JP4199582B2 - 電子式ステアリングロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の電子式ステアリングロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の盗難防止性を確保することが求められており、車両にはキーシリンダが広く用いられている。キーシリンダは、車両の所有者(運転者)によって所持されるメカキーが挿入されて回動操作されたときに、エンジンの始動、停止を可能にする。
【0003】
また、車両の盗難防止性を確保するために、車両には機械式のステアリングロック装置が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。ステアリングロック装置は、キーシリンダ内に挿入したメカキーを回動操作するのに伴い、ロックバーをステアリングシャフトに係脱させるようになっている。その結果、車両の駐車状態においてステアリングホイールの回転が規制されるため、車両の盗難が防止される。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−225922号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、機械式のステアリングロック装置を用いた場合、エンジンの稼働時におけるステアリングシャフトに対するロックバーの係合を規制するための機械的な作動機構をキーシリンダとロックバーとの間に設ける必要がある。その結果、ステアリングロック装置の搭載スペースが作動機構によって大きくなってしまう。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、搭載スペースを小さくすることができる電子式ステアリングロック装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、回動操作に伴って回動する回動操作部材を備えるとともに、車両のステアリングシャフトに係脱するロック手段を備えた電子式ステアリングロック装置であって、携帯機の存在を検出する検出手段と、前記ステアリングシャフトに対して前記ロック手段を係合または係合解除する位置に移動させるアクチュエータと、前記検出手段により前記携帯機の存在が検出されたこと及び前記携帯機から出力されるIDコードと前記車両に予め設定されたIDコードとが一致したことを条件として、前記アクチュエータを駆動し、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合を解除させるロック制御手段とを備え、前記回動操作部材の回動位置に応じて前記アクチュエータへの給電経路を機械的に遮断する電源遮断手段を備え、前記給電経路を遮断させるときの前記回動操作部材の回動範囲を、ACC位置からON位置への切替部分とST位置との間に設定し、さらに、前記回動操作部材に係合することにより同回動操作部材の回動を規制する回動規制アクチュエータを備え、前記回動操作部材に対する前記回動規制アクチュエータの係合を解除させるときの前記回動操作部材の回動位置が、LOCK位置からACC位置への切替部分とON位置からST位置への切替部分との間の位置に設定されるとともに、前記回動規制アクチュエータは、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合が解除されたことを条件として前記回動操作部材との係合を解除させることを要旨とする。
【0008】
この発明においては、携帯機の存在が検出されたことを条件として、ロック制御手段によってステアリングシャフトに対するロック手段の係合が解除される。すなわち、ステアリングシャフトに対するロック手段の係合が電気的に解除される。そのため、ステアリングシャフトに対するロック手段の係合を規制するための機械的な作動機構を回動操作部材とロック手段との間に設けなくてもよい。よって、電子式ステアリングロック装置の搭載スペースが作動機構によって大きくなってしまうことはない。したがって、電子式ステアリングロック装置の搭載スペースを小さくすることができる。
【0009】
また、回動操作部材が破壊されて回動された場合でも、携帯機のIDコードと車両のIDコードとが一致しない限りは、ロック制御手段がアクチュエータを駆動しないため、ステアリングシャフトに対するロック手段の係合が解除されてエンジンが始動されることはない。よって、車両の盗難防止性を向上させることができる。
【0010】
さらに、エンジンが稼働する位置に回動操作部材が回動されているときにはアクチュエータの電源が機械的に遮断されている。そのため、エンジンが稼働しているときにアクチュエータが駆動することにより、ロック手段がステアリングシャフトに係合するのを防止することができる。したがって、電子式ステアリングロック装置の信頼性を高くすることができる。
しかも、回動操作部材をエンジンが始動する位置に回動させる時間を、回動操作部材に対する回動規制アクチュエータの係合を解除させる時間として用いることができる。よって、携帯機を回動操作させるときに、回動規制アクチュエータの係合の解除が間に合わずに、回動操作部材の回動が回動規制アクチュエータに干渉されるのを防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、回動操作に伴って回動する回動操作部材を備えるとともに、車両のステアリングシャフトに係脱するロック手段を備えた電子式ステアリングロック装置であって、携帯機の存在を検出する検出手段と、前記ステアリングシャフトに対して前記ロック手段を係合または係合解除する位置に移動させるアクチュエータと、前記検出手段により前記携帯機の存在が検出されたこと及び前記携帯機から出力されるIDコードと前記車両に予め設定されたIDコードとが一致したことを条件として、前記アクチュエータを駆動し、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合を解除させるロック制御手段とを備え、前記アクチュエータを駆動して前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合を解除させるときに出力されるアンロック信号と、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合が解除されたことをロック状態検出手段によって機械的に検出したときに出力される位置検出信号と、前記携帯機の存在を電気的に検出したときに出力される携帯機検出信号とが出力されたことを条件として、前記ロック制御手段の電源が遮断されることを要旨とする。
