JP2009096427A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】テレスコピック機構を利用した簡易な構成でもって盗難防止効果を発揮し得るステアリング装置を提供する。
【解決手段】ステアリング装置20は、入力軸51と、この入力軸51を回転可能かつ軸方向に相対移動不能に支持するアッパーハウジング41と、入力軸51に連結される出力軸52と、この出力軸52を回転可能かつ軸方向に相対移動不能に支持するロアハウジング42と、出力軸52に固定されてハウジング側係合部41bに係合可能なホルダー側係合部55bを有するロックホルダー53と、アッパーハウジング41とロアハウジング42とを軸方向に相対移動させるテレスコ用モータ61と、このテレスコ用モータ61を駆動制御するECUとを備えている。そして、車両の盗難防止機能を実現させる場合には、ECUは、ハウジング側係合部41bがホルダー側係合部55bに係合するようにテレスコ用モータ61を駆動制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動モータによりステアリングホイールの前後位置を調整するテレスコピック機構を備えるステアリング装置に関するものである。
従来より、電動モータによりステアリングホイールの前後位置を調整するテレスコピック機構を備えるステアリング装置として、例えば、下記特許文献1に示す、ステアリング装置が知られている。このステアリング装置は、ステアリングホイールに嵌着固定される入力軸と、舵取機構の入力軸に中間軸等を介して連結される出力軸とを有するステアリング軸を備えている。
このステアリング軸は、コラムハウジングの内部にて回転自在に支持されており、入力軸の外面に備えた噛合部と出力軸の内面に備えた噛合部とが噛合うことにより一体として回転して、ステアリングホイールの操舵を舵取機構に伝達している。そして、当該ステアリング装置は、コラムハウジングを構成する内筒と外筒との嵌合部の嵌め合い長さを電動モータにより増減させることにより、ステアリングホイールの前後位置を運転姿勢に合わせて変更させるテレスコピック動作を行う。
当該ステアリング装置は、盗難防止対策として、正常な手順を踏むことなく運転を行う場合には、コラムハウジングにおける嵌合部の軸方向長さを短くするようにテレスコ用モータを駆動してステアリング軸における両噛合部の噛合を解除する。これにより、ステアリング軸の入力軸と出力軸とを空転させて、ステアリングホイールの操舵による操舵トルクが舵取機構の入力軸に伝達されることを防止している。
特開2006−168563号公報
ところで、上述のようにステアリング軸の入力軸と出力軸とが空転する状態において、ステアリングホイールが操舵されてこのステアリングホイールとともに入力軸が過剰に回転すると、ステアリングホイールや入力軸近傍に設けられたステアリングセンサ等の部品に接続されているワイヤハーネス等に引張力が作用してしまう。このため、盗難防止対策時における入力軸の過剰な空転を防止する機構等を別途設ける必要があるので、ステアリング装置自体の部品点数が増加してしまう。
また、上述のような空転する機構を採用せず、所定の条件時にステアリング軸に設けられる溝にロックバーを係合させてステアリング軸の回転を防止するキーロック機構を採用することにより、盗難防止対策を実施することも可能である。しかしながら、キーロック機構という別機構を設ける必要があるので、ステアリング装置自体の部品点数が増加してしまう。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、テレスコピック機構を利用した簡易な構成でもって盗難防止効果を発揮し得るステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のステアリング装置は、車両の盗難を防止するための盗難防止機能を有するステアリング装置(20)であって、第1シャフト(51)と、この第1シャフトを回転可能に軸支するとともに軸方向に相対移動不能に支持する第1ハウジング(41)と、前記第1シャフトの回転に応じて回転するとともに当該第1シャフトに対して軸方向に摺動可能に連結される第2シャフト(52)と、この第2シャフトを回転可能に軸支するとともに軸方向に相対移動不能に支持する第2ハウジング(42)と、前記第2シャフトの外周面(52a)に固定されて前記第1ハウジングの一側端部(41a)に設けられる係合部(41b)に係合可能な被係合部(55b)を有するロック機構(53)と、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを軸方向に相対移動させるモータ(61)と、前記モータを駆動制御する制御手段(80)と、を備え、前記盗難防止機能を実現させる場合には、前記制御手段は、前記係合部が前記被係合部に係合する係合位置まで当該係合部を軸方向に移動させるように前記モータを駆動制御することを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項2のステアリング装置では、前記ロック機構は、前記被係合部を外力が作用しないときの位置である押圧前位置に位置させるように付勢して支持するとともに、当該被係合部に作用する軸方向の押圧力に応じて、少なくとも前記係合位置に位置する前記係合部と軸方向にて当接する状態での前記被係合部の軸方向位置まで、当該被係合部の押圧方向への移動を許容する弾性支持部(56)を備えることを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、ステアリング装置は、第1シャフトと、この第1シャフトを回転可能に軸支するとともに軸方向に相対移動不能に支持する第1ハウジングと、第1シャフトの回転に応じて回転するとともに当該第1シャフトに対して軸方向に摺動可能に連結される第2シャフトと、この第2シャフトを回転可能に軸支するとともに軸方向に相対移動不能に支持する第2ハウジングと、第2シャフトの外周面に固定されて第1ハウジングの一側端部に設けられる係合部に係合可能な被係合部を有するロック機構とを備えている。また、ステアリング装置は、第1ハウジングと第2ハウジングとを軸方向に相対移動させるモータと、このモータを駆動制御する制御手段とを備えている。そして、車両の盗難防止機能を実現させる場合には、制御手段は、係合部が被係合部に係合するようにモータを駆動制御する。
これにより、車両の盗難防止機能を実現させる場合には、モータの駆動により第1ハウジングと第2ハウジングとが軸方向に近接するように相対移動させることで、第1ハウジングの一側端部に設けられる係合部と、第2シャフトの外周面に固定されるロック機構の被係合部とが係合する。このため、第2シャフトがロック機構により第1ハウジングに相対回転不能に連結されるとともに、この第2シャフトに連結される第1シャフトも第1ハウジングに対し相対回転不能となる。
