JP4652591B2 - 複合容器蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、注出用案内部材(チップ)を上下にスライドさせることにより、注出用開口を開放し或いは閉じるプッシュプルタイプの複合容器蓋に関するものであり、より詳細には、ドレッシングのような液が収容された容器の蓋として特に有用な複合容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
プッシュプルタイプの複合容器蓋は、ワンタッチで注出用開口の開放及び閉塞を行うことができるため、種々の液体収容容器の容器蓋として使用されている。
例えば、特開2000−85811号公報の図4には、容器口部に螺子締結された中蓋20と、中蓋20の上部壁に上下にスライド可能装着されたチップ(注出用案内部材)31とを備えた複合容器蓋が開示されている。この先行技術においては、中蓋20は、中空の筒状形状を有しており、その上部内空間には、内容液の注出用通路を閉じないようにして栓体(弁体)26が設けられており、チップ31は注出用開口33を備えている。即ち、チップ31が下方位置にあるときは、栓体26によってチップ31の注出用開口33が閉じられているが、チップ31を手で持って上方に引っ張り上げることにより、注出用開口33が開放され、この状態で内容液の注ぎ出しが行われ、注ぎ出し後は、再び、チップ31を手で下方に押し下げることにより、栓体26によって注出用開口33が閉じられるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来公知のプッシュプルタイプの複合容器蓋は、注出用開口を開放し或いは閉じるために、注出用案内部材(チップ)を手で引っ張り上げたり或いは押し下げたりしなければならないという問題がある。例えばドレッシングのような液が収容された容器に用いた場合、注出用開口の開放及び閉塞に際して、液が付着した注出用案内部材を手で触れなければならず、極めて非衛生的である。
【0004】
従って、本発明の目的は、注出用開口を有する注出用案内部材を手で全く触れることなく、該注出用案内部材を上下にスライドさせて注出用開口の開放及び閉塞を行うことが可能なプッシュプルタイプの複合容器蓋を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、容器口部に螺子固定される中蓋と、上下にスライド可能に該中蓋に取り付けられた注出用案内部材と、中蓋に取り付けられた注出用案内部材を覆うように着脱自在に設けられた上蓋とを備えた複合容器蓋において、
前記中蓋は、容器口部の外面と螺子係合する螺条を内面に有する第1の筒状壁と、第1の筒状壁よりも小径の第2の筒状壁と、第1の筒状壁の上端と第2の筒状壁の下端とを繋ぐ水平壁と、第2の筒状壁の内部に設けられた弁体とから成り、
第2の筒状壁の上方部分外面には、係合突起が形成され、
前記弁体は、少なくとも上端が閉じられた柱状体形状を有し、その上端は、第2の筒状壁の上端よりも上方に延びており、且つその下端は、適当な間隔で形成されているブリッジによって第2の筒状壁の内面或いは前記水平壁の下面に保持されており、
前記注出用案内部材は、中央部分に注出用開口を備えた天井壁と、天井壁の下面に形成された環状外側足部及び環状内側足部と、天井壁の上面に形成された注出案内用の注出筒とから成り、該環状外側足部の下端部内面にはアンダーカットが形成されており、該天井壁の周縁又は環状外側足部の上部外面には、外方に張り出した外方張出し部が形成されており、
前記環状外側足部と環状内側足部との間の空間内に、前記第2の筒状壁を嵌め込むことにより、前記注出用案内部材は、第2の筒状壁に上下にスライド可能に保持され、
第2の筒状壁にスライド可能に保持された注出用案内部材が下方位置にあるときは、前記弁体の上端によって前記注出用開口が閉じられ、該注出用案内部材が上方位置にあるときは、前記注出用開口が開放され、且つ、前記環状外側足部の下端部内面に形成されているアンダーカットと第2の筒状壁上方部分外面の係合突起との係合により、該注出用案内部材の上方への移動が規制されると共に、
前記上蓋は、頂板部と、頂板部周縁から下方に延びているスカート壁とから成り、該スカート壁の上方部分内面には、係止突起が形成されており、
該頂板部下面には、前記注出用開口よりも大きな内径を有するリング状の押え突起が形成されており、
