によって所持される携帯機に設定されたIDコードと車両に設定されたIDコードとが一致した状態にあるときや、車両に設けられたキーシリンダに正規のメカキーが装着された状態にあるときなどである。
【0011】
また、給電規制手段によって制御手段の給電経路が遮断されても、ロック手段が可動部材から離脱するまでアクチュエータは駆動しつづけるようになる。このため、たとえロック手段が可動部材から離脱する前に給電規制手段によって制御手段の給電経路が遮断されても、可動部材の動きが規制されてしまうことがない。すなわち、ロック手段を可動部材から確実に離脱させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を電子式ステアリングロック装置に具体化した第1実施形態を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
【0013】
図1〜図3に示すように、電子式ステアリングロック装置1は、車両の図示しないステアリングポストに取り付けられるものである。電子式ステアリングロック装置1を構成するケース本体2は略箱状をなしている。ケース本体2は、カバー3をロックボディ4に取り付けることによって構成されるようになっている。
【0014】
図2及び図3に示すように、カバー3の内側面には、合成樹脂製の収容ケース11が設置されている。収容ケース11は、第1のケース11aと第2のケース11bとを組み合わせることによって構成されている。収容ケース11にはプリント基板12が収容されている。プリント基板12は、第2のケース11bにネジ13を螺着させることによって固定されている。プリント基板12には、制御手段としての制御ECU31を構成するICやコンデンサ等の電気部品12aが複数箇所に実装され、後述する制御ECU31が構成されている。また、プリント基板12には、電線14が電気的に接続されるようになっている。この電線14は、ケース本体2の外部に延出され、後述する照合ECU37に接続されている。
【0015】
図1に示すように、ロックボディ4には、略円弧状をなす取付部4aが図1に示す左側方向に延出形成されている。取付部4aは、ボルトによってコラムチューブに取り付けられている(図示略)。コラムチューブ内には、可動部材としてのステアリングシャフト5が挿通されている。ステアリングシャフト5の外周面には、凹部5aが設けられている。図3に示すように、ロックボディ4には、断面略矩形状をなすガイド孔4bが設けられている。ガイド孔4bは前記取付部4aと対応するように配設されている。また、ガイド孔4bは、ケース本体2が前記コラムチューブに取り付けられた際に、コラムチューブの内部と連通するようになっている。
【0016】
図3に示すように、ガイド孔4b内には、ロック手段としてのロックピン21がガイド孔4bに沿って移動可能に配設されている。ロックピン21の基端部には、被押圧部21a及び引込用ストッパ22が設けられている。また、ロックピン21の先端部は、ロックボディ4の外側面から出没可能になっている。ロックピン21は、略四角柱状かつ断面略矩形状に形成されている。ロックピン21の断面積は、ガイド孔4bの断面積よりも小さくなっている。ロックピン21の先端部は、前記凹部5aに係脱可能になっている。
【0017】
図2に示すように、ケース本体2内には、アクチュエータとしてのモータ23が収容されている。モータ23を挿通する第1回転軸24の先端部における外周面には、摺動ピン25が当接するようになっている。この摺動ピン25は、第1回転軸24の位置決めを行うためのものである。また、第1回転軸24には、ウォームギア26が外嵌されている。ウォームギア26は、第1回転軸24の回転に連動するようになっている。そして、ウォームギア26は、平歯車27に噛み合うことによって、同平歯車27を駆動するようになっている。平歯車27は、第2回転軸28を中心として回転するようになっている。尚、第2回転軸28は平歯車27に固定されている。
【0018】
