JP4651968B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
図11(a)、(b)、図12(b)および図13(a)、(b)、(c)において、符号9は、版胴ユニットを、符号10は、孔版印刷装置の装置本体内に装着された多孔性円筒状の版胴を、符号10aは、版胴10の回転中心線を、符号11aは装置本体奥側に対向する版胴10の端板としての後フランジを、符号120は、後フランジ11aから外方に回転中心線10aとほぼ平行な方向に突出し版胴10の回転位置としての例えばホームポジションを検知される被検知部材としてのセンサフィラー120を、符号46は、装置本体奥側に配置された本体後側板を、符号15は、センサフィラー120が取り付けられている版胴10の後フランジ11aに対向する本体後側板46に配置されセンサフィラー120と係合することにより版胴10のホームポジションを検知するホームポジションセンサを、符号125は、ホームポジションセンサ15を本体後側板46に取り付け・固定するためのセンサブラケットを、それぞれ示す。
版胴10は、図11〜図13に示すように、版胴10の両端部に配置されたドラムフランジまたはエンドフランジとも呼ばれる一対の後フランジ11a、前フランジ11bと共に、支軸24と各後・前フランジ11a,11bの中央部に配設された図示しない転がり軸受を介して支軸24の周りに回転方向Aに回転自在に支持されている周知の構成をなす。
センサフィラー120は、後フランジ11aから版胴10の回転中心線10a方向と平行な方向の外方に向けて突出するように配置された凸状部材であり、遮光板とも呼ばれる。センサフィラー120は、正面視でほぼ倒立したL字状をなし、平面視でほぼ平坦な矩形状をなしていて、ホームポジションセンサ15のスリットと係合可能、すなわち同センサ15の上記発光素子および上記受光素子間の光路を安定的かつ確実に遮ることが可能な遮光用の平坦係合部120aと、後フランジ11aにねじ等で取り付け・締結される被取付部120bとを備えている。
同様に、以下、センサブラケット125およびセンサブラケット125Aは、本体後側板46に対する取付位置および形状のみ相違することに着目して、センサブラケット125を代表してその細部を説明する。センサブラケット125は、位置センサ15をはめ込み式に固定するセンサ取付部125aと、本体後側板46にねじ等で締結・固定される被取付部125bとを備えている。
ここで、「用紙Sの巻き上がり」とは、製版済みのマスタ61における多孔質支持体の繊維間を通過したインキが熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部分より滲出し用紙Sに転移して印刷が行われるために、用紙Sがインキの粘着力で版胴10上の製版済みのマスタ61に貼り付いて排出されない不具合現象をいう。
すなわち、請求項1記載の発明は、装置本体内に装着された版胴の端板近傍および該端板近傍に対向する該装置本体のうちの少なくとも一方において、上記版胴の回転中心線とほぼ平行な方向に突出するように配置され、上記版胴の回転方向に沿う上記端板に対してその下流側から上流側に向けて鋭角をなして傾斜した傾斜部が設けられた凸状部材を有し、上記凸状部材は、上記端板近傍に配置され上記版胴の回転位置を検知される被検知部材と、該被検知部材に対向する上記装置本体に配置され上記被検知部材と係合することにより上記回転位置を検知する回転位置検知部材とからなり、上記被検知部材は、上記傾斜部と、上記回転位置検知部材と係合可能であって上記回転中心線とほぼ平行な平坦係合部とを具備していることを特徴とする。
「版胴の回転中心線とほぼ平行な方向」とは、版胴の回転中心線と平行な方向を含む他、例えば設計上の公差範囲内における版胴の回転中心線と平行な方向も含むことを意味する(以下、同じ)。