このように構成される第1シャフトおよび第2シャフトのどちらか一方にステアリングホイールを連結するとともに他方に舵取機構の入力軸を連結することにより、車両の盗難防止機能を実現させる場合には、上述のごとくモータを駆動して第1シャフトおよび第2シャフトを第1ハウジングに対し相対回転不能にすることによりステアリングホイールの操舵を禁止して盗難防止効果を発揮し得る。一方、車両の盗難防止機能を実現させない場合には、ステアリングホイールの操舵が第1シャフトおよび第2シャフトを介して舵取機構に伝達されることはもちろんのこと、モータの駆動により第1シャフトと第2シャフトとを軸方向に摺動させてステアリングホイールの前後位置を運転姿勢に合わせて変更させるテレスコピック動作を行い得る。
したがって、テレスコピック機構を利用した簡易な構成でもって盗難防止効果を発揮することができる。
請求項2の発明では、ロック機構は、被係合部に加えて、この被係合部を上記押圧前位置に位置させるように付勢して支持するとともに、当該被係合部に作用する軸方向の押圧力に応じて、少なくとも上記係合位置に位置する係合部と軸方向にて当接する状態での被係合部の軸方向位置まで、当該被係合部の押圧方向への移動を許容する弾性支持部を備えている。
盗難防止機能を実現させるため、モータの駆動により第1ハウジングとともに係合部を上記係合位置まで軸方向に移動させるとき、被係合部の回転方向位置によっては係合部の被係合部側端面の一部が被係合部の係合部側端面の一部に当接して押圧することとなり、係合部と被係合部とが円滑に係合しない場合が想定される。
このとき、被係合部を、ロック機構の弾性支持部により係合部からの押圧力に応じて押圧方向に移動させることにより、当該係合部が被係合部に当接した状態で上記係合位置まで移動することとなる。このような当接状態において、ステアリングホイールが操舵されて第2シャフトおよび被係合部が回転すると、係合部と被係合部とが相対回転することとなり係合部の被係合部側端面の一部と被係合部の係合部側端面の一部との当接が解除される。この解除により係合部からの押圧力が消失するので、被係合部が弾性支持部により上記押圧前位置に位置するように付勢されて移動する。これにより、上記押圧前位置に位置する被係合部と係合部とが係合することとなり、第1シャフトおよび第2シャフトがロック機構により第1ハウジングに相対回転不能に連結され得る。
このように、係合部を上記係合位置まで軸方向に移動させたときに当該係合部が被係合部に係合しない場合であっても、その後のステアリングホイールの操舵による被係合部の回転により係合部と被係合部とが係合することとなるので、盗難防止効果を確実に発揮することができる。
請求項3の発明では、車両のエンジンが稼動状態であるか非稼動状態か、例えば、イグニッションキーがエンジンを稼動させる状態に位置しているか稼動させる状態に位置していないかを判定する稼動状態判定手段を備えている。そして、イグニッションキーがエンジンを稼動させる状態に位置していない場合等、エンジンが非稼動状態であると稼動状態判定手段により判定されたとき、車両の盗難防止機能を実現させる。
これにより、エンジンが非稼動状態である場合には、係合部と被係合部とが係合してステアリングホイールの操舵が禁止されるので、盗難防止効果が確実に向上し得る。
請求項4の発明では、開放状態判定手段により車両のドアが開放状態であると判定されるとともに稼動状態判定手段によりエンジンが非稼動状態であると判定されるとき盗難防止機能を実現させる。
これにより、運転者が、運転を終えて降車するためにドアを開放状態にし、かつ、エンジンを非稼動状態にするとステアリングホイールの操舵が禁止されるので、運転者の降車意思を確認することができ、盗難防止効果をより一層向上させ得る。
請求項5の発明では、開放状態判定手段により車両のドアが開放状態であると判定されるとともに稼動状態判定手段によりエンジンが稼働状態であると判定されるとき盗難防止機能を実現させずに停止させる。
これにより、運転者が、乗車するためにドアを開放状態にし、かつ、エンジンを稼働状態にするとステアリングホイールの操舵の禁止が解除されるので、ドアを正常に開放し得る運転者の乗車意思を確認することができ、円滑に盗難防止機能を停止させることができる。
請求項6の発明では、エンジンが稼動状態であると判定された直後にエンジンが非稼動状態であると判定されたときの係合部の軸方向位置が、復帰位置検出手段により復帰位置として検出されて記憶手段に記憶される。そして、制御手段は、エンジンが非稼動状態であると判定された直後に当該エンジンが稼動状態であると判定されると、係合部が復帰位置に位置するようにモータを駆動制御する。
このため、エンジンが非稼動状態であることから盗難防止機能を実現させた後に当該エンジンが稼動状態になり盗難防止機能を停止した場合であっても、係合部はエンジンが非稼動状態になった直前の位置に復帰することとなる。これにより、ステアリングホイールの前後位置を、エンジンが非稼動状態になった直前の位置、すなわち、盗難防止機能を実現させる直前である元の位置に自動的に復帰させることができるので、エンジンが稼動状態になったときに運転者がテレスコピック動作に関する操作を行う必要もない。
請求項7の発明では、車両のエンジンが始動可能状態であるか始動不能状態か、例えば、ワイヤレスキーから発信されるコード信号を受信しこのコード信号が所定のコード信号に一致するかを判定する始動可否判定手段を備えている。そして、ワイヤレスキーから発信されるコード信号が受信されない場合等、エンジンが始動不能状態であると始動可否判定手段により判定されたとき、車両の盗難防止機能を実現させる。
これにより、エンジンが始動不能状態である場合には、係合部と被係合部とが係合してステアリングホイールの操舵が禁止されるので、盗難防止効果が確実に向上し得る。
請求項8の発明では、開放状態判定手段により車両のドアが開放状態であると判定されるとともに始動可否判定手段によりエンジンが始動不能状態であると判定されるとき盗難防止機能を実現させる。
これにより、運転者が、運転を終えて降車するためにドアを開放状態にし、かつ、エンジンを始動不能状態にするとステアリングホイールの操舵が禁止されるので、運転者の降車意思を確認することができ、盗難防止効果をより一層向上させ得る。
請求項9の発明では、開放状態判定手段により車両のドアが開放状態であると判定されるとともに始動可否判定手段によりエンジンが始動可能状態であると判定されるとき盗難防止機能を実現させずに停止させる。
これにより、運転者が、乗車するためにドアを開放状態にし、かつ、エンジンを始動可能状態にするとステアリングホイールの操舵の禁止が解除されるので、ドアを正常に開放し得る運転者の乗車意思を確認することができ、円滑に盗難防止機能を停止させることができる。
