本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、内部で詰まった記録媒体の取り除きが容易な転写装置、プロセスカートリッジ、及びこれらを備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明の対象となる転写装置は、転写ローラと、その転写ローラを収容する本体フレームと、を備えている。転写ローラは、記録媒体の搬送と同期して所定方向(第1の方向)に回転しつつ、像担持体上に形成された現像剤による像を前記記録媒体に転写するように、前記像担持体と対向して設けられている。本体フレームは、前記転写ローラの周面の一部を前記像担持体と対向させつつ当該周面の残部を覆うように、当該転写ローラを収容する部材である。
本発明の対象となる前記転写装置の一種である、画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジは、前記転写ローラと、当該プロセスカートリッジのケーシングを構成する前記本体フレームと、を備えている。
(1)上述の目的を達成するため、本発明の特徴は、前記転写ローラが前記第1の方向と逆の第2の方向に回転される際に、当該記録媒体の一部を当該転写ローラとの間で挟持し得るように設けられた挟持部材が備えられたことにある。
かかる構成において、記録媒体が転写ローラに巻き付いて当該転写ローラと本体フレームとの間の空間内に入り込む記録媒体搬送不良が発生した場合、当該不良を解消するための所謂ジャム処理が行われる。このジャム処理の際、転写ローラが、画像形成の際の回転方向(第1の方向)とは逆の第2の方向に回転される。このとき、記録媒体の一部が、当該転写ローラの前記第2の方向への回転と共に回転することがないように、挟持部材と転写ローラとの間で挟持される。
すなわち、転写ローラに巻き付いた記録媒体の一部が当該転写ローラの回転方向について固定されつつ、記録媒体の前記一部とは異なる他の部分が転写ローラの周面と共に前記第1の方向と逆の第2の方向に回転される。これにより、転写ローラへの記録媒体の巻き付きがほぐれ、当該記録媒体を転写ローラと本体フレームとの間の空間から除去することが容易となる。
(1’)本発明の他の特徴は、前記本体フレームに設けられ、前記転写ローラに向けて押圧されることで、当該転写ローラとの間で記録媒体を挟持可能に構成された挟持部材を備えたことにある。
かかる構成において、上述のジャム処理が行われる際、挟持部材が、転写ローラに向けて押圧される。これにより、挟持部材と転写ローラとの間で記録媒体が挟持された状態となる。この状態で、転写ローラが、画像形成の際の回転方向(第1の方向)とは逆の第2の方向に回転されると、上述のように、転写ローラへの記録媒体の巻き付きがほぐれる。したがって、転写ローラに巻き付いた記録媒体を除去することが容易となる。
(1−2)ここで、例えば、前記構成(1)及び(1’)における挟持部材が、前記本体フレームに固定端を支持された片持ち梁状の舌片と、その舌片の自由端側に設けられた挟持部とから構成されていてもよい。この挟持部は、転写ローラの周面に対向して配置されている。当該挟持部材は、前記舌片の自由端側が前記転写ローラに向けて押圧されることで、当該転写ローラと前記挟持部との間で記録媒体を挟持可能に構成されている。
かかる構成においては、上述のジャム処理が行われる際に、舌片の自由端側が転写ローラに向けて押圧されることで、当該転写ローラと挟持部との間で記録媒体の一部が挟持された状態となる。この状態で、転写ローラが、上述の第2の方向に回転される。これにより、転写ローラへの記録媒体の巻き付きがほぐれる。
(1−3)また、例えば、前記構成(1−2)における転写ローラ及び挟持部の摩擦係数が、所定の関係に設定されていてもよい。すなわち、記録媒体同士の摩擦係数よりも転写ローラの周面と記録媒体との摩擦係数の方が大きく設定されている。また、前記転写ローラの周面と前記記録媒体との摩擦係数よりも前記挟持部と前記記録媒体との摩擦係数の方が大きく設定されている。
かかる構成によれば、転写ローラに巻き付いた記録媒体のうちの挟持部と接触している部分が当該転写ローラの回転方向について固定されつつ、記録媒体のうちの転写ローラの周面と接触している部分が当該転写ローラの周面と共に前記第1の方向と逆の第2の方向に回転される。これにより、転写ローラへの記録媒体の巻き付きが容易にほぐれる。
(2)本発明の他の特徴は、前記(1)〜(1−3)の構成が、さらに以下の構成を備えていることにある。前記像担持体は、前記記録媒体を介して前記転写ローラに対して圧接されつつ、現像剤による像を担持する周面を前記転写ローラの回転と同期して移動可能に構成されている。前記挟持部材は、前記転写ローラが前記第2の方向に回転される際に、前記周面の移動が停止されつつ当該転写ローラに向けて押圧された前記像担持体から構成されている。
かかる構成においては、上述のジャム処理が行われる際に、像担持体の周面の移動が停止されつつ、当該像担持体の周面が転写ローラに向けて押圧される。これにより、記録媒体が像担持体と転写ローラとの間で挟持された状態となる。この状態で転写ローラが前記第2の方向に回転されることで、転写ローラへの記録媒体の巻き付きがほぐれる。
(3)本発明の他の特徴は、像担持体と、転写ローラと、本体フレームと、像担持体停止機構とを備えたことにある。像担持体は、記録媒体の搬送と同期して移動可能な周面に現像剤による像を担持し得るように構成されている。本体フレームは、転写ローラの周面の一部を前記像担持体に対して押圧され得るように露出しつつ当該周面の残部を覆うように、当該転写ローラを収容する部材である。転写ローラは、前記記録媒体を挟んで前記像担持体に対して押圧されつつ前記記録媒体の搬送と同期して第1の方向に回転し得るように、本体フレームに収容されている。像担持体停止機構は、前記転写ローラが前記第1の方向と逆の方向に回転される際に、前記像担持体の周面を停止させつつ当該転写ローラに対して押圧するように構成されている。
かかる構成による画像形成時においては、像担持体の周面が記録媒体の搬送と同期して所定方向に移動する。この周面には、現像剤による像が担持されている。転写ローラは、記録媒体の搬送と同期して第1の方向に回転する。記録媒体は、像担持体と転写ローラとの間で押圧されつつ、当該像担持体の周面の移動及び転写ローラの回転と同期して所定方向に搬送される。
この画像形成時においては、記録媒体が転写ローラに絡まって当該転写ローラに巻き付く記録媒体搬送不良(所謂ジャム)が発生し得る。ここで、本体フレームは、転写ローラの周面の一部(第1の周面)を前記像担持体に対して押圧され得るように露出しつつ、当該周面の残部(第2の周面)を覆うように、当該転写ローラを収容している。よって、ジャム発生時においては、当該記録媒体は、本体フレームの内側の空間内における、前記転写ローラの前記第2の周面を覆う位置に入り込み、最悪の場合は転写ローラに完全に巻き付く。
このジャムを解消するためのジャム処理時においては、像担持体停止機構により、像担持体の周面の移動が停止される。これにより、記録媒体は、像担持体と転写ローラとの間で挟持された状態となる。この状態で、転写ローラが前記第1の方向と逆の方向に回転されることで、転写ローラへの記録媒体の巻き付きがほぐされる。よって、転写ローラに巻き付いた記録媒体を本体フレームの外部に取り出すことが容易となる。
(4)本発明の他の特徴は、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に対して脱着可能に装着してなる画像形成装置が、以下の構成を備えたことにある。本発明の画像形成装置は、現像剤による像を周面に担持する像担持ローラと、その像担持ローラと対向して設けられた転写ローラと、その転写ローラを収容する転写ローラカバーと、前記転写ローラの回転中心軸に装着されたピニオンギヤと、そのピニオンギヤと噛み合い得るラックギヤと、を備えている。転写ローラは、記録媒体の搬送に同期して第1の方向に回転しつつ、前記現像剤による像を前記記録媒体に転写するように、前記像担持ローラと対向して設けられている。転写ローラカバーは、前記転写ローラの周面の一部を前記像担持ローラと対向させつつ当該周面の残部を覆うように当該転写ローラを収容している。ラックギヤは、前記プロセスカートリッジを前記画像形成装置本体から脱着する脱着動作中に前記ピニオンギヤと噛み合うことで、前記転写ローラの周面と前記像担持ローラの周面とが離間した状態で前記転写ローラを前記第1の方向と逆の方向に回転させ得るように構成されている。そして、前記プロセスカートリッジは、前記ピニオンギヤ及びラックギヤのいずれか一方を備え、前記画像形成装置本体は、前記ピニオンギヤ及びラックギヤのうちの前記一方とは異なる他方を備えている。
