JP4650968B2 - 高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法 - Google Patents

高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医農薬の中間体等として有用なトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1,3−ジクロロプロペンは、シス−1,3−ジクロロプロペン(以下、シス体という。)とトランス−1,3−ジクロロプロペン(以下、トランス体という。)の異性体を有し、医学・農学分野で有用な化合物として知られている。
【0003】
従来、このシス体、トランス体を分離する方法として、例えば特公昭53−15484号公報では、プロペンと塩素を反応させて得られる反応生成物を蒸留して3−クロロプロペンを得た後、該蒸留後の塔底液から1,3−ジクロロプロペンのシス体、トランス体を分離する方法が開示されている。すなわち、上記塔底液には反応副生成物として1,3−ジクロロプロペンやC6オレフィン等の残留物が含まれているが、まず、該塔底液に塩素または臭素を作用させてC6オレフィンを選択的にハロゲン化し、次いでこの塔底液を蒸留して、1,3−ジクロロプロペンよりも低沸点の軽質成分を除去した後、該塔底液をさらに蒸留することにより、高沸成分としてハロゲン化されたC6オレフィンを除去し、低沸成分として1,3−ジクロロプロペンを分留する。そして、該1,3−ジクロロプロペンをさらに蒸留して、高沸成分としてトランス体を、低沸成分としてシス体を分離する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記方法では、シス体およびトランス体よりも低沸成分、高沸成分を順次、蒸留により除去した後に、シス体およびトランス体を分留し、これを蒸留してシス体とトランス体を分離する。この場合、トランス体はシス体より高沸点であることから、トランス体は高沸成分として分離される。そのため、該高沸成分としてのトランス体には、蒸発残分が混入する問題や、純度が低く着色成分が多く含まれる等の問題があった。
【0005】
また、トランス体は、一般に医薬中間体、農薬中間体および機能性材料の中間体等の原料として用いる場合、ハーゼン色数(APHA)が20以下であることが必要とされるのに対し、従来の方法で得られるトランス体のAPHAは500程度であり、かなり濃く着色しているという問題もあった。
【0006】
すなわち本発明は、上記の問題を解決し、高純度であり着色の少ないトランス体を効果的に得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、下記組成物(I)から得られる下記組成物(II)を蒸留して、塩素化または臭素化されたC6化合物〔化合物(X)〕を含む成分を高沸成分として除去し、トランス−1,3−ジクロロプロペンを低沸成分として得ることを特徴とする高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法を提供する。
【0008】
組成物(I):シス−1,3−ジクロロプロペン、トランス−1,3−ジクロロプロペンおよびC6化合物を含む組成物。
【0009】
組成物(II):下記組成物(IIA)および/または下記組成物(IIB)である組成物。
【0010】
組成物(IIA):組成物(I)を蒸留してシス−1,3−ジクロロプロペンを含む低沸成分を除去し、次に残余の高沸成分に塩素または臭素を作用させることにより得られる、トランス−1,3−ジクロロプロペンおよび塩素化または臭素化されたC6化合物〔化合物(X)〕を含む組成物。
【0011】
組成物(IIB):組成物(I)に塩素または臭素を作用させた後に蒸留して、シス−1,3−ジクロロプロペンを含む低沸成分を除去することにより得られる、トランス−1,3−ジクロロプロペンおよび塩素化または臭素化されたC6化合物〔化合物(X)〕を含む組成物。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図1、2を参照しながら詳述する。
【0013】
