以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。
この遊技領域の中央位置上方には、識別可能な識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示装置4が設けられている。特別図柄表示装置4の下方には、特別図柄とは異なる飾り図柄の可変表示や所定の演出表示となる画像表示などを行うことができる画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5の下方には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置6が配置されている。普通可変入賞球装置6の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7や、普通図柄表示器40が設けられている。
特別図柄表示装置4は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されている。特別図柄表示装置4は、普通可変入賞球装置6への遊技球の入賞により始動条件が成立したことに基づいて行われる可変表示ゲームとしての特図ゲームにおいて、例えば「0」〜「9」を示す数字等から構成され、各々が識別可能な複数種類の識別情報として機能する特別図柄を可変表示する。各特別図柄には、例えば各図柄が示す数字と同一の番号といった、各々の特別図柄に対応した図柄番号が付されている。なお、特別図柄表示装置4は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、例えば「00」〜「99」を示す数字など、より多種類の図柄を可変表示するように構成されていてもよい。
特別図柄表示装置4により行われる特図ゲームでは、特別図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、特別図柄表示装置4にて特図ゲームでの確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になると、特別可変入賞球装置7が備える開閉板を開閉させることによる特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、具体的な一例として、「3」あるいは「7」を示す特別図柄を大当り図柄とし、それ以外の数値を示す特別図柄をハズレ図柄としている。また、大当り図柄のうち、「3」を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする一方、「7」を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とする。
特別図柄表示装置4における特図ゲームでの確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄である「7」を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の開閉板により、15ラウンド用開放期間(例えば29秒)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間において大入賞口が開放され、開放されている間は遊技盤2の表面を落下する遊技球が受け止められて大入賞口への入賞が可能となり、その後に大入賞口を閉鎖することで1回のラウンドが終了する。そして、この開閉サイクルとしてのラウンドを所定の上限回数(例えば15ラウンド)まで繰り返すことができる。
他方、特別図柄表示装置4における特図ゲームでの確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄である「3」を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の開閉板により、15ラウンド用開放期間よりも短い2ラウンド開放期間(例えば0.5秒)において大入賞口が開放され、その後に大入賞口を閉鎖することで1回のラウンドが終了する。そして、この開閉サイクルとしてのラウンドを、15ラウンド大当り図柄が停止表示された場合において前述した所定の上限回数よりも少ない回数(例えば2ラウンド)だけ実行する。
画像表示装置5は、例えばLCD等から構成され、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行うものであればよい。画像表示装置5の表示画面では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して、例えば3つに分割された表示領域としての可変表示部にて、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄を変動可能に表示する可変表示を行う。具体的な一例として、画像表示装置5には、「左」、「中」、「右」の可変表示部が配置され、各可変表示部にて飾り図柄が可変表示される。そして、特別図柄表示装置4における特別図柄の変動表示が開始されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて飾り図柄の変動表示(例えば切替表示やスクロール表示)を開始させ、その後、特別図柄表示装置4における特別図柄の変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて確定飾り図柄となる飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる飾り図柄の組合せが停止表示(導出表示)される。
例えば、「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、10種類の数字「0」〜「9」を示す図柄が飾り図柄として変動可能に表示される。各飾り図柄には、例えば各図柄が示す数字と同一の番号といった、各々の飾り図柄に対応した図柄番号が付されている。そして、「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、飾り図柄の変動表示が開始されると、例えば図柄が示す番号の小さいものから大きいものへと切替表示やスクロール表示が行われ、飾り図柄「9」が表示されると、次に飾り図柄「0」が表示される。そして、特別図柄表示装置4における特図ゲームでの確定特別図柄が大当り図柄である場合すなわち大当り発生時には、「左」、「中」、「右」の可変表示部にて所定の組合せからなる確定飾り図柄が停止表示される。例えば、特図ゲームでの確定特別図柄が15ラウンド大当り図柄としての「7」を示す特別図柄であるときには、「左」、「中」、「右」の可変表示部にて同一の飾り図柄が停止表示される。これに対して、特図ゲームでの確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄としての「3」を示す特別図柄であるときには、「左」、「中」、「右」の可変表示部にて「チャンス目」となる飾り図柄の組合せ(例えば「1」、「3」、「5」を示す飾り図柄の組合せ)が停止表示される。
この実施の形態では、図柄番号が奇数である飾り図柄「1」、「3」、「5」、「7」または「9」は確変大当り用の飾り図柄(確変図柄)として用いられ、図柄番号が偶数である飾り図柄「0」、「2」、「4」、「6」または「8」は通常大当り用の飾り図柄(通常図柄)として用いられる。飾り図柄の可変表示結果として「左」、「中」、「右」の可変表示部にて同一の確変図柄(確変大当り組合せの飾り図柄)が停止表示されたときや、後述する大当り終了後再抽選演出表示での再抽選結果として同一の確変図柄が停止表示されるときには、確変大当りとなる。すなわち、この実施の形態における確変大当りには、飾り図柄の可変表示結果として同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されることのほかに、大当り終了後再抽選演出表示での再抽選結果として同一の確変図柄が停止表示されるなどして遊技状態が高確率状態となる成り上がりが有る旨の報知が行われることが、含まれている。また、飾り図柄の可変表示結果として予め定められた「チャンス目」となる飾り図柄の組合せが停止表示されたときには、突然確変大当りとなる。確変大当りや突然確変大当りとなったときには、その確変大当り、あるいは突然確変大当りに基づく大当り遊技状態が終了した後、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されるまで、あるいは特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなるまで、特別遊技状態の1つとして、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率状態(確率向上状態)となる。この高確率状態では、特図ゲームにおいて可変表示結果として大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態に制御される確率が、通常遊技状態時よりも向上する。なお、通常遊技状態とは、大当り遊技状態や特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて大当りとなる確率が、電源投入直後などの初期設定状態と同一に制御されている。
なお、確変大当りとなったときには、大当り遊技状態の開始時に、その旨が画像表示装置5などを用いて遊技者に報知されるのに対し、突然確変大当りとなったときには、大当り遊技状態が開始される旨が報知されず、画像表示装置5などにて所定の演出表示が実行される。このため、遊技者に、大当り遊技状態を経ることなく、飾り図柄の可変表示結果としてチャンス目となる組合せが導出表示されたことに起因して、遊技状態が通常遊技状態から突然高確率状態へと移行したように思わせることができる。
また、飾り図柄における可変表示結果として「左」、「中」、「右」の可変表示部にて同一の通常図柄(通常大当り組合せの飾り図柄)が停止表示され、その後、後述する大当り終了後再抽選演出表示での再抽選結果として同一の通常図柄が停止表示されているときには、通常大当りとなる。すなわち、この実施の形態における通常大当りとは、飾り図柄の可変表示結果として同一の通常図柄からなる通常大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示され、なおかつ、大当り終了後再抽選演出表示での再抽選結果として同一の通常図柄が停止表示されるなどして遊技状態が高確率状態となる成り上がりが無い旨の報知が行われることである。この通常大当りとなるときには、確変制御が行われないため、特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は向上しない。その一方で、通常大当りとなるときには、所定回数(例えば100回)の特図ゲームの実行が開始されるまで、または、大当りとなる特図ゲームの実行が開始されるまで、高確率状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、継続して時間短縮制御(時短制御)が行われる時間短縮状態となるようにしてもよい。時短制御が行われる時間短縮状態では、各特図ゲームにて大当りとなって大当り遊技状態に制御される確率は通常遊技状態と同一であるが、特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定特別図柄が停止表示されるまでの時間である可変表示時間は、通常遊技状態よりも短くなるように制御される。
「左」、「中」、「右」の各可変表示部では、アルファベットを示す複数種類の図柄が飾り図柄として変動可能に表示されてもよいし、所定のモチーフに関連する複数種類のキャラクタ図柄を飾り図柄として可変表示してもよい。また、画像表示装置5では、特別図柄表示装置4による特図ゲームの実行中において、様々な演出態様のいずれかによる演出表示を行うことができる。なお、可変表示部は固定的な領域であってもよいが、遊技進行中に、画像表示装置5の表示領域において移動したり大きさが変化してもよい。
加えて、画像表示装置5には、普通可変入賞球装置6に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(始動入賞記憶数)を表示する特別図柄始動記憶表示エリアが設けられていてもよい。特別図柄始動記憶表示エリアでは、保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的な一例として、通常青色であった表示を赤色表示に変化させる。この場合、飾り図柄の表示エリア(可変表示部)と特別図柄始動記憶表示エリアとを区分けして設けることで、飾り図柄の可変表示中も保留記憶数が表示された状態とすることができる。なお、特別図柄始動記憶表示エリアを飾り図柄の表示エリアの一部に設けるようにしてもよい。この場合には、飾り図柄の可変表示中には保留記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、保留記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)が、画像表示装置5とは別個に設けられてもよい。
普通可変入賞球装置6は、ソレノイド81(図3)によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片を有するチューリップ型役物(普通電動役物)を備えて構成されている。普通可変入賞球装置6は、普通図柄表示器40による普通図柄の可変表示(普通図ゲーム)で表示結果が「当り」となったときに、電動チューリップの可動翼片を所定時間が経過するまで傾動位置に制御することで、可動翼片を垂直位置としたときに比べて遊技球が始動入賞口に入賞しやすくなる。普通可変入賞球装置6に入賞した遊技球は、始動口スイッチ22(図2、図3)によって検出される。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば4個)の賞球の払い出しが行われる。
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図3)によって大入賞口を開成及び閉成制御する開閉板を備えて構成されている。この開閉板は、特別図柄表示装置4による特図ゲームでの変動表示結果などに基づいて大当り遊技状態となった場合に、所定期間あるいは所定個数の入賞球が発生するまでの期間において、遊技者にとって有利な第1の状態としてソレノイド82により大入賞口を開放した状態となった後に、閉鎖する。他方、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に大当り遊技状態が発生する以前までのような通常時には、遊技者にとって不利な第2の状態としてソレノイド82により大入賞口を閉鎖した状態にある。特別可変入賞球装置7にて開閉板が大入賞口を開放しているときに大入賞口に遊技球が入賞した場合には、カウントスイッチ24(図2、図3)によって当該遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば15個)の賞球の払い出しが行われる。なお、大入賞口に入賞して遊技盤2の背面に導かれた遊技球のうち一方の領域(V入賞領域;特別領域)に入ったものはV入賞スイッチ23(図3)で検出された後にカウントスイッチ24で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ24で検出されるようにしてもよい。この場合、遊技盤2の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイドが設けられていてもよい。あるいは、V入賞領域を設けずに、大当り遊技状態における最終ラウンド以外のラウンドでは、常に次のラウンドへと移行できるようにしてもよい。
また、遊技盤2には、複数の入賞口42A〜42Dが設けられ、遊技球の入賞口42A〜42Dへの入賞は、それぞれ入賞口スイッチ25A〜25D(図2、図3)によって検出される。各入賞口42A〜42Dによって遊技球が検出されたことに基づいて、所定個数(例えば7個)の賞球の払い出しが行われる。すなわち、各入賞口42A〜42Dは、遊技媒体としての遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤2に設けられる入賞領域を構成している。また、普通可変入賞球装置6に形成された始動入賞口や、特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口も、遊技媒体としての遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
図2は、遊技盤2に設けられている入賞口などの入賞領域に入賞した遊技球を検出するための各スイッチの関係を示す説明図である。図2に示すように、始動口スイッチ22、カウントスイッチ24、及び入賞口スイッチ25A〜25Dのそれぞれで検出された遊技球は、例えば遊技盤2の背面において、全入賞球検出スイッチ29の設置位置に誘導され、全入賞球検出スイッチ29によって検出される。ここで、全入賞球検出スイッチ29の設置位置は、例えば各入賞球通路が合流する位置、またはその位置の下流側となる所定位置であればよい。
普通図柄表示器40は、例えばLED等から構成され、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21(図3)によって検出されたことを始動条件とする普通図ゲームにおいて、点灯、点滅、発色などが制御される。この普通図ゲームにおいて所定の当りパターンで表示が行われると、普通図ゲームにおける表示結果が「当り」となる。ここで、前述の高確率状態と時間短縮状態では、普通図柄表示器40による普通図ゲームにおける可変表示時間が通常遊技状態のときよりも短くなるとともに、各回の普通図ゲームで表示結果が当り図柄となる確率が向上するようにしてもよい。このときにはさらに、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動時間が通常遊技状態のときよりも長くなるとともに、その傾動回数が通常遊技状態のときよりも増加するようにしてもよい。このように、高確率状態や時間短縮状態では、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態となる。ここで、時間短縮状態では、確変制御が行われず、大当り遊技状態となる確率は通常遊技状態のときと同じであるので、高確率状態の方が時間短縮状態よりも遊技者にとって有利である。
また、遊技盤2の遊技領域には、上記した構成以外にも、装飾ランプを内蔵した風車やアウト口等が設けられている。遊技領域外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ8L、8Rが設けられている。遊技領域の外周には、点灯又は点滅する遊技効果ランプ9が設けられている。遊技領域外側の右下位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射させるために遊技者等が操作する操作ノブ30が設けられている。加えて、遊技領域の外側左部には、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプが設けられていてもよい。遊技領域の外側上部には、補給球が切れたときに点灯する球切れランプが設けられていてもよい。
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、カードユニットという)70も示されている。カードユニット70には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット70がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット70内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、及びカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット70を開放するためのカードユニット錠などが設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図3に示すような電源基板10、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板15、発射制御基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板18なども搭載されている。なお、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個の独立した基板によって構成されてもよいし、演出制御基板12にまとめられて1つの基板として構成されてもよい。その他、パチンコ遊技機1の背面には、例えば情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。
電源基板10は、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板15等の各制御基板と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。例えば、電源基板10では、図4に示すように、AC24V、VLP(直流+24V)、VSL(直流+30V)、VDD(直流+12V)、VCC(直流+5V)及びVBB(直流+5V)を生成する。電源基板10は、例えば図4に示すように、変圧回路301と、直流電圧生成回路302と、電源監視回路303と、クリアスイッチ304とを備えて構成されている。また、電源基板10には、バックアップ電源となるコンデンサが設けられていてもよい。このコンデンサは、例えばVBB(直流+5V)の電源ラインから充電されるものであればよい。加えて、電源基板10には、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチが設けられていてもよい。あるいは、電源スイッチは、パチンコ遊技機1において、電源基板10の外に設けられていてもよい。
変圧回路301は、例えば商用電源が入力側(一次側)に印加されるトランスや、トランスの入力側に設けられた過電圧保護回路としてのバリスタなどを備えて構成されたものであればよい。ここで、変圧回路301が備えるトランスは、商用電源と電源基板10の内部とを電気的に絶縁するためのものであればよい。変圧回路301は、その出力電圧として、AC24Vを生成する。直流電圧生成回路302は、例えばAC24Vを整流素子で整流昇圧することによってVSLを生成する整流平滑回路を含んでいる。VSLは、ソレノイド駆動用の電源電圧として用いられる。また、直流電圧生成回路302は、例えばAC24Vを整流素子で整流することによってVLPを生成する整流回路を含んでいる。VLPは、ランプ点灯用の電源電圧として用いられる。加えて、直流電圧生成回路302は、例えばVSLに基づいてVDDおよびVCCを生成するDC−DCコンバータを含んでいる。このDC−DCコンバータは、例えば1つまたは複数のスイッチングレギュレータと、そのスイッチングレギュレータの入力側に接続された比較的大容量のコンデンサとを含み、外部からパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VBB等の直流電圧が比較的緩やかに低下するように構成されたものであればよい。
図4に示すように、変圧回路301から出力されたAC24Vは、例えば所定のコネクタや電源ラインを介して、払出制御基板15へと伝送される。VLPは、例えば所定のコネクタや電源ラインを介して、ランプ制御基板14へと伝送される。VSL、VDD及びVCCは、例えば所定のコネクタや電源ラインを介して、主基板11、ランプ制御基板14及び払出制御基板15へと伝送される。VBBは、例えば所定のコネクタや電源ラインを介して、主基板11及び払出制御基板15へと伝送される。なお、演出制御基板12及び音声制御基板13には、ランプ制御基板14を経由して各電圧が供給されればよい。
電源監視回路303は、例えば停電監視リセットモジュールICを用いて構成され、電源断信号を出力する電源監視手段を実現する回路である。例えば、電源監視回路303は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電圧(一例としてVLP)が所定値(一例として+5V)以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ミリ秒)以上継続したときに、電源断信号を出力する。電源断信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となる電気信号であればよい。電源監視回路303から出力された電源断信号は、例えば電源基板10に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、払出制御基板15へと伝送される。なお、外部からパチンコ遊技機1に供給される電力の供給停止を検出するための条件としては、パチンコ遊技機1において用いられる所定電圧が所定値以下になったことに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できる任意の条件であればよい。例えば、AC24V等の交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をデジタル化した信号を監視して、デジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことの検出条件としてもよい。
また、電源監視回路303は、例えば所定電圧(一例としてVCC)が所定値(一例として+4.5V)以下になったときに、リセット信号を出力してもよい。リセット信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となる電気信号であればよい。電源監視回路303から出力されたリセット信号は、例えば電源基板10に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11、ランプ制御基板14及び払出制御基板15へと伝送される。なお、演出制御基板12には、ランプ制御基板14を経由してリセット信号が伝送されればよい。さらに、リセット信号を出力する回路は、電源監視回路303とは別個に設けられたウォッチドッグタイマ内蔵IC、あるいはシステムリセットICなどを用いて構成されてもよい。
パチンコ遊技機1への電力供給が停止するときには、電源監視回路303が、電源断信号を出力(ローレベルに設定)してから所定期間が経過したときに、リセット信号を出力(ローレベルに設定)する。ここでの所定期間は、例えば主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ110及び払出制御基板15に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ150が、後述する電源断処理(図24に示すメイン側電源断処理、及び図33に示す払出側電源断処理)を実行するのに十分な時間であればよい。すなわち、電源監視回路303は、電圧低下検出信号としての電源断信号を出力した後、遊技制御用マイクロコンピュータ110及び払出制御用マイクロコンピュータ150が所定の電源断処理を実行完了してから、動作停止信号としてのリセット信号を出力(ローレベルに設定)する。また、パチンコ遊技機1への電力供給が開始され、例えば所定電圧(一例としてVCC)が所定値(一例として+4.5V)を超えたときに、電源監視回路303はリセット信号の出力を停止(ハイレベルに設定)する。
図5は、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたとき、及び電力供給が停止するときにおける、AC24V、VLP、VCC、リセット信号及び電源断信号の状態を、模式的に示すタイミング図である。図5に示すように、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、VLP及びVCCは徐々に規定値(直流+24V及び直流+5V)に達する。このとき、VLPが第1の所定値を超えると、電源監視回路303は電源断信号の出力を停止(ハイレベルに設定)してオフ状態とする。また、VCCが第2の所定値を超えると、電源監視回路303はリセット信号の出力を停止(ハイレベルに設定)してオフ状態とする。他方、パチンコ遊技機1への電力供給が停止するときに、VLP及びVCCは徐々に低下する。このとき、VLPが第1の所定値にまで低下すると、電源監視回路303は電源断信号をオン状態として出力(ローレベルに設定)する。また、VCCが第2の所定値にまで低下すると、電源監視回路303はリセット信号をオン状態として出力(ローレベルに設定)する。
図4に示す電源基板10が備えるクリアスイッチ304は、例えば押しボタン構造を有し、押下などの操作に応じてクリア信号を出力する。クリア信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となる電気信号であればよい。クリアスイッチ304から出力されたクリア信号は、例えば所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11へと伝送される。また、クリアスイッチ304の操作がなされていないときには、クリア信号の出力を停止(ハイレベルに設定)する。なお、クリアスイッチ304は、押しボタン構造以外の他の構成(例えばスライドスイッチ構造やトグルスイッチ構造、ダイヤルスイッチ構造など)であってもよい。
この実施の形態では、図6に示すように、電源基板10及び払出制御基板15は遊技機用枠3に設置され、主基板11は遊技盤2に設置されている。そして、電源基板10から払出制御基板15へと電源断信号が伝送され、払出制御基板15を経由して主基板11に電源断信号が入力される。また、電源基板10から主基板11へとクリア信号が伝送され、主基板11を経由して払出制御基板15にクリア信号が入力される。
図3に示す主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12や払出制御基板15などからなるサブ側の制御基板に宛てて、それぞれに指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示装置4を構成する各セグメントの点灯/消灯制御を行うことにより特別図柄表示装置4における特別図柄の変動表示を制御する一方で、普通図柄表示器40の点灯/点滅/発色制御を行うことにより普通図柄表示器40における普通図柄の変動表示を制御する。
図3に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24、入賞口スイッチ25A〜25D、全入賞球検出スイッチ29からの検出信号を受信するための配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24、入賞口スイッチ25A〜25D、全入賞球検出スイッチ29は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。ここで、始動口スイッチ22、カウントスイッチ24、及び入賞口スイッチ25A〜25Dの各スイッチは、遊技領域に設けられた複数の入賞領域それぞれに対応して設けられ、各入賞領域への遊技球の入賞を検出して入賞検出信号を出力する入賞口スイッチとなる。また、ゲートスイッチ21のような通過ゲート41を通過した遊技球を検出するものであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、入賞領域への遊技球の入賞を検出して入賞検出信号を出力する入賞口スイッチに含まれることになる。
加えて、主基板11には、普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御を行うための指令信号をソレノイド81に送信するための配線や、特別可変入賞球装置7における開閉板の開閉制御を行うための指令信号をソレノイド82に送信するための配線が接続されている。さらに、主基板11には、特別図柄表示装置4や普通図柄表示器40の表示制御を行うための指令信号を送信するための配線が接続されている。
主基板11は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ110、スイッチ回路116、ソレノイド回路117などを備えて構成される。また、主基板11には、払出制御基板15との間にて双方向でシリアル通信を行うためのシリアル通信回路115(図10)なども搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ110は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)111、ワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)112、プログラムに従って制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)113及びI/O(Input/Output)ポート114を含んでいる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、CPU113とは独立して乱数値を示す数値データの生成を行う乱数回路などを含んでいてもよい。スイッチ回路116は、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24、入賞口スイッチ25A〜25D、全入賞球検出スイッチ29などの各スイッチからの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ110に伝送する。ソレノイド回路117は、遊技制御用マイクロコンピュータ110からの指令に従って各ソレノイド81、82を駆動するための指令信号を出力する。
主基板11から演出制御基板12に向けて出力される制御信号は、中継基板18によって中継される。ここで、主基板11には、例えば中継基板18対応の主基板側コネクタが設けられるとともに、この主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ110との間に、例えば図7に示すような出力バッファ回路118が接続されていてもよい。この出力バッファ回路118は、例えば主基板11から中継基板18を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ制御信号を通過させることができ、中継基板18から主基板11への信号の入力を阻止する。従って、演出制御基板12や中継基板18の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板18には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して出力される制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタ62にカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板18への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。なお、主基板への不正な信号の入力を防ぐために、主基板とサブ基板との間に主基板からサブ基板への信号の出力のみを規制する一方向データ転送手段を設けたものは既に提案されている(例えば、特開平8−224339号公報などを参照)。しかしながら、主基板と一方向データ転送手段との間には主基板への信号入力を規制するものがないため、一方向データ転送手段に改変を加えることで主基板に不正な信号を入力させることが可能であった。この実施の形態では、中継基板18において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ110と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路118を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を、より確実に防止することができる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板18を介して主基板11から送信された制御コマンドを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9におけるランプの点灯動作及び消灯動作などを制御する機能を備えている。演出制御基板12には、音声制御基板13やランプ制御基板14に制御信号を伝送する配線や、スケーラ回路50を介して画像表示装置5に画像データ信号を伝送する配線などが接続されている。
演出制御基板12は、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120などを備えて構成されている。また、演出制御基板12には、演出制御用マイクロコンピュータ120からの描画コマンドに応じて画像データを生成するVDP125(図7)なども搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ROM121と、RAM122と、CPU123と、I/Oポート124とを含んでいる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120は、CPU123とは独立して乱数値を示す数値データの生成を行う乱数回路などを含んでいてもよい。図7に示すように、中継基板18を介して主基板11から送信された制御信号は、所定のコネクタやI/Oポート124内のI/O124Aを介して、CPU123に入力される。また、音声制御基板13に対する制御信号は、CPU123からI/Oポート124内のI/O124Bや所定のコネクタを介して、音声制御基板13へと出力される。ランプ制御基板14に対する制御信号は、CPU123からI/Oポート124内のI/O124Cや所定のコネクタを介して、ランプ制御基板14へと出力される。