かかる構成による画像形成時においては、像担持ローラの周面に現像剤による像が形成される。この像が形成された像担持ローラの周面は、転写ローラと対向する位置にて、所定方向に搬送されている記録媒体に転写される。転写ローラは、記録媒体の搬送に同期して第1の方向に回転する。
この画像形成時においては、記録媒体が転写ローラに絡まって当該転写ローラに巻き付くジャムが発生し得る。ここで、本体フレームは、転写ローラの周面の一部(第1の周面)を前記像担持体に対して押圧され得るように露出しつつ、当該周面の残部(第2の周面)を覆うように、当該転写ローラを収容している。よって、ジャム発生時においては、当該記録媒体は、本体フレームの内側の空間内における、前記転写ローラの前記第2の周面を覆う位置に入り込み、最悪の場合は転写ローラに完全に巻き付く。
このジャムを解消するためのジャム処理時においては、プロセスカートリッジを前記画像形成装置本体から脱着する脱着動作が行われる。この脱着動作の際、転写ローラの回転中心軸に装着されたピニオンギヤがラックギヤと噛み合うことで、前記転写ローラの周面と前記像担持ローラの周面とが離間した状態で、前記転写ローラが前記第1の方向と逆の方向に回転する。すなわち、単にプロセスカートリッジを画像形成装置本体から脱着するだけで、転写ローラへの記録媒体の巻き付きがほぐされる。これにより、転写ローラに巻き付いた記録媒体を本体フレームの外部に容易に取り出すことが可能となる。
(4−2)ここで、例えば、前記構成(4)における前記プロセスカートリッジが、像担持ローラと、転写ローラと、ピニオンギヤと、本体フレームと、を備え、前記画像形成装置本体が前記ラックギヤを備えていてもよい。
かかる構成においては、本体フレームは、プロセスカートリッジのケーシングを構成していて、像担持ローラ及び転写ローラを回転可能に支持している。このプロセスカートリッジに支持された転写ローラの回転中心軸にはピニオンギヤが装着されている。そして、ジャム処理時にプロセスカートリッジを画像形成装置本体から脱着する脱着動作が行われる際、画像形成装置本体に備えられたラックギヤと上述のピニオンギヤとが噛み合う。これにより、転写ローラの周面と像担持ローラの周面とが離間した状態で、転写ローラが前記第1の方向と逆の方向に回転することで、転写ローラへの記録媒体の巻き付きがほぐされる。
(4−3)また、例えば、前記構成(4)及び(4−2)において、前記像担持ローラの回転中心軸に装着された担持体駆動ギヤをさらに備え、前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に装着された状態で、前記担持体駆動ギヤと前記ピニオンギヤとがギヤ連結されるよう構成されていてもよい。
かかる構成によれば、画像形成時に転写ローラを駆動するために前記担持体駆動ギヤとギヤ連結される転写ローラ駆動ギヤと、前記ピニオンギヤとを、同一のギヤで構成することができ、装置構成が簡略化される。
(5)本発明の他の特徴は、前記構成(1)〜(4−3)における前記本体フレームが、前記転写ローラの周面のうちの前記記録媒体の搬送経路と対向していない部分を前記記録媒体の全幅にわたって露出し得る開口部を有することにある。
かかる構成によれば、本体フレームの開口部により、転写ローラの周面のうちの記録媒体の搬送経路と対向していない部分が、記録媒体の全幅にわたって、当該本体フレームの外部に向かって露出されている。よって、ジャム処理が行われる場合、当該記録媒体は、開口部から本体フレームの外部に向かって露出され得る。したがって、転写ローラに絡まることにより画像形成装置内で詰まった記録媒体が、当該開口部を介して容易に取り除かれ得る。
(5−1)ここで、例えば、前記構成(5)において、前記本体フレームが前記像担持体を内部に備えていて、前記開口部が前記本体フレームの底部に形成されていてもよい。
かかる構成によれば、開口部が本体フレームの底部に形成されている。よって、ジャム処理の際に、当該開口部を介して像担持体に外光が照射されたり埃等の異物が付着したりすることを抑制することが可能となる。
(5−2)また、前記構成(5)及び(5−2)において、前記本体フレームが、前記転写ローラの周面を覆う転写ローラカバーを備え、前記開口部が前記転写ローラカバーに形成されていてもよい。
(5−3)また、前記構成(5−2)において、前記開口部が、前記転写ローラの回転中心よりも前記記録媒体の搬送方向(feeding direction of the recording medium)における下流側の前記周面を露出し得るように形成されていてもよい。
かかる構成によれば、記録媒体の一部分が転写ローラに絡まり始める際、当該部分は、記録媒体の搬送経路から外れて、転写ローラの周面に沿って移動する。当該部分が転写ローラに絡まり始めた時点では、当該部分は、転写ローラの周面のうちの、転写ローラの回転中心よりも記録媒体の搬送方向における下流側の周面と対向する位置に移動している。ここで、開口部は、転写ローラの周面のうちの、転写ローラの回転中心よりも記録媒体の搬送方向における下流側の周面を露出し得るように形成されている。よって、転写ローラに絡まり始めた記録媒体の一部分は、当該開口部から転写ローラカバーの外部に向けて露出され得る。したがって、ジャム処理の際に当該開口部から記録媒体が容易に取り出され得る。例えば、記録媒体が転写ローラに完全に巻き付く前の段階で、当該記録媒体が開口部から取り出され得る。
(5−4)また、前記構成(5−3)において、前記開口部の前記方向における上流側の端が、前記転写ローラカバーの前記方向における下流側の端により構成されていてもよい。すなわち、前記転写ローラカバーは、前記転写ローラの周面のうちの、前記転写ローラの回転中心よりも前記記録媒体の搬送方向における下流側の周面を露出しつつ、当該露出された周面よりも前記方向における上流側の前記転写ローラの周面を覆うように構成されている。
(5−5)また、前記構成(5−3),(5−4)において、前記開口部の、前記方向における上流側の端が、前記転写ローラの前記方向における下流側の端よりも、前記方向における上流側に設けられていてもよい。
かかる構成によれば、転写ローラに絡まり始めた記録媒体の一部分が、転写ローラの前記方向における下流側の端よりも前記方向における上流側に入り込む前に、開口部から転写ローラカバーの外部に露出され得る。よって、ジャム処理の際に当該開口部から記録媒体が容易に取り出され得る。
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において取り敢えず出願人が最良と考えている実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態の全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態としてのプロセスカートリッジを備えたレーザプリンタ100の側断面図である。
レーザプリンタ100は、本体部110と、その本体部110に記録媒体(用紙)を供給するためのフィーダユニット120とを備えている。本体部110内には、用紙上に現像剤(トナー)による像を形成するためのプロセスカートリッジ130が脱着自在に装着されている。また、本体部110内には、プロセスカートリッジ130に備えられた感光ドラム133にレーザ光を照射するスキャナユニット140が配置されている。また、本体部110内には、プロセスカートリッジ130に向けて用紙を供給するための給紙部150と、プロセスカートリッジ130によって用紙上に形成されたトナーによる像を用紙上に定着させるための定着ユニット160と、その定着ユニット160を経た用紙をレーザプリンタ100の外部に排出する排紙部170とが配置されている。
<「用紙搬送方向」・「用紙幅方向」・「前面」・「背面」の説明>