第2の筒状壁にスライド可能に保持された注出用案内部材を覆うようにして前記上蓋を閉じた時、上方位置にある注出用案内部材は、前記上蓋により押圧されて下方位置まで降下し、前記注出筒の上端が前記上蓋の頂板部内面に当接することなく、前記リング状の押え突起が前記天井壁上面に当接し、
閉じられた上蓋を上昇させて開放する際には、下方位置にある注出用案内部材は、上蓋の係止突起と該注出用案内部材の外方張出し部との当接により上方位置まで持ち上げられ、該注出用案内部材が上方位置に到達した時点で、上蓋の係止突起が該注出用案内部材の外方張出し部を乗り越えること、
を特徴とする複合容器蓋が提供される。
【0006】
本発明の複合容器蓋によれば、注出用案内部材に注出筒が設けられているため、この注出筒によって、内容液の注出を円滑に行うことができ、また、注ぎ出された液が注出用案内部材の外面に垂れ落ちることを有効に防止することができる。
更には、上蓋の脱着及び装着により、注出用案内部材の上方へのスライド及び下方への降下が行われ、このような注出用案内部材の上下へのスライドに伴って、注出用案内部材に設けられている注出用開口の開放及び閉塞が行われる。従って、容器に収容されている液の注ぎ出し作業を、液が付着する注出用案内部材に手で触れることなく行うことができ、ドレッシングのような液が収容された容器に用いた場合にも、極めて衛生的である。
本発明において、注出用案内部材の上下へのスライドを行う上蓋は、通常、容器外面との螺子係合により装着されることが好適である。
【0007】
【発明の実施形態】
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の複合容器蓋の未使用状態での側断面図を示し、
図2は、中栓が取り外された状態にある図1の複合容器蓋において、上蓋を上昇させて注出用案内部材を上方位置にスライドさせたときの状態を示す側断面図であり、
図3は、図2の複合容器蓋から上蓋を取り外した状態を示す図であり、
図4は、図1の複合容器蓋に設けられている中蓋の概略平面断面を示す図である。
【0008】
図1乃至3において、本発明のプッシュプルタイプの複合容器蓋は、容器口部50の上部に螺子固定された合成樹脂製の中蓋1と、該中蓋1に上下にスライド可能に取り付けられている合成樹脂製の注出用案内部材2と、注出用案内部材2を覆うように着脱自在に装着されている合成樹脂製の上蓋3とから成っている。
このような中蓋1、注出用案内部材2及び上蓋3を構成する合成樹脂は、それ自体公知であり、例えば、ポリエチレン、アイソタクティクポリプロピレン、エチレン−ポリプロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂や、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ABS樹脂或いはポリカーボネート等を例示することができる。
【0009】
上記の複合容器蓋が装着される容器の口部50は、図1に示されている様に、上端に位置する小径の中蓋保持部51と、中蓋保持部51の下端に連なる大径の上蓋保持部52とから成っており、中蓋保持部51の外面には、螺条51aが形成され、上蓋保持部52の外面には、螺条52aが形成されている。
【0010】
中蓋1は、第1の筒状壁5と、第1の筒状壁5の上方に位置する第2の筒状壁6とを備えており、第1の筒状壁5は、第2の筒状壁6よりも大径であり、第1の筒状壁5の上端は、水平壁7により第2の筒状壁6の下端に連なっている。
【0011】
第1の筒状壁5の内面には、螺条5aが形成されている。この螺条5aが、容器口部50の上端に位置する中蓋保持部51の外面に形成されている螺条51aと螺子係合することにより、中蓋1が容器口部50に着脱自在に螺子固定される。
尚、第1の筒状壁5の外面には、中蓋1の旋回を容易に行うためのローレット5bが形成されている。
また、第1の筒状壁5の内面の上端部近傍には、水平壁7と小間隔を置いて、小突起5cが形成されている。
【0012】
また、本発明の複合容器蓋においては、通常、未使用状態、即ち、店頭で販売に供されているような状態では、図1に示す様に、容器口部50の上端(中蓋保持部51)に中栓10が嵌め込まれており、この中栓10は、上記の中蓋1によってしっかりと保持され、これにより、十分にシール性が確保されている。