請求項10の発明では、エンジンが始動可能状態であると判定された直後にエンジンが始動不能状態であると判定されたときの係合部の軸方向位置が、復帰位置検出手段により復帰位置として検出されて記憶手段に記憶される。そして、制御手段は、エンジンが始動不能状態であると判定された直後に当該エンジンが始動可能状態であると判定されると、係合部が復帰位置に位置するようにモータを駆動制御する。
このため、エンジンが始動不能状態であることから盗難防止機能を実現させた後に当該エンジンが始動可能状態になり盗難防止機能を停止した場合であっても、係合部はエンジンが始動不能状態になった直前の位置に復帰することとなる。これにより、ステアリングホイールの前後位置を、エンジンが始動不能状態になった直前の位置、すなわち、盗難防止機能を実現させる直前である元の位置に自動的に復帰させることができるので、エンジンが始動可能状態になったときに運転者がテレスコピック動作に関する操作を行う必要もない。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。まず、本第1実施形態に係るステアリング装置の構成を図1〜図4に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るステアリング装置20の全体構成例を示す構成図である。図2は、ロックホルダー53と出力軸52およびアッパーハウジング41との位置関係を説明するための断面図である。図3は、ロックホルダー53の構成を説明するための詳細斜視図である。図4は、ECU80等の構成例を示す回路ブロック図である。
図1〜図4に示すように、ステアリング装置20は、主に、ステアリングホイール30と、筒形をなすコラムハウジング40と、コラムハウジング40の内部に回転自在に支持されるステアリング軸50と、ステアリングホイール30の前後位置を変更するテレスコピック機構60と、テレスコピック機構60を駆動制御するECU80とを備えている。当該ステアリング装置20は、車体10に固定されたアッパーブラケット11及びロアブラケット12によりコラムハウジング40のロアハウジング42(後述する)の中途部及び一側端部がそれぞれ支持されて、ロアブラケット12による支持側を前下方に向けた傾斜姿勢にて車室の内部に取付けられている。
コラムハウジング40の上部から突出するステアリング軸50の上端部には、操舵部材としてのステアリングホイール30が、車室内部の運転者の前方に対面し、把持操作が可能なように嵌着固定されている。また、コラムハウジング40の下部から突出するステアリング軸50の下端部は、車室の前方外部に配された舵取機構72の入力軸72aに、軸心を交叉及び偏心させて対向させてあり、両端に自在継手71a、71aを備える中間軸71を介して回転伝達可能に連結されている。
以上の構成により、運転者によってステアリングホイール30に加えられる操舵トルクは、ステアリング軸50及び中間軸71を介して舵取機構72の入力軸72aに伝達され、この伝達トルクに応じた舵取機構72の動作により操舵が実行される。
また、ステアリング装置20は、コラムハウジング40の下端部近傍に設けられる操舵補助用のアシストモータ73と、このアシストモータ73よりもステアリングホイール側であってコラムハウジング40の内部に設けられるトルクセンサ74とを備えている。トルクセンサ74は、ステアリングホイール30を介してステアリング軸50に加えられる操舵トルクを検出する。この検出トルクに基づいて駆動されるアシストモータ73の回転力がステアリング軸50に伝達されることにより、当該ステアリング装置20は、上述のように行われる操舵を補助する電動パワーステアリング装置として機能する。なお、ステアリング装置20は、特に電動パワーステアリング装置に適用されることに限らず、運転者によりステアリングホイール30に加えられる操舵トルクのみによって操舵を行わせるマニュアル式のステアリング装置にも適用可能であり、また舵取機構72に付設された油圧シリンダの発生力により操舵を補助する油圧パワーステアリング装置にも適用可能である。
コラムハウジング40は、図1および図2に示すように、適長に亘って内外に嵌め合わされた略円筒状のアッパーハウジング41およびロアハウジング42を備えている。ステアリング軸50は、入力軸51及び出力軸52を備えている。入力軸51は、アッパーハウジング41に図略の軸受等を介して回転可能に軸支されるとともに軸方向に相対移動不能に支持されている。また、出力軸52は、ロアハウジング42に図略の軸受等を介して回転可能に軸支されるとともに軸方向に相対移動不能に支持されている。
また、アッパーハウジング41の反ステアリングホイール側端部41aには、のこぎり歯形状の山部と谷部とから連続してなるセレーション係合するためのハウジング側係合部41bが設けられている。
図2に示すように、入力軸51の反ステアリングホイール側には、中空部51aが形成されており、この中空部51aの内周面には円周方向に凹凸が連続するように形成される内歯51bが設けられている。
出力軸52の外周面52aのステアリングホイール側には、入力軸51の内歯51bに噛合可能な外歯52bが形成されている。出力軸52は、その外歯52bが内歯51bに噛合することにより、入力軸51の回転に応じて回転するとともに当該入力軸51に対して軸方向に摺動可能に連結されている。
図2に示すように、出力軸52の外周面52aのうち外歯52bよりも反ステアリングホイール側に、ロックホルダー53が固定されている。このロックホルダー53は、固定部54と、可動部55と、コイルばね56と、略円環状のストッパ57とを備えている。
固定部54は、出力軸52の外周面52aの所定の部位に圧入されて固定されている。図3に示すように、この固定部54には、その一側端部に円環状のフランジ部54aが形成されるとともに、フランジ部54aを除く外周面にのこぎり歯形状の山部と谷部とから連続してなるセレーション係合するためのセレーション係合部54bが形成されている。
図3に示すように、可動部55には、その一側端部に円環状のフランジ部55aが形成されるとともに、フランジ部55aを除く外周面にアッパーハウジング41のハウジング側係合部41bにセレーション係合可能なホルダー側係合部55bが形成されている。また、可動部55の内周面には固定部54のセレーション係合部54bに係合可能なセレーション係合部55cが形成されている。
コイルばね56は、その付勢力により、セレーション係合された固定部54のフランジ部54aと可動部55のフランジ部55aとを離間させるように固定部54のセレーション係合部54b上に配置されている。
ストッパ57には、その内周面に、固定部54のセレーション係合部54bに係合可能なセレーション係合部57aが形成されている。このストッパ57は、可動部55をセレーション係合した固定部54の他側端部にセレーション係合して固定されることにより、可動部55の反コイルばね56方向への移動を制限する役割を果たす。また、ストッパ57の外周は、当該ストッパ57および可動部55が固定部54にセレーション係合されたとき、軸方向から見てホルダー側係合部55bに重ならないように形成されている。