当該レーザプリンタ100は、用紙が用紙搬送経路PP(paper path:2点鎖線)に沿って搬送されるように構成されている。本実施形態の要部であるプロセスカートリッジ130の近傍においては、用紙搬送経路PPは、用紙が図中左方向に沿って供給されるように設定されている。
よって、以下の説明では、図1における左方向を「用紙搬送方向」と称する(図2以下も同様)。
また、図1における右側を「用紙搬送方向上流側」、左側を「用紙搬送方向下流側」と称する(図2以下も同様)。そして、レーザプリンタ100における用紙搬送方向上流側の端部を、レーザプリンタ100の「前面」と称し、レーザプリンタ100における用紙搬送方向下流側の端部を、レーザプリンタ100の「背面」と称する。
さらに、図1における前記用紙搬送方向及び上下方向(レーザプリンタ100の高さ方向)と垂直な方向(すなわち図1の紙面の法線方向:レーザプリンタ100の幅方向)を「用紙幅方向」と称する(図2以下も同様)。
<本体部のケーシングの構成>
外側カバー111は、本体部110のケーシングを構成する略直方体形状の部材であり、合成樹脂板により一体に形成されている。この外側カバー111は、当該本体部110内に収容される各種の部材を支持するための図示しないメインフレームを覆うように設けられている。外側カバー111の上面111aには、排紙トレイ111bが形成されている。この排紙トレイ111bは、上面111aの前面側から背面側に向かって斜め下方に延びるように形成された斜面から構成されている。すなわち、排紙トレイ111bは、上面111aに形成された凹部からなる。外側カバー111の上部であって、排紙トレイ111bの下端部の上方には、開口部からなる排紙口111cが形成されている。排紙トレイ111bは、排紙口111cから排出された用紙を受け止め得るように構成されている。
外側カバー111の前面には、開口部が形成されていて、この開口部を塞ぐように板状の前面カバー112が装着されている。この前面カバー112の下端には、当該前面カバー112の回転中心を構成する穴112aが形成されている。外側カバー111の前記開口部には、図示しない一対のピンが、用紙幅方向に沿って立設されている。このピンが外側カバー111の穴112aに挿入されることで、前面カバー112は、当該ピンを中心に用紙搬送方向に沿って開閉可能に支持されている。
<フィーダユニットの構成>
フィーダユニット120のケーシングを構成するフィーダケース121は、その内側にシート状の用紙を積層状態にて多数収容し得るように構成されている。このフィーダケース121内には、用紙押圧板123及び分離パッド125が配置されている。
用紙押圧板123は、背面側(図1における分離パッド125から遠い方)の端部を中心に揺動可能に支持されている。用紙押圧板123の前面側(図1における分離パッド125に近い方)の端部は、図示しないバネによって上方に付勢されている。分離パッド125は、フィーダケース121における前面側の端部近傍に配置され、下方から図示しないバネによって上方に付勢されている。分離パッド125の上側の表面は、ゴム等の、用紙よりも摩擦係数が高い材質によって構成されている。
<プロセスカートリッジの概略構成>
図2は、プロセスカートリッジ130の着脱の際の様子を示す図である。図2に示されているように、本実施形態のレーザプリンタ100は、前面カバー112が前面側(図中左側)に開かれることで、プロセスカートリッジ130が当該レーザプリンタ100の前面側から装着・脱着され得るように構成されている。
再度図1を参照すると、プロセスカートリッジ130のケーシングを構成する本体フレーム131には、現像ユニット132が脱着可能に装着されている。現像ユニット132は、その側方に配置された感光ドラム133の周面133a上にトナーによる像を形成するために、当該感光ドラム133の周面133aに対してトナーを供給可能に構成されている。
感光ドラム133は、本体フレーム131内に収容されていて、画像形成時に用紙の搬送と同期して矢印PD方向に回転されるように、本体フレーム131によって回転可能に支持されている。感光ドラム133の上方には帯電器134が配置されていて、当該帯電器134は本体フレーム131によって支持されている。
本体フレーム131内には、感光ドラム133の周面133a上に担持されたトナーを用紙に転写するための転写ローラ135が収容されている。この転写ローラ135は、その周面135aの上部が感光ドラム133と対向するように、感光ドラム133の下方で且つプロセスカートリッジ130の底部に配置されている。
転写ローラ135は、本体フレーム131によって回転可能に支持されていて、画像形成時に感光ドラム133が矢印PD方向に回転するのと同期して矢印TD方向(第1の方向)に回転するようになっている。そして、転写ローラ135の回転軸135bと、感光ドラム133の回転軸133bとは、本体フレーム131によって所定の間隔で平行に支持されていて、転写ローラ135の周面135aが用紙搬送経路PPを通過中の用紙を挟んで感光ドラム133の周面133aに対して押圧されるようになっている。すなわち、本実施形態においては、転写ローラ135の回転軸135bと、感光ドラム133の回転軸133bとの距離(軸間距離)が、レーザプリンタ100の本体部110(図1、図2参照)に対するプロセスカートリッジ130の着脱に拘わらず一定となるように、転写ローラ135の回転軸135b及び感光ドラム133の回転軸133bが本体フレーム131によって支持されている。
転写ローラ135の周面135aのうち、感光ドラム133と対向している前記上部以外の部分(残部)は、本体フレーム131の一部を構成する転写ローラカバー131aによって覆われている。また、この転写ローラカバー131aには、転写ローラ135に絡まった用紙を取り除くためのジャム処理開口部131dが形成されている。すなわち、ジャム処理開口部131dは、本体フレーム131の一部をなす転写ローラカバー131aの底部に形成されている。
このジャム処理開口部131dは、用紙搬送経路PPから離れた位置に形成されている。具体的には、用紙搬送経路PPとジャム処理開口部131dとの間には、転写ローラカバー131aを構成する部材が介在している。そして、当該ジャム処理開口部131dは、転写ローラ135の周面135aのうちの、用紙搬送経路PPと対向していない部分(下半分)の少なくとも一部が、転写ローラカバー131aの外部に向かって、少なくとも用紙幅全体にわたって露出され得るように形成されている。ジャム処理開口部131dの詳細については後述する。
本体フレーム131内には、感光ドラム133の周面をクリーニングするためのクリーニング部136が配置されている。このクリーニング部136は、転写ローラ135と用紙搬送経路PPを挟んで対向する位置よりも感光ドラム133の回転方向(矢印PD方向)における下流側の感光ドラム133の周面と、所定の圧力をもって接触するように配置されている。
<スキャナユニットの構成>
スキャナユニット140は、本体フレーム131内の上部に配置されている。スキャナユニット140は、スキャナケース141と、ポリゴンミラー142と、反射鏡143,144,及び145とを備えている。ポリゴンミラー142は、所定の回転数で回転駆動され得るように、スキャナケース141に固定された図示しないモータの回転駆動軸によって支持されている。このポリゴンミラー142は、前記モータによって回転駆動されつつ、図示しないレーザ発光部にて画像データに基づいて生成されたレーザビームを反射することで、当該レーザビームを用紙幅方向に沿って走査し得るように構成されている。反射鏡143,144,及び145は、ポリゴンミラー142にて反射されたレーザビーム(一点鎖線)を感光ドラム133の周面上に照射し得るように、スキャナケース141内にて支持されている。
<給紙部の構成>
給紙部150は、給紙ローラ151と、紙粉除去ローラ152と、用紙ガイド153,154と、レジストローラ155とから構成されている。給紙ローラ151は、本体部110の前記メインフレーム(図示せず)によって回転可能に支持されている。この給紙ローラ151は、その周面が分離パッド125と所定の圧力をもって接するように、当該分離パッド125と対向して配置されている。紙粉除去ローラ152は、分離パッド125よりも前面側(給紙時の給紙ローラ151の回転方向における下流側)にて、前記メインフレームによって回転可能に支持されている。この紙粉除去ローラ152は、その周面が給紙ローラ151と接するように配置されている。用紙ガイド153は、用紙が用紙搬送経路PPに沿って搬送され得るように、用紙をガイドするための部材であり、本体部110内にて適宜の位置・個数で配置されている。レジストローラ155は、用紙の向き及び搬送タイミングを調整するためのローラ対であって、感光ドラム133と転写ローラ135とが対向する位置よりも用紙搬送方向上流側に配置されている。