本発明の製造方法は、2回の蒸留工程と1回の塩素または臭素を作用させる工程を含む。より具体的には、組成物(I)に対して1回の蒸留(第1の蒸留)工程と、1回の塩素または臭素を作用させる工程を経過させることによって組成物(II)を得、次いで該組成物(II)に対して2回目の蒸留(第2の蒸留)工程を経過させることによって高純度で着色の少ないトランス体を得る。
【0014】
本発明に用いられる組成物(I)は、シス体、トランス体、およびC6化合物を含む。C6化合物とは、炭素数が6である化合物をいう。本発明における組成物(I)は、プロペンと塩素との反応生成物、または、該反応生成物から3−クロロプロペンを分離した残余物であることが好ましく、後者の残余物がより好ましい。具体的には、プロペンと塩素との反応生成物から3−クロロプロペンを蒸留して分離した塔底液が好ましく用いられる。該反応生成物または該残余物中に含まれるC6化合物としては、クロロヘキサン、クロロヘキサジエン等の炭素数6の塩素化炭化水素が挙げられる。塩素化炭化水素は飽和、不飽和のいずれも含む。該塩素化炭化水素は、塩素原子の結合位置や炭素−炭素不飽和結合の位置が異なる2種以上からなるのが通常である。また、本発明の組成物(I)は、C3化合物等のその他の成分を含んでいてもよい。C3化合物とは、炭素数が3である化合物をいい、1,3−ジクロロプロパン、1,2−ジクロロプロパンまたは3,3−ジクロロプロパン等の炭素数3の塩素化炭化水素が例示されうる。この場合も塩素化炭化水素は飽和、不飽和のいずれも含む。
【0015】
本発明における組成物(I)において、シス体の含有量は、好ましくは10〜40質量%であり、トランス体の含有量は、好ましくは10〜40質量%であり、C6化合物の含有量は、好ましくは20質量%以下である。また、C3化合物を含む場合の含有量は、組成物(I)中に、好ましくは60質量%以下である。
【0016】
本発明では、組成物(I)に対して、塩素または臭素を作用させる工程と、蒸留工程を経ることにより、組成物(II)を得る。以下、塩素または臭素を作用させる工程については、塩素で代表させて説明するが、本発明を塩素の場合に限定するわけではない。
【0017】
図1は、組成物(II)として組成物(IIA)を得る場合の本発明の製造方法の一例を示す。
【0018】
該方法では、組成物(IIA)6は、組成物(I)3を蒸留塔1内で蒸留(第1の蒸留。以下、A蒸留という。)して、シス体を含む低沸成分4を除去し、次に残余の高沸成分5に塩素を作用させて得られる。組成物(I)3が、C3化合物や、低沸のその他の成分を含む場合には、シス体とともにC3化合物や低沸のその他の成分は、低沸成分4として除去されうる。
【0019】
A蒸留において、低沸成分4の留出温度は、好ましくは20〜120℃、より好ましくは60〜80℃である。圧力(ゲージ圧、以下同様)は、好ましくは0〜1013hPa、より好ましくは80〜300hPaである。A蒸留は、通常は蒸留塔1を用いて行われ、好ましくは20〜50段、より好ましくは30〜50段の蒸留塔を用いうる。なお、第1の蒸留方式は特に限定されるものでなく、回分方式、連続方式等、任意に行い得る。
【0020】
A蒸留の残余の高沸成分5中には、トランス体およびC6化合物が含まれる。用いる組成物(I)3によっては、高沸成分5中には、他の高沸成分、着色成分、蒸留装置等から混入する蒸発残分等が含まれることもありうる。
【0021】
次いで、該高沸成分5に塩素を作用させる。その結果、組成物(IIA)が得られる。高沸成分5中に含まれるクロロヘキサジエン等の炭素−炭素不飽和結合含有化合物(C6化合物)の該不飽和結合に塩素付加したり、または、これらC6化合物中に存在しうるC−H部分を塩素置換することにより、塩素化されたC6化合物〔化合物(X)〕が生成される。高沸成分5に塩素を作用させる際には、通常は高沸成分5中に塩素ガスを吹き込めばよい。
【0022】
本発明における塩素を作用させる工程は、0〜100℃で行うのが好ましく、より好ましくは20〜60℃であり、通常は常温(25℃付近)で速やかに進行しうる反応である。塩素を作用させる温度が0℃より低いと、反応速度が遅くなり、本発明の製造方法を行う設備における塩素を作用させる工程の反応領域を広くとる必要があり、経済的および効率上において不利になる。また、100℃以上では、トランス体が塩素化されて、トランス体の収量が低下するおそれがある。
【0023】