これにより、ロックホルダー53は、可動部55に反ステアリングホイール側への押圧力が作用した場合、この押圧力に応じて、所定の位置(以下、押圧後位置ともいう)まで可動部55の押圧方向への移動を許容する。また、ロックホルダー53は、可動部55に上記押圧力が作用しない場合、当該可動部55をコイルばね56の付勢力によりストッパ57に当接させる。
上述のように構成されたステアリング装置20は、以下に示すテレスコピック機構60によるコラムハウジング40およびステアリング軸50の軸方向の伸縮(移動)により、ステアリングホイール30の前後位置を変更する。
図2に示すように、テレスコピック機構60は、テレスコ用モータ61と、テレスコピック軸62とを備えている。テレスコ用モータ61は、アッパーハウジング41の反車体側から当該アッパーハウジング41の軸方向に沿うように突設される板状のモータブラケット63の一側面に固定されている。モータブラケット63の他側面から突出するテレスコ用モータ61のモータ軸先端には、適長のウォーム61aが一体形成されている。
テレスコピック軸62は、ロアハウジング42の反車体側に設けられるテレスコピックブラケット64と、モータブラケット63から延伸された支持板63aとの間に架設されている。テレスコピック軸62は、一端部から適長に亘って形成され、運動変換手段を構成するねじ部62aを備えるねじ軸である。テレスコピック軸62の架設は、テレスコピックブラケット64の該当位置に固設されて運動変換手段を構成するナット部材64aにねじ部62aを螺合させ、コラムハウジング40の左側に沿って後上方に延設された他端部を、モータブラケット63の支持板63aの対応位置に固設された軸受ボックス65により回転自在に支持してなされている。
このように架設されたテレスコピック軸62の中途部には、テレスコピッククラッチ66が介装されており、テレスコピッククラッチ66の一側には、ウォーム61aの先端近傍に噛合するウォームホイール67が、テレスコピック軸62と同軸をなして付設されている。
テレスコピック動作は、テレスコピッククラッチ66の係合時にテレスコ用モータ61からの伝動に応じてテレスコピック軸62が回転することにより行う。テレスコピック軸62はモータブラケット63とテレスコピックブラケット64との間に架設されるとともにナット部材64aに螺合されている。これにより、車体10に固定されていないアッパーハウジング41は、テレスコピック軸62の回転に応じて、テレスコピック軸62の軸方向、すなわちアッパーハウジング41とロアハウジング42とが軸方向に相対移動するように当該アッパーハウジング41の軸方向に移動する(図2にてα方向)。
次に、テレスコ用モータ61の駆動制御を担うECU80の電気的構成を図4に基づいて説明する。図4に示すように、ECU80は、主に、MPU81、各種センサ情報(稼動状態信号S、回転量θ)等を入出力可能な入出力インターフェイスI/F82、メモリ83、テレスコ用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路84等により構成されており、MPU81を中心に入出力バスを介してインターフェイスI/F82、メモリ83およびモータ駆動回路84等が電気的に接続されている。
また、MPU81には、インターフェイスI/F82を介して、キーセンサ85および回転量センサ87が電気的に接続されている。
キーセンサ85は、車両のエンジンを始動させる際にイグニッションキーKを挿入するキーシリンダ86近傍に設けられて、キーシリンダ86に挿入されたイグニッションキーKがエンジン始動後の稼働中での位置(以下、稼動状態位置ともいう)に位置しているか否かを検知する。MPU81には、エンジン稼働中でありイグニッションキーKが稼動状態位置に位置していればキーセンサ85から稼動状態信号Sが入力される。
回転量センサ87は、テレスコ用モータ61の回転軸近傍に設けられて、ステアリングホイール30を運転者側に最も近接させたときのテレスコ用モータ61の回転軸の位置を基準として、この基準位置からの回転軸の回転量θを検出する。MPU81には、この回転量θに対応する信号が適宜入力される。なお、回転量センサ87は、ステアリングホイール30の所定の前後位置に対応する回転軸の位置を基準として回転量θを検出してもよい。
このようなテレスコ用モータ61の駆動制御をECU80により行うことによって、テレスコピック機構60によるテレスコピック動作が可能となる。以下、エンジン稼働中であってテレスコピック機構60によりステアリングホイール30の前後位置が所望の位置に調整されている場合において、上述したテレスコピック動作を利用した盗難防止効果を発揮させるためのテレスコ用モータ61の駆動制御処理の流れを、図5に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、ステップS101において、稼動状態信号Sが入力されているか否かについて判定される。エンジン稼働中であってイグニッションキーKが稼動状態位置に位置していると稼動状態信号Sが入力される状態が維持されて、ステップS101にてYesとの判定が繰り返される。
このような状態において、車両のエンジンを停止させるためにイグニッションキーKが操作されて稼動状態位置に位置しなくなると、稼動状態信号Sが入力されなくなり、ステップS101にてNoと判定される。なお、ステップS101および後述するステップS107における判定処理は、特許請求の範囲に記載の「稼動状態判定手段」に相当する。
ついで、ステップS103において復帰位置記憶処理がなされる。この処理では、現時点におけるテレスコ用モータ61の回転軸の回転量θが、回転量センサ87により検出されて復帰位置に対応する回転軸の回転量としてメモリ83に記憶される。
つぎに、ステップS105において、ロック処理がなされる。この処理では、MPU81は、車両の盗難防止機能を実現させるために、図略のバッテリ等から電力を供給されて駆動するテレスコ用モータ61によりアッパーハウジング41をロアハウジング42に近接させてアッパーハウジング41のハウジング側係合部41bがロックホルダー53の可動部55のホルダー側係合部55bにセレーション係合するときの軸方向の位置である係合位置まで移動するようにモータ駆動回路84を制御する。
その際、ホルダー側係合部55bがハウジング側係合部41bにセレーション係合可能な回転位置でない場合には、アッパーハウジング41は、そのハウジング側係合部41bのホルダー側端面の一部にてホルダー側係合部55bのハウジング側端面の一部に当接して、可動部55を上記押圧後位置まで押圧して上記係合位置まで移動する。