即ち、中栓10は、全体としてカップ形状を有するものであり、底部10aと、外方に若干膨らんだ胴部10bと、胴部の上端から外側に張り出したフランジ部10cとから形成されており、また、中栓10の内部には、摘み用のタブ10dが形成されている。容器口部50の内部に嵌め込まれた中栓10の底部10aにより容器口部50は完全に閉じられ、また、その胴部10bの外面と容器口部50の内壁面とが密着することによりシール性が確保される。この場合、中栓10のフランジ部10cが、容器口部50(中蓋保持部51)の上端面と、中蓋1の水平壁7の下面との間に挟持され、これにより、中栓10はしっかりと保持される。
尚、中栓10のフランジ部10cの外周縁は、薄肉部となって外方に張り出しており、第1の筒状壁5の内面に形成されている小突起5cに保持された状態で、容器口部50に中蓋1と一体となって装着される。中蓋1の第1の筒状壁5を旋回して中蓋1を容器口部50から取り外す際には、第1の筒状壁5の内面に形成されている小突起5cがフランジ部10cの外周縁の薄肉部を乗り越え、中栓10が容器口部50に嵌め込まれたまま、中蓋1のみが容器口部50から取り除かれる。容器口部50に残った中栓10は、タブ10dを持って引っ張り上げることにより、容器口部50から取り除かれる。
尚、中蓋1の水平壁7の下面には、中栓10のフランジ部10cの上面をしっかりと押えつけるために、小突起を形成しておくのがよい。
【0013】
第1の筒状壁5よりも小径の第2の筒状壁6には、後述するように、注出用案内部材2が上下にスライド可能に保持される。このために、第2の筒状壁6の上端近傍には、その外面に、注出用案内部材2の第2の筒状壁6からの離脱を防止するための係合突起13が設けられている。
また、第2の筒状壁6の内部には、弁体15が設けられている。
図1等から明らかな通り、この弁体15は、上端が閉じられた柱状体形状を有しており、その上端部は、第2の筒状壁6の上端部よりも若干上方に突出している。
更に、弁体15の下端部は、図4の平面断面図に示されている様に、周方向に互いに間隔を置いて位置する複数のブリッジ17(図4では、4個)により、筒状壁6の内面に固定されている。即ち、ブリッジ17の間隙が、内容液の注出路となる。
【0014】
注出用案内部材2は、内容液を注ぎ出す際の液の案内として機能するものである。
この注出用案内部材2は、板状の天井壁20を備えており、天井壁20の中央部分には、特に図2及び図3に明瞭に示されているように、注出用開口21が設けられており、天井壁20の上面には、液案内用の注出筒22が形成されている。また、天井壁20の外周縁には、外方に張出した外方張出し部23が形成されている。
注出筒22は、先端が外方に広がった形状を有しており、且つ注出筒22の内面は、先端部分の内径が下端部分の内径よりも若干大きくなるようなテーパー面となっている。また、注出筒22により囲まれている天井壁20の上面は、中心部分が低く且つ周縁部分が高くなるようなテーパー面となっている。天井壁20及び液案内用の注出筒22が、このような形状を有していることにより、注出用開口21を介して容器内から排出される液は、液垂れ等を生じることなくスムーズに注ぎ出され、また、天井壁20の上面及び注出筒22の内面に付着した液は、スムーズに注出用開口21を介して、容器内に回収される。
【0015】
また、天井壁20の下面には、環状の外側足部25と、環状の内側足部26とが形成されており、環状の外側足部25の下端内面には、アンダーカット25aが設けられている。
即ち、上述した液注出用案内部材2は、中蓋1の第2の筒状壁6を、外側足部25と内側足部26との間の空間に嵌め込むことにより、上下にスライド可能に保持されるものであり、外側足部25の下端のアンダーカット25aが第2の筒状壁6の上部係合突起13と係合することにより、液注出用案内部材2が中蓋1から離脱しないようになっている。
特に図1及び図2とを比較することにより理解されるように、液注出用案内部材2が下方位置にあるときは、弁体15の上端によって注出用開口21が閉じられており、液注出用案内部材2が上方位置にあるときは、注出用開口21は開放され、従って、液注出用案内部材2を上下にスライドさせることにより、注出用開口21の開け閉めが行われる。
【0016】
本発明の複合容器蓋では、注出用開口21の開け閉めのための液注出用案内部材2の上下スライドが、上蓋3を利用して行われる。