本発明における塩素を作用させる工程は、低圧から高圧までのあらゆる圧力下で行うことができ、通常は常圧で行うのが好ましい。作用させる塩素の量は、好ましくはC6化合物の0.5〜5.0倍モル量、より好ましくは1.0〜2.0倍モル量である。塩素の量が、C6化合物の0.5倍モル量より少ないと、C6化合物の塩素化が充分に行われず高純度のトランス体を得られないおそれがある。一方、5.0倍モル量より多いと、トランス体の塩素化される量が増加しトランス体の収量が極端に低下するおそれがある。
【0024】
本発明における塩素を作用させる工程で用いられる塩素は、液体でも気体でもよい。
【0025】
本発明における塩素を作用させる工程では、C−HをC−Clに変換する反応が起きて、塩化水素が生成する場合がある。塩化水素が生成した場合には、塩素を作用させた組成物にフラッシング、放散、吸着、中和等の一般的な後処理を行い、塩化水素を除去したものを組成物(IIA)6とするのが好ましい。
【0026】
次に、組成物(II)として組成物(IIB)を得る場合の本発明の製造方法の一例を図2に示す。
【0027】
該方法では、組成物(I)3に塩素または臭素を作用させた後に、蒸留塔1内で蒸留(第1の蒸留。以下、B蒸留という。)を行う。塩素を作用させる工程は、上記の組成物(IIA)6を得る工程で述べたのと同様に実施できる。またB蒸留の操作もA蒸留と同様に実施できる。B蒸留では、シス体を含む低沸成分9が除去される。また、組成物(I)3中にC3化合物等が含まれる場合には、該C3化合物等は低沸成分9としてシス体とともに除去されうる。高沸成分として得られる組成物(IIB)10中には、トランス体および塩素化されたC6化合物〔化合物(X)〕が含まれうる。
【0028】
このようにして組成物(IIA)6および/または(IIB)10を得た後、これら組成物(IIA)6および/または(IIB)10を蒸留塔2内で蒸留(以下、第2の蒸留という。)する。組成物(IIA)6および/または(IIB)10中にはトランス体および化合物(X)が含まれ、かつ場合により着色成分や蒸発残分等が含まれると考えられる。
【0029】
第2の蒸留では、化合物(X)を高沸成分8として除去し、目的とするトランス体を低沸成分7として得る。トランス体以外の成分は高沸成分8として除去されるのが好ましい。さらに低沸成分7は蒸留塔2における塔頂からの成分として得るのが好ましい。
【0030】
第2の蒸留において、留出温度は、好ましくは20〜120℃、より好ましくは60〜80℃である。圧力(ゲージ圧、以下同様。)は、好ましくは0〜1013hPa、より好ましくは80〜300hPaである。第2の蒸留は、通常は蒸留塔2を用いて行われる。蒸留塔2の理論段数の上限に特に限定はないが、第2の蒸留は好ましくは1〜20段、より好ましくは1〜10段の蒸留塔で行うことができる。なお、第2の蒸留方式は特に限定されるものでなく、回分方式、連続方式等、任意に行い得る。
【0031】
本発明の製造方法では、着色の少ないトランス体が得られるが、無色である方が好ましい。また、そのハーゼン色数(APHA)は好ましくは200以下であり、より好ましくは100以下であり、さらに好ましくは20以下である。
【0032】
なお、ここでハーゼン色数(APHA)は、ASTM D1209−1980(米国規格協会規格)に準拠して測定される。色数標準液は、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム1.245g(白金として0.500g)、および塩化コバルト(II)六水和物1.000g(コバルトとして0.250g)を塩酸100mlに溶解し、さらに蒸留水で1000mlに希釈して、これをハーゼン色数500の色数標準液とするものである。ハーゼン色数100、50、20、10等の色数標準液は、ハーゼン色数500の色数標準液をそれぞれ蒸留水で5、10、25、50倍に薄めて調整したものである。ハーゼン色数は試料を規定の大きさの試験管(直径3cm、長さ約20cm)に入れて、目視で比較して同じ感じの色数標準液の番号で表示される。試験管の上面から観察した場合には、ハーゼン色数(APHA)と表記される。APHAはアメリカ公衆衛生協会(American Public Health Association)の略である。
【0033】
また本発明の製造方法では、高純度のトランス体が得られ、その純度は好ましくは98%以上であり、より好ましくは99%以上である。
【0034】
