JP4651148B2 - 耐プラズマ部材及びプラズマ装置 - Google Patents

耐プラズマ部材及びプラズマ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ雰囲気に曝されるプラズマ装置部品等に好適に用いることができる耐プラズマ部材及びその製造方法及び半導体や液晶などのデバイス製造工程、マイクロマシンの製造工程、電子回路の製造工程、薄膜製造工程およびその他のエッチング工程を伴う製造において好適に用いられるプラズマ装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
現在、プラズマ装置は半導体や液晶などのデバイスを製造する工程、エッチングを用いて形成されるマイクロマシンの製造工程、配線基板を形成する電子回路の製造工程、スパッタリングやプラズマCVDなどの薄膜製造工程およびその他のエッチングを伴う工程など、広範な製造工程においてプラズマ装置が用いられている。
【0003】
プラズマ装置とは、特定のガスの一部をイオン化し、電子とイオンと中性粒子からなる気体を形成するための装置であって、真空容器と、ガスの導入装置とプラズマ発生装置と、被処理物を保持する固定治具とを具備する装置であり、具体的には核融合装置、プラズマCVDやスパッタやイオンプレーティングなどの薄膜形成装置、RIE(反応性イオンエッチング)や高密度イオンエッチング装置などのエッチャーなどが挙げられる。
【0004】
プラズマ発生装置は、直流、交流、高周波などにより電磁場を形成し、ガスをイオン化するための装置を言い、特に0.8〜13.56MHzの高周波や2.45GHzのマイクロ波を用いてプラズマを形成するための電源と電極とを備えているものである。
【0005】
特に、プラズマ半導体製造工程や他のエッチング工程を伴う製造工程において用いられるエッチング装置においては、装置内のガスに平板電極やコイル状の誘導電極に高周波を印加し、プラズマを発生させ、腐食性ガスのプラズマ雰囲気中で被処理物の表面のエッチング処理等を行っている。
【0006】
このため、これらのプラズマ装置においては、特に装置内部の部材の腐食が激しく、歩留まりや製品コストおよび製品の信頼性に影響を及ぼしてきた。したがって、プラズマ装置に用いられる部材としてはプラズマに対する耐食性が求められており、炭化珪素やカーボン部材またはアルミナ材料が使用されてきた。
【0007】
近年、窒化アルミニウム質焼結体は、高熱伝導性、耐熱性、耐食性、電気絶縁性、圧電性等多くの優れた特性を有していることから、配線基板の絶縁材料や構造材料、機能材料として応用が進められている。特に半導体製造装置用部材として検討がなされており、窒化アルミニウム質焼結体がハロゲン系腐食性ガスによるプラズマ雰囲気に対しての耐食性がよいことは例えば特許第2862779号公報に示されている。
【0008】
また、窒化アルミニウムの高熱伝導性に関しては窒化アルミニウムに窒化硼素の添加した材料系が、例えば特開平3−252367号公報に記載されており、40〜5重量%の六方晶窒化ホウ素を添加することで熱伝導と同時に曲げ強度も向上できた。
【0009】
一方、窒化アルミニウムの製造方法については、例えば特開平8−259330号公報において、10〜70重量%の炭化硼素(B4C)、30〜90重量%のアルミニウム(Al)、10〜60重量%の珪素(Si)を含有する混合粉末から窒化硼素を含有する材料の製造方法が示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近、例えば半導体製造装置に使用されるプラズマはより高密度化し、発熱量も増える傾向にあり、プラズマに対する耐食性がさらに要求されるようになっている。
【0011】
ところが、特開平3−252367号公報に記載されている窒化アルミニウムは耐食性が十分ではなく、特に、温度上昇の大きな部材では、プラズマに対する腐食が大きいという問題があった。
【0012】
また、特開平8−259330号公報では窒化アルミニウムに対するB4Cの添加効果が、溶融金属やスラグに対しての耐食性のみを対象としているが、プラズマ雰囲気での耐食性については記載がなく、不明であった。また、B4Cの含有量が多いため、誘電損失が大きく、熱伝導率が窒化アルミニウムに比較して格段に低いため、プラズマに接する面の温度が上昇して腐食されやすいという問題があった。