図3に示すように、第2回転軸28には略扇型状のカム29が固定されている。同カム29は、モータ23を正回転させたときに、第2回転軸28を中心として時計回り方向(矢印F1方向)に回転するようになっている。カム29は、モータ23を逆回転させたときに、第2回転軸28を中心として反時計回り方向(矢印F2方向)に回転するようになっている。このカム29は、平歯車27と同一の方向に回転するようになっている。このため、カム29を矢印F1方向に回転させた場合には、同カム29によって前記引込用ストッパ22が押圧され、ロックピン21の先端部と凹部5aとの係合が解除される。一方、カム29を矢印F2方向に回転させた場合には、同カム29によってロックピン21の被押圧部21aが押圧され、ロックピン21の先端部が凹部5aに係合する。すなわち、モータ23を駆動させると、ウォームギア26、平歯車27を介してカム29が回転する。このため、モータ23の駆動が停止されている状態でロックピン21に対して凹部5aに係合する方向または解除する方向に力が加わっても、平歯車27の回転がウォームギア26によって規制され、ロックピン21の移動が不能となる。換言すれば、ロックピン21は、モータ23の駆動によってのみ凹部5aに係脱可能となっている。したがって、ロックピン21の駆動機構は、モータ23の非駆動状態にあってはロックピン21と凹部5aとの係合状態または係合解除状態を保持する自己保持機構となっている。なお、ここではウォームギア26、平歯車27及びカム29を用いて自己保持機構を構成しているが、ロックピン21の駆動機構はこうした構成に限定されるものではない。また、カム29が回転する範囲は、同カム29がゴムストッパ30に接触することによって規制されるようになっている。
【0019】
こうしたカム29を駆動させるモータ23は、図4に示すように、制御手段としての制御ECU31によって駆動制御されている。そこで、この制御ECU31の回路構成について図4に従って説明する。
【0020】
制御ECU31には、前記モータ23、給電規制手段としてのシフト連動スイッチ36及び照合ECU37が接続されている。
シフト連動スイッチ36は、図示しないシフトレバーの近傍に設けられ、同シフトレバーの移動に連動して開閉動作を行うスイッチである。このシフト連動スイッチ36は、シフトポジションがパーキングポジションに位置するときに閉状態となり、他のポジションに位置するときに開状態となる。なお、シフト連動スイッチ36は、リミットスイッチやリードスイッチなど、シフトポジションに応じて接点の開閉を行う有接点式スイッチによって構成されている。こうした機械的なスイッチをシフト連動スイッチ36として用いることにより、回路を簡単に構成することができる。しかも、ノイズ等の影響を受けにくいため、シフト連動スイッチ36の誤作動も確実に防止される。また、パーキングポジションに位置するとは、シフトレバーがP位置にあること及び変速機のパーキングロックが機能していることのうちの少なくとも一方の状態であることと定義する。
【0021】
照合ECU37は、車両の所有者(運転者)によって所持される携帯機(図示略)と相互通信を行い、携帯機に設定されたIDコードと自身に設定されたIDコードとの照合を行う。そして、それらIDコード同士が一致したことを条件としてエンジンを始動可能な状態にする。換言すれば、照合ECU37は、前記IDコード同士が一致しないときにはエンジンを始動不能な状態にする。なお、本実施形態においてエンジンは、車両室内に設けられたエンジン始動・停止スイッチ(図示略)が操作されたときに、始動・停止するようになっている。
【0022】
また、照合ECU37は、前記IDコード同士が一致するか否かなどを条件として、制御ECU31に対して暗号化した所定の駆動要求信号を出力する。詳しくは、照合ECU37は、前記IDコード同士が一致したときに制御ECU31に対してロック解除コードを含む駆動要求信号を出力する。一方、照合ECU37は、前記IDコード同士が一致しなくなったときに制御ECU31に対してロックコードを含む駆動要求信号を出力する。
【0023】
制御ECU31は、マイクロコンピュータ(マイコン)32、DC−DCコンバータ33、2つのトランジスタTR1,TR2、2つのダイオードD1,D2及びスイッチング部としての2つのリレー34,35を備えている。
【0024】
マイコン32は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAMからなるCPUユニットによって構成されている。そして、マイコン32には、DC−DCコンバータ33の出力端子及び各トランジスタTR1,TR2のベース端子が接続されている。
【0025】
DC−DCコンバータ33は、バッテリ電圧をマイコン32の駆動電圧に変換し、マイコン32に対して給電を行う。なお、本実施形態においてDC−DCコンバータ33の入力端子はシフト連動スイッチ36の一端に接続され、同シフト連動スイッチ36の他端はバッテリ(図示略)のプラス端子に接続されている。すなわち、DC−DCコンバータ33は、シフト連動スイッチ36を介してバッテリのプラス端子に接続されている。
【0026】
