JP2006282033A - 車両用電源制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い防犯性及び利便性を確保しつつ、簡素な構造及び制御によって高い動作信頼性を得ることができる車両用電源制御装置を提供することにある。
【解決手段】ステアリングシャフト2の動きが電動式ステアリングロック機構81によって規制された状態にあっては、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが離間した状態にあり、エンジン制御部への給電経路が遮断される。ステアリングシャフト2の動きが電動式ステアリングロック機構81によって規制されていない状態にあっては、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが接触した状態にあり、エンジン制御部への給電経路が導通される。しかも、可動接点CP2は伝達機構36のリフト89の動作に機械的に連動することでエンジン制御部及びその他のエンジン駆動系電装品への給電切換動作を行うため、電気的な誤動作などに起因した意図しないエンジンの停止も生じない。
【選択図】 図2
【解決手段】ステアリングシャフト2の動きが電動式ステアリングロック機構81によって規制された状態にあっては、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが離間した状態にあり、エンジン制御部への給電経路が遮断される。ステアリングシャフト2の動きが電動式ステアリングロック機構81によって規制されていない状態にあっては、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが接触した状態にあり、エンジン制御部への給電経路が導通される。しかも、可動接点CP2は伝達機構36のリフト89の動作に機械的に連動することでエンジン制御部及びその他のエンジン駆動系電装品への給電切換動作を行うため、電気的な誤動作などに起因した意図しないエンジンの停止も生じない。
【選択図】 図2
Description
本発明は、駆動系電装品に対する電力の供給を制御する車両用電源制御装置に関するものである。
一般に、車両の機能ポジションは、車両室内に設けられたキースイッチを操作することによって切換可能となっている。キースイッチは、ロータリスイッチによって構成され、対応するキーが装着されているときに回動可能となっている。そして、この回動操作によってキースイッチの可動接点と固定接点との接触状態が切り換わり、車両の電気系の機能ポジションが「OFF(イグニッションOFF)」、「ACC(アクセサリ)」、「ON(イグニッションON)」、「ST(スタータ)」に切り換わる。
ところが近年、車両の利便性向上などを目的として、例えば「特許文献1」に記載の車両用電源制御装置が提案されている。
この車両用電源制御装置は、所有者(運転者)によって所持される携帯機が車両室内に進入すると該携帯機との間で自動的に相互通信を行う照合制御部と、前記機能ポジションを電子制御によって自動的に切換える電源制御部とを有している。電源制御部は、照合制御部による携帯機との相互通信が確立したことを条件としてエンジンを始動可能な状態にする。そして、該電源制御部は、エンジンの始動可能状態で車両室内に設けられたプッシュスイッチが押されると、前記機能ポジションを自動的に切換えてエンジンを始動させる。
この車両用電源制御装置は、所有者(運転者)によって所持される携帯機が車両室内に進入すると該携帯機との間で自動的に相互通信を行う照合制御部と、前記機能ポジションを電子制御によって自動的に切換える電源制御部とを有している。電源制御部は、照合制御部による携帯機との相互通信が確立したことを条件としてエンジンを始動可能な状態にする。そして、該電源制御部は、エンジンの始動可能状態で車両室内に設けられたプッシュスイッチが押されると、前記機能ポジションを自動的に切換えてエンジンを始動させる。
また、車両用電源制御装置は、盗難防止性を確保するために、車両の駐車状態においてステアリングの回動規制(ロック)を行うことによって盗難防止性を向上させる電動式ステアリングロック機構を備えている。
この電動式ステアリングロック機構は、ステアリングのロック及びロック解除を行うアクチュエータを電子制御するロック制御部を備えている。そして、ロック制御部は、エンジンの駆動状態においてステアリングのロック動作を行わないようにするために、イグニッションパネルやオルタネータ出力などに基づいてエンジンの駆動状態を監視し、エンジンの停止状態に限ってステアリングのロック動作を可能としている。しかしながら、ステアリングのロック及びロック解除はロック制御部による電子制御によって行われるため、ノイズ等に起因してロック制御部が意図しない動作をしてしまうと、エンジンの駆動中においてもステアリングのロックが行われてしまうおそれがある。
そこで、車両用電源制御装置は、照合制御部によってもイグニッションパネルやオルタネータ出力などに基づいてエンジンの駆動状態を監視しており、エンジンの駆動状態においては、電動式ステアリングロック機構のロック制御部に対する給電経路を遮断して該ロック制御部への電力供給を禁止している。このため、電動式ステアリングロック機構は、エンジンの駆動状態にあってはステアリングのロック及びロック解除を行うアクチュエータを駆動させることがない。よって、ノイズ等に起因してロック制御部が意図しない動作が行われようとした場合にも、そもそもロック制御部に対して電力が供給されていないため、アクチュエータが駆動することはない。このようなフェイルセーフ機能により、前述した意図しない動作による不都合の発生を確実に防止している(例えば「特許文献2」参照)。
一方、電源制御部は、車両の走行状態にあっては、エンジンを停止してしまわないようになっている。すなわち、電源制御部は、車両の走行中においては、機能ポジションを「ON」状態に保持するようになっている。しかしながら、機能ポジションの切換は電源制御部による電子制御によって行われるため、ノイズ等に起因して電源制御部が意図しない動作をしてしまうと、車両の走行状態であるにも拘わらず機能ポジションを切換えてしまい、エンジンを停止させてしまうおそれがある。
そこで、車両電源制御装置は、車両走行中におけるエンジン停止を確実に防止するフェイルセーフ機能を備えている。このフェイルセーフ機能は、車速センサからの検出信号に基づき、エンジンの駆動状態において車速が「0」ではない場合には、たとえ電源制御部によって機能ポジションが切換えられようとしても、機能ポジションを「ON」状態に保持するものである。そもそも、機能ポジションの「ON」状態とはエンジン駆動系電装品にバッテリ電源からの電力が供給されている状態であり、電源制御部は該エンジン駆動系電装品への給電可否制御を行うことで機能ポジションの切換えを行っている。このため、車両電源制御装置は、該電源制御部の給電可否制御にかかわらず、車両の走行中にあってはエンジン駆動系電装品への給電を保持する構造をフェイルセーフ機能として備えている。このため、たとえノイズ等に起因して電源制御部が意図しない動作をして機能ポジションを切換えようとした場合においても、車両の走行中においては機能ポジションの「ON」状態が維持されてエンジンは駆動し続ける。従って、こうしたフェイルセーフ機能により、車両走行中にエンジンが停止してしまうことを確実に防止可能となっている。
特開2001−311333号公報
特開2003−063354号公報
こうした車両用電源制御装置の普及を図るためには、上位グレード車などの高級車は勿論、低位グレード車や低コスト車への搭載が必要不可欠である。そこで、基本的機能や動作信頼性を損なうことなく該車両用電源制御装置の低コスト化を図り、低位グレード車や低コスト車への搭載することが要望されている。