【0013】
したがって、本発明は、プラズマに対する耐食性に優れ、高熱伝導率を有する耐プラズマ部材及びその製造方法及びプラズマ装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、窒化アルミニウム質焼結体として、周期律表第3a族元素、アルミニウム、硼素、酸素からなる粒界相を形成し、また、部材温度を低く保つことにより、耐プラズマ性を顕著に改善できるという知見に基づくものである。
【0015】
すなわち、本発明の耐プラズマ部材は、窒化アルミニウムを主成分とし、該窒化アルミニウムに対して周期律表第3a族元素の酸化物を0.01〜3モル%と、全量中B CをB量換算で0.01〜3重量%の割合で含有した成形体を、不活性雰囲気中1500℃〜2000℃で焼成して得られる窒化アルミニウム質焼結体であって、窒化アルミニウム結晶相を主体とし、該窒化アルミニウム結晶相の粒界に、少なくとも周期律表第3a族元素、アルミニウム、硼素、酸素を含有する粒界相が存在し、硼素量が0.01〜3重量%であるとともに、室温における熱伝導率が160W/mK以上を有する窒化アルミニウム質焼結体からなることを特徴とするものである。
【0016】
このように、窒化アルミニウムに対して周期律表第3a族元素の酸化物を0.01〜3モル%と、全量中B CをB量換算で0.01〜3重量%の割合で含有した成形体を、不活性雰囲気中1500℃〜2000℃で焼成して得られる窒化アルミニウム質焼結体では、粒界相として少なくとも周期律表第3a族元素、アルミニウム、硼素、酸素を含有することにより耐食性を高めると共に、熱伝導率を160W/mK以上にすることにより、部材の冷却効率を高めて部材温度が高温になり耐食性が低下することを抑制することによる相乗効果で、耐プラズマ性を改善するものである。
【0017】
また、窒化アルミニウム質焼結体中の硼素量、0.01〜3重量%であることが良い。これにより、熱伝導率を高める効果がある。また、3重量%を越えると熱伝導率が低下するとともに、誘電損失が大きくなる傾向があり、マイクロ波を吸収して発熱し、耐プラズマ性が低下することがある。
【0020】
さらに、本発明のプラズマ装置は、少なくとも真空容器と、ガスの導入装置とプラズマ発生装置と、被処理物を保持する固定治具とを具備するプラズマ装置であって、該プラズマ装置の真空容器内のプラズマに接する部材として、本発明の耐プラズマ部材を用いたことを特徴とする。これにより、部材の寿命が長く、生産性の高く、信頼性の高い製品を製造できるプラズマ装置を実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の耐プラズマ部材は、窒化アルミニウム結晶相を主体とし、該窒化アルミニウム結晶相の粒界に、少なくとも周期律表第3a族元素、アルミニウム、硼素、酸素を含有する粒界相が存在することが重要であり、耐プラズマ部材の室温における熱伝導率が160W/mK以上であることが必要である。
【0022】
窒化アルミニウム結晶相は、焼結体が160W/mKの熱伝導率を持てば何ら問題はないが、特に結晶粒子の平均粒径が1〜50μm、特に5〜30μm、さらに10〜20μmが高い熱伝導率を得るために好ましい。
【0023】
窒化アルミニウム結晶相の粒界には粒界相が存在しているが、本発明によれば、RE−Al−B−Oにより形成される粒界相を形成することが重要である。すなわち、周期律表第3a族元素が緻密化を促進するとともに、硼素は、窒化アルミニウム質焼結体の熱伝導率と粒界相の耐プラズマ性を顕著に高めるため、パーティクルの発生を抑制できる。
【0024】
窒化アルミニウム結晶相の粒界には、周期律表第3a族元素の添加により、その粒界相はRE−Al−B−O(RE:Y、Er等の周期律表第3a族元素)からなり、少なくとも周期律表第3a族元素(RE)、アルミニウム(Al)、硼素(B)、酸素(O)のうちの少なくとも2種以上の元素からなる化合物等の結晶相を含有することが望ましい。なお、焼結体中にはSi、Al、酸素を含有する非晶質相が存在してもよい。
【0025】
例えば一般化学式Al5312(Y:周期律表第3a族元素)で表される周期律表第3a族元素の酸化物とアルミナとの複合酸化物である、いわゆるガーネット型結晶相や、ペロブスカイト型結晶相(AlYO3)、モノクリニック型結晶相(Al249)などの結晶相が挙げられる。