<定着ユニットの構成>
定着ユニット160は、感光ドラム133と転写ローラ135とが対向する位置よりも用紙搬送方向下流側に配置されている。定着ユニット160は、定着ユニットカバー161と、ヒートローラ162と、加圧ローラ163と、を備えている。定着ユニットカバー161は、プロセスカートリッジ130が可及的に加熱されないように当該プロセスカートリッジ130とヒートローラ162及び加圧ローラ163との間に介在する部材である。この定着ユニットカバー161における、用紙搬送経路PPと交差する位置には、用紙入口161a及び用紙出口161bが形成されている。ヒートローラ162は、表面が離型処理された金属製の円筒内にハロゲンランプを収容してなり、図示しないモータによって図中矢印方向(時計回り)に回転駆動され得るように、定着ユニットカバー161内にて回転可能に支持されている。加圧ローラ163は、シリコンゴム製のローラであり、ヒートローラ162に対して所定の圧力をもって押圧されつつ当該ヒートローラ162に従動して図中矢印方向(反時計回り)に回転され得るように、定着ユニットカバー161内にて回転可能に支持されている。
<排紙部の構成>
排紙部170は、用紙搬送ローラ171と、排紙ローラ172と、用紙ガイド173とから構成されている。用紙搬送ローラ171は、図示しないモータによって回転駆動される一対のローラ対であって、定着ユニット160の用紙出口161bの近傍に配置されている。排紙ローラ172は、図示しないモータによって回転駆動される一対のローラ対であって、排紙口111cの近傍に配置されている。用紙ガイド173は、用紙を用紙搬送ローラ171から用紙搬送経路PPに沿って排紙ローラ172までガイドするための部材である。
<プロセスカートリッジの詳細な構成>
図3(a)は、図1に示したプロセスカートリッジ130の詳細な構成を示す断面図である。図3(b)は、図3(a)に示したプロセスカートリッジ130内で、転写ローラ135にジャム用紙(jammed paper)Pjが絡まった様子を示す図である。
現像ユニット132のケーシングを構成する現像ユニットケース132a内には、現像剤としてのトナーが収容されている。また、この現像ユニットケース132aには、現像ローラ132bと、供給ローラ132cとが収容されている。具体的には、現像ローラ132bは、その周面132b1の略半分程度が現像ユニットケース132aの外部に露出するように、当該現像ユニットケース132a内に収容されている。供給ローラ132cは、現像ローラ132bよりも現像ユニットケース132aの内側寄りに配置されている。そして、供給ローラ132cは、現像ローラ132bの周面132b1に対して接触又は押圧されるように配置されている。供給ローラ132cは、画像形成時にて図中矢印FD方向に回転駆動されることで、帯電したトナーを現像ローラ132bの周面上に付着させ得るように、現像ユニットケース132aによって回転可能に支持されている。現像ローラ132bは、画像形成時にて図中矢印DD方向に回転駆動されることで、当該現像ローラ132bの周面132b1に付着されたトナーを感光ドラム133の周面133aに供給し得るように、現像ユニットケース132aによって回転可能に支持されている。
さらに、現像ユニットケース132aには、現像ローラ132bの周面132b1上のトナーの量及び帯電量を調整するためのブレード132dが装着されている。具体的には、ブレード132d及びブレードホルダー132eが図示しない複数のネジによって現像ユニットケース132aに固定されることで、ブレード132dは、ブレードホルダー132eと現像ユニットケース132aとによって挟まれるように支持されている。ブレード132dは、金属製の薄板材であるブレード本体の先端にゴムチップ132d1が装着されることによって形成されている。このブレード132dは、前記ブレード本体の撓みによってゴムチップ132d1が現像ローラ132bの周面132b1と所定の圧力をもって接触することで、現像ローラ132bの周面132b1上のトナーの量及び帯電量が調整され得るように構成されている。
上述の構成を有する現像ユニット132が本体フレーム131に装着された場合に、現像ローラ132bの周面132b1が感光ドラム133の周面133aと接触又は近接するように、現像ユニット132及び本体フレーム131が構成されている。
本体フレーム131の上部には、スリット131tが形成されていて、このスリット131tを通してレーザ光が感光ドラム133に照射され得るようになっている。
<<転写ローラ周辺の構成>>
転写ローラカバー131aは、上述のジャム処理開口部131dよりも用紙搬送方向(図3(a)中の矢印PFD方向)における上流側の上流側カバー131a1と、ジャム処理開口部131dよりも前記方向における下流側の下流側カバー131a2とからなる。ここで、上述の通り、転写ローラカバー131aには、用紙幅方向における長さが少なくとも当該用紙幅全体の長さとなるように、ジャム処理開口部131dが形成されている。例えば、本レーザプリンタ100(図1参照)における最大用紙サイズがA4サイズ(210×297mm)である場合、ジャム処理開口部131dにおける用紙幅方向の長さは、当該A4用紙の幅である210mm以上(好ましい具体例としては212〜225mm程度)に設定され得る。
用紙搬送経路PPと対向する転写ローラカバー131aの上面には、用紙が当該上面の上をスムーズに搬送され得るようにするためのガイドリブ131a3が形成されている。このガイドリブ131a3は、用紙幅方向に沿って複数形成されている。転写ローラカバー131aの用紙搬送方向における両端部には、用紙入口131b及び用紙出口131cが形成されている。これらの用紙入口131b及び用紙出口131cは、本体フレーム131に形成された開口であって、用紙搬送経路PPと交差するように形成されている。そして、転写ローラ135に絡まった用紙Pj(図3(b)参照)を取り除くためのジャム処理開口部131dは、用紙入口131b及び用紙出口131cとは異なる位置に形成されている。具体的には、ジャム処理開口部131dは、転写ローラ135の周面135aのうちの、転写ローラ135の回転軸135bの中心135b1(以下、転写ローラ135の中心135b1という。)よりも下側の部分の一部が、転写ローラカバー131aの外部に向かって露出され得るように形成されている。
ジャム処理開口部131dは、転写ローラ135の中心135b1よりも用紙搬送方向における下流側の周面135aを露出し得るように形成されている。具体的には、用紙搬送方向におけるジャム処理開口部131dの上流側の端(上流側開口端)131d1と下流側の端(下流側開口端)131d2との距離をDとする。また、転写ローラ135の用紙搬送方向における下流側の端と、下流側開口端131d2との距離をdとする。この場合に、ジャム処理開口部131dは、D≧dとなるように形成されている。換言すれば、上流側開口端131d1は、転写ローラ135の用紙搬送方向における下流側の端よりも、用紙搬送方向における上流側に設けられている。
(プロセスカートリッジ130を水平面上に載置した場合の)転写ローラカバー131aの(鉛直方向における)下端は、転写ローラ135の下端よりも下側に設けられている。具体的には、用紙搬送方向における転写ローラ135の中心135b1と下流側開口端131d2との距離d’よりも前記距離Dが短くなるように、前記ジャム処理開口部131dが形成されている。すなわち、上流側開口端131d1は、転写ローラ135の中心135b1よりも、用紙搬送方向における下流側に設けられている。そして、鉛直方向における下方から見た場合に、転写ローラ135の中心135b1が転写ローラカバー131aによって覆われている。換言すれば、転写ローラ135の下端部は転写ローラカバー131aの下端部によって下側から覆われている。
<動力伝達機構の構成>