VDP125が演出制御用マイクロコンピュータ120からの描画コマンドに応じて生成した画像データは、スケーラ回路50により解像度が変換された後、画像表示装置5に供給される。ここで、スケーラ回路50は、VDP125によって生成された第1の解像度による画像データを、第1の解像度とは異なる第2の解像度に変換するための回路である。具体的な一例として、スケーラ回路50は、VDP125によって生成された第1の解像度による画像データを入力し、垂直方向及び水平方向のいずれか一方あるいは双方について、以下のような処理を施すことにより、入力された画像データを第1の解像度とは異なる第2の解像度に変換する。例えば、垂直方向における解像度を変換する場合には、入力された画像データの垂直方向に沿って第1のサンプルレートでアップサンプリングを行った後、予め用意されたフィルタ(例えばFIRフィルタ)によるフィルタリング処理を施す。その後、垂直方向に沿って所定のスケーリング係数に対応する第2のサンプルレートでダウンサンプリングを行うようにすればよい。また、水平方向における解像度を変換する場合には、入力された画像データの水平方向に沿って、垂直方向と同じようなアップサンプリング、フィルタリング処理及びダウンサンプリングを行うようにすればよい。具体的な一例として、VDP125によってVGAモード(640×480ピクセル)の画像データが生成された場合に、スケーラ回路50における変換処理により、その画像データをSXGAモード(1280×1024ピクセル)、あるいは他のモードに変換することが可能になる。
中継基板18を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図8は、この実施の形態で用いられる表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。表示制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(第7ビット[ビット7])は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図8に示された表示制御コマンドの形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、表示制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、表示制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。この実施の形態では、表示制御コマンドとして、可変表示開始コマンド、表示結果通知コマンド、大当り開始コマンド、大当り終了コマンド、初期化通知コマンド、復旧報知コマンド、払出異常報知開始コマンド、払出異常報知終了コマンド、賞球過多報知コマンド、賞球不足報知コマンドなどが、予め用意されている。
図8に示す例において、コマンド80XXHは、特別図柄表示装置4による特図ゲームで特別図柄の変動表示を開始するときに送信される可変表示開始コマンドである。なお、XXHは、不特定の16進数であることを示し、表示制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。可変表示開始コマンドは、例えば特別図柄表示装置4における特別図柄の変動表示を開始してから確定特別図柄を停止表示するまでの時間である特別図柄の可変表示時間(総変動時間)や、飾り図柄の可変表示態様をリーチとしてからハズレとなるリーチハズレとするか、リーチとすることなくハズレとなる通常ハズレとするか、さらには大当り開始前再抽選演出表示を実行するか否かなどを示すEXTデータを含んでいる。すなわち、可変表示開始コマンドは、特別図柄の可変表示時間(総変動時間)を示す表示制御コマンドであり、表示に使用する可変表示パターン(変動パターン)を指定する可変表示パターンコマンドである。
ここで、リーチとは、画像表示装置5にて導出表示した飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ導出表示していない飾り図柄(リーチ変動図柄という)については変動表示が行われている表示態様、あるいは、全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様のことである。具体的には、予め定められた組合せ有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた大当り組合せを構成する図柄を停止表示しているときに未だ停止表示していない組合せ有効ライン上の可変表示部において変動表示が行われている表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部のうち「左」、「右」の可変表示部には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で「中」の可変表示部は未だ変動表示が行われている表示態様)、あるいは、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の飾り図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して変動表示している表示態様(例えば、表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の可変表示部の全てで変動表示が行われてどの状態が表示されても同一の飾り図柄が揃っている態様で変動表示が行われている表示態様)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音などで行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、画像表示装置5にてキャラクタ(人物等を模した演出表示であり、飾り図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示という。
また、大当り開始前再抽選演出表示とは、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示時間が経過する以前に、通常大当り組合せとなる同一の通常図柄を「左」、「中」、「右」の可変表示部に仮停止(例えば表示中の飾り図柄を停止、揺動、拡大縮小あるいは変形)させて特図ゲームの可変表示結果が大当りとなった旨を報知した後に、飾り図柄を再び変動させて可変表示時間が経過したときには「左」、「中」、「右」の可変表示部において、通常大当り組合せとなる同一の通常図柄または確変大当り組合せとなる同一の確変図柄を導出表示させることにより、可変表示結果を通常大当りから確変大当りに成り上げるか否かの再抽選を行う演出表示のことである。具体的な一例として、画像表示装置5による飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示時間経過前の所定タイミングで、「左」、「中」、「右」の可変表示部に同一の通常図柄を仮停止させるとともに、例えば画像表示装置5に所定の大当り報知用画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから所定の大当り報知用音声を出力させたりするなどして、遊技者に大当りが発生した旨を報知する。それから所定期間が経過した後、例えば画像表示装置5に所定の再抽選報知用画像を表示させたり、スピーカ8L、8Rから再抽選報知用音声を出力させたりするなどして、発生した通常大当りを確変大当りに成り上げるか否かの再抽選が行われる旨を遊技者に報知するとともに、画像表示装置5による飾り図柄の変動を再開させる。そして、飾り図柄の可変表示時間が経過したときに、通常大当り組合せの飾り図柄または確変大当り組合せの飾り図柄を導出表示させる。この結果、確変大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたときには、画像表示装置5における表示画像やスピーカ8L、8Rからの音声出力などにより、確変大当りに成り上がった旨の報知演出が実行される。その一方で、通常大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたときには、成り上がらなかった旨の報知演出が実行される。なお、この実施の形態では、再抽選を行う際、仮停止した通常大当り組合せの飾り図柄を再度変動させてから、通常大当り組合せの飾り図柄または確変大当り組合せの飾り図柄を導出表示するが、これに限られず、例えば仮停止した通常大当り図柄を変動させることなく、所定のアニメ画像を伴った演出表示などを行った後に、通常大当り組合せの飾り図柄または確変大当り組合せの飾り図柄に変更させるようにしてもよい。
コマンド90XXHは、特別図柄表示装置4における特図ゲームでの確定特別図柄や、遊技状態が高確率状態となる確変大当りや突然確変大当りとなるか否かなどを示す表示結果通知コマンドである。例えば、図9(A)に示すように、コマンド9000Hは、特図ゲームでの確定特別図柄がハズレ図柄となることを示す表示結果通知#1のコマンドである。コマンド9001Hは、特図ゲームでの確定特別図柄が15ラウンド大当り図柄となる15ラウンド大当りであること、及び遊技状態が高確率状態にはならない通常大当りであることを示す表示結果通知#2のコマンドである。コマンド9002Hは、特図ゲームでの確定特別図柄が15ラウンド大当り図柄となる15ラウンド大当りであること、遊技状態が高確率状態となる確変大当りであること、及び大当り終了後再抽選演出表示を実行することを示す表示結果通知#3のコマンドである。コマンド9003Hは、特図ゲームでの確定特別図柄が15ラウンド大当り図柄となる15ラウンド大当りであること、遊技状態が高確率状態となる確変大当りであること、及び大当り終了後再抽選演出表示を実行しないことを示す表示結果通知#4のコマンドである。コマンド9004Hは、特図ゲームでの確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄となる2ラウンド大当り(突然確変大当り)であることを示す表示結果通知#5のコマンドである。
こうした表示結果通知コマンドにより、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示や大当り終了後再抽選演出表示などが行われた後に停止表示される最終的な飾り図柄の表示結果の種類がハズレであるか通常大当りであるか確変大当りであるか突然確変大当りであるかを特定することが可能になる。このとき、大当り終了後再抽選演出表示が行われる場合には、大当り終了後に表示される飾り図柄の表示結果の種類が通常大当りであるか確変大当りであるかが特定される一方、大当り終了後再抽選演出表示が行われない場合には、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示時間が経過したときに導出表示される飾り図柄の表示結果の種類がハズレであるか通常大当りであるか確変大当りであるか突然確変大当りであるかが特定される。また、表示結果通知コマンドから特定される飾り図柄の表示結果の種類が確変大当りのときには、大当り終了後再抽選演出表示の実行の有無をも特定することができる。
ここで、大当り終了後再抽選演出表示とは、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果として通常大当り組合せの飾り図柄を導出表示させて大当り遊技状態となったときに、遊技状態が高確率状態となる成り上がりが有るか否かの再抽選を行う演出表示である。具体的な一例として、画像表示装置5による飾り図柄の可変表示結果が通常大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、通常の大当り終了時(再抽選を行わない大当り終了時)とは異なる態様のエンディング画像を画像表示装置5に表示することにより、それまでの可変表示結果が通常大当りであっても遊技状態は高確率状態となる成り上がりが有るか否かの再抽選が行われる旨を遊技者に報知する。その後、画像表示装置5による飾り図柄を可変表示させ、所定期間経過後、通常大当り組合せの飾り図柄または確変大当り組合せの飾り図柄を導出表示させる。この結果、確変大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたときには、画像表示装置5における表示画像やスピーカ8L、8Rからの音声出力などにより、遊技状態が高確率状態となる成り上がりが有る旨の報知演出が実行される。その一方で、通常大当り組合せの飾り図柄が導出表示されたときには、遊技状態が高確率状態となる成り上がりが無い旨の報知演出が実行される。なお、この実施の形態では、再抽選を行う際、導出表示された通常大当り組合せの飾り図柄を可変表示させてから、通常大当り組合せの飾り図柄または確変大当り組合せの飾り図柄を導出表示するが、これに限られず、例えば導出表示させた通常大当り図柄を可変表示させることなく、所定のアニメ画像を伴った演出表示などを行った後に、通常大当り組合せの飾り図柄または確変大当り組合せの飾り図柄に変更させるようにしてもよい。また、飾り図柄の表示態様によることなく、遊技状態が高確率状態となるか否かを報知するアニメ画像などを表示するようにしてもよい。例えば大当り終了時に画像表示装置5にてルーレットゲームを開始させ、回転するルーレットに投入されたボールが「奇数」に入ったときには、「確変!!」という画像を表示して、遊技状態が高確率状態となる成り上がりが有ることを報知するようにし、投入されたボールが「偶数」に入ったときには、「残念!!」という画像を表示して、遊技状態が高確率状態となる成り上がりが無い旨を報知するようにしてもよい。
図8に示すコマンドA000Hは、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示にて大当りとなったことにより、大当り遊技状態が開始されることを示す大当り開始コマンドである。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態が終了することを示す大当り終了コマンドである。この実施の形態において、大当り終了コマンドは、大当り終了時に画像表示装置5において行われる演出表示の内容、具体的には、大当り終了後再抽選演出表示が行われるか否かや、大当り終了後再抽選演出表示によって遊技状態が高確率状態となる成り上がりが有るか否か、あるいは大当り終了後再抽選演出表示が行われない場合に突然確変開始時演出表示が行われるか否かを示している。
例えば図9(B)に示すように、コマンドA100Hは、特図ゲームでの確定特別図柄が15ラウンド大当り図柄となった15ラウンド大当りであり、遊技状態が高確率状態となる場合において、大当り終了後再抽選演出表示が行われないことを示す大当り終了#1のコマンドである。コマンドA101Hは、特図ゲームでの確定特別図柄が15ラウンド大当り図柄となった15ラウンド大当りであり、遊技状態が高確率状態とはならない場合において、大当り終了後再抽選演出表示が行われることと、この大当り終了後再抽選演出表示では高確率状態となる成り上がりが無いこととを示す大当り終了#2のコマンドである。コマンドA102Hは、特図ゲームでの確定特別図柄が15ラウンド大当り図柄となった15ラウンド大当りであり、遊技状態が高確率状態となる場合において、大当り終了後再抽選演出表示が行われることと、この大当り終了後再抽選演出表示では高確率状態となる成り上がりが有ることを示す大当り終了#3のコマンドである。コマンドA103Hは、特図ゲームでの確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄となった2ラウンド大当り(突然確変大当り)であり、突然確変大当りに対応した突然確変開始時演出表示が行われることを示す大当り終了#4のコマンドである。こうした大当り終了コマンドにより、演出制御基板12の側では、大当り遊技状態が終了するときに大当り終了後再抽選演出表示を実行するか否かや、大当り終了後再抽選演出表示を実行する場合には遊技状態が高確率状態となる成り上がりが有るか否か、あるいは大当り終了後再抽選演出表示を実行しない場合には突然確変開始時演出表示を実行するか否かを、特定することができる。
図8に示すコマンドD000Hは、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ110により所定の初期化処理(例えば図23に示すステップS18、S19)が実行された旨を通知する初期化通知コマンドである。コマンドD001Hは、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ110によりRAM122の保存データに基づく所定の復旧処理(例えば図23に示すステップS16)が実行された旨を示す復旧通知コマンドである。
コマンドD002Hは、賞球の払出に関わる異常が発生した旨の報知を開始させるための払出異常報知開始コマンドである。コマンドD003Hは、払出異常報知開始コマンドによって開始が指示された報知を終了させるための払出異常報知終了コマンドである。払出異常報知開始コマンドは、例えば払出制御用マイクロコンピュータ150が主基板11に対して賞球ACK信号を送信しない状態になっているときなどに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。払出異常報知終了コマンドは、例えば払出制御用マイクロコンピュータ150が主基板11に対して賞球ACK信号を送信できる状態になったときなどに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。コマンドD004Hは、賞球の過大な払出である賞球過多が生じた旨の報知をさせるための賞球過多報知コマンドである。コマンドD005Hは、賞球の過小な払出である賞球不足が生じた旨の報知をさせるための賞球不足報知コマンドである。
図3に示す払出制御基板15は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、主基板11から送信された制御コマンドを受信して、払出モータ51による遊技球の払出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、払出制御基板15は、払出モータ51による賞球の払出動作を制御する機能を備えている。また、払出制御基板15は、カードユニット70との通信結果に応じて払出モータ51の駆動制御を行って、球貸し動作を制御する機能を備えている。払出制御基板15には、満タンスイッチ26や球切れスイッチ27からの検出信号を受信するための配線や、払出モータ位置センサ71や払出カウントスイッチ72、エラー解除スイッチ73からの検出信号を受信するための配線が接続されている。加えて、払出制御基板15には、払出モータ51における遊技球の払出制御を行うための指令信号を送信するための配線や、エラー表示用LED74における表示制御を行うための指令信号を送信するための配線、発射制御基板17に制御信号を伝送する配線、カードユニット70との間で通信を行うための配線などが接続されている。
ここで、満タンスイッチ26は、例えば遊技盤2の背面下方にて打球供給皿と余剰球受皿の間を連通する余剰球通路の側壁に設置され、余剰球受皿の満タンを検出するためのものである。賞球又は球貸し要求に基づく遊技球が多数払い出されて打球供給皿が満杯になり、遊技球が連絡口に到達した後、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿へと導かれる。さらに遊技球が払い出されると、例えば所定の感知レバーが満タンスイッチ26を押圧してオンする。
また、球切れスイッチ27は、例えば遊技盤2の背面にて遊技球を払出モータ51が設置された払出装置へと誘導する誘導レールの下流に設置され、誘導レールの下流にてカーブ樋を介して連通された2列の球通路内における遊技球の有無を検出するためのものである。一例として、球切れスイッチ27は、球通路に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって係止され、球貸しの一単位の最大払出個数(例えば100円分に相当する25個)以上が確保されていることを確認可能にする。なお、誘導レールは、遊技盤2の背面上方にて補給球としての遊技球を貯留する貯留タンクからの遊技球を払出装置へと誘導するものであり、球通路の下部には、払出モータ51が設置された払出装置が固定されている。
エラー解除スイッチ73は、払出制御用マイクロコンピュータ150が所定のエラー状態に設定されているときに、ソフトウェアリセットによって、そのエラー状態を解除するためのスイッチである。エラー表示用LED74は、例えば7セグメントLEDにより構成され、払出制御用マイクロコンピュータ150にてセットされたエラーフラグなどに基づいて、各種のエラーに対応するエラーコードを表示するためのものである。
払出制御基板15は、例えば払出制御用マイクロコンピュータ150、スイッチ回路156などを備えて構成される。また、払出制御基板15には、主基板11との間にて双方向でシリアル通信を行うためのシリアル通信回路155(図10)なども搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、ROM151と、RAM152と、CPU153と、I/Oポート154とを含んでいる。図10に示すように、電源基板10から伝送された電源断信号は、所定のコネクタやI/Oポート154を介して、CPU153に入力される。また、電源断信号は、CPU153からI/Oポート154や所定のコネクタを介して、主基板11へと伝送される。主基板11へと伝送された電源断信号は、例えば所定のコネクタや遊技制御用マイクロコンピュータ110が備えるI/Oポート114などを介して、遊技制御用マイクロコンピュータ110内のCPU113に入力される。さらに、この実施の形態では、電源基板10から伝送されたクリア信号が、例えば所定のコネクタや遊技制御用マイクロコンピュータ110が備えるI/Oポート114などを介して、遊技制御用マイクロコンピュータ110内のCPU113に入力されている。また、クリア信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ110内のCPU113からI/Oポート114や所定のコネクタなどを介して、払出制御基板15へと伝送される。払出制御基板15へと伝送されたクリア信号は、所定のコネクタやI/Oポート154を介して、CPU153に入力される。
なお、電源基板10から払出制御基板15へと伝送された電源断信号は、払出制御用マイクロコンピュータ150に入力されるよりも前の段階で分岐された後、一方が払出制御用マイクロコンピュータ150に入力され、他方が所定の出力回路やコネクタなどを介して主基板11へと伝送されるようにしてもよい。また、電源基板10から主基板11へと伝送されたクリア信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ110に入力されるよりも前の段階で分岐された後、一方が遊技制御用マイクロコンピュータ110に入力され、他方が所定の出力回路やコネクタなどを介して払出制御基板15へと伝送されるようにしてもよい。
主基板11から払出制御基板15に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される払出制御コマンドである。また、払出制御基板15から主基板11に対しては、例えば電気信号としての賞球エラー通知コマンドなどが送信される。図11は、主基板11と払出制御基板15との間で送受信されるコマンドの構成例を示す説明図である。図11(A)に示すように、主基板11から払出制御基板15に対して送信される払出制御コマンドと、払出制御基板15から主基板11に対して送信される賞球エラー通知コマンドは、いずれも2バイト構成であり、1バイト目を反転させることで2バイト目となるように構成されている。そして、各バイトの先頭ビット(第7ビット[ビット7])をヘッダとして、そのヘッダを異ならせることにより、1バイト目と2バイト目の区別を可能にしている。例えば、1バイト目におけるヘッダは「0」の固定値に設定されている一方で、2バイト目におけるヘッダは「1」の固定値に設定されている。
主基板11から払出制御基板15に対して送信される払出制御コマンドには、払出用初期化コマンドと、払出数指定コマンドとが含まれている。払出用初期化コマンドは、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ110により所定の初期化処理(例えば図23に示すステップS18、S19)が実行された旨を通知するコマンドであり、例えば図11(B)に示すようなビット値(16進数表示ではCF30H)で構成されている。払出数指定コマンドは、払い出すべき賞球の数を指定するコマンドであり、例えば図11(C)に示すようなビット値で構成されている。ここで、払出数指定コマンドにおける1バイト目及び2バイト目の第0ビット[ビット0]〜第3ビット[ビット3]は、払い出すべき賞球の個数に応じて設定される値であればよい。図11(D)は、この実施の形態で用いられる払出数指定コマンドを16進数で示した説明図である。図11(D)に示すコマンドE11EHは、15個の賞球払出を指示する第1払出数指定コマンドである。コマンドE916Hは、7個の賞球払出を指示する第2払出数指定コマンドである。コマンドEC13Hは、4個の賞球払出を指示する第3払出数指定コマンドである。この実施の形態では、始動口スイッチ22で遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ25A〜25Dのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行い、カウントスイッチ24で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。
払出制御基板15の払出制御に応じて遊技球を払い出すための回転動作を行う払出モータ51は、例えば図12に示すような3つのケース91、92、93から構成された払出ケースの内部に設けられた払出装置に含まれている。ケース91、92の上部には、それぞれ球通路と連通する穴85、86が設けられており、遊技球は、この穴85、86から払出装置内へと流入する。また、払出モータ51の回転軸にはギア87が嵌合されており、払出ケースの内部には、ギア87と噛み合うギア88と、ギア88の中心軸に嵌合して球載置部を有するカム89と、カム89の下方における球通路90とが設けられている。例えば、穴85、86から流入した遊技球は、カム89の球載置部が1/3回転するごとに1個ずつ交互に球通路90を経て落下する。さらに、払出ケースの内部には、例えば発光素子(LED)と受光素子とから構成される払出モータ位置センサ71が設けられている。払出モータ位置センサ71は、払出モータ51の回転位置を検出するためのセンサであり、遊技球の詰まり、いわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出ケースの内部に設けられた球通路90の下部には、例えば近接スイッチによる払出カウントスイッチ72が配置されている。払出カウントスイッチ72は、球通路90から1個の遊技球が落下するごとにオンして、所定の検出信号を払出制御基板15に送信する。
図3に示す発射制御基板17は、払出制御基板15からの制御信号及び操作ノブ30の操作量に応じて、所定の発射装置による遊技球の発射動作を制御するためのものである。発射制御基板17には、払出制御基板15及び操作ノブ30からの配線が接続されるとともに、発射モータ61への配線が接続されている。発射制御基板17は、操作ノブ30の操作量に対応して発射モータ61の駆動力を調整する。発射モータ61は、例えば発射制御基板17により調整された駆動力により発射バネを弾性変形させ、発射バネの付勢力を打撃ハンマに伝達して遊技球を打撃することにより、遊技球を操作ノブ30の操作量に対応した速度で遊技領域に向けて発射させる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ110では、例えば所定の乱数回路などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データがカウントされる。具体的な一例として、CPU113は、遊技制御用マイクロコンピュータ110が備える乱数回路による乱数生成動作の設定を行い、数値データを所定の手順に従って定期的(または不定期)に更新させる。図13は、主基板11の側にてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図13に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、大当り判定用の乱数値MR1、リーチ判定用の乱数値MR2、可変表示パターン決定用の乱数値MR3、確変判定用の乱数値MR4、再抽選演出実行判定用の乱数値MR5、突然確変判定用の乱数値MR6を示す数値データを、カウント可能に制御する。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数が用いられてもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ110が備える乱数回路は、これらの乱数値MR1〜MR6の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、乱数回路とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によって、乱数値MR1〜MR6の全部または一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
大当り判定用の乱数値MR1は、大当りを発生させてパチンコ遊技機1を大当り遊技状態とするか否かの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「65535」の範囲の値をとる。すなわち、大当り判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける可変表示結果の種類を大当りとするかハズレとするかの判定を行うために用いられる。リーチ判定用の乱数値MR2は、特図ゲームにて確定特別図柄が大当り図柄とならない場合に、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後にハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示するのか、リーチとすることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示するのかを判定するために用いられる表示用の乱数値であり、例えば「0」〜「1530」の範囲の値をとる。可変表示パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間や画像表示装置5における飾り図柄の可変表示態様などを、予め用意された複数の可変表示パターンのいずれかに対応して決定するために用いられる表示用の乱数値であり、例えば「0」〜「108」の範囲の値をとる。
確変判定用の乱数値MR4は、特図ゲームにて大当りとする旨の判定がなされたときに、確変大当りとするか通常大当りとするかを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「9」の範囲の値をとる。再抽選演出実行判定用の乱数値MR5は、大当り終了後再抽選演出表示を実行するか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「99」の範囲の値をとる。突然確変判定用の乱数値MR6は、確変大当りとする旨の判定がなされたときに、突然確変大当りとするか否かを判定するために用いられる乱数値であり、例えば「0」〜「399」の範囲の値をとる。
遊技制御用マイクロコンピュータ110が備えるROM111には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルが格納されている。例えば、ROM111は、CPU113が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータを記憶する。判定テーブルとしては、特図ゲームにおける確定特別図柄を大当り図柄として可変表示結果を大当りとするか否かを判定するために参照される大当り判定テーブルや、大当りとするときに確変大当りとするか通常大当りとするかを判定するために参照される確変判定テーブル、ハズレとするときに飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かを判定するために参照されるリーチ判定テーブル、確変大当りとするときに突然確変大当りとするか否かを判定するために参照される突然確変判定テーブルなどが含まれている。
また、ROM101に記憶される決定テーブルには、特図ゲームでの可変表示結果として導出表示する確定特別図柄を決定するための確定特別図柄決定テーブル、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示中での図柄等の可変表示パターンを決定するための可変表示パターン決定テーブル、各種の演出表示を実行するか否かを決定するための演出表示実行決定テーブルなどが含まれている。
ROM101に記憶される可変表示パターン決定テーブルは、例えば各可変表示パターンと、可変表示パターン決定用の乱数値MR3とを対応付けることにより、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づいて可変表示パターンの選択を可能にする選択データなどから構成されていればよい。この実施の形態では、特別遊技状態や特定遊技状態以外の通常遊技状態において飾り図柄の可変表示態様がリーチとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとして、通常ハズレパターンが用意されている。また、飾り図柄の可変表示態様をリーチとした後に大当りとなることなくハズレ組合せの確定飾り図柄を導出表示するリーチハズレ用の可変表示パターンとして、リーチハズレパターンが複数種類用意されている。特図ゲームにて大当り図柄を確定特別図柄として導出表示するとともに大当り組合せの飾り図柄を導出表示する可変表示パターンとしては、大当りパターンが複数種類用意されている。可変表示パターン決定テーブルにて各可変表示パターンを示すデータは、例えば可変表示パターン決定テーブル内において、あるいは可変表示パターン決定テーブルとは異なる可変表示パターン設定用のテーブルなどにおいて、特別図柄の可変表示時間を示すデータや、第1及び第2可変表示開始コマンドにてEXTデータとして設定される制御データなどと、対応付けられている。
図14は、可変表示パターン設定用のテーブルの一例として、可変表示パターンテーブル160の構成例を示している。可変表示パターンテーブル160は、例えば複数種類の可変表示パターンと、特別図柄の可変表示時間(総変動時間)と、可変表示開始コマンドのEXTデータとして設定される制御データとを対応付ける設定データなどから構成されている。この実施の形態では、例えば大当りに対応する大当りパターンとして、リーチA大当り、リーチB大当りなどの可変表示パターンが用意されている。また、リーチA大当り、リーチB大当りなどの大当りパターンのそれぞれには、大当り開始前再抽選演出表示の実行を伴うものと、伴わないものとが用意されている。リーチハズレに対応するリーチハズレパターンとしては、リーチAハズレ、リーチBハズレなどの可変表示パターンが用意されている。通常ハズレに対応する通常ハズレパターンとしては、通常ハズレA、通常ハズレBなどの可変表示パターンが用意されている。可変表示パターンは可変表示開始コマンドによって指定されることから、演出制御基板12の側においては、可変表示開始コマンドにて指定された可変表示パターンにより、画像表示装置5での飾り図柄の可変表示結果をハズレとするか大当りとするか、ハズレの場合にリーチとするか否か、及び大当りの場合に大当り開始前再抽選演出表示を実行するか否か、を特定することができる。ここで、図14に示す通常ハズレBの可変表示パターン#2における特別図柄の可変表示時間T1は、通常ハズレAの可変表示パターン#1における特別図柄の可変表示時間T0に比べて短い時間となるように定められている。また、飾り図柄の可変表示時間(総変動時間)は、特別図柄の可変表示時間と同じ時間となっている。したがって、可変表示パターンを決定して特別図柄の可変表示時間を設定することにより、飾り図柄の可変表示時間も決定されることになる。
遊技制御用マイクロコンピュータ110が備えるRAM112には、パチンコ遊技機1における遊技状態などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図15に示すような遊技制御用データ保持エリア130が設けられている。また、RAM112の少なくとも一部は、電源基板10において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間は、RAM112の少なくとも一部の内容は保存される。この実施の形態では、RAM112の全体がバックアップされているバックアップRAMであるものとする。図15に示す遊技制御用データ保持エリア130は、特図保留記憶部131と、確定特別図柄記憶部132と、遊技制御フラグ設定部133と、遊技制御タイマ設定部134と、遊技制御カウンタ設定部135と、遊技制御バッファ設定部136とを備えている。
特図保留記憶部131は、普通可変入賞球装置6に遊技球が入賞して特別図柄表示装置4による特図ゲームを実行するための始動条件が成立したものの、従前の特図ゲームを実行中である等の理由のために可変表示を開始するための開始条件が成立していない特図ゲームに関する保留情報を記憶する。例えば、特図保留記憶部131は、普通可変入賞球装置6への入賞順に保留番号と関連付けて、その入賞による始動条件の成立に基づいてCPU113により乱数回路等から抽出された大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