ところが、上記従来の車両用電源制御装置では、電源制御部やロック制御部など、電子制御を行う部品が個別に必要であるとともに、電源制御部及び電動式ステアリングロック機構のそれぞれにフェイルセーフ機能を付与しなければならないため、コスト低減を図る上で大きな妨げとなっていた。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は高い防犯性及び利便性を確保しつつ、簡素な構造及び制御によって高い動作信頼性を得ることができる車両用電源制御装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の操舵系機構及び駆動系機構のうち少なくとも一方を構成する可動部材に係合することにより当該可動部材の動きを規制する一方、該可動部材との係合を解除することにより該規制を解除するロック手段と、そのロック手段を駆動するアクチュエータと、そのアクチュエータの駆動を制御するロック制御手段とを有する盗難防止機構を備えるとともに、該盗難防止機構の動作に機械的に連動し、前記ロック手段と前記可動部材との係合状態においてはエンジン駆動系電装品への給電経路を遮断する一方、該係合状態が解除されたことを条件としてエンジン駆動系電装品への給電経路を導通させる給電可否機構を備えることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用電源制御装置において、前記ロック手段は、直線運動することで前記可動部材に係脱する構造をなし、前記給電可否機構は、前記ロック手段の動作に連動し直線運動し、該ロック手段が前記可動部材に係合した状態でオフ状態、該係合が解除された状態でオン状態となるスイッチ構造体であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両用電源制御装置において、前記アクチュエータは、回転運動を行う回転出力型アクチュエータであり、前記給電可否機構は、該アクチュエータの回転運動に連動して回転し、前記ロック手段が前記可動部材に係合した状態でオフ状態、該係合が解除された状態でオン状態となるロータリ式スイッチ構造体であることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によると、可動部材の動きが盗難防止機構によって規制された状態にあっては、給電可否機構によってエンジン駆動系電装品への給電経路が遮断される。すなわち、車両の通常走行動作が不能な状態にあっては、エンジン駆動系電装品に対して給電されないため、エンジンは確実に停止状態となる。一方、可動部材の動きが盗難防止機構によって規制されていない状態にあっては、給電可否機構によってエンジン駆動系電装品への給電経路が導通される。すなわち、車両の通常走行動作が可能な状態にあっては、エンジン駆動系電装品に対して給電された状態となるためエンジンが停止されることはない。しかも、給電可否機構は盗難防止機構の動作に機械的に連動することでエンジン駆動系電装品への給電切換動作を行うため、電気的な誤動作などに起因した意図しないエンジンの停止も生じない。それゆえ、前記背景技術で述べたようなエンジンの駆動状態を維持するためのフェイルセーフも不要となる。
請求項1に記載の発明によると、可動部材の動きが盗難防止機構によって規制された状態にあっては、給電可否機構によってエンジン駆動系電装品への給電経路が遮断される。すなわち、車両の通常走行動作が不能な状態にあっては、エンジン駆動系電装品に対して給電されないため、エンジンは確実に停止状態となる。一方、可動部材の動きが盗難防止機構によって規制されていない状態にあっては、給電可否機構によってエンジン駆動系電装品への給電経路が導通される。すなわち、車両の通常走行動作が可能な状態にあっては、エンジン駆動系電装品に対して給電された状態となるためエンジンが停止されることはない。しかも、給電可否機構は盗難防止機構の動作に機械的に連動することでエンジン駆動系電装品への給電切換動作を行うため、電気的な誤動作などに起因した意図しないエンジンの停止も生じない。それゆえ、前記背景技術で述べたようなエンジンの駆動状態を維持するためのフェイルセーフも不要となる。
請求項2に記載の発明によると、給電可否機構は、ロック手段の直線運動に連動してオン状態またはオフ状態となる。このため、給電可否機構として単純なスイッチ構造体を用いることができる。また、給電可否機構は、ロック手段により直接オン・オフ操作されるため、可動部材の動きがロック手段によって規制されていない状態にあっては、エンジン駆動系電装品に対して確実に給電される。
請求項3に記載の発明によると、メカニカルキーを用いてエンジンの始動操作を行うキースイッチに配設される一般的なロータリ式スイッチ構造体を、給電可否機構としてそのまま適用することができる。このため、部品の転用を図ることで設計コストを低減することができ、ひいては部品コストを低減させることができる。
本発明によれば、高い防犯性及び利便性を確保しつつ、簡素な構造及び制御によって高い動作信頼性を得ることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を、電動式ステアリングロック機構を備えた車両に搭載されるワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システムに具体化した車両用電源装置についての第1実施形態を図1〜図3に基づき詳細に説明する。
以下、本発明を、電動式ステアリングロック機構を備えた車両に搭載されるワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システムに具体化した車両用電源装置についての第1実施形態を図1〜図3に基づき詳細に説明する。
<ワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム1の概要>
図1に示すように、ワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム1は、携帯機11と、車両に配設された車載装置21とを備えている。
図1に示すように、ワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム1は、携帯機11と、車両に配設された車載装置21とを備えている。
携帯機11は、所有者(運転者)によって所持され、車載装置21と相互通信可能となっている。詳しくは、携帯機11は、車載装置21から出力されたリクエスト信号を受信すると、所定のIDコードを含むIDコード信号を自動的に送信する。このIDコード信号は、所定周波数の電波として送信される。
車載装置21は、電源制御装置31、照合制御部41、送受信部51、エンジン制御部61及びエンジンスタータ71を備えている。
電源制御装置31は、ロック制御部32、電動式ステアリングロック機構81、イグニッションスイッチ部(IGスイッチ部33)及びスタータスイッチ部(STスイッチ部34)を備えている。また、照合制御部41、ロック制御部32及びエンジン制御部61は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAMからなるCPUユニットによって構成されている。照合制御部41、送受信部51及びロック制御部32は、それぞれバッテリ電源+Bと電気的に接続され、バッテリ電源+Bから供給される電力により動作する。但し、ロック制御部32とバッテリ電源+Bの陽極との間には、FET等からなるスイッチング素子42が設けられている。このスイッチング素子42は、照合制御部41から作動信号が出力された際にON状態となり、バッテリ電源+Bの陽極とロック制御部32とを導通させる。すなわち、ロック制御部32は、スイッチング素子42がON状態となっている場合にのみ給電されて動作可能となる。
電源制御装置31は、ロック制御部32、電動式ステアリングロック機構81、イグニッションスイッチ部(IGスイッチ部33)及びスタータスイッチ部(STスイッチ部34)を備えている。また、照合制御部41、ロック制御部32及びエンジン制御部61は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAMからなるCPUユニットによって構成されている。照合制御部41、送受信部51及びロック制御部32は、それぞれバッテリ電源+Bと電気的に接続され、バッテリ電源+Bから供給される電力により動作する。但し、ロック制御部32とバッテリ電源+Bの陽極との間には、FET等からなるスイッチング素子42が設けられている。このスイッチング素子42は、照合制御部41から作動信号が出力された際にON状態となり、バッテリ電源+Bの陽極とロック制御部32とを導通させる。すなわち、ロック制御部32は、スイッチング素子42がON状態となっている場合にのみ給電されて動作可能となる。
照合制御部41は、ロック制御部32、送受信部51及びエンジン制御部61とそれぞれ電気的に接続されている。照合制御部41は、送受信部51に対してリクエスト信号を間欠的に出力する。送受信部51は、照合制御部41から出力されたリクエスト信号を所定周波数の電波に変調し、その電波を車両室内の所定範囲に出力する。また、送受信部51は、携帯機11から送信されたIDコード信号を受信すると、そのIDコード信号をパルス信号に復調して照合制御部41に対して出力する。照合制御部41は、送受信部51からIDコード信号が入力されると、IDコード信号に含まれるIDコードと、自身に予め設定されたIDコードとの比較(IDコード照合)を行う。その結果、それらIDコード同士が一致したときには、照合制御部41はロック制御部32に対してロック解除要求信号を出力し、エンジン制御部61に対してIDコード一致信号を出力する。
また、照合制御部41には、車両の走行状態を検出する車速センサ95からの車速信号が入力されるようになっている。そして、照合制御部41は、車速が「0」、すなわち車両が走行していない旨を示す車速信号が入力されている場合には、スイッチング素子42に作動信号を出力する。これに対し、照合制御部41は、車速が「0」以外、すなわち車両が走行している旨を示す車速信号が入力されている場合には、スイッチング素子42への作動信号の出力を禁止する。このため、車両が走行していない場合にのみ、ロック制御部32への給電が行われることとなる。