図4は、プロセスカートリッジ130に対する動力伝達機構の概略構成を示す図である。図4に示されているように、感光ドラム133の回転軸133bにはドラムギヤ133cが装着されている。このドラムギヤ133cは、感光ドラム133との間で回転方向について相対移動しないように、回転軸133bに装着されている。また、転写ローラ135の回転軸135bには転写ローラギヤ135dが装着されている。この転写ローラギヤ135dは、転写ローラ135との間で回転方向について相対移動しないように、回転軸135bに装着されている。
ここで、本実施形態においては、図4に示されているように、ドラムギヤ133cと転写ローラギヤ135dとは、互いに直接的にギヤ結合されないように配置されている。すなわち、プロセスカートリッジ130がレーザプリンタ100の本体部110から脱着された状態(図2参照)で、転写ローラ135が感光ドラム133とは独立に回転し得るようになっている。
本体フレーム131には、遊星ギヤ機構137が装着されている。この遊星ギヤ機構137は、サンギヤ137aと、プラネタリギヤ137bと、連結板137cとから構成されている。サンギヤ137aは、連結板137cにより回転可能に支持されていて、転写ローラギヤ135dと常時噛み合うように配置されている。プラネタリギヤ137bは、連結板137cにより回転可能に支持されていて、サンギヤ137aと常時噛み合うように配置されている。連結板137cは、サンギヤ137aの回転中心軸を中心として、当該サンギヤ137aの回転方向に沿って回動可能に支持されている。すなわち、サンギヤ137aが図中時計回りに回転した場合にプラネタリギヤ137bがドラムギヤ133cと噛み合い(図4(a)参照)、サンギヤ137aが図中反時計回りに回転した場合にプラネタリギヤ137bとドラムギヤ133cとの噛み合いが解除される(図4(b)参照)ように、連結板137cが揺動可能に支持されている。また、サンギヤ137aは、プロセスカートリッジ130がレーザプリンタ100の本体部110(図1参照)に装着された状態で、本体部110に支持された本体側ギヤ113と噛み合うように配置されている。
本実施形態においては、上述のような動力伝達機構により、レーザプリンタ100の本体部110(図1参照)に装着された状態で、当該本体部110に備えられた図示しないモータの回転駆動力が、ドラムギヤ133c及び転写ローラギヤ135dに対して選択的に伝達され得るようになっている。すなわち、画像形成時において、図4(a)に示されているように、本体側ギヤ113が図中反時計回りに回転することで、サンギヤ137aが図中時計回りに回転してプラネタリギヤ137bがドラムギヤ133cと噛み合い、感光ドラム133が図中矢印方向(図3における矢印PD方向)に回転するのと同期して転写ローラ135が図中矢印方向(図3における矢印TD方向=前記第1の方向)に回転するようになっている。また、ジャム処理時において、図4(b)に示されているように、本体側ギヤ113が図中時計回りに回転することで、サンギヤ137aが図中反時計回りに回転してプラネタリギヤ137bとドラムギヤ133cとの噛み合いが解除され、転写ローラ135が感光ドラム133とは独立に図中時計回り(図3における矢印TDと反対方向である第2の方向=後述する図6(b)の矢印RTD方向)に回転するようになっている。
<制御系の構成>
図5は、図1のレーザプリンタ100の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図5に示されているように、制御部180は、CPU180aと、ROM180bと、RAM180cと、バックアップRAM180dとを備えたマイクロコンピュータからなり、これらは互いにバス180eによって接続されている。ROM180bには、CPU180aにより実行されるルーチン(プログラム),テーブル(ルックアッテーブル、マップ),パラメータ等が、当該CPU180aによって読み出し可能に予め格納されている。RAM180cには、CPU180aにより必要に応じてデータが一時的に格納されるようになっている。バックアップRAM180dは、電源が投入された状態でデータが格納され得るとともに、この格納されたデータが電源遮断中も保持されるようになっている。
上述の構成を有する制御部180は、第1センサ181、第2センサ182、第3センサ183、報知部184、及びドライバ185と、インターフェース186を介して接続されている。
第1センサ181と、第2センサ182と、第3センサ183は、レーザプリンタ100内の用紙ジャムの発生を検知し得るように、用紙搬送経路PPに沿って配置されている。第1センサ181は、レジストローラ155よりも用紙搬送方向上流側に配置されている。第2センサ182は、レジストローラ155と転写ローラ135との間に配置されている。第2センサ182は、レジストローラ155から送り出された用紙の先端を検出することで、スキャナユニット140によるレーザ光の出射タイミングの基準となる基準センサとして機能し得るようになっている。第3センサ183は、定着ユニット160の用紙出口161bの近傍であって、用紙搬送ローラ171よりも用紙搬送方向上流側に配置されている。これらの第1センサ181〜第3センサ183は、当該センサ上に用紙が存在している状態(各センサに備えられているアクチュエータが用紙によって押圧されている状態)にてON信号を出力し、当該センサ上に用紙が存在していない状態にてOFF信号を出力するように構成されている。
報知部184は、レーザプリンタ100(図1参照)における用紙ジャムの発生等の、当該レーザプリンタ100の動作状態に関する情報を表示するための液晶表示部、及び上述の用紙ジャム等の異常が発生した場合に使用者に当該異常の発生を音声で報知するためのブザーを備えている。
ドライバ185は、CPU180aから供給される動作指令信号に応じて、感光ドラム133や転写ローラ135(図3参照)等の各種の可動部材を駆動するために本体部110(図1参照)に備えられた図示しない前記モータを動作させるようになっている。インターフェース186は、CPU180aに各センサ181〜183からの信号を供給するとともに、当該CPU180aから報知部184及びドライバ185へ信号を供給し得るようになっている。
<レーザプリンタの動作>
以下、上述の構成を備えたレーザプリンタ100の動作について説明する。
まず図1を参照すると、用紙押圧板123上に積載された図示しない用紙が、用紙押圧板123によって給紙ローラ151に向かって上方に付勢され、最上位の用紙が給紙ローラ151の周面と接触する。給紙ローラ151が図中反時計回りに回転駆動されると、用紙の先端部が、図中右上方に移動して給紙ローラ151と分離パッド125との間で挟まれる。そして、最上位の用紙のみが、給紙ローラ151の回転に伴って紙粉除去ローラ152に向けて搬送される。この搬送された用紙は、紙粉除去ローラ152によって当該用紙上の紙粉が取り除かれた後、用紙ガイド153及び154によってガイドされつつレジストローラ155に送られる。レジストローラ155に送られた用紙は、当該レジストローラ155にて斜行補正及び搬送タイミング調整がなされた後、感光ドラム133と転写ローラ135とが対向する位置(転写位置)に向けて搬送される。
このように用紙が転写位置に向けて搬送されている間に、感光ドラム133の周面上に、以下のようにしてトナーによる像が担持される。
図3(a)を参照すると、感光ドラム133の周面133aは、まず、帯電器134によって一様に帯電される。帯電された感光ドラム133の周面133aは、図中矢印PD方向に回転し、スリット131tの下方に達する。そして、スキャナユニット140(図1参照)によって用紙幅方向に沿って走査されたレーザビームが、当該一様に帯電された感光ドラム133の周面133aに照射される。このレーザビームは、上述の通り、画像データに基づいて生成されている。すなわち、発光状態(ON/OFFのパルス形状)が画像データに応じて変調されている。このレーザビームが感光ドラム133の周面133a上で走査されることにより、当該周面に静電潜像が形成される。この静電潜像が形成された感光ドラム133の周面は、図中矢印PD方向に回転し、現像ローラ132bの周面132b1(図3(a)参照)と接触又は近接する。この現像ローラ132bの周面132b1上には、以下のようにして、帯電したトナーがほぼ均一に担持されている。