【0026】
周期律表第3a族元素は、焼結助剤としての役割と共に、窒化アルミニウム結晶中の酸素を吸収して熱伝導率を高める役割がある
【0027】
硼素は、例えば前記粒界結晶相の中に固溶し、B4Cが存在しないことが好ましい。硼素の含有量が増えると次第にB4Cが残留してくる。硼素量が全量中10重量%を越えると、B4Cが残留しやすくなり、高周波を吸収して発熱し、耐プラズマ性が低下することがある。また、添加量が0.01重量%以下であると熱伝導率も耐プラズマ性の向上も小さい傾向がある。したがって硼素量は、0.01〜3重量%、特に0.05〜2重量%、さらに0.1〜1.5重量%である。
【0028】
窒化アルミニウム質焼結体の熱伝導率は160W/mK以上であることが重要である。特に、180W/mK以上、さらに200W/mKであることが好ましい。熱伝導率を高くすることにより、部材の冷却効率を高めることができ、高周波の吸収により発生する熱およびプラズマから得る熱を除去して部材温度を低く保つ効果が大きい。
【0029】
焼結体の相対密度は97%以上、特に98%以上、さらに99%以上、より好適には99.5%以上であることが望ましい。これにより、部材の強度を高めると共に、表面積が小さくなることによる耐プラズマ性の向上が期待できる。
【0030】
以上のように構成された本発明の耐プラズマ部材では、硼素が粒界相に加わることによって粒界相の耐プラズマ性を改善するとともに、窒化アルミニウム質焼結体の熱伝導率を顕著に向上して冷却を効率的に行うことができるため、プラズマに接触する部位またはその近傍においては部材の温度が上昇し、腐食が進行するのを抑制することができる。
【0031】
さらに、本発明のプラズマ装置は、例えば図1に示すプラズマ装置1において、少なくとも真空容器2と、ガス導入装置とプラズマ発生装置と、被処理物を保持する固定治具7とを具備しており、プラズマ装置1の真空容器2内のプラズマに接する部材として、本発明の耐プラズマ部材8を用いたことを特徴としている。この場合、耐プラズマ部材8はプラズマ装置1の壁面に適用されており、プラズマが内部に発生するため、プラズマに曝されている。
【0032】
なお、プラズマに接する部材とは、プラズマ中のイオンや活性種の影響を受け、腐食が進行する部材をいい、特にプラズマ内部に配置された部材、プラズマを閉じこめる容器、あるいはプラズマとの間に遮断する物体の存在しないような部材などである。
【0033】
真空容器2とは、大気から分離され、容器内部を1気圧未満の減圧状態を可能とするものであり、特に、残留ガスの影響を考慮し、100Pa以下、さらには1Pa以下の真空度が好ましい。そのためには、真空排気を行うための真空ポンプを用いて、排気口4から大気を排気して真空状態を達成し、ガスの導入に対しては排気により容器内の圧力を一定に保つことができるものである。
【0034】
また、ガス導入装置とは、少なくとも所望のガスを真空容器2内に導入するための設備であり、一般には、ガスボンベなどのガス供給設備から所定の流量のガスを真空容器2内に導入する設備であり、ガス流量は、通常マスフローコントローラなどにより調整されている。
【0035】
さらに、プラズマ発生装置とは、プラズマを発生するために必要な電場を形成するための設備で、特に1MHz〜10GHz、特に0.4〜5GHz、さらには0.7〜2.6GHzの高周波の発生装置と、発生した高周波を電極または装置に導く配線または導波管である。
【0036】
さらにまた、被処理物の固定治具7とは、ウエハ6などの被処理物に対してエッチングや成膜などの処理を行うために、ウエハ6を一定の位置に固定するものであり、サセプタや静電チャックなどを用いることができる。また、真空装置2内の真空度が低い場合には、真空チャックを用いても差し支えない。
【0037】
このように構成されたプラズマ装置は、本発明の耐プラズマ部材を用いており、過酷な環境に曝された部材の寿命を長くし、部品交換までの時間を長くすることによって、交換時の装置停止回数を減らしてスループットを高めるとともに、部材にかかる費用を節約でき、その結果低コストに大きく貢献できる。また、プラズマ中への不純物混入を低下できるため、安定した処理が可能となる。
【0038】
次に、本発明の耐プラズマ部材を製造する方法について説明する。
【0039】