エンジン制御部61は、イグニッションリレー(IGリレー62)を介して電源制御装置31に接続されている。IGリレー62は、電源制御装置31からの電力の供給が行われることによりオン作動する。エンジン制御部61は、IGリレー62がオン作動して電力が供給された状態で、さらに照合制御部41からのIDコード一致信号が入力されることにより、点火時期制御や燃料噴射制御といったエンジン駆動制御を可能な状態となる。
エンジンスタータ71は、スタータリレー(STリレー72)を介して電源制御装置31に接続されている。STリレー72は、電源制御装置31からの電力の供給が行われることによりオン作動する。エンジンスタータ71は、STリレー72がオン作動して電力が供給された状態、且つ前記イグニッションがオンした状態でエンジンの始動動作を行うことができるようになっている。
<IGリレー62>
図1に示すように、バッテリ電源+Bの陽極とエンジン制御部61との間には前記IGリレー62が配設されており、IGリレー62は、コイル部63及びIG接点64を備えている。IG接点64の一端はバッテリ電源+Bの陽極に接続されており、他端はエンジン制御部61の電源端子に接続されている。また、コイル部63とバッテリ電源+Bの陽極との間にはIGスイッチ部33が接続され、その第1固定接点CP1が陽極、可動接点CP2がコイル部63の一端にそれぞれ接続されている。コイル部63の他端はバッテリ電源+Bの陰極(GND)に接続されている。第1固定接点CP1と可動接点CP2とは、可動接点Bが移動することにより接触及び分離可能となっている。このため、IGリレー62は、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが接触することによりバッテリ電源+Bとコイル部63との導通が図られ、IG接点64がオン作動する。その結果、IG接点64がオン状態となってバッテリ電源+Bからエンジン制御部61に対して給電が行われる。即ち、エンジン制御部61は、IGリレー62がオン作動した状態でバッテリ電源+Bからの給電が行われ、その状態において照合制御部41からのIDコード一致信号が入力さるとイグニッションがオンされる。
図1に示すように、バッテリ電源+Bの陽極とエンジン制御部61との間には前記IGリレー62が配設されており、IGリレー62は、コイル部63及びIG接点64を備えている。IG接点64の一端はバッテリ電源+Bの陽極に接続されており、他端はエンジン制御部61の電源端子に接続されている。また、コイル部63とバッテリ電源+Bの陽極との間にはIGスイッチ部33が接続され、その第1固定接点CP1が陽極、可動接点CP2がコイル部63の一端にそれぞれ接続されている。コイル部63の他端はバッテリ電源+Bの陰極(GND)に接続されている。第1固定接点CP1と可動接点CP2とは、可動接点Bが移動することにより接触及び分離可能となっている。このため、IGリレー62は、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが接触することによりバッテリ電源+Bとコイル部63との導通が図られ、IG接点64がオン作動する。その結果、IG接点64がオン状態となってバッテリ電源+Bからエンジン制御部61に対して給電が行われる。即ち、エンジン制御部61は、IGリレー62がオン作動した状態でバッテリ電源+Bからの給電が行われ、その状態において照合制御部41からのIDコード一致信号が入力さるとイグニッションがオンされる。
<STリレー72>
また、バッテリ電源+Bの陽極とエンジンスタータ71との間には前記STリレー72が配設されており、STリレー72は、コイル部73及びST接点74を備えている。ST接点74の一端はバッテリ電源+Bの陽極に接続されており、他端はエンジンスタータ71の電源端子に接続されている。また、コイル部73とバッテリ電源+Bの陽極との間にはSTスイッチ部34が接続され、その第2固定接点CP3が陽極、可動接点CP2がコイル部73の一端にそれぞれ接続されている。コイル部73の他端はバッテリ電源+Bの陰極(GND)に接続されている。第2固定接点CP3と可動接点CP2とは、可動接点Bが移動することにより接触及び分離可能となっている。このため、STリレー72は、第2固定接点CP3と可動接点CP2とが接触することによりバッテリ電源+Bとコイル部73との導通が図られ、ST接点74がオン作動する。その結果、ST接点74がオン状態となってバッテリ電源+Bからエンジンスタータ71に対して給電が行われる。即ち、エンジンスタータ71は、STリレー72がオン作動した状態でバッテリ電源+Bからの給電が行われ、前記イグニッションがオンした状態でエンジンの始動動作が行われる。なお、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34から給電可否機構が構成されており、第1固定接点CP1、可動接点CP2及び第2固定接点CP3からスイッチ構造体が構成されている。
また、バッテリ電源+Bの陽極とエンジンスタータ71との間には前記STリレー72が配設されており、STリレー72は、コイル部73及びST接点74を備えている。ST接点74の一端はバッテリ電源+Bの陽極に接続されており、他端はエンジンスタータ71の電源端子に接続されている。また、コイル部73とバッテリ電源+Bの陽極との間にはSTスイッチ部34が接続され、その第2固定接点CP3が陽極、可動接点CP2がコイル部73の一端にそれぞれ接続されている。コイル部73の他端はバッテリ電源+Bの陰極(GND)に接続されている。第2固定接点CP3と可動接点CP2とは、可動接点Bが移動することにより接触及び分離可能となっている。このため、STリレー72は、第2固定接点CP3と可動接点CP2とが接触することによりバッテリ電源+Bとコイル部73との導通が図られ、ST接点74がオン作動する。その結果、ST接点74がオン状態となってバッテリ電源+Bからエンジンスタータ71に対して給電が行われる。即ち、エンジンスタータ71は、STリレー72がオン作動した状態でバッテリ電源+Bからの給電が行われ、前記イグニッションがオンした状態でエンジンの始動動作が行われる。なお、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34から給電可否機構が構成されており、第1固定接点CP1、可動接点CP2及び第2固定接点CP3からスイッチ構造体が構成されている。
<電源制御装置31の概要>
前述したように、電源制御装置31は、ロック制御部32、電動式ステアリングロック機構81、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34を備えている。
前述したように、電源制御装置31は、ロック制御部32、電動式ステアリングロック機構81、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34を備えている。
電動式ステアリングロック機構81は、操舵系機構としてのステアリング装置に対し、可動部材としてのステアリングシャフト2の回動規制(ロック)及び回動規制の解除(アンロック)を行うことで盗難防止を図る盗難防止機構である。この電動式ステアリングロック機構81は、エンジンの停止状態にあってはステアリングシャフト2をロックした状態となる。また、電動式ステアリングロック機構81は、ロック制御部32に電気的に接続され、該ロック制御部32から出力される駆動信号に基づいて駆動する。
ロック制御部32には、前記車速センサ95と、車両室内のインストルメントパネルに設けられた押しボタン式のプッシュスイッチ96とが、それぞれ電気的に接続されている。このため、ロック制御部32には、プッシュスイッチ96が押圧されたときに出力される押圧信号と、車速センサ95からの車速信号とが入力される。なお、本実施形態においてこのプッシュスイッチ96は、モーメンタリ式の押しボタンスイッチによって構成されている。
ロック制御部32は、照合制御部41からのロック解除要求信号が入力された状態でプッシュスイッチ96からの押圧信号が入力されると、電動式ステアリングロック機構81に対してステアリングシャフト2をアンロックする旨の信号(アンロック駆動信号)を出力する。より詳しくは、ロック制御部32は、ロック解除要求信号が入力され、且つブレーキペダルが踏まれた状態でプッシュスイッチ96からの押圧信号が入力されると第1アンロック駆動信号を出力し、ブレーキペダルが踏まれていない状態でプッシュスイッチ96からの押圧信号が入力されると第2アンロック駆動信号を出力する。