供給ローラ132cが図中矢印FD方向に回転することで、現像ローラ132bの周面132b1にトナーが付着する。このように供給ローラ132cによってトナーが付着された現像ローラ132bの周面132b1は、図中矢印DD方向に回転してブレード132dとの接触位置に達する。そして、ブレード132dによって当該周面132b1上のトナーの付着量や帯電量が調整される。このようにしてトナーの付着量や帯電量が調整された当該周面132b1は、図中矢印DD方向に回転することで、感光ドラム133と対向する位置に達する。
そして、静電潜像が形成された感光ドラム133の周面133aと、帯電したトナーが担持された現像ローラ132bの周面132b1とが接触又は近接することで、感光ドラム133の周面133a上に形成された静電潜像に対応するパターンで当該周面133a上にトナーが付着する。すなわち、感光ドラム133の周面133a上の静電潜像がトナーにより現像され、トナーによる像が当該周面133a上に担持される。
このようにして感光ドラム133の周面133a上に担持されたトナーによる像は、当該周面133aが図中矢印PD方向に回転することにより、上述の転写位置に向けて搬送される。そして、この転写位置にて、トナーによる像が、感光ドラム133の周面133aから用紙上に転写される。
図4(a)を参照すると、この画像形成動作の際、本体側ギヤ113が図中反時計回りに回転することで、サンギヤ137aが図中時計回りに回転する。これにより、連結板137cが図中時計回りに揺動され、プラネタリギヤ137bがドラムギヤ133cと噛み合うよって、感光ドラム133が図中矢印方向(図3における矢印PD方向)に回転するのと同期して、転写ローラ135が図中矢印方向(図3における矢印TD方向)に回転する。
再び図3(a)を参照すると、上述のように感光ドラム133と転写ローラ135とが回転されることにより、感光ドラム133と転写ローラ135との間で所定の圧力をもって挟まれた用紙は、上述の転写位置にてトナーによる像を表面に転写されつつ、用紙搬送方向に搬送される。
上述の転写位置を経た感光ドラム133の周面133a上は、図中矢印PD方向に回転することにより、クリーニング部136に達する。そして、クリーニング部136によって、当該周面133a上に残留したトナーや、当該周面133a上に付着した埃等の異物が除去される。このようにしてクリーニングされた当該周面133aは、再度、帯電器134によって一様に帯電される等、画像形成に繰り返し供される。
再び図1を参照すると、トナーによる像を転写された用紙は、用紙搬送経路PPに沿って定着ユニット160に送られ、ヒートローラ162と加圧ローラ163との間で挟まれることで加圧されつつ加熱される。これにより、用紙の表面上に、トナーによる像が定着される。その後、用紙は、排紙部170を介して排紙口111cに送られ、当該排紙口111cを介して排紙トレイ111b上に排出される。
<<実施形態の構成による作用・効果>>
図1及び図5を参照すると、各センサ181〜183の出力に基づいて、レーザプリンタ100内の用紙ジャムの発生の有無が、制御部180のCPU180aによって判定される。用紙ジャムの発生が判定された場合、制御部180のCPU180aからの制御信号に基づいて、各ユニットにおける各種のローラの駆動やヒータへの通電等が停止され、報知部184によって警報音や表示等により使用者に対してジャム処理の実施が促される。
例えば、(i)第1センサ181の出力がONからOFFに転じてから所定時間経過しても第3センサ183の出力がOFFのままである場合、(ii)第2センサ182の出力が所定時間以上ONである場合、プロセスカートリッジ130内での用紙ジャムが判定される。この場合、図2に示されているように、前面カバー112が開かれてプロセスカートリッジ130がレーザプリンタ100の前面側に引き出される。
このプロセスカートリッジ130内での用紙ジャムは、例えば、図3(b)に示されているように、用紙の先端が用紙搬送経路PPから逸脱してクリーニング部136に突き当たって当該用紙が座屈し、この座屈した部分が転写ローラ135に絡んで当該転写ローラ135と転写ローラカバー131aとの間の空間に入り込むことで生じる。
ここで、図3(b)に示されているように、ジャム用紙Pjの転写ローラ135への絡み付き状態が軽度である場合、転写ローラカバー131aに形成されたジャム処理開口部131dからジャム用紙Pjが転写ローラカバー131aの外部に露出し得る。よって、ジャム用紙Pjのジャム処理開口部131dから露出した部分を使用者が摘んで取り出すことで、転写ローラ135に絡まったジャム用紙Pjが容易に取り除かれ得る。
一方、図6(a)に示されているように、ジャム用紙Pjが転写ローラ135に完全に巻き付いた場合、図6(b)に示されているように、ジャム用紙Pjが感光ドラム133と転写ローラ135との間で挟持され且つ感光ドラム133の回転が停止された状態で、転写ローラ135が画像形成時の回転方向(図6(a)における矢印TD参照)とは逆方向(図6(b)における矢印RTD参照)に回転される。
ここで、感光ドラム133の回転軸133bと転写ローラ135の回転軸135bとの間の距離(軸間距離)が固定的となるように、感光ドラム133及び転写ローラ135は本体フレーム131に支持されている。よって、ジャム用紙Pjの一部分が、感光ドラム133と転写ローラ135との間で所定の圧力をもって挟持されている。
また、用紙同士の摩擦係数よりも感光ドラム133と用紙との摩擦係数の方が大きく、感光ドラム133と用紙との摩擦係数よりも転写ローラ135と用紙との摩擦係数の方が大きい。よって、感光ドラム133が停止された状態で転写ローラ135のみが矢印RTD方向(図6(b)参照)に回転した場合、感光ドラム133と転写ローラ135との間で複数の層状に挟持されたジャム用紙Pjの最上層(感光ドラム133と接触している層)が感光ドラム133とともに停止した状態で、当該ジャム用紙Pjの第2層以下が、転写ローラ135の回転とともに、転写ローラ135に巻き付いた際の回転方向(図6(a)における矢印TD方向)とは反対の矢印RTD方向に回転される。これにより、図6(b)に示されているように、転写ローラ135へのジャム用紙Pjの巻き付きがほぐされる。よって、当該ジャム用紙Pjをプロセスカートリッジ130から除去することが可能になる。
かかる転写ローラ135の逆回転(図6(b)における矢印RTD方向の回転)は、例えば、以下のように行われ得る。
(α)図2に示されているように、使用者によってプロセスカートリッジ130がレーザプリンタ100の本体部110から脱着され、ジャム用紙Pjが図6(a)のように完全に転写ローラ135に巻き付いた状態となっていることが使用者によって確認された後、プロセスカートリッジ130が再び本体部110に装着される。その後、使用者が図示しない操作パネルを操作することによって、制御部180のCPU180aに対して、転写ローラ135における用紙の巻き付き解除処理が行われる。かかる巻き付き解除処理において、制御部180のCPU180aは、ドライバ185に所定の制御信号を発信する。これにより、図4(b)に示されているように、本体側ギヤ113が画像形成時とは逆方向(図4(b)における時計回り)に回転される。この本体側ギヤ113の図4(b)における時計回りの回転により、サンギヤ137aが図4(b)における反時計回りに回転し、連結板137cが図4(b)における反時計回りに揺動され、プラネタリギヤ137bとドラムギヤ133cとの噛み合いが解除される。そして、転写ローラ135が図4(b)における時計回り(図6における矢印RTD方向)に回転する。
(β)図2に示されているように、プロセスカートリッジ130がレーザプリンタ100の本体部110から脱着されている状態で、転写ローラ135の回転軸135bが使用者の手動により図6(b)の矢印RTD方向に回転され得る。
なお、図6(b)に示されているような、転写ローラ135の逆回転(図6(b)における矢印RTD方向の回転)が行われる際、感光ドラム133は、現像ユニット132の現像ローラ132bやクリーニング部136と所定の圧力をもって接触している。よって、当該接触による摩擦力によって、転写ローラ135の矢印RTD方向の回転に伴って感光ドラム133が回転することが抑制され得る(感光ドラム133の周面133aの回転が停止され得る)。