【0012】
この発明においては、携帯機の存在が検出されたことを条件として、ロック制御手段によってステアリングシャフトに対するロック手段の係合が解除される。すなわち、ステアリングシャフトに対するロック手段の係合が電気的に解除される。そのため、ステアリングシャフトに対するロック手段の係合を規制するための機械的な作動機構を回動操作部材とロック手段との間に設けなくてもよい。よって、電子式ステアリングロック装置の搭載スペースが作動機構によって大きくなってしまうことはない。したがって、電子式ステアリングロック装置の搭載スペースを小さくすることができる。
【0013】
また、回動操作部材が破壊されて回動された場合でも、携帯機のIDコードと車両のIDコードとが一致しない限りは、ロック制御手段がアクチュエータを駆動しないため、ステアリングシャフトに対するロック手段の係合が解除されてエンジンが始動されることはない。よって、車両の盗難防止性を向上させることができる。
【0014】
さらに、ステアリングシャフトに対するロック手段の係合が解除されているときにはロック制御手段の電源は遮断されている。この状態において、ロック制御手段が電気的なノイズによって誤作動するのを防止することができる。すなわち、駆動を必要としないときにアクチュエータが駆動することにより、ロック手段がステアリングシャフトに係合するのを防止することができる。したがって、電子式ステアリングロック装置の信頼性を高くすることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記回動操作部材に係合することにより同回動操作部材の回動を規制する回動規制アクチュエータを備え、前記回動操作部材に対する前記回動規制アクチュエータの係合を解除させるときの前記回動操作部材の回動位置が、LOCK位置からACC位置への切替部分とON位置からST位置への切替部分との間の位置に設定されるとともに、前記回動規制アクチュエータは、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合が解除されたことを条件として前記回動操作部材との係合を解除させることを要旨とする。
【0016】
この発明においては、回動操作部材をエンジンが始動する位置に回動させる時間を、回動操作部材に対する回動規制アクチュエータの係合を解除させる時間として用いることができる。よって、携帯機を回動操作させるときに、回動規制アクチュエータの係合の解除が間に合わずに、回動操作部材の回動が回動規制アクチュエータに干渉されるのを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した車両に搭載される電子式ステアリングロック装置の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、電子式ステアリングロック装置11は、車両の所有者(運転者)によって所持される携帯機13と、車両に搭載される車両制御装置14とを備えている。
【0019】
車両制御装置14には回動操作部材としてのキーシリンダ15が設けられている。キーシリンダ15内には図示しないロータが収容され、ロータ内には複数の図示しないタンブラがロータの軸方向に沿って配設されている。各タンブラの端縁は、携帯機13のメカキー部13aをロータの軸方向に沿って挿入することによって揃えられるようになっている。その結果、ロータは、携帯機13の回動操作に伴い、LOCK位置(またはOFF位置)からACC位置、ON位置及びST位置に回動可能になる。
【0020】
キーシリンダ15の内奥面には、イグニッションスイッチ18が設けられており、イグニッションスイッチ18内には、図2に示す固定板41が収容されている。固定板41には、LOCK接点42、ACC接点43、ON接点44、ST接点45が同心円の円弧状のパターンとなるように形成されている。また、イグニッションスイッチ18には、キーシリンダ15のロータと一体的に回転する可動接点47が形成されている。可動接点47は、各接点42〜45と接触可能に形成されている。なお、接点42〜45は固定接点である。
【0021】
可動接点47はバッテリBに接続されている。ACC接点43は、アクセサリ系の電気部品に接続されている。ON接点44はON系の電気部品に接続され、ST接点45はスタータモータ駆動リレーに接続されている。よって、可動接点47と各接点42〜45との接触状態に応じて機能ポジションが切り換わるようになっている。
【0022】
図1に示すように、キーシリンダ15には、検出手段としての携帯機検出スイッチ16、回動規制アクチュエータとしての回動規制ソレノイド17及びイグニッションスイッチ18が取り付けられている。携帯機検出スイッチ16は、携帯機13がキーシリンダ15のロータ内に挿入されたことを検出して携帯機検出信号(本実施形態ではHレベルの信号)を出力するとともに、携帯機13がロータから抜かれたことを検出して携帯機検出信号の出力を停止するようになっている。図2に示すように、回動規制ソレノイド17は、プランジャ17aがキーシリンダ15内のロータ、詳しくは、ACC位置からON位置への切替位置においてロータの外周面に係脱するようになっている。ロータとプランジャ17aとの係合により、ロータがACC位置からON位置に回動するのが防止される。また、回動規制ソレノイド17は、エンジンを始動させるとき、すなわち、ロータがON位置に切り替えられる前までにロータに対するプランジャ17aの係合を解除するようになっている。つまり、ロータをON位置に回動させる時間は、ロータに対するプランジャ17aの係合を解除させる時間よりも短くなっている。また、イグニッションスイッチ18は、ロータがST位置に回動されたときにエンジンを始動させるためのものである。
【0023】
また、携帯機13はトランスポンダ制御部19を備えている。トランスポンダ制御部19は、電磁波によって十分なエネルギを受けると、予め設定されたトランスポンダ用のIDコード(トランスポンダコード)を含むトランスポンダ信号を出力するようになっている。詳しく言うと、このトランスポンダ制御部19は、携帯機13をキーシリンダ15内に挿入したときに、車両制御装置14からのトランスポンダ駆動電波を受信して所定周波数のトランスポンダ信号を自動的に出力するようになっている。
【0024】