また、DC−DCコンバータ33とシフト連動スイッチ36とをつなぐ電気経路には、各リレー34,35のコイル部L1,L2の一端が接続されている。そして、コイル部L1の他端はトランジスタTR1のコレクタ端子に接続され、コイル部L2の他端はトランジスタTR2のコレクタ端子に接続されている。各トランジスタTR1,TR2のエミッタ端子は接地されている。このため、マイコン32からトランジスタTR1,TR2に対してHレベルの制御信号が出力されると、トランジスタTR1,TR2が駆動し、対応するリレー34,35のコイル部L1,L2に電流が流れる。すなわち、マイコン32からトランジスタTR1,TR2に対して制御信号が出力されるとリレー34,35が駆動する。
【0027】
さらに、DC−DCコンバータ33とシフト連動スイッチ36とをつなぐ電気経路には、各リレー34,35の第1固定接点CP1,CP4が接続されている。また、各リレー34,35の第2固定接点CP2,CP5は接地されている。そして、リレー34の可動接点CP3はモータ23の一端に接続され、リレー35の可動接点CP6はモータ23の他端に接続されている。
【0028】
なお、各リレー34,35の可動接点CP3,CP6は、コイル部L1,L2が励磁されたとき、すなわちリレー34,35の駆動時にのみ第1固定接点CP1,CP4と導通し、リレー34,35の非駆動時には第2固定接点CP2、CP5と導通するようになっている。よって、リレー34,35の非駆動時には、モータ23は駆動しないようになっている。
【0029】
したがって、本実施形態においては、マイコン32、各リレー34,35及びモータ23の上流側の給電経路に、シフト連動スイッチ36が設けられた状態となっている。すなわち、制御ECU31の給電経路にシフト連動スイッチ36が設けられた状態となっている。このため、マイコン32、各リレー34,35及びモータ23には、シフト連動スイッチ36が閉状態となったときに電力が供給される。換言すれば、シフト連動スイッチ36が開状態となっているときには、電力供給が完全に絶たれるため、マイコン32、リレー34,35及びモータ23は機能しなくなる。つまり、制御ECU31は、シフトポジションがパーキングポジションに位置するときにのみモータ23の駆動が可能となる。そして、シフト連動スイッチ36の閉状態においてマイコン32から各トランジスタTR1,TR2に対して制御信号が出力されたとき、その制御信号に基づいて各リレー34,35が駆動し、モータ23が駆動する。
【0030】
また、マイコン32には、一対のダイオードD1,D2を介して照合ECU37が接続されている。詳しくは、マイコン32にはダイオードD1のアノード端子及びダイオードD2のカソード端子が接続され、ダイオードD1のカソード端子及びダイオードD2のアノード端子が照合ECU37に接続されている。そして、マイコン32は、照合ECU37から出力された駆動要求信号がダイオードD2を介して入力されたときに、その駆動要求信号に基づいてトランジスタTR1,TR2に制御信号を出力する。
【0031】
詳しくは、マイコン32に対してロック解除コードを含む駆動要求信号が入力された場合、マイコン32は、トランジスタTR1に対してHレベルの信号を出力して同トランジスタTR1を駆動する。このため、リレー34のコイル部L1が励磁され、可動接点CP3と第1固定接点CP1とが導通する。これにより、モータ23は正回転方向に回転するようになっている。つまり、リレー34が駆動されたときには、カム29が前記矢印F1方向に回転され、ロックピン21の先端部と凹部5aとの係合が解除される。
【0032】
一方、マイコン32に対してロックコードを含む駆動要求信号が入力された場合、マイコン32は、トランジスタTR2に対してHレベルの信号を出力して同トランジスタTR2を駆動する。このため、リレー35のコイル部L2が励磁され、可動接点CP6と第1固定接点CP4とが導通する。これにより、モータ23は逆回転方向に回転するようになっている。つまり、リレー35が駆動されたときには、カム29が前記矢印F2方向に回転され、ロックピン21の先端部と凹部5aとが係合する。