すなわち、本実施形態においては、感光ドラム133によって、本発明の挟持部材が構成されている。また、感光ドラム133と転写ローラ135との軸間距離)固定的となるように当該感光ドラム133及び転写ローラ135を支持する本体フレーム131と、感光ドラム133の周面133aに対して所定の圧力をもって接している現像ユニット132の現像ローラ132bやクリーニング部136によって、本発明の像担持体停止機構が構成されている。
上述の通り、本実施形態の構成によれば、図6(b)に示されているように、転写ローラ135を逆転させるだけで、当該転写ローラ135に巻き付いたジャム用紙Pjの巻き付きが容易にほぐされ得る。
また、本実施形態の構成によれば、図3に示されているように、ジャム処理開口部131dは、用紙搬送経路PPに沿って形成された用紙入口131b及び用紙出口131cから離隔した位置(すなわち用紙搬送経路PPから離隔した位置)に形成されている。これにより、より多くのジャム用紙Pjの取り出し箇所が形成され、ジャム処理の作業性が向上し得る。
また、本実施形態の構成によれば、図3に示されているように、転写ローラ135に絡まったジャム用紙Pjを取り除くためのジャム処理開口部131dは、プロセスカートリッジ130の底部に形成されている。よって、当該ジャム用紙Pjを取り除く作業等、プロセスカートリッジ130を本体部110(図1参照)の外部に取り出して行う作業中に、感光ドラム133の周面133aが外光にさらされたり当該周面133aに埃等の異物が付着したりすることが抑制される。
また、本実施形態の構成によれば、図3に示されているように、ジャム処理開口部131dの上流側開口端131d1が、転写ローラ135の中心135b1よりも、用紙搬送方向における下流側に設けられていて、転写ローラ135の下端部は転写ローラカバー131aの下端部によって下側から覆われている。すなわち、転写ローラカバー131aの下端は、転写ローラ135の下端よりも下側に設けられている。よって、上述の作業中にプロセスカートリッジ130がテーブル等の上に載置された場合に、転写ローラ135がテーブル等に接触して当該転写ローラ135が汚れることが防止される。
<第1実施形態の変形例>
ここで、上述の第1実施形態の構成において、図7に示されているように、ジャム処理の際にドラムギヤ133cの回転を阻止するように当該ドラムギヤ133cに噛み合うストッパ139が本体フレーム131に装着されていることが好ましい。この場合、当該ストッパ139と、本体フレーム131とによって、本発明の像担持体停止機構が構成されている。このストッパ139は、図7に示されているようにドラムギヤ133cと噛み合う第1の位置と、当該第1の位置よりもドラムギヤ133cから離れて当該ドラムギヤ133cとの噛み合いが解除された第2の位置との間で、感光ドラム133の半径方向に沿って移動し得るように、本体フレーム131に支持されている。
これにより、転写ローラ135の逆転時における感光ドラム133の周面133aの回転停止が確実に行われ得る。
かかるストッパ139の位置制御は、様々な構成によって実現される。例えば、上述の(α)の場合には、ストッパ139を上述の第2の位置に向けて付勢するバネが本体フレーム131に設けられるとともに、ジャム処理時にストッパ139を第1の位置に移動させるためのソレノイド等のアクチュエータが本体部110(図1参照)に設けられてもよい。このアクチュエータは、制御部180のCPU180a(図5参照)の指令に基づいて、ドライバ185を介して駆動されるようになっている。あるいは、上述のバネが本体フレーム131に設けられるとともに、プロセスカートリッジ130が当該本体部110に装着された場合にストッパ139が上述の第2の位置に移動させるためのガイド部材が本体部110に設けられていてもよい。また、上述の(β)の場合には、ストッパ139には、使用者の手動により操作され得るように構成されていてもよい。
<第2実施形態>
図8(a)は、本発明の第2実施形態としてのプロセスカートリッジ230の構成を示す断面図である。このプロセスカートリッジ230の本体フレーム231は、第2実施形態に係る転写ローラカバー231aを備えている。また、本体フレーム231には、上述の第1実施形態における現像ユニット132〜クリーニング部136(図1参照)と同様の構成の現像ユニット232,感光ドラム233,帯電器234,転写ローラ235,及びクリーニング部236が装着されている。よって、これらの現像ユニット232〜クリーニング部236における各構成部材には、上述の第1実施形態における各構成部材の符合と同様の符合(単に百の位を2にした符合)を付し、これらに関する説明は、上述の第1実施形態の説明を援用する(第3実施形態以降も同様である。)。また、本実施形態においても、上述の第1実施形態と同様の動力伝達機構(図4参照)及び制御系(図5参照)を備えているものとして、これらの説明についても、上述の第1実施形態の説明を援用する。
図8(b)に示されているように、本実施形態に係る転写ローラカバー231aの用紙幅方向における略中央部には、片持ち梁状の舌片231a4が形成されている。舌片231a4の固定端は、転写ローラカバー231aと一体に接続されることで、当該転写ローラカバー231aに支持されている。舌片231a4の先端(自由端)部には、ゴム製の挟持部231a5が、転写ローラ235の周面235aに対向するように設けられている。この挟持部231a5の表面は、所定の摩擦係数に設定されている。すなわち、用紙同士の摩擦係数よりも転写ローラ235の周面235aと用紙との摩擦係数の方が大きく、転写ローラ235の周面235aと用紙との摩擦係数よりも挟持部231a5と用紙との摩擦係数の方が大きくなるように、当該挟持部231a5の表面性状が調製されている。
かかる構成を備えた本実施形態によれば、図9に示されているように、舌片231a4の自由端側の挟持部231a5が転写ローラ235に向けて図中上方に押圧されることで、転写ローラ235と挟持部231a5との間でジャム用紙Pjの一部が挟持される。この状態で、転写ローラ235が図9における矢印RTD方向に回転されることで、上述の第1実施形態と同様にジャム用紙Pjの巻き付きがほぐされる。
なお、本実施形態においても、挟持部231a5の上方への押圧は、手動又は上述のソレノイド等のアクチュエータによって行われ得る。
<第3実施形態>
図10は、本発明の第3実施形態の構成を示す断面図である。図11及び図12は、図10に示したプロセスカートリッジ330における動力伝達機構の構成を説明するための図である。図13は、図11及び図12とともに、図10に示したプロセスカートリッジの脱着の際の様子を示す図である。ここで、図10、図11(a)、図12(a)は、ともに、プロセスカートリッジ330がレーザプリンタ100の本体部110(図1参照)に装着されている場合の、当該プロセスカートリッジ330の周辺を示している。
プロセスカートリッジ330のケーシングを構成する本体フレーム331には、上述の第1実施形態における現像ユニット132〜クリーニング部136(図1参照)と同様の構成の現像ユニット332,感光ドラム333,帯電器334,転写ローラ335,及びクリーニング部336が装着されている。
<<転写ローラの離間機構>>
図10に示されているように、転写ローラカバー331aにはジャム処理開口部331dが形成されている。また、転写ローラカバー331aの用紙幅方向における端部には、一対のガイドリブ331eが立設されている。このガイドリブ331eは、転写ローラ335の回転軸335bに向かって立設されていて、その先端部は上下方向と平行な形状に形成されている。この一対のガイドリブ331eは、回転軸335bを挟んで対向するように、用紙搬送方向に沿って配列されている。
転写ローラ335の用紙幅方向における両端部には、当該転写ローラ335の回転軸335bを支持するための回転軸ホルダ335cが配置されている。回転軸ホルダ335cには、回転軸335bを収容するための凹部335c1が形成されている。すなわち、回転軸ホルダ335cは、図10に示されているように、凹部335c1に回転軸335bを収容させた状態で側面視(用紙幅方向の一端側から見た状態)にて略U字形状を有している。