本発明の製造方法は、トランス体を得ることを目的とするが、シス体もまた得たい場合には、A蒸留で除去したシス体を含む低沸成分4および/またはB蒸留で除去したシス体を含む低沸成分9を用いて、A蒸留やB蒸留と同様の蒸留により、高純度のシス体を分取することもできる。
【0035】
本発明の方法で得られたトランス体および必要に応じて得られるシス体は、医農薬の中間体等として有用に用いうる。本発明の方法の全てまたは一部を回分法で実施しても、連続法で実施してもよい。
【0036】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これによって本発明はなんら限定されるものでない。例1〜3は実施例、例4は比較例である。なお表中の%の単位はガスクロマトグラフィにより求まる質量%である。なお、トランス体の%は、トランス体の純度も表している。
【0037】
[例1]
プロペンと塩素との反応生成物から3−クロロプロペンを蒸留して分離した塔底液(該塔底液の組成を表1の塔底液の欄に示す。)の500mLを、50段の蒸留塔で、留出温度60℃、圧力100hPaの条件で、回分蒸留を行った。該塔底液中のC3化合物およびシス体を含む組成物を、低沸成分として分留除去した。そして、該回分蒸留において高沸成分としてC6化合物およびトランス体を含む粗液150mLを得た。
【0038】
次いで、該粗液中に含有されるC6化合物の1.2倍モル量の塩素ガスと該粗液を混合し、30℃、大気圧で粗液に塩素を作用させた。その後、窒素にて塩化水素を放散した。次に、この粗液を5段の蒸留塔で、留出温度60℃、圧力100hPaの条件で蒸留し、低沸成分として高純度のトランス体を115mL得た。該低沸成分のガスクロマトグラフィによる分析結果、トランス体回収率およびハーゼン色数(APHA)を表1に示す。
【0039】
[例2]
例1と同じ塔底液を、100mL/時で、30段の蒸留塔に供給し、留出温度60℃、圧力100hPaの条件で連続的に蒸留した。該塔底液中のC3化合物およびシス体を含む組成物を、低沸成分として連続的に分留除去した。該蒸留の高沸成分として、塔底から粗液を30mL/時で抜き取った。
【0040】
次に、例1と同様に、該粗液に含有されるC6化合物の1.2倍モル量の塩素ガスと該粗液を混合し、30℃、大気圧で連続的に塩素を作用させた。その後、該粗液を粒状苛性ソーダ充填筒に通液して塩化水素を除去した。次に、通液した該粗液を5段の蒸留塔で、留出温度60℃、圧力100hPaの条件で蒸留し、低沸成分として高純度のトランス体を塔頂から23mL/時で得た。該低沸成分のガスクロマトグラフィによる分析結果、トランス体回収率およびハーゼン色数(APHA)を表1に示す。
【0041】
[例3]
例1と同じ塔底液を、まず最初に該塔底液中のC6化合物の1.5倍モル量の塩素ガスと混合し、30℃、大気圧で連続的に塩素を作用させた。続いて該塔底液を100mL/時で30段の蒸留塔に供給し、留出温度60℃、圧力100hPaの条件で連続的に蒸留した。C3化合物およびシス体を含む組成物を、低沸成分として連続的に分留除去した。該蒸留の高沸成分として塔底から塩素化されたC6化合物およびトランス体を含む粗液を抜き取った。さらに、得られた該粗液を5段の蒸留塔で、温度60℃、圧力100hPaの条件で連続的に蒸留し、低沸成分として高純度のトランス体を塔頂から23mL/時で得た。該低沸成分のガスクロマトグラフィによる分析結果、トランス体回収率およびハーゼン色数(APHA)を表1に示す。
【0042】
[例4]
例1と同じ塔底液500mLを、まず最初に該塔底液中のC6化合物の1.5倍モル量の塩素ガスと混合し、30℃、大気圧で塩素を作用させた。そして、窒素にて塩化水素を放散した。次に、この塔底液を50段の蒸留塔で、留出温度60℃、圧力100hPaの条件で、回分蒸留を行った。低沸成分としてC3化合物等を分留除去し、高沸成分として粗液290mLを得た。次に、該粗液を5段の蒸留塔で、留出温度60℃、圧力100hPaの条件で蒸留した。そして塔頂から、シス体およびトランス体を含む成分を低沸成分として250mLを得た。さらに該低沸成分を50段の蒸留塔で、留出温度60℃、圧力100hPaで蒸留して、塔底より高沸成分として、113mLのトランス体を得た。3回の蒸留を行ったが得られたトランス体は明らかに着色しており、さらに着色成分を除く操作を行う必要があった。着色成分除去前の高沸成分のガスクロマトグラフィによる分析結果、トランス体回収率およびハーゼン色数(APHA)を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004650968