確定特別図柄記憶部132は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて可変表示結果として導出表示される確定特別図柄を示すデータを記憶する。遊技制御フラグ設定部133は、パチンコ遊技機1における遊技状態やスイッチ回路116を介して各入賞口スイッチ等から伝送された信号などに応じて、各々セットあるいはクリアされる複数種類のフラグを設定するためのデータを記憶する。遊技制御タイマ設定部134は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のタイマ値を示すデータを記憶する。遊技制御カウンタ設定部135は、パチンコ遊技機1での遊技制御に用いられる複数種類のカウント値を示すデータを記憶する。なお、フラグ設定やカウンタ/タイマに用いる回路は、RAM112とは別に設けたレジスタ回路などによって構成してもよい。
遊技制御フラグ設定部133には、例えばクリアフラグや、メインバックアップフラグ、特別図柄プロセスフラグ、賞球プロセスフラグ、大当りフラグ、確変確定フラグ、突然確変フラグ、確変中フラグ、時短中フラグ、再送信フラグ、払出異常検出フラグ、払出異常報知フラグなどが設けられている。クリアフラグは、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに電源基板10が備えるクリアスイッチ304からのクリア信号がオン状態となっているか否かを指示する。すなわち、電力供給の開始時にクリア信号がオン状態であればクリアフラグがオン状態にセットされる一方、クリア信号がオフ状態であればクリアフラグはオフ状態に保持される。メインバックアップフラグは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ110により所定の記憶保護処理が実行されたか否かを示す。例えば、メインバックアップフラグの値として「55H」が設定されているときにはバックアップあり(オン状態)を示す一方、「55H」以外の値が設定されているときにはバックアップなし(オフ状態)を示している。
特別図柄プロセスフラグは、特別図柄表示装置4に対応して実行される特別図柄プロセス処理(図25のステップS47、及び図31)において、どの処理を選択・実行すべきかを示す。賞球プロセスフラグは、賞球個数の設定などを行う賞球処理(図25のステップS44、及び図26(A))において、どの処理を選択・実行すべきかを示す。大当りフラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するときに、その特図ゲームにおける可変表示結果が大当りとなる旨の判定がなされると、オン状態にセットされる。その後、特図ゲームにて大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が終了するときには、大当りフラグはクリアされてオフ状態となる。
確変確定フラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するときに、可変表示結果の種類を確変大当りにする旨の決定がなされると、オン状態にセットされる。その後、大当り遊技状態が終了するときには、確変確定フラグはクリアされてオフ状態になる。突然確変フラグは、特別図柄表示装置4による特図ゲームを開始するときに、可変表示結果の種類を突然確変大当りにする旨の決定がなされると、オン状態にセットされる。その後、大当り遊技状態が終了するときには、突然確変フラグはクリアされてオフ状態になる。確変中フラグは、大当り遊技状態が終了するときに確変確定フラグや突然確変フラグがオンとなっていることに対応して、オン状態にセットされる。他方、確変中フラグは、例えば高確率状態における特図ゲームの実行回数が所定の確変終了基準値に達したときや、大当り遊技状態が終了するときに確変確定フラグ及び突然確変フラグのいずれもオフとなっているときなどに、クリアされてオフ状態となる。時短中フラグは、大当り遊技状態を終了するときに確変確定フラグ及び突然確変フラグの双方がオフとなっていることなどに対応して、オン状態にセットされる。他方、時短中フラグは、例えば時間短縮状態における特図ゲームの実行回数が所定の時短終了基準値に達したときや、大当り遊技状態が終了するときに確変確定フラグ及び突然確変フラグのいずれかがオンとなっているときなどに、クリアされてオフ状態となる。
再送信フラグは、払出制御基板15に対して払出制御コマンドを送信するための設定を行った後、払出制御基板15からの賞球ACK信号がオン状態とならずに所定の賞球待ち時間が経過したときに、オン状態にセットされる。他方、再送信フラグは、賞球待ち時間が経過する前に賞球ACK信号がオン状態となったときに、クリアされてオフ状態となる。払出異常検出フラグは、払出制御基板15から送信された賞球エラー通知コマンドなどのコマンドを正しく受信できなかったときに、オン状態にセットされる。払出異常報知フラグは、再送信フラグや払出異常検出フラグがオン状態となったことに応じて、画像表示装置5における表示により払出異常が発生した旨の報知が開始されるときに、オン状態にセットされる。
遊技制御タイマ設定部134には、例えば賞球待ち時間タイマや、ACK出力時間タイマ、可変表示時間タイマなどが設けられている。賞球待ち時間タイマは、主基板11から払出制御基板15に対して払出制御コマンドを送信した後、払出制御基板15からの賞球ACK信号を受信するまでの待機時間である賞球待ち時間を計測するためのものである。ACK出力時間タイマは、払出制御基板15から送信された賞球エラー通知コマンドなどの各種コマンドを受信したときに、払出制御基板15に対してメインACK信号を出力する出力時間を計測するためのものである。可変表示時間タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(総変動時間)を計測するためのものである。
遊技制御カウンタ設定部135には、例えばウェイトカウンタや、総賞球数カウンタ、第1〜第3払出数指示カウンタ、コマンド送信回数カウンタなどが設けられている。また、遊技制御カウンタ設定部135には、高確率状態や時間短縮状態における特図ゲームの実行回数をカウントするための可変表示回数カウンタなどが設けられていてもよい。
ウェイトカウンタは、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されて遊技制御用マイクロコンピュータ110による遊技制御処理(遊技の進行を制御するための処理)の実行が可能な状態となったときに、遊技制御処理の実行を開始するタイミングを遅延させるために用いられる。例えば、ウェイトカウンタには、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されて遊技制御用マイクロコンピュータ110が起動したときに、所定の遅延時間に対応した初期化ウェイト回数指定値がセットされる。その後、ウェイトカウンタの値であるウェイトカウント値を順次に減算するなどの更新処理が行われ、その値が所定の遅延終了判定値に達したときに、遊技制御処理の実行が開始される。
総賞球数カウンタは、各入賞口スイッチで遊技球が検出されたことに基づき払い出すべき賞球のうちで、主基板11から払出制御基板15に対して払い出しの指示が未だ完了していない賞球の総数をカウントするためのものである。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ110においてカウントスイッチ24からの入賞検出信号がオン状態であると判定されたときには、総賞球数カウンタの値である総賞球数カウント値が15加算される。また、入賞口スイッチ25A〜25Dのいずれかからの入賞検出信号がオン状態であると判定されたときには、総賞球数カウント値が7加算され、始動口スイッチ22からの入賞検出信号がオン状態であると判定されたときには、総賞球数カウント値が4加算される。他方、例えば主基板11から払出制御基板15に対して第1払出数指定コマンドが送信された後に遊技制御用マイクロコンピュータ110において払出制御基板15から送信される賞球ACK信号がオン状態となった旨の判定がなされたときには、総賞球数カウント値が15減算される。また、例えば主基板11から払出制御基板15に対して第2払出数指定コマンドが送信された後に賞球ACK信号がオン状態となった旨の判定がなされたときには、総賞球数カウント値が7減算され、例えば第3払出数指定コマンドが送信された後に賞球ACK信号がオン状態となった旨の判定がなされたときには、総賞球数カウント値が4減算される。なお、総賞球数カウント値を減算するタイミングは、主基板11から払出制御基板15に対して第1〜第3払出数指定コマンドのいずれかを送信した後に賞球ACK信号がオン状態となった旨の判定がなされたときに限られず、第1〜第3払出数指定コマンドを送信するための設定を行う前の段階であってもよい。
第1〜第3払出数指示カウンタは、各入賞口スイッチで遊技球が検出されたことに基づいて、主基板11から払出制御基板15に対して第1〜第3払出数指定コマンドのそれぞれを送信すべき回数をカウントするためのものである。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ110においてカウントスイッチ24からの入賞検出信号がオン状態であると判定されたときには、第1払出数指示カウンタの値である第1払出数指示カウント値が1加算される。また、入賞口スイッチ25A〜25Dのいずれかからの入賞検出信号がオン状態であると判定されたときには、第2払出数指示カウンタの値である第2払出数指示カウント値が1加算され、始動口スイッチ22からの入賞検出信号がオン状態であると判定されたときには、第3払出数指示カウンタの値である第3払出数指示カウント値が1加算される。他方、例えば主基板11から払出制御基板15に対して第1払出数指定コマンドが送信された後に遊技制御用マイクロコンピュータ110において賞球ACK信号がオン状態となった旨の判定がなされたときには、第1払出数指示カウント値が1減算される。また、例えば主基板11から払出制御基板15に対して第2払出数指定コマンドが送信された後に賞球ACK信号がオン状態となった旨の判定がなされたときには、第2払出数指示カウント値が1減算され、例えば主基板11から払出制御基板15に対して第3払出数指定コマンドが送信された後に賞球ACK信号がオン状態となった旨の判定がなされたときには、第3払出数指示カウント値が1減算される。なお、第1〜第3払出数指示カウント値のそれぞれを加算するタイミングは、例えば主基板11から払出制御基板15に対して第1〜第3払出数指定コマンドのそれぞれを送信した後であって、賞球ACK信号がオン状態となる前の段階であってもよい。
コマンド送信回数カウンタは、払出制御基板15に対して第1〜第3払出数指定コマンドのいずれかを送信した回数をカウントし、全入賞球検出スイッチ29からの検出信号に応じて検出された遊技球の個数との差を、入賞個数差として特定するためのものである。例えば、コマンド送信回数カウンタには、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、所定のカウント初期値(例えば「200」)が設定される。そして、主基板11から払出制御基板15に対して第1〜第3払出数指定コマンドのいずれかが送信されるときに、コマンド送信回数カウンタの値であるコマンド送信回数カウント値が1加算される一方、全入賞球検出スイッチ29からの検出信号がオン状態となったときには、コマンド送信回数カウント値が1減算される。
遊技制御バッファ設定部136には、例えばメインチェックサムバッファや、コマンド受信バッファなどが設けられている。メインチェックサムバッファは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときにRAM112の特定領域における記憶データを用いて算出されたチェックサムを保存するためのものである。コマンド受信バッファは、払出制御基板15からの受信コマンドにおける1バイト目を示す受信データを一時的に格納するために用いられる。
図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ110が備えるI/Oポート114に含まれる入力ポートにおけるビット割当ての一例を示す説明図である。図16に示すように、入力ポート#0のビット0〜3には、それぞれ、主基板11に搭載されたシリアル通信回路115からの送信許可信号、送信中信号、受信データ未処理信号、受信エラー信号が入力される。入力ポート#1は、払出制御基板15との間でのシリアル通信によって受信される賞球エラー通知コマンドなどを示す8ビットのデータ(払出シリアル通信入力データ)の入力ポートである。入力ポート#2のビット0〜7には、それぞれ、V入賞スイッチ23、カウントスイッチ24、ゲートスイッチ21、入賞口スイッチ25A〜25D、始動口スイッチ22からの検出信号が入力される。また、入力ポート#3のビット1〜3には、それぞれ、払出制御基板15からの電源断信号、全入賞球検出スイッチ29からの検出信号、電源基板10からのクリア信号が入力される。さらに、入力ポート#3のビット7には、払出制御基板15からの賞球ACK信号が入力される。
図17は、遊技制御用マイクロコンピュータ110が備えるI/Oポート114に含まれる出力ポートにおけるビット割当ての一例を示す説明図である。図17に示すように、出力ポート#0からは、特別可変入賞球装置7において大入賞口を開閉するためのソレノイド82、普通可変入賞球装置6において可動翼片を傾動させるためのソレノイド81に対する駆動信号が出力される。また、出力ポート#0からは、払出制御基板15に対するメインACK信号や、クリア信号、あるいは演出制御基板12に対する演出制御INT信号も出力される。演出制御INT信号は、演出制御コマンドを構成する8ビットのデータを取り込む(受信する)ことを演出制御基板12に対して指令するための取込信号である。さらに、出力ポート#0からは、主基板11に搭載されたシリアル通信回路115に対する受信レジスタ・受信フラグクリア、シリアル送受信リセットの指示データも出力される。出力ポート#1は、払出制御基板15との間でのシリアル通信によって送信される払出制御コマンドを示す8ビットのデータ(払出シリアル通信出力データ)の出力ポートである。出力ポート#2は、演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドを示す8ビットのデータ(演出制御出力データ)の出力ポートである。
演出制御基板12は、例えば図18に示すように、ボックス状主体190とカバー体210とを備えて構成される演出制御基板ボックスに収容される。ボックス状主体190は、回路基板としての演出制御基板12の裏面を被覆して、演出制御基板12を支持する主体となる。カバー体210は、ボックス状主体190に被覆支持される演出制御基板12の電子部品実装領域(表面)を少なくとも被覆する蓋体となる。例えば、ボックス状主体190とカバー体210は、全て内部が視認し得る非導電性の透明合成樹脂で形成されていればよい。
ボックス状主体190が備える被覆板191の内側四隅には、演出制御基板12を止着支持するための位置決め突起192と取付ボス193とが突設されている。位置決め突起192は、被覆板191における一方の対角線端部に突設され、取付ボス193は、他方の対角線端部に突設され、その中心に取付穴が形成されている。これにより、位置決め突起192には、演出制御基板12の一方の対角隅角部に形成される位置決め穴240が嵌合され、取付ボス193には、演出制御基板12の他方の対角隅角部に形成される取付穴241が対応して基板取付用導電ネジ242によって止着されるようになっている。被覆板191の内周には、演出制御基板12の裏面(ハンダ面)を支持する支持突起194が適宜間隔をおいて複数形成されている。
ボックス状主体190の側壁角部には、突出片部208が突設されている。突出片部208には、カバー体210の係合突片217と嵌合する係合段差溝195が形成されている。係合段差溝195は、クランク状に形成された第1段差溝195aと第2段差溝195bとにより係合部を構成し、カバー体210の係合突片217を第1段差溝195aに落とし入れた後にスライドさせて第2段差溝195bに係合突片217を落とし入れることにより、ボックス状主体190とカバー体210とを係合することができる。
ボックス状主体190の側壁外側には、複数の取付片部196a〜199a、196b〜199bが突設形成されている。各取付片部196a〜199a、196b〜199bには、カバー体210と分離できないようにワンウェイネジ227で止着するための止着穴が形成されている。
カバー体210は、例えばボックス状に形成され、放熱穴214が形成された基板被覆面や壁面211などを備えている。ここで、壁面211の端部には、開口としてのコネクタ貫通穴213が複数形成されたパターン被覆板212が外側に向かって突設されている。コネクタ貫通穴213は、演出制御基板12に実装されるコネクタ12a〜12iのみが貫通する。そして、コネクタ12a〜12i周辺の配線パターンは、パターン被覆板212により完全に覆われている。このような構成により、コネクタ12a〜12i周辺の配線パターンに不正な配線のハンダ付け等を行うことを防止することができるとともに、演出制御基板12とカバー体210との間から配線を含む異物を挿入することを不可能にして、演出制御基板12に対する不正な行為が行えないようになっている。
カバー体210における上下左右の対角位置には、係合部として、第1突片217aと第2突片217bとから構成されたL字状の係合突片217が突設されている。各係合突片217は、ボックス状主体190の係合段差溝195に落とし入れられるようになっている。例えば、係合突片217が備える第1突片217aを係合段差溝195が備える第1段差溝195aに落とし入れてから、カバー体210をボックス状主体190に対してスライドさせた後、第1突片217aを第2段差溝195bに落とし入れることで、カバー体210をボックス状主体190に取り付けることができるように構成されていればよい。
係合突片217の間には、固着部として、複数(例えば4つ)の固定片部218a〜221a、218b〜221bが突設形成されている。この固定片部218a〜221a、218b〜221bは、ボックス状主体190とカバー体210とを分離できないようにワンウェイネジ227を挿通するための挿通穴を有している。各固定片部218a〜221a、218b〜221bが有する挿通穴は、ボックス状主体190の各取付片部196a〜199a、196b〜199bに形成された止着穴に対応している。
ワンウェイネジ227は、ネジ締め方向にしか回らない特殊なネジであり、一旦締め付けるとネジを破壊しない限り取り外すことができないものである。具体的には、図19(A)及び(B)に示すように、その頭部229に形成されたネジ溝が当接面部230と凹部231と中心穴部232とから構成されている。そして、図19(C)及び(D)に示す特殊マイナスドライバー233でネジ締めを行う場合には、ドライバー233の中心軸部234を中心穴部232に差し込み、この状態からドライバー233の当接片部235を当接面部230に当接させて一方向(図19(A)の時計回り方向)に頭部229を回転させることでネジ締めを行う。これに対して、ドライバー233で頭部229を他方向(図19(A)の反時計回り方向)に回転させてワンウェイネジ227を取り外そうとした場合には、ドライバー233が凹部231に入り込んで滑ることから、頭部229を回転させることができず、ワンウェイネジ227を取り外すことができない。そのため、ボックス状主体190とカバー体210とを取り外すためには、例えば取付片部196a〜199a、196b〜199bと固定片部218a〜221a、218b〜221bとをニッパ等の工具で切断するなどして一部を破壊しなければならず、一部を破壊しなければ固着状態を解除することはできない。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるROM151には、払出制御用のプログラムが記憶されている。払出制御用マイクロコンピュータ150では、例えばCPU153がROM151に記憶されている払出制御用のプログラムを読み出し、主基板11から送信された払出制御コマンドやカードユニット70との通信結果などに基づいて各種の処理を実行することにより、遊技球の払出動作を制御する。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるRAM152には、遊技球の払出動作などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図20に示すような払出制御用データ保持エリア140が設けられている。また、RAM152の少なくとも一部は、電源基板10において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定時間は、RAM152の少なくとも一部の内容は保存される。この実施の形態では、RAM152の全体がバックアップされているバックアップRAMであるものとする。図20に示す払出制御用データ保持エリア140は、払出制御フラグ設定部141と、払出制御タイマ設定部142と、払出制御カウンタ設定部143と、払出制御バッファ設定部144とを備えている。
払出制御フラグ設定部141には、例えば払出バックアップフラグや、払出制御プロセスフラグ、賞球払出動作プロセスフラグ、球貸し動作プロセスフラグ、シリアル送信プロセスフラグ、エラーフラグなどが設けられている。払出バックアップフラグは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されたときに払出制御用マイクロコンピュータ150により所定の記憶保護処理が実行されたか否かを示す。払出制御プロセスフラグは、払出モータ51による遊技球の払出動作を制御するための払出動作制御処理(図32のステップS92、及び図36)において、どの処理を選択・実行すべきかを示す。賞球払出動作プロセスフラグは、払出モータ51を駆動して賞球となる遊技球を払い出すために実行される賞球払出動作処理(図36のステップS442、及び図39)において、どの処理を選択・実行すべきかを示す。球貸し動作プロセスフラグは、払出モータ51を駆動して貸し球となる遊技球を払い出すために実行される球貸し払出動作処理(図36のステップS433、及び図42)において、どの処理を選択・実行すべきかを示す。シリアル送信プロセスフラグは、払出制御基板15から主基板11に対して賞球エラー通知コマンドなどを送信するために実行される払出側送信処理(図32のステップS94、及び図46)において、どの処理を選択・実行すべきかを示す。
払出制御フラグ設定部141に設けられたエラーフラグは、払出モータ51を駆動することによる遊技球の払出動作状態や、主基板11との間におけるコマンドの送受信状態などに基づき、所定のエラー発生が検出されたときにオン状態にセットされる複数種類のフラグを含んで構成されている。例えば、エラーフラグは、主制御通信エラーフラグ、多量未払出エラーフラグ、球切れエラーフラグ、カードユニット未接続エラーフラグ、球詰まりエラーフラグ、満タンエラーフラグ、球噛みエラーフラグ、空切り(奥)エラーフラグ、空切り(手前)エラーフラグ、払出側送信エラーフラグなどを含んでいる。
ここで、主制御通信エラーフラグは、主基板11との間における通信状態にエラーが発生したときに、オン状態にセットされる。多量未払出エラーフラグは、主基板11からの払出数指定コマンドにより払い出しが指示された後に未だ払い出されていない未払出の賞球数が所定個数を超えたときに、オン状態にセットされる。球切れエラーフラグは、球切れスイッチ27からの検出信号がオン状態となったことに応じて、オン状態にセットされる。カードユニット未接続エラーフラグは、カードユニット70との間における通信状態にエラーが発生したときに、オン状態にセットされる。球詰まりエラーフラグは、例えば払出カウントスイッチ72からの検出信号が所定時間(具体的な一例として、0.5秒)以上継続してオン状態となったことに応じて、オン状態にセットされる。満タンエラーフラグは、例えば満タンスイッチ71からの検出信号が所定期間以上(具体的な一例として、0.1秒)以上継続してオン状態となったことに応じて、オン状態にセットされる。球噛みエラーフラグは、例えば払出モータ51を駆動したときに払出モータ位置センサ71が所定時間以上継続してオン状態またはオフ状態であることに応じて、オン状態にセットされる。空切り(奥)エラーフラグは、例えば払出モータ51を駆動したときに、図12に示すような払出装置における球通路90の奥側(穴85から流入した遊技球の通路)での遊技球の通過が払出カウントスイッチ72により検出できなかったことに応じて、オン状態にセットされる。空切り(手前)エラーフラグは、例えば払出モータ51を駆動したときに、図12に示すような払出装置における球通路90の手前側(穴86から流入した遊技球の通路)での遊技球の通過が払出カウントスイッチ72により検出できなかったことに応じて、オン状態にセットされる。払出側送信エラーフラグは、主基板11に対して賞球エラー通知コマンドを送信するための設定を行った後、主基板11からのメインACK信号がオン状態とならずに所定の送信終了待ち時間が経過したときに、オン状態にセットされる。
払出制御タイマ設定部142には、例えば賞球ACK出力時間タイマなどが設けられている。賞球ACK出力時間タイマは、主基板11から送信された払出制御コマンドを受信したときに、主基板11に対して賞球ACK信号を出力する出力時間を計測するためのものである。
払出制御カウンタ設定部143には、例えば賞球未払出カウンタや、球貸し未払出カウンタ、初期化コマンド受信回数カウンタ、払出個数カウンタ、払出動作不良回数カウンタ、払出モータ回転カウンタなどが設けられている。賞球未払出カウンタは、主基板11から送信される第1〜第3払出数指定コマンドに基づき、賞球として払い出すべき遊技球の個数を、賞球未払出カウント値として更新可能に記憶することにより、カウントするためのものである。球貸し未払出カウンタは、カードユニット70からの球貸し要求に基づき、貸し球として払い出すべき遊技球の個数を、球貸し未払出カウント値として更新可能に記憶することにより、カウントするためのものである。初期化コマンド受信回数カウンタは、主基板11からの払出用初期化コマンドを受信した回数を、初期化コマンド受信回数カウント値として更新可能に記憶することにより、カウントするためのものである。払出個数カウンタは、払出モータ51を駆動することによって払出カウントスイッチ72により検出された遊技球の個数を、払出個数カウント値として更新可能に記憶することにより、カウントするためのものである。払出動作不良回数カウンタは、遊技球を払い出すために払出モータ51を駆動したときに払出動作の不良が検出された回数を、払出動作不良回数カウント値として更新可能に記憶することにより、カウントするためのものである。払出モータ回転カウンタは、賞球または貸し球として払い出すべき遊技球の個数に応じた払出モータ回転カウント値を更新可能に記憶して、払出モータ51の駆動量(回転量)を設定するために用いられる。
払出制御バッファ設定部144には、例えば払出チェックサムバッファや、第1及び第2コマンド受信バッファなどが設けられている。払出チェックサムバッファは、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されたときにRAM152の特定領域における記憶データを用いて算出されたチェックサムを保存するためのものである。第1及び第2コマンド受信バッファは、主基板11からの払出制御コマンドを一時的に格納するために用いられ、第1コマンド受信バッファには受信コマンドにおける1バイト目を示す受信データを、第2コマンド受信バッファには受信コマンドにおける2バイト目を示す受信データを、それぞれ格納することができる。
図21は、払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるI/Oポート154に含まれる入力ポートにおけるビット割当ての一例を示す説明図である。図21に示すように、入力ポート#0のビット0〜3には、それぞれ、払出制御基板15に搭載されたシリアル通信回路155からの送信許可信号、送信中信号、受信データ未処理信号、受信エラー信号が入力される。入力ポート#1は、主基板11との間でのシリアル通信によって受信される払出制御コマンドなどを示す8ビットのデータ(シリアル通信入力データ)の入力ポートである。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ110の出力ポート#1から出力される払出シリアル通信出力データが、払出制御用マイクロコンピュータ150の入力ポート#1に入力されるシリアル通信入力データとなる。入力ポート#2のビット0〜2には、それぞれ、カードユニット70からのBRQ信号、BRDY信号、CR接続確認信号が入力される。なお、BRDY信号は、球貸し操作に応じてカードユニット70から出力されるユニット操作信号であり、BRQ信号は、BRDY信号が出力されてから所定の遅延時間が経過するとカードユニット70から出力される球貸し要求信号である。また、入力ポート#2には、払出カウントスイッチ72、払出モータ位置センサ71からの検出信号が入力される。入力ポート#3のビット0〜2には、それぞれ、球切れスイッチ27、満タンスイッチ26、及び図示せぬ球抜きスイッチからの検出信号が入力される。また、入力ポート#3には、主基板11からのクリア信号、エラー解除スイッチ73からの検出信号、電源基板10からの電源断信号、主基板11からのメインACK信号が入力される。
図22は、払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるI/Oポート154に含まれる出力ポートにおけるビット割当ての一例を示す説明図である。出力ポート#0は、払出モータ51に供給される各相の信号(払出モータφ0〜φ3)の出力ポートである。例えば、払出モータφ0〜φ3の出力信号は、ステッピングモータである払出モータ51の励磁パターンを示す信号である。出力ポート#1からは、カードユニット70に対するEXS信号、PRDY信号と、パチンコ遊技機1の外部に送信される賞球情報、賞球中信号と、主基板11に対する賞球ACK信号が出力される。なお、PRDY信号は、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに出力されるパチンコ機動作信号であり、EXS信号は、カードユニット70からBRQ信号を受信したときにオン状態となる一方で球貸しとして遊技球の払出動作が完了したときにオフ状態となることでカードユニット70に対して球貸しが完了したことを通知する球貸し完了信号である。また、出力ポート#1からは、払出制御基板15に搭載されたWDT(ウォッチドッグタイマ)に対するWDTクリアや、払出制御基板15に搭載されたシリアル通信回路155に対する受信レジスタ・受信フラグクリア、シリアル送受信リセットの指示データも出力される。出力ポート#2は、主基板11との間でのシリアル通信によって送信される賞球エラー通知コマンドなどを示す8ビットのデータ(シリアル通信出力データ)の出力ポートである。なお、シリアル通信出力データは、遊技制御用マイクロコンピュータ110の入力ポート#1に入力される払出シリアル通信入力データとなる。出力ポート#3は、7セグメントLEDによるエラー表示用LED74の各セグメントに対する駆動信号の出力ポートである。その他、I/Oポート154に含まれる出力ポートからは、発射制御基板17に対する発射制御信号や、パチンコ遊技機1の外部に送信される球貸し情報及び球切れ情報などが出力されてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、電源基板10からの電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ110へのリセット信号がハイレベル(オフ状態)になったことに応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ110が起動し、図23のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理が実行される。図23に示す遊技制御メイン処理を開始すると、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、まず、割込モードの設定を行う(ステップS1)。例えば、ステップS1では、割込禁止に設定した後、遊技制御用マイクロコンピュータ110の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビットは「0」)とを合成することにより割込アドレスが生成されるマスク可能割込の割込モードが設定される。この後にマスク可能な割込みが発生したときには、遊技制御用マイクロコンピュータ110が自動的に割込禁止状態となる設定を行うとともに、プログラムカウンタの内容がスタックにセーブされればよい。
続いて、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS2)。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ110がCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)を内蔵している場合には、ステップS2の処理が実行されることにより、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)としてのCTCやPIOの設定(初期化)などが行われるとよい。
ステップS2の処理を実行した後には、例えばI/Oポート114に含まれる入力ポート#3におけるビット1の状態をチェックすることなどにより、電源断信号がオフ状態となっているか否かを判定する(ステップS3)。パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときには、VCCなどの各種電源電圧が徐々に上昇して規定値に達する。ステップS3の処理では、電源断信号が出力されていないオフ状態(ハイレベル)となっていることを確認する。ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、I/Oポート114に含まれる入力ポート#3を介して1回だけ電源断信号の状態を確認するようにしてもよいが、電源断信号の状態を複数回確認するようにしてもよい。例えば、電源断信号がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、電源断信号をもう1回確認する。このとき、電源断信号がオフ状態であれば、電源断信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときに電源断信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、電源断信号の状態を再び確認するようにしてもよい。なお、電源断信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
ステップS3にて電源断信号がオン状態であるときには(ステップS3;No)、所定時間(例えば0.1秒)が経過するまで待機した後(ステップS4)、ステップS3の処理にリターンして、電源断信号がオフ状態となっているか否かの判定を再び行うようにする。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、電源電圧が安定したことを確認することができる。そして、ステップS3にて電源断信号がオフ状態であるときには(ステップS3;Yes)、例えばI/Oポート114に含まれる入力ポート#3におけるビット3の状態をチェックすることなどにより、クリア信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS5)。このとき、クリア信号がオン状態であれば(ステップS5;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部133に設けられたクリアフラグをオン状態にセットする(ステップS6)。他方、クリア信号がオフ状態であるときには(ステップS5;No)、ステップS6の処理をスキップして、クリアフラグをオフ状態のままとする。
ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、I/Oポート114に含まれる入力ポート#3を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、クリア信号の状態を複数回確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを1回確認したら、所定時間(例えば0.1秒)が経過した後に、クリア信号の状態をもう1回確認する。このとき、クリア信号がオフ状態であれば、クリア信号がオフ状態である旨の判定を行うようにする。他方、このときにクリア信号の状態がオン状態であれば、所定時間が経過した後に、クリア信号の状態を再び確認するようにしてもよい。なお、クリア信号の状態を再確認する回数は1回であってもよいし、複数回であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときに、もう一度確認するようにしてもよい。
その後、遊技の進行を制御するための遊技制御処理の開始タイミングをソフトウェアの実行により遅延させる遅延処理の設定を行う(ステップS7)。具体的な一例として、遊技制御カウンタ設定部135に設けられたウェイトカウンタに、初期化ウェイト回数指定値をセットする。続いて、ステップS7での設定に基づく遅延処理を開始して、例えばウェイトカウンタにおけるカウント値を1減算するなど、遅延処理の実行に関わる設定の更新を行う(ステップS8)。そして、例えばウェイトカウンタにおけるカウント値が所定の遅延終了判定値に達したか否かを判定することなどにより、所定の遅延時間が経過したか否かを判定する(ステップS9)。ここで、遅延終了判定値を示すデータは、ROM111に予め記憶されていればよい。例えば、遅延終了判定値は、遊技制御処理が実行可能状態となったときから、少なくとも払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150による払出制御用の各種処理が実行開始されるまでの時間に比べて遅延時間の方が長くなるように、予め定められた基準値であればよい。