【0033】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)マイコン32、各リレー34,35及びモータ23の給電経路、すなわち制御ECU31の給電経路には、シフト連動スイッチ36が設けられている。そして、シフト連動スイッチ36は、シフトポジションがパーキングポジションに位置するときに閉状態となり、他のポジションに位置するときに開状態となる。つまり、本実施形態において給電規制手段は、シフトポジションがパーキングポジションに位置するときに制御手段(制御ECU31)の給電経路を遮断し、他のポジションに位置するときに制御手段(制御ECU31)の給電経路を導通するシフト連動スイッチ36によって構成されている。このため、モータ23は、シフトポジションがパーキングポジションに位置しているときにのみ駆動可能となる。車両の走行中、シフトポジションは必ずパーキングポジション以外のポジションに位置しているため、車両の走行中におけるモータ23の駆動が確実に禁止される。よって、ノイズなどに起因する電子式ステアリングロック装置1の誤作動を確実に防止することができる。
【0034】
(2)シフト連動スイッチ36は、マイコン32、各リレー34,35及びモータ23の給電経路に設けられている。このため、シフト連動スイッチ36が開状態になると、制御ECU31全体の機能が停止する。よって、ノイズなどに起因する電子式ステアリングロック装置1の誤作動をより確実に防止することができる。また、シフト連動スイッチ36と制御ECU31との間に必要な電気経路が1経路のみで済むため、シフト連動スイッチ36と制御ECU31との間の電気経路を単純な構成にすることができる。
【0035】
(3)シフト連動スイッチ36は、マイコン32、各リレー34,35及びモータ23の上流側の給電経路に設けられている。このため、たとえシフト連動スイッチ36の下流側の給電経路で車両ボディとの短絡等が生じても、該スイッチ36が開状態となっていれば、その電流リーク等によってマイコン32、各リレー34,35及びモータ23に電力が給電されてしまうことはない。よって、電流リーク等に起因する電子式ステアリングロック装置1の誤作動を確実に防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図5及び図6に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態では、第1実施形態と相違する点を主に述べ、共通する点については同一の部材番号を付すのみとしてその説明を省略する。
【0036】
本実施形態において前記第1実施形態と異なる点は、図5に示すように、制御ECU31に、ロック位置検出スイッチ38、抵抗R及びダイオードD3が接続されている点である。
【0037】
ロック位置検出スイッチ38は、図6に示すように、前記ロックピン21の基端部近傍に設けられたノーマルクローズタイプのメカニカルスイッチであり、本実施形態ではリミットスイッチによって構成されている。このロック位置検出スイッチ38は、図6(a)に示すように、ロックピン21が前記ロックボディ4のガイド孔4bから突出しているときに閉状態となる。そして、図6(b)に示すように、ロック位置検出スイッチ38は、ロックピン21がロックボディ4内に収容されているときに開状態となる。つまり、ロック位置検出スイッチ38は、ロックピン21が前記ステアリングシャフト5の凹部5aに係合しているときに閉状態となり、同凹部5aとの係合が解除されているときに開状態となるように設けられている。
【0038】
図5に示すように、こうしたロック位置検出スイッチ38は、一端がバッテリのプラス端子に接続され、他端がダイオードD3のアノード端子及び抵抗Rの一端に接続されている。そして、抵抗Rの他端は接地され、ダイオードD3のカソード端子は、シフト連動スイッチ36とリレー34,35の第1固定接点CP1,CP4とをつなぐ電気経路に接続されている。すなわち、ロック位置検出スイッチ38は、シフト連動スイッチ36と並列に接続されている。このため、シフト連動スイッチ36及びロック位置検出スイッチ38のうちの少なくとも一方が閉状態となっているときにのみ制御ECU31に対して給電される。
【0039】
したがって、ロックピン21が凹部5aとの係合状態から解除される前にシフト連動スイッチ36が開状態となっても、ロック位置検出スイッチ38が開状態となるまでは制御ECU31に対して給電され、モータ23は駆動しつづける。すなわち、ロック解除の途中でシフトポジションがパーキングポジション以外のポジションに切り換えられたとしても、ロック解除が完了するまでモータ23は駆動しつづける。そして、ロック解除が完了した時点でモータ23への電力供給が遮断されるため、ロック解除の完了とともにモータ23の駆動が停止される。
【0040】