「・・・傾斜部が設けられた凸状部材」とは、傾斜部を凸状部材に一体的に形成した場合と、傾斜部を凸状部材に別体的に設けた場合との両方を含むことを意味する。また、凸状部材は、端板自体に一体的に形成されている場合(厳密な用語表現では「凸状部」)や、端板の外周縁部に取り付けられている版胴の両端部の外周縁部等に一体的に形成されている場合(厳密な用語表現では「凸状部」)も含む広い概念の用語である。「凸状部材」には、被検知部材や回転位置検知部材の他に、別の凸状部材(あるいは凸状部)も含まれることはいうまでもない(以下、同じ)。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一つに記載の印刷装置において、上記回転位置検知部材は、上記回転中心線に対向する上記装置本体のほぼ同一円周上に複数配置されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の印刷装置において、上記回転位置検知部材は、透過型の光学センサであることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の印刷装置において、上記版胴は、上記装置本体に対して着脱自在な版胴ユニットを構成していることを特徴とする。
本発明によれば、凸状部材(例えば被検知部材、回転位置検知部材)に絡まりつこうとするジャム用紙等を、装置本体内に装着された版胴の端板近傍および端板近傍に対向する装置本体のうちの少なくとも一方に設けた傾斜部により案内し逃がすことによって、凸状部材へのジャム用紙等の絡まりをなくすことができるので、凸状部材(例えば被検知部材としてのセンサフィラー)を変形させたり、例えば回転位置検知部材側のセンサブラケットからの回転位置検知部材(例えばホームポジションセンサ等の位置センサ)の外れを起こしたり、例えば回転位置検知部材(例えばホームポジションセンサ等の位置センサ)を破損させたりすることを、比較的簡単な構成でかつ最小限のコストアップで未然に防止することができる。
図17において、符号50は、孔版印刷装置1の装置本体の骨組みをなす装置本体フレームを示す。装置本体フレーム50の上部にある、符号4で示す部分は画像読取部を構成し、その下方の符号5で示す部分は製版給版部、その左下方に符号2で示す部分は版胴10およびプレスローラ23等が配置された印刷部、その左上方の符号3で示す部分は排版部、製版給版部5の下方の符号6で示す部分は給紙部、装置本体フレーム50の左下方の符号7で示す部分は排紙部を、それぞれ示している。
まず、画像読取部4の上部に配置された原稿載置台(図示せず)に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない操作パネルに配置されている製版スタートキー(図示せず)を押す。この製版スタートキーの押下に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、印刷部2の版胴10の外周面に前回の印刷で使用された使用済みマスタ61bが装着されたまま残っている。
そして、製版済みマスタ61aの先端が、一定のタイミングでクランパ22によりクランプされると、版胴10は回転方向A(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みマスタ61aを徐々に巻きつけていく。製版済みマスタ61aの後端部は、製版完了後にカッタ95により一定の長さに切断される。
回転位置検知部材として透過型の光学センサからなる位置センサ15を採用し、
被検知部材としてセンサフィラー120を採用したのは、版胴10の回転位置の検知精度が良好で、かつ、耐久・信頼性等を十分に確保できるからである。版胴10の後フランジ11a近傍および該後フランジ11a近傍に対向する本体後側板46のうちの少なくとも一方において、版胴10の回転中心線10aとほぼ平行な方向に突出するように配置された凸状部材としての回転位置検知部材・被検知部材としては、例えば反射型の光学センサや、マイクロスイッチおよびこれと係合可能な凸状の作動部材なども含まれるが、これらでは一般的に透過型の光学センサを採用した場合ほどの優れた上記効果を得られない。
把持フレーム32は、下向きに開口した断面ほぼコ字形状をなしていて、インキ供給装置34部位に配設されている図示しない取っ手と共に版胴ユニット9を持ち運ぶための形状を有している。
版胴ユニット9の着脱は、版胴10がホームポジションを占めたとき(図17において、版胴10のクランパ22がほぼ真上に位置する版胴10の回転位置)に限って可能となるように構成されている。
図1〜図3および図7(a)を参照して、第1の実施形態について説明する。
第1の実施形態は、図11(a)、(b)、図12(b)および図13(a)、(b)、(c)等に示した従来例ならびに図17に示した孔版印刷装置1と比較して、センサフィラー120に代えたセンサフィラー12を有することのみ相違し、他の構成は上記各図に示した構成および孔版印刷装置1と同様である。