このとき、アッパーハウジング41のハウジング側係合部41bはロックホルダー53のホルダー側係合部55bに係合しておらず、出力軸52はステアリングホイール30の操舵により回転可能な状態にある。しかしながら、ステアリングホイール30の操舵により出力軸52とともにロックホルダー53のホルダー側係合部55bがハウジング側係合部41bに対してセレーション係合可能な回転位置まで回転すると、ハウジング側係合部41bのホルダー側端面の一部とホルダー側係合部55bのハウジング側端面の一部との当接が解除される。すなわち、ホルダー側係合部55bの一歯分以下の回転だけで、上述の当接が解除されることとなる。
この解除によりハウジング側係合部41bからホルダー側係合部55bに作用していた押圧力が消失するので、可動部55はコイルばね56の付勢力により上記押圧前位置に位置するように移動する。この移動により、上記押圧前位置に位置するホルダー側係合部55bがハウジング側係合部41bに相対回転不能にセレーション係合して、出力軸52がロックホルダー53によりアッパーハウジング41に相対回転不能に連結される。これにより、出力軸52に連結されるステアリングホイール30の操舵が禁止されて、盗難防止効果が発揮されることとなる。
なお、アッパーハウジング41がロックホルダー53に近接する際に、ホルダー側係合部55bがハウジング側係合部41bに対してセレーション係合可能な回転位置に位置している場合には、ホルダー側係合部55bは、上記押圧後位置まで押圧されることなくハウジング側係合部41bにセレーション係合して盗難防止効果が発揮される。
つぎに、ステップS107において、稼動状態信号Sが入力されているか否かについて判定される。エンジン停止中でありイグニッションキーKが稼動状態位置に位置していなければ稼動状態信号Sが入力されない状態が維持されて、ステップS107にてNoとの判定が繰り返される。
このような状態において、車両のエンジンを再び始動させて稼動状態とするためにイグニッションキーKが操作されて稼動状態位置に位置すると、稼動状態信号Sが入力されて、ステップS107にてYesと判定される。
ついで、ステップS109においてロック解除処理がなされる。この処理では、MPU81は、テレスコ用モータ61の回転軸がステップS103にて記憶された回転量θに対応する位置まで回転するようにモータ駆動回路84を制御する。
これにより、アッパーハウジング41がロアハウジング42から離間するように移動してアッパーハウジング41のハウジング側係合部41bとロックホルダー53のホルダー側係合部55bとの係合が解除される。これにより、盗難防止機能が停止されてステアリングホイール30の操舵が可能となる。
このとき、アッパーハウジング41は、テレスコ用モータ61の回転軸が回転量θに対応する位置まで回転することでロック処理直前の軸方向位置である復帰位置まで移動するので、ステアリングホイール30の前後位置がロック処理前に設定されていた所望の位置に復帰することとなる。
以上説明したように、本第1実施形態に係るステアリング装置20では、入力軸51と、この入力軸51を回転可能に軸支するとともに軸方向に相対移動不能に支持するアッパーハウジング41と、入力軸51の回転に応じて回転するとともに当該入力軸51に対して軸方向に摺動可能に連結される出力軸52と、この出力軸52を回転可能に軸支するとともに軸方向に相対移動不能に支持するロアハウジング42と、出力軸52の外周面52aに固定されてアッパーハウジング41の反ステアリングホイール側端部41aに設けられるハウジング側係合部41bにセレーション係合可能なホルダー側係合部55bを有するロックホルダー53とを備えている。また、ステアリング装置20は、アッパーハウジング41とロアハウジング42とを軸方向に相対移動させるテレスコ用モータ61と、このテレスコ用モータ61を駆動制御するECU80とを備えている。そして、車両の盗難防止機能を実現させる場合には、ECU80は、ハウジング側係合部41bがホルダー側係合部55bに係合するようにテレスコ用モータ61を駆動制御する。
これにより、車両の盗難防止機能を実現させる場合には、テレスコ用モータ61の駆動によりアッパーハウジング41をロアハウジング42に近接させるように移動させることで、アッパーハウジング41のハウジング側係合部41bと、出力軸52の外周面52aに固定されるロックホルダー53のホルダー側係合部55bとがセレーション係合する。このため、出力軸52がロックホルダー53によりアッパーハウジング41に相対回転不能に連結される。
これにより、出力軸52に連結されるステアリングホイール30の操舵が禁止されて、盗難防止効果が発揮され得る。一方、車両の盗難防止機能を実現させない場合には、ステアリングホイール30の操舵が入力軸51および出力軸52を介して舵取機構72に伝達されることはもちろんのこと、テレスコ用モータ61の駆動によりアッパーハウジング41を軸方向に摺動させてステアリングホイール30の前後位置を運転姿勢に合わせて変更させるテレスコピック動作を行い得る。
したがって、テレスコピック機構60を利用した簡易な構成でもって盗難防止効果を発揮することができる。
また、本第1実施形態に係るステアリング装置20では、ロックホルダー53は、ホルダー側係合部55bを有する可動部55に加えて、このホルダー側係合部55bを上記押圧前位置に位置させるようにステアリングホイール側へ付勢して支持するとともに、当該ホルダー側係合部55bに作用する軸方向の押圧力に応じて上記押圧後位置まで当該ホルダー側係合部55bの押圧方向への移動を許容するコイルばね56を備えている。
盗難防止機能を実現させるため、テレスコ用モータ61の駆動によりアッパーハウジング41とともにハウジング側係合部41bを上記係合位置まで軸方向に移動させるとき、ホルダー側係合部55bがハウジング側係合部41bにセレーション係合可能な回転位置でない場合には、アッパーハウジング41は、そのハウジング側係合部41bのホルダー側端面の一部にてホルダー側係合部55bのハウジング側端面の一部に当接して上記係合位置まで移動する。
このような当接状態において、ステアリングホイール30の操舵により出力軸52とともにホルダー側係合部55bがハウジング側係合部41bに対してセレーション係合可能な回転位置まで回転すると、ハウジング側係合部41bのホルダー側端面の一部とホルダー側係合部55bのハウジング側端面の一部との当接が解除される。この解除によりハウジング側係合部41bからの押圧力が消失するので、可動部55がコイルばね56により上記押圧前位置に位置するように付勢されて移動する。これにより、上記押圧前位置に位置するホルダー側係合部55bとハウジング側係合部41bとが相対回転不能にセレーション係合することとなり、出力軸52がロックホルダー53によりアッパーハウジング41に相対回転不能に連結される。
このように、ハウジング側係合部41bを上記係合位置まで軸方向に移動させたときにホルダー側係合部55bがハウジング側係合部41bにセレーション係合可能な回転位置でない場合であっても、その後のステアリングホイール30の操舵による出力軸52の回転によりハウジング側係合部41bとホルダー側係合部55bとがセレーション係合することとなるので、盗難防止効果を確実に発揮することができる。
