JP4656989B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、雪道を走行する車両に用い雪上操縦安定性能を向上させた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、一般に、トロイド状ラジアルカーカスのクラウン部周上に複数枚のベルト層とトレッドを順次備えており、このトレッドの路面に接触する踏面部の表面には、タイヤと路面間の摩擦係数を高めて有効な制動力や操縦性能等を確保するため、各種の溝や切れ目からなるトレッドパターンが形成されている。
従来、冬用の空気入りタイヤのトレッドパターンには、氷雪路面での摩擦係数を高めるため、路面を引っかくエッジを多くしたブロックパターンが広く採用されている。このブロックパターンは、タイヤ周方向に延びる複数本のリブ溝(周方向溝)を設けて複数のリブ列を形成し、更に、このリブ列にタイヤ幅方向に延びる多数のラグ溝(横溝)を適宜間隔をもって設けることにより形成され、これらリブ溝とラグ溝とによってブロック(陸部)が形成される。
しかし、雪道を走行する場合には、このようなブロックパターンを有するタイヤでも、タイヤが雪道をグリップしきれずに雪面上をスリップしてしまう。そこで、雪道における発進時の加速・制動性や雪上操縦安定性を改良するために、トレッドパターンのブロックに細かい切込み(サイプ)を設ける設計がなされてきたが、雪上性能を確保しようとしてサイプを増加させると、舗装路での操縦安定性が確保できないという問題がある。また、雪上においても、サイプを増やし過ぎるとブロックの剛性が低下して雪上操縦安定性が悪化するため、単にサイプを増やして雪上性能を向上させようとする手法には限界がある。
特に、車両の旋回時においては、旋回時の車輪の装着外側は荷重移動により接地圧が高くなるため、サイプを増やした場合にはブロック剛性が不足してしまい、これに対処するためにサイプを減らしてブロック剛性を高めると、タイヤが雪面をグリップしきれず十分な加速・制動等の雪上走行性能が得られないという問題が生じる。また、旋回時にはタイヤに横方向の力が入力されるため、ブロックに設けたサイプの方向等によっては、横方向のブロック剛性が低下してしまうという問題もある。
この車両の旋回時の接地圧の変化に着目し、旋回時により大きな力を負担するトレッド部の外側領域にジグザグ周方向溝を設け、かつ、この溝の1ピッチ当たりの溝縁長さの合計の値を大きくすることにより、雪路上の旋回時におけるエッジ効果を顕著に高めて耐スリップ性等の雪上性能を向上させて、上記した問題に対処した空気入りラジアルタイヤが知られている(特許文献1参照)。
しかし、このタイヤは、耐ハイドロプレーニング性能等の操縦安定性能と雪上性能を同時に向上させようとするもので、旋回時における荷重移動による接地圧の増加に対してブロック剛性を高めることについては特に考慮しておらず、従って、雪路面で使用される空気入りタイヤの前記問題を解決することはできない。
また、トレッドの溝構成やその傾斜角度等の配置を改良して、形成される陸部のブロック剛性を確保しつつ、雪上操縦安定性能も確保して、上記した背反関係にある雪上操縦安定性能とブロック剛性の両立を図った空気入りタイヤも知られている(特許文献2参照)。
しかし、このタイヤは、左右非対称のトレッドパターンを形成し、タイヤ赤道線に対して一方のトレッドパターンに雪上性能を、他方のトレッドパターンにブロック剛性を確保して氷上性能を持たせ、雪上および氷上での走行性能を同時に確保しようとするもので、ここでも旋回時における荷重移動による接地圧の増加を考慮しておらず、また、陸部に設けるサイプの配置によるブロック剛性に及ぼす影響についても考慮されていないため、このトレッドパターンでも前記問題を解決することはできない。
また、その他の例として、特許文献に記載されたものではないが、従来用いられている空気入りタイヤの例を図5に示す。図5は、従来の空気入りタイヤのトレッドパターン形状を展開した平面図である。この従来のタイヤ10のトレッドパターン形状は、タイヤの周方向に平行に配置された4本のリブ溝(周方向溝)12と、このリブ溝12のそれぞれと交差する複数のラグ溝(幅方向溝)14、及びこれらの溝12、14により区画されたブロック(陸部)20、ブロック20に形成された複数のサイプ22からなっている。