車両制御装置14は、キーシリンダ15に取り付けられるイモビアンプ20、送受信部21及び照合制御部22を備えている。イモビアンプ20は、送受信部21を介して照合制御部22に電気的に接続されている。イモビアンプ20は、イモビアンテナ20aによって受信されたトランスポンダ信号を増幅して送受信部21に出力するためのものである。送受信部21は、前記携帯機検出スイッチ16からの携帯機検出信号が照合制御部22に入力されたことを条件として、照合制御部22から出力されるトランスポンダ駆動信号を所定周波数の電波に変換してトランスポンダ駆動電波を生成し、イモビアンテナ20aを介して車両室内に出力するようになっている。また、送受信部21は、イモビアンテナ20aを介して携帯機13からのトランスポンダ信号を受信可能となっている。そして、送受信部21は、そのトランスポンダ信号をパルス信号に復調して受信信号を生成するとともに、その受信信号を照合制御部22に出力するようになっている。
【0025】
また、照合制御部22は、メータ制御部23及びロック制御手段としてのロック制御部24に電気的に接続されている。各制御部22〜24は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAMからなるCPUユニットによって構成されている。メータ制御部23は、インストルメントパネルに設けられたコンビネーションメータ類の動作を制御するとともに、車速情報(車速0km/h)等の車両情報信号(本実施形態ではHレベルの信号)を照合制御部22に対して出力するようになっている。
【0026】
照合制御部22は、予め設定されたトランスポンダコードと入力された受信信号に含まれるトランスポンダコードとの比較(トランスポンダコードの照合)を行う。そして、それらIDコード同士が一致したときには、照合制御部22はロック制御部24に対してロック解除要求信号(本実施形態ではHレベルの信号)を出力する。なお、照合制御部22は、IDコード同士が一致しないときには、ロック制御部24に対するロック解除要求信号の出力を禁止する。また、照合制御部22は、エンジンが始動されたときに送受信部21に対するトランスポンダ駆動電波の出力を停止する。
【0027】
図1に示すように、車両制御装置14は、トランジスタ25,26、リレー27,28及びアクチュエータとしてのモータ29を備えている。各トランジスタ25,26のベース端子はロック制御部24に接続されている。
【0028】
また、バッテリBとリレー27,28とをつなぐ電気経路には、各リレー27,28のコイル部L1,L2の一端が接続されている。そして、コイル部L1の他端はトランジスタ25のコレクタ端子に接続され、コイル部L2の他端はトランジスタ26のコレクタ端子に接続されている。各トランジスタ25,26のエミッタ端子は接地されている。このため、ロック制御部24からトランジスタ25,26に対して制御信号(本実施形態ではHレベルの信号)が出力されると、トランジスタ25,26がオンし、対応するリレー27,28のコイル部L1,L2に電流が流れる。すなわち、ロック制御部24からトランジスタ25,26に対して制御信号が出力されるとリレー27,28が駆動する。
【0029】
さらに、バッテリBとリレー27,28とをつなぐ電気経路には、各リレー27,28の第1固定接点CP1,CP2が接続されている。また、各リレー27,28の第2固定接点CP3,CP4は接地されている。そして、リレー27の可動接点CP5はモータ29の一端に接続され、リレー28の可動接点CP6はモータ29の他端に接続されている。
【0030】
なお、各リレー27,28の可動接点CP5,CP6は、コイル部L1,L2が励磁されたとき、すなわちリレー27,28の駆動時にのみ第1固定接点CP1,CP2と導通し、リレー27,28の非駆動時には第2固定接点CP3,CP4と導通するようになっている。よって、リレー27,28の両方が非駆動であるときには、モータ29は回転しないようになっている。
【0031】
図3に示すように、モータ29の回転軸にはウォームギア30が外嵌され、同ウォームギア30はモータ29の回転軸に連動するようになっている。また、このウォームギア30に噛み合うように平歯車31が配置されている。
【0032】
また、電子式ステアリングロック装置11にはロック手段としてのロックバー32が設けられている。ロックバー32は、車両の前記ステアリングシャフト33の外周面に設けられた凹部33aに対して先端部が係脱可能に設けられている。このため、ロックバー32が凹部33aに係合した状態(図3(a)に示す状態)にあるときには、ステアリングシャフト33の回転が規制される。これに対し、ロックバー32が凹部33aに係合していない状態(図3(b)に示す状態)にあるときには、ステアリングシャフト33の回転が可能となる。
【0033】
ロックバー32の外側面には、前記平歯車31と噛み合うラック部32aが形成されている。このため、ロックバー32は、平歯車31の回転に伴い、図3(a),(b)に示す位置に移動可能となっている。つまり、ロックバー32は、モータ29の回転によって移動し、ステアリングシャフト33に対して係脱可能となっている。また、ロックバー32の基端部にはスイッチ駆動部32bが形成されている。
【0034】
図1,図3に示すように、車両制御装置14は、ロック状態検出手段としてのロック状態検出スイッチ34及びAND回路35を備えている。ロック状態検出スイッチ34は、電子式ステアリングロック装置11がロック状態にあるか否かを検出する。本実施形態において、ロック状態検出スイッチ34は、電子式ステアリングロック装置11がロック解除状態のときには位置検出信号(本実施形態ではHレベルの信号)を出力し、ロック状態のときには位置検出信号の出力を停止するようになっている。ロック状態検出スイッチ34は、ノーマルオープンタイプのメカニカルスイッチ(ここではリミットスイッチ)によって構成されている。そして、ロック状態検出スイッチ34の一端はバッテリBに接続され、他端はAND回路35の入力端子に接続されている。詳しくは、ロック状態検出スイッチ34の第1端34aはバッテリBに接続されている。また、ロック状態検出スイッチ34の第2端34bはAND回路35の入力端子に接続されている。そして、AND回路35の他の入力端子はロック制御部24及び前記携帯機検出スイッチ16に接続され、AND回路35の出力端子は照合制御部22に接続されている。このため、ロック状態検出スイッチ34のOFF状態ではAND回路35に対する位置検出信号の入力が停止され、ロック状態検出スイッチ34がON状態になるとAND回路35に対して位置検出信号が入力される。
【0035】