さらに、本第1実施形態に係るステアリング装置20では、MPU81により、イグニッションキーKがエンジン始動後の稼働中での位置である稼動状態位置に位置しており稼動状態信号Sが当該MPU81に入力されているか否かを判定する。そして、稼動状態信号Sが入力されていないと判定されたとき、すなわち、エンジンが非稼動状態であると判定されたとき、MPU81は車両の盗難防止機能を実現させる。
これにより、エンジンが非稼動状態である場合には、ハウジング側係合部41bとホルダー側係合部55bとがセレーション係合してステアリングホイール30の操舵が禁止されるので、盗難防止効果が確実に向上し得る。
さらに、本第1実施形態に係るステアリング装置20では、エンジンが稼動状態であるから稼動状態信号Sが入力されていると判定された直後にエンジンが非稼動状態であるから稼動状態信号Sが入力されていないと判定されたときのテレスコ用モータ61の回転軸の回転量θが、回転量センサ87により検出されてメモリ83に記憶される。そして、MPU81は、稼動状態信号Sが入力されていないと判定された直後に稼動状態信号Sが入力されていると判定されると、テレスコ用モータ61の回転軸がメモリ83に記憶された回転量θに対応する位置まで回転するようにモータ駆動回路84を制御する。
このため、稼動状態信号Sが入力されていないことから盗難防止機能を実現させた後に稼動状態信号Sが入力されて盗難防止機能を停止した場合であっても、アッパーハウジング41は稼動状態信号Sが入力されなくなった直前の位置に復帰することとなる。これにより、ステアリングホイール30の前後位置を、稼動状態信号Sが入力されなくなった直前の位置、すなわち、盗難防止機能を実現させる直前である元の位置に自動的に復帰させることができるので、再びエンジンが稼動状態になり稼動状態信号Sが入力された場合であっても、運転者がテレスコピック動作に関する操作を行う必要もない。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るステアリング装置20について図6および図7を参照して説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係るステアリング装置のECU80等の構成例を示す回路ブロック図である。図7は、第2実施形態における盗難防止効果を発揮させるためのテレスコ用モータ61の駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。
本第2実施形態に係るステアリング装置20のECU80には、上記第1実施形態にて述べたキーセンサ85に代えて、イモビライザ88およびドアセンサ89が電気的に接続されるとともに(図6参照)、盗難防止効果を発揮させるためのテレスコ用モータ61の駆動制御処理を図5に示すフローチャートに代えて図7に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係るステアリング装置と異なる。
イモビライザ88は、車両への搭乗者が所持するワイヤレスキーKから所定の範囲内に発信されるコード信号を受信してこのコード信号が予め記憶されている始動用コード信号に一致するとき、車両のエンジンを始動可能状態にする役割を果たす。始動可能状態になったエンジンは、図略のスタータスイッチの操作により始動して稼動状態となる。MPU81には、受信したコード信号が始動用コード信号に一致したときにイモビライザ88から始動可能状態信号Sが入力される。
ドアセンサ89は、図略の運転席側ドアの開閉を検出するセンサであり、運転席側ドアが開放されたとき、開放信号SがMPU81に入力される。
このように構成される本第2実施形態に係るステアリング装置20のECU80による盗難防止効果を発揮させるためのテレスコ用モータ61の駆動制御処理について、図7を用いて説明する。なお、上記第1実施形態と同様に、エンジン稼働中であってテレスコピック機構60によりステアリングホイール30の前後位置が所望の位置に調整されている状態からの処理を説明するものとする。
まず、ステップS201において、ドアセンサ89から開放信号Sが入力されているか否かについて判定される。ここで、運転者がエンジンを非稼動状態にして車両から降車するために運転席側ドアを開放すると、開放信号Sが入力されて、ステップS201にてYesと判定される。なお、ステップS201および後述するステップS205における判定処理は、特許請求の範囲に記載の「開放状態判定手段」に相当する。
つぎに、ステップS203において、始動可能状態信号Sが入力されているか否かについて判定される。ここで、運転者がいまだ降車していないか車両から離れていないなど、運転者が所持するワイヤレスキーKから発信されるコード信号がイモビライザ88にて受信されておりかつこのコード信号が始動用コード信号に一致していれば、始動可能状態信号Sが入力される状態が維持されて、ステップS203にてYesとの判定が繰り返される。
このような状態において、ワイヤレスキーKを有する運転者が降車して車両から離れると、ワイヤレスキーKから発信されるコード信号がイモビライザ88に受信されなくなる。このため、MPU81に始動可能状態信号Sが入力されなくなり、ステップS203にてNoと判定される。なお、ステップS203および後述するステップS207における判定処理は、特許請求の範囲に記載の「始動可否判定手段」に相当する。
そして、上記第1実施形態にて述べた復帰位置記憶処理(S103)がなされて、現時点におけるテレスコ用モータ61の回転軸の回転量θが、回転量センサ87により検出されて復帰位置に対応する回転軸の回転量としてメモリ83に記憶された後、上記第1実施形態にて述べたロック処理(S105)がなされて、出力軸52がロックホルダー53によりアッパーハウジング41に相対回転不能に連結されて、出力軸52に連結されるステアリングホイール30の操舵が禁止される。
つぎに、ステップS205において、ドアセンサ89から開放信号Sが入力されているか否かについて判定される。ここで、上述のように降車した運転者が再び車両に搭乗するために運転席側ドアを開放すると、開放信号Sが入力されて、ステップS205にてYesと判定される。
そして、ステップS207において、始動可能状態信号Sが入力されているか否かについて判定される。ここで、運転者が所持するワイヤレスキーKから発信されるコード信号が始動用コード信号に一致していれば始動可能状態信号Sが入力されて(S207でYes)、上記第1実施形態にて述べたロック解除処理(S109)がなされる。