センサフィラー12が版胴10と共に進む回転方向Aに、ジャム用紙や紙片や残ジャム紙SA、あるいはジャムしたマスタやマスタ切断片等(以下、これらを総称して「残ジャム紙SA等」という)があった場合、この用紙案内傾斜部12cにより残ジャム紙SA等は図1(a)中矢印Bの方向へ案内されて逃げやすくなり、残ジャム紙SA等がセンサフィラー12に絡まりにくくなる。
ここで、残ジャム紙SA等とは、ジャム用紙SAそのものの他、紙片あるいはジャムしたマスタやマスタ切断片等を含む広い概念用語を意味する。
図4〜図7を参照して、第1の実施形態の変形例1について説明する。
変形例1は、図1〜図3に示した第1の実施形態と比較して、センサフィラー12に代えたセンサフィラー18を有することのみ相違し、他の構成は第1の実施形態と同様である。
用紙案内傾斜部18cの角度θは、第1の実施形態と同様である。なお、図6において、係合部18aにつなげて、版胴10の回転方向Aの上流側(遅れ側)に二点鎖線で示したように延びた係合部18a’の部分は、遮光部があまりに短いと誤検知と判断される場合もあることから、必要に応じて長さを変えるとよい。また全体的にタイミングを修正する場合、フィラー(遮光部)の長さを変えることで修正できる。つまり、単独の位置センサ15とセンサフィラー18とに着目してみた場合には、係合部18a’の部分は本質的に必要のない遮光形状であることを付記しておく。
そこで、図7(b)に示すように、位置センサ15からの出力信号のタイミングを、用紙案内傾斜部18cの一部をなす係合部18aの下流端が位置センサ15の上記光路を遮蔽開始する瞬間から、係合部18aの図中黒丸印で示す上流端が位置センサ15の上記光路を遮蔽終了する瞬間に、つまり位置センサ15のスリットと係合部18aの下流端との係合状態が終了する時に設定すべく制御方法を変更した。従って、版胴10の回転位置を従来と同様に精度高く確実に検知できる。
また、第1の実施形態および変形例1では、用紙案内傾斜部12cを備えたセンサフィラー12、用紙案内傾斜部18cを備えたセンサフィラー18を、部品点数の増加を抑えて安価に形成する点から比較的安価な板金で一体的に形成したが、これらの利点を望まなくてもよいのであれば、用紙案内傾斜部12c,18cに相当する部分を例えば板金等で別体的に形成してねじ等の結合手段で固定したりしても構わない。各センサフィラー12,18の形状は、従来のセンサフィラー120よりも強度的に有利になる形状として示されているが、これは上述したとおり本発明の本質的なものではないことを付記しておく。
図8および図9を参照して、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、図11(a)、(b)、図12(b)および図13(a)、(b)、(c)等に示した従来例ならびに図17に示した孔版印刷装置1と比較して、センサブラケット125に代えたセンサブラケット20を有することのみ相違し、他の構成は上記各図に示した構成および孔版印刷装置1と同様である。
別言すると、第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、凸状部材・被検知部材としてのセンサフィラー12側にジャム用紙等の絡まりを防止するための傾斜部を設けたのに代えて、凸状部材・回転位置検知部材としての位置センサ15側にジャム用紙等の絡まりを防止するための傾斜部を設けた点が主に相違する。
図10を参照して、第2の実施形態の変形例2について説明する。
変形例2は、図8および図9に示した第2の実施形態と比較して、用紙案内傾斜部20c等を備えたセンサブラケット20に代えて、従来とほぼ同様のセンサブラケット125Aを有する点、およびジャム用紙等の絡まりを防止するための傾斜部を弾性材で形成した用紙案内傾斜部材21をセンサブラケット125Aと別体的に有する点が主に相違し、他の構成は第2の実施形態の構成および孔版印刷装置1と同様である。
用紙案内傾斜部材21は、版胴10の回転方向Aに沿う後フランジ11aに対してその下流側から上流側に向けて鋭角をなして傾斜し位置センサ15を保護する状態に形成された用紙案内傾斜面21aと、版胴10の回転中心線10aを中心として位置センサ15のスリットと同一円周に位置するように形成された切欠溝21bとを備えている。用紙案内傾斜面21aは、センサフィラー120の平坦係合部120a等により引っ掛けられたきた残ジャム紙SA等を逃げやすく案内する機能を有する。