また、モータ29は前記ロック制御部24によって回転制御され、同ロック制御部24から駆動信号が入力されたときに駆動するようになっている。具体的には、前記キーシリンダ15内のロータがON位置からACC位置またはLOCK位置に切り替えられ、ロータから携帯機13が抜かれると、携帯機検出スイッチ16からAND回路35に対して携帯機検出信号の入力が停止される。よって、照合制御部22にAND回路35からの信号が入力されなくなるため、照合制御部22からトランジスタ37に対して電源遮断信号(本実施形態ではHレベルの信号)の出力が停止される。その結果、リレー38のコイル部L3による可動端子CP9の吸引状態が解除されて固定接点CP7,CP8が閉状態になることにより、ロック制御部24に電源が供給される。
【0036】
そして、ロック制御部24は、照合制御部22からのロック要求信号(本実施形態ではHレベルの信号)に基づき、トランジスタ26のベース端子にロックを行うための駆動信号(ロック信号)を出力して同トランジスタ26をオンする。このため、リレー28のコイル部L2が励磁され、可動接点CP6と第1固定接点CP2とが導通する。これにより、モータ29は、回転軸を回転させて、ロックバー32をステアリングシャフト33の凹部33aに係合させる。その結果、図3(a)に示すように、スイッチ駆動部32bは、ロックバー32が凹部33aに係合したときに、ロック状態検出スイッチ34に対して非接触状態となる。このため、ロック状態検出スイッチ34はOFF状態となり、AND回路35に対して位置検出信号の入力が停止される。よって、照合制御部22にはAND回路35からの信号が入力されないため、照合制御部22は、電子式ステアリングロック装置11がロック状態であることを認識可能となる。
【0037】
なお、キーシリンダ15内のロータがLOCK位置以外の回動位置に回動されているときや、照合制御部22に携帯機検出スイッチ16からの携帯機検出信号が出力され続けているときには、照合制御部22からロック制御部24にロック信号が出力されることはない。さらに、照合制御部22にメータ制御部23から車速0の車両情報信号が入力されていないときや、シフトポジションがパーキングポジションに位置しているときに出力されるシフト信号が入力されていないときには、照合制御部22からロック制御部24にロック信号が出力されることはない。そのため、トランジスタ25,26のベース電圧がLレベルとなり、モータ29が非駆動状態となる。このため、車両の走行状態においてロックバー32がステアリングシャフト33の凹部33aに係合するのが防止される。
【0038】
これに対して、ロック制御部24は、照合制御部22から出力されたロック解除要求信号が入力されたときに、そのロック解除要求信号に基づき、トランジスタ25のベース端子にロック解除を行うための駆動信号(アンロック信号)を出力して同トランジスタ25をオンする。このため、リレー27のコイル部L1が励磁され、可動接点CP5と第1固定接点CP1とが導通する。これにより、モータ29は、回転軸を回転させて、ロックバー32とステアリングシャフト33の凹部33aとの係合を解除させる。その結果、図3(b)に示すように、スイッチ駆動部32bは、ロックバー32と凹部33aとの係合が解除されたときに、ロック状態検出スイッチ34に対して接触状態となる。このため、ロック状態検出スイッチ34がON状態となり、AND回路35に対して位置検出信号が入力される。このとき、携帯機検出スイッチ16からの携帯機検出信号及びロック制御部24からのロック解除完了信号(本実施形態ではHレベルの信号)がAND回路35に出力され、位置検出信号、携帯機検出信号及びロック解除完了信号をAND回路35で演算することによって得られた信号が照合制御部22に出力される。よって、照合制御部22は、電子式ステアリングロック装置11がロック解除状態であることを認識可能となる。なお、ロック状態検出スイッチ34は、ロックバー32がステアリングシャフト33の凹部33aから完全に離脱したときにON状態となるように設定されている。
【0039】
図1に示すように、照合制御部22は、ソレノイド駆動制御部36に電気的に接続されている。ソレノイド駆動制御部36は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAMからなるCPUユニットによって構成されている。ソレノイド駆動制御部36は、前記回動規制ソレノイド17の駆動を制御するためのものである。ソレノイド駆動制御部36には、照合制御部22にAND回路35からの信号が入力されたことを条件として、照合制御部22からの回動許可信号が入力されるようになっている。ソレノイド駆動制御部36は、照合制御部22から回動許可信号が入力されると、前記キーシリンダ15内のロータに対する前記プランジャ17aの係合を解除してエンジン始動許可状態に切り替える。なお、キーシリンダ15内に携帯機13を挿入してからロータに対するプランジャ17aの係合を解除するまでの動作は、ロータがLOCK位置からACC位置に回動されるまでの間に完了する。そして、このエンジン始動許可状態においてイグニッションスイッチ18が作動すると、エンジンが始動される。
【0040】
図1に示すように、車両制御装置14はトランジスタ37及びリレー38を備えている。トランジスタ37のベース端子は照合制御部22に接続されている。また、トランジスタ37のコレクタ端子は、バッテリBとリレー27,28とをつなぐ電気経路に接続されている。トランジスタ37のエミッタ端子はリレー38を構成するコイル部L3の一端に接続されている。コイル部L3の他端は接地されている。さらに、バッテリBとロック制御部24とをつなぐ電源経路には、リレー38の固定接点CP7,CP8が接続されている。そして、固定接点CP7,CP8には、リレー38の可動端子CP9が接離可能に配置されている。
【0041】
したがって、本実施形態においては、ロック制御部24の上流側の給電経路にリレー38が設けられた状態となっている。このため、前記各リレー27,28及び前記モータ29は、リレー38が閉状態となったときにロック制御部24に電力が供給されることによって機能するようになる。換言すれば、リレー38が開状態となっているときには、ロック制御部24への電力供給が完全に絶たれるため、リレー27,28及びモータ29は機能しなくなる。具体的には、AND回路35から出力された信号が照合制御部22に入力されたときに、照合制御部22からトランジスタ37に対して電源遮断信号が出力されると、トランジスタ37がオンして対応するリレー38のコイル部L3に電流が流れる。このとき、コイル部L3によって可動端子CP9が吸引されて、固定接点CP7,CP8が開放状態になる。すなわち、照合制御部22からトランジスタ37に対して電源遮断信号が出力されるとリレー38が駆動する。その結果、バッテリBとロック制御部24とをつなぐ電源経路が遮断され、リレー27,28及びモータ29は機能しなくなる。