また、ロック位置検出スイッチ38とダイオードD3のアノード端子とをつなぐ電気経路には、マイコン32が接続されている。詳しくは、該電気経路の電位がマイコン32に入力されるようになっている。この電気経路の電位は、ロック位置検出スイッチ38が閉状態のときにHレベルとなり、開状態のときにLレベルとなる。このため、マイコン32は、この電位に基づいてロック位置検出スイッチ38の開閉状態を検出可能となる。そして、マイコン32は、この検出結果に変化があったときに、トランジスタTR1,TR2に対する制御信号の出力を停止する。つまり、マイコン32は、ロック位置検出スイッチ38の開閉状態に変化があったときにモータ23の駆動を停止させる。また、マイコン32は、該検出結果を、ダイオードD1を介して照合ECU37に出力するようになっている。これにより、照合ECU37は、ロックピン21と凹部5aとの係脱状態を認識可能となっている。
【0041】
したがって、本実施形態によれば、前記第1実施形態における上記(1)〜(3)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(4)シフト連動スイッチ36が開状態となっても、ロックピン21がステアリングシャフト5の凹部5aとの係合状態から解除されるまでモータ23は駆動しつづけるようになる。このため、たとえロックピン21が凹部5aとの係合状態から解除される前にシフト連動スイッチ36が開状態となっても、ステアリングシャフト5が回転不能となってしまうことはない。すなわち、ロックピン21と凹部5aとの係合を確実に解除することができる。
【0042】
また、ロックピン21が凹部5aとの係合から解除されると、モータ23に対する給電が遮断される。このため、ノイズ等に起因してマイコン32からトランジスタTR1,TR2に対して制御信号が出力されたとしても、その制御信号によってモータ23が駆動されることはない。
【0043】
(5)マイコン32は、ロック位置検出スイッチ38の開閉状態に変化があったときにモータ23の駆動を停止するようになっている。すなわち、マイコン32は、モータ23の駆動をフィードバック制御するようになっている。このため、ロックピン21と凹部5aとの係合が完了した状態または解除した状態においてモータ23が駆動しつづけることがない。よって、モータ23への負荷が軽減され、同モータ23の寿命を長くすることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図7及び図8に基づいて説明する。
【0044】
本実施形態において前記第1実施形態と異なる点は、前記シフト連動スイッチ36に代えて、イグニッション信号に基づいて動作するスイッチング素子を給電規制手段として用いた点である。
【0045】
詳しくは、図7に示すように、バッテリと制御ECU31とをつなぐ電気経路には、スイッチング素子としてのnチャネルパワーMOSFET(FET)41が接続されている。このFET41は、ドレイン端子がバッテリに接続され、ソース端子が制御ECU31に接続されている。また、FET41のゲート端子にはインバータ42の出力端子が接続されている。よって、FET41は、インバータ42からHレベルの信号(作動信号)が出力されたときに作動するようになっている。インバータ42の入力端子には抵抗R1の一端及びコンデンサCの一端が接続され、コンデンサCの他端は接地されている。そして、抵抗R1の他端には、エンジンから出力されるイグニッション信号が入力されるようになっている。
【0046】
イグニッション信号は、図7に矢印Aで示す箇所においては、図8に示すようにエンジン停止中にLレベルのフラット波形となり、エンジン駆動中にパルス波形(イグニッションパルス)となる信号である。また、エンジン駆動中におけるイグニッション信号は、図7に矢印Bで示す箇所においては、抵抗R1及びコンデンサCによって積分され、図8に示すようにHレベルを維持した波形となる。このため、インバータ42は、Lレベルのイグニッション信号が入力されたとき、すなわちエンジン停止中にのみ、FET41に対して作動信号を出力する。言い換えれば、FET41は、エンジン停止中にのみ制御ECU31の給電経路を導通し、エンジン駆動中には制御ECU31の給電経路を遮断する。つまり、本実施形態において給電規制手段は、エンジン駆動中に制御手段(制御ECU31)の給電経路を遮断し、エンジン停止中に制御手段(制御ECU31)の給電経路を導通するスイッチング素子(FET41)によって構成されている。
【0047】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(6)エンジンの駆動中にはFET41によって制御ECU31の給電経路が遮断されるため、モータ23は駆動不能となる。よって、エンジンの駆動中における電子式ステアリングロック装置1の誤作動を確実に防止することができる。
【0048】