また、ロック制御部32は、エンジンの駆動状態で、車速が「0」である状態を示す車速信号が車速センサ95から入力されるとともに、プッシュスイッチ96から押圧信号が入力されると、電動式ステアリングロック機構81に対してステアリングシャフト2をロックする旨の信号(ロック駆動信号)を出力する。
<電動式ステアリングロック機構81>
図1及び図2に示すように、電動式ステアリングロック機構81は、モータ82、ロック状態検出スイッチ35、伝達機構36及びロックバー84を備えている。
図1及び図2に示すように、電動式ステアリングロック機構81は、モータ82、ロック状態検出スイッチ35、伝達機構36及びロックバー84を備えている。
図2に示すように、ロック制御部32は、ロック状態検出スイッチ35と電気的に接続されており、同ロック状態検出スイッチ35のオン・オフ状態を検出する。ロック状態検出スイッチ35は、検出用固定接点CP4と検出用可動接点CP5とを備えており、検出用固定接点CP4の一端はバッテリ電源+Bの陽極に接続されており、検出用可動接点CP5の一端はロック制御部32の電源端子に接続されている。検出用固定接点CP4と検出用可動接点CP5とは、検出用可動接点CP5が移動することにより接触及び分離可能となっている。検出用固定接点CP4と検出用可動接点CP5とが分離した状態では、ロック状態検出スイッチ35がオフ状態となり、ロック制御部32に対してLレベルの信号が入力される。また、検出用固定接点CP4と検出用可動接点CP5とが接触した状態では、ロック状態検出スイッチ35がオン状態となり、ロック制御部32に対してHレベルの信号が入力される。こうしたロック状態検出スイッチ35からの入力信号のレベルに応じて、ロック制御部32は、電動式ステアリングロック機構81のロック状態を認識する。
次に、電動式ステアリングロック機構81のモータ82からステアリングシャフト2を機械的にロック及びアンロックするロックバー84までの駆動を伝達する伝達機構36の構造について図2に従って説明する。
図2に示すように、伝達機構36は、ウォーム85、ウォームホイール86、シャフト87、雄ねじ部88及びリフト89によって構成されている。詳しくは、モータ82の回転軸83にはウォーム85が固定されており、該ウォーム85にはウォームホイール86が噛合している。ウォームホイール86にはシャフト87が固定されており、該シャフト87には雄ねじ部88が形成されている。この雄ねじ部88はL字状のリフト89に設けられた雌ねじ部(図示略)に螺合しており、雄ねじ部88の回転によってリフト89が同図に矢印F1,F2で示す直線方向に移動する。リフト89の先端部には、前記ロックバー84の基端部がコイルばね84aを介して固定されている。このため、ロックバー84はリフト89と一体的に移動する。
ロックバー84は、モータ82の駆動に基づいて伝達機構36を介して矢印F1,F2方向に直線的に往復運動し、前記ステアリングシャフト2に対して係脱可能となっている。詳しくは、ロックバー84は、ステアリングシャフト2の外周面に設けられた凹部2aに対して先端部が係脱可能に設けられている。このため、ロックバー84が凹部2aに係合した状態(図2参照)にあるときには、ステアリングシャフト2(ステアリング)の回動が規制される。これに対し、ロックバー84が凹部2aに係合していない状態(図3参照)にあるときには、ステアリングシャフト2(ステアリング)の回動が可能となる。なお、伝達機構36及びロックバー84によってロック手段が構成されている。
また、モータ82は、前記アンロック駆動信号及びロック駆動信号に基づいて駆動制御される。モータ82にアンロック駆動信号が入力されると、同モータ82の回転軸83は、図2に矢印R1で示す方向に回転し、ロック駆動信号が入力されると、同モータ82の回転軸83は、矢印R2で示す方向に回転する。ロックバー84は、モータ82が矢印R1で示す方向に回転すると、ステアリングシャフト2から解除する方向(矢印F1方向)に移動し、モータ82が矢印R2で示す方向に回転すると、ステアリングシャフト2を規制する方向(矢印F2方向)に移動する。
<IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34の接点構造>
リフト89の基端部(ロックバー84側の端部と逆側の端部)には突部90が設けられており、突部90には前記ロック状態検出スイッチ35の検出用可動接点CP5が設けられている。また、リフト89の移動方向(矢印F1,F2方向)において検出用可動接点CP5と対向する箇所には前記検出用固定接点CP4が配設されている。突部90は、リフト89が矢印F2方向に移動してロックバー84がステアリングシャフト2の凹部2aに係合している状態、すなわちロックバー84のロック状態においては、検出用固定接点CP4に対して非接触状態となる。これに対し、図3に示すように、リフト89が矢印F1方向に移動してロックバー84が前記凹部2aから離脱している状態、すなわちロックバー84のアンロック状態においては、突部90は検出用固定接点CP4に接触して同ロック状態検出スイッチ35を閉状態にする。このため、ロックバー84のアンロック状態ではロック状態検出スイッチ35がオン状態となる。よって、ロック制御部32は、ロック状態検出スイッチ35のオン・オフ状態に基づいて出力されるHレベル又はLレベルの信号が入力されることで、ロックバー84がロック状態であるか、アンロック状態であるかを認識可能となる。なお、ロック状態検出スイッチ35は、ロックバー84がステアリングシャフト2の凹部2aから完全に離脱したときに閉状態となるように設定されている。
リフト89の基端部(ロックバー84側の端部と逆側の端部)には突部90が設けられており、突部90には前記ロック状態検出スイッチ35の検出用可動接点CP5が設けられている。また、リフト89の移動方向(矢印F1,F2方向)において検出用可動接点CP5と対向する箇所には前記検出用固定接点CP4が配設されている。突部90は、リフト89が矢印F2方向に移動してロックバー84がステアリングシャフト2の凹部2aに係合している状態、すなわちロックバー84のロック状態においては、検出用固定接点CP4に対して非接触状態となる。これに対し、図3に示すように、リフト89が矢印F1方向に移動してロックバー84が前記凹部2aから離脱している状態、すなわちロックバー84のアンロック状態においては、突部90は検出用固定接点CP4に接触して同ロック状態検出スイッチ35を閉状態にする。このため、ロックバー84のアンロック状態ではロック状態検出スイッチ35がオン状態となる。よって、ロック制御部32は、ロック状態検出スイッチ35のオン・オフ状態に基づいて出力されるHレベル又はLレベルの信号が入力されることで、ロックバー84がロック状態であるか、アンロック状態であるかを認識可能となる。なお、ロック状態検出スイッチ35は、ロックバー84がステアリングシャフト2の凹部2aから完全に離脱したときに閉状態となるように設定されている。
図1及び図2に示すように、リフト89の基端部には、接点部91が突出形成されている。接点部91には、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34の可動接点CP2が設けられており、リフト89と一体的に直線運動するようになっている。また、リフト89の移動方向(矢印F1,F2方向)において可動接点CP2と対向する箇所には、第1固定接点CP1及び第2固定接点CP3が配設されている。可動接点CP2は、リフト89の矢印F1方向への移動に伴い、第1固定接点CP1、第2固定接点CP3の順に接触する。また、図3に示すように、第1固定接点CP1は、前記ロック状態検出スイッチ35がちょうどオン状態となった時点で可動接点CP2と接触するようになっている。即ち、検出用固定接点CP4及び第1固定接点CP1の位置は、検出用可動接点CP5と検出用固定接点CP4とが接触すると同時に、可動接点CP2と第1固定接点CP1とが接触する位置に設定されている。よって、ステアリングシャフト2が完全にロックバー84から確実に解除された状態となった際に、エンジン制御部61への給電が行われる。
また、図3に示すように、モータ82の駆動によりリフト89がさらに矢印F1方向に移動されると、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが接触した状態を保ちつつ、第2固定接点CP3と可動接点CP2とが接触する。即ち、第1固定接点CP1と第2固定接点CP3との位置関係は、ロックバー84をロック状態からアンロック状態へ移動する際、可動接点CP2と第1固定接点CP1とが先に接触し、次に可動接点CP2と第2固定接点CP3とが接触するように、第2固定接点CP3の方が第1固定接点CP1よりも可動接点CP2から離間した位置に設定されている。よって、こうした第2固定接点CP3と可動接点CP2との接触により、エンジンスタータ71によるエンジンの始動動作が行われる。
(実施形態の作用)