このような上蓋3は、図1及び図3に示されているように、頂板部30と、頂板部30の周縁から下方に延びているスカート壁31とから成っており、スカート壁31の下方部分の内面には、螺条31aが形成されている。即ち、この螺条31aが、容器口部50の上蓋保持部52の外面に形成されている螺条52aと螺子係合することにより、上蓋3は、注出用案内部材2を覆うように装着されるものである。また、図示されていないが、スカート壁31の外面には、通常、ローレットが形成されている。
【0017】
本発明においては、上記上蓋3の脱着及び装着にしたがって、前述した注出用案内部材2の上下スライド、即ち、注出用開口21の開け閉めを行うために、スカート壁31の上方部分内面には、係止突起33が設けられている。
即ち、上蓋3を回転させて脱着する(開栓する)ときには、係止突起33は、注出用案内部材2の天井壁20の外周縁に形成されている外方張出し部23の下側に位置し、上蓋3の上昇に伴って注出用案内部材2は、上方位置まで持ち上げられる。注出用案内部材2が上方位置に到達すると、アンダーカット25aと係合突起13との係合により、注出用案内部材2の上昇が制限されるため、係止突起33は、注出用案内部材2の天井壁20の外周縁に形成されている外方張出し部23を乗り越え、この結果、上蓋3は、取り外される。
上述した実施例の複合容器蓋においては、上蓋3と容器口部50とが螺条により係合しているため、上蓋3の取り外しと注出用案内部材2の上方への移動を、上蓋3の開栓方向への旋回によって極めて容易に行うことができる。
【0018】
一方、上蓋3を注出用案内部材2に被せて旋回して容器口部50に装着する(閉栓する)時には、係止突起33は、注出用案内部材2の天井壁20の外周縁に形成されている外方張出し部23の上側に位置し、上蓋3の降下に伴って注出用案内部材2は、下方位置まで押し下げられる。注出用案内部材2が下方位置に到達すると、外側足部25が水平壁7の上面に当接し、その降下が制限されるため、係止突起33は、外方張出し部23を乗り越えて、その下側に位置する。このようにして、上蓋3は、容器口部50の上蓋保持部52の外面にしっかりと螺子固定される。
【0019】
上記の様に、上蓋3を脱着及び装着することにより、注出用案内部材2が上昇及び降下し、これにしたがって、注出用開口21の開放及び閉塞が行われる。
この場合において、上蓋3の頂板部30の内面には、注出用開口21よりも内径の大きなリング状の押え突起35を設けることが望ましい。このリング状押え突起35は、注出用案内部材2に設けられている液案内用の注出筒22よりも若干長く形成されており、このような押え突起35を設けることにより、液案内用の注出筒22と頂板部30の内面との当接を防止することができ、液案内用の注出筒22が頂板部30の内面に押圧させることにより生じる注出筒22の破損や変形を有効に回避することができる。
また、閉栓の際には、係止突起33と共に或いは係止突起33の代わりに、この押え突起35が天井壁20の外面に当接して、注出用開口21が閉じられる状態にまで注出用案内部材を押し下げることができる。
【0020】
上述した本発明の複合容器蓋において、上蓋3の脱着及び装着による注出用開口21の開け閉め、即ち、容器内容液の注ぎ出し作業は、以下の様にして行われる。
【0021】
先ず、未使用状態、例えば、一般の需要者がドレッシング等の液が収容された容器を購入した時点(店頭で販売されている時点)では、図1に示されているように、容器口部50には、中栓10が嵌め込まれている状態で、注出用案内部材2が取り付けられた中蓋1及び上蓋3が、それぞれ、螺子固定されている。
この状態において、上蓋3を旋回して上昇させることにより(螺子係合の解除)、容器口部50(上蓋保持部52)から上蓋3を取り外す。この時の注出用案内部材2の挙動は、後記する内容液の注ぎ出し作業時における上蓋3の開放時と全く同様であるので、その説明は省略する。
上蓋3を取り外した後、更に中蓋1を旋回して上昇させることにより(螺子係合の解除)、容器口部50(中蓋保持部51)から、注出用案内部材2が取り付けられた中蓋1を取り外す。
中蓋1を取り外した後、既に述べた通り、中栓10のタブ10dを手で持って引っ張り上げることにより、中栓10を容器口部50から取り外す。
中栓10を取り外した後は、注出用案内部材2が取り付けられた中蓋1を、再び、容器口部50(中蓋保持部51)に螺子固定し、更に、この上から上蓋3を被せ、上蓋3を容器口部50(上蓋保持部52)に螺子固定する。上蓋3の螺子固定に際しての注出用案内部材2の挙動は、後記する内容液の注ぎ出し作業時における上蓋3の閉栓時と全く同様であるので、その説明は省略する。