【0042】
次に、電子式ステアリングロック装置11の動作を説明する。
キーシリンダ15のロータ内に携帯機13が挿入されたとき、携帯機検出スイッチ16は、携帯機13の挿入を検出して携帯機検出信号を出力する。携帯機検出信号が照合制御部22に入力されると、照合制御部22は携帯機13に対してトランスポンダ駆動電波を送信する。そして、携帯機13がトランスポンダ駆動電波を受信すると、携帯機13に設けられたトランスポンダ制御部19は、所定周波数のトランスポンダ信号を自動的に出力する。
【0043】
そして、トランスポンダ信号は、イモビアンテナ20aによって受信され、イモビアンプ20によって増幅されて送受信部21に出力される。送受信部21は、そのトランスポンダ信号をパルス信号に復調して受信信号を生成するとともに、その受信信号を照合制御部22に出力する。照合制御部22は、予め設定されたトランスポンダコードと入力された受信信号に含まれるトランスポンダコードとの比較(トランスポンダコードの照合)を行う。そして、それらIDコード同士が一致したときには、照合制御部22はロック制御部24に対してロック解除要求信号を出力する。
【0044】
ロック制御部24は、照合制御部22から出力されたロック解除要求信号が入力されたときに、そのロック解除要求信号に基づき、トランジスタ25のベース端子にロック解除を行うための駆動信号(アンロック信号)を出力して同トランジスタ25をオンする。このため、リレー27のコイル部L1が励磁され、可動接点CP5と第1固定接点CP1とが導通する。これにより、モータ29は、回転軸を回転させ、ロックバー32とステアリングシャフト33の凹部33aとの係合を解除させる。その結果、図3(b)に示すように、スイッチ駆動部32bがロック状態検出スイッチ34に対して接触状態となる。このため、ロック状態検出スイッチ34がON状態となり、AND回路35に対して位置検出信号が入力される。このとき、携帯機検出スイッチ16からの携帯機検出信号及びロック制御部24からのロック解除完了信号がAND回路35に出力され、位置検出信号、携帯機検出信号及びロック解除完了信号をAND回路35で演算することによって得られた信号が照合制御部22に出力される。よって、照合制御部22は、電子式ステアリングロック装置11がロック解除状態であることを認識可能となる。
【0045】
照合制御部22にAND回路35からの信号が入力されると、照合制御部22は、ソレノイド駆動制御部36に対して回動許可信号を出力する。このとき、ソレノイド駆動制御部36は、キーシリンダ15内のロータに対する回動規制ソレノイド17のプランジャ17aの係合を解除してエンジン始動許可状態に切り替える。そして、ロータをST位置に回動してイグニッションスイッチ18を作動させると、エンジンが始動される。
【0046】
また、照合制御部22にAND回路35からの信号が入力されると、照合制御部22は、トランジスタ37に電源遮断信号を出力してトランジスタ37をオンさせる。このとき、コイル部L3に電流が流れることによって可動端子CP9が吸引されて、固定接点CP7,CP8が開放状態になる。その結果、バッテリBとロック制御部24とをつなぐ電源経路が遮断され、リレー27,28及びモータ29は機能しなくなる。
【0047】
また、エンジンの停止によってキーシリンダ15内のロータがACC位置またはLOCK位置に切り替えられ、ロータから携帯機13が抜かれると、携帯機検出スイッチ16からAND回路35に対して携帯機検出信号の入力が停止される。よって、照合制御部22にAND回路35からの信号が入力されなくなるため、照合制御部22からトランジスタ37に対して電源遮断信号の出力が停止される。その結果、リレー38のコイル部L3による可動端子CP9の吸引状態が解除されて固定接点CP7,CP8が閉状態になることにより、ロック制御部24に電源が供給される。
【0048】
そして、ロック制御部24は、照合制御部22からのロック要求信号に基づき、トランジスタ26のベース端子にロックを行うための駆動信号(ロック信号)を出力して同トランジスタ26をオンする。このため、リレー28のコイル部L2が励磁され、可動接点CP6と第1固定接点CP2とが導通する。これにより、モータ29は、回転軸を回転させ、ロックバー32をステアリングシャフト33の凹部33aに係合させる。その結果、図3(a)に示すように、スイッチ駆動部32bがロック状態検出スイッチ34に対して非接触状態となる。このため、ロック状態検出スイッチ34はOFF状態となり、AND回路35に対して位置検出信号の入力が停止される。よって、照合制御部22にはAND回路35からの信号が入力されないため、照合制御部22は、電子式ステアリングロック装置11がロック状態であることを認識可能となる。
【0049】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)キーシリンダ15のロータ内に挿入された携帯機13の位置を携帯機検出スイッチ16によって電気的に検出したことを条件として、ロック制御部24によってステアリングシャフト33の凹部33aに対するロックバー32の係合を解除させる動作が開始される。すなわち、凹部33aに対するロックバー32の係合が電気的に解除される。そのため、ステアリングシャフト33に対するロックバー32の係合を規制するための機械的な作動機構(例えばワイヤケーブルやリンク機構等)をキーシリンダ15とロックバー32との間に設けなくてもよい。よって、電子式ステアリングロック装置11の搭載スペースが作動機構によって大きくなってしまうことはない。したがって、電子式ステアリングロック装置11の搭載スペースを小さくすることができる。また、電子式ステアリングロック装置11を搭載可能な場所が作動機構によってステアリングコラム等に制限されてしまうことはない。ゆえに、エンジン始動時には電源供給されないため、走行中にステアリングがロックされるのを防止できる。したがって、電子式ステアリングロック装置11の搭載可能な範囲を広くすることができる。
【0050】