ステップS9にて遅延時間が経過していないときには(ステップS9;No)、ステップS8の処理にリターンし、遅延時間が経過しているときには(ステップS9;Yes)、RAM112をアクセス可能に設定する(ステップS10)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS11)。続いて、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、クリアフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS12)。クリアフラグがオフであるときには(ステップS12;No)、RAM112のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の処理では、例えばRAM112の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムとメインチェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、メインチェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。そして、比較結果が不一致であれば、RAM112の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
ステップS13におけるチェック結果が正常であるときには(ステップS13;Yes)、遊技制御フラグ設定部133に設けられたメインバックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS14)。メインバックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、遊技制御フラグ設定部133に設定される。そして、このメインバックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、メインバックアップフラグの状態は保存されることになる。ステップS14では、例えばメインバックアップフラグの値として「55H」が遊技制御フラグ設定部133に設定されていれば、バックアップあり(オン状態)であると判断される。これに対して、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)であると判断される。
ステップS14にてメインバックアップフラグがオンであるときには(ステップS14;Yes)、メインバックアップフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS15)、遊技制御用マイクロコンピュータ110の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行う(ステップS16)。具体的な一例として、ステップS16の処理では、ROM111に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次に、RAM112内の作業領域に設定する。ここで、RAM112の作業領域はバックアップ電源によってバックアップされており、バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうちで初期化してもよい領域についての初期化データが設定されていればよい。ステップS16の処理を実行したときには、演出制御基板12に対して復旧報知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS17)。具体的な一例として、ステップS17の処理では、ROM111に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時コマンド送信テーブルの内容に基づいて、コマンド送信用の制御データを、I/Oポート114内の出力ポート#2に設定する。
また、ステップS12にてクリアフラグがオンであるときや(ステップS12;Yes)、ステップS13にてチェック結果が正常ではないとき(ステップS13;No)、あるいはステップS14にてメインバックアップフラグがオフであるときには(ステップS14;No)、RAM112の初期化を行う(ステップS18)。なお、ステップS18の処理では、RAM112の全領域までは初期化せずに、例えば大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データの生成を行うカウンタのカウント値データのような、所定のデータをそのまま保持させるようにしてもよい。これにより、不正な手段によってRAM112の初期化が実行される状態になったとしても、大当り判定用の乱数値MR1を生成するためのカウンタのカウント値が大当り判定用の判定値データに合致するタイミングを狙うことは、困難になる。ステップS18の処理に続いて、遊技制御用マイクロコンピュータ110の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定を行う(ステップS19)。具体的な一例として、ステップS19の処理では、ROM111に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次、RAM112内の作業領域に設定する。また、ステップS19の処理では、遊技制御カウンタ設定部135に設けられたコマンド送信回数カウンタに、所定のカウント初期値(例えば「200」)を設定する。ステップS18、S19の処理を実行したときには、演出制御基板12に対して初期化通知コマンドを送信するための設定と(ステップS20)、払出制御基板15に対して払出用初期化コマンドを送信するための設定とを行う(ステップS21)。具体的な一例として、ステップS20、S21の処理では、ROM111に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時コマンド送信テーブルの内容に基づいて、コマンド送信用の制御データを順次に、I/Oポート114内の出力ポート#2と出力ポート#1とに設定する。
ステップS17またはステップS21の処理を実行した後には、例えばCTCが備えるレジスタの設定を行うことなどにより、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにタイマ割込みが発生するように遊技制御用マイクロコンピュータ110の内部設定を行う(ステップS22)。この後、遊技制御用マイクロコンピュータ110は割込許可状態に設定して(ステップS23)、タイマ割込みの発生を待機する。このときには、電源断信号がオン状態になったか否か(出力されたか否か)の判定を行い(ステップS24)、オフであれば(ステップS24;No)、例えば図13に示す乱数値MR1〜MR6などといった、主基板11の側でカウントされる各種の乱数値を更新するための乱数更新処理を実行する(ステップS25)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ110に内蔵された乱数回路によって生成されたハードウェア乱数としての乱数のみが使用され、なおかつ、乱数回路がCPU113からの指令によることなく乱数値となる数値データを更新可能である場合には、ステップS25の処理が実行されなくてもよい。また、ステップS24にて電源断信号がオンとなった旨の判定がなされたときには(ステップS24;Yes)、メイン側電源断処理を実行した後(ステップS26)、所定のループ処理を実行して、電力供給の停止による遊技制御用マイクロコンピュータ110の動作停止まで待機する。
図24は、ステップS26にて実行されるメイン側電源断処理の一例を示すフローチャートである。図24に示すメイン側電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、まず、割込禁止に設定する(ステップS101)。続いて、例えばI/Oポート114に含まれる出力ポート#0のビット0及びビット1にクリアデータをセットするなどして、ソレノイド81、82の駆動制御に関する設定を初期化する(ステップS102)。このときには、出力ポート#0のビット0及びビット1以外にも、クリアすべき出力ポートにはクリアデータを設定するようにしてもよい。ステップS102の処理を実行した後には、例えばRAM112の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出するなど、チェックデータの作成を行うとともに(ステップS103)、遊技制御フラグ設定部133に設けられたメインバックアップフラグをオン状態にセットする(ステップS104)。このとき作成されたチェックデータは、例えば遊技制御バッファ設定部136に設けられたメインチェックサムバッファなどといった、RAM112の所定領域に格納される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、例えば所定のRAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定することなどにより、以後、RAM112へのアクセスを禁止する(ステップS105)。これにより、電力供給の停止に伴ってプログラムの暴走が生じても、RAM112の記憶内容が破損することを防止できる。こうしたメイン側電源断処理が実行された後には、待機状態(ループ処理)に入ることになる。
図25は、遊技制御用マイクロコンピュータ110にてタイマ割込みが発生するごとに実行される遊技制御割込処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、タイマ割込みの発生に応答して、遊技制御メイン処理とは別個の遊技制御割込処理が実行される。これに対して、タイマ割込みの発生に応答して所定のタイマ割込処理が実行されることによりタイマ割込フラグがオン状態にセットされ、遊技制御割込処理に含まれる具体的な各処理が遊技制御メイン処理内において実行されてもよい。
図25に示す遊技制御割込処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、まず、内部レジスタを退避した後(ステップS41)、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路116を介して各スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS42)。続いて、例えば図13に示す乱数値MR1〜MR6などといった、主基板11の側でカウントされる各種の乱数値を更新する乱数更新処理が実行される(ステップS43)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ110に内蔵された乱数回路によって生成されたハードウェア乱数としての乱数のみが使用され、なおかつ、乱数回路がCPU113からの指令によることなく乱数値となる数値データを更新可能である場合には、ステップS43の処理が実行されなくてもよい。
ステップS43にて乱数更新処理を実行した後、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、ステップS42におけるスイッチ処理の実行結果に基づき、入賞検出信号の入力に応じて賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS44)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、賞球過多や賞球不足、その他の払出異常が発生した場合に対応して、異常の発生を報知するための設定などを行う異常入賞報知処理を実行する(ステップS45)。続いて、シリアル通信により払出制御基板15から送信されたコマンドを受信するためのメイン側受信処理を実行する(ステップS46)。
この後、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS47)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部133に設けられた特別図柄プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や特別可変入賞球装置7の開閉動作の設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS48)。遊技制御用マイクロコンピュータ110は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器40における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示(例えば、点灯・点滅表示など)や普通可変入賞球装置6における可動翼片の傾動制御の設定などを可能にする。また、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS49)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、所定のコマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12や払出制御基板15などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信し、遊技の進行に合わせた動作制御を指示する(ステップS50)。その後、ステップS41にて退避したレジスタの内容を復帰させてから(ステップS51)、遊技制御割込処理を終了する。
図26(A)は、賞球処理として、図25に示すステップS44にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26(A)に示す賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、まず、図25に示すステップS42におけるスイッチ処理の実行結果に基づき、始動口スイッチ22、カウントスイッチ24、及び入賞口スイッチ25A〜25Dといった各入賞口スイッチからの入賞検出信号がオン状態となっているか否かをチェックする(ステップS201)。続いて、ステップS201でのチェック結果に基づき、遊技制御カウンタ設定部135に設けられた第1〜第3払出数指示カウンタや総賞球数カウンタにおけるカウント値の設定を行う(ステップS202)。
図26(B)は、ステップS202における処理内容の一例を示す説明図である。ステップS202の処理では、各入賞口スイッチからの入賞検出信号がオン状態となっているか否か(入力されているか否か)の判定が行われる。そして、カウントスイッチ24からの入賞検出信号がオン状態であるときには、遊技制御カウンタ設定部135に設けられた第1払出数指示カウンタの値を1加算するとともに、総賞球数カウンタの値を15加算する。また、左右の袖入賞口スイッチとなる入賞口スイッチ25A、25Bのいずれかからの入賞検出信号がオン状態であるときには、遊技制御カウンタ設定部135に設けられた第2払出数指示カウンタの値を1加算するとともに、総賞球数カウンタの値を7加算する。左右の落とし入賞口スイッチとなる入賞口スイッチ25C、25Dのいずれかからの入賞検出信号がオン状態であるときにも、遊技制御カウンタ設定部135に設けられた第2払出数指示カウンタの値を1加算するとともに、総賞球数カウンタの値を7加算する。さらに、始動口スイッチ22からの入賞検出信号がオン状態であるときには、遊技制御カウンタ設定部135に設けられた第3払出数指示カウンタの値を1加算するとともに、総賞球数カウンタの値を4加算する。このようなステップS202での処理を実行した後、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、遊技制御フラグ設定部133に設けられた賞球プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS203、S204の各処理を実行する。
ステップS203の賞球送信処理は、賞球プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。図27は、賞球送信処理として、図26(A)に示すステップS203にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す賞球送信処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、まず、例えば主基板11に搭載されたシリアル通信回路115における通信動作状態をチェックするなどして、送信準備が完了しているか否かを判定する(ステップS301)。具体的な一例として、ステップS301の処理では、I/Oポート114が備える入力ポート#0のビット0及びビット1をチェックして、送信許可信号がオン状態であり、なおかつ、送信中信号がオフ状態となっているか否かを判定する。そして、送信許可信号がオン状態であるとともに送信中信号がオフ状態であれば、送信準備が完了しているものと判断し、それ以外の場合には、送信準備が完了していないものと判断する。
ステップS301にて送信準備が完了していないときには(ステップS301;No)、そのまま賞球送信処理を終了する。他方、送信準備が完了しているときには(ステップS301;Yes)、遊技制御フラグ設定部133に設けられた再送信フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS302)。ここで、再送信フラグは、後述する図28に示すステップS329の処理が実行されたときにオン状態にセットされる一方、図28に示すステップS322の処理が実行されたときにはクリアされてオフ状態となる。ステップS302にて再送信フラグがオフであるときには(ステップS302;No)、第1〜第3払出数指示カウンタの値をチェックするために用いられる変数Nの値を、初期値となる「1」に設定する(ステップS303)。
続いて、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、変数Nの値に対応して特定される第1〜第3払出数指示カウンタのいずれかの値が、「0」となっているか否かを判定する(ステップS304)。例えば、変数Nの値が「1」であるときには、第1払出数指示カウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、変数Nの値が「2」であるときには、第2払出数指示カウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、変数Nの値が「3」であるときには、第3払出数指示カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。ステップS304にて判定の対象となった払出数指示カウンタの値が「0」であるときには(ステップS304;Yes)、変数Nの値が「3」であるか否かを判定し(ステップS305)、「3」であるときには(ステップS305;Yes)、賞球送信処理を終了する。これに対して、ステップS305にて変数Nの値が「3」以外の値であるときには(ステップS305;No)、変数Nの値を1加算した後(ステップS306)、ステップS304の処理にリターンする。
ステップS304にて判定の対象となった払出数指示カウンタの値が「0」以外の値であるときには(ステップS304;No)、その払出数指示カウンタ(第1〜第3払出数指示カウンタのいずれか)の値を1減算する(ステップS307)。このときには、遊技制御カウンタ設定部135に設けられたコマンド送信回数カウンタの値を1加算する(ステップS308)。
ステップS302にて再送信フラグがオンであるときや(ステップS302;Yes)、ステップS308の処理を実行した後には、変数Nの値が「1」であるか否かを判定し(ステップS309)、「1」である場合には(ステップS309;Yes)、例えばROM111に格納されている第1払出数指定コマンド設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定することなどにより、第1払出数指定コマンドを払出制御基板15に対して送信するための設定を行う(ステップS310)。ステップS309にて変数Nの値が「1」以外の値であるときには(ステップS309;No)、その変数Nの値は「2」であるか否かを判定する(ステップS311)。
ステップS311にて変数Nの値が「2」である場合には(ステップS311;Yes)、例えばROM111に格納されている第2払出数指定コマンド設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定することなどにより、第2払出数指定コマンドを払出制御基板15に対して送信するための設定を行う(ステップS312)。ステップS311にて変数Nの値が「2」ではない場合には(ステップS311;No)、変数Nの値が「3」であるものと判断して、例えばROM111に格納されている第3払出数指定コマンド設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定することなどにより、第3払出数指定コマンドを払出制御基板15に対して送信するための設定を行う(ステップS313)。
ステップS310、S312、S313のいずれかの処理を実行した後、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、遊技制御タイマ設定部134に設けられた賞球待ち時間タイマの設定を行う(ステップS314)。例えば、ステップS314の処理では、払出制御基板15からの賞球ACK信号がオン状態になるか否かを監視するための賞球待ち時間に対応したタイマ初期値が賞球待ち時間タイマに設定されて、賞球待ち時間の計測が開始される。ステップS314の処理を実行した後には、賞球プロセスフラグの値を“1”に更新する(ステップS315)。
図26(A)に示すステップS204の賞球待ち処理は、賞球プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。図28は、賞球待ち処理として、図26(A)に示すステップS204にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す賞球待ち処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、まず、払出制御基板15から送信される賞球ACK信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS321)。具体的な一例として、ステップS321の処理では、I/Oポート114が備える入力ポート#3のビット7をチェックして、賞球ACK信号がオン状態となっているか否かを判定する。
ステップS321にて賞球ACK信号がオン状態であるときには(ステップS321;Yes)、再送信フラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS322)、変数Nの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS323)。このとき、変数Nの値が「1」であれば(ステップS323;Yes)、第1払出数指定コマンドの送信により15個の賞球を払い出すための指示が完了したと判断して、総賞球数カウンタの値を15減算する(ステップS324)。ステップS323にて変数Nの値が「1」以外の値であるときには(ステップS323;No)、その変数Nの値は「2」であるか否かを判定する(ステップS325)。
ステップS325にて変数Nの値が「2」である場合には(ステップS325;Yes)、第2払出数指定コマンドの送信により7個の賞球を払い出すための指示が完了したと判断して、総賞球数カウンタの値を7減算する(ステップS326)。ステップS325にて変数Nの値が「2」ではない場合には(ステップS325;No)、変数Nの値が「3」であることに対応した第3払出数指定コマンドの送信により4個の賞球を払い出すための指示が完了したと判断して、総賞球数カウンタの値を4減算する(ステップS327)。
また、ステップS321にて賞球ACK信号がオフ状態であるときには(ステップS321;No)、例えば賞球待ち時間タイマの値が所定の賞球待ち時間終了判定値(例えば「0」)となったか否かを判定することなどにより、賞球待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS328)。このとき、賞球待ち時間が経過していなければ(ステップS328;No)、賞球待ち処理を終了する。他方、賞球待ち時間が経過した場合には(ステップS328;Yes)、再送信フラグをオン状態にセットする(ステップS329)。ステップS324、S326、S327、S329のいずれかの処理を実行した後には、賞球待ち時間タイマをクリアして初期化した後(ステップS330)、賞球プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS331)、賞球待ち処理を終了する。
図29は、異常入賞報知処理として、図25に示すステップS45にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、まず、図25に示すステップS42におけるスイッチ処理の実行結果に基づき、全入賞球検出スイッチ29からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS211)。
ステップS211にて全入賞球検出スイッチ29からの検出信号がオン状態であるときには(ステップS211;Yes)、コマンド送信回数カウンタの値を1減算する(ステップS212)。これに対して、ステップS211にて全入賞球検出スイッチ29からの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS211;No)、ステップS212の処理をスキップする。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、コマンド送信回数カウンタの値が予め定められた賞球過多基準値(例えば「250」)以上となっているか否かを判定する(ステップS213)。
ステップS213にてコマンド送信回数カウンタの値が賞球過多基準値以上であるときには(ステップS213;Yes)、演出制御基板12に対して賞球過多報知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS214)。具体的な一例として、ステップS214の処理では、ROM111に格納されている賞球過多報知コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、賞球過多報知コマンド送信テーブルの内容に基づいて、コマンド送信用の制御データをI/Oポート114内の出力ポート#2に設定する。ステップS213にてコマンド送信回数カウンタの値が賞球過多基準値未満であるときには(ステップS213;No)、コマンド送信回数カウンタの値が予め定められた賞球不足基準値(例えば「0」)に達したか否かを判定する(ステップS215)。
ステップS215にてコマンド送信回数カウンタの値が賞球不足基準値に達しているときには(ステップS215;Yes)、演出制御基板12に対して賞球不足報知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS216)。具体的な一例として、ステップS216の処理では、ROM111に格納されている賞球不足報知コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、賞球不足報知コマンド送信テーブルの内容に基づいて、コマンド送信用の制御データをI/Oポート114内の出力ポート#2に設定する。ステップS214、S216のいずれかの処理を実行した後には、コマンド送信回数カウンタに、所定のカウント初期値(例えば「200」)を設定する(ステップS217)。
ステップS215にてコマンド送信回数カウンタの値が賞球不足基準値に達していないときや(ステップS215;No)、ステップS217の処理を実行した後には、再送信フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS218)。このとき、再送信フラグがオフであれば(ステップS218;No)、払出異常検出フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS219)。ここで、払出異常検出フラグは、後述する図30に示すステップS242の処理が実行されたときにオン状態にセットされる。そして、ステップS218にて再送信フラグがオンであるとき(ステップS218;Yes)、またはステップS219にて払出異常検出フラグがオンであるときには(ステップS219;Yes)、遊技制御フラグ設定部133に設けられた払出異常報知フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS220)。なお、払出異常報知フラグは、後述するステップS222の処理が実行されたときにオン状態にセットされる一方、ステップS225の処理が実行されたときにクリアされてオフ状態となる。
ステップS220にて払出異常報知フラグがオンであるときには(ステップS220;Yes)、既に払出動作の異常が発生した旨の報知が行われていると判断して、異常入賞報知処理を終了する。他方、ステップS220にて払出異常報知フラグがオフであるときには(ステップS220;No)、演出制御基板12に対して払出異常報知開始コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。具体的な一例として、ステップS221の処理では、ROM111に格納されている払出異常報知開始コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、払出異常報知開始コマンド送信テーブルの内容に基づいて、コマンド送信用の制御データをI/Oポート114内の出力ポート#2に設定する。また、ステップS221の処理を実行したときには、払出異常報知フラグをオン状態にセットする(ステップS222)。
また、ステップS219にて払出異常検出フラグがオフであるときには(ステップS219;No)、払出異常報知フラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS223)。そして、払出異常報知フラグがオンであるときには(ステップS223;Yes)、演出制御基板12に対して払出異常報知終了コマンドを送信するための設定を行う(ステップS224)。具体的な一例として、ステップS224の処理では、ROM111に格納されている払出異常報知終了コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、払出異常報知終了コマンド送信テーブルの内容に基づいて、コマンド送信用の制御データをI/Oポート114内の出力ポート#2に設定する。ステップS224の処理を実行した後には、払出異常報知フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS225)。ステップS223にて払出異常報知フラグがオフであるときには(ステップS223;No)、ステップS224、S225の処理を実行せずに、異常入賞報知処理を終了すればよい。
図30は、メイン側受信処理として、図25に示すステップS46にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示すメイン側受信処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、まず、例えばI/Oポート114内の入力ポート#0におけるビット3の状態をチェックして受信エラー信号がオン状態となっているか否かを確認することなどにより、主基板11に搭載されたシリアル通信回路115でのシリアル通信動作にエラーが発生しているか否かを判定する(ステップS231)。このとき、シリアル通信動作にエラーが発生していれば(ステップS231;Yes)、例えばI/Oポート114内の出力ポート#0のビット7にクリアデータをセットすることなどにより、シリアル通信回路115の初期設定を行う(ステップS232)。他方、ステップS231にてシリアル通信動作にエラーが発生していないときには(ステップS231;No)、ステップS232の処理をスキップする。
続いて、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、払出制御基板15に対してメインACK信号を出力中であるか否かを判定する(ステップS233)。具体的な一例として、ステップS233の処理では、遊技制御タイマ設定部134に設けられたACK出力時間タイマの値を読み取り、メインACK信号の出力停止中に対応した停止中タイマ値(例えば「0」)となっているか否かをチェックする。そして、ACK出力時間タイマの値が停止中タイマ値となっていれば、メインACK信号は出力されていないと判定する一方、停止中タイマ値以外であれば、メインACK信号の出力中であると判定する。
ステップS233にてメインACK信号を出力中であるときには(ステップS233;Yes)、主基板11の側においてコマンドを受信できる状態にはないと判断して、メイン側受信処理を終了する。他方、ステップS233にてメインACK信号が出力されていないときには(ステップS233;No)、例えばI/Oポート114内の入力ポート#0におけるビット2の状態をチェックして受信データ未処理信号がオン状態となっているか否かを確認することなどにより、主基板11に搭載されたシリアル通信回路115により払出制御基板15から受信したコマンドがあるか否かを判定する(ステップS234)。
ステップS234にて受信コマンドがないときには(ステップS234;No)、メイン側受信処理を終了する。他方、ステップS234にて受信コマンドがあるときには(ステップS234;Yes)、例えばI/Oポート114内の入力ポート#1への入力データを内蔵レジスタに取り込むことなどにより、受信コマンドとなる8ビットの受信データを読み込む(ステップS235)。このときには、例えばI/Oポート114内の出力ポート#0のビット6にクリアデータをセットすることなどにより、シリアル通信回路115の初期設定を行う(ステップS236)。
ステップS236の処理に続いて、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、例えば8バイトの受信データにおいてヘッダとなる先頭ビット(第7ビット[ビット7])をチェックすることなどにより、受信データは2バイト構成の受信コマンドにおける1バイト目を示すものであるか否かを判定する(ステップS237)。例えば、ステップS237の処理で受信データの先頭ビットが「0」と特定されたときには受信データは受信コマンドにおける1バイト目を示すものであると判定する一方、先頭ビットが「1」と特定されたときには受信データは受信コマンドにおける2バイト目を示すものであると判定する。
ステップS237にて受信コマンドが1バイト目であると判定されたときには(ステップS237;Yes)、例えばステップS235にて読み込んだ8ビットの受信データを遊技制御バッファ設定部136に設けられたコマンド受信バッファに記憶させることにより、受信コマンドを格納する(ステップS238)。また、ステップS237にて受信コマンドが1バイト目ではないと判定されたときには(ステップS237;No)、受信データが受信コマンドの2バイト目に相当すると判断して、コマンド受信バッファに既に格納されている受信コマンドの1バイト目を読み出す(ステップS239)。続いて、ステップS235にて読み込んだ受信コマンドの2バイト目と、ステップS239にて読み出した受信コマンドの1バイト目との排他的論理和を演算し(ステップS240)、演算結果が正常値となっているか否かを判定する(ステップS241)。この実施の形態では、払出制御基板15から主基板11に対して送信されるコマンドは、1バイト目を反転させることで2バイト目となるように構成されている。したがって、受信コマンドの1バイト目と2バイト目との排他的論理和を演算したときに、全ビット値が「1」となれば、主基板11において正常にコマンドを受信できたことになる。
また、この実施の形態において払出制御基板15から主基板11に対して送信されるコマンドは、賞球の払出動作に関わるエラーが発生したことを通知するための賞球エラー通知コマンドとなっている。そこで、ステップS241にて演算結果が正常値となっているときには(ステップS241;Yes)、賞球の払出動作に関するエラーが発生したと判断して、払出異常検出フラグをオン状態にセットする(ステップS242)。これに対して、ステップS241にて演算結果が正常値ではないときには(ステップS241;No)、ステップS242の処理をスキップする。この後、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、払出制御基板15に対してメインACK信号を出力するための設定を行う(ステップS243)。例えば、ステップS243の処理では、遊技制御タイマ設定部134に設けられたACK出力時間タイマに所定のタイマ設定値をセットして、メインACK信号の出力時間の計測を開始する。ここで、ACK出力時間タイマにより出力時間の計測が行われている期間では、例えばI/Oポート114内の出力ポート#0におけるビット3をオン状態にセットすることなどにより、主基板11から払出制御基板15に対してメインACK信号が送信される。