以上説明したように、本第2実施形態に係るステアリング装置20では、MPU81により、ワイヤレスキーKから発信されるコード信号がイモビライザ88に受信されることにより始動可能状態信号Sが当該MPU81に入力されているか否かを判定する。そして、始動可能状態信号Sが入力されていないと判定されたとき、すなわち、エンジンが始動不能状態であると判定されたとき、MPU81は車両の盗難防止機能を実現させる。
これにより、エンジンが始動不能状態である場合には、ハウジング側係合部41bとホルダー側係合部55bとがセレーション係合してステアリングホイール30の操舵が禁止されるので、盗難防止効果が確実に向上し得る。
また、本第2実施形態に係るステアリング装置20では、運転者が運転を終えて降車するために運転席側ドアを開放したことにより開放信号Sが入力されて開放状態であると判定され、この運転者が降車してワイヤレスキーKから発信されるコード信号がイモビライザ88に受信されなくなることにより始動可能状態信号Sが入力されず始動不能状態であると判定されるとき盗難防止機能を実現させる。
これにより、運転者が、運転を終えて降車するためにドアを開放状態にし、かつ、エンジンを始動不能状態にするとステアリングホイール30の操舵が禁止されるので、運転者の降車意思を確認することができ、盗難防止効果をより一層向上させ得る。
さらに、本第2実施形態に係るステアリング装置20では、運転者が乗車するために、運転席側ドアを開放したことにより開放信号Sが入力されて開放状態であると判定されるとともに、この運転者が所持するワイヤレスキーKから発信されるコード信号が始動用コード信号に一致しており始動可能状態信号Sが入力されて始動可能状態であると判定されるとき盗難防止機能を停止させる。
これにより、運転者が、乗車するためにドアを開放状態にし、かつ、エンジンを始動可能状態にするとステアリングホイール30の操舵の禁止が解除されるので、ドアを正常に開放し得る運転者の乗車意思を確認することができ、円滑に盗難防止機能を停止させることができる。
さらに、本第2実施形態に係るステアリング装置20では、エンジンが始動可能状態であるから始動可能状態信号Sが入力されていると判定された直後にエンジンが始動不能状態であるから始動可能状態信号Sが入力されていないと判定されたときのテレスコ用モータ61の回転軸の回転量θが、回転量センサ87により検出されてメモリ83に記憶される。そして、MPU81は、始動可能状態信号Sが入力されていないと判定された直後に始動可能状態信号Sが入力されていると判定されると、テレスコ用モータ61の回転軸がメモリ83に記憶された回転量θに対応する位置まで回転するようにモータ駆動回路84を制御する。
このため、始動可能状態信号Sが入力されていないことから盗難防止機能を実現させた後に始動可能状態信号Sが入力されて盗難防止機能を停止した場合であっても、アッパーハウジング41は始動可能状態信号Sが入力されなくなった直前の位置に復帰することとなる。これにより、ステアリングホイール30の前後位置を、始動可能状態信号Sが入力されなくなった直前の位置、すなわち、盗難防止機能を実現させる直前である元の位置に自動的に復帰させることができるので、再びエンジンが始動可能状態になり始動可能状態信号Sが入力された場合であっても、運転者がテレスコピック動作に関する操作を行う必要もない。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等の作用・効果が得られる。
(1)上記各実施形態において車両の盗難防止機能を実現させるため、テレスコ用モータ61の駆動によりアッパーハウジング41のハウジング側係合部41bを、出力軸52の外周面52aに固定されるロックホルダー53の可動部55のホルダー側係合部55bにセレーション係合させることに限らず、図8に示すように、ロアハウジング42のステアリングホイール側端部42aに設けられて上記ハウジング側係合部41bと同等の機能を有するハウジング側係合部42bが、入力軸51の外周面51cに固定されるロックホルダー53の可動部55のホルダー側係合部55bにセレーション係合することにより、上述の盗難防止機能を実現するようにしてもよい。このとき、入力軸51と出力軸52とは、入力軸51の反ステアリングホイール側外面に形成される外歯51dと、出力軸52のステアリングホイール側の中空部52cの内周面に形成される内歯52dが噛合することにより、一体となって回転するとともに軸方向に相対移動可能に連結される。
(2)上記各実施形態において、アッパーハウジング41のハウジング側係合部41bおよびロックホルダー53の可動部55のホルダー側係合部55bは、のこぎり歯形状の山部と谷部とから連続してセレーション係合可能に形成されることに限らず、ハウジング側係合部41bおよびホルダー側係合部55bがスプライン結合可能に形成されてもよい。
(3)上記各実施形態において、MPU81は、稼動状態信号Sが入力されなくなったときのテレスコ用モータ61の回転軸の回転量θを記憶し(S103)、再び稼動状態信号Sが入力されるとこの回転量θに対応する位置まで回転軸を回転させるようにモータ駆動回路84を制御する(S109)ことに限らず、稼動状態信号Sが入力されなくなったとき、例えば、テレスコピックブラケット64のナット部材64aとテレスコピック軸62ねじ部62aとの相対位置等、現時点における入力軸51と出力軸52との相対位置を位置センサ等で検出してこれをもって復帰位置として記憶し、再び稼動状態信号Sが入力されるとこの復帰位置に対応する位置までテレスコ用モータ61を回転させるようにモータ駆動回路84を制御してもよい。
(4)上記第1実施形態において、イグニッションキーKが稼動状態位置に位置していることから稼動状態信号Sを出力するキーセンサ85に代えて、例えば、車両のエンジンが稼動状態であるか否かを検出するセンサであって、エンジンが稼動状態であることから稼動状態信号Sを出力するセンサを採用してもよい。
(5)上記第2実施形態において、運転席側ドアの開閉を検出するドアセンサ89に代えて、ワイヤレスキーKから発信されるコード信号またはそれ以外のコード信号を受信して運転席側ドアを含むドアのドアロックを解除するロック解除信号を図略のドアロック機構に送信するためのドアロックセンサを採用してもよい。このとき、MPU81には上記ロック解除信号が開放信号Sとして上記ドアロックセンサから入力されて、図7に示すフローチャートのステップS201、S205での処理がなされる。
(6)上記第1実施形態において、上記第2実施形態にて述べたドアセンサ89を採用するとともに、図9に示すフローチャートに基づいて盗難防止効果を発揮させるためのテレスコ用モータ61の駆動制御処理を行うようにしてもよい。