また、従来のような作動機構が存在しないため、キーシリンダ15が破壊されたときに、作動機構が操作されることによって凹部33aに対するロックバー32の係合が解除されることはない。ゆえに、車両の盗難防止性を向上させることができる。
【0051】
(2)車両制御装置14にはキーシリンダ15が設けられており、LOCK位置、ACC位置、ON位置及びST位置への切り替えは、キーシリンダ15のロータ内に挿入された携帯機13を回動操作してロータを回動させることによってイグニッションスイッチ18を回動させて行われている。そのため、キーシリンダ15の代わりにワンプッシュ式のエンジン始動・停止スイッチを設けた場合のように、エンジン始動・停止スイッチの押圧操作をLOCK位置、ACC位置、ON位置及びST位置への切替操作に変換する高価な部品を必要とする電源制御ECUが不要になる。したがって、電子式ステアリングロック装置11の製造コストを低減させることができる。
【0052】
(3)携帯機13と車両制御装置14との照合が完了したことを条件として、照合制御部22がロック制御部24に対してロック解除要求信号を出力し、ロック制御部24がロック解除要求信号に基づいてトランジスタ25にアンロック信号を出力してモータ29を回転させる。それにより、ステアリングシャフト33の凹部33aに対するロックバー32の係合が解除される。ゆえに、キーシリンダ15が破壊されてロータが回動された場合でも、携帯機13のIDコード(トランスポンダコード)と照合制御部22に予め設定されたIDコード(トランスポンダコード)とが一致しない限りは、照合制御部22がロック制御部24を駆動することはない。そのため、ステアリングシャフト33に対するロックバー32の係合が解除されてエンジンが始動されることはない。よって、車両の盗難防止性をより一層向上させることができる。
【0053】
(4)ステアリングシャフト33の凹部33aに対するロックバー32の係合が解除されると、照合制御部22からトランジスタ37に対して電源遮断信号が出力されてリレー38が駆動する。その結果、ロック制御部24の電源が遮断され、リレー27,28及びモータ29が機能しなくなる。よって、ロック制御部24が電気的なノイズによって誤作動するのを防止することができる。すなわち、車両の走行時等の駆動を必要としないときにモータ29が回転することにより、ロックバー32が凹部33aに係合するのを防止することができる。したがって、電子式ステアリングロック装置11の信頼性を高くすることができる。
【0054】
(5)ロック状態検出スイッチ34からの位置検出信号、ロック制御部24からのロック解除完了信号及び携帯機検出スイッチ16からの携帯機検出信号をAND回路35で演算して得られた信号が照合制御部22に出力される。このとき、凹部33aに対するロックバー32の係合が解除されたことが照合制御部22によって認識される。そして、照合制御部22によって認識されない限りは、キーシリンダ15のロータに対する回動規制ソレノイド17のプランジャ17aの係合が解除されないため、エンジンの始動が可能にならない。すなわち、ロック制御部24が電気的なノイズによって誤作動してロック解除完了信号を出力した場合や、ステアリングシャフト33に対してロックバー32の噛み込みが発生した場合でも、ロック状態検出スイッチ34から位置検出信号が出力されることはない。そのため、照合制御部22にAND回路35からの信号が入力されることはない。したがって、ステアリングシャフト33の凹部33aに対してロックバー32が係合されているのにも拘わらず、エンジンが始動されるのを防止することができる。
【0055】
(6)ステアリングシャフト33の凹部33aに対するロックバー32の係合が確実に解除されていないと、ロック状態検出スイッチ34からAND回路35に対して位置検出信号が入力されない。この場合、キーシリンダ15内のロータと回動規制ソレノイド17のプランジャ17aとの係合が解除されていないため、凹部33aにロックバー32が係合されたままの状態で携帯機13を回動操作しても、ロータをON位置に回動させることができない。よって、イグニッションスイッチ18が作動しないため、凹部33aに対するロックバー32の係合が解除されていないのにも拘わらず、エンジンが始動されてしまうのを防止することができる。
【0056】
(7)回動規制ソレノイド17のプランジャ17aは、ACC位置からON位置への切替位置においてロータに対する係合を解除するようになっている。よって、ロータをACC位置からON位置への切替位置に回動させる時間を、プランジャ17aの係合を解除させる時間として用いることができる。したがって、携帯機13を回動操作させるときに、ロータに対するプランジャ17aの係合の解除が間に合わずに、ロータの回動がプランジャ17aに干渉されるのを防止することができる。
【0057】
(第2実施形態)
第2実施形態において前記第1実施形態と同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。
【0058】
図2に示すように、この第2実施形態における固定板41には、前記第1実施形態におけるLOCK接点42、ACC接点43、ON接点44、ST接点45に加えて、電源遮断手段を構成するモータ給電用接点46が同心円の円弧状のパターンとなるように形成されている。各接点42〜46には、電源遮断手段を構成する可動接点47が接触可能になっている。なお、モータ給電用接点46は、固定接点であり、モータ29に電気的に接続されている。モータ給電用接点46は、ACC位置からON位置への切替部分とLOCK位置との間で可動接点47に接触するように形成されている。
【0059】
図4に示すように、モータ給電用接点46及び可動接点47は、バッテリBとリレー27,28とをつなぐ電気経路に接続されている。したがって、本実施形態においては、モータ29の上流側の給電経路にモータ給電用接点46及び可動接点47が設けられた状態となっている。このため、モータ29及び同モータ29を駆動させる各リレー27,28は、モータ給電用接点46が閉状態となったときにロック制御部24から制御信号が出力されることによって機能するようになる。換言すれば、モータ給電用接点46が開状態となっているときには、各リレー27,28への電力供給が完全に絶たれるため、リレー27,28及びモータ29は機能しなくなる。具体的には、キーシリンダ15のロータがON位置に回動されたときに、モータ給電用接点46が開放状態になる。その結果、バッテリBとリレー27,28とをつなぐ電源経路が遮断され、リレー27,28及びモータ29は機能しなくなる。
【0060】
次に、電子式ステアリングロック装置11の動作を説明する。