この回転軸ホルダ335cの用紙搬送方向における両側には、上述のガイドリブ331eの先端が収容される溝が形成されていて、当該ガイドリブ331eの先端によって、回転軸ホルダ335cの上下方向の移動がガイドされるようになっている。この回転軸ホルダ335cに形成された溝は、その上端が当該回転軸ホルダ335cの上端よりも下側になるように形成されている。すなわち、転写ローラ335の自重によって当該転写ローラ335が回転軸ホルダ335cとともにプロセスカートリッジ330から脱落することがないように、回転軸ホルダ335cが構成されている。
回転軸ホルダ335cの下方には、押圧レバー356が配置されている。この押圧レバー356は、ドーナツ状の回動部356aと、その回動部356aから延びるように設けられたレバー本体356bとから構成されていて、回動部356aの中心の孔356cには、本体部110(図1参照)内に収容される各種の部材を支持するための図示しないメインフレームから立設されたピン357が挿通されている。すなわち、押圧レバー356は、ピン357を中心として揺動可能に支持されている。
押圧レバー356の下方には、当該押圧レバー356を上方に向けて付勢するための付勢部材358が配置されている。本実施形態においては、付勢部材358は、具体的には、コイルスプリングから構成されている。付勢部材358の下端部は前記メインフレームに支持されていて、付勢部材358の上端部は押圧レバー356のレバー本体356bと接続されている。そして、本実施形態の装置は、図10に示されているように、プロセスカートリッジ330が本体部110(図1参照)の内部の所定位置に装着された状態で、押圧レバー356によって回転軸ホルダ335cが上方に付勢されることで、転写ローラ335が感光ドラム333に向けて付勢されるように構成されている。
<<ピニオン・ラック機構>>
図11及び図12に示されているように、感光ドラム333の用紙幅方向における一端側に、ドラムギヤ333cが装着されている(図11においては、図10における回転軸ホルダ335cの図示が省略されている。)。このドラムギヤ333cは、感光ドラム333との間で回転方向について相対移動しないように、回転軸333bに装着されている。また、転写ローラ335の用紙幅方向における一端側には転写ローラギヤ335dが装着されている。この転写ローラギヤ335dは、転写ローラ335との間で回転方向について相対移動しないように、回転軸335bに装着されている。
図11(a)及び図12(a)に示されているように、本実施形態においては、第1実施形態とは異なり、ドラムギヤ333c及び転写ローラギヤ335dは、プロセスカートリッジ330が本体部110(図1参照)の内部の所定位置に装着された状態でドラムギヤ333cと直接噛み合い得るように配置されている。
なお、本実施形態においては、本体部110からの駆動力を受けるための駆動ギヤ333dが、ドラムギヤ333cと同軸且つ一体に形成されている。また、上述のガイドリブ331e、回転軸ホルダ335c、押圧レバー356、ピン357、及び付勢部材358は、用紙幅方向の両側にそれぞれ1組ずつ備えられている。
本実施形態のプロセスカートリッジ330は、図11(b)及び図12(b)に示されているように、プロセスカートリッジ330が前記所定位置から脱着される脱着動作中に、転写ローラ335の自重によって当該転写ローラ335が下方に移動して、当該転写ローラ335の周面が感光ドラム333の周面から離間するようになっている。また、当該プロセスカートリッジ330は、上述の転写ローラ335の感光ドラム333からの離間によって、ドラムギヤ333cと転写ローラギヤ335dとのギヤ結合が解除され、転写ローラ335が自由に(感光ドラム333とは独立に)回転し得るように構成されている。
本体部110(図1参照)には、図11に示されているように、プロセスカートリッジ330の着脱の際のガイドとなる棒状のガイド部材359が設けられている。このガイド部材359は、プロセスカートリッジ330の着脱方向(図13(b)における矢印Detach参照)に沿って設けられていて、その上部にはラックギヤ部359aが形成されている。このラックギヤ部359aを備えたガイド部材359は、図12(b)及び図13に示されているように、プロセスカートリッジ330の脱着動作中に転写ローラギヤ335dと噛み合い得るように形成されている。
すなわち、本実施形態においては、転写ローラ335の回転軸335bに装着された転写ローラギヤ335dによって、ピニオン−ラック機構におけるピニオンギヤが構成されている。
<<プロセスカートリッジの脱着動作>>
かかる構成によれば、図10及び図11(a)に示されているように所定の位置に装着されているプロセスカートリッジ330が、ジャム処理のために脱着される際、前面側(図中右側)にプロセスカートリッジ330が移動される。これにより、図11(b)及び図12(b)に示されているように、転写ローラ335が自重により下方に移動する。これにより、感光ドラム333の周面と転写ローラ335の周面とが離隔するとともに、転写ローラギヤ335dとドラムギヤ333cとのギヤ結合が解除される。
図11(b)に示されている位置よりもプロセスカートリッジをさらに前面側に移動させると、図13(a)に示されているように、転写ローラギヤ335dがガイド部材359の背面側の一端に当接する。この図13(a)に示されている位置よりもプロセスカートリッジをさらに前面側に移動させると、図12(b)及び図13(b)に示されているように、転写ローラギヤ335dがガイド部材359のラックギヤ部359aと噛み合う状態となる。この状態においては、図13(b)に示されているように、プロセスカートリッジ330は、ガイド部材359に沿って、矢印Detach方向に移動する。また、転写ローラギヤ335d及び転写ローラ335は、矢印RTD方向に回転する。これにより、転写ローラ335へのジャム用紙Pjの巻き付きが、矢印Release方向に解かれる。
かかる構成の本実施形態によれば、単にプロセスカートリッジ330を矢印Detach方向に脱着するだけで、転写ローラ335へのジャム用紙Pjの巻き付きが容易に解かれる。また、画像形成時に転写ローラ335を駆動するためにドラムギヤ333cとギヤ連結される転写ローラギヤ335dによって、ラックギヤ部359aと噛み合うピニオンギヤを構成することができ、装置構成が簡略化される。
<変形例の示唆>
なお、上述の各実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の実施形態を単に例示したものにすぎないのであって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において種々の変形を施すことができることは当然である。以下、上述した変形例以外の他の変形例について幾つか例示する。もっとも、いうまでもなく、変形例とて下記のものに限定されるものではない。
(i)本発明の適用対象たる画像形成装置は、レーザプリンタに限定されない。また、プロセスカートリッジ内の現像ユニットは、プロセスカートリッジに対して着脱可能でなくてもよい
(ii)第1及び第2実施形態における、転写ローラカバーの用紙搬送方向における下流側(下流側カバー131a2,231a2)は省略されていてもよい。すなわち、転写ローラカバーの用紙搬送方向における下流側の端により、ジャム処理開口部の用紙搬送方向における上流側の端が構成されるように、転写ローラカバーが構成されていてもよい。これにより、本体フレームの構成をより簡略化することができる。例えば、本体フレームを合成樹脂の射出成型により一体に形成する際の金型の形状が簡略化されることで、製造コストが低減する。
(iii)上述の各実施形態において、プロセスカートリッジの底部に形成されていたジャム処理開口部は、プロセスカートリッジの上部に形成されていてもよい。
(iv)第2実施形態の構成は、第3実施形態の構成と組み合わせ可能である。
(v)第3実施形態の変形として、転写ローラが、プロセスカートリッジ側ではなくレーザプリンタの本体部側に備えられている場合、プロセスカートリッジ側にラックギヤ部を備えたガイド部材が配置され、レーザプリンタの本体部側にピニオンギヤが配置される。この場合、上述の第3実施形態と同様に、ピニオンギヤは、画像形成時に転写ローラを駆動するための転写ローラギヤと兼用させることができる。