次に、上記のワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム1の動作を、エンジンを始動させる場合、エンジンを停止させる場合の順に説明する。
次に、上記のワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム1の動作を、エンジンを始動させる場合、エンジンを停止させる場合の順に説明する。
<エンジンを始動させる場合>
まず、エンジンの停止状態にあっては、携帯機11を所持したユーザが車両の室内に乗り込むと、携帯機11と照合制御部41との間でIDコード照合が行われる。そして、それらIDコード同士が一致すると、照合制御部41からスイッチング素子42に作動信号が出力される。このため、スイッチング素子42がオン作動してバッテリ電源+Bからロック制御部32に給電され、該ロック制御部32が起動する。また、照合制御部41からロック制御部32にロック解除要求信号が出力されるとともに、照合制御部41からエンジン制御部61にIDコード一致信号が出力される。
まず、エンジンの停止状態にあっては、携帯機11を所持したユーザが車両の室内に乗り込むと、携帯機11と照合制御部41との間でIDコード照合が行われる。そして、それらIDコード同士が一致すると、照合制御部41からスイッチング素子42に作動信号が出力される。このため、スイッチング素子42がオン作動してバッテリ電源+Bからロック制御部32に給電され、該ロック制御部32が起動する。また、照合制御部41からロック制御部32にロック解除要求信号が出力されるとともに、照合制御部41からエンジン制御部61にIDコード一致信号が出力される。
この状態でブレーキペダルが操作されつつインストルメントパネル等に設けられたプッシュスイッチ96が押圧操作されると、ロック制御部32からモータ82に第1アンロック駆動信号が出力される。このため、モータ82は、図2に矢印R1で示す方向に回転軸83を回転させ、リフト89を矢印F1方向に移動させる。これにより、突部90及び接点部91も一体に移動する。そして、ロックバー84がステアリングシャフト2の凹部2aから完全に解除されると、ロック状態検出スイッチ35を構成する検出用可動接点CP5が検出用固定接点CP4に接触されるとともに、まずIGスイッチ部33を構成する可動接点CP2が第1固定接点CP1に接触する。その結果、IGスイッチ部33がオン状態となってIGリレー62がオン作動してバッテリ電源+Bからエンジン制御部61に給電され、該エンジン制御部61が起動する。この状態においてエンジン制御部61は、照合制御部41からIDコード一致信号が入力されているため、エンジン駆動制御を可能な状態となる。
その後、モータ82は駆動し続け、リフト89を矢印F1方向にさらに移動させる。すると、検出用可動接点CP5と検出用固定接点CP4との接触状態、及び可動接点CP2と第1固定接点CP1との接触状態が維持されつつ、可動接点CP2が第2固定接点CP3と接触する。これによりSTリレー72がオン作動してバッテリ電源+Bからエンジンスタータ71に給電される。このため、エンジンスタータ71によるエンジンの始動動作が行われる。
そして、エンジンが駆動すると、ロック制御部32はモータ52を図3に矢印R2で示す方向に回転軸83を回転させてリフト89を矢印F2方向に移動させ、第2固定接点CP3から可動接点CP2を離間させる。そして、第1固定接点CP1と可動接点CP2との接触が保持した状態となる位置でリフト89を停止させる。このとき、IGリレー62はオン作動した状態が維持されるため、エンジン制御部61への給電は継続して行われている。よって、エンジンの駆動は維持された状態で、電動式ステアリングロック機構81はアンロックの状態となる。
なお、照合制御部41からエンジン制御部61にIDコード一致信号が出力された状態で、ブレーキペダルが操作されずにプッシュスイッチ96が押圧操作された場合には、ロック制御部32からモータ82に第2アンロック駆動信号が出力される。この場合モータ82は、第1アンロック駆動信号が入力された場合と同様に矢印R1方向に回転軸83を回転させてリフト89を矢印F1方向に移動させるものの、検出用可動接点CP5が検出用固定接点CP4に接触した時点で駆動を停止する。このため、IGスイッチ部33はオン状態となるものの、STスイッチ部34はオフ状態のままとなる。よって、エンジンは始動されず、機能ポジションのみが「イグニッションON」の状態に切り換わる。 <エンジンを停止させる場合>
一方、エンジンの駆動状態において、車速が「0」の状態、すなわち車両の非走行状態でプッシュスイッチ96が押圧されると、ロック制御部32からモータ82にロック駆動信号が出力される。すると、モータ82は図3に矢印R2で示す方向に回転軸83を回転させ、リフト89を矢印F2方向に移動させて第1固定接点CP1から可動接点CP2を離間させる。第1固定接点CP1から可動接点CP2が離間すると、IGリレー62が開状態となり、バッテリ電源+Bからエンジン制御部61への給電が停止する。その結果、エンジンが停止する。そして、さらにリフト89が矢印F2方向に移動することにより、ロックバー84がステアリングシャフト2の凹部2aに係合してステアリングがロックされる。
一方、エンジンの駆動状態において、車速が「0」の状態、すなわち車両の非走行状態でプッシュスイッチ96が押圧されると、ロック制御部32からモータ82にロック駆動信号が出力される。すると、モータ82は図3に矢印R2で示す方向に回転軸83を回転させ、リフト89を矢印F2方向に移動させて第1固定接点CP1から可動接点CP2を離間させる。第1固定接点CP1から可動接点CP2が離間すると、IGリレー62が開状態となり、バッテリ電源+Bからエンジン制御部61への給電が停止する。その結果、エンジンが停止する。そして、さらにリフト89が矢印F2方向に移動することにより、ロックバー84がステアリングシャフト2の凹部2aに係合してステアリングがロックされる。
なお、エンジンの停止状態において機能ポジションが「イグニッションON」の状態で、ブレーキペダルが操作されないでプッシュスイッチ96が押圧操作された場合にも、同様の動作が行われる。
<車両走行中における電源制御装置31のフェイルセーフ>
ところで、車速が「0」ではない状態、すなわち車両の走行状態にあっては、照合制御部41からスイッチング素子42への作動信号の出力が禁止される。このため、車両の走行状態においてはバッテリ電源+Bからロック制御部32への給電が停止される。よって、ノイズの影響等に起因してロック制御部32が意図しない動作を行い、これにより電動式ステアリングロック機構81が駆動してしまうことが確実に防止される。それゆえ、車両が走行状態であるにも拘わらずステアリングシャフト2がロックしてしまうといった不都合が、確実に防止される。また、エンジン制御部61等のエンジン駆動系電装品への給電は、電動式ステアリングロック機構81が駆動しない限り遮断されないため、車両の走行状態においてエンジンが停止してしまうといった不都合も確実に防止される。すなわち、ステアリングシャフト2のアンロック状態を確保するためのフェイルセーフ機能により、エンジンの駆動状態を確保するためのフェイルセーフ機能も充足される。よって、各フェイルセーフ機能を個別に付与する必要がない。
ところで、車速が「0」ではない状態、すなわち車両の走行状態にあっては、照合制御部41からスイッチング素子42への作動信号の出力が禁止される。このため、車両の走行状態においてはバッテリ電源+Bからロック制御部32への給電が停止される。よって、ノイズの影響等に起因してロック制御部32が意図しない動作を行い、これにより電動式ステアリングロック機構81が駆動してしまうことが確実に防止される。それゆえ、車両が走行状態であるにも拘わらずステアリングシャフト2がロックしてしまうといった不都合が、確実に防止される。また、エンジン制御部61等のエンジン駆動系電装品への給電は、電動式ステアリングロック機構81が駆動しない限り遮断されないため、車両の走行状態においてエンジンが停止してしまうといった不都合も確実に防止される。すなわち、ステアリングシャフト2のアンロック状態を確保するためのフェイルセーフ機能により、エンジンの駆動状態を確保するためのフェイルセーフ機能も充足される。よって、各フェイルセーフ機能を個別に付与する必要がない。
(実施形態の効果)