ラグ溝14は、タイヤ幅中央部付近(センター部)に位置する2つのセンター部ブロック20b、20cでは、タイヤの幅方向からそれぞれ逆方向に僅かに傾斜しており、そこから車輪の装着外(Out)側に向かってタイヤ幅方向に配置されている。また、センター部ブロック20cの車輪の装着内(In)側のリブ溝12aでタイヤ周方向に僅かにずれて、そこから装着内側に向かってタイヤの幅方向に配置されている。これらの溝12、14で区画されたブロック20に形成された複数のサイプ22は、それぞれラグ溝14と略平行に配置されている。また、センター部ブロック20cの装着内側には、それよりも幅が狭く、タイヤ径方向外側から見て略長方形の幅狭ブロック20dがタイヤ周方向に配列した幅狭ブロック20d列が形成されている。
この従来のタイヤ10のトレッドパターン形状は、幅狭ブロック20d列を有しているものの、図示のように幅方向の溝成分やサイプ配置等は概ね左右対称である。これは装着内側、外側に入力される接地圧等が均等であることを前提にして設計されているためであり、雪上操縦安定性能に影響の大きい旋回時の荷重移動による接地圧分布の変化については特に考慮されていない。従って、このタイヤ10では、接地圧分布が高くなることに対応してブロック剛性を確保し、同時に、雪面に対する十分な加速・制動等の雪上走行性能を得るという背反関係にある課題を解決することはできない。
特開平5−229310号公報 特開2003−146016号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、装着内側、外側を指定できる非対称パターンの特性に着目し、トレッドパターン及びサイプ配置を適切なものとすることにより、パターン全体のネガティブ率(パターンの全表面積に対する溝表面積の割合)やエッジ成分を増やすことなく、空気入りタイヤの雪上走行性能、特に旋回時のグリップ性能や雪上操縦安定性能等を向上させることである。
請求項1の発明は、タイヤ周方向に設けられた複数のリブ溝と、タイヤ幅方向に設けられ、前記リブ溝と交差する複数のラグ溝と、前記リブ溝とラグ溝により区画されたリブ又はブロックとを有するトレッドパターンを備えた空気入りタイヤにおいて、前記リブ又はブロックに形成された複数のサイプと、前記ブロックがタイヤ周方向に配列した複数のブロック列と、を有し、該複数のブロック列は、タイヤ幅センター部に位置するセンターブロック列と、該センター部ブロック列の車輪の装着内側に形成された最も幅が狭い幅狭ブロック列と、該幅狭ブロック列の車輪の装着内側に形成されたショルダー部ブロック列と、を有し、前記幅狭ブロック列は、前記センター部ブロック列よりも車輪の装着時に内側となる装着内側領域のみに設けられ、前記幅狭ブロックのサイプエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度は、前記センターブロックのサイプエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度より大きく、前記幅狭ブロック列の前記ラグ溝側のブロックエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度は、前記センター部ブロック列と前記ショルダー部ブロック列の前記ラグ溝側のブロックエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度より大きいことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、前記幅狭ブロック列のサイプエッジの傾斜角度は、タイヤ幅方向に対し30度以上60度以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、前記センター部ブロックのサイプエッジの傾斜角度は、タイヤ幅方向に対し度以上25度以下であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記幅狭ブロック前記ラグ溝側のブロックエッジの傾斜角度は、タイヤ幅方向に対し30度以上60度以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、前記幅狭ブロックサイプエッジと前記ラグ溝側のブロックエッジの傾斜方向は、タイヤ幅方向に対し互いに逆方向であることを特徴とする