まず、窒化アルミニウム原料粉末は、その作製法は限定されないが、直接窒化法、還元窒化法およびCVD法等により作製されたものが好適に使用できる。なお、一般に窒化アルミニウムの粒子中に含まれる含有酸素量が少ないほうが熱伝導率は高くなる傾向にあるが、原料中には不可避不純物として2%以下、特に1%以下の酸素、カーボン等が存在してもよい。
【0040】
また、窒化アルミニウム原料粉末の粒径についても限定されないが、一般に窒化アルミニウム原料の粒径は小さく、均一である方が焼結性がよいため、原料粒径としては平均粒径3μm以下、特に1μm以下が望ましい。
【0041】
窒化アルミニウム原料粉末に対して、所望により、純度99%以上で、望ましくは平均粒径3.0μm以下、特に1.0μm以下を有しており、焼結体の緻密化を促進し、耐プラズマ性が良いとされている周期律表第3a族元素の酸化物、特にY23、Er23、La23、CeO2、Lu23、Dy23、Yb23等の周期律表第3a族元素の酸化物等を焼結助剤として添加する。
【0042】
周期律表第3a族元素の酸化物は添加量が多すぎると熱伝導率を低下させるため、2mol%以下が望ましく、特に1mol%以下であることが好ましい。
【0043】
また、硼素源としてB4Cを添加することが必要である。B4C以外のB化合物、例えばBN、B23等では焼結性を著しく劣化させるばかりでなく、緻密体においても熱伝導率が高い材料が得られない。その原因としてB4C以外のB化合物は、焼結中に残存、或いはBNを形成し、粒界に残存することで粒成長を阻害するためと考えられる。また、BNは耐プラズマ性が低いため、窒化アルミニウム質焼結体の耐プラズマ性を低下させてしまう。
【0044】
一方、B4Cで添加した場合は焼結中に粒界相と反応し、BNを形成することなく粒界相中に固溶しているため、熱伝導率を高め、かつ耐プラズマ性を向上していると考えられる。
【0045】
なお、B4C原料粉末についても特に限定されるものではないが、一般に好適に使用されるものを例示すれば、炭化硼素の純度が95%以上、好ましくは99%以上、平均粒子径が3μm以下、望ましくは1μm以下のものである。B4Cの純度が低いと不純物により熱伝導率を低下させてしまい、また、粒径が大きいと粒界相への固溶が進まず、炭化硼素が残留して誘電損失を高くする恐れがあり、また、窒化アルミニウムの焼結を阻害し、緻密体が得られにくくなる。
【0046】
したがって、B4C添加量についてはB量換算で0.01〜3重量%添加することが望ましく、特に0.05〜2重量%、さらに0.1〜1.5重量%が好ましい。B4C添加量が上記の範囲にあると、熱伝導率が顕著に向上するとともに、B4C粒子の残留が少なく誘電損失を低く抑えることができ、その結果耐プラズマ性を高くすることができる。
【0047】
さらに、所望により、アクリル系、ブチラール系、アルコール系等の有機バインダ、溶媒等を添加し、ボールミル、振動ミル等の公知の混合方法によって混合する。
【0048】
次に、得られた混合粉末またはスラリーを一軸プレス法、鋳込法、押出成形法、ドクターブレード法等の公知の成型法によって所定形状に成形する。なお、焼成時の窒化アルミニウム粉末の焼結性を向上させ、焼結体を緻密化させるためには加圧圧力が80MPa以上、特に100MPa以上とするか、成形後、さらに200MPa以上の圧力で冷間静水圧プレス成型を行うことが望ましい。
【0049】
また、焼成においては、その焼成方法も特に限定されるものではなく、通常の抵抗加熱法、ホットプレス法、HIP法、マイクロ波焼成法等が挙げられる。焼成時の雰囲気はAlNの分解、酸化を防ぐため不活性雰囲気(真空雰囲気も含む)を用いることが必要で、望ましくは窒素ガス雰囲気が好ましい。
【0050】
さらに、焼成温度は1500℃〜2000℃であることが重要で、特に1600℃〜1800℃であることが望ましい。1500℃以下では緻密体が得られにくい傾向があり、あるいは焼成に長時間を要してしまって所望の熱伝導率を得るためにコストが上昇することがある。また、2000℃以上では加熱できる炉も限られ、焼成コストの上昇につながるため、上記範囲がよい。
【0051】
焼成時間は特に限定するものではないが、一般に5分〜3時間焼成することが望ましい。
【0052】
【実施例】
純度99%で、還元窒化法で作製された平均粒径1.5μmを有する窒化アルミニウム原料を用意し、焼結助剤として表1に示す周期律表第3a族元素の酸化物0.5〜3モル%の割合で添加した。ここで、窒化アルミニウムと周期律表第3a族元素の酸化物とは、モル%によって原料の調合を行った。