(7)エンジンの駆動状態を検出するためにイグニッション信号が用いられている。このため、エンジンの駆動状態を確実に検出することができ、モータ23がエンジンの駆動中に誤作動してしまうことを確実に防止することができる。
【0049】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記第3実施形態において、図9に示すように、前記第2実施形態と同様に、ロック位置検出スイッチ38、抵抗R2及びダイオードD3を、FET41と並列に接続してもよい。このようにすれば、たとえロックピン21が凹部5aとの係合状態から解除される前にエンジンが始動されても、ステアリングシャフト5が回転不能となってしまうことがなくなり、前記第2実施形態における(4),(5)に記載の効果と同等の効果を得ることができる。また、以下に示す各実施形態においても同様に、ロック位置検出スイッチ38、抵抗R2及びダイオードD3を、各種給電規制手段と並列に接続してもよい。
【0050】
・ 前記第3実施形態においてFET41は、イグニッション信号に基づいて作動するようになっている。しかし、このFET41は、イグニッション信号に限らず、例えば車速やオルタネータ出力など、エンジンの駆動状態を検出可能な信号に基づいて作動するようになっていてもよい。
【0051】
・ また、FET41は、例えば前記照合ECU37からの出力信号に基づいて作動するようになっていてもよい。詳しくは、図10(a)に示すように、FET41のゲート端子に照合ECU37を接続する。また、前記ロックピン21が凹部5aとの係合状態から解除されているか否かを検出するロック位置検出センサ44をマイコン32に接続する。なお、このロック位置検出センサ44は、前記ロック位置検出スイッチ38や、フォトインタラプタなどの光センサ等によって構成される。これにより、ロックピン21が凹部5aとの係合状態から解除されたときに、マイコン32から制御ECU37に対してロック解除信号を出力させる。そして、前記携帯機と照合ECU37とのIDコードが一致し、且つマイコン32からロック解除信号が出力されたときに、照合ECU37からFET41に対する作動信号の出力を停止させ、制御ECU31の給電経路を遮断するようにする。このようにすれば、車両の所有者が車両に搭乗し、且つロックピン21が凹部5aとの係合状態から解除されたときに、制御ECU31の給電経路を遮断することができる。しかも、制御ECU31以外のECU(照合ECU37)によって制御ECU31の給電経路が遮断されるため、両ECU31,37が共に誤作動しないと電子式ステアリングロック装置1の誤作動は発生しない。よって、電子式ステアリングロック装置1の誤作動を防止することができる。つまり、この場合、給電規制手段は、エンジンを始動可能な状態で制御手段(制御ECU31)の給電経路を遮断し、エンジンを始動不能な状態で制御手段(制御ECU31)の給電経路を導通するスイッチング素子(FET41)によって構成されている。
【0052】
さらに加えて、図10(b)に示すように、マイコン32に対して、車速信号やシフト信号などを入力するようにする。そして、車速が0でないとき、すなわち車両が走行しているときや、シフトポジションがパーキングポジションに位置していないときになどには、マイコン32から前記各トランジスタTR1,TR2に対して駆動信号を出力させないようにする。このようにすれば、たとえ照合ECU37が誤作動してマイコン32に駆動要求信号が出力されても、車両が走行しているときや、シフトポジションがパーキングポジションに位置していないときになどにはマイコン32はモータ23を駆動しない。このため、車両が走行している状態での電子式ステアリングロック装置1の誤作動をより確実に防止することができる。
【0053】
なお、ここでは照合ECU37からの出力信号に基づいてFET41を作動させるようにしているものの、例えばエンジンECUやシフトECUなど、他のECUによってFET41の作動を制御するようにしてもよい。このようにすれば、該FET41の作動を制御するECU、制御ECU31及び照合ECU37の全てが誤作動しないと電子式ステアリングロック装置1の誤作動は発生しなくなる。よって、電子式ステアリングロック装置1の誤作動をより一層確実に防止することができるようになる。
【0054】