用紙案内傾斜部材21は、樹脂(例えばポリアセタール(POM))や、弾性材(例えばJIS A20〜80のポリウレタンゴム(PUR))で一体的に形成されている。樹脂で形成した場合、樹脂部のみが外れるようにまたは破壊されるようにして、板金製のセンサブラケット125Aを変形させないようにする。弾性材で形成した場合、その永久変形を防ぐものである。弾性材としては、他の適宜のゴム等でも構わない。
2 印刷部
3 排版部
4 画像読取部
5 製版給版部
6 給紙部
7 排紙部
9 版胴ユニット
10 版胴
10a 版胴の回転中心線
11a 端板としての後フランジ
12、18 凸状部材・被検知部材としてのセンサフィラー
12c、18c 傾斜部としての用紙案内傾斜部
15 凸状部材・回転位置検知部材としての位置センサ
20 センサブラケット
20c 傾斜部としての用紙案内傾斜部
21 傾斜部としての用紙案内傾斜部材
21a 用紙案内傾斜面
46 本体後側板
50 装置本体としての装置本体フレーム
A 版胴の回転方向
S 用紙(シート状記録媒体)
SA 残ジャム紙
Y 版胴ユニットの着脱方向
Claims (7)
- 装置本体内に装着された版胴の端板近傍および該端板近傍に対向する該装置本体のうちの少なくとも一方において、上記版胴の回転中心線とほぼ平行な方向に突出するように配置され、上記版胴の回転方向に沿う上記端板に対してその下流側から上流側に向けて鋭角をなして傾斜した傾斜部が設けられた凸状部材を有し、
上記凸状部材は、上記端板近傍に配置され上記版胴の回転位置を検知される被検知部材と、該被検知部材に対向する上記装置本体に配置され上記被検知部材と係合することにより上記回転位置を検知する回転位置検知部材とからなり、
上記被検知部材は、上記傾斜部と、上記回転位置検知部材と係合可能であって上記回転中心線とほぼ平行な平坦係合部とを具備していることを特徴とする印刷装置。 - 装置本体内に装着された版胴の端板近傍および該端板近傍に対向する該装置本体のうちの少なくとも一方において、上記版胴の回転中心線とほぼ平行な方向に突出するように配置され、上記版胴の回転方向に沿う上記端板に対してその下流側から上流側に向けて鋭角をなして傾斜した傾斜部が設けられた凸状部材を有し、
上記凸状部材は、上記端板近傍に配置され上記版胴の回転位置を検知される被検知部材と、該被検知部材に対向する上記装置本体に配置され上記被検知部材と係合することにより上記回転位置を検知する回転位置検知部材とからなり、
上記被検知部材は、上記傾斜部と、該傾斜部の一部をなすと共に上記回転位置検知部材と係合可能であって上記回転中心線とほぼ平行な係合部とを具備しており、
上記回転位置を検知するタイミングを、上記回転位置検知部材と上記係合部との係合状態が終了する時に設定したことを特徴とする印刷装置。 - 装置本体内に装着された版胴の端板近傍および該端板近傍に対向する該装置本体のうちの少なくとも一方において、上記版胴の回転中心線とほぼ平行な方向に突出するように配置され、傾斜部が設けられた凸状部材を有し、
上記凸状部材は、上記端板近傍に配置され上記版胴の回転位置を検知される被検知部材と、該被検知部材に対向する上記装置本体に配置され上記被検知部材と係合することにより上記回転位置を検知する回転位置検知部材とからなり、
上記傾斜部は、上記版胴の回転方向に沿う上記端板に対してその下流側から上流側に向けて90度以下の角度をなして傾斜し上記回転位置検知部材を保護するように該回転位置検知部材側に配置されていることを特徴とする印刷装置。 - 請求項3記載の印刷装置において、
上記傾斜部を弾性材で形成したことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1ないし4の何れか一つに記載の印刷装置において、
上記回転位置検知部材は、上記回転中心線に対向する上記装置本体のほぼ同一円周上に複数配置されていることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1ないし5の何れか一つに記載の印刷装置において、
上記回転位置検知部材は、透過型の光学センサであることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1ないし6の何れか一つに記載の印刷装置において、
上記版胴は、上記装置本体に対して着脱自在な版胴ユニットを構成していることを特徴とする印刷装置。
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