本発明の第1実施形態に係るステアリング装置の全体構成例を示す構成図である。 ロックホルダーと出力軸およびアッパーハウジングとの位置関係を説明するための断面図である。 ロックホルダーの構成を説明するための詳細斜視図である。 ECU等の構成例を示す回路ブロック図である。 第1実施形態における盗難防止効果を発揮させるためのテレスコ用モータの駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るステアリング装置のECU等の構成例を示す回路ブロック図である。 第2実施形態における盗難防止効果を発揮させるためのテレスコ用モータの駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。 テレスコピック機構の変形例を示す拡大図である。 盗難防止効果を発揮させるためのテレスコ用モータの駆動制御処理の変形例を示すフローチャートである。
符号の説明
20…ステアリング装置
30…ステアリングホイール
40…コラムハウジング
41…アッパーハウジング(第1ハウジング)
41a…反ステアリングホイール側端部(一側端部)
41b…ハウジング側係合部(係合部)
42…ロアハウジング(第2ハウジング)
50…ステアリング軸
51…入力軸(第1シャフト)
52…出力軸(第2シャフト)
52a…外周面
53…ロックホルダー(ロック機構)
54…固定部
55…可動部
55b…ホルダー側係合部(被係合部)
56…コイルばね(弾性支持部)
57…ストッパ
60…テレスコピック機構
61…テレスコ用モータ
62…テレスコピック軸
80…ECU(制御手段)
81…MPU(制御手段)
83…メモリ(記憶手段)
85…キーセンサ(稼動状態判定手段)
87…回転量センサ(復帰位置検出手段)
88…ドアセンサ(開放状態判定手段)
…イグニッションキー
…ワイヤレスキー
…稼動状態信号
…始動可能状態信号
…開放信号
θ…回転量

Claims (10)

  1. 車両の盗難を防止するための盗難防止機能を有するステアリング装置であって、
    第1シャフトと、
    この第1シャフトを回転可能に軸支するとともに軸方向に相対移動不能に支持する第1ハウジングと、
    前記第1シャフトの回転に応じて回転するとともに当該第1シャフトに対して軸方向に摺動可能に連結される第2シャフトと、
    この第2シャフトを回転可能に軸支するとともに軸方向に相対移動不能に支持する第2ハウジングと、
    前記第2シャフトの外周面に固定されて前記第1ハウジングの一側端部に設けられる係合部に係合可能な被係合部を有するロック機構と、
    前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとを軸方向に相対移動させるモータと、
    前記モータを駆動制御する制御手段と、を備え、
    前記盗難防止機能を実現させる場合には、前記制御手段は、前記係合部が前記被係合部に係合する係合位置まで当該係合部を軸方向に移動させるように前記モータを駆動制御することを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記ロック機構は、前記被係合部を押圧前位置に位置させるように付勢して支持するとともに、当該被係合部に作用する軸方向の押圧力に応じて、少なくとも前記係合位置に位置する前記係合部と軸方向にて当接する状態での前記被係合部の軸方向位置まで、当該被係合部の押圧方向への移動を許容する弾性支持部を備えることを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  3. 前記車両のエンジンが稼動状態であるか非稼動状態かを判定する稼動状態判定手段を備え、
    前記稼動状態判定手段により前記エンジンが前記非稼動状態であると判定されるとき前記盗難防止機能を実現させることを特徴とする請求項1または2記載のステアリング装置。
  4. 前記車両のドアが開放状態であるか否かを判定する開放状態判定手段を備え、
    前記開放状態判定手段により前記ドアが前記開放状態であると判定されるとともに前記稼動状態判定手段により前記エンジンが前記非稼動状態であると判定されるとき前記盗難防止機能を実現させることを特徴とする請求項3記載のステアリング装置。
  5. 前記車両のドアが開放状態であるか否かを判定する開放状態判定手段を備え、
    前記開放状態判定手段により前記ドアが前記開放状態であると判定されるとともに前記稼動状態判定手段により前記エンジンが前記稼動状態であると判定されるとき前記盗難防止機能を実現させないことを特徴とする請求項3記載のステアリング装置。
  6. 前記稼動状態判定手段により前記エンジンが前記稼動状態であると判定された直後に前記エンジンが前記非稼動状態であると判定されたときの前記係合部の軸方向位置を復帰位置として検出する復帰位置検出手段と、
    前記復帰位置検出手段により検出される前記復帰位置を記憶する記憶手段とを備え、
    前記制御手段は、前記稼動状態判定手段により前記エンジンが前記非稼動状態であると判定された直後に前記エンジンが前記稼動状態であると判定されると、前記係合部が前記復帰位置に位置するように前記モータを駆動制御することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  7. 前記車両のエンジンが始動可能状態であるか始動不能状態かを判定する始動可否判定手段を備え、
    前記始動可否判定手段により前記エンジンが前記始動不能状態であると判定されるとき前記盗難防止機能を実現させることを特徴とする請求項1または2記載のステアリング装置。
  8. 前記車両のドアが開放状態であるか否かを判定する開放状態判定手段を備え、
    前記開放状態判定手段により前記ドアが前記開放状態であると判定されるとともに前記始動可否判定手段により前記エンジンが前記始動不能状態であると判定されるとき前記盗難防止機能を実現させることを特徴とする請求項7記載のステアリング装置。
  9. 前記車両のドアが開放状態であるか否かを判定する開放状態判定手段を備え、
    前記開放状態判定手段により前記ドアが前記開放状態であると判定されるとともに前記始動可否判定手段により前記エンジンが前記始動可能状態であると判定されるとき前記盗難防止機能を実現させないことを特徴とする請求項7記載のステアリング装置。
  10. 前記始動可否判定手段により前記エンジンが前記始動可能状態であると判定された直後に前記エンジンが前記始動不能状態であると判定されたときの前記係合部の軸方向位置を復帰位置として検出する復帰位置検出手段と、
    前記復帰位置検出手段により検出される前記復帰位置を記憶する記憶手段とを備え、
    前記制御手段は、前記始動可否判定手段により前記エンジンが前記始動不能状態であると判定された直後に前記エンジンが前記始動可能状態であると判定されると、前記係合部が前記復帰位置に位置するように前記モータを駆動制御することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のステアリング装置。
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