・ 前記第1実施形態では、制御ECU31の給電経路にシフト連動スイッチ36を接続し、シフトポジションがパーキングポジションに位置していないときに制御ECU31の給電経路を遮断するようになっている。しかし、このシフト連動スイッチを、イグニッション電源経路が通電したとき、すなわち車両の機能ポジションが「ON」の状態(電子燃料噴射制御装置やその他の電気部品に給電している状態)となったときに制御ECU31の給電経路を遮断するスイッチング素子に変更してもよい。具体的には、例えば図11に示すように、バッテリと制御ECU31とをつなぐ電気経路に該スイッチング素子としてのリレー45の接点部を接続し、同リレー45のコイル部をイグニッション電源経路46に並列に接続する。より詳しくは、リレー45の接点部はB接点(ノーマルクローズ)となっており、その一端がバッテリに接続され、他端が制御ECU31に接続されている。また、リレー45のコイル部の一端はイグニッションスイッチ47の一端に接続され、他端は接地されている。イグニッションスイッチ47は、接点保持型のスイッチによって構成され、他端がバッテリに接続されている。このため、イグニッションスイッチ47が閉状態となったときには、イグニッション電源経路46が通電されるとともに、リレー45の接点部が開状態となる。よって、イグニッション電源経路46が通電されているときには制御ECU31の給電経路が遮断され、制御ECU31の機能が停止する。このようにしても、通常、エンジンの駆動中や車両の走行中にはイグニッション電源経路46が通電しているため、エンジンの駆動中や車両の走行中に電子式ステアリングロック装置1が誤作動してしまうことが確実に防止される。すなわち、この場合、給電規制手段は、車両の機能ポジションが「ON」状態となったときに制御手段(制御ECU31)の給電経路を遮断するスイッチング素子(リレー45)によって構成されている。
【0055】
なお、ここでイグニッションスイッチ47とは、単に機能ポジションを「ON」の状態にする機能に加え、エンジンを始動・停止させる機能を有するものも含むものと定義する。また、スイッチング素子は、リレー45に限らず、前記FET41やパワートランジスタなどの無接点スイッチング素子によって構成されてもよい。
【0056】
・ 前記各実施形態では、車両室内に設けられたエンジン始動・停止スイッチが操作されることにより、エンジンの始動・停止が行われるようになっている。しかし、エンジンは、一般的なキーシリンダにメカキーを挿入・回転させることによって始動・停止されるようになっていてもよい。そして、特にこの場合には、例えば前記第1実施形態におけるシフト連動スイッチ36を、キーシリンダにメカキーを挿入したときに制御ECU31の給電経路を遮断するキー連動スイッチに変更してもよい。なお、この場合、キーシリンダにメカキーが挿入される前に、ロック解除が行われるようになっている必要がある。その具体例としては、前記照合ECU37によるIDコードの照合を、キーシリンダにメカキーが挿入される前に行わせるとともに、前記第2実施形態に示したロック位置検出スイッチ38をキー連動スイッチと並列に接続することが挙げられる。つまり、この場合においても給電規制手段は、エンジンを始動可能な状態で制御手段(制御ECU31)の給電経路を遮断し、エンジンを始動不能な状態で制御手段(制御ECU31)の給電経路を導通するスイッチング素子(ここではキー連動スイッチ)によって構成されている。
【0057】
・ 前記第1実施形態では、制御ECU31の給電経路にシフト連動スイッチ36を設けることにより、シフトポジションに基づいて制御ECU31に対する電力供給を制御するようになっている。しかし、シフト連動スイッチ36に代えて、例えばパーキングブレーキが作動しているときにのみ閉状態となるパーキングブレーキ連動スイッチを設けてもよい。また、シフト連動スイッチ36とパーキングブレーキ連動スイッチとを併用し、各スイッチを直列に接続してもよい。
【0058】
・ 前記各実施形態では、スイッチング部としてリレー34,35を用いている。しかし、スイッチング部として、パワートランジスタやパワーMOSFET等の無接点スイッチング素子を用いてもよい。具体的には、例えば図12に示すように、スイッチング部は、4つのnチャネルパワーMOSFET48a〜48dを用いたブリッジ回路によって構成されてもよい。このようにすれば、例えばFET48a,48bを作動させることによりモータ23を正回転させ、FET48c,48dを作動させることによりモータ23を逆回転させることができる。なお、図12には前記第1実施形態の制御ECU31の変更例を示すものの、前記各実施形態の制御ECU31を同様に変更してもよい。
【0059】
・ 前記第2実施形態では、ロック位置検出スイッチ38としてリミットスイッチを用いている。しかし、ロック位置検出スイッチ38は、リミットスイッチに限らず、リードスイッチなど、ロックピン21の位置に応じて接点の開閉を行う有接点式スイッチであれば何でも適用可能である。