本発明によれば、車両の旋回時に接地圧の低い装着内側で横方向エッジ成分を増加させて横方向エッジ効果を確保することにより、パターン全体のネガティブ率やエッジ成分を増やすことなく、特に旋回時におけるグリップ性能や雪上操縦安定性能等を改良し、空気入りタイヤの雪上走行性能を向上させることができる。
以下、本発明の空気入りタイヤの一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、空気入りタイヤのトレッド部に形成するトレッドパターンの形状について説明する。図1は、本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッドパターン形状を展開した平面図である。
このタイヤ10のトレッドパターン形状は、図5に示す従来の空気入りタイヤと同様に、タイヤの周方向に平行に配置された4本のリブ溝(周方向溝)12と、このリブ溝12のそれぞれと交差する複数のラグ溝(幅方向溝)14、及びこれらの溝12、14により区画されたブロック(陸部)20、ブロック20に形成された複数のサイプ22からなっている。また、ブロック20に形成された複数のサイプ22は、それぞれラグ溝14と略平行に配置されており、タイヤ幅中央部付近(センター部)に位置するセンター部ブロック20cの車輪の装着内(In)側には、それよりも幅の狭い幅狭ブロック20dがタイヤ周方向に配列した幅狭ブロック20d列が形成されている。
しかし、ラグ溝14は、2つのセンター部ブロック20b、20cではタイヤの幅方向からそれぞれ逆方向に僅かに傾斜し、そこから車輪の装着外(Out)側に向かってタイヤ幅方向に配置されている点で前記従来の空気入りタイヤと共通するが、幅狭ブロック20d部分では、センター部ブロック20cでの方向と逆向きに、かつ、それよりも大きな角度で傾斜し、そこから装着内側に向かってタイヤの幅方向に配置されている点で前記従来のものと相違している。従って、幅狭ブロック20dの形状は、タイヤ径方向外側から見て略平行四辺形となっており、そこに形成されたサイプ22も他のブロック20のサイプ22に比べてタイヤ幅方向に対しより大きな角度で傾斜している。
このようなトレッドパターンを有するタイヤ10の路面に接触する部分には、ブロックがタイヤ周方向に配列した5つのブロック列が形成されている。つまり、装着外側から内側に向かって順に、(1)タイヤ幅方向のサイプ22を有する最も幅の広い装着外側ショルダー部ブロック20a列、(2)ショルダー部ブロック20a列よりも幅が狭く、かつタイヤ幅方向から僅かに右上がりに傾斜したサイプ22を有するセンター部ブロック20b列、(3)センター部ブロック20b列と幅が略同一で、そのサイプ22と逆方向かつ同角度で傾斜したサイプ22を有するセンター部ブロック20c列、(4)最も幅が狭く、センター部ブロック列20cのサイプ22と逆方向に傾斜し、かつタイヤ幅方向から最も大きな角度で傾斜したサイプ22を有する幅狭ブロック20d列、(5)センター部ブロック20b、20cと略同一の幅で、タイヤ幅方向のサイプ22を有する装着内側ショルダー部ブロック20e列が形成されている。
なお、センター部ブロック20b、20c列のサイプエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度(以下、サイプエッジ角度という)は、0度以上25度以下(更に望ましくは5度以上15度以下)が望ましく、幅狭ブロック20d列のサイプエッジ角度は、30度以上60度以下(更に望ましくは40度以上50度以下)が望ましい。また、幅狭ブロック20d列のラグ溝14側のブロックエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度(以下、ブロックエッジ角度という)は、30度以上60度以下(更に望ましくは40度以上50度以下)であってもよい。更に、サイプエッジ角度とブロックエッジ角度は、それぞれタイヤ赤道面に対して、以上で説明したものと対称的な配置であってもよい。即ち、センター部ブロック20b、20c列のサイプエッジ角度を−25度以上0度以下、幅狭ブロック20d列のサイプエッジ角度又はブロックエッジ角度を−60度以上−30度以下にしてもよい。
次に、以上のように構成されるブロック列の、車両の旋回時等における働きについて説明する。図2(A)は、本実施形態のトレッドパターンを備えた空気入りタイヤを車両に装着した状態を説明するための平面図であり、図2(B)は、車両の旋回(ここでは左旋回)時における荷重移動の方向を示す。