【0022】
上記のようにして中栓10が取り除かれた後に、容器口部50に注出用案内部材2を備えた中蓋1及び上蓋3を装着した状態は、中栓10が取り除かれ、中蓋1の水平壁7が直接容器口部50の上端面に当接している点を除けば、実質上、図1に示す状態と全く同一であり、注出用案内部材2の注出用開口21は、弁体15の上端によって完全に閉じられている。
従って、例えば、ドレッシング等の液では、注ぎ出しに先立って、容器を振盪し、液を均一な状態とすることができ、この際に、上蓋3の内面が汚れることはない。
【0023】
液の注ぎ出しに際しては、上蓋3を旋回させ、上蓋3の螺条30aと上蓋保持部52の螺条52aとの螺子係合を解除していくことにより、上蓋3を上昇せしめる。
図2に示されている様に、上蓋3の上昇にしたがって、上蓋3の係止突起33が天井壁20の外周縁に形成されている外方張出し部23の下側に当接して持ち上げるため、注出用案内部材2は、上方にスライドする。これにより、弁体15の上端によって閉じられていた注出用開口21は、開放される。
引き続き上蓋3を旋回して上昇させていくと、注出用案内部材2は上方位置に到達し、アンダーカット25aと係合突起13との係合により、注出用案内部材2の上昇が制限される。この状態において、上蓋3を更に上昇させることにより、上蓋3の係止突起33は、注出用案内部材2の天井壁20の外周縁に形成されている外方張出し部23を乗り越え、上蓋3は、完全に取り外され、図3に示す状態となる。
【0024】
上蓋3が取り外され、注出用案内部材2が上方位置にある図3の状態では、容器内空間は、弁体15を保持しているブリッジ17の間隙及び注出用開口21を介して外部と連通しており、容器を傾けることにより、図3の矢線に示す流路に沿って、液の注ぎ出しが行われる。
注ぎ出し終了後は、容器を直立させることにより、注出用案内部材2の天井壁20の上面に付着残存している液は、注出用開口21を介して、容器内部に回収される。
【0025】
この状態で上蓋3を閉じることにより、注出用案内部材2を下方位置に降下させて注出用開口21を閉じることができる。
即ち、上蓋3を注出用案内部材2の上から被せ、上蓋3を閉栓方向に旋回させて降下させると、注出用案内部材2の外方張出し部23が、上蓋3の係止突起33により押圧されるため、注出用案内部材2は下方に降下する。この場合、周状係止突起33が外方張出し部23を乗り越えて、その下側に位置した場合には、上蓋3のリング状の押え突起35が天井壁20の上面に当接するため、液案内用の注出筒22の上端が上蓋3の頂板部内面に当接することなく、注出用案内部材2の降下が行われる。このようにして、上蓋3を閉じることにより、注出用案内部材2は下方位置まで降下し、その注出用開口21は弁体15の上端によって閉じられ、シール性が確保される。
再び内容液の注出を行うときには、上述した作業を繰り返せばよい。
【0026】
上述した本発明の複合容器蓋においては、注出用案内部材2の天井壁20の外周縁に形成されている外方張出し部23は、その下面は、ストレートな平面形状であり、且つ上面が湾曲した曲率面となっていることが好ましい。即ち、外方張出し部23をこのような形状とすることにより、係止突起33と外方張出し部23の下面との当接による注出用案内部材2の上昇をスムーズに行うことができ、また、注出用案内部材2を下方に押し下げる際には、係止突起33がスムーズに外方張出し部23の下側に廻りこみ、押え突起35により注出用案内部材2をスムーズに押し下げることができる。
【0027】
本発明は、図1等の具体例に限定されるものではなく、種々の設計変更が可能である。
例えば、上述した例では、上蓋3は容器口部50との螺子係合により係止されているが、この上蓋3を中蓋1に係止させることも可能である。
また、弁体15は、ブリッジ17によって第2の筒状壁6の内面に保持されているが、ブリッジ17を水平壁7の下面から延ばして弁体15を保持させることもできる。
更に、外方張出し部23は、天井壁20の外周縁に形成されているが、これを環状の外側足部25の上部外面に形成することも可能である。