ステップS243の処理が実行された後には、コマンド受信バッファをクリアして、その記憶内容を消去する(ステップS244)。ここで、ステップS241にて演算結果が正常値ではないと判定されたときには、ステップS242の処理が実行されずにステップS244の処理が実行されることから、払出制御基板15からの受信コマンドに対応した処理が実行されずに、受信コマンドが消去されることになる。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ110において払出制御基板15からの受信コマンドにおける1バイト目のデータと2バイト目のデータとの排他的論理和を演算することによりコマンドを正しく受信できなかった旨の判定がなされたときには、払出制御基板15からの受信コマンドを消去することができる。
図31は、特別図柄プロセス処理として、図25に示すステップS47にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、まず、始動口スイッチ22からの入賞検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS120)。このとき、始動口スイッチ22からの入賞検出信号がオン状態であれば(ステップS120;Yes)、所定の入賞処理を実行して、大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データの抽出などを行う(ステップS121)。他方、ステップS120にて始動口スイッチ22からの入賞検出信号がオフ状態であるときには(ステップS120;No)、ステップS121の処理をスキップする。
ステップS121の入賞処理では、特図保留記憶部131が記憶している大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データの個数である保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、保留記憶数が上限値となっていれば、今回の入賞による始動検出は無効として、そのまま入賞処理を終了する。これに対して、保留記憶数が上限値未満であるときには、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ110に内蔵された乱数回路などから大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを抽出し、抽出した乱数値MR1を示す数値データを、特図保留記憶部131における空エントリの先頭にセットする。
この後、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、遊技制御フラグ設定部133に設けられた特別図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS130〜S136の各処理を実行する。
ステップS130の特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、特図保留記憶部131における保留記憶数が「0」となっているか否かを判定する。そして、保留記憶数が「0」であるときには、特図ゲームの開始条件が成立する前提となる始動条件が成立していないと判断して、そのまま特別図柄通常処理を終了する。これに対して、保留記憶数が「0」以外であるときには、特別図柄プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS131の可変表示開始時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この可変表示開始時処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄を決定する処理や、特別図柄の可変表示時間(総変動時間)及び画像表示装置5における飾り図柄の可変表示態様を決定する処理などを含んでいる。具体的な一例として、ステップS131の可変表示開始時処理では、まず、特図保留記憶部131から保留番号「1」に対応して記憶されている大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データを読み出すとともに、保留番号「1」よりも下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1を示す数値データを、1エントリずつ上位にシフトする。
こうして特図保留記憶部131から読み出した乱数値MR1を示す数値データに基づき、例えばROM111に格納されている大当り判定テーブルを参照することなどにより、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果を大当りとするか否かの判定を行う。このとき、大当りとする旨の判定がなされると、遊技制御フラグ設定部133に設けられた大当りフラグをオン状態にセットするとともに、確変判定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する。続いて、抽出した乱数値MR4を示す数値データに基づき、例えばROM111に格納されている確変判定テーブルを参照することなどにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変制御による高確率状態とするか否かの判定を行う。そして、高確率状態とする旨の判定がなされたときには、遊技制御フラグ設定部133に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするとともに、突然確変判定用の乱数値MR6を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR6を示す数値データに基づき、例えばROM111に格納されている突然確変判定テーブルを参照することなどにより、突然確変大当りとするか否かの判定を行う。突然確変大当りとする旨の判定がなされたときには、突然確変フラグをオン状態にセットする。
また、ステップS131の可変表示開始時処理では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果をハズレとする旨の判定がなされたときに、特図ゲームにおける確定特別図柄をハズレ図柄のいずれかに決定する。例えば、確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、予め用意された確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、ハズレ図柄のうちから確定特別図柄となるものを決定すればよい。このときには、リーチ判定用の乱数値MR2を示す数値データを抽出し、抽出した乱数値MR2を示す数値データに基づき、ROM111に格納されているリーチ判定テーブルを参照することなどにより、飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否かの判定を行う。そして、リーチとする旨の判定がなされたときには、可変表示パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、予め用意されたリーチハズレパターン決定テーブルを参照することなどにより、複数種類のリーチハズレパターンのいずれかを選択決定する。また、リーチとしない旨の判定がなされたときには、例えば遊技制御フラグ設定部133に設けられた時短中フラグがオンとなっているか否かを判定し、オンであれば図14に示す通常ハズレBとなる可変表示パターン#2に決定する一方、オフであれば通常ハズレAとなる可変表示パターン#1に決定する。
さらに、ステップS131の可変表示開始時処理では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における表示結果を大当りとする旨の判定がなされたときに、突然確変フラグをオン状態にセットしたか否かに応じて、特図ゲームにおける確定特別図柄を2ラウンド大当り図柄と15ラウンド大当り図柄のいずれかに決定する。すなわち、突然確変フラグがオンであるときには、2ラウンド大当り図柄となる「3」を示す特別図柄を確定特別図柄に決定する一方、突然確変フラグがオフであるときには、15ラウンド大当り図柄となる「7」を示す特別図柄を確定特別図柄に決定する。また、確変確定フラグがオフであるときには、図9(A)に示す表示結果通知#2のコマンド9001Hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。続いて、可変表示パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、予め用意された大当りパターン決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の大当りパターンのいずれかを選択決定する。ここで、大当りパターン決定テーブルは、図14に示す突然確変大当りの可変表示パターン#61は選択されないように構成されているものとする。
ステップS131の可変表示開始時処理において確変確定フラグをオン状態にセットしたときには、突然確変フラグをオン状態にセットしたか否かに応じた表示結果通知コマンドの送信設定や、可変表示パターンの決定も行われる。すなわち、確変確定フラグがオンである一方で、突然確変フラグがオフであるときには、再抽選演出実行判定用の乱数値MR5を示す数値データに基づき、予め用意された再抽選演出実行判定テーブルを参照することなどにより、大当り終了後再抽選演出表示を実行するか否かの判定を行う。このとき、大当り終了後再抽選演出表示を実行する旨の判定がなされたときには、図9(A)に示す表示結果通知#3のコマンド9002Hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。これに対して、大当り終了後再抽選演出表示を実行しない旨の判定がなされたときには、図9(A)に示す表示結果通知#4のコマンド9003Hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。続いて、可変表示パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、大当りパターン決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の大当りパターンのいずれかを選択決定する。他方、確変確定フラグがオンであるとともに、突然確変フラグもオンであるときには、図9(A)に示す表示結果通知#5のコマンド9004Hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。続いて、図14に示す突然確変大当りの可変表示パターン#61を、今回の特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示にて用いるものとして選択決定する。
こうして可変表示パターンを選択決定した後には、決定した可変表示パターンに対応する可変表示開始コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。これとともに、可変表示パターンにおける特別図柄の可変表示時間(総変動時間)に対応したタイマ初期値を遊技制御タイマ設定部134に設けられた可変表示時間タイマに設定する。また、例えば特別図柄表示装置4における各セグメントや各ドットの点灯/消灯動作を開始させるなどといった、特別図柄表示装置4において特別図柄の可変表示を開始する設定を行う。このときには、特別図柄プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS132の可変表示制御処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この可変表示制御処理は、可変表示時間タイマの値に基づいて、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける特別図柄の残りの可変表示時間を計測する処理を含んでいる。そして、特別図柄の可変表示時間(総変動時間)が経過したときには、特別図柄プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS133の可変表示停止時処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この可変表示停止時処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りであるかハズレであるかが判定される。また、パチンコ遊技機1が高確率状態となっているときには、遊技状態を高確率状態から通常遊技状態に戻すか否かを判定し、戻すと判定すると、パチンコ遊技機1における遊技状態を高確率状態から通常遊技状態に移行させる。具体的な一例として、高確率状態にて実行された特図ゲームの回数が所定の確変終了基準値(例えば「100」)に達すると、高確率状態から通常遊技状態に戻すと判定する。そして、可変表示結果が大当りであるときには特別図柄プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、ハズレであるときには特別図柄プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS134の大入賞口開放前処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理では、大当り遊技状態において特別可変入賞球装置7が備える開閉板により大入賞口が開放されるラウンドが開始されるよりも前の段階で、突然確変フラグがオンとなっているか否かを判定する。このとき、突然確変フラグがオフであれば、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数を「15」に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口の最長開放期間を予め定められた15ラウンド開放期間(例えば29秒)に設定する。これに対して、突然確変フラグがオフであれば、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数を「2」に設定するとともに、各ラウンドにおける大入賞口の最長開放期間を15ラウンド開放期間に比べて短い2ラウンド開放期間(例えば0.5秒)に設定する。この後、大当り開始コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行って、特別図柄プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS135の大入賞口開放中処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理では、大入賞口開放前処理での設定に従ってソレノイド82の駆動制御を行うことにより、特別可変入賞球装置7が備える開閉板により大入賞口を開閉させる。そして、大当り遊技状態における最終のラウンドが終了したときには、特別図柄プロセスフラグの値を“6”に更新する。
ステップS136の大当り終了処理は、特別図柄プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理では、大当り終了後再抽選演出表示を実行するか否かの判定を行い、実行すると判定されたときには、確変確定フラグがオンとなっているか否かを判定する。このとき、確変確定フラグがオフであれば、図9(B)に示す大当り終了#2のコマンドA101Hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。また、確変中フラグをクリアしてオフ状態にすることで、遊技状態を高確率状態から通常遊技状態へと移行させる。あるいは、確変中フラグをクリアするとともに、時短中フラグをオン状態にセットすることで、遊技状態を時間短縮状態に移行させるようにしてもよい。これに対して、確変確定フラグがオンであれば、図9(B)に示す大当り終了#3のコマンドA102Hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。また、確変中フラグをオン状態にセットすることで、遊技状態を高確率状態に移行させる。
さらに、ステップS136の大当り終了処理で大当り終了後再抽選演出表示を実行しないと判定されたときには、突然確変フラグがオンとなっているか否かを判定する。このとき、突然確変フラグがオンであれば、図9(B)に示す大当り終了#4のコマンドA103Hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。また、確変確定フラグ及び突然確変フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変中フラグをオン状態にセットすることで、遊技状態を高確率状態に移行させる。他方、突然確変フラグがオフであるときには、図9(B)に示す大当り終了#1のコマンドA100Hを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。また、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にするとともに、確変中フラグをオン状態にセットすることで、遊技状態を高確率状態に移行させる。
また、大当り終了処理で大当り終了後再抽選演出表示を実行する旨の判定がなされたときには、大当り終了後再抽選演出表示の実行時間(例えば12秒)を計測し、その実行時間が経過したときに、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。これに対して、大当り終了後再抽選演出表示を実行しない旨の判定がなされたときには、大当り終了後再抽選演出表示とは異なる大当り終了報知演出表示の実行時間(例えば4秒)を計測し、その実行時間が経過したときに、特別図柄プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、払出制御基板15における動作を説明する。払出制御基板15では、電源基板10からの電力供給が開始され払出制御用マイクロコンピュータ150へのリセット信号がハイレベル(オフ状態)になったことに応じて、払出制御用マイクロコンピュータ150が起動し、図32のフローチャートに示すような払出制御メイン処理が実行される。図32に示す払出制御メイン処理を開始すると、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、割込モードの設定を行う(ステップS71)。続いて、例えばI/Oポート154に含まれる入力ポート#3におけるビット6の状態をチェックすることなどにより、電源断信号がオフ状態となっているか否かを判定する(ステップS72)。例えば、ステップS72の処理では、電源断信号が出力されていないオフ状態(ハイレベル)となっていることを確認する。
ステップS72にて電源断信号がオン状態であるときには(ステップS72;No)、所定時間(例えば0.1秒)が経過するまで待機した後(ステップS73)、ステップS72の処理にリターンして、電源断信号がオフ状態となっているか否かの判定を再び行うようにする。これにより、払出制御用マイクロコンピュータ150は、電源電圧が安定したことを確認することができる。そして、ステップS72にて電源断信号がオフ状態であるときには(ステップS72;Yes)、RAM152をアクセス可能に設定する(ステップS74)。また、払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えばスタックポインタ指定アドレスの設定など、スタックポインタに関わる設定を行う(ステップS75)。
続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えばI/Oポート154に含まれる入力ポート#3におけるビット3の状態をチェックすることなどにより、クリア信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS76)。クリア信号がオフ状態となっているときには(ステップS76;No)、RAM152のデータチェックを行い、チェック結果が正常であるか否かを判定する(ステップS77)。ステップS77の処理では、例えばRAM152の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出し、算出されたチェックサムと払出チェックサムバッファに記憶されているチェックサムとを比較する。ここで、払出チェックサムバッファには、前回の電力供給停止時に、同様の処理によって算出されたチェックサムが記憶されている。そして、比較結果が不一致であれば、RAM152の特定領域におけるデータが電力供給停止時のデータとは異なっていることから、チェック結果が正常でないと判断される。
ステップS77におけるチェック結果が正常であるときには(ステップS77;Yes)、払出制御フラグ設定部141に設けられた払出バックアップフラグがオンとなっているか否かを判定する(ステップS78)。払出バックアップフラグの状態は、電力供給が停止するときに、払出制御フラグ設定部141に設定される。そして、この払出バックアップフラグの設定箇所がバックアップ電源によってバックアップされることで、電力供給が停止した場合でも、払出バックアップフラグの状態は保存されることになる。
ステップS78にて払出バックアップフラグがオンであるときには(ステップS78;Yes)、払出バックアップフラグをクリアしてオフ状態とした後(ステップS79)、払出制御用マイクロコンピュータ150の内部状態などを電力供給が停止されたときの状態に戻すための復旧時における設定を行う(ステップS80)。例えば、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときに、払出制御カウンタ設定部143に設けられた賞球未払出カウンタの値がRAM152のバックアップ領域に格納される場合には、ステップS80の処理においてRAM152のバックアップ領域の記憶データを読み出して、賞球未払出カウンタにセットするようにすればよい。
また、ステップS76にてクリア信号がオンであるときや(ステップS76;Yes)、ステップS77にてチェック結果が正常ではないとき(ステップS77;No)、あるいはステップS78にて払出バックアップフラグがオフであるときには(ステップS78;No)、RAM152の初期化を行う(ステップS81)。続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150の内部状態などを初期状態とするための初期化時における設定を行う(ステップS82)。例えば、ステップS82の処理では、払出制御フラグ設定部141に設けられた各種のフラグや、払出制御タイマ設定部142に設けられた各種のタイマ、あるいは払出制御カウンタ設定部143に設けられた各種のカウンタなどに、それぞれの初期値を設定すればよい。
ステップS80またはステップS82の処理を実行した後には、例えば払出制御用マイクロコンピュータ150に内蔵されたCTCが備えるレジスタの設定を行うことなどにより、所定時間(例えば2ミリ秒)ごとにタイマ割込みが発生するように払出制御用マイクロコンピュータ150の内部設定を行う(ステップS83)。この後、払出制御用マイクロコンピュータ150は割込許可状態に設定して(ステップS84)、タイマ割込みの発生を待機する。このときには、電源断信号がオン状態となったか否か(出力されたか否か)の判定を行い(ステップS85)、オフであれば(ステップS85;No)、タイマ割込みが発生したか否かを判定する(ステップS86)。タイマ割込みが発生しないときには(ステップS86;No)、ステップS85の処理にリターンする。また、ステップS85にて電源断信号がオンとなった旨の判定がなされたときには(ステップS85;Yes)、払出側電源断処理を実行した後(ステップS95)、所定のループ処理を実行して、電力供給の停止による払出制御用マイクロコンピュータ150の動作停止まで待機する。
ステップS86にてタイマ割込みが発生した旨の判定がなされたときには(ステップS86;Yes)、所定の入出力処理を実行する(ステップS87)。ステップS87の入出力処理では、例えばI/Oポート154に含まれる入力ポート#0〜#3における所定ビットの状態をチェックする処理や、I/Oポート154に含まれる出力ポート#0〜#3における所定ビットに対して所定の制御データをセットする処理などが実行されればよい。続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150は、エラー解除処理を実行して、エラー解除スイッチ73からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定し、オン状態となっていれば、払出制御基板15にて発生しているエラーのうちで所定のエラー(例えば球詰まりエラー、空切り発生エラーなど)を解除するための設定を行う(ステップS88)。
ステップS88の処理を実行した後には、プリペイドカードユニット処理を実行して、カードユニット70との間での通信を行う(ステップS89)。この後、シリアル通信により主基板11から送信された払出制御コマンドを受信するための払出側受信処理を実行する(ステップS90)。そして、払出コマンド解析処理を実行することで、主基板11から受信した払出制御コマンドに応じた各種の設定を行う(ステップS91)。さらに、カードユニット70からの球貸し要求や、主基板11からの払出数指定コマンドに応じて、遊技球の払出動作を制御する払出動作制御処理を実行する(ステップS92)。
ステップS92の処理に続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば払出制御フラグ設定部141に設けられた各種のエラーフラグにおける状態に応じてエラー表示用LED74に所定の表示を行う7セグ表示処理を実行する(ステップS93)。また、主基板11に対して賞球エラー通知コマンドなどのコマンド送信を行う払出側送信処理を実行する(ステップS94)。その後、ステップS85の処理にリターンする。
図33は、払出側電源断処理として、図32に示すステップS95にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す払出側電源断処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、割込禁止に設定する(ステップS151)。続いて、例えばI/Oポート154に含まれる出力ポート#0のビット0〜ビット3にクリアデータをセットするなどして、払出モータ51の動作を停止させるための設定を行う(ステップS152)。このときには、出力ポート#0のビット0〜ビット3以外にも、クリアすべき出力ポートにはクリアデータを設定するようにしてもよい。ステップS152の処理を実行した後には、例えばRAM152の特定領域における記憶データを用いてチェックサムを算出するなど、チェックデータの作成を行うとともに(ステップS153)、払出制御フラグ設定部141に設けられた払出バックアップフラグをオン状態にセットする(ステップS154)。このとき作成されたチェックデータは、例えば払出制御バッファ設定部144に設けられた払出チェックサムバッファなどといった、RAM152の所定領域に格納される。そして、払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば所定のRAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定することなどにより、以後、RAM152へのアクセスを禁止する(ステップS155)。
図34は、払出側受信処理として、図32に示すステップS90にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す払出側受信処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、例えばI/Oポート154内の入力ポート#0におけるビット3の状態をチェックして受信エラー信号がオン状態となっているか否かを確認することなどにより、払出制御基板15に搭載されたシリアル通信回路155でのシリアル通信動作にエラーが発生しているか否かを判定する(ステップS401)。このとき、シリアル通信動作にエラーが発生していれば(ステップS401;Yes)、例えばI/Oポート154内の出力ポート#1のビット7にクリアデータをセットすることなどにより、シリアル通信回路155の初期設定を行う(ステップS402)。他方、ステップS401にてシリアル通信動作にエラーが発生していないときには(ステップS401;No)、ステップS402の処理をスキップする。
続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150は、主基板11に対して賞球ACK信号を出力中であるか否かを判定する(ステップS403)。具体的な一例として、ステップS403の処理では、払出制御タイマ設定部142に設けられた賞球ACK出力時間タイマの値を読み取り、賞球ACK信号の出力停止中に対応した停止中タイマ値(例えば「0」)となっているか否かをチェックする。そして、賞球ACK出力時間タイマの値が停止中タイマ値となっていれば、賞球ACK信号は出力されていないと判定する一方、停止中タイマ値以外であれば、賞球ACK信号の出力中であると判定する。
ステップS403にて賞球ACK信号を出力中であるときには(ステップS403;Yes)、払出制御基板15の側においてコマンドを受信できる状態にはないと判断して、払出側受信処理を終了する。他方、ステップS403にて賞球ACK信号が出力されていないときには(ステップS403;No)、例えばI/Oポート154内の入力ポート#0におけるビット2の状態をチェックして受信データ未処理信号がオン状態となっているか否かを確認することなどにより、払出制御基板15に搭載されたシリアル通信回路155により主基板11から受信したコマンドがあるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS404にて受信コマンドがないときには(ステップS404;No)、払出側受信処理を終了する。他方、ステップS404にて受信コマンドがあるときには(ステップS404;Yes)、例えばI/Oポート154内の入力ポート#1への入力データを内蔵レジスタに取り込むことなどにより、受信コマンドとなる8ビットの受信データを読み込む(ステップS405)。このときには、例えばI/Oポート154内の出力ポート#1のビット6にクリアデータをセットすることなどにより、シリアル通信回路155の初期設定を行う(ステップS406)。
ステップS406の処理に続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば8ビットの受信データにおいてヘッダとなる先頭ビット(第7ビット[ビット7])をチェックすることなどにより、受信データは2バイト構成の受信コマンドにおける1バイト目を示すものであるか否かを判定する(ステップS407)。例えば、ステップS407の処理で受信データの先頭ビットが「0」と特定されたときには受信データは受信コマンドにおける1バイト目を示すものであると判定する一方、先頭ビットが「1」と特定されたときには受信データは受信コマンドにおける2バイト目を示すものであると判定する。
ステップS407にて受信コマンドが1バイト目であると判定されたときには(ステップS407;Yes)、例えばステップS405にて読み込んだ8ビットの受信データを払出制御バッファ設定部144に設けられた第1コマンド受信バッファに記憶させることにより、受信コマンドの1バイト目を示す受信データを格納する(ステップS408)。また、ステップS407にて受信コマンドが1バイト目ではないと判定されたときには(ステップS407;No)、受信データが受信コマンドの2バイト目に相当すると判断して、例えばステップS405にて読み込んだ8ビットの受信データを払出制御バッファ設定部144に設けられた第2コマンド受信バッファに記憶させることにより、受信コマンドの2バイト目を示す受信データを格納する(ステップS409)。
ステップS409の処理を実行した後には、例えば第1コマンド受信バッファの記憶データである受信コマンドの1バイト目と、ステップS405にて読み込んだ受信データである受信コマンドの2バイト目との排他的論理和を演算する(ステップS410)。そして、演算結果が正常値となっているか否かの判定を行う(ステップS411)。この実施の形態では、主基板11から払出制御基板15に対して送信されるコマンドは、1バイト目を反転させることにより2バイト目となるように構成されている。したがって、受信コマンドの1バイト目と2バイト目との排他的論理和を演算したときに、全ビット値が「1」となれば、払出制御基板15において正常にコマンドを受信できたことになる。
ステップS411にて演算結果が正常値となっているときには(ステップS411;Yes)、第1及び第2コマンド受信バッファの記憶データをコマンド受信データとして、例えば払出制御用データ保持エリア140における所定領域(例えばコマンド受信データ格納領域)に格納する(ステップS412)。このときには、主基板11に対して賞球ACK信号を出力するための設定を行う(ステップS413)。例えば、ステップS413の処理では、払出制御タイマ設定部142に設けられた賞球ACK出力時間タイマに所定のタイマ設定値をセットして、賞球ACK信号の出力時間の計測を開始する。ここで、賞球ACK出力時間タイマにより出力時間の計測が行われている期間では、例えばI/Oポート154内の出力ポート#1におけるビット4をオン状態にセットすることなどにより、払出制御基板15から主基板11に対して賞球ACK信号が送信される。
ステップS411にて演算結果が正常値ではないときには(ステップS411;No)、払出制御フラグ設定部141に設けられたエラーフラグに含まれる主制御通信エラーフラグをオン状態にセットする(ステップS414)。そして、ステップS413、S414のいずれかの処理を実行した後には、第1及び第2コマンド受信バッファをクリアする(ステップS415)。ここで、ステップS411にて演算結果が正常値ではないと判定されたときには、ステップS412の処理が実行されずにステップS415の処理が実行されることから、受信コマンドを示す受信データがコマンド受信データとして取り込まれることなく、受信コマンドが消去されることになる。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ150において主基板11からの受信コマンドにおける1バイト目のデータと2バイト目のデータとの排他的論理和を演算することによりコマンドを正しく受信できなかった旨の判定がなされたときには、主基板11からの受信コマンドを消去することができる。また、図45を参照して後述するように、ステップS414にて主制御通信エラーフラグがオン状態にセットされることにより、エラー表示用LED74には、主基板接続エラーが発生したことを示す「0」が表示されることになる。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ150において主基板11からの受信コマンドにおける1バイト目のデータと2バイト目のデータとの排他的論理和を演算することによりコマンドを正しく受信できなかった旨の判定がなされたときには、主基板11と払出制御基板15との間の通信に関して異常が生じたことを報知することができる。
図35は、払出コマンド解析処理として、図32に示すステップS91にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す払出コマンド解析処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、例えば払出制御用データ保持エリア140に設けられたコマンド受信データ格納領域をチェックすることなどにより、コマンド受信データがあるか否かを判定する(ステップS421)。このとき、有効なコマンド受信データがなければ(ステップS421;No)、そのまま払出コマンド解析処理を終了する。
ステップS421にてコマンド受信データがあるときには(ステップS421;Yes)、そのコマンド受信データを読み出した後、受信コマンドは図11(B)に示すような払出用初期化コマンドであるか否かを判定する(ステップS422)。そして、受信コマンドが払出用初期化コマンドであるときには(ステップS422;Yes)、払出制御カウンタ設定部143に設けられた初期化コマンド受信回数カウンタの値が所定のエラー判定値(例えば「0」)となっているか否かを判定する(ステップS423)。ステップS423にてエラー判定値となっているときには(ステップS423;Yes)、主制御通信エラーフラグをオン状態にセットして(ステップS424)、払出コマンド解析処理を終了する。他方、ステップS423にて初期化コマンド受信回数カウンタの値がエラー判定値ではないときには(ステップS423;No)、例えば初期化コマンド受信回数カウンタの値を1減算するなどして、そのカウント値を更新する(ステップS425)。
また、ステップS422にて受信コマンドが払出用初期化コマンドではないと判定したときには(ステップS422;No)、受信コマンドは払出数指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS426)。そして、受信コマンドが払出数指定コマンドではないときには(ステップS426;No)、払出コマンド解析処理を終了する。これに対して、受信コマンドが払出数指定コマンドであるときには(ステップS426;Yes)、そのコマンドによって指定された賞球の払出数を賞球未払出カウンタの値に加算して格納する(ステップS427)。このときには、払出制御カウンタ設定部143に設けられた払出動作不良回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「9」)を設定するとともに(ステップS428)、初期化コマンド受信回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「1」)を設定する(ステップS429)。ステップS425、S429のいずれかの処理を実行した後には、主制御通信エラーフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS430)。