【0053】
次に、硼素源としてBNまたはB4Cを表1に示す添加量で添加した。硼素源は、全量中での重量%として添加した。
【0054】
これらの混合粉をIPA(イソプロピルアルコール)を溶媒とし、20時間ボールミルを行い湿式混合した。得られた混合粉末を乾燥した後、成形圧45MPaの一軸プレスによってφ20×10tの成形体を作製した後、該成形体に対して200MPaの冷間静水圧プレス(CIP)を施した。
【0055】
そして、得られた成形体を電気抵抗炉に設置し、窒素1atm雰囲気にて、1700℃〜1900℃で3時間焼成を行った。得られた試料について、アルキメデス法により理論密度に対する比率である相対密度を測定し相対密度は95%以上の試料で評価を行った。
【0056】
得られた焼結体の熱伝導率の測定は、レーザーフラッシュ法により行った。また、粒界相中のBの存在はTEM(透過型電子顕微鏡)に付属したEELS(電子エネルギー損失分光法)により粒界相に偏析しているかどうかを確認した。さらに、焼結体中のB量は、試料を粉砕後ICP発光分光分析装置によって行った。
また、プラズマに対する耐食性の評価は各焼結体をリアクティブイオンエッチング装置内に設置して、この装置内にCF4、CHF3およびArの混合ガス(ガス1)、またはSF6ガス(ガス2)を導入して装置内圧力を7〜10MPaに保持した。そして、13.56MHz、1kWの高周波を導入してプラズマを発生させ、試料をプラズマに接触させた。
上記の条件下で、3時間エッチング処理を行い、試料の重量減少からエッチング率を算出した。結果を表1に示した。
【0057】
【表1】
Figure 0004651148
【0058】
本発明の試料No.3〜10および12〜19は、エッチング率がガス1の場合29Å/min以下、ガス2の場合38Å/min以下であった。
【0059】
一方、硼素を添加しない本発明の範囲外の試料No.1および2は、熱伝導率が135W/mKと小さくエッチング率もガス1の場合40Å/min以上、ガス2の場合56Å/min以上であった。
【0060】
また、硼素の含有量が3%を越え、熱伝導率が134W/mKと小さく、本発明の範囲外の試料No.11は、エッチング率がガス1の場合48Å/min、ガス2の場合66Å/minであった。
【0061】
さらに、硼素源としてBNを添加した本発明の範囲外の試料No.20〜No.24では緻密化が阻害されているだけでなく、熱伝導率は低下し、その結果エッチング率がガス1の場合42Å/min以上、ガス2の場合58Å/min以上であった。
【0062】
【発明の効果】
発明によれば、窒化アルミニウム質焼結体の熱伝導率を高くすることができ、また、粒界相の耐プラズマ性を高めるため、CFやClF等のハロゲン系腐食ガスを用いたプラズマに対する耐食性に優れた耐プラズマ部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ装置の断面図である。
【符号の説明】
1・・・プラズマ装置
2・・・真空容器
3・・・ガス導入口
4・・・排気口
5・・・高周波用誘導電極
6・・・ウエハ
7・・・固定治具
8・・・耐プラズマ部材

Claims (2)

  1. 窒化アルミニウムを主成分とし、該窒化アルミニウムに対して周期律表第3a族元素の酸化物を0.01〜3モル%と、全量中B CをB量換算で0.01〜3重量%の割合で含有した成形体を、不活性雰囲気中1500℃〜2000℃で焼成して得られる窒化アルミニウム質焼結体であって、窒化アルミニウム結晶相を主体とし、該窒化アルミニウム結晶相の粒界に、少なくとも周期律表第3a族元素、アルミニウム、硼素、酸素を含有する粒界相が存在し、硼素量が0.01〜3重量%であるとともに、室温における熱伝導率が160W/mK以上を有する窒化アルミニウム質焼結体からなることを特徴とする耐プラズマ部材。
  2. 少なくとも真空容器と、ガスの導入装置と、プラズマ発生装置と、被処理物を保持する固定治具とを具備するプラズマ装置であって、該プラズマ装置の真空容器内のプラズマに接する部材として、請求項1に記載の耐プラズマ部材を用いたことを特徴とするプラズマ装置。
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