更には、上蓋3のスカート壁31の下端に、フラップ片等の容器の顎部等と係合する係合部材を備えたタンパーエビデントバンドを設けることにより、不正使用防止機能を持たせることができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明のプッシュプルタイプの複合容器蓋においては、内容液が付着する注出用案内部材2に手で触れることなく、注出用開口21の開け閉めによる注出作業を行うことができるため、極めて衛生的である。また、注出用開口21を備えた天井壁20の上面に注出筒20が設けられているため、内容液の注ぎ出しを円滑に行うことができ、更には、内容液の注ぎ出しに際しての液垂れを有効に防止することができる。
本発明の複合容器蓋は、例えばドレッシングのような液が収容された容器の蓋として、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合容器蓋の未使用状態での側断面図。
【図2】中栓が取り外された状態にある図1の複合容器蓋において、上蓋を上昇させて注出用案内部材を上方位置にスライドさせたときの状態を示す側断面図。
【図3】図2の複合容器蓋から上蓋を取り外した状態を示す図。
【図4】図1の複合容器蓋に設けられている中蓋の概略平面断面を示す図。
【符号の説明】
1:中蓋
2:注出用案内部材
3:上蓋
5:第1の筒状壁
6:第2の筒状壁
7:水平壁
10:中栓
15:弁体
17:ブリッジ
21:注出用開口
22:液案内用の注出筒
23:外方張出し部
25:外側足部
26:内側足部
27:アンダーカット
Claims (3)
- 容器口部に螺子固定される中蓋と、上下にスライド可能に該中蓋に取り付けられた注出用案内部材と、中蓋に取り付けられた注出用案内部材を覆うように着脱自在に設けられた上蓋とを備えた複合容器蓋において、
前記中蓋は、容器口部の外面と螺子係合する螺条を内面に有する第1の筒状壁と、第1の筒状壁よりも小径の第2の筒状壁と、第1の筒状壁の上端と第2の筒状壁の下端とを繋ぐ水平壁と、第2の筒状壁の内部に設けられた弁体とから成り、
第2の筒状壁の上方部分外面には、係合突起が形成され、
前記弁体は、少なくとも上端が閉じられた柱状体形状を有し、その上端は、第2の筒状壁の上端よりも上方に延びており、且つその下端は、適当な間隔で形成されているブリッジによって第2の筒状壁の内面或いは前記水平壁の下面に保持されており、
前記注出用案内部材は、中央部分に注出用開口を備えた天井壁と、天井壁の下面に形成された環状外側足部及び環状内側足部と、天井壁の上面に形成された注出案内用の注出筒とから成り、該環状外側足部の下端部内面にはアンダーカットが形成されており、
該天井壁の周縁又は環状外側足部の上部外面には、外方に張り出した外方張出し部が形成されており、前記環状外側足部と環状内側足部との間の空間内に、前記第2の筒状壁を嵌め込むことにより、前記注出用案内部材は、第2の筒状壁に上下にスライド可能に保持され、
第2の筒状壁にスライド可能に保持された注出用案内部材が下方位置にあるときは、前記弁体の上端によって前記注出用開口が閉じられ、該注出用案内部材が上方位置にあるときは、前記注出用開口が開放され、且つ、前記環状外側足部の下端部内面に形成されているアンダーカットと第2の筒状壁上方部分外面の係合突起との係合により、該注出用案内部材の上方への移動が規制されると共に、
前記上蓋は、頂板部と、頂板部周縁から下方に延びているスカート壁とから成り、該スカート壁の上方部分内面には、係止突起が形成されており、
該頂板部下面には、前記注出用開口よりも大きな内径を有するリング状の押え突起が形成されており、
第2の筒状壁にスライド可能に保持された注出用案内部材を覆うようにして前記上蓋を閉じた時、上方位置にある注出用案内部材は、前記上蓋により押圧されて下方位置まで降下し、前記注出筒の上端が前記上蓋の頂板部内面に当接することなく、前記リング状の押え突起が前記天井壁上面に当接し、
閉じられた上蓋を上昇させて開放する際には、下方位置にある注出用案内部材は、上蓋の係止突起と該注出用案内部材の外方張出し部との当接により上方位置まで持ち上げられ、該注出用案内部材が上方位置に到達した時点で、上蓋の係止突起が該注出用案内部材の外方張出し部を乗り越えること、
を特徴とする複合容器蓋。 - 前記上蓋は、前記中蓋の第1の筒状壁が螺子係合する容器口部外面よりも大きな外径を有する容器首部外面との螺子係合により保持される請求項1に記載の複合容器蓋。
- 第1の筒状壁の内部には、容器口部内面と密接する胴部と、該胴部の上端から外方に延びているフランジ部と、容器口部を閉じる底部とから成る中栓が挿入されている請求項1又は2に記載の複合容器蓋。
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