車両の旋回時には、図2(B)に示すように、ロールによる荷重移動で旋回の外側に位置するタイヤ10にかかる荷重が増加し、かつタイヤ10の路面との接地面では横方向入力により装着外側のショルダー部(図2(A)のX部)の接地圧が高くなる。そこで、その領域では、横方向ブロック剛性を確保して高い接地圧に耐えられるようにするため、図2(A)のX部に位置する装着外側ショルダー部ブロック20a列の幅を広くし、かつサイプ22の方向をタイヤ幅方向と略平行にしている。このようにすることで、横方向入力時のブロックの倒れ込み量が減少し、横方向ブロック剛性と接地面積を大きくすることができる。
一方、装着内側領域(図2(A)のY部)では、旋回時でも接地圧はあまり増加しないため、横方向ブロック剛性は小さくてもよい。そこで、その領域では、横方向エッジ成分を増加させて旋回時のグリップ力を確保するため、図2(A)のY部に位置する幅狭ブロック20d列のサイプエッジ角度をセンター部ブロック20b、20c等のサイプエッジ角度よりも大きくしている。また、幅狭ブロック20dのブロックエッジ角度も、他のブロックのブロックエッジ角度より大きくしている。
このように幅狭ブロック20d列の各エッジ角度を大きくすることで、横方向エッジ成分が増加して横方向のエッジ効果が大きくなるため、雪上での旋回時のタイヤのグリップ性能が高くなる。また、グリップ性能の向上により前・後輪のグリップバランスが向上等するため、グリップ性能の限界域付近でのハンドリング性能も高くなり、雪上操縦安定性能を向上させることができる。更に、各エッジ角度は大きすぎないため、エッジ成分の一部は前後方向にも振り分けることができ、雪上での制動・駆動性能の低下を小さく抑えることもできる。
各エッジ角度を大きくすると、以上のように横方向エッジ成分を増加できる反面、前後方向エッジ成分および横方向ブロック剛性は低下してしまうという問題が生じる。しかし、最も幅の狭い幅狭ブロック20dの各エッジ角度を大きくしたため、前後方向エッジ成分の減少による前後方向エッジ効果の減少を最小限に抑えることができる。また、幅狭ブロック20dよりも幅の広いセンター部ブロック20b、20c等のサイプエッジ角度を小さくしたため、トレッドパターン全体の前後方向エッジ効果を確保することができる。また、横方向ブロック剛性の低下についても、同様に最小限に抑えることができ、かつタイヤ幅方向のサイプを有する装着外側ショルダー部ブロック20a等の幅を広くしたため、トレッドパターン全体の横方向ブロック剛性を確保することができる。
ここで、サイプエッジ角度が0度以上25度以下の場合には、前後方向入力時にブロックの倒れ込み量が増加して前後方向ブロック剛性・接地面積は小さくなるが、前後方向エッジ効果は高くなる。本実施形態のタイヤ10では、制動・駆動性能、および操舵初期レスポンス等の小舵角域でのハンドリング性能に大きく寄与するセンター部ブロック20b、20c列に、この範囲内の角度を持ったサイプ22を配分しているため、前後方向エッジ効果を確保して制動・駆動性能、および操舵初期レスポンス等の小舵角域でのハンドリング性能を維持することができる。なお、サイプエッジ角度が25度よりも大きい場合には、前後方向エッジ効果を十分に確保することができないため望ましくない。
また、サイプエッジ角度やブロックエッジ角度が30度以上60度以下の場合には、横方向入力時に倒れ込み量が増加して横方向ブロック剛性・接地面積は小さくなるが、横方向エッジ効果は高くなる。本実施形態のタイヤ10では、幅狭ブロック20dの各エッジ角度をこの範囲内にしているため、横方向エッジ効果を増加させて、雪上での旋回時のグリップ性能やグリップ性能の限界域付近でのハンドリング性能、雪上操縦安定性能を向上させることができる。同時に、サイプエッジ角度やブロックエッジ角度の大きなブロックがタイヤ接地幅全体に占める割合を小さくして、横方向ブロック剛性・接地面積の減少を最小限にすることができる。なお、各エッジ角度が30度未満のときには、横方向エッジ効果を十分確保することができず、また、60度より大きいときには、横方向ブロック剛性・接地面積、前後方向エッジ効果が著しく低下してしまうため望ましくない。