図36は、払出動作制御処理として、図32に示すステップS92にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図36に示す払出動作制御処理を開始すると、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、未払出の賞球個数に関する記憶に異常が発生したか否かを判定するための払出数記憶異常判定処理を実行する(ステップS440)。図37は、ステップS440にて実行される払出数記憶異常判定処理の一例を示すフローチャートである。
図37に示す払出数記憶異常判定処理では、まず、賞球未払出カウンタに格納されているカウント値における増加分を特定する(ステップS501)。例えば、払出制御用データ保持エリア140には、前回カウント値格納領域が設けられており、図35に示すステップS427の処理を実行して賞球未払出カウンタの値を更新するときに、更新前の賞球未払出カウンタにおけるカウント値を前回カウント値格納領域に記憶させておく。そして、ステップS501の処理では、前回カウント値格納領域の記憶データを読み出し、賞球未払出カウンタの値との差分をとることにより、カウント値における増加分を特定することができる。
続いて、ステップS501にて特定したカウント値の増加分が、所定の賞球増加上限値(例えば「15」)以下となっているか否かを判定する(ステップS502)。この実施の形態では、主基板11から払出制御基板15に対して送信される払出制御コマンドにより指定される払出数の最大値は、図11(D)に示す第1払出数指定コマンドによって指定される「15」となっている。そして、図32に示すステップS86にてタイマ割込みがあったと判定されたときには、ステップS91のコマンド解析処理と、ステップS92の払出動作制御処理とが、1回ずつ実行される。したがって、前回の払出動作制御処理が実行されてから今回の払出動作制御処理が実行されるまでの間に、賞球未払出カウンタにおけるカウント値の増加分は、最大でも第1払出数指定コマンドによって指定される「15」となる。そこで、ステップS502にてカウント値の増加分が賞球増加上限値を超えていると判定したときには(ステップS502;No)、賞球未払出カウンタにおけるカウント値が異常に増加したため、その値は無効であると判断して、賞球未払出カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS503)。
ステップS502にてカウント値の増加分が賞球増加上限値以下であるときには(ステップS502;Yes)、払出制御カウンタ設定部143に設けられた球貸し未払出カウンタに格納されているカウント値における増加分を特定する(ステップS504)。そして、ステップS504にて特定したカウント値の増加分が、所定の球貸し増加上限値(例えば「25」)以下となっているか否かを判定する(ステップS505)。このとき、カウント値の増加分が球貸し増加上限値を超えていれば(ステップS505;No)、球貸し未払出カウンタにおけるカウント値が異常に増加したため、その値は無効であると判断して、球貸し未払出カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS506)。
ステップS505にてカウント値の増加分が球貸し増加上限値以下であるときや(ステップS505;Yes)、ステップS503、S506のいずれかの処理を実行した後には、賞球未払出カウンタの値が予め定められた多量未払出上限値(例えば「50」)未満であるか否かを判定する(ステップS507)。このとき、多量未払出上限値未満であると判定されれば(ステップS507;Yes)、払出制御フラグ設定部141に設けられたエラーフラグに含まれる多量未払出エラーフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS508)。これに対して、多量未払出上限値以上であるときには(ステップS507;No)、多量未払出エラーフラグをオン状態にセットする(ステップS509)。以上のような払出数記憶異常判定処理を実行した後には、払出制御フラグ設定部141に設けられた払出制御プロセスフラグの値に応じて、図36に示すようなステップS441〜S443の各処理を実行する。
ステップS441の払出制御通常処理は、払出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。図38は、払出制御通常処理として、図36に示すステップS441にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す払出制御通常処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、賞球未払出カウンタの値が「0」以外の値となっているか否かを判定する(ステップS521)。このとき、賞球未払出カウンタの値が「0」以外の値であれば(ステップS521;Yes)、例えば払出制御フラグ設定部141に設けられたエラーフラグに含まれる球切れエラーフラグをチェックすることなどにより、球切れ状態となっているか否かを判定する(ステップS522)。そして、球切れ状態となっているときには(ステップS522;Yes)、払出制御通常処理を終了する。これに対して、ステップS522にて球切れ状態ではない場合には(ステップS522;No)、払出制御プロセスフラグの値を“1”に更新する(ステップS523)。
また、ステップS521にて賞球未払出カウンタの値が「0」であるときには(ステップS521;No)、球貸し未払出カウンタの値が「0」以外の値となっているか否かを判定する(ステップS524)。ここで、球貸し未払出カウンタの値は、例えばカードユニット70との通信により球貸し要求を受けたときに、所定数(例えば「25」)が加算されることなどにより、更新される。ステップS524にて球貸し未払出カウンタの値が「0」であれば(ステップS524;No)、払出制御通常処理を終了する。他方、ステップS524にて球貸し未払出カウンタの値が「0」以外の値であるときには(ステップS524;Yes)、例えば払出制御フラグ設定部141に設けられたエラーフラグに含まれる球切れエラーフラグや、カードユニット未接続エラーフラグをチェックすることなどにより、球貸し可能な状態となっているか否かを判定する(ステップS525)。そして、例えば球切れエラーフラグとカードユニット未接続エラーフラグのいずれかがオン状態となっていることなどにより、球貸し可能な状態ではないと判定されたときには(ステップS525;No)、払出制御通常処理を終了する。これに対して、ステップS525にて球貸し可能な状態となっているときには(ステップS525;Yes)、払出制御プロセスフラグの値を“2”に更新する(ステップS526)。
図36に示すステップS442の賞球払出動作処理は、払出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。図39は、賞球払出動作処理として、図36に示すステップS442にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す賞球払出動作処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、例えばI/Oポート154内の入力ポート#2におけるビット3及びビット4の状態をチェックすることなどにより、払出カウントスイッチ72からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS531)。そして、払出カウントスイッチ72からの検出信号がオン状態であるときには(ステップS531;Yes)、払出制御カウンタ設定部143に設けられた払出個数カウンタの値を1加算する(ステップS532)。これに対して、ステップS531にて払出カウントスイッチ72からの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS531;No)、ステップS532の処理をスキップする。この後、払出制御フラグ設定部141に設けられた賞球払出動作プロセスフラグの値に応じて、図39に示すステップS533、S534のいずれかの処理を選択して実行する。
ステップS533の賞球払出回数算出処理は、賞球払出動作プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この賞球払出回数算出処理は、賞球未払出カウンタや払出個数カウンタの値などに基づき、払出モータ51を駆動することにより賞球として払い出す遊技球の個数を設定する処理である。ステップS534の賞球払出駆動処理は、賞球払出動作プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この賞球払出駆動処理は、賞球払出回数算出処理での設定に基づき、払出モータ51の駆動制御に関する設定を行う処理である。
図40は、賞球払出回数算出処理として、図39に示すステップS533にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す賞球払出回数算出処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、賞球未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値よりも大きな値となっているか否かを判定する(ステップS601)。ここで、ステップS601にて賞球未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値と等しいか、それよりも小さな値となっているときには(ステップS601;No)、賞球未払出カウンタの値に対応した遊技球の払出動作が完了したと判断される。このときには、払出制御カウンタ設定部143に設けられた払出動作不良回数カウンタをクリアしてカウント値を初期化するとともに(ステップS602)、賞球未払出カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS603)。
他方、ステップS601にて賞球未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値よりも大きな値となっているときには(ステップS601;Yes)、賞球未払出カウンタによってカウントされている遊技球個数のうちに、未だ払出動作が完了していないものが含まれていると判断される。そこで、賞球未払出カウンタの値である未払出数から、払出個数カウンタの値である払出個数を減算することにより、未だ払出動作が完了していない遊技球の個数を特定する(ステップS604)。続いて、ステップS604での減算処理により特定された値としての減算値を、払出制御カウンタ設定部143に設けられた払出モータ回転カウンタにセットする(ステップS605)。
ステップS605の処理に続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150は、払出動作不良回数カウンタの値が所定の不良回数上限値(例えば「9」)を超えているか否かを判定する(ステップS606)。このとき、不良回数上限値を超えていれば(ステップS606;Yes)、払出制御フラグ設定部141に設けられたエラーフラグに含まれる球詰まりエラーフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS607)、払出動作不良回数カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS608)。他方、ステップS606にて不良回数上限値以下であるときには(ステップS606;No)、賞球となる遊技球の払出動作が可能な状態となっているか否かを判定する(ステップS609)。具体的な一例として、ステップS609の処理では、エラーフラグに含まれる球詰まりエラーフラグや空切りエラーフラグ、球噛みエラーフラグ、球切れエラーフラグ、満タンエラーフラグなどをチェックして、いずれかのエラーフラグがオン状態となっているときには、賞球となる遊技球の払出動作が不可能な状態であると判断する。他方、いずれのエラーフラグもオフ状態となっているときには、賞球となる遊技球の払出動作が可能な状態であると判断する。
ステップS603の処理を実行した後や、ステップS609にて払出動作が不可能な状態であるときには(ステップS609;No)、払出制御プロセスフラグの値を“0”に更新するとともに(ステップS610)、払出個数カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS611)。また、払出モータ回転カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS612)。これに対して、ステップS609にて払出動作が可能な状態であるときには(ステップS609;Yes)、ステップS604にて得られた減算値を賞球未払出カウンタにセットすることにより、賞球未払出カウンタの値を更新する(ステップS613)。そして、賞球払出動作プロセスフラグの値を“1”に更新する(ステップS614)。
図41は、賞球払出駆動処理として、図39に示すステップS534にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図41に示す賞球払出駆動処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、賞球未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値よりも大きな値となっているか否かを判定する(ステップS621)。ここで、ステップS621にて賞球未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値よりも大きな値となっているときには(ステップS621;Yes)、賞球となる遊技球の正常な払出動作が行われていると判断される。このときには、例えば払出モータ51の励磁時間などから、賞球となる遊技球を1個分払い出すための払出動作が完了したか否かを判定する(ステップS622)。
ステップS622にて遊技球を1個分払い出すための払出動作が完了したときには(ステップS622;Yes)、払出モータ回転カウンタの値を1減算して更新する(ステップS623)。そして、減算された払出モータ回転カウンタの値が「0」となったか否かを判定する(ステップS624)。ここで、ステップS624にて払出モータ回転カウンタの値が「0」であるときには(ステップS624;Yes)、払出モータ51を駆動することにより既に払い出された遊技球として払出個数カウンタでカウントされた遊技球の個数が、払い出すべき賞球として賞球未払出カウンタでカウントされた遊技球の個数に達するより以前に、払い出しの対象となる賞球の個数に対応した払出モータ51の駆動動作が完了したと判断される。このときには、払出動作不良回数カウンタの値を1加算して更新する(ステップS625)。なお、図39に示すステップS533の賞球払出回数算出処理が実行された後、ステップS624にて払出モータ回転カウンタの値が「0」である旨の判定がなされるより前の段階で図35に示すステップS426にて払出数指定コマンドを受信した旨の判定がなされた場合には、払出個数カウンタによってカウントされた遊技球の個数が賞球未払出カウンタによってカウントされた遊技球の個数に達するより以前に、払出モータ回転カウンタの値が「0」となることにより払い出しの対象となる賞球の個数に対応した遊技球の払出動作が完了したと判断されることがある。この実施の形態では、図40に示すステップS606にて払出動作不良回数カウンタの値と比較される不良回数上限値を適切な値(例えば「9」)に定めておくことで、途中で払出数指定コマンドを受信した場合でも直ちにエラーと判定されることを防止しつつ、払出装置における球詰まりなどの発生による払出動作の不良を適切に検出することができる。
ステップS621にて賞球未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値と等しいか、それよりも小さな値となっているときや(ステップS621;No)、ステップS625の処理を実行した後には、払出モータ51の駆動を停止するための設定を行うとともに(ステップS626)、賞球払出動作プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS627)。
ステップS624にて払出モータ回転カウンタの値が「0」以外の値であるときには(ステップS624;No)、例えば所定の励磁パターンテーブルの先頭アドレスをポインタに設定するなどといった、遊技球を1個分払い出すための払出動作に関する設定を行ってから(ステップS628)、賞球払出駆動処理を終了する。
また、ステップS622にて遊技球を1個分払い出すための払出動作が完了していないときには(ステップS622;No)、例えば払出制御フラグ設定部141に設けられた各種のエラーフラグの状態を確認することなどにより、払出モータ51による払出動作にエラーが発生したかどうかをチェックする(ステップS629)。このとき、払出動作にエラーが発生していれば、例えばステップS626と同様にして払出モータ51の駆動を停止するための設定を行うなど、払出モータ51による払出動作中に発生したエラーに対応した設定を行う(ステップS630)。他方、ステップS629にて払出動作にエラーが発生していないと判定されたときには(ステップS629;No)、ステップS630の処理をスキップして賞球払出駆動処理を終了する。
図36に示す球貸し払出動作処理は、払出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。図42は、球貸し払出動作処理として、図36に示すステップS443にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す球貸し払出動作処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、例えばI/Oポート154内の入力ポート#2におけるビット3及びビット4の状態をチェックすることなどにより、払出カウントスイッチ72からの検出信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS551)。そして、払出カウントスイッチ72からの検出信号がオン状態であるときには(ステップS551;Yes)、払出個数カウンタの値を1加算する(ステップS552)。これに対して、ステップS551にて払出カウントスイッチ72からの検出信号がオフ状態であるときには(ステップS551;No)、ステップS552の処理をスキップする。この後、払出制御フラグ設定部141に設けられた球貸し動作プロセスフラグの値に応じて、図42に示すステップS553、S554のいずれかの処理を選択して実行する。
ステップS553の球貸し払出回数算出処理は、球貸し動作プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この球貸し払出回数算出処理は、球貸し未払出カウンタや払出個数カウンタの値などに基づき、払出モータ51を駆動することにより貸し球として払い出す遊技球の個数を設定する処理である。ステップS554の球貸し払出駆動処理は、球貸し動作プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この球貸し払出駆動処理は、球貸し払出回数算出処理での設定に基づき、払出モータ51の駆動制御に関する設定を行う処理である。
図43は、球貸し払出回数算出処理として、図42に示すステップS553にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図43に示す球貸し払出回数算出処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、球貸し未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値よりも大きな値となっているか否かを判定する(ステップS651)。ここで、ステップS651にて球貸し未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値と等しいか、それよりも小さな値となっているときには(ステップS651;No)、球貸し未払出カウンタの値に対応した遊技球の払出動作が完了したと判断される。このときには、払出動作不良回数カウンタをクリアしてカウント値を初期化するとともに(ステップS652)、球貸し未払出カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS653)。
他方、ステップS651にて球貸し未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値よりも大きな値となっているときには(ステップS651;Yes)、球貸し未払出カウンタによってカウントされている遊技球個数のうちに、未だ払出動作が完了していないものが含まれていると判断される。そこで、球貸し未払出カウンタの値である未払出数から、払出個数カウンタの値である払出個数を減算することにより、未だ払出動作が完了していない遊技球の個数を特定する(ステップS654)。続いて、ステップS654での減算処理により特定された値としての減算値を、払出モータ回転カウンタにセットする(ステップS655)。
ステップS655の処理に続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150は、払出動作不良回数カウンタの値が所定の不良回数上限値(例えば「9」)を超えているか否かを判定する(ステップS656)。このとき、不良回数上限値を超えていれば(ステップS656;Yes)、球詰まりエラーフラグをオン状態にセットするとともに(ステップS657)、払出動作不良回数カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS658)。他方、ステップS656にて不良回数上限値以下であるときには(ステップS656;No)、貸し球となる遊技球の払出動作が可能な状態となっているか否かを判定する(ステップS659)。具体的な一例として、ステップS659の処理では、エラーフラグに含まれる球詰まりエラーフラグや空切りエラーフラグ、球噛みエラーフラグ、球切れエラーフラグ、満タンエラーフラグ、カードユニット未接続エラーフラグなどをチェックして、いずれかのエラーフラグがオン状態となっているときには、貸し球となる遊技球の払出動作が不可能な状態であると判断する。他方、いずれのエラーフラグもオフ状態となっているときには、貸し球となる遊技球の払出動作が可能な状態であると判断する。
ステップS653の処理を実行した後や、ステップS659にて払出動作が不可能な状態であるときには(ステップS659;No)、払出制御プロセスフラグの値を“0”に更新するとともに(ステップS660)、払出個数カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS661)。また、払出モータ回転カウンタをクリアしてカウント値を初期化する(ステップS662)。これに対して、ステップS659にて払出動作が可能な状態であるときには(ステップS659;Yes)、ステップS654にて得られた減算値を賞球未払出カウンタにセットすることにより、球貸し未払出カウンタの値を更新する(ステップS663)。そして、球貸し動作プロセスフラグの値を“1”に更新する(ステップS664)。
図44は、球貸し払出駆動処理として、図42に示すステップS554にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図44に示す球貸し払出駆動処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、球貸し未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値よりも大きな値となっているか否かを判定する(ステップS671)。ここで、ステップS671にて球貸し未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値よりも大きな値となっているときには(ステップS671;Yes)、貸し球となる遊技球の正常な払出動作が行われていると判断される。このときには、例えば払出モータ51の励磁時間などから、貸し球となる遊技球を1個分払い出すための払出動作が完了したか否かを判定する(ステップS672)。
ステップS672にて遊技球を1個分払い出すための払出動作が完了したときには(ステップS672;Yes)、払出モータ回転カウンタの値を1減算して更新する(ステップS673)。そして、減算された払出モータ回転カウンタの値が「0」となったか否かを判定する(ステップS674)。ここで、ステップS674にて払出モータ回転カウンタの値が「0」であるときには(ステップS674;Yes)、払出モータ51を駆動することにより既に払い出された遊技球として払出個数カウンタでカウントされた遊技球の個数が、払い出すべき貸し球として球貸し未払出カウンタでカウントされた遊技球の個数に達するより以前に、払い出しの対象となる貸し球の個数に対応した払出モータ51の駆動動作が完了したと判断される。このときには、払出動作不良回数カウンタの値を1加算して更新する(ステップS675)。
ステップS671にて球貸し未払出カウンタの値が払出個数カウンタの値と等しいか、それよりも小さな値となっているときや(ステップS671;No)、ステップS675の処理を実行した後には、払出モータ51の駆動を停止するための設定を行うとともに(ステップS676)、球貸し動作プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS677)。
ステップS674にて払出モータ回転カウンタの値が「0」以外の値であるときには(ステップS674;No)、例えば所定の励磁パターンテーブルの先頭アドレスをポインタに設定するなどといった、遊技球を1個分払い出すための払出動作に関する設定を行ってから(ステップS678)、球貸し払出駆動処理を終了する。
また、ステップS672にて遊技球を1個分払い出すための払出動作が完了していないときには(ステップS672;No)、例えば払出制御フラグ設定部141に設けられた各種のエラーフラグの状態を確認することなどにより、払出モータ51による払出動作にエラーが発生したかどうかをチェックする(ステップS679)。このとき、払出動作にエラーが発生していれば(ステップS679;No)、例えばステップS676と同様にして払出モータ51の駆動を停止するための設定を行うなど、払出モータ51による払出動作中に発生したエラーに対応した設定を行う(ステップS680)。他方、ステップS679にて払出動作にエラーが発生していないと判定されたときには(ステップS679;Yes)、ステップS680の処理をスキップして球貸し払出駆動処理を終了する。
図32に示すステップS93にて実行される7セグ表示処理では、例えば払出制御用マイクロコンピュータ150が払出制御フラグ設定部141に設けられた各種のエラーフラグの状態をチェックする。そして、オン状態となっているエラーフラグに対応してエラー表示用LED74の点灯動作を制御するための制御データを、I/Oポート154内の出力ポート#3にセットする。図45は、エラーの種類とエラー表示用LED74の表示との関係などを示す説明図である。
図45に示すように、主制御通信エラーフラグがオン状態になった場合には、払出制御用マイクロコンピュータ150は、主基板接続エラーとして、エラー表示用LED74に「0」を表示する制御を行う。球切れエラーフラグがオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED74に「1」を表示する制御を行う。球噛みエラーフラグがオン状態になった場合には、球噛みエラーとして、エラー表示用LED74に「2」を表示する制御を行う。空切り(奥)エラーフラグがオン状態になった場合には、第1の球経路異常である空切り(奥)エラーとして、エラー表示用LED74に「3」を表示する制御を行う。
空切り(手前)エラーフラグがオン状態になった場合には、第2の球経路異常である空切り(手前)エラーとして、エラー表示用LED74に「4」を表示する制御を行う。球詰まりエラーフラグがオン状態になった場合には、球詰まりエラーとして、エラー表示用LED74に「5」を表示する制御を行う。カードユニット未接続エラーフラグがオン状態になった場合には、カードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED74に「7」を表示する制御を行う。多量未払出エラーフラグがオン状態になった場合には、多量未払出エラーとして、エラー表示用LED74に「9」を表示する制御を行う。
図46は、払出側送信処理として、図32に示すステップS94にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図46に示す払出側送信処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、払出制御フラグ設定部141に設けられたシリアル送信プロセスフラグの値に応じて、ステップS461〜S463の各処理を実行する。
ステップS461の送信設定処理は、シリアル送信プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。図47は、送信設定処理として、図46に示すステップS461にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図47に示す送信設定処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば所定のエラーフラグの状態をチェックすることなどにより、主基板11に対して賞球エラー通知コマンドを送信するためのコマンド送信タイミングとなったか否かを判定する(ステップS571)。具体的な一例として、払出制御用マイクロコンピュータ150は、カードユニット未接続エラーフラグや主制御通信エラーフラグ、多量未払出エラーフラグ、球切れエラーフラグをチェックして、いずれかのフラグがオフ状態からオン状態へと変化したときに、コマンド送信タイミングとなった旨の判定を行う。
ステップS571にてコマンド送信タイミングでなければ(ステップS571;No)、そのまま送信設定処理を終了する。これに対して、ステップS571にてコマンド送信タイミングとなっている場合には(ステップS571;Yes)、主基板11に対して送信するコマンドの1バイト目となる送信用データを生成する(ステップS572)。このとき生成される送信用データとしては、例えばカードユニット未接続エラーフラグや主制御通信エラーフラグ、多量未払出エラーフラグ、球切れエラーフラグの状態を示すビットを含んだ8ビットのデータなどであればよい。ステップS572の処理を実行した後には、シリアル送信プロセスフラグの値を“1”に更新する(ステップS573)。
図46に示すステップS462の送信開始処理は、シリアル送信プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。図48は、送信開始処理として、図46に示すステップS462にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図48に示す送信開始処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、まず、例えば払出制御基板15に搭載されたシリアル通信回路155における通信動作状態をチェックするなどして、主基板11に対してコマンドを送信可能な状態となっているか否かを判定する(ステップS581)。具体的な一例として、ステップS581の処理では、I/Oポート154内の入力ポート#0におけるビット0及びビット1をチェックして、送信許可信号がオン状態であり、なおかつ、送信中信号がオフ状態となっているか否かを判定する。そして、送信許可信号がオン状態であるとともに送信中信号がオフ状態であれば、送信可能な状態になっているものと判断し、それ以外の場合には、送信可能な状態ではないものと判断する。
ステップS581にて送信可能な状態ではないときには(ステップS581;No)、そのまま送信開始処理を終了する。他方、送信可能な状態になっているときには(ステップS581;Yes)、例えば前述した図47に示すステップS572の処理で生成した送信用データをI/Oポート154内の出力ポート#2にセットするなどして、コマンドの1バイト目を送信するための設定を行う(ステップS582)。この後、所定時間(例えば約3マイクロ秒)が経過するまで待機する(ステップS583)。
ステップS583の処理に続いて、払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば前述した図47に示すステップS572の処理で生成した送信用データにおける各ビット値を反転させることにより、主基板11に対して送信するコマンドの2バイト目となる送信用データを生成する(ステップS584)。そして、例えばステップS584にて生成した送信用データをI/Oポート154内の出力ポート#2にセットするなどして、コマンドの2バイト目を送信するための設定を行う(ステップS585)。その後、シリアル送信プロセスフラグの値を“2”に更新する(ステップS586)。
図46に示すステップS463の送信終了処理は、シリアル送信プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。図49は、送信終了処理として、図46に示すステップS463にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図49に示す送信終了処理において、払出制御用マイクロコンピュータ150は、主基板11から送信されるメインACK信号がオン状態となっているか否かを判定する(ステップS591)。具体的な一例として、ステップS591の処理では、I/Oポート154内の入力ポート#3のビット7をチェックして、メインACK信号がオン状態となっているか否かを判定する。
ステップS591にてメインACK信号がオフ状態であるときには(ステップS591;No)、図48に示す送信開始処理の実行が完了してからの経過時間が予め定められた送信終了待ち時間に達したか否かを判定する(ステップS592)。このとき、経過時間が送信終了待ち時間に達していなければ(ステップS592;No)、そのまま送信終了処理を終了する。他方、経過時間が送信終了待ち時間に達していれば(ステップS592;Yes)、払出制御フラグ設定部141に設けられたエラーフラグに含まれる払出側送信エラーフラグをオン状態にセットする(ステップS593)。
ステップS591にてメインACK信号がオン状態であるときには(ステップS591;Yes)、払出側送信エラーフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS594)。ステップS593、S594のいずれかの処理を実行した後には、シリアル送信プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS595)。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板10からの電力供給が開始され演出制御用マイクロコンピュータ120へのリセット信号がハイレベル(オフ状態)になったことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動し、図50のフローチャートに示すような演出制御メイン処理が実行される。図50に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用マイクロコンピュータ120は、まず、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の実行間隔を決めるためのタイマ初期設定等を行う初期化処理を実行する(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ120は、タイマ割込フラグを監視してオンとなったか否かを判定する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグがオンとなるまでは(ステップS702;No)、ステップS702の処理を繰り返し実行するループ処理に入る。タイマ割込みの発生によりタイマ割込フラグがオンとなったときには(ステップS702;Yes)、そのフラグをクリアして(ステップS703)、以下のような演出制御処理を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ120におけるタイマ割込みは、例えば2ミリ秒ごとに発生する。すなわち、演出制御処理は、例えば2ミリ秒ごとに実行される。この実施の形態では、タイマ割込みの発生に応答して所定のタイマ割込処理が実行されることにより、タイマ割込フラグがオン状態にセットされ、具体的な演出制御処理は演出制御メイン処理内において実行される。これに対して、タイマ割込処理内において演出制御処理が実行されるようにしてもよい。
演出制御処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120が、まず、主基板11から中継基板18を介して受信した演出制御コマンドを解析するための演出コマンド解析処理を実行する(ステップS704)。続いて、演出制御用マイクロコンピュータ120は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、演出用の電気部品となる画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などの制御状態に応じて、各種の処理が選択されて実行される。この後、演出制御用マイクロコンピュータ120においてカウントされる各種の乱数を更新するための乱数更新処理が実行される(ステップS706)。さらに、主基板11からの演出制御コマンドによる報知指示などに基づく報知動作を制御するための報知処理を実行する(ステップS707)。