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、医薬中間体、農薬中間体、機能性材料の中間体等に使用可能な高純度で着色の少ないトランス体を得ることができる。また、本発明の製造方法では、2回の蒸留操作と1回の塩素または臭素を作用させる工程により、高純度のトランス体を得ることができ、製造工程を大幅に短縮することができる。本発明の製造方法では、得られるトランス体は低沸成分として分離されるため、さらに蒸留することなく、活性炭等の吸着剤で脱色しなくても、着色が少ない蒸発残分のない高純度なトランス体が得られる。本発明の製造方法は、大容量のトランス体を製造しうる方法であり、少ない工程で特別な操作を必要としないことから、工業的実施にも適した優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明の製造方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 蒸留塔(第1の蒸留、すなわちA蒸留、B蒸留用)
2 蒸留塔(第2の蒸留用)
3 組成物(I)
4 A蒸留で得られる低沸成分
5 A蒸留で得られる高沸成分
6 組成物(IIA)
7 第2の蒸留で得られる低沸成分
8 第2の蒸留で得られる高沸成分
9 B蒸留で得られる低沸成分
10 組成物(IIB)
11 塩素ガス

Claims (7)

  1. 下記組成物(I)から得られる下記組成物(II)を蒸留して、塩素化または臭素化されたC6化合物〔化合物(X)〕を含む成分を高沸成分として除去し、トランス−1,3−ジクロロプロペンを低沸成分として得ることを特徴とする高純度で着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンの製造方法。
    組成物(I):シス−1,3−ジクロロプロペン、トランス−1,3−ジクロロプロペンおよびC6化合物を含む組成物。
    組成物(II):下記組成物(IIA)および/または下記組成物(IIB)である組成物。
    組成物(IIA):組成物(I)を蒸留してシス−1,3−ジクロロプロペンを含む低沸成分を除去し、次に残余の高沸成分に塩素または臭素を作用させることにより得られる、トランス−1,3−ジクロロプロペンおよび塩素化または臭素化されたC6化合物〔化合物(X)〕を含む組成物。
    組成物(IIB):組成物(I)に塩素または臭素を作用させた後に蒸留して、シス−1,3−ジクロロプロペンを含む低沸成分を除去することにより得られる、トランス−1,3−ジクロロプロペンおよび塩素化または臭素化されたC6化合物〔化合物(X)〕を含む組成物。
  2. 組成物(I)が、プロペンと塩素との反応生成物、または、該反応生成物から3−クロロプロペンを分離した残余物である請求項1に記載の製造方法。
  3. 組成物(I)が、さらに1,3−ジクロロプロパンを含む請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 化合物(X)が、塩素化されたC6化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 組成物(II)が、組成物(IIA)である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 組成物(II)を得る工程で除去したシス−1,3−ジクロロプロペンを含む低沸成分を、さらに蒸留することによりシス−1,3−ジクロロプロペンを分取する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 着色の少ないトランス−1,3−ジクロロプロペンが、ハーゼン色数(APHA)が200以下のトランス−1,3−ジクロロプロペンである、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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