以上説明した条件でトレッドパターンやサイプ等を配置することにより、旋回時の横方向入力時に、接地面全体のブロック剛性・接地面積、及びセンター部の前後方向エッジ効果を維持しつつ、接地圧の低い装着内側で横方向エッジ成分を増加させて横方向エッジ効果を確保することができ、パターン全体のネガティブ率やエッジ成分を増やすことなく、特に旋回時におけるグリップ性能や雪上操縦安定性能等を確保し、雪上走行性能を向上させることができる。
ここで、雪上μ(トラクション・ブレーキ)の発生メカニズムは図3に示すように、タイヤ前面の走行抵抗となる圧縮抵抗Fa、推進力となるブロック表面の表面摩擦力Fc、溝部の雪柱せん断力Fb、サイプエッジ・ブロックエッジのエッジ効果Fdとから成るが、本発明では装着外側等でブロック剛性を確保し、装着内側でサイプエッジ・ブロックエッジによるエッジ効果Fdを確保することができるため、トレッドパターン全体のエッジ成分、ネガティブ率を増やすことなく、ブロック剛性、エッジ効果を有効に得ることができ、雪上操縦安定性等を向上させることができる。
なお、幅狭ブロック20dのサイプ22は逆方向に傾斜させて形成してもよく、図4は、この場合の空気入りタイヤ10のトレッドパターン形状を展開した平面図である。このタイヤ10の幅狭ブロック20dは、図示のようにサイプエッジ角度の方向のみが逆方向、つまりブロックエッジとサイプエッジが逆方向に傾斜しているが、それ以外のトレッドパターン形状は、図1に示すタイヤ10と同一である。
このタイヤ10は、図1のタイヤ10と比べて横方向エッジ成分は若干減少するが、横方向エッジ効果は十分確保することができるため、従来のタイヤと比べてグリップ性能、雪上操縦安定性能等を向上させることができる。また、図1のタイヤ10と比べて横方向ブロック剛性・接地面積、前後方向エッジ効果は高くなるため、乾燥路面や濡れた路面での運動性能および摩耗性能等は図1のタイヤ10より高くすることができる。
また、サイプエッジ角度等を大きくした幅狭ブロック20d列は、少なくとも装着内側に一列あれば雪上走行での大舵角時にグリップが増加し、雪上操縦安定性を大幅に高めることができるが、更にそれらを高めるために、同様のブロック列を装着外側に配置し、若しくは装着内側、外側を問わず複数列配置してもよい。
(タイヤ試験)
本発明の空気入りタイヤの効果を確認するため、幅狭ブロック20d列のブロックエッジ角度とサイプエッジ角度を傾斜させていない比較例のタイヤと、傾斜させた実施例のタイヤを用いて、以下の条件でテストを行った。比較例、実施例ともに、リム及び内圧は、JATMA YEAR BOOK(2004、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるラジアルプライタイヤのサイズに対応する適用リム及び空気圧―負荷能力対応表に基づくものとし、タイヤサイズは195/65R15とし、ブロックの溝深さは9mm、サイプ深さは全て7.5mmとした。
トレッドパターン形状は、比較品は図5で示すように設定し、また、実施品1は図1で示すように、実施品2は図4で示すようにそれぞれ設定した。比較品と実施品1、2は、ネガティブ率はいずれも30%、全体のエッジ成分指数も100と同等とし、ショルダー部ブロック20a、20eとセンター部ブロック20b、20cの形状や配置、サイプエッジ角度、ブロック幅等は全て等しくした。
また、いずれもブロック幅15mmの幅狭ブロック20d列を同じ位置に有するが、そのブロックエッジ角度とサイプエッジ角度は、比較品ではともに0度であるのに対し、実施品では40度であり、更に実施品1ではそれらの角度を同方向(それぞれ40度、40度)、実施品2では逆方向(それぞれ40度、−40度)とした。なお、2列のセンター部ブロック20b、20c列のブロック幅はどちらも30mmだが、一方のブロック列のブロックエッジ角度は10度、サイプエッジ角度は5度であり、他方のブロック列のそれらの角度は逆方向(ブロックエッジ角度は−10度、サイプエッジ角度は−5度)である。
試験は、上記それぞれのタイヤを6J―15のリムに内圧200kPaで組み付け、乗用車に装着して雪上加速テスト、雪上制動テスト、雪上操縦安定性テストを行った。雪上加速テストは、静止状態からアクセルを全開にし、50m走行するまでの時間(加速タイム)で評価し、結果は加速タイムの指数で表した。雪上制動テストは、初速度40km/hから制動したときの制動距離で評価し、結果は制動距離の指数で表した。雪上操縦安定性テストは、テストドライバーが雪上テストコースを走行することで評価し、結果はフィーリング評点の指数で表した。