図51は、演出制御プロセス処理として、図50に示すステップS705にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図51に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120は、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定領域など)に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS800〜S805の各処理を実行する。
ステップS800の可変表示開始コマンド受信待ち処理は、演出制御プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この可変表示開始コマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120は、主基板11から送信された可変表示開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、可変表示開始コマンドを受信していないときには、そのまま可変表示開始コマンド受信待ち処理を終了する。他方、可変表示開始コマンドを受信したときには、演出制御プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS801の演出表示制御設定処理は、演出制御プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この演出表示制御設定処理は、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて特別図柄が変動表示されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を含めた各種の表示による演出を行うために、画像表示装置5の表示動作を設定するための処理を含んでいる。具体的な一例として、ステップS801の演出表示制御設定処理では、まず、主基板11からの可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンが大当りパターンであるか否かを判定し、大当りパターンではないと判定されたときには、リーチハズレパターンであるか否かを判定する。そして、リーチハズレパターンではないと判定されたときには、通常ハズレパターンが指定されたものと判断して、通常ハズレ組合せとなる確定飾り図柄を決定するための通常ハズレ図柄決定処理を実行する。
例えば、通常ハズレ図柄決定処理では、演出制御用マイクロコンピュータ120にてカウントされている左図柄決定用の乱数値を抽出し、その乱数値に基づきROM121に格納されている左図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」の可変表示部にて可変表示結果として停止表示する飾り図柄(左確定飾り図柄)の図柄番号を決定する。また、中図柄決定用の乱数値を抽出し、その乱数値に基づきROM121に格納されている中図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「中」の可変表示部にて可変表示結果として停止表示する飾り図柄(中確定飾り図柄)の図柄番号を決定する。さらに、右図柄決定用の乱数値を抽出し、その乱数値に基づきROM121に格納されている右図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「右」の可変表示部にて可変表示結果として停止表示する飾り図柄(右確定飾り図柄)の図柄番号を決定する。
こうして決定された左・中・右確定飾り図柄からなる飾り図柄の組合せが、「チャンス目」として予め定められた飾り図柄の組合せと同一となっているか否かを判定する。このとき、「チャンス目」と同じになっていれば、例えば右確定飾り図柄の図柄番号に任意の値(例えば「1」)を加算するなどして、左・中・右確定飾り図柄からなる飾り図柄の組合せが「チャンス目」とはことなるものとなるようにする。
また、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンがリーチハズレパターンであるときには、リーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄を決定するためのリーチハズレ図柄決定処理を実行する。例えば、リーチハズレ図柄決定処理では、左図柄決定用の乱数値を抽出し、その乱数値に基づき左図柄決定テーブルを参照することなどにより、左確定飾り図柄の図柄番号を決定する。そして、左確定飾り図柄と同一の図柄番号である飾り図柄を右確定飾り図柄に決定するとともに、左・右確定飾り図柄とは異なる図柄番号の飾り図柄を中確定飾り図柄に決定する。
さらに、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンが大当りパターンであるときには、その大当りパターンが大当り開始前再抽選演出表示の実行を伴うものであるか否かを判定する。そして、大当り開始前再抽選演出表示の実行を伴うものであれば、大当り組合せとなる仮停止図柄を決定する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120にてカウントされている仮停止図柄決定用の乱数値を抽出し、その乱数値に基づきROM121に格納されている仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、飾り図柄の可変表示時間が経過する前の所定のタイミングに「左」、「中」、「右」の各可変表示部で仮停止される左・中・右仮停止飾り図柄として、同一の図柄番号を有する通常図柄を選択して決定する。大当り開始前再抽選演出表示の実行を伴わない大当りパターンであるときには、仮停止図柄を決定するための処理をスキップする。続いて、主基板11から送信された表示結果通知コマンドに基づき、特図ゲームにおける可変表示結果、高確率状態に制御されるか否か、及び大当り終了後再抽選演出表示の実行の有無を特定する。このとき特定された特図ゲームにおける可変表示結果が2ラウンド大当りである場合には、「チャンス目」となる飾り図柄の組合せを左・中・右確定飾り図柄に決定する。他方、15ラウンド大当りである場合には、高確率状態に制御されるか否かを判定する。高確率状態に制御されるときには、さらに、大当り終了後再抽選演出表示が実行されるか否かを判定する。
こうした処理により、大当り終了後再抽選演出表示が実行されないと判定された場合には、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を決定する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120にてカウントされている大当り図柄決定用の乱数値を抽出し、その乱数値に基づきROM121に格納されている確変大当り時図柄決定テーブルを参照することなどにより、左・中・右確定飾り図柄として、同一の図柄番号を有する確変図柄を選択して決定する。他方、高確率状態に制御されないと判定した場合や、大当り終了後再抽選演出表示が実行されると判定した場合には、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を決定する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120にてカウントされている大当り図柄決定用の乱数値を抽出し、その乱数値に基づきROM121に格納されている通常大当り時図柄決定テーブルを参照することなどにより、左・中・右確定飾り図柄として、同一の図柄番号を有する通常図柄を選択して決定する。
このようにして確定飾り図柄を決定した後、演出表示制御設定処理では、可変表示開始コマンドにより指定された可変表示パターンに対応する図柄表示制御パターンを決定し、その図柄表示制御パターンに対応した描画コマンドをVDP125に送出するなどして、飾り図図柄の可変表示を開始するための設定を行う。このときには、図柄表示制御パターンに対応して飾り図柄の可変表示時間を計測するためのタイマ設定なども行われる。この後、演出制御プロセスフラグの値を“2”に更新して、演出表示制御設定処理を終了する。
ステップS802の飾り図柄可変表示処理は、演出制御プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この飾り図柄可変表示処理では、例えば飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間に応じて図柄表示制御パターンにおける読出位置を切り替え、その読出位置から読み出された表示制御データに対応する描画コマンドをVDP125に送出するなどして、画像表示装置5における表示動作の制御を行う。そして、飾り図柄の可変表示を終了するタイミングに達すると、大当り開始コマンド受信待ち時間の設定を行うとともに、演出制御プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS803の飾り図柄停止時処理は、演出制御プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この飾り図柄停止時処理では、主基板11から送信された大当り開始コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始コマンドを受信せずに大当り開始コマンド受信待ち時間が経過したときには、飾り図柄の可変表示結果がハズレであると判断して、演出制御プロセスフラグの値を“0”に更新する。
また、飾り図柄停止時処理にて大当り開始コマンドを受信した旨の判定がなされたときには、既に受信している表示結果通知コマンドに基づき、飾り図柄の可変表示結果を特定する。より具体的には、主基板11から受信した表示結果通知コマンドのEXTデータが「01H」または「02H」であるときには通常図柄からなる大当りの可変表示結果であると特定し、「03H」であるときには確変図柄からなる大当りの可変表示結果であると特定し、「04H」であるときには突然確変大当りに対応した「チャンス目」となる可変表示結果であると特定する。
こうして特定された飾り図柄の可変表示結果が通常図柄または確変図柄からなる大当りの可変表示結果である場合には、大当り遊技状態の開始を報知する15ラウンド大当り演出表示を画像表示装置5にて開始させるための設定を行う。他方、特定された飾り図柄の可変表示結果が突然確変大当りに対応した「チャンス目」である場合には、高確率状態の開始を予告する突然確変大当り演出表示を画像表示装置5にて開始させるための設定を行う。この後、演出制御プロセスフラグの値を“4”に更新する。
ステップS804の大当り演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り演出処理では、画像表示装置5における表示動作を制御することにより、大当り遊技状態に応じた画像を表示する制御を行う。具体的な一例として、ステップS804の大当り演出処理では、飾り図柄の可変表示結果が通常図柄または確変図柄からなる大当りの可変表示結果であるときに、15ラウンド大当りに対応したラウンド中画像を画像表示装置5に表示させるための設定を行う。他方、飾り図柄の可変表示結果が突然確変大当りに対応した「チャンス目」であるときには、確変突入予告演出表示を画像表示装置5にて実行させるための設定を行う。また、大当り演出処理では、主基板11からの大当り終了コマンドを受信したか否かの判定を行い、受信した旨の判定がなされたときには、演出制御プロセスフラグの値を“5”に更新する。
ステップS805の大当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り終了演出処理は、画像表示装置5にて大当り終了後再抽選演出表示や大当り終了報知演出表示などを実行するための制御を行う処理を含んでいる。具体的な一例として、ステップS805の大当り終了演出処理では、飾り図柄の可変表示結果が通常図柄または確変図柄からなる大当りの可変表示結果である場合に、主基板11からの大当り終了コマンドに基づき、大当り終了後再抽選演出表示の実行の有無を判定する。このとき、大当り終了後再抽選演出表示を実行しないと判定された場合には、画像表示装置5にて大当り終了後再抽選演出表示の実行を伴わない大当り終了演出表示を実行するための設定を行う。他方、大当り終了後再抽選演出表示を実行すると判定された場合には、画像表示装置5にて大当り終了後再抽選演出表示を実行するための設定を行う。また、飾り図柄の可変表示結果が突然確変大当りに対応した「チャンス目」である場合には、確変突入時演出表示を実行するための設定を行う。その後、各種の演出表示が終了したときには、演出制御プロセスフラグの値を“0”に更新する。
図52は、報知処理として、図50に示すステップS707にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図52に示す報知処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120は、まず、主基板11からの復旧報知コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS811)。そして、復旧報知コマンドを受信したときには(ステップS811;Yes)、図53(D)に例示するような電源復旧時画像を画像表示装置5に表示させるための設定を行う(ステップS812)。他方、ステップS811にて復旧報知コマンドを受信していないときには(ステップS811;No)、主基板11からの初期化通知コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS813)。このとき、初期化通知コマンドを受信していれば(ステップS813;Yes)、図53(E)に例示するような初期設定飾り図柄を画像表示装置5に表示させるための設定を行う(ステップS814)。
演出制御用マイクロコンピュータ120は、電源復旧時画像や初期設定飾り図柄を表示した後、予め定められた表示期間が経過したときに、それらの表示を消去するようにしてもよい。あるいは、電源復旧時画像や初期設定飾り図柄の表示を開始した後、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信するまでは、それらの表示を継続して行うようにしてもよい。予め定められた表示期間が経過したときに表示を消去する場合には、その後、デモンストレーション画面となる所定の画像を画像表示装置5に表示させるようにしてもよい。なお、予め定められた表示期間が経過したときに表示を消去する場合であっても、その表示期間が経過するより以前に主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したときには、その可変表示開始コマンドを受信したことに基づく飾り図柄の可変表示を開始できるようにすればよい。
ステップS813にて初期化通知コマンドを受信していないときや(ステップS813;No)、ステップS812、S814のいずれかの処理を実行した後には、賞球過多または賞球不足の報知を行っているか否かを判定する(ステップS815)。このとき、それらの報知を行っていなければ(ステップS815;No)、主基板11からの賞球過多コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS816)。そして、賞球過多コマンドを受信したときには(ステップS816;Yes)、図53(B)に例示するような賞球過多報知画面となる所定の画像を画像表示装置5に表示させることにより賞球過多の報知を開始するための設定を行う(ステップS817)。このときには、報知を終了するまでの経過時間を計測するための報知タイマに、賞球過多の報知に対応した報知時間を示すタイマ初期値を設定する(ステップS818)。
また、ステップS816にて賞球過多コマンドを受信していないときには(ステップS816;No)、主基板11からの賞球不足コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS819)。そして、賞球不足コマンドを受信したときには(ステップS819;Yes)、図53(C)に例示するような賞球不足報知画面となる所定の画像を画像表示装置5に表示させることにより賞球不足の報知を開始するための設定を行う(ステップS820)。このときには、報知を終了するまでの経過時間を計測するための報知タイマに、賞球不足の報知に対応した報知時間を示すタイマ初期値を設定する(ステップS821)。
ステップS815にて賞球過多または賞球不足の報知を行っている旨の判定がなされたときには(ステップS815;Yes)、報知タイマにおけるタイマ値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS822)。そして、ステップS822にて更新された報知タイマの値に基づき、賞球過多または賞球不足の報知を終了するタイミングに達したか否かを判定する(ステップS823)。このとき、報知を終了するタイミングに達していれば(ステップS823;Yes)、賞球過多または賞球不足の報知を終了するための設定を行う(ステップS824)。例えば、ステップS824の処理では、図53(B)、(C)に示す画面に代えて、それらの画面を表示する前に表示していた画面に戻すようにすればよい。ステップS823にて報知を終了するタイミングに達していないときには、ステップS824の処理をスキップする。
この後、演出制御用マイクロコンピュータ120は、主基板11からの払出異常報知開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS825)。そして、払出異常報知開始コマンドを受信したときには(ステップS825;Yes)、図53(A)に例示するような払出異常報知画面となる所定の画像を画像表示装置5に表示させることにより払出異常報知を開始するための設定を行う(ステップS826)。他方、ステップS825にて払出異常報知開始コマンドを受信していないときには(ステップS825;No)、ステップS826の処理をスキップする。
また、演出制御用マイクロコンピュータ120は、主基板11からの払出異常報知終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS827)。そして、払出異常報知終了コマンドを受信したときには(ステップS827;Yes)、払出異常報知を終了する為の設定を行う(ステップS828)。例えば、ステップS828の処理では、図53(A)に示す画面に代えて、その画面を表示する前に表示していた画面に戻すようにすればよい。ステップS827にて払出異常報知終了コマンドを受信していないときには(ステップS827;No)、ステップS828の処理をスキップする。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な動作例について説明する。パチンコ遊技機1では、遊技者等がパチンコ遊技機1における遊技領域外側の右下位置に設けられた操作ノブ30を操作したことに応答して、発射モータ61の駆動力により遊技球が遊技領域に打ち込まれる。そして、遊技領域に打ち込まれた遊技球が普通可変入賞球装置6に入賞して始動口スイッチ22から出力される入賞検出信号がオン状態となることにより(図31のステップS120;Yes)、特別図柄表示装置4による特図ゲームや画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を実行するための始動条件が成立すると、入賞処理の実行によって(ステップS121)、遊技制御用マイクロコンピュータ110に内蔵された乱数回路などから大当り判定用の乱数値MR1を示す数値データが抽出され、特図保留記憶部131に記憶される。
また、始動口スイッチ22からの入賞検出信号がオン状態となったことに応じて、遊技制御カウンタ設定部135に設けられた第3払出数指示カウンタの値が1加算されるとともに、総賞球数カウンタの値が4加算される(図26(A)のステップS202、及び図26(B)参照)。この場合には、図27に示すステップS304にて第3払出数指示カウンタの値が「0」以外の値であると判定されることにより(ステップS304;No)、その第3払出数指示カウンタの値が1減算されるとともに(ステップS307)、コマンド送信回数カウンタの値が1加算される(ステップS308)。このとき、変数Nの値が「3」になっていることから(ステップS309;No、及びステップS311;No)、第3払出数指定コマンドを払出制御基板15に対して送信するための設定が行われる(ステップS313)。
こうして主基板11から払出制御基板15に対して第3払出数指定コマンドが送信されたときには、払出制御用マイクロコンピュータ150によって受信コマンドがあると判定されることにより(図34のステップS404;Yes)、受信データが8ビット単位で読み込まれる(ステップS405)。そして、受信データが受信コマンドにおける1バイト目を示すものであるときには(ステップS407;Yes)、第1コマンド受信バッファに受信データが格納される一方(ステップS408)、2バイト目を示すものであるときには(ステップS407;No)、第2コマンド受信バッファに受信データが格納される(ステップS409)。加えて、受信コマンドにおける2バイト目を示す受信データが読み込まれたときには、受信コマンドにおける1バイト目と2バイト目との排他的論理和が演算され(ステップS410)、その演算結果が正常値となっているか否かを判別することにより(ステップS411)、主基板11から払出制御基板15に対して送信された払出制御コマンドを正しく受信できたか否かを判定することができる。このとき、払出制御コマンドを正しく受信できなかったと判定された場合には(ステップS411;No)、主制御通信エラーフラグがオン状態にセットされることにより(ステップS414)、エラー表示用LED74には主基板接続エラーが発生したことを示す「0」が表示され(図45参照)、遊技制御用マイクロコンピュータ110と払出制御用マイクロコンピュータ150との間の通信に関して異常が生じたことを報知することができる。
さらに、主制御通信エラーフラグがオン状態となることにより、払出制御基板15から主基板11に対する賞球エラー通知コマンドの送信タイミングとなったときには(図47のステップS571;Yes)、払出制御用マイクロコンピュータ150が、送信するコマンドの1バイト目となる送信用データを生成した後(ステップS572)、コマンドの1バイト目を送信するための設定を行う(図48のステップS582)。そして、所定時間が経過するまで待機した後(ステップS583)、1バイト目の送信用データにおける各ビット値を反転(ビット値「0」をビット値「1」に置換し、ビット値「1」をビット値「0」に置換)させることにより、送信するコマンドの2バイト目となる送信用データを生成する(ステップS584)。こうして生成された送信用データに基づいて、コマンドの2バイト目を送信するための設定が行われる(ステップS585)。
主基板11の側で遊技制御用マイクロコンピュータ110により受信コマンドがあると判定されたときには(図30のステップS234;Yes)、受信データが8ビット単位で読み込まれる(ステップS235)。そして、受信データが受信コマンドにおける1バイト目を示すものであるときには(ステップS237;Yes)、コマンド受信バッファに受信データが格納される(ステップS238)。これに対して、受信データが2バイト目を示すものであるときには(ステップS237;No)、コマンド受信バッファに格納されているデータが読み出され(ステップS239)、受信コマンドにおける1バイト目と2バイト目との排他的論理和が演算される(ステップS249)。遊技制御用マイクロコンピュータ110は、この演算結果が正常値となっているか否かを判別することにより(ステップS241)、払出制御基板15から主基板11に対して送信された賞球エラー通知コマンドを正しく受信できたか否かを判定することができる。このとき、賞球エラー通知コマンドを正しく受信できなかったと判定された場合には(ステップS241;No)、払出異常検出フラグをオン状態にセットするためのステップS242の処理が実行されずに、コマンド受信バッファがクリアされるので(ステップS244)、払出制御用マイクロコンピュータ150からの受信コマンドが消去されることになる。
また、主基板11の側では、第3払出数指定コマンドを送信した後、賞球ACK信号がオフ状態のままで賞球待ち時間が経過すると(図28のステップS328;Yes)、再送信フラグがオン状態にセットされることにより(ステップS329)、第3払出数指定コマンドを再送信するための設定が行われる(図27のステップS302)。そして、再送信フラグがオン状態となったときに(図29のステップS218;Yes)、払出異常報知フラグがオフであれば(ステップS220;No)、払出異常報知開始コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS221)。こうして主基板11から演出制御基板12に対して払出異常報知開始コマンドが送信されたときには、演出制御用マイクロコンピュータ120が払出異常報知開始コマンドを受信した旨の判定を行ったことに応じて(図52のステップS825;Yes)、例えば図53(A)に示すような払出異常報知画面となる所定の画像を画像表示装置5に表示させて、払出異常が生じたことを報知することができる。
他方、主基板11から払出制御基板15に対して第3払出数指定コマンドを送信した後、賞球待ち時間が経過する前に賞球ACK信号がオン状態となったときには(図28のステップS321;Yes)、変数Nの値が「3」となっていることに対応して、総賞球数カウンタの値が4減算される(ステップS327)。払出制御基板15の側で払出制御用マイクロコンピュータ150が第3払出数指定コマンドを正しく受信できたと判定したときには(図34のステップS411;Yes)、コマンド受信データが払出制御用データ保持エリア140などの所定領域に格納される(ステップS412)。こうしてコマンド受信データが格納されたことに応じて(図35のステップS421;Yes)、受信コマンドは払出用初期化コマンドであるか第1〜第3払出数指定コマンドのいずれかであるかの判定が行われる(ステップS422、S426)。そして、第3払出数指定コマンドであるときには(ステップS426;Yes)、そのコマンドにより指定された払出数である「4」が、賞球未払出カウンタの値に加算される(ステップS427)。これにより、第3払出数指定コマンドで指定された遊技球の払出数が、未だ払い出されていない未払出の賞球数に加算されて、賞球未払出カウンタのカウント値として記憶される。
このようにして賞球未払出カウンタの値が増加して払出個数カウンタの値よりも大きな値になったときには(図40のステップS601;Yes)、賞球未払出カウンタの値である未払出数から払出個数カウンタの値である払出個数を減算することにより得られた減算値が、払出モータ回転カウンタにセットされる(ステップS605)。例えば、未払出数が「4」であり、払出個数が「0」であれば、払出モータ回転カウンタには「4」がセットされる。この後、賞球の払出が可能な状態であれば(ステップS609;Yes)、減算値が賞球未払出カウンタにセットされ(ステップS613)、払出モータ51の駆動制御が開始されることになる。
賞球となる遊技球を払い出すために払出モータ51の駆動制御が開始されると、払出個数カウンタの値が賞球未払出カウンタの値に達するまでは(図41のステップS621;No)、遊技球を1個分払い出すための払出動作が完了するごとに(ステップS622;Yes)、払出モータ回転カウンタの値が1減算される(ステップS623)。このときには、払出カウントスイッチ72からの検出信号がオン状態となるごとに(図39のステップS531;Yes)、払出個数カウンタの値が1加算される(ステップS532)。そして、払出個数カウンタの値が賞球未払出カウンタの値に達したときには(ステップS621;Yes)、払出モータ51の駆動を停止するための設定が行われ(ステップS626)、遊技球の払い出しが完了する。また、払出個数カウンタの値が賞球未払出カウンタの値に達したときには(図40のステップS601;Yes)、払出動作不良回数カウンタがクリアされるとともに(ステップS602)、賞球未払出カウンタもクリアされる(ステップS603)。これにより、未払出の賞球数に対応した遊技球の払出動作が完了したときには、未払出の賞球数をカウント値として記憶する賞球未払出カウンタの値を更新することができる。
特別図柄表示装置4による特図ゲームが終了したこと、あるいは大当り遊技状態が終了したことにより、次の特図ゲームを開始するための開始条件が成立したときには、特図保留記憶部131に記憶されている大当り判定用の乱数値MR1を保留番号「1」のエントリから読み出し、読み出した乱数値MR1の値に基づいて、特別図柄及び飾り図柄の可変表示結果を大当りとする場合には、遊技状態を高確率状態とするか否かの判定を行う。
可変表示結果を大当りとする場合に遊技状態を高確率状態とする旨の判定がなされたときには、さらに、突然確変大当りとするか否かの判定を行う。このとき、第1特定遊技状態、即ち突然確変大当りとしない旨の判定がなされた場合には、再抽選演出実行判定用の乱数値MR5に基づき、大当り終了後再抽選演出表示を実行するか否かの決定がなされる。そして、大当り終了後再抽選演出表示を実行する旨の判定がなされたときには、表示結果通知#3のコマンド9002Hが演出制御基板12に対して送信される。また、第2特定遊技状態、即ち突然確変大当りとしない旨の判定がなされた場合には、可変表示パターン決定用の乱数値MR3に基づき、大当りパターン決定テーブルを参照することなどにより、複数種類の大当りパターンのいずれかが選択決定され、決定された可変表示パターンに対応する可変表示開始コマンドが演出制御基板12に対して送信される。大当りパターン決定テーブルは、大当り開始前再抽選演出表示の実行を伴う可変表示パターンと、伴わない可変表示パターンとを含んだ複数種類の大当りパターンのうちからいずれかを選択決定できるように構成されている。したがって、大当りパターン決定テーブルを参照して可変表示パターンを決定することにより、大当り開始前再抽選演出表示の実行の有無も決定することができる。
演出制御基板12の側では、主基板11からの可変表示開始コマンドを受信したときに、このコマンドで示された可変表示パターンを特定する。このときに特定された可変表示パターンが大当り開始前再抽選演出表示の実行を伴う大当りパターンであれば、左・中・右仮停止飾り図柄として、同一の図柄番号を有する通常図柄を選択して決定する。具体的な一例として、図柄番号「2」を有する飾り図柄を、左・中・右仮停止図柄として決定することができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120は、主基板11から送信された表示結果通知#3のコマンド9002Hを受信した旨の判定をしたときには、可変表示結果が大当りになること、遊技状態が高確率状態となること、及び大当り終了後再抽選演出表示が実行されることを、特定できる。このときには、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を決定する。具体的な一例として、図柄番号「2」を有する飾り図柄を、左・中・右確定飾り図柄として決定することができる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120は、可変表示開始コマンドで示された可変表示パターンに対応する図柄表示制御パターンに従って画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するための表示設定を行う。
こうして画像表示装置5の表示領域では、飾り図柄の可変表示が開始され、その後に可変表示時間が経過するより前の所定タイミングにて左・中・右仮停止飾り図柄が仮停止することにより、例えば図54(A)に示すように、通常大当り組合せの飾り図柄が表示される。このときには、例えば図54(B)に示すような所定の大当り報知用画像を画像表示装置5に表示させて、遊技者等に大当りが発生したことを報知する。これにより、パチンコ遊技機1は、遊技者等に飾り図柄の可変表示結果が通常大当りになったものと判断させることができる。
そして、画像表示装置5に通常大当り組合せの飾り図柄を仮停止させてから所定時間が経過した後に、例えば図54(C)に示すような所定の再抽選報知用画像を表示させて、可変表示結果を通常大当りから確変大当りに成り上げるか否かの再抽選が行われることを、遊技者等に報知する。続いて、画像表示装置5では、例えば図54(D)に示すように、仮停止していた飾り図柄を再び変動させる。この飾り図柄の再変動表示を開始した後に飾り図柄の可変表示時間が経過すると、画像表示装置5では、左・中・右確定飾り図柄が停止することにより、例えば図54(E)に示すように、通常大当り組合せの飾り図柄が表示される。そして、主基板11からの大当り開始コマンドを受信したときには、例えば図54(F)に示すような所定の再抽選結果報知画像を画像表示装置5に表示させて、再抽選の結果、確変大当りに成り上がらなかった旨を遊技者等に報知する。このとき、主基板11の側では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄として「7」を示す15ラウンド大当り図柄を停止表示させた後、15ラウンド大当りに基づく大当り遊技状態への制御が開始される。
その後、パチンコ遊技機1は、特別図柄及び飾り図柄の可変表示結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態となり、一定時間が経過するまでの期間または一定数の遊技球が入賞するまでの期間において、特別可変入賞球装置7の開閉板が大入賞口を開放し、その後に大入賞口を閉鎖する動作を一定サイクル繰り返す。このとき大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ24によって検出されると、主基板11から払出制御基板15に対して第1払出数指定コマンドが送信される。このとき実行される処理の基本的な流れは、始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたときに主基板11から払出制御基板15に対して第3払出数指定コマンドが送信された場合と同様である。ただし、カウントスイッチ24によって遊技球が検出された場合には、例えば15個といったように、始動口スイッチ22によって遊技球が検出された場合(4個)とは異なる個数の賞球を払い出すための処理が実行される。その後、大当り遊技状態が終了すると、主基板11から演出制御基板12に対して、大当り終了後再抽選演出表示の実行を指示するとともに再抽選結果として遊技状態が高確率状態となることを示す大当り終了#3のコマンドA102Hが送信される。
演出制御基板12の側では、主基板11からの大当り終了#3のコマンドA102Hを受信したときに、例えば図54(G)に示すような所定の大当り終了報知画像を画像表示装置5に表示させた後、例えば図54(H)に示すような所定の再抽選報知用画像を画像表示装置5に表示させる。こうして、遊技者等に大当り遊技状態が終了した後の遊技状態が高確率状態となる成り上がりがあるか否かの再抽選が行われることを報知する。また、大当り終了#3のコマンドA102Hを受信したときには、大当り終了後再抽選演出表示を実行するための設定として、例えば変動後に停止させる確変大当り組合せの飾り図柄を決定する。具体的な一例として、図柄番号「7」を有する飾り図柄を、再抽選の結果として「左」、「中」、「右」の各可変表示部にて停止させる飾り図柄に決定する。そして、例えば図54(I)に示すように、通常大当り組合せで停止していた飾り図柄を再び変動させ、所定時間が経過した後に、例えば図54(J)に示すように、確変大当り組合せの飾り図柄を表示させる。続いて、例えば図54(K)に示すような所定の再抽選結果報知画像を画像表示装置5に表示させて、再抽選の結果、遊技状態が高確率状態となる成り上がりがあった旨が遊技者等に報知される。
また、可変表示結果を大当りとし、なおかつ、遊技状態を高確率状態とする場合に、突然確変大当りとする旨の判定がなされたときには、表示結果通知#5のコマンド9004Hが演出制御基板12に対して送信される。加えて、突然確変大当りとする旨の判定がなされた場合には、突然確変大当りの可変表示パターン#61に対応する可変表示開始コマンドが演出制御基板12に対して送信される。
演出制御基板12の側では、主基板11から送信された可変表示開始コマンド及び表示結果通知#5のコマンド9004Hに基づいて突然確変大当りとなることを特定したときに、左・中・右確定飾り図柄として「チャンス目」となる飾り図柄の組合せを決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120は、可変表示開始コマンドで示された可変表示パターンに対応する図柄表示制御パターンに従って画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するための表示設定を行う。
こうして画像表示装置5の表示領域では、例えば図55(A)に示すように、飾り図柄の可変表示が開始され、その後に可変表示時間が経過すると、例えば図55(B)に示すような「チャンス目」となる飾り図柄の組合せが表示される。また、主基板11の側では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」を示す2ラウンド大当り図柄を停止表示させた後、2ラウンド大当りに基づく大当り遊技状態への制御が開始される。この2ラウンド大当りに基づく大当り遊技状態では、例えばラウンドの実行回数が2回となり、各ラウンドでの大入賞口の開放時間が0.5秒となるなど、15ラウンド大当りに基づく大当り遊技状態に比べて短い期間において大入賞口が開放される。このとき、画像表示装置5には、例えば図55(C)〜(E)に示すような所定の確変突入予告用の演出画像が表示される。その後に大当り遊技状態が終了すると、画像表示装置5には、例えば図55(F)に示すような確変突入時用の演出画像が表示される。