(1)ステアリングシャフト2の動きが電動式ステアリングロック機構81によって規制された状態にあっては、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが離間した状態にあり、エンジン制御部61への給電経路が遮断される。すなわち、車両の通常走行動作が不能な状態にあっては、エンジン制御部61及びその他のエンジン駆動系電装品に対して給電されないため、エンジンは確実に停止状態となる。一方、ステアリングシャフト2の動きが電動式ステアリングロック機構81によって規制されていない状態にあっては、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが接触した状態にあり、エンジン制御部61への給電経路が導通される。すなわち、車両の通常走行動作が可能な状態にあっては、エンジン制御部61及びその他のエンジン駆動系電装品に対して給電された状態となるためエンジンが停止されることはない。しかも、可動接点CP2は伝達機構36のリフト89の動作に機械的に連動することでエンジン制御部61及びその他のエンジン駆動系電装品への給電切換動作を行うため、電気的な誤動作などに起因した意図しないエンジンの停止も生じない。それゆえ、ロック制御部32にのみエンジンの駆動状態を監視する車速センサ95等を用いて、高い信頼性を維持させることができ、エンジン制御部61におけるフェイルセーフは不要となる。
(1)ステアリングシャフト2の動きが電動式ステアリングロック機構81によって規制された状態にあっては、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが離間した状態にあり、エンジン制御部61への給電経路が遮断される。すなわち、車両の通常走行動作が不能な状態にあっては、エンジン制御部61及びその他のエンジン駆動系電装品に対して給電されないため、エンジンは確実に停止状態となる。一方、ステアリングシャフト2の動きが電動式ステアリングロック機構81によって規制されていない状態にあっては、第1固定接点CP1と可動接点CP2とが接触した状態にあり、エンジン制御部61への給電経路が導通される。すなわち、車両の通常走行動作が可能な状態にあっては、エンジン制御部61及びその他のエンジン駆動系電装品に対して給電された状態となるためエンジンが停止されることはない。しかも、可動接点CP2は伝達機構36のリフト89の動作に機械的に連動することでエンジン制御部61及びその他のエンジン駆動系電装品への給電切換動作を行うため、電気的な誤動作などに起因した意図しないエンジンの停止も生じない。それゆえ、ロック制御部32にのみエンジンの駆動状態を監視する車速センサ95等を用いて、高い信頼性を維持させることができ、エンジン制御部61におけるフェイルセーフは不要となる。
(2)IGリレー62は、リフト89の直線運動に連動して移動する接点部91(可動接点CP2)が第1固定接点CP1に接触または離間することでオン状態またはオフ状態となる。STリレー72は、リフト89の直線運動に連動して移動する接点部91(可動接点CP2)が第2固定接点CP3に接触または離間することでオン状態またはオフ状態となる。このため、例えば位置センサ等によって電動式ステアリングロック機構81の機械的な運動を監視して電気的にIGリレー62をオン作動させる構造などに比べて、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34の構造を簡素化することができる。また、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34は、リフト89と一体的に移動する可動接点CP2により直接オン・オフ操作されるため、ステアリングシャフト2の動きがロックバー84によって規制されていない状態にあっては、エンジン制御部61に対して確実に給電される。
(3)IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34は、電動式ステアリングロック機構81のリフト89の直線運動に連動して、エンジン制御部61またはエンジンスタータ71への電力の供給及び遮断を行う。このため、直線運動するリフト89の移動軌跡上に第1固定接点CP1及び第2固定接点CP3を配設させればよく、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34の構造及び設計が容易となるとともに、配置スペースも小さくてすむ。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、スイッチ構造体として2つの接点を接触及び離間させることにより給電経路の導通及び遮断を行う構造としたが、モーメンタリ式の押しボタン式のスイッチ(ノーマルオープンタイプのメカニカルスイッチ)を用いて給電経路の導通及び遮断をさせてもよい。即ち、図4に示すように、給電可否機構として押しボタン式のスイッチSW1及びスイッチSW2を用いる。詳述すると、スイッチSW1は、上記実施形態における第1固定接点CP1と可動接点CP2(図2参照)とを備えている。スイッチSW2は、第2固定接点CP3と可動接点CP2とを備えている。スイッチSW1及びスイッチSW2は、オン・オフ作動するスイッチ部S1とスイッチ部S1を支持する本体部S2とによりそれぞれ構成されている。そして、スイッチSW1は、同スイッチSW1のスイッチ部S1が押圧されることで、内部の第1固定接点CP1と可動接点CP2との導通が図られ、スイッチSW2も同様に、同スイッチSW2のスイッチ部S1が押圧されることで、内部の第2固定接点CP3と可動接点CP2とが導通するようになっている。スイッチ部S1は、リフト89の移動方向において接点部91aと対向するように配置されており、本体部S2はコイルばねによって支持されている。コイルばねの他端は図示しない電動式ステアリングロック機構81のケースの側壁に固定されている。また、スイッチSW2は、前記ケースの側壁に固定されている。なお、ロック状態検出スイッチSW3もスイッチSW1やスイッチSW2と同様の構成となっている。こうすることで、接点部91(図2参照)から可動接点CP2を省略することができるとともに、突部90(図2参照)から検出用可動接点CP5を省略することができる。このため、押しボタン式のスイッチ構造体を用いた場合、突部90aは、前記検出用可動接点CP4分だけ大きく形成し、接点部91aは、前記可動接点CP2の大きさ分だけ大きく形成する。さて、このような構成において、電動式ステアリングロック機構81をロック状態からアンロック状態にする場合、リフト89の図4(a)におけるF1方向への移動に伴い、突部90a及び接点部91aは一体的にF1方向に移動する。そして、突部90aによってロック状態検出スイッチSW3が押圧されるとともに接点部91aによってスイッチSW1が押圧される。その結果、ロック状態検出スイッチSW3及びスイッチSW1がオン作動されることで、IGスイッチ部33がオン作動する。これによりエンジン制御部61への給電が行われる。そしてさらに、リフト89をF1方向に移動させると、スイッチSW1は接点部91aに、ロック状態検出スイッチSW3は突部90aにそれぞれ押圧された状態でコイルばねの付勢力に抗して移動する。その結果、スイッチSW2は、接点部91aによって押圧されることでオン作動して、ST接点74がオン作動する(図4(b)参照)。これによりエンジンスタータ71へ給電が行われて、エンジンの始動動作が開始される。そして、エンジン始動動作が完了すると、リフト89はF2方向に移動する。その移動に伴い、突部90a及び接点部91aもF2方向へ移動する。そして、接点部91aがスイッチSW2から離間してSTスイッチ部34がオフ状態となるともに、スイッチSW1及びロック状態検出スイッチSW3がオン状態で、リフト89は停止する。その結果、エンジンの駆動が維持される。このような構成にした場合、伝達機構36に接点部等の電装品を設ける必要がなくなり、伝達機構36の構成を簡素化することができるとともに、製造時の組立を容易にすることが出来る。
・上記実施形態では、スイッチ構造体として2つの接点を接触及び離間させることにより給電経路の導通及び遮断を行う構造としたが、モーメンタリ式の押しボタン式のスイッチ(ノーマルオープンタイプのメカニカルスイッチ)を用いて給電経路の導通及び遮断をさせてもよい。即ち、図4に示すように、給電可否機構として押しボタン式のスイッチSW1及びスイッチSW2を用いる。詳述すると、スイッチSW1は、上記実施形態における第1固定接点CP1と可動接点CP2(図2参照)とを備えている。スイッチSW2は、第2固定接点CP3と可動接点CP2とを備えている。スイッチSW1及びスイッチSW2は、オン・オフ作動するスイッチ部S1とスイッチ部S1を支持する本体部S2とによりそれぞれ構成されている。そして、スイッチSW1は、同スイッチSW1のスイッチ部S1が押圧されることで、内部の第1固定接点CP1と可動接点CP2との導通が図られ、スイッチSW2も同様に、同スイッチSW2のスイッチ部S1が押圧されることで、内部の第2固定接点CP3と可動接点CP2とが導通するようになっている。スイッチ部S1は、リフト89の移動方向において接点部91aと対向するように配置されており、本体部S2はコイルばねによって支持されている。コイルばねの他端は図示しない電動式ステアリングロック機構81のケースの側壁に固定されている。また、スイッチSW2は、前記ケースの側壁に固定されている。なお、ロック状態検出スイッチSW3もスイッチSW1やスイッチSW2と同様の構成となっている。