その結果を表1に示す。各結果は比較品のタイヤを100とした指数で表し、指数が大きいほど結果は良である。
Figure 0004656989
表1に示すように、雪上加速性能と雪上制動性能は、比較品と実施品1、2の全てで100となっており、実施品でも雪上加速性能と雪上制動性能は維持されていることがわかる。また、雪上操縦安定性能は、比較品の100に比べて、実施品1では115、実施品2では113と高くなっており、実施品ではともに雪上操縦安定性能が改良されていることがわかる。以上の結果から、本発明により空気入りタイヤの雪上走行性能を向上できることが証明された。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開平面図である。 本実施形態の空気入りタイヤを車両に装着したときの配置構成を説明するための平面図である。 雪上でのトラクション・ブレーキの発生メカニズムを説明するためタイヤの一部を模式的に示した側面図である。 本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開平面図である。 従来の空気入りタイヤのトレッドパターンを示す展開平面図である。
符号の説明
10・・・空気入りタイヤ、12・・・リブ溝、14・・・ラグ溝、20・・・ブロック、20a・・・装着外側ショルダー部ブロック、20b・・・センター部ブロック、20c・・・センター部ブロック、20d・・・幅狭ブロック、20e・・・装着内側ショルダー部ブロック、22・・・サイプ。

Claims (5)

  1. タイヤ周方向に設けられた複数のリブ溝と、タイヤ幅方向に設けられ、前記リブ溝と交差する複数のラグ溝と、前記リブ溝とラグ溝により区画されたリブ又はブロックとを有するトレッドパターンを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記リブ又はブロックに形成された複数のサイプと、前記ブロックがタイヤ周方向に配列した複数のブロック列と、を有し、
    該複数のブロック列は、タイヤ幅センター部に位置するセンターブロック列と、該センター部ブロック列の車輪の装着内側に形成された最も幅が狭い幅狭ブロック列と、該幅狭ブロック列の車輪の装着内側に形成されたショルダー部ブロック列と、を有し、
    前記幅狭ブロック列は、前記センター部ブロック列よりも車輪の装着時に内側となる装着内側領域のみに設けられ、
    前記幅狭ブロックのサイプエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度は、前記センターブロックのサイプエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度より大きく、
    前記幅狭ブロック列の前記ラグ溝側のブロックエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度は、前記センター部ブロック列と前記ショルダー部ブロック列の前記ラグ溝側のブロックエッジのタイヤ幅方向に対する傾斜角度より大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記幅狭ブロック列のサイプエッジの傾斜角度は、タイヤ幅方向に対し30度以上60度以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 請求項1又は2に記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記センター部ブロックのサイプエッジの傾斜角度は、タイヤ幅方向に対し度以上25度以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記幅狭ブロック前記ラグ溝側のブロックエッジの傾斜角度は、タイヤ幅方向に対し30度以上60度以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載された空気入りタイヤにおいて、
    前記幅狭ブロックサイプエッジと前記ラグ溝側のブロックエッジの傾斜方向は、タイヤ幅方向に対し互いに逆方向であることを特徴とする空気入りタイヤ
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