このようにすることで、パチンコ遊技機1は、大当り遊技状態に移行したことを遊技者等に報知することなく、15ラウンド大当りが発生したときよりも短い期間において大入賞口を開放する大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態を高確率状態とすることができる。これにより、遊技者等に、大当り遊技状態を経ることなく、飾り図柄の可変表示結果として「チャンス目」が表示されたことに起因して、遊技状態が高確率状態となったように思わせることができる。
さらに、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときには、遊技制御用マイクロコンピュータ110が図23に示すステップS24の処理にて、電源基板10から払出制御基板15を介して入力される電源断信号がオン状態となった旨の判定を行う(ステップS24;Yes)。ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ110が備えるRAM112はバックアップRAMとして構成されており、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間は記憶内容を保持することができる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、電源断信号がオン状態となったことに応じて、チェックデータを作成するとともに(図24のステップS103)、メインバックアップフラグをオン状態にセットするなどといった(ステップS104)、RAM112に記憶されて遊技の進行状態を示すデータを保存するための処理を実行する。その後、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときには、電源断信号がオフ状態となったか否かを判定し(ステップS3)、オフ状態となったことが確認されてから(ステップS3;Yes)、電源基板10に設けられたクリアスイッチ304から出力されるクリア信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS5)。このとき、クリア信号がオン状態であれば(ステップS5;Yes)、クリアフラグをオン状態にセットする一方(ステップS6)、クリア信号がオフ状態であれば(ステップS5;No)、クリアフラグをオフ状態に保持する。
続いて、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、遅延処理の設定に基づき(ステップS7)、所定の遅延時間が経過するまで遊技制御処理の実行を待機する(ステップS8、S9)。これにより、遊技制御処理が実行可能状態となった場合でも、払出制御用マイクロコンピュータ150により払出動作を制御するための処理が開始されるまでは、遊技制御処理の実行の開始を遅延させることができる。その後、遅延時間が経過したときには、クリアフラグがオンとなっているか否かを判別することで(ステップS12)、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときにクリア信号がオン状態となっていたか否かを判定する。このとき、クリアフラグがオフであれば(ステップS12;No)、RAM112のデータチェック結果が正常であり(ステップS13;Yes)、なおかつ、メインバックアップフラグがオンである場合に(ステップS14;Yes)、復旧時における設定が行われることになる(ステップS16)。こうして復旧時における設定が行われたときには、復旧報知コマンドが演出制御基板12に対して送信される(ステップS17)。演出制御基板12では、演出制御用マイクロコンピュータ120が復旧報知コマンドを受信した旨の判定を行ったことに応じて(図52のステップS811;Yes)、例えば図53(D)に示すような電源復旧時画像を画像表示装置5に表示させて、復旧時における設定を行うための処理が実行された旨を報知することができる。
これに対して、クリアフラグがオンであることによりパチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときにクリア信号がオン状態となっていた旨の判定がなされたときには(図23のステップS12;Yes)、RAM112の初期化や(ステップS18)、その他の初期化時における設定が行われることになる(ステップS19)。こうして初期化時における設定が行われたときには、初期化報知コマンドが演出制御基板12に対して送信される(ステップS20)。演出制御基板12では、演出制御用マイクロコンピュータ120が初期化報知コマンドを受信した旨の判定を行ったことに応じて(図52のステップS813;Yes)、例えば図53(E)に示すような初期設定飾り図柄を画像表示装置5に表示させて、初期化時における設定を行うための処理が実行された旨を報知することができる。また、初期化時における設定が行われたときには、主基板11から払出制御基板15に対して払出用初期化コマンドが送信される(図23のステップS21)。
加えて、パチンコ遊技機1への電力供給が停止されるときには、払出制御用マイクロコンピュータ150が図32に示すステップS85の処理にて、電源基板10に設けられた電源監視回路303から出力される電源断信号がオン状態となった旨の判定を行う(ステップS85;Yes)。ここで、払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるRAM152はバックアップRAMとして構成されており、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定時間は記憶内容を保持することができる。そして、払出制御用マイクロコンピュータ150は、電源断信号がオン状態となったことに応じて、チェックデータを作成するとともに(図33のステップS153)、払出バックアップフラグをオン状態にセットするなどといった(ステップS154)、RAM152の記憶データを保存するための処理を行う。RAM152の記憶データには、賞球未払出カウンタの値も含まれていることから、このような処理を実行することにより、未払出の賞球数を示す未払出数データが保存されることになる。その後、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときには、電源断信号がオフ状態となったか否かを判定し(ステップS72)、オフ状態となったことが確認されてから(ステップS72;Yes)、電源基板10から主基板11を介して入力されるクリア信号がオン状態となっているか否かの判定を行う(ステップS76)。
このとき、クリア信号がオフ状態であれば(ステップS76;No)、RAM152のデータチェック結果が正常であり(ステップS77;Yes)、なおかつ、払出バックアップフラグがオン状態である場合に(ステップS78;Yes)、復旧時における設定が行われ(ステップS80)、賞球未払出カウンタの値も電力供給が停止される前の状態に復旧されることになる。これにより、電力供給が開始されたときにクリアスイッチ304の操作がなされていない場合には、RAM152に保存された未払出数データに基づいて払い出しを可能な状態に復旧させることができる。
また、払出制御基板15では、払出制御用マイクロコンピュータ150が主基板11からの払出用初期化コマンドを受信した旨の判定を行うごとに(図35のステップS422;Yes)、初期化コマンド受信回数カウンタの値がエラー判定値(例えば「0」)となっているか否かを判定する(ステップS423)。このとき、エラー判定値となっていなければ(ステップS423;No)、初期化コマンド受信回数カウンタの値を、例えば1減算するなどして更新する(ステップS425)。これに対して、エラー判定値となっている場合には(ステップS423;Yes)、主制御通信エラーフラグをオン状態にセットして(ステップS424)、払い出しに関わる制御状態をエラー状態に移行させることができる。こうして主制御通信エラーフラグがオン状態にセットされたときには、エラー表示用LED74にて主基板接続エラーが発生したことを示す「0」が表示され(図45参照)、遊技制御用マイクロコンピュータ110と払出制御用マイクロコンピュータ150との間の通信に関して異常が生じたことを報知することができる。また、払出制御基板15から主基板11に対しては賞球エラー通知コマンドが送信され、遊技制御用マイクロコンピュータ110によって正しく受信できた旨の判定がなされたときには(図30のステップS241;Yes)、払出異常検出フラグがオン状態にセットされる(ステップS242)。
遊技制御用マイクロコンピュータ110により払出異常検出フラグがオン状態にセットされたときに(図29のステップS219;Yes)、払出異常報知フラグがオフであれば(ステップS220;No)、払出異常報知開始コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS221)。これにより、初期化コマンド受信回数カウンタの値がエラー判定値となったときには、例えば図53(A)に示すような払出異常報知画面となる所定の画像を画像表示装置5に表示させて、払出異常が生じたことを報知することができる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、電力供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ110が図23に示すステップS5にて電源基板10からのクリア信号がオン状態となっているか否かを判定した後に、ステップS7での設定に基づき、所定の遅延時間が経過するまで待機してから遊技の進行を制御するための遊技制御処理を実行可能にする。そして、ここでの遅延時間は、遊技制御処理が実行可能な状態となったときから、少なくとも払出制御用マイクロコンピュータ150による払出制御用の各種処理が実行開始されるまでは遅延させるように設定されている。これにより、電源基板10に搭載されたクリアスイッチ304に対する操作に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ110と払出制御用マイクロコンピュータ150とが確実に初期化時における設定を行うための初期化処理を実行することができ、制御状態の整合性を保つことができる。また、払出制御用マイクロコンピュータ150が搭載された払出制御基板15の側において、遊技制御用マイクロコンピュータ110が搭載された主基板から送信される払出用初期化コマンドなどの払出制御コマンドを、確実に受信することができる。
加えて、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120は、払出制御用マイクロコンピュータ150と同様に、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに遅延処理を実行しない。そのため、遊技制御処理は演出制御用マイクロコンピュータ120による制御が開始された後に開始されることになる。したがって、主基板11から演出制御基板12に対して演出制御コマンド(例えば初期化通知コマンドや復旧報知コマンド)を送信する際に、演出制御用マイクロコンピュータ120は確実にコマンドを受信して、受信したコマンドに基づく報知処理(例えば図53(D)に示す電源復旧時画像や図53(E)に示す初期設定飾り図柄を画像表示装置5に表示させる処理)を実行することができる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、ステップS7での設定に基づく遅延処理を実行するより前のステップS5にてクリア信号の状態を確認しているので、払出制御用マイクロコンピュータ150との制御状態に差異が生じる可能性を低減することができる。
また、払出制御用マイクロコンピュータ150は、主基板11からの払出用初期化コマンドを受信したときに、図35に示すステップS425にて初期化コマンド受信回数カウンタの値を更新することにより、払出用初期化コマンドの受信回数をカウントする。そして、初期化コマンド受信回数カウンタの値が所定のエラー判定値となったときには、例えばステップS424にて主制御通信エラーフラグをオン状態にセットすることなどにより、払い出しに関わる制御状態をエラー状態に移行させる。これにより、パチンコ遊技機1への電力供給の開始とクリアスイッチ304の操作が不適切に繰り返されたこと、あるいは、払出用初期化コマンドの受信誤りが発生したことを、確実に検出して制御状態をエラー状態に移行させることで、異常な動作時に制御が続行されてしまうことを防止することができる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ110が搭載された主基板11と、払出制御用マイクロコンピュータ150が搭載された払出制御基板15との間では、双方向でシリアル通信を行い、2バイト構成の送信用データにおける1バイト目を反転させて2バイト目とした払出制御コマンドや賞球エラー通知コマンドを生成して送受信する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、図30に示すステップS240にて受信コマンドの1バイト目と2バイト目との排他的論理和を演算することにより、払出制御基板15から送信された賞球エラー通知コマンドを正しく受信できたか否かの判定を行う。他方、払出制御用マイクロコンピュータ150は、図34に示すステップS410にて受信コマンドの1バイト目と2バイト目との排他的論理和を演算することにより、主基板11から送信された払出制御コマンドを正しく受信できたか否かの判定を行う。これにより、主基板11と払出制御基板15との間で送受信されるコマンドの管理が容易になり、コマンド送受信中における誤りの発生を容易に検出して誤動作の可能性を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ110と払出制御用マイクロコンピュータ150との整合をとりやすくなる。
加えて、遊技制御用マイクロコンピュータ110は、図23に示すステップS19にて初期化時における設定を行ったときに、ステップS20での設定により初期化通知コマンドを演出制御基板12に対して送信させる。そして、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120は、図52に示すステップS813にて主基板11からの初期化通知コマンドを受信したと判定したときに、ステップS814での設定により図53(E)に例示するような初期設定飾り図柄を画像表示装置5に表示させることで、遊技制御用マイクロコンピュータ110により初期化時の設定が行われた旨を報知させる。これにより、初期化時の設定を行うための処理としての初期化処理が行われたことを、パチンコ遊技機1の外部で容易に認識できるようになる。
遊技制御用マイクロコンピュータ110は、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、図23に示すステップS5にてクリア信号がオン状態となっているか否かを判定するより前に実行されるステップS3の処理にて、電源基板10に搭載された電源監視回路303から出力される電源断信号がオフ状態となったか否かの判定を行う。そして、電源断信号がオフ状態となってから、ステップS5にてクリア信号がオン状態となっているか否かの判定を行うようにしている。また、払出制御用マイクロコンピュータ150も、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときには、図32に示すステップS76にてクリア信号がオン状態となっているか否かを判定するより前に実行されるステップS72の処理にて、電源基板10からの電源断信号がオフ状態となったか否かを判定し、オフ状態となってからステップS76の処理に進むようにしている。このように、電源基板10から供給される電源電圧の安定が確認されてからクリア信号の状態をチェックすることで、クリア信号の出力状態(オン状態であるかオフ状態であるか)を確実に特定することができ、誤検出を防止することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ110は、図27に示すステップS310、S312、S313のいずれかでの設定により第1〜第3払出数指定コマンドのいずれかを払出制御基板15に対して送信させた後、図28に示すステップS328にて賞球待ち時間が経過したと判定したときには、ステップS329にて再送信フラグをオン状態にセットすることなどにより、払出数指定コマンドを再送信させる。これにより、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150によって払出数指定コマンドを受信していないと判断される場合に、払出数指定コマンドを再送信することによって払出制御に支障を来さないようにして、遊技者の不利益を防止することができる。また、図29に示すステップS218にて再送信フラグがオンであると判定したときに、ステップS220にて払出異常報知フラグがオフであると判定すれば、ステップS221での設定により払出異常報知開始コマンドを演出制御基板12に対して送信させる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ120は、図52に示すステップS825にて主基板11からの払出異常報知開始コマンドを受信したと判定したときに、ステップS826での設定により図53(A)に例示するような払出異常報知画面となる画像を画像表示装置5に表示させることで、払出異常が生じたことを報知させる。これにより、払出制御に関する通信の異常をパチンコ遊技機1の外部で容易に認識できるようになる。
図4に示したように、電源監視回路303は電源基板10に搭載されている。また、図6に示したように、電源基板10と払出制御基板15は遊技機用枠3に設置される一方で、主基板11は遊技盤2に設置される。これにより、電源基板10からの電源断信号を伝送するための配線構成を簡略化でき、配線長が短くなってノイズの影響を受けにくくすることができる。また、電源監視回路303から出力された電源断信号は、払出制御基板15に入力された後、払出制御基板15から主基板11へと伝送される。これにより、電源基板10から払出制御基板15及び主基板11の双方に電源断信号を伝送するための配線を接続する場合に比べて配線構成を簡略化でき、パチンコ遊技機1のコストを低減させることができる。
図7に示したように、演出制御基板12に搭載されたVDP125と画像表示装置5との間には、スケーラ回路50が設置されており、VDP125が演出制御用マイクロコンピュータ120からの描画コマンドに応じて生成した画像データは、スケーラ回路50により解像度が変換された後、画像表示装置5に供給される。これにより、VDP125が生成する画像データの解像度と画像表示装置5における表示画面の解像度とが異なる場合であっても、適切な画像を表示して遊技者等に違和感を与えないようにすることができる。
演出制御基板12は、図18に例示するようなボックス状主体190とカバー体210とを備えて構成される演出制御基板ボックスに収容され、ボックス状主体190の側壁外側にはカバー体210に突設形成された固定片部218a〜221a、218b〜221bと分離できないようにワンウェイネジ227で止着する取付片部196a〜199a、196b〜199bが突設形成されている。そのため、ボックス状主体190とカバー体210とは、一部を破壊しなければ固着状態を解除することができない。これにより、演出制御基板12に対する不正な配線接続等の不正行為を行うには、演出制御基板ボックスの一部を破壊しなければならなくなり、破壊したときにはその痕跡が残るため、簡単に固着状態を解除することができなくなり、不正行為を確実に防止することができる。
特別図柄表示装置4における特図ゲームでの確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄である「7」を示す特別図柄が停止表示されるときには、図54(E)に例示するような通常大当り組合せの飾り図柄などといった、大当り組合せの確定飾り図柄を画像表示装置5に表示させ、例えばラウンドの実行回数が15回となり、各ラウンドでの大入賞口の開放時間が29秒になるなど、所定期間において大入賞口が開閉される大当り遊技状態が開始される旨を報知させる。これに対して、特別図柄表示装置4における特図ゲームでの確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄である「3」を示す特別図柄が停止表示されるときには、図55(B)に例示するような「チャンス目」となる確定飾り図柄を画像表示装置5に表示させ、例えばラウンドの実行回数が2回となり、各ラウンドでの大入賞口の開放回数が0.5秒になるなど、15ラウンド大当り図柄が停止表示された場合における所定期間よりも短い期間において大入賞口が開閉される大当り遊技状態が開始される旨を報知させる。これにより、特別可変入賞球装置7が備える開閉板により大入賞口が開放される期間の違いを認識することができるようになる。
特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技状態が開始された後、例えば図54(H)〜(K)に示すような大当り終了後再抽選演出表示を実行することで、遊技状態が高確率状態となるか否かを報知させる。これにより、大当り遊技状態の終了後に高確率状態などの特別遊技状態となることに対する遊技者の期待感を、長期間にわたって保つことができる。
この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形及び応用が可能である。より具体的に、上記実施の形態では、電源基板10に電源監視回路303が搭載されるものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば電源監視回路を払出制御基板15に搭載してもよい。この場合、払出制御基板15では、電源基板10から供給された電源電圧の少なくとも一部(例えばVSLとVCC)を電源監視回路に入力して、電源電圧の低下が検出されたときには電源断信号がオン状態となるように構成する。そして、電源監視回路から出力された電源断信号は、払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるI/Oポート154における所定の入力ポートに入力させるとともに、例えば所定の出力回路を介して、主基板11へと伝送できるように構成すればよい。このような構成によれば、電源基板10から払出制御基板15に対して電源断信号を伝送するための配線を設ける必要がないので、配線構成をさらに簡略化できる。また、電源断信号を伝送する配線の全体的な長さが短くなるので、電源断信号にノイズが乗る可能性を低減することができる。
上記実施の形態では、電源基板10にクリアスイッチ304が搭載されるものとして説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えばクリアスイッチを主基板11に搭載してもよい。この場合、クリアスイッチから出力されたクリア信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ110が備えるI/Oポート114における所定の入力ポートに入力させるとともに、例えば所定の出力回路を介して、払出制御基板15へと伝送できるよう構成すればよい。このような構成によれば、電源基板10から主基板11に対してクリア信号を伝送するための配線を設ける必要がないので、配線構成をさらに簡略化できる。また、クリア信号を伝送する配線の全体的な長さが短くなるので、クリア信号にノイズが乗る可能性を低減することができる。
上記実施の形態では、電源基板10に搭載された電源監視回路303がリセット信号を出力するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば主基板11を含めた各制御基板にリセット信号を出力するリセット回路を搭載してもよい。あるいは、複数の制御基板のうちのいずれか(1つまたは複数の制御基板)にリセット回路を搭載し、そのリセット回路から出力されたリセット信号を、リセット回路が搭載されていない他の制御基板に供給するようにしてもよい。リセット回路を各制御基板に搭載した場合には、リセット信号がハイレベルとなるときの電圧値を、それぞれのリセット回路に応じて異ならせるようにしてもよい。例えば、主基板11に搭載されたリセット回路から出力されるリセット信号がハイレベルとなるときの電圧値を、他の制御基板に搭載されたリセット回路から出力されるリセット信号がハイレベルとなるときの電圧値に比べて高くなるようにして、遊技制御用マイクロコンピュータ110に入力されるリセット信号がオン状態となるタイミングが最も遅くなるように設定してもよい。
上記実施の形態では、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、電源基板10に搭載されたクリアスイッチ304における押下などの操作に応じてクリア信号がオン状態となっているときに、遊技制御用マイクロコンピュータ110及び払出制御用マイクロコンピュータ150が初期化時における設定を行うものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、例えばパチンコ遊技機1の外部から入力される初期化指令信号がオン状態となっていることなどの所定条件が成立しているときには、遊技制御用マイクロコンピュータ110及び払出制御用マイクロコンピュータ150が初期化時における設定を行うようにしてもよい。具体的な一例として、初期化指令信号は、ホールの管理コンピュータから出力されてパチンコ遊技機1に入力されるものであってもよいし、パチンコ遊技機1への侵入物や接触物を検出するセンサなどから出力されてパチンコ遊技機1に入力されるものであってもよい。
上記実施の形態では、電源断を検出するための電源監視手段として交流電源(AC24V)を整流、平滑した直流電源(DC30V)を監視して、監視している直流電源が所定の電圧以下になったことを検出すると電源断信号を出力するものを例示したが、これに限らす、交流電源(AC24V)を直流に変換する途中における全波整流波形の有無を監視し、波形が所定期間検出できなかったときに電源断信号を出力するものでもよい。さらに交流電源を直接監視し、交流波形が所定期間検出できなかったときに電源断信号を出力するものでもよい。つまり、監視する対象は電圧に限らず、全波整流波形でも半波整流波形でもよく、遊技機への供給電力が低下していることを検出できるものであればよい。
上記実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ボートから電源断信号を入力し、電源断信号がONである旨の判定がされたときに電源断処理を実行するものを例示したが、これに限らず、電源断信号をNMI端子へ入力し、ノンマスカブル割込処理にて電源断処理を実行するものでもよい。また、電源断信号をNMI端子へ入力し、電源断信号の入力に応じて電断フラグをセットし、タイマ割込処理あるいはメイン処理にて電断フラグの状態を監視して、オンであれば電源断処理を実行するものでもよい。
上記実施の形態では、電源断処理にてチェックサムデータの作成や、バックアップフラグのセットを行い、それらを電源投入時に確認するものを例示したが、これに限らず電源断処理にて出力ボートをクリアする処理や、電源状態が復帰したか否かを監視する処理(瞬停時に復帰させる処理)を実行しても良い。また、それらの処理の順番は本件実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部135に総賞球数カウンタと第1〜第3払出数指示カウンタとが設けられ、図26(A)に示すステップS201の処理では、総賞球数カウンタの値と第1〜第3払出数指示カウンタのいずれかの値に、所定値が加算されて更新される。また、図27に示すステップS307では、変数Nの値に対応した第1〜第3払出数指示カウンタのいずれかの値が1減算されて更新される一方で、図28に示すステップS324、S326、S327のいずれかの処理が実行されることにより、変数Nの値に対応した所定値が総賞球数カウンタの値から減算されて更新されようにしている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ110が賞球として払い出すべき遊技球の個数を特定可能なデータを記憶できる任意の構成を有するものであればよい。例えば、遊技制御カウンタ設定部135には総賞球数カウンタが設けられる一方で、第1〜第3払出数指示カウンタは設けられていなくてもよい。この場合には、図11(C)に示す払出数指定コマンドの1バイト目及び2バイト目におけるビット0〜ビット3のビット値により、遊技球の払出数として「1」〜「16」のいずれでも指定可能とする。そして、総賞球数カウンタの値から払い出すべき賞球の個数を特定し、特定した賞球の個数を払出数として指示する払出数指定コマンドを、主基板11から払出制御基板15に対して送信するようにすればよい。このとき、総賞球数カウンタの値が払出数指定コマンドで指示することが可能な払出数の最大値(例えば「16」)よりも大きな値となっているときには、最大の払出数を指示する払出数指定コマンドを送信するとともに総賞球数カウンタの値を更新し、更新後の総賞球数カウンタの値に基づいて、さらに払出数指定コマンドの送信を行うようにすればよい。
あるいは、遊技制御カウンタ設定部135には第1〜第3払出数指示カウンタが設けられる一方で、総賞球数カウンタは設けられていなくてもよい。この場合には、図26(A)に示すステップS201にてオン状態のスイッチに対応して第1〜第3払出数指示カウンタのいずれかの値を更新すればよく、図28に示すステップS322の処理を実行した後には、ステップS330の処理に進むようにすればよい。
上記実施の形態では、総賞球数カウンタの値は、図27に示すステップS310、S312、S313のいずれかでの設定により第1〜第3払出数指定コマンドのいずれかが払出制御基板15に対して送信された後、図28に示すステップS324、S326、S327のいずれかの処理が実行されることにより、払出数に対応する値が減算されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1〜第3払出数指定コマンドのいずれかが払出制御基板15に対して送信される前に、総賞球数カウンタの値から払出数に対応する値を減算するようにしてもよい。例えば、図27に示すステップS302にて再送信フラグがオンであるときや、ステップS308の処理を実行した後には、図28に示すステップS323〜S327の処理を実行してから、ステップS309の処理に進むようにしてもよい。また、この場合には、図28に示すステップS322の処理を実行した後には、ステップS330の処理に進むようにすればよい。
上記実施の形態では、第1〜第3払出数指示カウンタの値は、第1〜第3払出数指定コマンドが送信される前に、図27に示すステップS307の処理が実行されることにより、払出数に対応する第1〜第3払出数指示カウンタのいずれかにおける値が更新されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第1〜第3払出数指定コマンドのいずれかが払出制御基板15に対して送信された後に、払出数に対応する第1〜第3払出数指示カウンタのいずれかにおける値を更新するようにしてもよい。例えば、図27に示すステップS304にてカウンタの値が「0」以外の値であると判定されたときには、ステップS308の処理に進む。そして、図28に示すステップS321にて賞球ACK信号がオン状態であると判定されたときには、図27に示すステップS307と同様の処理を実行することで、払出数に対応する第1〜第3払出数指示カウンタのいずれかにおける値を更新すればよい。
上記実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120が図52に示すステップS825にて払出異常報知開始コマンドを受信したと判定したときに、図53(A)に例示するような払出異常報知画面となる画像を画像表示装置5に表示させた後、図52に示すステップS827にて払出異常終了コマンドを受信したと判定されるまでは、払出異常報知画面の表示が継続して行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば図53(B)に例示した賞球過多報知画面や図53(C)に例示した賞球不足報知画面を表示する場合と同様に、報知を終了するタイミングに達したときには、払出異常報知画面の表示を終了させるようにしてもよい。この場合には、主基板11から演出制御基板12に対して払出異常報知終了コマンドを送信する必要がないので、遊技制御用マイクロコンピュータ110における制御負担を軽減することができる。
上記実施の形態では、図38に示すステップS521にて賞球未払出カウンタの値が「0」であると判定されたときに、ステップS524の処理が実行されて球貸し未払出カウンタの値が「0」以外の値となっているか否か判定される。そのため、上記実施の形態では、賞球となる遊技球の払出動作が、貸し球となる遊技球の払出動作よりも優先して実行されることになる。これに対して、貸し球となる遊技球の払出動作が、賞球となる遊技球の払出動作よりも優先して実行されるようにしてもよい。この場合、図38に示す払出制御通常処理では、まずステップS524の処理を実行して球貸し未払出カウンタの値が「0」以外の値となっているか否かを判定し、「0」となっているときには、ステップS521の処理を実行して賞球未払出カウンタの値が「0」以外の値となっているか否かを判定するようにすればよい。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120が、主基板11から送信される可変表示開始コマンドに基づいて大当り開始前再抽選演出表示の実行の有無を判定し、表示結果通知コマンドに基づいて大当り終了後再抽選演出表示の実行の有無を判定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば可変表示開始コマンドから、大当り開始前再抽選演出表示の実行の有無と、大当り終了後再抽選演出表示の実行の有無との双方を特定できるようにしてもよい。
あるいは、可変表示開始コマンドにより、飾り図柄の可変表示結果をハズレとするか大当りとするか、ハズレの場合に飾り図柄の可変表示態様をリーチとするか否か、及び大当りの場合に大当り開始前再抽選演出表示を実行するか否かに加え通常大当りとなるか確変大当りとなるかを示し、表示結果通知コマンドにより画像表示装置5における飾り図柄の可変表示結果を示すようにしてもよい。この場合、可変表示開始コマンドが指定する可変表示パターンが通常大当りであることを示す通常大当りパターンであるときに、演出制御用マイクロコンピュータ120は、遊技状態が高確率状態に移行しないものと特定する一方、確変大当りであることを示す確変大当りパターンであるときに、遊技状態が高確率状態に移行するものと特定すればよい。そして、可変表示開始コマンドが指定する可変表示パターンが通常大当りパターンであるとき、あるいは、可変表示開始コマンドが指定する可変表示パターンは確変大当りパターンであり、なおかつ、表示結果通知コマンドにより示される飾り図柄の可変表示結果が通常大当りであるときに、大当り終了後再抽選演出表示を実行するように設定すればよい。
また、上記実施の形態では、大当り開始前再抽選演出表示と大当り終了後再抽選演出表示の双方を実行できるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば大当り終了後再抽選演出表示だけを実行する場合のように、少なくとも大当り遊技状態に制御を開始した後、遊技状態が高確率状態などの特別遊技状態となるか否かを報知する演出を実行できるものであればよい。
さらに、上記実施の形態では、第2特定遊技状態が突然確変である例について説明したが、これに限らず、第2特定遊技状態を突然時短としてもよい。
上記実施の形態における各種の報知は、画像表示装置5における表示によって行われるものに限定されず、例えば音声制御基板13の制御下にスピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、ランプ制御基板14の制御下に遊技効果ランプ9に含まれる各種の演出用ランプを点灯もしくは点滅させたり、さらには可動部材からなる役物を動作させたりすることなどによって行われるものであってもよい。さらには、画像表示装置5における表示、スピーカ8L、8Rからの音声出力、所定のランプの点灯もしくは点滅、役物の動作のいずれかを組み合わせて、各種の報知が行われるようにしてもよい。
上記実施の形態では、特別図柄表示装置4による特図ゲームにて、「3」を示す特別図柄が確定特別図柄として導出表示されたときには2ラウンド大当りとなり、「7」を示す特別図柄が確定特別図柄として導出表示されたときには15ラウンド大当りになるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、特図ゲームにて可変表示されるいずれの特別図柄が確定特別図柄として導出表示されたとしても、2ラウンド大当りあるいは15ラウンド大当りのいずれかとなることができ、大当り遊技状態に制御できるようにしてもよい。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらに、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などにも本発明を適用することができる。本発明を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。