こうすることで、接点部91(図2参照)から可動接点CP2を省略することができるとともに、突部90(図2参照)から検出用可動接点CP5を省略することができる。このため、押しボタン式のスイッチ構造体を用いた場合、突部90aは、前記検出用可動接点CP4分だけ大きく形成し、接点部91aは、前記可動接点CP2の大きさ分だけ大きく形成する。さて、このような構成において、電動式ステアリングロック機構81をロック状態からアンロック状態にする場合、リフト89の図4(a)におけるF1方向への移動に伴い、突部90a及び接点部91aは一体的にF1方向に移動する。そして、突部90aによってロック状態検出スイッチSW3が押圧されるとともに接点部91aによってスイッチSW1が押圧される。その結果、ロック状態検出スイッチSW3及びスイッチSW1がオン作動されることで、IGスイッチ部33がオン作動する。これによりエンジン制御部61への給電が行われる。そしてさらに、リフト89をF1方向に移動させると、スイッチSW1は接点部91aに、ロック状態検出スイッチSW3は突部90aにそれぞれ押圧された状態でコイルばねの付勢力に抗して移動する。その結果、スイッチSW2は、接点部91aによって押圧されることでオン作動して、ST接点74がオン作動する(図4(b)参照)。これによりエンジンスタータ71へ給電が行われて、エンジンの始動動作が開始される。そして、エンジン始動動作が完了すると、リフト89はF2方向に移動する。その移動に伴い、突部90a及び接点部91aもF2方向へ移動する。そして、接点部91aがスイッチSW2から離間してSTスイッチ部34がオフ状態となるともに、スイッチSW1及びロック状態検出スイッチSW3がオン状態で、リフト89は停止する。その結果、エンジンの駆動が維持される。このような構成にした場合、伝達機構36に接点部等の電装品を設ける必要がなくなり、伝達機構36の構成を簡素化することができるとともに、製造時の組立を容易にすることが出来る。
・上記実施形態では、伝達機構36のリフト89を機械的に直線運動するロック手段として用いたが、上記のような伝達機構36を必ずしも用いる必要はない。即ち、アクチュエータとしてソレノイドを用いて、同ソレノイドの直線運動に連動させてエンジン駆動系電装品への給電経路の導通及び遮断を行うようにしてもよい。このような構成にても、上記(1),(2)の効果を得ることができる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態のワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム1を図5に従って説明する。なお、第2実施形態においては、電動式ステアリングロック機構81の構成が第1実施形態と異なっている。そこで、以下、第1実施形態と同等の構成をなすものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
以下、第2実施形態のワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム1を図5に従って説明する。なお、第2実施形態においては、電動式ステアリングロック機構81の構成が第1実施形態と異なっている。そこで、以下、第1実施形態と同等の構成をなすものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5(a)に示すように、電動式ステアリングロック機構81は、前記第1実施形態における電動式ステアリングロック機構81の構成に加え、ウォームホイール86に一体的に設けられ、該ウォームホイール86と共に回転する第1ギア86aと、第2ギア101と、ロータリスイッチ部102とを備えている。第1ギア86aはウォームホイール86よりも小径に構成されている。第1ギア86aには、第2ギア101が噛合されるとともに、ロータリスイッチ部102の回転軸102aが連結されている。このため、第2ギア101とともに回転軸102aが回転する。
ロータリスイッチ部102は、メカニカルキーを用いてエンジンの始動操作を行うキースイッチに配設される一般的なロータリ式スイッチ構造体であり、回転軸102aとともに内部の可動接点が回転し、それにより固定接点との接触状態が切り換わる構造をなしている。詳しくは、図5(b)に示すように、ロータリスイッチ部102の内部には、回転軸102aと連結され、該回転軸102aを軸心として回動する扇状の可動接点103が設けられている。また、ロータリスイッチ部102の内部には、可動接点103の回動により接触・非接触状態が切り換わる3つの接点部(アクセサリ接点部(ACC接点部104)、イグニッション接点部(IG接点部105)及びスタータ接点部(ST接点部106))がそれぞれ円弧状に設けられている。IG接点部105はACC接点部104よりも内側に形成されており、ACC接点部104とIG接点部105とはロータリスイッチ部102を外周方向から見た場合に若干重なるように配置されている。また、ACC接点部104とIG接点部105とは同心円上に形成されており、互いに離間して配置されている。ST接点部106とIG接点部105とはロータリスイッチ部102を外周方向から見た場合に重なるように配置されている。即ち、IG接点部105は、ACC接点部104及びST接点部106を跨ぐように配置されている。これら各接点部104〜106は、可動接点103の回転位置に応じてそれぞれ接触可能となっている。
電動式ステアリングロック機構81のロック状態においては、図5(b)に実線で示すように、可動接点103は、前記ACC接点部104、IG接点部105、ST接点部106の何れにも接触していない位置(オフ位置)にある。また、この状態からモータ82が矢印R1方向に駆動されると、リフト89が矢印F1方向に移動してロックバー84がステアリングシャフト2から解除されるとともに、第2ギア101が回転する。その結果、同図に破線で示すように、可動接点103は、ACC接点部104と接触してアクセサリがオン作動する位置(アクセサリ位置)まで回動する。さらにモータ82が矢印R1方向に駆動されると、リフト89が矢印F1方向にさらに移動してロックバー84が完全にステアリングシャフト2から解除されるととともに、同図に1点鎖線で示すように、可動接点103はIG接点部105に接触する位置(イグニッションON位置)まで回動する。その結果、IGスイッチ部33がオン作動して、バッテリ電源+Bからエンジン制御部61への給電が行われ、機能ポジションがイグニッションON状態となる。そしてさらに、モータ82が矢印R1方向に駆動されると、リフト89が矢印F1方向に移動するととともに、同図に2点鎖線で示すように、ACC接点部104と可動接点103との接触が一旦遮断されて、ST接点部106及びIG接点部105と可動接点103とが接触する位置(スタータON位置)まで可動接点103が回動する。これにより、STスイッチ部34がオン作動して、バッテリ電源+Bからエンジンスタータ71への給電が行われ、エンジンの始動動作が行われる。なお、第2実施形態において、IG接点部105は第1実施形態における第1固定接点CP1を構成し、可動接点103は第1実施形態における可動接点CP2を構成し、ST接点部106は第1実施形態における第2固定接点CP3を構成する。即ち、IG接点部105及び可動接点103からIGスイッチ部33が構成され、ST接点部106及び可動接点103からSTスイッチ部34が構成されている。
また、図5(b)に破線で示す可動接点103のオフ位置から、同図に一点鎖線で示す可動接点103のイグニッションON位置までのストロークStr1は、図5(a)に実線で示すロックバー84のロック位置から、同図に破線で示すロックバー84のアンロック位置までのストロークStr2と対応している。即ち、第1ギア86aと第2ギア101との歯数及び回転比は、該ストロークStr1と該ストロークStr2とが対応するように設定されている。
(第2実施形態の効果)
(4)IGリレー62は、第2ギア101の回転運動に連動して移動する可動接点103がIG接点部105に接触または離間することでオン状態またはオフ状態となる。一方、STリレー72は、同回転運動に連動して移動する可動接点103がST接点部106に接触または離間することでオン状態またはオフ状態となる。このため、例えば位置センサ等によって電動式ステアリングロック機構81の機械的な運動を監視して電気的にIGリレー62をオン作動させる構造などに比べて、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34の構造を簡素化することができる。しかも、メカニカルキーを用いてエンジンの始動操作を行う一般的なロータリ式スイッチ構造体を給電可否機構としてそのまま適用することができるため部品の転用を図ることができ、ひいては部品コストを低減させることができる。