【0060】
・ 前記第2実施形態では、ロック位置検出スイッチ38の開閉状態をマイコン32に入力するようにしている。そして、マイコン32は、この入力信号に基づき、ロック位置検出スイッチ38の開閉状態に変化があったときに、モータ23の駆動を停止するようになっている。しかし、こうしたマイコン32に対するロック位置検出スイッチ38の開閉状態の入力を省略してもよい。
【0061】
・ 前記各実施形態では、アクチュエータとしてモータ23を用いている。しかし、アクチュエータはモータ23に限らず、例えばソレノイド等、ロックピン21を電気的に駆動できるものであれば何でもよい。
【0062】
・ 前記各実施形態では、電子式車両盗難防止装置として、ステアリングシャフト5の回転の可否を制御する電子式ステアリングロック装置1に具体化している。しかし、電子式車両盗難防止装置は、例えば車輪の回転をロックピン21相当の部材によって規制する電子式走行規制装置や、シフトポジションの切換操作をロックピン21相当の部材によって規制する電子式シフトロック装置等であってもよい。
【0063】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 子式車両盗難防止装置において、前記制御手段には、前記ロック位置検出スイッチの開閉状態を示す信号が入力され、該制御手段は、前記ロック位置検出スイッチの開閉状態に変化があったときに、前記アクチュエータの駆動を停止させること。この技術的思想(1)に記載の発明によれば、ロック手段と可動部材との係脱完了状態においてアクチュエータが駆動しつづけることが防止される。よって、アクチュエータへの負荷が軽減され、同アクチュエータの耐久性を向上させることができる。
【0064】
(2) 子式車両盗難防止装置において、前記可動部材は、ステアリングシャフトであること。この技術的思想(2)に記載の発明によれば、ステアリングシャフトの回転を規制することにより、車両の盗難防止を確実に行うことができる。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、電子式車両盗難防止装置の誤作動を確実に防止することができる。
【0066】
また、ロック手段を可動部材から確実に離脱させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を電子式ステアリングロック装置に具体化した第1実施形態を示す側面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】第1実施形態の制御回路を示す回路図。
【図5】第2実施形態の制御回路を示す回路図。
【図6】(a),(b)は、同実施形態に用いられるロック位置検出スイッチとロック手段との関係を示す概略図。
【図7】第3実施形態の制御回路を示す回路図。
【図8】同実施形態の給電規制手段の作動を制御するイグニッション信号の波形を示す波形図。
【図9】他の実施形態の制御回路を示す回路図。
【図10】(a),(b)は、他の実施形態の制御回路を示す回路図。
【図11】他の実施形態の制御回路を示す回路図。
【図12】他の実施形態の制御回路を示す回路図。
【図13】従来のステアリングロック装置を示す断面図。
【符号の説明】
1…電子式車両盗難防止装置としての電子式ステアリングロック装置、5…可動部材としてのステアリングシャフト、5a…凹部、21…ロック手段としてのロックピン、23…アクチュエータとしてのモータ、31…制御手段としての制御ECU、32…マイクロコンピュータ(マイコン)、34,35…スイッチング部としてのリレー、36…給電規制手段としてのシフト連動スイッチ、38…ロック位置検出スイッチ。

Claims (1)

  1. 車両の操舵系機構及び駆動系機構のうちの少なくとも一方を構成する可動部材に係脱するロック手段と、そのロック手段を駆動するアクチュエータと、そのアクチュエータの駆動を制御する制御手段とを備える電子式車両盗難防止装置であって、
    前記制御手段の給電経路に同給電経路を遮断・導通する給電規制手段を設け、車両が運転されているときに前記給電経路を遮断し、
    さらに、前記ロック手段が前記可動部材から離脱した状態で開状態となるとともに、該ロック手段が前記可動部材に係合した状態で閉状態となるロック位置検出スイッチを、前記給電規制手段と並列に接続したことを特徴とする電子式車両盗難防止装置。
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