キーシリンダ15のロータ内に携帯機13が挿入され、携帯機13の照合が完了すると、ロック制御部24は、照合制御部22からのロック解除要求信号に基づき、モータ29を駆動してロックバー32とステアリングシャフト33の凹部33aとの係合を解除させる。そして、ロータをON位置に回動させるとイグニッションスイッチ18が作動する。このとき、可動接点47とモータ給電用接点46との接触状態が解除され、モータ給電用接点46が開放状態になる。その結果、バッテリBとモータ29とをつなぐ電源経路が遮断され、リレー27,28及びモータ29が機能しなくなる。その後、ロータをST位置に回動してスタータモータを駆動させると、エンジンが始動される。
【0061】
また、エンジンの停止によってキーシリンダ15内のロータがACC位置またはLOCK位置に切り替えられると、可動接点47がモータ給電用接点46に接触してモータ給電用接点46が閉状態となり、リレー27,28に電源が供給される。そして、ロック制御部24は、照合制御部22からのロック要求信号に基づき、モータ29を駆動して、ロックバー32をステアリングシャフト33の凹部33aに係合させる。
【0062】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(8)モータ給電用接点46は、ACC位置からON位置への切替部分とLOCK位置との間で可動接点47に接触するように形成されている。つまり、モータ給電用接点46は、ON位置またはST位置において可動接点47に接触することはない。よって、ON位置またはST位置にキーシリンダ15内のロータが回動されているときにはモータ29の電源が機械的に遮断される。そのため、エンジンが稼働しているときにモータ29が駆動することにより、ロックバー32がステアリングシャフト33の凹部33aに係合するのを防止することができる。したがって、電子式ステアリングロック装置11の信頼性を高くすることができる。
【0063】
(9)キーシリンダ15内のロータをON位置に回動させることにより、可動接点47とモータ給電用接点46との接触状態が解除されて、機械的にモータ29の電源が遮断される。よって、ロック制御部24の電源を遮断するトランジスタ37及びリレー38等の電気部品が不要になるため、電子式ステアリングロック装置11の製造コストを低減させることができる。また、照合制御部22及びロック制御部24の誤作動によって、モータ29が駆動されてしまうのを防止できる。
【0064】
(10)モータ給電用接点46は、ACC位置からON位置への切替部分とLOCK位置との間で可動接点47に接触するように形成されている。そして、回動規制ソレノイド17のプランジャ17aは、ACC位置からON位置への切替位置においてロータに対して係脱するようになっている。よって、ロータがACC位置に回動されたときに、ロックバー32がロック制御部24の誤作動によって再びステアリングシャフト33に係合しても、プランジャ17aがロータに係合しているため、ロータがON位置及びST位置に回動されてしまうことはない。したがって、ロックバー32がステアリングシャフト33に係合された状態でエンジンが始動されてしまうのを防止できる。
【0065】
(11)従来からあるイグニッションスイッチ18内に収容された固定板41(図2参照)にモータ給電用接点46を追加するだけでよいため、簡単な構成で電子式ステアリングロック装置11の信頼性を高くすることができる。
【0066】
なお、前記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記第1実施形態では、リレー38を構成する固定接点CP7,CP8及び可動端子CP9はバッテリBとロック制御部24とをつなぐ電源経路に接続されていた。そして、リレー38が駆動されたときにロック制御部24への給電が遮断されることにより、モータ29を回動させるリレー27,28への給電が遮断されるようになっていた。しかし、固定接点CP7,CP8及び可動端子CP9をバッテリBとリレー27,28とをつなぐ電源経路に接続し、リレー38を駆動したときに直接リレー27,28への給電を遮断するようにしてもよい。
【0067】
・前記第1実施形態では、ロック制御部24への給電はリレー38を作動させることによって遮断されていた。しかし、ロック制御部24への給電を、イグニッションスイッチ18の作動と同時に遮断させるようにしてもよい。この場合、イグニッションスイッチ18は、バッテリBとロック制御部24とをつなぐ電源経路上に配置されることとなる。さらに、ロック制御部24への給電を、バッテリBとロック制御部24とをつなぐ電源経路を遮断するためだけに用いられる専用のスイッチによって遮断してもよい。
【0068】
・前記第1実施形態において、AND回路35に対するロック解除完了信号の入力を省略してもよいし、AND回路35に対する位置検出信号の入力を省略してもよい。
【0069】
・前記第1実施形態において、トランジスタ37は電源遮断信号に基づいてオンするようになっている。しかし、トランジスタ37は、AND回路35から出力される信号に基づいて直接オンするようになっていてもよい。
【0070】
・前記各実施形態において、モータ29の駆動条件として、シフトポジションが「N」レンジに位置していることや、パーキングブレーキがON状態であることを加えてもよい。
【0071】
・前記各実施形態では、回動規制ソレノイド17は、ACC位置からON位置にキーシリンダ15内のロータが回動されるのを防止するようになっていた。しかし、エンジンが始動されるST位置にロータが回動するのを防止するように設定すれば、回動規制ソレノイド17によってロータの回動を規制する位置はどこに設定されていてもよい。具体的には、回動規制ソレノイド17を、ロータがLOCK位置からACC位置に回動されるのを防止するようにしてもよいし、ロータがON位置からST位置に回動されるのを防止するようにしてもよい。
【0072】
・前記各実施形態では、アクチュエータとしてモータ29を用いている。しかし、アクチュエータはモータ29に限らず、例えばソレノイド等の電気駆動式のアクチュエータであれば何でもよい。
【0073】
・前記第1実施形態では、ロック状態検出スイッチ34としてリミットスイッチを用いている。しかし、ロック状態検出スイッチ34は、リミットスイッチに限らず、ロックバー32の位置に応じて接点の開閉を行うリードスイッチ等の有接点式スイッチや、ホール素子等を用いた近接センサ等によって構成された無接点式スイッチであってもよい。