(4)IGリレー62は、第2ギア101の回転運動に連動して移動する可動接点103がIG接点部105に接触または離間することでオン状態またはオフ状態となる。一方、STリレー72は、同回転運動に連動して移動する可動接点103がST接点部106に接触または離間することでオン状態またはオフ状態となる。このため、例えば位置センサ等によって電動式ステアリングロック機構81の機械的な運動を監視して電気的にIGリレー62をオン作動させる構造などに比べて、IGスイッチ部33及びSTスイッチ部34の構造を簡素化することができる。しかも、メカニカルキーを用いてエンジンの始動操作を行う一般的なロータリ式スイッチ構造体を給電可否機構としてそのまま適用することができるため部品の転用を図ることができ、ひいては部品コストを低減させることができる。
(5)第1ギア86a及び第2ギア101の回転比を変更することにより、可動接点103の回転移動距離(ストローク)を容易に変更することができる。このため、一般的なロータリ式スイッチ構造体を転用する際に容易に対応することができる。
(6)ロックバー84の直線運動及び可動接点103の回転運動を1つのモータ82の駆動に基づいて行うことができる。このため、電源制御装置31を簡素化することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、回転出力型アクチュエータ(モータ82)の回転運動に連動させて可動接点103を回転移動させるようにしたが、直線運動するアクチュエータ(例えばソレノイド等)の運動に連動させ、その直線運動を回転運動に変換して可動接点103を回転運動させてもよい。
・上記実施形態では、回転出力型アクチュエータ(モータ82)の回転運動に連動させて可動接点103を回転移動させるようにしたが、直線運動するアクチュエータ(例えばソレノイド等)の運動に連動させ、その直線運動を回転運動に変換して可動接点103を回転運動させてもよい。
・上記実施形態では、プッシュスイッチ96の押圧操作により電動式ステアリングロック機構81を駆動させて、IGスイッチ部33の導通及び遮断を行うようにしたが、キーシリンダにメカニカルキーを差し込んで回転させることで、電動式ステアリングロック機構81を駆動させるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、盗難防止装置として電動式ステアリングロック機構81を用いたが、必ずしも電動式ステアリングロック機構81を用いなくてもよい。即ち、シフトポジションの切換え操作をロックバー84相当の部材によって規制する電子式シフトロック等の駆動系機構の盗難防止装置を用いてもよい。このような構成にした場合、給電可否機構は電子式シフトロック装置を規制する運動に連動して給電経路を導通させる。また、給電可否機構は電子式シフトロック装置を解除する運動に連動して給電経路を遮断させる。このため、電子式シフトロック装置の機械的な運動に基づいて確実に給電可否機構の制御を行うことができる。
(付記)
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)請求項2に記載の車両用電源制御装置おいて、前記スイッチ構造体は、前記ロック手段に設けられた第1接点と、該ロック手段による前記可動部材への係合が解除されたことを条件として該第1接点と接触する第2接点とを備え、それら両接点が接触することにより前記エンジン駆動系電装品に給電を行うことを特徴とする車両用電源制御装置。このような構成にした場合、上記実施形態における可動接点CP2が第1接点を構成し、第1固定接点CP1及び第2固定接点CP3が第2接点を構成する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)請求項2に記載の車両用電源制御装置おいて、前記スイッチ構造体は、前記ロック手段に設けられた第1接点と、該ロック手段による前記可動部材への係合が解除されたことを条件として該第1接点と接触する第2接点とを備え、それら両接点が接触することにより前記エンジン駆動系電装品に給電を行うことを特徴とする車両用電源制御装置。このような構成にした場合、上記実施形態における可動接点CP2が第1接点を構成し、第1固定接点CP1及び第2固定接点CP3が第2接点を構成する。
(ロ)請求項3に記載の車両用電源制御装置において、前記ロータリ式スイッチ構造体は、前記アクチュエータの回転軸に連結された第1接点と、前記可動部材との係合が解除される位置へ前記ロック手段を移動させるべく該回転軸を回転させた際に該第1接点と接触する第2接点とを備え、それら両接点が接触することで前記エンジン駆動系電装品に給電を行うことを特徴とする車両用電源制御装置。
(ハ)請求項1〜請求項3,技術的思想(イ),(ロ)のいずれか1項に記載の車両用電源制御装置は、車両室内に設けられるとともに押圧操作に伴い押圧操作信号を出力するプッシュスイッチを備え、所有者によって所持される携帯機との相互通信が確立したことを条件として前記プッシュスイッチからの押圧信号が前記ロック制御手段に入力されることにより前記ロック手段における可動部材の解除に基づいて前記エンジン駆動系電装品に給電を行うことを特徴とする車両用電源制御装置。このような構成にした場合、所有者によって所持される携帯機との相互通信が確立したことを条件として、前記可動部材に対する前記ロック手段の係合が解除可能な状態となる。そして、車両室内に設けられたプッシュスイッチを押すことにより可動部材の解除が行われ、エンジン駆動系電装品への給電が行われる。このため、携帯機を所持した所有者のみエンジンの始動が可能となり、第三者によるエンジンの始動を防止することができ、盗難防止性が向上する。
1…ワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム、2…ステアリングシャフト(可動部材)、11…携帯機、31…車両用電源制御装置、32…ロック制御部(ロック制御手段)、33…IGスイッチ部(給電可否機構)、34…STスイッチ部(給電可否機構)、37…伝達機構(ロック手段)、81…電動式ステアリングロック機構(盗難防止機構)、82…モータ(アクチュエータ)、84…ロックバー(ロック手段)、102…ロータリスイッチ部(ロータリ式スイッチ構造体)、103…可動接点(スイッチ構造体)、105…IG接点部(スイッチ構造体)、106…ST接点部(スイッチ構造体)、CP1…第1固定接点(スイッチ構造体)、CP2…可動接点(スイッチ構造体)、CP3…第2固定接点(スイッチ構造体)。
Claims (3)
- 車両の操舵系機構及び駆動系機構のうち少なくとも一方を構成する可動部材に係合することにより当該可動部材の動きを規制する一方、該可動部材との係合を解除することにより該規制を解除するロック手段と、そのロック手段を駆動するアクチュエータと、そのアクチュエータの駆動を制御するロック制御手段とを有する盗難防止機構を備えるとともに、
該盗難防止機構の動作に機械的に連動し、前記ロック手段と前記可動部材との係合状態においてはエンジン駆動系電装品への給電経路を遮断する一方、該係合状態が解除されたことを条件としてエンジン駆動系電装品への給電経路を導通させる給電可否機構を備えることを特徴とする車両用電源制御装置。 - 請求項1に記載の車両用電源制御装置において、
前記ロック手段は、直線運動することで前記可動部材に係脱する構造をなし、
前記給電可否機構は、前記ロック手段の動作に連動し直線運動し、該ロック手段が前記可動部材に係合した状態でオフ状態、該係合が解除された状態でオン状態となるスイッチ構造体であることを特徴とする車両用電源制御装置。 - 請求項1に記載の車両用電源制御装置において、
前記アクチュエータは、回転運動を行う回転出力型アクチュエータであり、
前記給電可否機構は、該アクチュエータの回転運動に連動して回転し、前記ロック手段が前記可動部材に係合した状態でオフ状態、該係合が解除された状態でオン状態となるロータリ式スイッチ構造体であることを特徴とする車両用電源制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005105964A JP2006282033A (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | 車両用電源制御装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008137644A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-06-19 | Alpha Corp | 電動ステアリングロック装置 |
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2005
- 2005-04-01 JP JP2005105964A patent/JP2006282033A/ja active Pending
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