【0074】
・前記第1実施形態では、ロック状態検出スイッチ34としてノーマルオープンタイプのスイッチを用いている。しかし、このロック状態検出スイッチ34として、ノーマルクローズタイプのスイッチを用いてもよい。ただしこの場合、ロック状態検出スイッチ34に接続されるAND回路35の入力端子に、Hレベルの位置検出信号をLレベルの信号に変換するととともに、Lレベルの位置検出信号をHレベルの信号に変換するインバータを設ける必要がある。
【0075】
・前記各実施形態における電子式ステアリングロック装置11の構成を、携帯機13からのIDコードと照合制御部22に予め設定されたIDコードとが一致したことを条件として、照合制御部22が携帯機13の存在を検出するスマートイグニッション装置に適用してもよい。また、電子式ステアリングロック装置11は、キーシリンダ15の代わりにノブを回転させるものであってもよい。
【0076】
・前記第2実施形態では、モータ給電用接点46は、ACC位置からON位置への切替部分とLOCK位置との間で可動接点47に接触するように形成されていた。しかし、モータ給電用接点46を、LOCK位置からACC位置への切替部分とLOCK位置との間で可動接点47に接触するように形成してもよい。つまり、ロータがLOCK位置に回動されている場合のみにおいてモータ29への給電を可能としてもよい。
【0077】
次に、上記実施形態及び他の実施形態によって把握される技術的思想を以下に記載する。
(1)前記電子式ステアリングロック装置において、前記回動操作部材に対する前記回動規制アクチュエータの係合を解除させるときの前記回動操作部材の回動位置が、ACC位置からON位置への切替部分に設定されること。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、電子式ステアリングロック装置の搭載スペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における電子式ステアリングロック装置を示すブロック図。
【図2】 接点パターンを示す模式平面図。
【図3】 (a)及び(b)は、電子式ステアリングロック装置の概略図。
【図4】 第2実施形態における電子式ステアリングロック装置を示すブロック図。
【符号の説明】
11…電子式ステアリングロック装置、13…携帯機、15…回動操作部材としてのキーシリンダ、16…検出手段としての携帯機検出スイッチ、17…回動規制アクチュエータとしての回動規制ソレノイド、24…ロック制御手段としてのロック制御部、29…アクチュエータとしてのモータ、32…ロック手段としてのロックバー、33…ステアリングシャフト、34…ロック状態検出手段としてのロック状態検出スイッチ、35…AND回路、46…電源遮断手段を構成するモータ給電用接点、47…電源遮断手段を構成する可動接点。
Claims (3)
- 回動操作に伴って回動する回動操作部材を備えるとともに、車両のステアリングシャフトに係脱するロック手段を備えた電子式ステアリングロック装置であって、
携帯機の存在を検出する検出手段と、前記ステアリングシャフトに対して前記ロック手段を係合または係合解除する位置に移動させるアクチュエータと、前記検出手段により前記携帯機の存在が検出されたこと及び前記携帯機から出力されるIDコードと前記車両に予め設定されたIDコードとが一致したことを条件として、前記アクチュエータを駆動し、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合を解除させるロック制御手段とを備え、
前記回動操作部材の回動位置に応じて前記アクチュエータへの給電経路を機械的に遮断する電源遮断手段を備え、
前記給電経路を遮断させるときの前記回動操作部材の回動範囲を、ACC位置からON位置への切替部分とST位置との間に設定し、
さらに、前記回動操作部材に係合することにより同回動操作部材の回動を規制する回動規制アクチュエータを備え、
前記回動操作部材に対する前記回動規制アクチュエータの係合を解除させるときの前記回動操作部材の回動位置が、LOCK位置からACC位置への切替部分とON位置からST位置への切替部分との間の位置に設定されるとともに、
前記回動規制アクチュエータは、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合が解除されたことを条件として前記回動操作部材との係合を解除させることを特徴とする電子式ステアリングロック装置。 - 回動操作に伴って回動する回動操作部材を備えるとともに、車両のステアリングシャフトに係脱するロック手段を備えた電子式ステアリングロック装置であって、
携帯機の存在を検出する検出手段と、前記ステアリングシャフトに対して前記ロック手段を係合または係合解除する位置に移動させるアクチュエータと、前記検出手段により前記携帯機の存在が検出されたこと及び前記携帯機から出力されるIDコードと前記車両に予め設定されたIDコードとが一致したことを条件として、前記アクチュエータを駆動し、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合を解除させるロック制御手段とを備え、前記アクチュエータを駆動して前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合を解除させるときに出力されるアンロック信号と、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合が解除されたことをロック状態検出手段によって機械的に検出したときに出力される位置検出信号と、前記携帯機の存在を電気的に検出したときに出力される携帯機検出信号とが出力されたことを条件として、前記ロック制御手段の電源が遮断されることを特徴とする電子式ステアリングロック装置。 - 前記回動操作部材に係合することにより同回動操作部材の回動を規制する回動規制アクチュエータを備え、
前記回動操作部材に対する前記回動規制アクチュエータの係合を解除させるときの前記回動操作部材の回動位置が、LOCK位置からACC位置への切替部分とON位置からST位置への切替部分との間の位置に設定されるとともに、
前記回動規制アクチュエータは、前記ステアリングシャフトに対する前記ロック手段の係合が解除されたことを条件として前記回動操作部材との係合を解除させることを特徴とする請求項2に記載の電子式ステアリングロック装置。
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